説明

フェニルイソシアネートに基づくウレタンアクリレート、その製造方法およびその使用方法

【課題】高い屈折率を有する新規な特別に置換されたフェニルイソシアネートに基づくウレタンアクリレートならびに該化合物の製造方法および使用方法を提供する。
【解決手段】一般式(I):


で示されるウレタンアクリレート、その対応する塩、溶媒和物または塩の溶媒和物、ならびにその製造方法および使用方法によって上記課題が解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い屈折率を有する新規な特別に置換されたフェニルイソシアネートに基づくウレタンアクリレートならびに該化合物の製造方法および該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
高い屈折率(n)を有する被覆が、様々な応用から、例えば、光学レンズ、反射防止被覆、平面導波路またはホログラフ的に書込み可能なフィルムから既知である。高い屈折率を有する被覆は、原則的に様々な方法によって製造することができる。純粋に物理的な経路によって、高い屈折率を有する金属酸化物(例えば、TiO2、Ta25、CeO2、Y23など)を、いわゆる「スパッター法」におけるプラズマ法により高真空中で堆積させる。これにより、可視波長範囲において2.0を超える屈折率を問題なく達成することができるが、この方法は比較的複雑であり、高価なものになる。
【0003】
例えば、特許文献1および特許文献2は、通常のポリマーよりも高い屈折率を固有に有し、かつ、通常の被覆法に従って有機溶液から簡単な方法で表面に適用することができる有機ポリマー、例えば、イオウ含有ポリマーまたはハロゲン化アクリレート(テトラブロモフェニルアクリレート、Polyscience Inc.)を開示している。しかし、その屈折率は、可視波長範囲で測定して、通常は約1.7までの値に限定される。
【0004】
ますます重要になりつつあるさらなる変法は、金属酸化物ナノ粒子に基づくものであり、該ナノ粒子が、有機またはポリマーのバインダー系に導入される。対応するナノ粒子-ポリマーハイブリッド配合物を、様々な基材に簡単かつ経済的な方法で、例えばスピンコーティングによって適用することができる。達成可能な屈折率は、通常は、最初に挙げたスパッター表面と、高い屈折率を有するポリマー層との間である。ナノ粒子含量を増加させることによって、屈折率を高くすることができる。例えば、特許文献3は、ナノ粒子-アクリレートハイブリッド系の製造を開示しており、その層は高い屈折率を有し、有機溶媒中に金属酸化物(例えば、酸化チタン、酸化インジウムまたは酸化スズなど)およびUV架橋可能なバインダー(例えばアクリレートに基づくバインダー)を含有する。スピンコーティング、溶媒の蒸発およびUV照射の後に、可視波長範囲で測定して、屈折率の実部nが1.60〜1.95である対応する被覆を得ることができる。
【0005】
しかし、物理特性に加えて、加工性および他の成分との適合性も重要である。即ち、通常は高い屈折率を有するモノマーのホモポリマーまたはコポリマーとして、光重合によって得られる有機材料は、例えば、光学成分、例えばレンズ、プリズムおよび光学コーティングの製造のために(例えば特許文献4を参照)、またはホログラフィック材料におけるコントラストの製造のために(例えば特許文献5を参照)、重要な役割を果たす。このようなおよび同様の応用のために、例えば高い屈折率を有する成分を混合することによって、屈折率を目標様式で調節することができ、それをある範囲で変化させることができることが必要とされている。
【0006】
上記した使用分野のために、通常は、オレフィン性不飽和化合物[好ましくは(メタ)アクリレートなど]のポリマーが使用されている。1.5またはそれ以上の屈折率を達成するために、特許文献6に記載されるハロゲン置換された芳香族(メタ)アクリレートまたは特別のアルキルメタクリレートを使用することができる。これらの複雑な製造のゆえに、特に後者は不利である。
【0007】
置換フェニルイソシアネートに基づくウレタンアクリレートが、対応するポリマーの製造に適することが非特許文献1に記載されている。
【0008】
特許文献7は、λ=532nmにおいて少なくとも1.5の屈折率を有する(メタ)アクリレートを開示しており、これは、光学データ媒体、特にホログラフィック保存方法のための媒体の製造に適しており、工業的に利用可能な原料に基づいている。これに関連して、フェニルイソシアネートに基づく化合物も知られているが、これらは、常にイソシアネート側が未置換フェニル環に基づいている。
【0009】
フォトポリマー配合物において、高い屈折率を有するアクリレートは、コントラスト付与成分として決定的な役割を果たす(特許文献8)。信号および参照光ビーム(最も簡単な場合において2つの平面波)の干渉場を、高い屈折率を有するアクリレートによって干渉場中の高強度の位置において局所的な光重合により、信号の全情報(ホログラム)を含む屈折率格子にマッピングする。次いで、ホログラムを参照光ビームのみで照らすことによって、信号を再構成することができる。入射参照光の強度に対する該再構成信号の強度は、回折効率(または下記のDE)と称される。2つの平面波の重ね合わせによって形成されるホログラムの最も簡単な場合において、DEは、再構成時に回折した光の強度と、入射参照光および回折光の強度の合計の商から得られる。DEが高いほど、ホログラムは、一定の明るさで信号を可視化するために必要な参照光の必要量の点でより効率的である。高い屈折率を有するアクリレートは、最も低い屈折率の領域と最も高い屈折率の領域の間に、高い振幅を有する屈折率格子を生成することができ、これにより、フォトポリマー配合物において高いDEを有するホログラムを可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0964019号明細書
【特許文献2】国際公開第2004/009659号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0176169号明細書
【特許文献4】米国特許第5916987号明細書
【特許文献5】米国特許第6780546号明細書
【特許文献6】米国特許第6794471号明細書
【特許文献7】未公開の国際出願PCT/EP2008/002464
【特許文献8】米国特許第6780546号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】ボウマン(Bowman)、Polymer 2005、46、p.4735-4742
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、一般的には、高い屈折率を有する新規な特別に置換されたフェニルイソシアネートに基づくウレタンアクリレートならびに該化合物の製造方法および該化合物の使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、特別に置換されたフェニルイソシアネートに基づくウレタンアクリレートを硬化させて、特に高い屈折率を改善されたDE値と組合せて有する被覆および成形品を得ることができ、従って、該化合物が、高い屈折率を有する材料、特に、光学レンズ、反射防止被覆、平面導波路またはホログラフ的に書込み可能な材料の製造のための出発材料として特に適することを見いだした。
【0014】
即ち、本発明は、一般式(I):
【化1】

[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子あるいは(C1-C6)アルキル、トリフルオロメチル、(C1-C6)アルキルチオ、(C1-C6)アルキルセレノ、(C1-C6)アルキルテルロまたはニトロ基であってよく、ただし、R1、R2、R3、R4およびR5基の少なくとも1つは水素ではなく;
6およびR7は、それぞれ独立して、水素または(C1-C6)アルキル基であってよく;そして
Aは、飽和もしくは不飽和または直鎖もしくは分岐鎖の(C1-C6)アルキル基あるいはポリエチレンオキシド(m=2〜6)基またはポリプロピレンオキシド(m=2〜6)基である]
で示されるウレタンアクリレートに関する。
また、式(I)で示される化合物の対応する塩、溶媒和物または塩の溶媒和物も包含される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本明細書中に記載の実施例において使用したホログラフィック測定配置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の1つの態様には、以下の一般式(I)で示されるウレタンアクリレート、その対応する塩、溶媒和物または塩の溶媒和物が含まれる:
【化2】

[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルセレノ、C1-6アルキルテルロ、およびニトロ基からなる群から選択される置換基であり、ただし、R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも1つは水素ではなく;
6およびR7は、それぞれ独立して、水素およびC1-6アルキルからなる群から選択される置換基であり;そして
Aは、飽和もしくは不飽和または直鎖もしくは分岐鎖のC1-6アルキル基あるいは2〜6個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を有するポリアルキレンオキシド基である]。
【0017】
本発明の別の態様には、本発明の様々な態様に従ってウレタンアクリレートを含んでなる層、層構造物および/または成形品が含まれる。
【0018】
本発明のさらに別の態様には、本発明の層または成形品を含んでなる物品、例えば、光学レンズ、鏡、偏向鏡、フィルター、散乱スクリーン、回折素子、導波路、導光路、映写スクリーン、マスク、個人肖像、機密文書における生体提示、画像、画像構造およびこれらの組合せが含まれる。
【0019】
好ましいR1〜R5基は、(C1-C6)アルキルチオ置換基または塩素もしくは臭素であり、メチルチオ置換基または塩素もしくは臭素が特に好ましい。特に好ましい態様において、R1、R2、R3、R4およびR5基の少なくとも1つが、(C1-C6)アルキルチオ置換基または塩素もしくは臭素であり、それ以外のR1、R2、R3、R4およびR5基は水素原子である。好ましいR6およびR7基は水素原子である。A基は、好ましくは直鎖C2-C4または分岐鎖C3アルキル基、特に好ましくは直鎖C2またはC4アルキル基である。
【0020】
本発明のウレタンアクリレートは、以下の式(II)で示されるイソシアネートを、以下の式(III)で示されるイソシアネート反応性化合物と反応させることによって得られる:
【化3】

【化4】

[式中、各基は、上記した意味を有する]。
【0021】
図面について
本発明の上記要約ならびに下記の詳細な説明は、添付の図面と一緒に読んだときに、よりよく理解されるであろう。本発明の説明を助ける目的で、例示の代表的な態様が図面に示されている。しかし、本発明は、図面に示された配置および手段に、いかなる意味においても限定されるものではないことを理解すべきである。
【0022】
詳細な説明
本明細書において、他に明示することがなければ、単数形は、「1つまたはそれ以上の」および「少なくとも1つの」と交換可能に使用されている。従って、例えば、本明細書または添付の特許請求の範囲における「ウレタンアクリレート」への言及は、単一のウレタンアクリレートまたは1つを超えるウレタンアクリレートを意味することができる。さらに、他に特記することがなければ、全ての数値は、用語「約」によって修飾されているものと解される。
【0023】
式(II)で示される化合物の例は、2-チオメチルフェニルイソシアネート、3-チオメチルフェニルイソシアネート、4-チオメチルフェニルイソシアネート、2-クロロフェニルイソシアネート、3-クロロフェニルイソシアネート、4-クロロフェニルイソシアネート、2-ブロモフェニルイソシアネート、3-ブロモフェニルイソシアネート、4-ブロモフェニルイソシアネート、2-ヨードフェニルイソシアネート、3-ヨードフェニルイソシアネート、4-ヨードフェニルイソシアネート、またはこれらの混合物である。
【0024】
2-チオメチルフェニルイソシアネート、3-チオメチルフェニルイソシアネート、4-チオメチルフェニルイソシアネート、2-クロロフェニルイソシアネート、3-クロロフェニルイソシアネート、4-クロロフェニルイソシアネート、2-ブロモフェニルイソシアネート、3-ブロモフェニルイソシアネート、4-ブロモフェニルイソシアネート、またはこれらの混合物が好ましい。
【0025】
2-チオメチルフェニルイソシアネート、3-チオメチルフェニルイソシアネートおよび4-チオメチルフェニルイソシアネート、3-クロロフェニルイソシアネート、3-ブロモフェニルイソシアネート、またはこれらの混合物が特に好ましい。
【0026】
使用しうる式(III)で示される化合物は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、またはこれらの混合物である。
【0027】
2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、またはこれらの混合物が好ましい。
【0028】
2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレートおよび4-ヒドロキシブチルアクリレート、またはこれらの混合物が特に好ましい。
【0029】
式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物との反応はウレタン化である。式(II)で示される化合物と式(III)で示される化合物との反応を、イソシアネート付加反応を促進することが知られる触媒の助けを借りて促進することができる。このような触媒は、例えば、第三アミン、スズ、亜鉛、鉄またはビスマス化合物などであり、特に、トリエチルアミン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ビスマスオクタノエートまたはジブチルスズジラウレートである。これらを、最初に同時導入するか、または後に計量導入することができる。
【0030】
本発明のウレタンアクリレートは、ウレタンアクリレートを基準に、0.5重量%未満、好ましくは0.2重量%未満、特に好ましくは0.1重量%未満のイソシアネート基(M=42)または遊離残留モノマーの含量を有する。さらに、本発明のウレタンアクリレートは、ウレタンアクリレートを基準に、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.2重量%未満の未反応成分である式(III)の化合物を含有する。
【0031】
本発明のウレタンアクリレートの製造において、式(II)の化合物および式(III)の化合物を、非反応性溶媒、例えば芳香族もしくは脂肪族の炭化水素または芳香族もしくは脂肪族のハロゲン化炭化水素、あるいは被覆用溶媒、例えば酢酸エチルもしくは酢酸ブチルまたはアセトンもしくはブタノンまたはエーテル、例えばテトラヒドロフランまたはtert-ブチルメチルエーテル、あるいは双極性の非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシドまたはN-メチルピロリドンもしくはN-エチルピロリドンに溶解することができ、当業者に周知の方法により、最初に導入するか、または計量導入することができる。
【0032】
反応終了後に、非反応性溶媒を、大気圧下または減圧下に混合物から除去し、固体含量を測定することによって終点を決定する。固体含量は、ウレタンアクリレートを基準に、通常は99.999〜95.0重量%、好ましくは99.998〜98.0重量%の範囲内である。
【0033】
さらに、安定剤を添加することによって、本発明のウレタンアクリレートを、望ましくない重合から保護することができる。このような安定剤は、酸素含有ガス、ならびに、例えばHouben-Weyl、Methoden der organischen Chemie(有機化学の方法)、第4版、第XIV/1巻、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1961、第433頁以降に記載されるような化学安定剤であってよい。例として以下のものを挙げることができる:亜ジチオン酸ナトリウム、硫化水素ナトリウム、イオウ、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、ヒドラゾベンゼン、N-フェニル-β-ナフチルアミン、N-フェニルエタノールジアミン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、p-ニトロソジメチルアニリン、ジフェニルニトロソアミン、フェノール、例えばパラ-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、p-tert-ブチルピロカテコールまたは2,5-ジ-tert-アミルヒドロキノン、二硫化テトラメチルチウラム、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム塩、フェノチアジン、N-オキシル化合物、例えば、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン N-オキシド(TEMPO)またはその誘導体のいずれか。2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノールおよびパラ-メトキシフェノールおよびこれらの混合物が好ましい。このような安定剤は、安定化するウレタンアクリレートを基準に、通常は0.001〜1重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%の量で使用する。
【0034】
本発明に従って式(I)のウレタンアクリレートから得られる層、層構造および成形品は、405nmにおいて、通常は>1.50、好ましくは>1.55、特に好ましくは>1.58の屈折率を有し、従って、同じように本発明の対象を形成する。
【0035】
さらに、本発明に従って式(I)のウレタンアクリレートを含有する配合物から得られる層、層構造および成形品は、反射配置において2ビーム干渉によって測定して、通常は>25%、好ましくは>30%、特に好ましくは>40%、非常に特に好ましくは>50%のDE値を有する。方法の正確な記述は、本願の実施例の項に含まれている。
【0036】
即ち、本発明の式(I)で示されるウレタンアクリレートは、ホログラフィック媒体およびホログラフィックフォトポリマーフィルムの製造に顕著に適している。
【0037】
従って、本発明は、ホログラフィック媒体およびホログラフィックフォトポリマーフィルムを光に暴露し、そこで、ポリマーマトリックス中に存在する本発明のウレタンアクリレートを、電磁放射によって選択的に重合させる方法にも関する。
【0038】
光への適切なホログラフィック暴露の後、そのようなホログラフィック媒体は、例えば、光学レンズ、鏡、偏向鏡、フィルター、散乱スクリーン、回折素子、導波路、導光路、映写スクリーンおよび/またはマスクの機能を有するホログラフィック光学素子の製造に適している。
【0039】
さらに、それを用いてホログラフィック画像または提示を製造することもできる。これらは、例えば、個人肖像、機密文書における生体提示のため、あるいは広く、広告、機密ラベル、商標保護、商標ブランド化、ラベル、デザイン素子、装飾、イラスト、トレーディングカードなどのための画像または画像構造、およびデジタルデータを表すことができる画像、特に上記物品と組合せた画像である。
【実施例】
【0040】
以下に非限定的な実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。
他に記すことがなければ、全ての%データは重量%に基づく。
【0041】
屈折率の測定を波長405nmで行った。試料の波長の関数として屈折率nを、透過および反射スペクトルから得た。この目的のために、試料の約100〜300nm厚みのフィルムを、スピンコーティングによって、酢酸ブチル中の希釈溶液から石英ガラス基材に適用した。この層パケットの透過および反射スペクトルを、STEAG ETA Optikからの分光計 CD-Measurement System ETA-RTで測定し、次いで、層厚みおよびnのスペクトル曲線を、測定した透過および反射スペクトルに適合させた。これは、分光計の内部ソフトウエアーを用いて行うが、ブランク測定において予め測定した石英ガラス基材のnデータをさらに必要とする。
【0042】
実施例1:2-({[3-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)エチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.02g)、Desmorapid Z(0.01g)、3-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(11.7g)を、100mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、2-ヒドロキシエチルアクリレート(8.2g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで冷却を行った。生成物を淡黄色液体として得た。
【0043】
実施例2:2-({[3-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)プロピル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.05g)、Desmorapid Z(0.02g)、3-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(26.8g)を酢酸エチル(50g)中で、250mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、2-ヒドロキシプロピルアクリレート(21.1g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで、酢酸エチルを5mバールで留去し、冷却を行った。生成物を淡黄色液体として得た。
【0044】
実施例3:2-({[3-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ブチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.05g)、Desmorapid Z(0.02g)、3-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(26.7g)を、250mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、2-ヒドロキシブチルアクリレート(23.3g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで、酢酸エチルを5mバールで留去し、冷却を行った。生成物を結晶性固体として得た。
【0045】
実施例4:2-{2-[2-({[3-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)エトキシ]エトキシ}エチル 2-メチルプロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.02g)、Desmorapid Z(0.01g)、3-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(8.6g)を、100mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(PEM3、LAPORTE Performance Chemicals UK LTDから)(11.7g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで冷却を行った。生成物を淡黄色液体として得た。
【0046】
実施例5:19-{[3-(メチルスルファニル)フェニル]アミノ}-19-オキソ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサノナデカ-1-イル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.02g)、Desmorapid Z(0.01g)、3-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(6.4g)を、100mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、Bisomer(TM) PEA 6 (Cognis Deutschland GmbH & Co KGから)(13.6g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで冷却を行った。生成物を淡黄色液体として得た。
【0047】
実施例6:2,5,8,11,14,17-ヘキサメチル-19-{[3-(メチルスルファニル)フェニル]アミノ}-19-オキソ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキソノナデカ-1-イル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.02g)、Desmorapid Z(0.01g)、3-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(5.6g)を、100mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、Bisomer(TM) PPA 6 (Cognis Deutschland GmbH & Co KGから)(14.3g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで冷却を行った。生成物を結晶性固体として得た。
【0048】
実施例7:2-({[2-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)プロピル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.008g)、Desmorapid Z(0.004g)、2-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(4.8g)を酢酸エチル(8.5g)中で、50mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、3-ヒドロキシプロピルアクリレート(3.7g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで、酢酸エチルを5mバールで留去し、冷却を行った。生成物を淡黄色液体として得た。
【0049】
実施例8:2-({[2-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ブチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.008g)、Desmorapid Z(0.004g)、2-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(4.3g)を酢酸エチル(8.5g)中で、50mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、3-ヒドロキシブチルアクリレート(4g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで、酢酸エチルを5mバールで留去し、冷却を行った。生成物を淡黄色液体として得た。
【0050】
実施例9:2-({[4-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)エチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.02g)、Desmorapid Z(0.01g)、4-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(4.7g)を酢酸エチル(25g)中で、100mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、2-ヒドロキシエチルアクリレート(4.1g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで、酢酸エチルを5mバールで留去し、冷却を行った。生成物を結晶性固体として得た。
【0051】
実施例10:2-({[4-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)プロピル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.02g)、Desmorapid Z(0.01g)、4-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(14.0g)を酢酸エチル(25g)中で、100mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、3-ヒドロキシプロピルアクリレート(11.0g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで、酢酸エチルを5mバールで留去し、冷却を行った。生成物を淡黄色液体として得た。
【0052】
実施例11:2-({[4-(メチルスルファニル)フェニル]カルバモイル}オキシ)ブチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.02g)、Desmorapid Z(0.01g)、4-(メチルチオ)フェニルイソシアネート(13.3g)を酢酸エチル(25g)中で、100mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、3-ヒドロキシブチルアクリレート(11.6g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで、酢酸エチルを5mバールで留去し、冷却を行った。生成物を結晶性固体として得た。
【0053】
実施例12:2-{[(3-クロロフェニル)カルバモイル]オキシ}エチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.15g)、Desmorapid Z(0.075g)、3-クロロフェニルイソシアネート(85.3g)を、500mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、3-ヒドロキシブチルアクリレート(65.5g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで冷却を行った。生成物を結晶性固体として得た。
【0054】
実施例13:2-{[(3-ブロモフェニル)カルバモイル]オキシ}エチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.015g)、Desmorapid Z(0.007g)、3-ブロモフェニルイソシアネート(9.4g)を、20mlの試料びんに導入し、60℃に加熱した。次いで、3-ヒドロキシブチルアクリレート(5.5g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで冷却を行った。生成物を結晶性固体として得た。
【0055】
比較例1:2-[(フェニルカルバモイル)オキシ]エチル プロパ-2-エノエート
初めに、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(0.25g)、Desmorapid Z(0.12g)、フェニルイソシアネート(126.4g)を、500mlの丸底フラスコに導入し、60℃に加熱した。次いで、2-ヒドロキシエチルアクリレート(123.3g)を滴下し、イソシアネート含量が0.1%以下に低下するまで、混合物をさらに60℃に維持した。次いで冷却を行った。生成物を結晶性固体として得た(独国特許第2329142号に記載される製造)。
【0056】
【表1】

【0057】
光学特性を試験するために、以下に記載するように媒体を製造し、光学測定を行った。
ポリオール成分の製造
初めに、スズオクタノエート(0.18g)、ε-カプロラクトン(374.8g)および2官能ポリテトラヒドロフランポリエーテルポリオール(当量 500g/モルOH)(374.8g)を、1Lのフラスコに導入し、120℃に加熱し、固体含量(非揮発性成分の割合)が99.5重量%またはそれ以上になるまで、この温度に維持した。次いで、冷却を行い、生成物をワックス状固体として得た。
【0058】
媒体1
上記のように製造したポリオール成分(5.927g)を、実施例1からのウレタンアクリレート(2.50g)、CGI 909(Ciba Inc、Basle、スイス国からの実験生成物)(0.10g)およびニューメチレンブルー(new methylene blue)(0.010g)、さらにN-エチルピロリドン(3.50g)と60℃で混合し、透明な溶液を得た。次いで、30℃までの冷却を行い、Desmodur XP 2410(Bayer MaterialScience AG、Leverkusen、独国の実験生成物、ヘキサンジイソシアネートに基づくポリイソシアネート、イミノオキサジアジンジオンの割合:少なくとも30%、NCO含量:23.5%)(1.098g)を添加し、再び混合を行った。最後に、Fomrez UL 28(ウレタン化触媒、Momentive Performance Chemicals、Wilton、CT、米国からの市販製品)(0.006g)を添加し、再び短い混合を行った。次いで、得られた液体材料を、ガラスプレート上に注ぎ、それを第2のガラスプレートで覆い、これをスペーサーによって20μmの間隔で維持した。この試験片を、初めに室温で30分間放置し、次いで50℃で2時間硬化させた。
媒体2〜5を、表1に挙げた実施例から同様にして製造した。
【0059】
比較媒体
上記のように製造したポリオール成分(5.927g)を、2-[(フェニルカルバモイル)オキシ]エチル プロパ-2-エノエート(比較例1)(2.50g)、CGI 909(Ciba Inc.、Basle、スイス国の実験生成物)(0.10g)およびニューメチレンブルー(0.010g)、さらにN-エチルピロリドン(3.50g)と60℃で混合し、透明な溶液を得た。次いで、30℃までの冷却を行い、Desmodur XP 2410(Bayer MaterialScience AG、Leverkusen、独国の実験生成物、ヘキサンジイソシアネートに基づくポリイソシアネート、イミノオキサジアジンジオンの割合:少なくとも30%、NCO含量:23.5%)(1.098g)を添加し、再び混合を行った。最後に、Fomrez UL 28(ウレタン化触媒、Momentive Performance Chemicals、Wilton、CT、米国からの市販製品)(0.006g)を添加し、再び短い混合を行った。次いで、得られた液体材料を、ガラスプレート上に注ぎ、それを第2のガラスプレートで覆い、これをスペーサーによって20μmの間隔で維持した。この試験片を、初めに室温で30分間放置し、次いで50℃で2時間硬化させた。
【0060】
反射配置における2ビーム干渉による媒体のホログラフィック特性の測定
次いで、記載のように製造した媒体のホログラフィック特性を、図1に示す測定配置を用いて、以下のように試験した。
He-Neレーザー(放射波長633nm)のビームを、空間フィルター(SF)および視準レンズ(CL)の助けを借りて、平行な均一ビームに変換した。信号および参照ビームの最終横断面を、虹彩絞り(I)によって決定した。虹彩絞り開口部の直径は0.4cmである。偏光依存ビームスプリッター(PBS)が、レーザービームを2つの可干渉性(コヒーレント)の同一偏光ビームに分割する。λ/2プレートによって、参照ビームの電力を0.5mWに調節し、信号ビームの電力を0.65mWに調節した。これらの電力を、試料の除去後に、半導体検出器(D)によって測定した。参照ビームの入射角(α)は21.8°であり、信号ビームの入射角(β)は41.8°である。試料(媒体)の位置において、2つの重なりビームの干渉場は、試料に入射する2つのビームの角二等分線に垂直である明および暗ストリップの回折格子(反射ホログラム)を与えた。媒体中のストリップ間隔は約225nmであった(媒体の屈折率は約1.49であると仮定される)。
【0061】
図1中の参照記号の意味
M=鏡、S=シャッター、SF=空間フィルター、CL=コリメーターレンズ、λ/2=λ/2プレート、PBS=偏光感受性のビームスプリッター、D=検出器、I=虹彩絞り、α=21.8°、β=41.8°。
【0062】
以下のようにして、ホログラムを媒体中に書込んだ。
暴露時間tの間、両シャッター(S)を開いた。
次いで、シャッター(S)を閉じながら、媒体の未重合の書込みモノマーを5分間拡散させた。
【0063】
ここで、書込んだホログラムを以下のようにして読んだ。信号ビームのシャッターは閉じたままであった。参照ビームのシャッターを開いた。参照ビームの虹彩絞りを、直径<1mmに閉じた。これは、ビームが、常に完全に、媒体の回転の全角度(Ω)に対して、予め書込んだホログラム中に存在することを確実にした。ここで、ターンテーブルは、コンピューター制御下に角度ステップ幅0.05°でΩ=0〜20°の角度範囲をカバーしていた。到達した各角度Ωにおいて、ゼロオーダーにおいて透過したビームの電力を、対応する検出器Dによって測定し、第1オーダーにおいて回折したビームの電力を、検出器Dによって測定した。到達した各角度Ωにおいて、回折効率は、以下の商として得られた:回折ビーム検出器の電力/(回折ビーム検出器の電力+透過ビーム検出器の電力)。
【0064】
ホログラムの最大回折効率(DE)、即ちそのピーク値を測定した。この目的のために、回折ビーム検出器の位置を変更して該最大値を測定することが必要になることもある。
ある配合物のために、必要なら、この操作を、異なる媒体において異なる暴露時間tで数回繰り返して、飽和値に到達したホログラムDEの書込み中の入射レーザービームの平均エネルギー用量を測定した。この平均エネルギー用量Eは、2つの部分ビームの電力(0.50mWおよび0.67mW)、暴露時間tおよび虹彩絞りの直径(0.4cm)から、次の式によって得られる:
【数1】


部分ビームの電力は、同じ電力密度が、媒体において、使用した角度αおよびβで達成されるように適合させた。
【0065】
以下のDE測定値(%)が、用量E(mJ/cm)において得られた。
【表2】


動的範囲に対して見いだされた値(DE)は、比較媒体において使用したウレタンアクリレートは、ホログラフィック媒体において使用するのに適していないが、その一方で、媒体1〜5中のウレタンアクリレートは、その比較的高いDE値のゆえに、ホログラフィック媒体の製造に非常に適していることを示す。
【0066】
当業者なら、広い発明の概念から逸脱することなく、上記した態様に変更を加えうることを理解するであろう。即ち、本発明は、開示した特定の態様に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に規定されるような本発明の思想および範囲に含まれる修飾を包含することが意図されているものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)で示されるウレタンアクリレート、その対応する塩、溶媒和物または塩の溶媒和物:
【化1】

[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルセレノ、C1-6アルキルテルロ、およびニトロ基からなる群から選択される置換基であり、ただし、R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも1つは水素ではなく;
6およびR7は、それぞれ独立して、水素およびC1-6アルキルからなる群から選択される置換基であり;そして
Aは、飽和もしくは不飽和または直鎖もしくは分岐鎖のC1-6アルキル基あるいは2〜6個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を有するポリアルキレンオキシド基である]。
【請求項2】
1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも1つがC1-6アルキルチオ置換基または塩素もしくは臭素であり、それ以外のR1、R2、R3、R4およびR5基が水素原子である請求項1に記載のウレタンアクリレート。
【請求項3】
6およびR7がそれぞれ水素原子である請求項1に記載のウレタンアクリレート。
【請求項4】
Aが直鎖C2-C4または分岐鎖C3アルキル基である請求項1に記載のウレタンアクリレート。
【請求項5】
請求項1に記載のウレタンアクリレートの製造方法であって、以下の一般式(II)で示されるイソシアネートを、以下の一般式(III)で示される化合物と反応させることを含んでなる方法:
【化2】

【化3】

[式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1-6アルキル、トリフルオロメチル、C1-6アルキルチオ、C1-6アルキルセレノ、C1-6アルキルテルロ、およびニトロ基からなる群から選択される置換基であり、ただし、R1、R2、R3、R4およびR5の少なくとも1つは水素ではなく;
6およびR7は、それぞれ独立して、水素およびC1-6アルキルからなる群から選択される置換基であり;そして
Aは、飽和もしくは不飽和または直鎖もしくは分岐鎖のC1-6アルキル基あるいは2〜6個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位を有するポリアルキレンオキシド基である]。
【請求項6】
一般式(II)で示されるイソシアネートが、2-チオメチルフェニルイソシアネート、3-チオメチルフェニルイソシアネート、4-チオメチルフェニルイソシアネート、2-クロロフェニルイソシアネート、3-クロロフェニルイソシアネート、4-クロロフェニルイソシアネート、2-ブロモフェニルイソシアネート、3-ブロモフェニルイソシアネート、4-ブロモフェニルイソシアネート、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項7】
一般式(III)で示される化合物が、2-ヒドロキシエチルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、ポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項5に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載のウレタンアクリレートを含んでなるホログラフィック媒体。
【請求項9】
請求項1に記載のウレタンアクリレートを含んでなるポリマーマトリックスを提供すること;該ポリマーマトリックスを電磁放射にさらして該ウレタンアクリレートを選択的に重合させること;を含んでなる方法。
【請求項10】
請求項1に記載のウレタンアクリレートを含んでなる層または成形品。
【請求項11】
層または成形品が、405nmにおいて>1.50の屈折率を有する請求項10に記載の層または成形品。
【請求項12】
層または成形品が、反射配置において2ビーム干渉によって測定して、>25%のDE値を有する請求項10に記載の層または成形品。
【請求項13】
請求項9に記載の方法によって製造したホログラフィック光学素子/画像。
【請求項14】
請求項10に記載の層または成形品を含んでなる、光学レンズ、鏡、偏向鏡、フィルター、散乱スクリーン、回折素子、導波路、導光路、映写スクリーン、マスク、個人肖像、機密文書における生体提示、画像、画像構造およびこれらの組合せからなる群から選択される物品。

【図1】
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【公開番号】特開2010−43079(P2010−43079A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−184274(P2009−184274)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】