説明

ヒンジ装置

【課題】機器本体とフタを回転開閉自在に連結し、回転作動に対してトルクを発生させるヒンジ装置に関して、小型で、高く安定した回転トルクと、優れた耐久磨耗性を達成するヒンジ構造を提供する。
【解決手段】(イ)一部に凹部を形成した缶状のカップと、(ロ)カップに縦列して配置した缶状のガイドと、(ハ)カップの軸心方向に延伸する「コ」字状をなし、先端部分に形成されたカップ内周に摺動する凸部或いは摺動部と、ガイドが直接或いは間接に回転を規制する支持部とを設けた第一、及び第二板ばね、とから構成されている。それらの板ばねの重なった状態での軸心方向長さを、カップとガイドの縦列配置された状態での軸心方向長さとおよそ同じにし、且つ、ガイドに回転規制された第一、及び第二板ばねの該凸部或いは摺動部がカップの内周部を押圧、摺動して、適切なトルクを発生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器本体とフタを回転開閉自在に連結し、回転作動に対してトルクが発生するヒンジ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機器開閉操作に関して、フタのフリーストップ機能やロック機能を有するヒンジ装置においては、機器に対してかなり小さいスペース(サイズ)で所要トルクを発生させるために、高出力のバネ(スプリングや板ばね)の採用が必要であり、その結果、トルクを発生させる摩擦部分やカム部分には高い圧力によって磨耗が発生し、耐久開閉回数やトルク値に対して限界があった。
また、これを改良するために、下記の文献にトルクを発生させる摩擦部分やカム部分を複数組(二組)にした構造も提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−266837号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−286023号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前者はトルク発生部分を単純に2組並列させているので部品点数やヒンジサイズ(長さ)において課題があり、後者のものでは部品点数やばね定数(作動時は、ばね変位が倍になり応力が高い。)に課題がある。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、非常に高い回転トルクを発生させながらも、サイズが小さい、トルクの安定した耐久磨耗性の良いヒンジ構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のヒンジ装置は、機器本体とフタを回転開閉自在に連結するヒンジ装置に於いて、(イ)機器本体もしくはフタの一方に対して直接或いは間接的に回転が規制される回転係止手段を有し、一部に凹部を形成した略円形状の内周部を有するパイプもしくは缶状のカップと、(ロ)機器本体もしくはフタの他方に対して直接或いは間接的に回転が規制される回転係止手段を有し、カップに対して軸心を一致、且つ縦列して配置したパイプもしくは缶状のガイドと、(ハ)ガイド内にほぼ収容され、且つ該軸心方向に延伸する「コ」字状をなし、それぞれの先端部分にはカップの内周部を押圧しつつ摺動し、且つ前記凹部に係合する凸部を形成し、該凸部付近にはガイドが直接或いは間接に回転を規制する支持部を設け、弾性体材質で作られた第一板ばねと、(ニ)ガイド内にほぼ収容され、且つ該軸心方向に延伸する「コ」字状をなし、それぞれの先端部分にはカップの内周部を押圧しつつ摺動する摺動部を形成し、該摺動部付近にはガイドが直接或いは間接に回転を規制する支持部を設け、第一板ばねに重なるように組立てられる弾性体材質で作られた第二板ばねとから構成され、第一板ばねと第二板ばねの重なった状態での軸心方向長さを、ヒンジ装置の基本構成をなしている縦列して配置された状態でのカップとガイドの軸心方向長さとおよそ同じにし、且つ、カップと、ガイドにより回転規制された第一、及び第二板ばねとの相対回転作動時に於いて、第一板ばねの凸部、及び第二板ばねの摺動部がカップの内周円形部を摺動する際の摩擦力、及び、少なくとも第一板ばねの前記凸部がカップの前記凹部に係合、離脱する際に生ずる落込み、乗り上げ作用力などによって、段階的なトルクを発生するようにしたことを特徴としている。
【0007】
請求項1に記載されたカップ及びガイドに於ける機器本体及びフタに対する回転係止手段は、カップ及びガイドの径方向の凹凸を利用して、直接的に機器本体及びフタに設けられた異形断面形状の穴と係合させて回転結合させるようにする、或いは、カップ及びガイドの外周にブッシュ、キャップなどの付加部品を取り付け、これを機器本体及びフタに設けられた異形断面形状の穴と係合させて、回転係止するものである。
請求項1に記載されたヒンジ装置の基本構成とは、機器本体とフタとの回動中心となりトルクを発生させる機能を果たすものを指していて、機器本体、或いはフタに有るヒンジ穴を埋めるための装飾的なキャップ部材とか、ヒンジ装置を機器本体、或いはフタに固定するための留め部材などを含まない。
【0008】
請求項2記載のヒンジ装置は、請求項1記載の第一、及び第二板ばねに於いて、曲げ元部分の幅を最大にし、それぞれの先端部に向けて幅が次第に縮小する形状であり、且つ両方が同形状であることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載された第一、及び第二板ばねは、曲げ応力をはり(梁)全体、ほぼ一様に受けるのでしなり易く、初期のたわみを大きく設定出来る。従って、カップの凹部の出入りに対する力が安定し、また曲げ応力変化が少ないので、ヒンジの出力トルクの安定、板ばねの耐久折れの安全に非常に有効である。
【0010】
請求項3記載のヒンジ装置は、請求項1記載の第二板ばねに於いて、摺動部は凸部であり、該凸部は前記カップ凹部に係合するように形成され、カップと、ガイドにより回転規制された第一、及び第二板ばねとの相対回転作動時に於いて、第一、及び第二板ばねの凸部がそれぞれほぼ同時にカップの凹部に係合、離脱し、その際の落込み、乗り上げ作用力によってトルクを発生するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、二個の板ばねそれぞれについてカップ凹部との乗り上げ及び(或いは)摩擦摺動部分を設け、即ちトルクの発生基点を二対とし、加えて、摩擦摺動や乗り上げ作用力によるトルク発生基点を、ヒンジ装置の最外径にあたる部分に位置させ、ヒンジの回転中心との距離(半径、もしくは力学上の[腕の長さ])を最大にしたので、低いバネ力でありながら所望のヒンジ回転トルク値を達成することが出来る。また、このことは、乗り上げ及び(或いは)摩擦摺動部分の耐久磨耗を極めて少なくし、たわみ耐久によるバネ折れを安全にするなどの効果を奏し、高耐久、高信頼ヒンジ装置の実現を可能にする。また、二個の板ばねは重ねられており、サイズ増大は極めて少ない。
一方、一個の板ばねでトルク値や耐久性が成り立つヒンジを基準にすれば、その二倍のトルクを発生させる高トルク仕様のヒンジ装置とすることも可能である。
摩擦摺動や乗り上げ作用力の基点となる板ばねの凸部付近にその反力を受ける支持部を設けたので、反力による凸部の移動、フラツキがなく精度の良い作動を可能にし、板ばねに対するねじり応力の発生が防止され、板ばねのバネ折れをさらに安全にすることが出来る。また、板ばねそのものの先端部に摩擦や乗り上げ作用力の基点にするものを形成したので、部品点数を低減することも出来る。
二個の板ばねは、ガイド内にほぼ収容され、そこから部分的に突出した凸部、摺動部がガイドに縦列して配設されたカップに収まる形態をしており、ヒンジ機能に必要なヒンジの長さにおいて、それとおよそ同じ長さの板ばねとしている。従って、ヒンジサイズの小型化を図れ、また、板ばねはそのスペースが中空で広いので大きいサイズ、且つ、基部の曲げアールを大きく設計出来ることから、高い回転出力トルクを得ることや、板ばねの曲げ応力の低減から曲げに対しての高耐久性が得られる。
さらに、カップとガイドを縦列して配置してあることから、内部がほぼ密閉された構造となり、摩擦面や乗り上げ作用点に対して、給油した油の流出や外部からのごみ、ほこりの介入が防止される。
さらに、バネ力を発生させる板ばねは、次第に板幅が縮小する形状であり、よくしなうので、初期たわみ量を大きくすることが出来、折り曲げ工程に於けるバラツキ許容量が増やせ、作動中では、板ばねの最大、最小たわみ(凹部2cにある時と乗り上げた時)に対してのバネ力変動が小さくなり、トルク値を安定させることが出来る。
板ばねは、先端の凸部がカップの凹部か摺動部にあるかで、たわみの傾きが異なるが、そこを半球状として均一的に当接させ、高耐摩耗性を得ている。
以上の如く、回転角度に対して精度良く作動し、高く、且つバラツキが少なく経時的にも安定したトルク値出力が得られるという耐久信頼性が高い、そして廉価なヒンジ装置を提供出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1、乃至、図3は、本発明の実施形態にかかる折畳み携帯電話機用のヒンジ装置のそれぞれ組立て断面図、そのA−A、B−B矢視図である。コの字状に折り曲げられた第一板ばね1は、中央の基部1aに対して、上下対称形をなし、それぞれの先端部に半球状の凸部1bが設けられている。同様にコの字状に折り曲げられ、第一板ばね1に重なるように組立てられた第二板ばね2は、中央の基部2aに対して、上下対称形をなし、それぞれの先端部に半球状の凸部2bが設けられている。カップ3は、缶形状をなしており、その円筒部3aの内周には、摺動部3bを有し、さらに、中心対象に断面が台形状をした、外径方向に2つの張出し部分があり、凹部3cとキー形状部3e部を形成している。第一、及び第二板ばねの凸部1b、及び2bは、ヒンジ軸方向に僅かにずれてカップの摺動部3bの内周、或いは凹部3cに位置する。略円筒状でプラスティック製のガイド4は、底部4dの所に小円筒部4fを有しており、カップの摺動部3bと径方向に少ない隙間で係合し、カップ3の回転ガイドを行う。また、底部4dの所にある開口部4cは、第一、及び第二板ばねの凸部1b、及び2b部分などを逃げる角穴である。H字状の平面形状をした第一、及び第二ガイド板5、及び6は、ガイドの底部4dにそれぞれ平行部5c、6cにより回転不能に取れ付けられ、中心穴5a、及び6aを通過する軸7の径小部7bに中心出しされカシメ固定される。7cはカシメ部である。軸の径大部7aは、カップ底部3dと軸方向に僅かなスキマを設け、且つ、カップ穴3hとスキマバメにしてあり、カップ3を回転自在に保持する。第一、及び第二ガイド板5、及び6のそれぞれにある、中心対象の2つのフォーク部5b、6bは、第一、及び第二板ばね1、及び2のそれぞれの先端にある凸部1b、2b近傍の支持部1c、2cを少ない隙間で挟んでいて、凸部1b、2bがトルクを受けた時にも常に等しい中心角度(180°)に位置するように規制する機能を有している。合成樹脂で作られたカバー8は、第二板ばねの基部2aと近接して抜け止めをする突出部8aが設けられていて、ガイドの横穴4hに掛かるフック部8bでガイド4に固定される。9は、携帯電話機本体であり、挿入穴9a設けられ、ガイド4が係合している。9bは、挿入穴9aに設けられたキー溝である。10は、携帯電話機フタであり、挿入穴10aには、ガイド4の一部が係合して本体9とフタ10とが同心に決められる。さらに、カップ3の開口部高さ程のキー形状部3eに係合する溝10bを設けて回転を規制し、フタ10の開閉作動に合わせてカップ3が回転作動するようにしてある。なお、図3(図5も同様)において第二板ばね2の内側に第一板ばね1の断面が位置するが、図面が繁雑になるので省略した。
【0013】
図4、及び図5は、前述の図2、及び図3のそれぞれに対して、カップ3が矢印方向に45°回転した状態を表す平面図である。図2、及び図3に示すフタ10、即ちカップ3が開閉安定位置にあるときは、第一、及び第二板ばねの凸部1b、及び2bがカップの凹部3cに落ち込んでいている。フタ10を開き始めると、連動してカップ3が回転し、台形状の凹部3cの斜面部がそれぞれの半球状の凸部1b、及び2bを同時に押し上げる状態になる。このときに発生する力は、フタ10を開閉安定位置に保持する力でもある。さらに回転が進み図4、及び図5に示すような凸部1b、及び2bがカップの摺動部3bに位置する状態では、第一、第二板ばね1、2のたわみは増加して強いばね力を生じ、それによる高い摩擦力がカップ3、即ちフタ10の回動を制動するようになり、携帯電話の開閉途中において、フタ10が自身で回転したり、がたついたりすることを防止する。この一連の作動において、第一、及び第二板ばねの支持部1c、及び2cの回転方向の力は、第一、及び第二ガイド板のフォーク部5b、及び6bが支え、第一、及び第二板ばねの凸部1b、及び2bは単純に上下動する。このように、フタ10の回転に伴って、(1)凸部1b、及び2bを同時に押し上げるトルク、(2)摺動部3bに位置して摩擦力でフタ10の回動を制動しているときのトルク、(3)凸部1b、及び2bが凹部3cに落ち込むときのトルクと、段階的なトルクを発生する。
【0014】
図6、及び図7は、図1乃至図5に示した本発明の実施例におけるそれぞれ第一、及び第二板ばね1、及び2の斜視図である。第一、及び第二板ばねの平行部1d、及び2dは、基部1a、2aからそれぞれの先端部(2つの凸部1b、及び2b)に向かって、次第に幅が狭くなるよう略台形形状にしてある。このことにより、バネ定数(バネ力/たわみ量)が低くなり、当該板ばね1、及び2の初期たわみ量を大きくすることが出来るので、折り曲げ工程に於けるバラツキ許容量が増やせる。また、ヒンジ作動に伴う当該板ばね1、及び2の繰り返しの最大、最小たわみにおいて、それぞれのたわみに対するバネ力の変化が小さいので、回転トルク値が安定し、また、曲げ応力変化も少なくなるので、当該板ばね1、及び2のへたり(永久変形)や折れの耐久性も良い。カップの凹部3cが第一、及び第二板ばねの凸部1b、及び2bを押し上げる際に、凸部1b、2bは周方向の大きい反力を受け、これによってその凸部の位置の周方向移動やフラツキを起こしたりする。さらに、この反力は、当該板ばね1、及び2の回転中心に対してねじりモーメントとして作用するが、当該板ばね1、2のバネ機能部分(それぞれ基部1a、2a、及び平行部1d、2d)には、もともとの板厚方向の曲げモーメントが掛かっており、さらにこのねじりモーメントが加わると非常に応力破壊しやすい。これらの問題を解決するために、凸部1b、及び2bの近傍にそれぞれ支持部1c、及び2cを設けて、図2乃至図5に示すように、第一、及び第二ガイド板のフォーク部5b、6bでその反力を受け、前述の凸部の周方向位置移動、及びねじりモーメントの発生を防止するようにしている。2eは、ガイド4の内周における干渉を避ける斜面部である。
【0015】
図8は、図1乃至図5に示した本発明の実施例におけるカップ3の斜視図である。概略缶形状をしており、円筒部3aには、摺動部3bを有し、さらに、中心対象に断面が台形状をした凹部3cとキー形状部3e部を有している。底部3dには、穴3hがある。
【0016】
図9は、図1に示した本発明の実施例におけるガイド4の斜視図である。略円筒状をしており、携帯電話機本体9、及びフタ10を同心に回転ガイドする円筒部4a、携帯電話機本体9との回転を規制するキー形状部4b、底部4dとそこにある開口部4c、軸7が挿入される穴4e、カップ3の回転ガイドになる小円筒部4f、カバー8をフック固定するための穴4hがある。4gは、第一、及び第二ガイド板のそれぞれ平行部5c、6cと当接して、回転防止をする角形状部である。
【0017】
本実施例では、第一、及び第二ガイド板5、及び6を設けているが、第一、及び第二板ばね1、及び2のバネ力が許せば、支持部1c、2cの幅を同一にしてガイド板を1個にすることも、一方のばねの支持部付近に突起部を他方にその収容部を設けてどちらかのばねだけを1個のガイド板で支持することも、さらに、金属粉末成形や金属鍛圧加工などの加工法によりガイドとガイド板のすべてを一個にまとめることも可能である。
また、本実施例では、第一、及び第二板ばね1、及び2にそれぞれ凸部1b、及び2bを設けたが、第二板ばね2には凸部2bを形成せず先端を凹部3cより幅広の平板状にすることで、摩擦摺動力だけを発生させるような本実施例とは異なる仕様のヒンジ装置を得ることも可能である。
本実施例では、2個の板ばね(第一、及び第二板ばね1、及び2)としているが、3個以上の複数であっても、同様の作用、効果を得ることが可能である。
また、第一、及び第二板ばね1、及び2は、単板の薄板ばねにしているが、重ね板ばねにして一個あたりのバネ力を向上させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態にかかる折畳み携帯電話機用のヒンジ装置の組立て断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図である。
【図3】図1における、B−B矢視図である。
【図4】図2に対して、カップ3が45°回転した状態を表す平面図である。
【図5】図3に対して、カップ3が45°回転した状態を表す平面図である。
【図6】図1乃至図5に示した本発明の実施例における第一板ばね1の斜視図である。
【図7】図1乃至図5に示した本発明の実施例における第二板ばね2の斜視図である。
【図8】図1乃至図5に示した本発明の実施例におけるカップ3の斜視図である。
【図9】図1に示した本発明の実施例におけるガイド4の斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 第一板ばね
1b 凸部
1c 支持部
2 第二板ばね
2b 凸部(摺動部)
2c 支持部
3 カップ
3c 凹部
4 ガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器本体とフタを回転開閉自在に連結するヒンジ装置に於いて、機器本体もしくはフタの一方に対して直接或いは間接的に回転が規制される回転係止手段を有し、一部に凹部を形成した略円形状の内周部を有するパイプもしくは缶状のカップと、前記機器本体もしくはフタの他方に対して直接或いは間接的に回転が規制される回転係止手段を有し、前記カップに対して軸心を一致、且つ縦列して配置したパイプもしくは缶状のガイドと、前記ガイド内にほぼ収容され、且つ該軸心方向に延伸する「コ」字状をなし、それぞれの先端部分には前記カップの内周部を押圧しつつ摺動し、且つ前記凹部に係合する凸部を形成し、該凸部付近には前記ガイドが直接或いは間接に回転を規制する支持部を設け、弾性体材質で作られた第一板ばねと、前記ガイド内にほぼ収容され、且つ該軸心方向に延伸する「コ」字状をなし、それぞれの先端部分には前記カップの内周部を押圧しつつ摺動する摺動部を形成し、該摺動部付近には前記ガイドが直接或いは間接に回転を規制する支持部を設け、前記第一板ばねに重なるように組立てられる弾性体材質で作られた第二板ばねとから構成され、前記第一板ばねと前記第二板ばねの重なった状態での軸心方向長さを、縦列して配置された状態でのカップとガイドの軸心方向長さとおよそ同じにし、且つ、前記カップと、前記ガイドにより回転規制された前記第一、及び第二板ばねとの相対回転作動時に於いて、前記第一板ばねの凸部、及び第二板ばねの摺動部が前記カップの円形内周部を摺動する際の摩擦力、及び、少なくとも前記第一板ばねの凸部が前記カップの凹部に係合、離脱する際に生ずる落込み、乗り上げ作用力などによって、段階的なトルクを発生するようにしたことを特徴とするヒンジ装置。
【請求項2】
前記第一、及び第二板ばねは、曲げ元部分の幅を最大にし、それぞれの先端部に向けて幅が次第に縮小する形状であり、且つ両方が同形状であることを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
【請求項3】
前記第二板ばねの摺動部は凸部とし、該凸部は前記カップ凹部に係合するように形成され、前記カップと、前記ガイドにより回転規制された前記第一、及び第二板ばねとの相対回転作動時に於いて、前記第一、及び第二板ばねの凸部がそれぞれほぼ同時に前記カップの凹部に係合、離脱し、その際の落込み、乗り上げ作用力によってトルクを発生するようにしたことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−17235(P2006−17235A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196297(P2004−196297)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000154680)株式会社平和時計製作所 (24)
【Fターム(参考)】