説明

ビューファインダの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置

【課題】被写体によって輪郭成分の量は様々で、輪郭成分のダイナミックレンジが異なる。これを補助する機能として、被写体に合ったスケールで表示するように、カメラマンが手動で設定して、輪郭成分の量の変化を見易くすることができる。しかし、カメラマンが表示のスケールを必要の都度手動で設定しなければならず、操作が煩雑になるという問題があった。そこで、VFの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】輪郭成分の量に応じてビューファインダの焦点表示スケールを自動的に可変して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関わり、特に撮像装置のビューファインダに関する。
【背景技術】
【0002】
操作者(カメラマン)が撮像装置を使用中するときにおいて、被写体に焦点を合わせる場合には、ビューファインダやモニタ(以下、VFと称する)に映る映像を見ながら手動で光学レンズのフォーカス合わせ(合焦)を行う。VF(ビューファインダまたはモニタ)によってダイナミックレンジが異なる。ダイナミックレンジの狭いVFでは、画面に輪郭強調を施しても、カメラマンが、合焦点であるかどうかが確認し難いという問題があった。この問題を解決するため、特許文献1や特許文献2には、焦点の具合に応じて、輪郭強調信号部分に任意の色を付加するか、または、点滅表示させる技術が記載されている。
また、この合焦を補助する機能として、被写体の輪郭情報を数値化し、さらに棒グラフ化して輪郭成分の量をVFに表示するものがある。カメラマンは、表示された最大値と最小値を示す棒状(または、箱状)の図形中に示された現在の輪郭成分の量を示す図形の長さが最大になる点を合焦位置とするものである。
しかし、VFの画面の大きさは一定であるため、現在の輪郭成分の量を示す図形を表示する棒状(または、箱状)図形の表示範囲には、画面上の制限がある。
また、輪郭成分の量は、被写体によって様々であり、輪郭成分のダイナミックレンジが異なる。このため、輪郭成分の量が大きい被写体に合わせて輪郭成分の量の表示スケールを大きな値に設定すると、輪郭成分の量が小さい被写体の場合には、現在の輪郭成分の量を示す現在の輪郭成分の量を示す図形が微量の範囲でしか動かず(伸縮せず)、カメラマンが確認しようとしても量の変化が分かり難く、合焦点の位置の判別が難くなる。逆に、小さい輪郭成分の量を判別し易くするために輪郭成分の量の表示スケールを小さな値に設定すると、輪郭成分の量が大きい被写体に対する現在の輪郭成分の量を示す図形を表示しようとしても、VFの画面の表示範囲外にはみだし、全体が表示できない。即ち、かつ、カメラマンが確認しようとしている輪郭成分の量が分からない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−8065号公報
【特許文献2】特開2008−67053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来は、被写体の輪郭成分の量は、焦点合わせを実行してみないと判別できない。このため、光学レンズの一度焦点合わせ(フォーカス合わせ)を行ってから被写体の輪郭成分の量を確認し、被写体の輪郭成分の量が最大であることを確認するには、輪郭成分の量が増えるように焦点を変更していき、最大の輪郭成分量に達してから。また小さくなることを確認しなければ、最大の輪郭成分量に達したことが分からない。そのため、焦点合せを何回も行う必要がある。
さらに、被写体によって輪郭成分の量は様々で、輪郭成分のダイナミックレンジが異なる。これを補助する機能として、被写体に合ったスケールで表示するように、カメラマンが手動で設定して、輪郭成分の量の変化を見易くすることができる。しかし、カメラマンが表示のスケールを必要の都度手動で設定しなければならず、操作が煩雑になるという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑み、VFの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のビューファインダの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置は、光学レンズ、前記光学レンズを通った被写体像を撮像して映像信号を出力する撮像部、前記映像信号を画像処理する映像信号処理部、前記映像信号から輪郭成分を検出する輪郭成分検出部、前記光学レンズの焦点を調節するフォーカス調節部、前記映像信号と前記輪郭成分の量を表示するビューファインダ、カメラマンの操作に応じて前記フォーカス調節部を操作する操作部、および前記各装置を制御する制御部を備えた撮像装置であって、前記輪郭成分検出部は、輪郭成分の量に応じてビューファインダの焦点表示スケールを自動的に可変して表示するようにしたものである。
【0006】
即ち、上記発明のビューファインダの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置において、前記輪郭成分検出部は、前記映像信号の輪郭成分を抽出する輪郭検出部と、前記抽出された輪郭成分を積算する積算器と、第1の閾値と前記積算値を比較する第1の比較器と、第2の閾値と前記積算値を比較する第2の比較器と、第1の比較器の立ち上がりを検出する第1の立ち上がり検出器と、第2の比較器の立ち上りを検出する第2の立ち上がり検出器と、前記第1の立ち上がり検出器がHighでセットされ、前記第2の立ち上がり検出器の出力がHighでリセットされるSRフリップフロップと、前記SRフリップフロップの出力を判別信号として1倍スケール表示図形と2倍スケールの表示図形信号のどちらかを選択してスケール信号として出力する第1のセレクタと、前記積算値を1/2倍して2倍スケールの積算値を出力する1/2倍器と、前記SRフリップフロップの出力を判別信号として前記積算値と前記積算器の1/2倍の値を選択して輪郭成分の量をインジケータ信号として出力する第2のセレクタとを有し、前記制御部は、前記スケール信号と前記インジケータ信号と前記映像信号とを合成する合成器とからなり、輪郭成分の積算値に応じて前記ビューファインダの輪郭成分の量を表示するスケールを自動的に可変することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カメラマンの手動操作を必要としないため、輪郭成分の量の変化に応じて、輪郭成分の量の表示のスケールが自動的に変更できる。このため操作性が向上し、かつ、スケールが迅速および確実に切り替わるため、合焦点を判別し易いビューファインダの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の撮像装置の輪郭成分検出部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の撮像装置のVFの表示画面のスケール表示を示す図である。
【図4】本発明の撮像装置におけるビューファインダの焦点表示スケールの表示の変更の一実施例を説明するための図である。
【図5】本発明の一実施例の撮像装置の輪郭成分検出部の構成要素の信号のタイミングチャートの一実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図の説明において、共通な機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、できるだけ説明の重複を避けるため、説明を省略するようにした。
また、本発明は、以下の実施例に限定されるわけではなく、本発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神に基づいて、本発明を修正若しくは変更できる発明が含まれることは勿論である。
【0010】
本発明のVF(ビューファインダまたはモニタ)の焦点表示スケールを可変可能な撮像装置は、現在撮像中の画像を表示画面に表示すると共に、撮像装置本体を調節するためのパラメータ設定のための種々の情報を表示している。そのうちの1つとして、VFには、画像と共に輪郭成分の量が表示される。
【0011】
撮像装置は、焦点が被写体に合ってくる(合焦点に近くなる)につれて輪郭成分の量も増大し、合焦点のときに最大の輪郭成分の量となる。この輪郭成分の量の変動を棒グラフ化する(若しくは、棒状に長さの変動で表示する)ことによって、その長さの伸縮で合焦具合が判別できる。
このとき、本発明の撮像装置では、VFの画面上の表示範囲が有限なことを考慮し、最大量に到達する前に第1の閾値を設け、第1の閾値に達した時点で棒グラフ等の図形(棒図形)の表示スケールを2倍に変更する。即ち、このときの画面上の表示範囲(最大の表示範囲)を変化させず、スケールを2倍に変更するにする。従って、同じ輪郭成分の量を示す棒図形の表示長さが、スケールが2倍に切り替わった時点では、輪郭成分の量を示す棒図形の表示長さが半分になっている。
この表示状態では、棒図形の変化の割合、つまり感度も半分になる。しかし、輪郭成分の量が大きい条件では、感度が下がっても問題なく合焦点を判別することができる。
【0012】
また、光学レンズの焦点合わせは、一旦合焦点の位置を通過してからレンズフォーカスリングを逆回転させて再度焦点合わせするという動作になる。従って、VFの表示スケールが頻繁に変わってしまうと焦点合わせに支障をきたす。このため、スケールを2倍にするときの閾値(第1の閾値Th1)と、スケールを2倍から半分(元の1倍)に変更するときの閾値(第2の閾値Th2)にヒステリシスを持たせる(Th1>Th2)ことでスケールは頻繁に切り替えられることがなくなり、焦点合わせがスムーズになる。
【0013】
本発明に係る実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、101はカメラヘッド、102は光学レンズ、103はビューファインダ(VF)、104はカメラヘッドの操作部、105は映像信号の出力端子である。また、111はCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子からなる撮像部、112は映像信号処理部、114は輪郭成分検出部、115はCPU等の制御部、116は光学レンズ102のフォーカスを調節するフォーカス調節部、なお、記憶部を内蔵する。また制御部115は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)である。
【0014】
図1において、光学レンズ102から入射した被写体(図示せず。)の光は、撮像部111で映像信号に変換され、映像信号処理部112に入力される。映像信号処理部112は、入力された映像信号を適宜伝送に必要な信号形態に変換し、映像信号の出力端子105から、例えば、放送用として送出されると共に、制御部115に出力する。また、撮像部111からの映像信号は、輪郭成分検出部114に入力される。輪郭成分検出部114は、撮像部111で撮像された画像の内、選択された輪郭成分検出範囲の映像信号を取込んで輪郭成分の量を検出し、検出した輪郭成分の量を制御部115に出力する。
【0015】
制御部115は、入力された輪郭成分の量と入力された映像信号をVF103の表示形式に変換してVF103に出力する。また制御部115は、操作部104から入力されるカメラマンの操作に基づいて、例えば、フォーカス調節量を調節するための制御信号をフォーカス調節部116に出力する。フォーカス調節部116は、制御部115から与えられた制御信号に基づいてレンズ102に信号を出力し、レンズの焦点距離を変更する。
VF103は、制御部から入力された映像(輪郭成分の量の表示)を表示画面に表示する。
【0016】
本発明の撮像装置の輪郭成分検出部の一実施例を図2と図5によって説明する。図2は、本発明の撮像装置の輪郭成分検出部の一実施例の構成を示すブロック図である。200は輪郭成分検出部、1は輪郭抽出部、2は積算器、3は第1の閾値入力端子、4は第1の比較器、5は第1の立ち上り検出器、6は第2の閾値入力端子、7は第2の比較器、8は第2の立ち上り検出器、9はSRフリップフロップ、10は1/2倍器、11は2倍スケール入力器、12は1倍スケール入力器、13は第1のセレクタ、14は第2のセレクタである。
また、図5は、図2の輪郭成分検出部200の諸構成要素の信号のタイミングチャートの一実施例を示す図である。横軸は時間で、縦軸は信号レベルである。各信号は横軸の時間が上下で同期している。
【0017】
図2の輪郭成分検出部200において、映像信号が撮像部(図1参照)から、輪郭抽出器1に入力される。一方、この映像信号は、制御部(図1参照)の合成器18にも入力される。また、第1の閾値入力端子3から、あらかじめ定められた第1の閾値Th1が、第1の比較器4に入力される。同様に、第2の閾値入力端子6から、あらかじめ定められた第2の閾値Th2が、第2の比較器7に入力される。
輪郭抽出器1は、入力された映像信号の所定の範囲の映像信号を取込んで輪郭成分を抽出して積算器2に出力する。積算器2は、入力された輪郭成分を所定の期間積算して、1/2倍器10、第2のセレクタ14、第1の比較器4、および第2の比較器7に出力する。1/2倍器10は、積算器2から入力された輪郭成分の量の値を1/2倍して第2のセレクタ14に出力する。
【0018】
第1の比較器4は、積算器2から入力された輪郭成分の量と第1の閾値Th1とを常に比較し、輪郭成分の量が第1の閾値Th1以上の場合に、第1の立ち上がり検出器5にHighレベルの信号を出力し、輪郭成分の量が第1の閾値Th1未満になった場合に、第1の立ち上がり検出器5にLowレベルの信号を出力する。
また、第2の比較器7は、積算器2から入力された輪郭成分の量と、第2の閾値Th2とを常に比較し、輪郭成分の量が第2の閾値Th2以上の場合に、第2の立ち上がり検出器8にLowレベルの信号を出力し、輪郭成分の量が第2の閾値Th2未満になった場合に、第2の立ち上がり検出器5にHighレベルの信号を出力する。
第1の立ち上がり検出器5は、第1の比較器4からの出力信号がLowレベルからHighレベルに立ち上がった場合に、1パルスの信号をSRフリップフロップ9のset端子Sに入力する。同様に、第2の立ち上がり検出器8は、第2の比較器7からの出力信号がLowレベルからHighレベルに立ち上がった場合に、1パルスの信号をSRフリップフロップ9のrset端子Rに入力する。
SRフリップフロップ9は、端子Sと端子Rの入力信号パルスの組み合わせに従って、第1のセレクタ13および第2のセレクタ14に、HighまたはLow信号を端子Qから出力する。
【0019】
第1のセレクタ13には、2倍スケールと1倍スケールの最大表示の画像が入力される。
第1のセレクタ13は、SRフリップフロップ9から入力された出力信号が、Highの時に、2倍スケールの最大表示の画像をスケール信号として制御部の合成器18に出力する。また、第1のセレクタ13は、SRフリップフロップ9から入力された出力信号が、Lowの時に、1倍スケールの最大表示の画像をスケール信号S1として制御部の合成器18に出力する。
また、第2のセレクタ14は、SRフリップフロップ9から入力された出力信号がHighの時に、1/2倍器10からの出力信号と積算器2からの出力信号のうち、1/2倍器10からの出力信号を選択して、インジケータ信号S2として合成器18に出力する。また、第2のセレクタ14は、SRフリップフロップ9から入力された出力信号が、Lowの時に、1/2倍器10からの出力信号と積算器2からの出力信号のうち、積算器2からの出力信号を選択してインジケータ信号S2として合成器18に出力する。
【0020】
合成器18は、撮像部から入力された映像信号に、スケール信号S1およびインジケータ信号S2を重畳してVFにVF映像信号を出力する。
VFは、例えば、図3に示すVFの表示画面の一実施例のようにスケールを表示する。300はVFの表示画面、301は映像表示領域、302は輪郭成分の量の最大表示範囲を示す図形(長方形若しくは箱)、303は目盛、304は現在の輪郭成分の量を示す図形(棒グラフ)である。
図3に示すように、輪郭成分の量304は、VFに表示可能な最大量を最大表示範囲302とし、最大表示範囲302内に固定の目盛303を表示して、輪郭成分の量が、現在最大表示範囲302内のどのあたりにあるか分かり易くしている。
例えば、図3において、表示画面300の中心、横300画素、縦150画素の範囲を設け、この内側の輪郭成分を抽出し合計する。この合計値を棒グラフ状に画面に表示して合焦具合を表現する。表示場所は撮影の邪魔にならないように画面の端とする。HDTVの場合横幅が2200画素なのでグラフの最大量を2000に設定する。グラフの目安となるように目盛りを500毎に表示する。
なお、上記画素は、HDTVの画素サイズからVFの表示画面の画素サイズに縮小されて表示される。
【0021】
図4と図5および図2によって、本発明のビューファインダの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置の一実施例をさらに説明する。図4は、本発明の撮像装置におけるビューファインダの焦点表示スケールの表示の変更の一実施例を説明するための図である。図5に示す上部の期間T0、T1、T2、T3、およびT4、並びに時刻P1、P2、P3によって、図4のスケール表示の表示変更を説明する。401は現在の輪郭成分の量を示す図形、402は最大表示範囲を示す図形、403は目盛、404、405、406、407、407’は現在の輪郭成分の量を示す図形である。
【0022】
図4において、図5に示す期間T0では、輪郭成分の量は、第2の閾値Th2未満であり、かつ第1の閾値Th1未満である。この時、第1の比較器4は、Lowレベルを出力し、第2の比較器7はHighレベルを出力している。従って、SRフリップ9の出力Qは、Lowレベルを出力している。この結果、スケール信号S1は1倍スケールを出力し、インジケータ信号S2は1倍のスケールで輪郭成分の量を出力している(図4(a)参照)。
次に、時刻P0の時、輪郭成分の量は、第2の閾値Th2以上であり、かつ第1の閾値Th1未満である。この時、第1の比較器4は、Lowレベルをそのまま出力し、第2の比較器7はLowレベルの出力に切り替わる。従って、SRフリップ9の出力Qは、Lowレベルをそのまま出力している。この結果、スケール信号S1は1倍スケールを出力し、インジケータ信号S2は1倍のスケールで輪郭成分の量を出力する。
その後、期間T1の間、この状態を維持する(図4(a)参照)。
【0023】
また次に、時刻P1の時、輪郭成分の量は、第2の閾値Th2以上であり、かつ第1の閾値Th1以上となる。このままでは、現在の輪郭成分の量を示す図形401が、最大表示範囲を示す図形302と同じとなり、それ以上の量を表示できない(図4(b)参照)。
この時、第1の比較器4は、Highレベルの出力に切り替わり、第2の比較器7はLowレベルをそのまま出力する。この時、SRフリップ9の出力Qは、Highレベルの出力に切り替わる。この結果、スケール信号S1は2倍スケールを出力し、インジケータ信号S2は1/2倍のスケールで輪郭成分の量を出力する。
その後、期間T2の間、この状態を維持する(図4(c)参照)。
【0024】
また次に、時刻P2の時、輪郭成分の量は、第1の閾値Th1以上であるが、第2の閾値Th2未満となる。この時、第1の比較器4は、Lowレベルの出力に切り替わり、第2の比較器7はLowレベルをそのまま出力する。この時、SRフリップ9の出力Qは、Highレベルをそのまま出力する。この結果、スケール信号S1は2倍スケールを出力し、インジケータ信号S2は1/2倍のスケールで輪郭成分の量を出力する(図4(d)参照)。
その後、期間T4の間、この状態を維持する。その後、多少変動があっても、輪郭成分の量が、第1の閾値Th1以上で第2の閾値Th2未満の場合には、この状態で表示を続ける(図4(e)参照)。
【0025】
次に、時刻P3の時、輪郭成分の量は、第2の閾値Th2未満であり、かつ第1の閾値Th1未満となる。このままでは、現在の輪郭成分の量を示す図形407が、最大表示範囲を示す図形402に比べはるかに小さく表示され、カメラマンは輪郭成分の変動を明瞭に確認することができない(図4(f)参照)。
この時、第1の比較器4は、Lowレベルをそのまま出力し、第2の比較器7はHighレベルの出力に切り替わる。この時、SRフリップ9の出力Qは、Lowレベルの出力に切り替わる。この結果、スケール信号S1は1倍スケールを出力し、インジケータ信号S2は1倍のスケールで輪郭成分の量を出力する。
その後、期間T4の間、この状態を維持する(図4(g)参照)。
【0026】
上記実施例によれば、撮像画像の表示の邪魔にならないように画面の端に、輪郭成分の量が表示され、その最大表示範囲およびスケールが、検出された輪郭成分の量に応じて自動的に変更されてVFに表示される。この結果、カメラマンは、表示のスケールを手動で変更する必要が無くなる。従って、カメラマンの操作の負坦を減少することができる。
即ち、上記実施例によれば、被写体の輪郭成分に適したスケールを撮像装置が自動的に切り替えてVFに表示できるため、合焦点を判別し易くし、カメラマンは状況に応じてゲインを操作する必要がなくなるので撮影に集中できる。
また、表示のスケールを切り替える閾値にヒステリシスを持たせることでスケールの切り替え頻度が減少し焦点合わせがスムーズになる。
【符号の説明】
【0027】
1:輪郭抽出部、 2:積算器、 3:第1の閾値入力端子、 4:第1の比較器、 5:第1の立ち上り検出器、 6:第2の閾値入力端子、 7:第2の比較器、 8:第2の立ち上り検出器、 9:SRフリップフロップ、 10:1/2倍器、 11:2倍スケール入力器、 12:1倍スケール入力器、 13:第1のセレクタ、 14:第2のセレクタ、 101:カメラヘッド、 102:光学レンズ、 103:ビューファインダ、 104:カメラヘッドの操作部、 105:映像信号の出力端子、 111:撮像部、 112:映像信号処理部、 114:輪郭成分検出部、 115:制御部、 116:フォーカス調節部、 200:輪郭成分検出部、 300:表示画面、 301:映像表示領域、 302:最大表示範囲を示す図形(長方形若しくは箱)、 303:目盛、 304:現在の輪郭成分の量を示す図形(棒グラフ)、 401:現在の輪郭成分の量を示す図形、 402:最大表示範囲を示す図形、 403:目盛、 404、405、406、407、407’:現在の輪郭成分の量を示す図形。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学レンズ、前記光学レンズを通った被写体像を撮像して映像信号を出力する撮像部、前記映像信号を画像処理する映像信号処理部、前記映像信号から輪郭成分を検出する輪郭成分検出部、前記光学レンズの焦点を調節するフォーカス調節部、前記映像信号と前記輪郭成分の量を表示するビューファインダ、カメラマンの操作に応じて前記フォーカス調節部を操作する操作部、および前記各装置を制御する制御部を備えた撮像装置であって、前記輪郭成分検出部は、輪郭成分の量に応じてビューファインダの焦点表示スケールを自動的に可変して表示するようにしたことを特徴とするビューファインダの焦点表示スケールを可変可能な撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−163711(P2012−163711A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23205(P2011−23205)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】