プローブピン搬送装置
【課題】 プローブピン挿入機構でプローブピンを自動挿入する際の、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止して、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させる。
【解決手段】 供給された第1プローブピン10を振動により整列させて排出するパーツフィーダー1と、パーツフィーダー1で整列された第1プローブピン10が供給される供給レール2と、供給レール2から移送された第1プローブピン10をプローブピン挿入機構18まで搬送するピン搬送レール3とを備えており、供給レール2とピン搬送レール3との間に、第1プローブピン10の形状を識別させることにより、適正な第1プローブピン10をプローブピン挿入機構18側に搬送し、第2プローブピン20を分別して回収するプローブピン分別機構Aを設けた。
【解決手段】 供給された第1プローブピン10を振動により整列させて排出するパーツフィーダー1と、パーツフィーダー1で整列された第1プローブピン10が供給される供給レール2と、供給レール2から移送された第1プローブピン10をプローブピン挿入機構18まで搬送するピン搬送レール3とを備えており、供給レール2とピン搬送レール3との間に、第1プローブピン10の形状を識別させることにより、適正な第1プローブピン10をプローブピン挿入機構18側に搬送し、第2プローブピン20を分別して回収するプローブピン分別機構Aを設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサーキットテスタ(ICT)(In Circuit Tesutaer)において、ICT用接続治具で使用されるプローブピンを、パーツフィーダーからプローブピン挿入機構まで搬送する間で、形状相違のプローブピン及び破損して不良となったプローブピンを自動的に分別することを可能にしたプローブピン分別機構を備えたプローブピン搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント基板である被検査基板のパターンの断線や短絡を検査するための装置として、プローブピンを備えたピンヘッドを被検査基板に対して相対移動させて被検査基板の検査パットに接触させて検査を行なうインサーキットテスタが知られている。
【0003】
そして、インサーキットテスタにより他品種の被検査基板を機能試験する際、被検査基板とインサーキットテスタとの電気的接続を担うICT用接続治具がある。そして、このICT接続治具で使用されるプローブピンをパーツフィーダーに供給し、振動により整列されたプローブピンを搬送レールに送り込んでプローブピンをプローブピン挿入機構に供給するプローブピン搬送装置が一般的に実用化され使用されている。
【0004】
このプローブピン搬送装置で搬送されるプローブピンには、形状の異なる第1プローブピン10と第2プローブピン20が使用される。第1プローブピン10は、図2に示すように、ICT接続治具でプリント基板を試験する際に上下するストローク部10−1を有しており、このストローク部10−1の中間部には、供給レールやピン搬送レールのピン移動路に載せたときに下に落ちないように支える保持部10−2が形成してある。
【0005】
また、第2プローブピン20は、図3に示すように、第1プローブピン10と同じくストローク部20−1と保持部20−2とを有しており、さらにストローク部20−1の頂端部にピンヘッド部20−3を形成して構成してある。
【0006】
従来のプローブピン搬送装置は、図16及び図17に示すように、プローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)を振動により整列させて排出するパーツフィーダー31と、このパーツフィーダー31で整列されたプローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)が供給される供給レール32と、この供給レール32から移送されたプローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)をプローブピン挿入機構(図示せず)まで搬送するピン搬送レール33を備えている。
【0007】
そして、パーツフィーダー31に供給されたプローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)は、振動によって整列され供給レール32に送られる。さらに振動によってピン搬送レール33に送られプローブピン挿入機構(図示せず)に搬送されていく。
【0008】
この一連の機構を有するプローブピン搬送装置は、プローブピンの形状種類毎に個別で一式必要となり、形状ごとに専用で使用するものである。すなわち、第1プローブピン10を搬送するプローブピン搬送装置と、第2プローブピン20を搬送するプローブピン搬送装置とが必要になっていた。
【0009】
また、インサーキットテスタにおけるプリント基板のピン挿抜装置は、ピン抜取り部とピン挿入部とから構成してあり、ピン挿入部はプローブピン搬送装置を備えている。すなわち、ピン挿入部は、ピン挿入位置にピンベッドを位置決めするXYテーブルと、プローブピンを供給するパーツフィーダーと、品種を選別するピン選別供給部と、選別されたプローブピンを1ピンずつに分離するピン分離部と、プローブピンの挿入を行うピン挿入ヘッドと、プローブピンの挿入時にピンベッドの下方からプローブピンを吸引するピン吸引部と、プローブピンの挿抜が完了したピンベッドを排出するピンベッド排出部とから構成してある。
【0010】
そして、ピン選別供給部、ピン分離部によるピン選別供給方法では、まず、パーツフィーダーより排出されたプローブピンはピン検知機構に搬送され、ピン検知機構で整列静止したプローブピンの上部先端部分をセンサーで検知し、プローブピンの種類を判別すると共に、そのプローブピンに関する情報を制御部(図示せず)に格納する。
【0011】
次に、格納されている情報によりピン選別供給部はピン分離部のどれかの定位置に移動する。次に、ピン分離部にプローブピンを排出、移送する。以上の動作を繰り返すことにより、プローブピンを定位置に供給する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−327697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記インサートテスタにより、プリント基板のパターン断線や短絡を検査する場合、プローブピン搬送装置で供給されたプローブピント検査後のプリント基板から回収されたプローブピンとは減速として同一種類のものであるが、検査結果によっては、プリント基板の検査途中で、検査従事者が自己の判断により使用されている種類のプローブピンでは所定の検査結果が出ないときに一部を他の種のプローブピンに替えて再度検査を行う場合や、検査途中でプローブピンが破損してしまう場合がある。このような場合、パーツフィーダー31に第1プローブピン10と第2プローブピン20が混在したり、破損等した不良プローブピン30が混在してしまうことになる。
【0013】
そして、図16及び図17に示す従来のプローブピン搬送装置にあっては、パーツフィーダー31に第1プローブピン10と第2プローブピン20が混在して入ってしまった場合、第1プローブピン10と第2プローブピン20を分別する機構が無いために、2種類のプローブピン10、20が混在してピン搬送レール33に供給され、そのままプローブピン挿入機構へ送られてしまい、プローブピン挿入機構でトラブルを発生させることになる。
【0014】
また、第2プローブピン20のストローク部20−1が破損した状態の不良プローブピン30が混在してパーツフィーダー31に入ってしまった場合、不良プローブピン30を分別する機構が無いために、不良プローブピン30が混在してピン搬送レール3に供給され、そのままプローブピン挿入機構へ送られてしまい、プローブピン挿入機構でトラブルを発生させていた。
【0015】
そのために、プローブピン挿入機構でのプローブピン詰まりなどのトラブルを復旧させるために、装置を停止させて混在したプローブピン(第1プローブピン10もしくは第2プローブピン20)や不良プローブピン30を取り出し、場合によってはプローブピン挿入機構部分を分解してプローブピン(第1プローブピン10もしくは第2プローブピン20)や不良プローブピン30を取り出すといった作業が発生し、トラブル復旧作業に膨大な時間がかかっていた。
【0016】
例えば、プローブピン挿入機構が、周面部に複数のプローブピン吸着溝部を形成した円柱状の吸着ヘッドを備えていて、ピン搬送レールから搬送されたプローブピンをプローブピン吸着溝部に負圧で吸着させ、ピンヘッドにプローブピンを挿入する構成である場合、プローブピンが詰まり易いところは、搬送されたプローブピンを負圧で吸い着けるプローブピン吸着溝部の部分である。
【0017】
第1プローブピン10を扱っている作業中に、第2プローブピン20がプローブピン吸着溝部に入ってくると、このプローブピン吸着溝部に第2プローブピン20が詰まり、これを長く続けると、プローブピンが溜まってしまい、最悪は、プローブピン吸着溝部内で噛み込んでしまう。この状態になると、ピンセットでも取れなくなってしまい、色々なネジ部材を外して、吸着ヘッドを取り出し、噛み込んだプローブピンの取り外しを行うことになる等、プローブピン挿入機構でトラブルを発生させていた。
【0018】
また、特許文献1に開示されたピン挿抜装置が備えたプローブピン搬送装置では、プローブピンは治具を使用するときに挿入を行い、使用しないときは抜き取っておき、何回も繰り返し再利用して使用している。プローブピンは数種類の形状のものがあり、被検査基板試験のプローブピンを接触させる箇所の形状により使い分けているが、試験の際、被検査基板との接触の状態によって形状の違うピンとの入替を随時行うために、プローブピンを治具から抜き取った際、形状の違うプローブピンが1つのパーツフィーダーに混在して供給されてしまったりした。また、プローブピンの使用頻度により、プローブピンストローク部の破損が発生し、その破損したプローブピンが1つのパーツフィーダーに良品を混在して供給されてしまったりした。
【0019】
そのため、形状相違のプローブピンや不良のプローブピンそのまま搬送されてしまい、ピン検知機構においてセンサー類の検出エラーなどのトラブルが発生した場合、その対応に時間が消費され設備稼働率の低下を招いていた。
【0020】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、プローブピン挿入機構でプローブピンを自動挿入する際の、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止して、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができるプローブピン搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記した目的を達成するために、本発明に係るプローブピン搬送装置は、プローブピンを振動により整列させて排出するパーツフィーダーと、このパーツフィーダーで整列されたプローブピンが供給される供給レールと、この供給レールから移送されたプローブピンをプローブピン挿入機構まで搬送するピン搬送レールを備えたプローブピン搬送装置であって、供給レールとピン搬送レールとの間に、プローブピンの形状を識別して適正なプローブピンを、ピン搬送レールに至る適正プローブピン搬送系に搬送し、適正ではないプローブピンや不良となったプローブピンを分別して適正プローブピン搬送系から排除して回収するプローブピン分別機構を設けるようにしたことを特徴とする。
【0022】
かかる構成により、形状相違の適正でないプローブピンが混在してパーツフィーダーに入ったり、不良プローブピンが混在して入ったとしても、プローブピン分別機構を通ってプローブピンを搬送することにより、適正なプローブピンのみをピン搬送レールに供給することが可能になり、また、形状相違のプローブピンや不良プローブピンは、例えば、ピン回収手段(ピン回収箱等)に回収することができる。
【0023】
これにより、プローブピン挿入機構には適正なプローブピンのみが搬送され供給されるために、形状相違なプローブピンや不良プローブピンが供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、保持部とストローク部との他に、ストローク部の頂端部にストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、プローブピン分別機構は、第1プローブピン及び第2プローブピンを、それぞれの保持部で保持しながらピン搬送方向イに搬送し、第1プローブピンのみをピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成する第1分別レールと、この第1分別レールで搬送された第2プローブピンを、ピンヘッド部で保持しながら適正プローブピン搬送系から排除してプローブピン回収手段に排出回収させる第2分別レールを備えたことを特徴とする。
【0025】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第1プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、適正プローブピン搬送系から排除されることなく、ピン搬送レールのピン移動路に送られて、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0026】
また、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、第2分別レールまで搬送されるが、適正プローブピン搬送系から排除されてピン回収手段に回収される。これにより第2プローブピンが誤ってパーツフィーダーに入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されないようになる。
【0027】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、第1分別レールには、ストローク部のみを通過させる第1分別レール側ピン移動路が形成してあり、第2分別レールには、ストローク部のみを通過させる第2分別レール側ピン移動路と、この第2分別レール側ピン移動路の終端に連なり、且つピン搬送方向イに対して偏位してプローブピン回収手段の上方に位置するピン落下口が形成してあり、第1分別レールのピン搬入側は、供給レールのピン搬出側の下方に位置しており、第2分別レールのピン搬入側は、第1分別レールのピン搬出側の上方であってピンヘッド部が載る位置にあり、第1分別レールと第2分別レールとはピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする。
【0028】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第1プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、第2分別レールまで搬送されるが、第1プローブピンにはピンヘッド部がないために、第1プローブピンは第2分別レール側ピン移動路に載ることができずにピン搬送レールのピン移動路に送られて、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0029】
また、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、第2分別レールまで搬送されるが、第2プローブピンにはピンヘッド部があるために、第2プローブピンは、そのピンヘッド部を第2分別レールに保持された状態で搬送されてピン落下口に到達すると落下し、ピン回収手段に回収される。これにより第2プローブピンが誤ってパーツフィーダーに入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されず、プローブピン挿入機構に搬送されないようになる。
【0030】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、保持部とストローク部との他に、ストローク部の頂端部にストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、プローブピン分別機構は、ピンヘッド部を保持しながらピン搬送方向イに搬送して第2プローブピンをピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成し、且つ第1プローブピン及びピンヘッド部の無い不良プローブピンを適正プローブピン搬送系から排除するプローブピン分別レールを有することを特徴とする。
【0031】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンはプローブピン分別レールに送られ、適正プローブピン搬送系に搬送されて行き、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0032】
また、第1プローブピンがパーツフィーダーから供給レールに送られた場合、第1プローブピンにはピンヘッド部が存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【0033】
また、不良プローブピンも同様にピンヘッド部が破損して存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに、適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【0034】
これにより、第1プローブピンや不良プローブピンが誤ってパーツフィーダーに入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されず、プローブピン挿入機構に搬送されないようになる。
【0035】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、プローブピン分別レールには、ストローク部のみを通過させるプローブピン分別レール側ピン移動路と、このプローブピン分別レール側ピン移動路の終端に連なるピン落下口が形成してあって、プローブピン分別レール側ピン移動路とピン落下口とは第2プローブピンをピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成しており、プローブピン分別レールのピン搬入側は、供給レールのピン搬出側の上方であってピンヘッド部が載る位置にあり、プローブピン分別レールはピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする。
【0036】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンはプローブピン分別レールに送られ、第2プローブピンにはピンヘッド部があるために、第2プローブピンは、そのピンヘッド部をプローブピン分別レールに保持された状態でプローブピン分別レール側ピン移動路に沿って搬送されて行き、第2プローブピンがピン落下口まで到達すると、ピン搬送レールに落下して、適正プローブピン搬送系に搬送されて行き、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0037】
また、第1プローブピンがパーツフィーダーから供給レールに送られた場合、第1プローブピンにはピンヘッド部が存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【0038】
また、不良プローブピンも同様にピンヘッド部が破損して存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに、適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係るプローブピン搬送装置によれば、形状相違のプローブピンが混在してパーツフィーダーに入ったり、不良プローブピンが混在して入ったとしても、プローブピン分別機構を通ってプローブピンを搬送することにより、適正なプローブピンのみをピン搬送レールに供給することが可能になり、また、形状相違のプローブピンや不良プローブピンは、例えば、ピン回収手段(ピン回収箱等)に回収することができる。
【0040】
これにより、プローブピン挿入機構には適正なプローブピンのみが搬送され供給されるために、形状相違なプローブピンや不良プローブピンが供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0042】
本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第1プローブピン10を分別選択するプローブピン分別機構を有する構成を図1乃至図8に示す。なお、図2に第1プローブピン10を、図3に第1プローブピン20をそれぞれ示す。
【0043】
第1プローブピン10は、上記したようにストローク部10−1と、このストローク部10−1の中間部に設けた保持部10−2とを有しており、第2プローブピン20は、第1プローブピン10と同じくストローク部20−1と保持部20−2との他に、ピンヘッド部20−3を有している。
【0044】
プローブピン搬送装置は、図1に示すように、供給された第1プローブピン10を振動により整列させて排出するパーツフィーダー1と、このパーツフィーダー1で整列された第1プローブピン10が供給される供給レール2と、この供給レール2から移送された第1プローブピン10をプローブピン挿入機構18まで搬送するピン搬送レール3とを備えており、供給レール2とピン搬送レール3との間には、第1プローブピン10の形状を識別して、この第1プローブピン10を、ピン搬送レール3に至る適正プローブピン搬送系に搬送し、第2プローブピン20を分別して適正プローブピン搬送系から排除して回収するプローブピン分別機構Aが設けてある。
【0045】
供給レール2は、図4に示すように、一対のレール部材2−1、2−2を水平状態で平行に並べて両レール部材2−1、2−2間に、第1プローブピン10のストローク部10−1の直径よりやや大きい幅寸法s1のピン移動路2−3を形成して構成してあり、また、ピン搬送レール3は、一対のレール部材3−1、3−2を水平状態で平行に並べて両レール部材3−1、3−2間に、第1プローブピン10のストローク部10−1の直径よりやや大きい幅寸法s2のピン移動路3−3を形成して構成してある。
【0046】
プローブピン分別機構Aは、第1分別レール4と、第2分別レール5と、ピン回収手段である回収箱7で構成してある。そして、第1分別レール4は、図4及び図5に示すように、一対のレール部材4−1、4−2を備えており、これらのレール部材4−1、4−2は、その両端部(ピン搬入側及びピン搬出側)において、ピン搬送レール3のレール部材3−1、3−2に立設された支柱8a、8bにより保持されて、水平状態で且つ平行に並べてあり、両レール部材4−1、4−2間には、第1、第2プローブピン10、20のストローク部10−1、20−1の直径よりやや大きい幅寸法s3の第1分別レール側ピン移動路4−3が形成してある。そして、第1分別レール4のピン搬入側は、供給レール2のピン搬出側の下方に位置している。
【0047】
上記したように、第1分別レール4はピン搬送レール3上部に支柱8a、8bを介して固定されているために、ピン搬送レール3の振動と連動して動作することにより第1プローブピン10及び第2プローブピン20を搬送することが可能である。
【0048】
第2分別レール5は、図4及び図5に示すように、レール部材5−1を備えていて、このレール部材5−1は、その略中央部より先側がピン搬送方向イに対して一方(右方)に屈曲しており、この屈曲部5−2には、第2プローブピン20のピンヘッド部20−3よりも大きい径の円形状の孔からなるピン落下口6が形成してある。そして、レール部材5−1には、その幅方向の中央に、第2プローブピン20のストローク部20−1を通過させる幅寸法s4を有するスリット形状の割り溝で構成される第2分別レール側ピン移動路5−3が形成してあり、この第2分別レール側ピン移動路5−3は、その略中央部より先側がピン搬送方向イに対して一方(右方)に屈曲していて、そのピン搬入側はレール部材5−1の基端部に開口しており、そのピン搬出側はピン落下口6に開口している。
【0049】
そして、レール部材5−1は、その基端部側で第1分別レール4のレール部材4−1、4−2に支柱9aを介して保持されており、また、その先端側で、ピン搬送レール3のレール部材3−1、3−2に支柱9bを介して保持されて水平になされている。このように、第2分別レール5が、第1分別レール4及びピン搬送レール3に支柱9a、9bを介して固定されていることで、ピン搬送レール3の振動と連動して動作することにより第2プローブピン20を搬送することが可能である。
【0050】
そして、第2分別レール5のピン搬入側は、第1分別レール4のピン搬出側の上方に位置しており、第1分別レール側ピン移動路4−3と第2分別レール側ピン移動路5−3の屈曲部を除く部分とは、ピン搬送レール3のピン移動路3−3上に位置しており、ピン落下口6はピン搬送レール3のピン移動路3−3の外方(ピン搬送方向イに対して偏位した位置)にあって、回収箱7の上方に位置している。
【0051】
そして、第1分別レール4は、第1プローブピン10及び第2プローブピン20を、それぞれの保持部10−2、20−2で保持しながら第1分別レール側ピン移動路4−3に沿ってピン搬送方向イに搬送し、第1プローブピン10をピン搬送レール3に移送する適正プローブピン搬送系を形成しており、第2分別レール5は、第1分別レール4で搬送された第2プローブピン20を、そのピンヘッド部20−3で保持しながら適正プローブピン搬送系から排除して回収箱7に排出する機能を有している。
【0052】
次に、プローブピン搬送装置における分別搬送動作を図6乃至図9を用いて説明する。
【0053】
図6及び図7は、パーツフィーダー1に適正なプローブピン10が供給された場合の搬送状態を示している。パーツフィーダー1から供給レール2に送られた第1プローブピン10は、そのまま第1分別レール4に送られる。そして、第2分別レール5まで搬送されるが、第1プローブピン10にはピンヘッド部20−3がないために、第1プローブピン10は第2分別レール側ピン移動路5−3に侵入しても、第2分別レール4に載ることができずにピン搬送レール3のピン移動路3−3に送られて、そのままプローブピン挿入機構18に搬送され挿入動作が行なわれる。すなわち、第1プローブピン10は適正プローブピン搬送系を搬送されることになる。
【0054】
図8及び図9は、パーツフィーダー1に第2プローブピン20が供給された場合の搬送状態を示している。パーツフィーダー1から供給レール2に送られた第2プローブピン20は、そのまま第1分別レール4に送られる。そして、第2分別レール5まで搬送されるが、第2プローブピン20にはピンヘッド部20−3があるために、第2プローブピン20は、そのピンヘッド部20−3を第2分別レール5に保持された状態で第2分別レール側ピン移動路5−3に沿って搬送されていく。
【0055】
第2分別レール5は、その途中からピン搬送方向イに対して一方に屈曲しているために、第2プローブピン20は、ピン搬送レール3上から離れた方向に搬送されて行きピン落下口6に到達すると落下し、ピン回収箱7に回収される。これにより第2プローブピン20が誤ってパーツフィーダー1に入ったとしても、ピン搬送レール3には搬送されず、プローブピン挿入機構18に搬送されないようになる。
【0056】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、プローブピン挿入機構18には適正な第1プローブピン10のみが搬送され供給されるために、第2プローブピン20が供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができる。
【0057】
次に、本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第2プローブピン20を分別選択するプローブピン分別機構A−1を有する構成を図1、図10乃至図15に示す。
【0058】
プローブピン搬送装置は、図1に示すように、供給された第2プローブピン20を振動により整列させて排出するパーツフィーダー11と、このパーツフィーダー11で整列された第2プローブピン20が供給される供給レール12と、この供給レール12から移送された第2プローブピン20をプローブピン挿入機構18まで搬送するピン搬送レール13とを備えており、供給レール12とピン搬送レール13との間には、ピンヘッド部20−3を保持しながらピン搬送方向イに搬送して第2プローブピン20をピン搬送レール3に移送する適正プローブピン搬送系を形成し、且つ第1プローブピン10及びピンヘッド部20−3の無い不良プローブピン30を適正プローブピン搬送系から排除するプローブピン分別機構A−1が設けてある。
【0059】
供給レール12は、一対のレール部材12−1、12−2を水平状態で平行に並べて両レール部材12−1、12−2間に、第1、第2プローブピン10、20のストローク部10−1、20−1の直径よりやや大きい幅寸法s5のピン移動路12−3を形成して構成してあり、また、ピン搬送レール13は、一対のレール部材13−1、13−2を水平状態で平行に並べて両レール部材13−1、13−2間に、第2プローブピン20のストローク部20−2の直径よりやや大きい幅寸法s6のピン移動路13−3を形成して構成してある。
【0060】
プローブピン分別機構A−1はプローブピン分別レール14と、ピン回収箱17を有している。そして、図10及び図11に示すように、プローブピン分別レール14はレール部材14−1を備えており、このレール部材14−1は、その両端部(ピン搬入側及びピン搬出側)において、ピン搬送レール13のレール部材13−1、13−2に立設された支柱16により保持されて、水平状態で且つ平行に並べてあり、レール部材14−1の中央には、第2プローブピン20のストローク部20−1の直径よりやや大きい幅寸法s7のプローブピン分別レール側ピン移動路14−2と、このプローブピン分別レール側ピン移動路14−2の終端部に連なる四角形状の孔からなるピン落下口15が形成してある。そして、プローブピン分別レール14のピン搬入側は、供給レール12のピン搬出側の上方で、且つピンヘッド部20−3が載る高さに位置している。
【0061】
上記したように、プローブピン分別レール14はピン搬送レール13上部に支柱16を介して固定されているために、ピン搬送レール13の振動と連動して動作することにより、第2プローブピン20を搬送することが可能である。
【0062】
そして、プローブピン分別レール14は、ピンヘッド部20−3を保持しながらピン搬送方向イに搬送して第2プローブピン20をピン搬送レール3に移送する適正プローブピン搬送系を形成し、且つ第1プローブピン10及びピンヘッド部20−3の無い不良プローブピン30を適正プローブピン搬送系から排除する機能を有している。
【0063】
次に、プローブピン搬送装置における分別搬送動作を図12乃至図15を用いて説明する。
【0064】
図12及び図13は、パーツフィーダー11に適正な第2プローブピン20が供給された場合の搬送状態を示している。パーツフィーダー11から供給レール12に送られた第2プローブピン20はプローブピン分別レール14に送られる。第2プローブピン20はピンヘッド部20−3を有しているために、第2プローブピン20は、そのピンヘッド部20−3をプローブピン分別レール14に保持された状態でプローブピン分別レール側ピン移動路14−2に沿って搬送されていく。
【0065】
プローブピン分別レール14には、第2プローブピン20のピンヘッド部20−3よりも大きい径のピン落下口15が設けてあり、第2プローブピン20がピン落下口15まで到達すると、ピン搬送レール13に落下して、このピン搬送レール13は、第2プローブピン20のピンヘッド部20−3を保持する形で第2プローブピン20を搬送して行き、プローブピン挿入機構18に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0066】
図14及び図15は、パーツフィーダー11に第1プローブピン10や、ピンヘッド部20−3を破損した第2プローブピン20である不良プローブピン30が供給された場合の搬送状態を示している。
【0067】
パーツフィーダー11から供給レール12に送られた第1プローブピン10、又は不良プローブピン30は、プローブピン分別レール14のピン搬入側まで搬送されるが、第1プローブピン10はピンヘッド部20−3が存在しないために、プローブピン分別レール14が搬送することができずに供給レール12のピン搬出側から落下しピン回収箱17に回収される。
【0068】
また、不良プローブピン30も同様にピンヘッド部20−3が破損して存在しないために、プローブピン分別レール14が搬送することができずに、供給レール12のピン搬出側から落下しピン回収箱17に回収される。
【0069】
これにより、第1プローブピン10や、不良プローブピン30が誤ってパーツフィーダー11に入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されず、プローブピン挿入機構18に搬送されないようになる。
【0070】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、プローブピン挿入機構18には適正な第2プローブピン20のみが搬送され供給されるために、第1プローブピン10や不良プローブピン30が供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係るプローブピン搬送装置によれば、プローブピン挿入機構には適正なプローブピンのみが搬送され供給されるために、形状相違なプローブピンや不良プローブピンが供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができるという効果を有しており、ICT用接続治具において使用されるプローブピンを、パーツフィーダーからプローブピン挿入機構まで搬送するプローブピン搬送装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るプローブピン搬送装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1プローブピンの構成説明図である。
【図3】第2プローブピンの構成説明図である。
【図4】本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第1プローブピンを分別選択するプローブピン分別機構を有する構成の平面図である。
【図5】同側面図である。
【図6】同プローブピン搬送装置において、第1プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図7】同側面図である。
【図8】同プローブピン搬送装置において、第2プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図9】同側面図である。
【図10】本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第2プローブピンを分別選択するプローブピン分別機構を有する構成の平面図である。
【図11】同側面図である。
【図12】同プローブピン搬送装置において、第2プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図13】同側面図である。
【図14】同プローブピン搬送装置において、第1プローブピンや、ピンヘッド部を破損した第2プローブピンである不良プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図15】同側面図である。
【図16】従来のプローブピン搬送装置において、第1プローブピン、第2プローブピン、ピンヘッド部を破損した第2プローブピンである不良プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図17】同側面図である。
【符号の説明】
【0073】
A プローブピン分別機構
A−1 プローブピン分別機構
1 パーツフィーダー
2 供給レール
2−1 レール部材
2−2 レール部材
2−3 ピン移動路
3 ピン搬送レール
3−1 レール部材
3−2 レール部材
3−3 ピン移動路
4 第1分別レール
4−1 レール部材
4−2 レール部材
4−3 第1分別レール側ピン移動路
5 第2分別レール
5−1 レール部材
5−2 屈曲部
5−3 第2分別レール側ピン移動路
6 ピン落下口
7 ピン回収箱(ピン回収手段)
8a、8b 支柱
9a、9b 支柱
10 第1プローブピン
10−1 ストローク部
10−2 保持部
11 パーツフィーダー
12 供給レール
12−1 レール部材
12−2 レール部材
12−3 ピン移動路
13 ピン搬送レール
13−1 レール部材
13−2 レール部材
14 プローブピン分別レール
14−1 レール部材
14−2 プローブピン分別レール側ピン移動路
15 ピン落下口
16 支柱
17 ピン回収箱(ピン回収手段)
18 プローブピン挿入機構
20 第2プローブピン
20−1 ストローク部
20−2 保持部
20−3 ピンヘッド部
30 不良プローブピン
【技術分野】
【0001】
本発明は、インサーキットテスタ(ICT)(In Circuit Tesutaer)において、ICT用接続治具で使用されるプローブピンを、パーツフィーダーからプローブピン挿入機構まで搬送する間で、形状相違のプローブピン及び破損して不良となったプローブピンを自動的に分別することを可能にしたプローブピン分別機構を備えたプローブピン搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリント基板である被検査基板のパターンの断線や短絡を検査するための装置として、プローブピンを備えたピンヘッドを被検査基板に対して相対移動させて被検査基板の検査パットに接触させて検査を行なうインサーキットテスタが知られている。
【0003】
そして、インサーキットテスタにより他品種の被検査基板を機能試験する際、被検査基板とインサーキットテスタとの電気的接続を担うICT用接続治具がある。そして、このICT接続治具で使用されるプローブピンをパーツフィーダーに供給し、振動により整列されたプローブピンを搬送レールに送り込んでプローブピンをプローブピン挿入機構に供給するプローブピン搬送装置が一般的に実用化され使用されている。
【0004】
このプローブピン搬送装置で搬送されるプローブピンには、形状の異なる第1プローブピン10と第2プローブピン20が使用される。第1プローブピン10は、図2に示すように、ICT接続治具でプリント基板を試験する際に上下するストローク部10−1を有しており、このストローク部10−1の中間部には、供給レールやピン搬送レールのピン移動路に載せたときに下に落ちないように支える保持部10−2が形成してある。
【0005】
また、第2プローブピン20は、図3に示すように、第1プローブピン10と同じくストローク部20−1と保持部20−2とを有しており、さらにストローク部20−1の頂端部にピンヘッド部20−3を形成して構成してある。
【0006】
従来のプローブピン搬送装置は、図16及び図17に示すように、プローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)を振動により整列させて排出するパーツフィーダー31と、このパーツフィーダー31で整列されたプローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)が供給される供給レール32と、この供給レール32から移送されたプローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)をプローブピン挿入機構(図示せず)まで搬送するピン搬送レール33を備えている。
【0007】
そして、パーツフィーダー31に供給されたプローブピン(第1プローブピン10又は第2プローブピン20)は、振動によって整列され供給レール32に送られる。さらに振動によってピン搬送レール33に送られプローブピン挿入機構(図示せず)に搬送されていく。
【0008】
この一連の機構を有するプローブピン搬送装置は、プローブピンの形状種類毎に個別で一式必要となり、形状ごとに専用で使用するものである。すなわち、第1プローブピン10を搬送するプローブピン搬送装置と、第2プローブピン20を搬送するプローブピン搬送装置とが必要になっていた。
【0009】
また、インサーキットテスタにおけるプリント基板のピン挿抜装置は、ピン抜取り部とピン挿入部とから構成してあり、ピン挿入部はプローブピン搬送装置を備えている。すなわち、ピン挿入部は、ピン挿入位置にピンベッドを位置決めするXYテーブルと、プローブピンを供給するパーツフィーダーと、品種を選別するピン選別供給部と、選別されたプローブピンを1ピンずつに分離するピン分離部と、プローブピンの挿入を行うピン挿入ヘッドと、プローブピンの挿入時にピンベッドの下方からプローブピンを吸引するピン吸引部と、プローブピンの挿抜が完了したピンベッドを排出するピンベッド排出部とから構成してある。
【0010】
そして、ピン選別供給部、ピン分離部によるピン選別供給方法では、まず、パーツフィーダーより排出されたプローブピンはピン検知機構に搬送され、ピン検知機構で整列静止したプローブピンの上部先端部分をセンサーで検知し、プローブピンの種類を判別すると共に、そのプローブピンに関する情報を制御部(図示せず)に格納する。
【0011】
次に、格納されている情報によりピン選別供給部はピン分離部のどれかの定位置に移動する。次に、ピン分離部にプローブピンを排出、移送する。以上の動作を繰り返すことにより、プローブピンを定位置に供給する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−327697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記インサートテスタにより、プリント基板のパターン断線や短絡を検査する場合、プローブピン搬送装置で供給されたプローブピント検査後のプリント基板から回収されたプローブピンとは減速として同一種類のものであるが、検査結果によっては、プリント基板の検査途中で、検査従事者が自己の判断により使用されている種類のプローブピンでは所定の検査結果が出ないときに一部を他の種のプローブピンに替えて再度検査を行う場合や、検査途中でプローブピンが破損してしまう場合がある。このような場合、パーツフィーダー31に第1プローブピン10と第2プローブピン20が混在したり、破損等した不良プローブピン30が混在してしまうことになる。
【0013】
そして、図16及び図17に示す従来のプローブピン搬送装置にあっては、パーツフィーダー31に第1プローブピン10と第2プローブピン20が混在して入ってしまった場合、第1プローブピン10と第2プローブピン20を分別する機構が無いために、2種類のプローブピン10、20が混在してピン搬送レール33に供給され、そのままプローブピン挿入機構へ送られてしまい、プローブピン挿入機構でトラブルを発生させることになる。
【0014】
また、第2プローブピン20のストローク部20−1が破損した状態の不良プローブピン30が混在してパーツフィーダー31に入ってしまった場合、不良プローブピン30を分別する機構が無いために、不良プローブピン30が混在してピン搬送レール3に供給され、そのままプローブピン挿入機構へ送られてしまい、プローブピン挿入機構でトラブルを発生させていた。
【0015】
そのために、プローブピン挿入機構でのプローブピン詰まりなどのトラブルを復旧させるために、装置を停止させて混在したプローブピン(第1プローブピン10もしくは第2プローブピン20)や不良プローブピン30を取り出し、場合によってはプローブピン挿入機構部分を分解してプローブピン(第1プローブピン10もしくは第2プローブピン20)や不良プローブピン30を取り出すといった作業が発生し、トラブル復旧作業に膨大な時間がかかっていた。
【0016】
例えば、プローブピン挿入機構が、周面部に複数のプローブピン吸着溝部を形成した円柱状の吸着ヘッドを備えていて、ピン搬送レールから搬送されたプローブピンをプローブピン吸着溝部に負圧で吸着させ、ピンヘッドにプローブピンを挿入する構成である場合、プローブピンが詰まり易いところは、搬送されたプローブピンを負圧で吸い着けるプローブピン吸着溝部の部分である。
【0017】
第1プローブピン10を扱っている作業中に、第2プローブピン20がプローブピン吸着溝部に入ってくると、このプローブピン吸着溝部に第2プローブピン20が詰まり、これを長く続けると、プローブピンが溜まってしまい、最悪は、プローブピン吸着溝部内で噛み込んでしまう。この状態になると、ピンセットでも取れなくなってしまい、色々なネジ部材を外して、吸着ヘッドを取り出し、噛み込んだプローブピンの取り外しを行うことになる等、プローブピン挿入機構でトラブルを発生させていた。
【0018】
また、特許文献1に開示されたピン挿抜装置が備えたプローブピン搬送装置では、プローブピンは治具を使用するときに挿入を行い、使用しないときは抜き取っておき、何回も繰り返し再利用して使用している。プローブピンは数種類の形状のものがあり、被検査基板試験のプローブピンを接触させる箇所の形状により使い分けているが、試験の際、被検査基板との接触の状態によって形状の違うピンとの入替を随時行うために、プローブピンを治具から抜き取った際、形状の違うプローブピンが1つのパーツフィーダーに混在して供給されてしまったりした。また、プローブピンの使用頻度により、プローブピンストローク部の破損が発生し、その破損したプローブピンが1つのパーツフィーダーに良品を混在して供給されてしまったりした。
【0019】
そのため、形状相違のプローブピンや不良のプローブピンそのまま搬送されてしまい、ピン検知機構においてセンサー類の検出エラーなどのトラブルが発生した場合、その対応に時間が消費され設備稼働率の低下を招いていた。
【0020】
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、プローブピン挿入機構でプローブピンを自動挿入する際の、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止して、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができるプローブピン搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記した目的を達成するために、本発明に係るプローブピン搬送装置は、プローブピンを振動により整列させて排出するパーツフィーダーと、このパーツフィーダーで整列されたプローブピンが供給される供給レールと、この供給レールから移送されたプローブピンをプローブピン挿入機構まで搬送するピン搬送レールを備えたプローブピン搬送装置であって、供給レールとピン搬送レールとの間に、プローブピンの形状を識別して適正なプローブピンを、ピン搬送レールに至る適正プローブピン搬送系に搬送し、適正ではないプローブピンや不良となったプローブピンを分別して適正プローブピン搬送系から排除して回収するプローブピン分別機構を設けるようにしたことを特徴とする。
【0022】
かかる構成により、形状相違の適正でないプローブピンが混在してパーツフィーダーに入ったり、不良プローブピンが混在して入ったとしても、プローブピン分別機構を通ってプローブピンを搬送することにより、適正なプローブピンのみをピン搬送レールに供給することが可能になり、また、形状相違のプローブピンや不良プローブピンは、例えば、ピン回収手段(ピン回収箱等)に回収することができる。
【0023】
これにより、プローブピン挿入機構には適正なプローブピンのみが搬送され供給されるために、形状相違なプローブピンや不良プローブピンが供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができる。
【0024】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、保持部とストローク部との他に、ストローク部の頂端部にストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、プローブピン分別機構は、第1プローブピン及び第2プローブピンを、それぞれの保持部で保持しながらピン搬送方向イに搬送し、第1プローブピンのみをピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成する第1分別レールと、この第1分別レールで搬送された第2プローブピンを、ピンヘッド部で保持しながら適正プローブピン搬送系から排除してプローブピン回収手段に排出回収させる第2分別レールを備えたことを特徴とする。
【0025】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第1プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、適正プローブピン搬送系から排除されることなく、ピン搬送レールのピン移動路に送られて、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0026】
また、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、第2分別レールまで搬送されるが、適正プローブピン搬送系から排除されてピン回収手段に回収される。これにより第2プローブピンが誤ってパーツフィーダーに入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されないようになる。
【0027】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、第1分別レールには、ストローク部のみを通過させる第1分別レール側ピン移動路が形成してあり、第2分別レールには、ストローク部のみを通過させる第2分別レール側ピン移動路と、この第2分別レール側ピン移動路の終端に連なり、且つピン搬送方向イに対して偏位してプローブピン回収手段の上方に位置するピン落下口が形成してあり、第1分別レールのピン搬入側は、供給レールのピン搬出側の下方に位置しており、第2分別レールのピン搬入側は、第1分別レールのピン搬出側の上方であってピンヘッド部が載る位置にあり、第1分別レールと第2分別レールとはピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする。
【0028】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第1プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、第2分別レールまで搬送されるが、第1プローブピンにはピンヘッド部がないために、第1プローブピンは第2分別レール側ピン移動路に載ることができずにピン搬送レールのピン移動路に送られて、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0029】
また、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンは、そのまま第1分別レールに送られ、第2分別レールまで搬送されるが、第2プローブピンにはピンヘッド部があるために、第2プローブピンは、そのピンヘッド部を第2分別レールに保持された状態で搬送されてピン落下口に到達すると落下し、ピン回収手段に回収される。これにより第2プローブピンが誤ってパーツフィーダーに入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されず、プローブピン挿入機構に搬送されないようになる。
【0030】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、保持部とストローク部との他に、ストローク部の頂端部にストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、プローブピン分別機構は、ピンヘッド部を保持しながらピン搬送方向イに搬送して第2プローブピンをピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成し、且つ第1プローブピン及びピンヘッド部の無い不良プローブピンを適正プローブピン搬送系から排除するプローブピン分別レールを有することを特徴とする。
【0031】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンはプローブピン分別レールに送られ、適正プローブピン搬送系に搬送されて行き、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0032】
また、第1プローブピンがパーツフィーダーから供給レールに送られた場合、第1プローブピンにはピンヘッド部が存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【0033】
また、不良プローブピンも同様にピンヘッド部が破損して存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに、適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【0034】
これにより、第1プローブピンや不良プローブピンが誤ってパーツフィーダーに入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されず、プローブピン挿入機構に搬送されないようになる。
【0035】
また、本発明に係るプローブピン搬送装置は、上記した本発明に係るプローブピン搬送装置において、プローブピン分別レールには、ストローク部のみを通過させるプローブピン分別レール側ピン移動路と、このプローブピン分別レール側ピン移動路の終端に連なるピン落下口が形成してあって、プローブピン分別レール側ピン移動路とピン落下口とは第2プローブピンをピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成しており、プローブピン分別レールのピン搬入側は、供給レールのピン搬出側の上方であってピンヘッド部が載る位置にあり、プローブピン分別レールはピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする。
【0036】
かかる構成により、パーツフィーダーから供給レールに送られた第2プローブピンはプローブピン分別レールに送られ、第2プローブピンにはピンヘッド部があるために、第2プローブピンは、そのピンヘッド部をプローブピン分別レールに保持された状態でプローブピン分別レール側ピン移動路に沿って搬送されて行き、第2プローブピンがピン落下口まで到達すると、ピン搬送レールに落下して、適正プローブピン搬送系に搬送されて行き、そのままプローブピン挿入機構に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0037】
また、第1プローブピンがパーツフィーダーから供給レールに送られた場合、第1プローブピンにはピンヘッド部が存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【0038】
また、不良プローブピンも同様にピンヘッド部が破損して存在しないために、プローブピン分別レールが搬送することができずに、適正プローブピン搬送系に搬送されず供給レールのピン搬出側から落下してピン回収手段に回収される。
【発明の効果】
【0039】
本発明に係るプローブピン搬送装置によれば、形状相違のプローブピンが混在してパーツフィーダーに入ったり、不良プローブピンが混在して入ったとしても、プローブピン分別機構を通ってプローブピンを搬送することにより、適正なプローブピンのみをピン搬送レールに供給することが可能になり、また、形状相違のプローブピンや不良プローブピンは、例えば、ピン回収手段(ピン回収箱等)に回収することができる。
【0040】
これにより、プローブピン挿入機構には適正なプローブピンのみが搬送され供給されるために、形状相違なプローブピンや不良プローブピンが供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0042】
本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第1プローブピン10を分別選択するプローブピン分別機構を有する構成を図1乃至図8に示す。なお、図2に第1プローブピン10を、図3に第1プローブピン20をそれぞれ示す。
【0043】
第1プローブピン10は、上記したようにストローク部10−1と、このストローク部10−1の中間部に設けた保持部10−2とを有しており、第2プローブピン20は、第1プローブピン10と同じくストローク部20−1と保持部20−2との他に、ピンヘッド部20−3を有している。
【0044】
プローブピン搬送装置は、図1に示すように、供給された第1プローブピン10を振動により整列させて排出するパーツフィーダー1と、このパーツフィーダー1で整列された第1プローブピン10が供給される供給レール2と、この供給レール2から移送された第1プローブピン10をプローブピン挿入機構18まで搬送するピン搬送レール3とを備えており、供給レール2とピン搬送レール3との間には、第1プローブピン10の形状を識別して、この第1プローブピン10を、ピン搬送レール3に至る適正プローブピン搬送系に搬送し、第2プローブピン20を分別して適正プローブピン搬送系から排除して回収するプローブピン分別機構Aが設けてある。
【0045】
供給レール2は、図4に示すように、一対のレール部材2−1、2−2を水平状態で平行に並べて両レール部材2−1、2−2間に、第1プローブピン10のストローク部10−1の直径よりやや大きい幅寸法s1のピン移動路2−3を形成して構成してあり、また、ピン搬送レール3は、一対のレール部材3−1、3−2を水平状態で平行に並べて両レール部材3−1、3−2間に、第1プローブピン10のストローク部10−1の直径よりやや大きい幅寸法s2のピン移動路3−3を形成して構成してある。
【0046】
プローブピン分別機構Aは、第1分別レール4と、第2分別レール5と、ピン回収手段である回収箱7で構成してある。そして、第1分別レール4は、図4及び図5に示すように、一対のレール部材4−1、4−2を備えており、これらのレール部材4−1、4−2は、その両端部(ピン搬入側及びピン搬出側)において、ピン搬送レール3のレール部材3−1、3−2に立設された支柱8a、8bにより保持されて、水平状態で且つ平行に並べてあり、両レール部材4−1、4−2間には、第1、第2プローブピン10、20のストローク部10−1、20−1の直径よりやや大きい幅寸法s3の第1分別レール側ピン移動路4−3が形成してある。そして、第1分別レール4のピン搬入側は、供給レール2のピン搬出側の下方に位置している。
【0047】
上記したように、第1分別レール4はピン搬送レール3上部に支柱8a、8bを介して固定されているために、ピン搬送レール3の振動と連動して動作することにより第1プローブピン10及び第2プローブピン20を搬送することが可能である。
【0048】
第2分別レール5は、図4及び図5に示すように、レール部材5−1を備えていて、このレール部材5−1は、その略中央部より先側がピン搬送方向イに対して一方(右方)に屈曲しており、この屈曲部5−2には、第2プローブピン20のピンヘッド部20−3よりも大きい径の円形状の孔からなるピン落下口6が形成してある。そして、レール部材5−1には、その幅方向の中央に、第2プローブピン20のストローク部20−1を通過させる幅寸法s4を有するスリット形状の割り溝で構成される第2分別レール側ピン移動路5−3が形成してあり、この第2分別レール側ピン移動路5−3は、その略中央部より先側がピン搬送方向イに対して一方(右方)に屈曲していて、そのピン搬入側はレール部材5−1の基端部に開口しており、そのピン搬出側はピン落下口6に開口している。
【0049】
そして、レール部材5−1は、その基端部側で第1分別レール4のレール部材4−1、4−2に支柱9aを介して保持されており、また、その先端側で、ピン搬送レール3のレール部材3−1、3−2に支柱9bを介して保持されて水平になされている。このように、第2分別レール5が、第1分別レール4及びピン搬送レール3に支柱9a、9bを介して固定されていることで、ピン搬送レール3の振動と連動して動作することにより第2プローブピン20を搬送することが可能である。
【0050】
そして、第2分別レール5のピン搬入側は、第1分別レール4のピン搬出側の上方に位置しており、第1分別レール側ピン移動路4−3と第2分別レール側ピン移動路5−3の屈曲部を除く部分とは、ピン搬送レール3のピン移動路3−3上に位置しており、ピン落下口6はピン搬送レール3のピン移動路3−3の外方(ピン搬送方向イに対して偏位した位置)にあって、回収箱7の上方に位置している。
【0051】
そして、第1分別レール4は、第1プローブピン10及び第2プローブピン20を、それぞれの保持部10−2、20−2で保持しながら第1分別レール側ピン移動路4−3に沿ってピン搬送方向イに搬送し、第1プローブピン10をピン搬送レール3に移送する適正プローブピン搬送系を形成しており、第2分別レール5は、第1分別レール4で搬送された第2プローブピン20を、そのピンヘッド部20−3で保持しながら適正プローブピン搬送系から排除して回収箱7に排出する機能を有している。
【0052】
次に、プローブピン搬送装置における分別搬送動作を図6乃至図9を用いて説明する。
【0053】
図6及び図7は、パーツフィーダー1に適正なプローブピン10が供給された場合の搬送状態を示している。パーツフィーダー1から供給レール2に送られた第1プローブピン10は、そのまま第1分別レール4に送られる。そして、第2分別レール5まで搬送されるが、第1プローブピン10にはピンヘッド部20−3がないために、第1プローブピン10は第2分別レール側ピン移動路5−3に侵入しても、第2分別レール4に載ることができずにピン搬送レール3のピン移動路3−3に送られて、そのままプローブピン挿入機構18に搬送され挿入動作が行なわれる。すなわち、第1プローブピン10は適正プローブピン搬送系を搬送されることになる。
【0054】
図8及び図9は、パーツフィーダー1に第2プローブピン20が供給された場合の搬送状態を示している。パーツフィーダー1から供給レール2に送られた第2プローブピン20は、そのまま第1分別レール4に送られる。そして、第2分別レール5まで搬送されるが、第2プローブピン20にはピンヘッド部20−3があるために、第2プローブピン20は、そのピンヘッド部20−3を第2分別レール5に保持された状態で第2分別レール側ピン移動路5−3に沿って搬送されていく。
【0055】
第2分別レール5は、その途中からピン搬送方向イに対して一方に屈曲しているために、第2プローブピン20は、ピン搬送レール3上から離れた方向に搬送されて行きピン落下口6に到達すると落下し、ピン回収箱7に回収される。これにより第2プローブピン20が誤ってパーツフィーダー1に入ったとしても、ピン搬送レール3には搬送されず、プローブピン挿入機構18に搬送されないようになる。
【0056】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、プローブピン挿入機構18には適正な第1プローブピン10のみが搬送され供給されるために、第2プローブピン20が供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができる。
【0057】
次に、本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第2プローブピン20を分別選択するプローブピン分別機構A−1を有する構成を図1、図10乃至図15に示す。
【0058】
プローブピン搬送装置は、図1に示すように、供給された第2プローブピン20を振動により整列させて排出するパーツフィーダー11と、このパーツフィーダー11で整列された第2プローブピン20が供給される供給レール12と、この供給レール12から移送された第2プローブピン20をプローブピン挿入機構18まで搬送するピン搬送レール13とを備えており、供給レール12とピン搬送レール13との間には、ピンヘッド部20−3を保持しながらピン搬送方向イに搬送して第2プローブピン20をピン搬送レール3に移送する適正プローブピン搬送系を形成し、且つ第1プローブピン10及びピンヘッド部20−3の無い不良プローブピン30を適正プローブピン搬送系から排除するプローブピン分別機構A−1が設けてある。
【0059】
供給レール12は、一対のレール部材12−1、12−2を水平状態で平行に並べて両レール部材12−1、12−2間に、第1、第2プローブピン10、20のストローク部10−1、20−1の直径よりやや大きい幅寸法s5のピン移動路12−3を形成して構成してあり、また、ピン搬送レール13は、一対のレール部材13−1、13−2を水平状態で平行に並べて両レール部材13−1、13−2間に、第2プローブピン20のストローク部20−2の直径よりやや大きい幅寸法s6のピン移動路13−3を形成して構成してある。
【0060】
プローブピン分別機構A−1はプローブピン分別レール14と、ピン回収箱17を有している。そして、図10及び図11に示すように、プローブピン分別レール14はレール部材14−1を備えており、このレール部材14−1は、その両端部(ピン搬入側及びピン搬出側)において、ピン搬送レール13のレール部材13−1、13−2に立設された支柱16により保持されて、水平状態で且つ平行に並べてあり、レール部材14−1の中央には、第2プローブピン20のストローク部20−1の直径よりやや大きい幅寸法s7のプローブピン分別レール側ピン移動路14−2と、このプローブピン分別レール側ピン移動路14−2の終端部に連なる四角形状の孔からなるピン落下口15が形成してある。そして、プローブピン分別レール14のピン搬入側は、供給レール12のピン搬出側の上方で、且つピンヘッド部20−3が載る高さに位置している。
【0061】
上記したように、プローブピン分別レール14はピン搬送レール13上部に支柱16を介して固定されているために、ピン搬送レール13の振動と連動して動作することにより、第2プローブピン20を搬送することが可能である。
【0062】
そして、プローブピン分別レール14は、ピンヘッド部20−3を保持しながらピン搬送方向イに搬送して第2プローブピン20をピン搬送レール3に移送する適正プローブピン搬送系を形成し、且つ第1プローブピン10及びピンヘッド部20−3の無い不良プローブピン30を適正プローブピン搬送系から排除する機能を有している。
【0063】
次に、プローブピン搬送装置における分別搬送動作を図12乃至図15を用いて説明する。
【0064】
図12及び図13は、パーツフィーダー11に適正な第2プローブピン20が供給された場合の搬送状態を示している。パーツフィーダー11から供給レール12に送られた第2プローブピン20はプローブピン分別レール14に送られる。第2プローブピン20はピンヘッド部20−3を有しているために、第2プローブピン20は、そのピンヘッド部20−3をプローブピン分別レール14に保持された状態でプローブピン分別レール側ピン移動路14−2に沿って搬送されていく。
【0065】
プローブピン分別レール14には、第2プローブピン20のピンヘッド部20−3よりも大きい径のピン落下口15が設けてあり、第2プローブピン20がピン落下口15まで到達すると、ピン搬送レール13に落下して、このピン搬送レール13は、第2プローブピン20のピンヘッド部20−3を保持する形で第2プローブピン20を搬送して行き、プローブピン挿入機構18に搬送され挿入動作が行なわれる。
【0066】
図14及び図15は、パーツフィーダー11に第1プローブピン10や、ピンヘッド部20−3を破損した第2プローブピン20である不良プローブピン30が供給された場合の搬送状態を示している。
【0067】
パーツフィーダー11から供給レール12に送られた第1プローブピン10、又は不良プローブピン30は、プローブピン分別レール14のピン搬入側まで搬送されるが、第1プローブピン10はピンヘッド部20−3が存在しないために、プローブピン分別レール14が搬送することができずに供給レール12のピン搬出側から落下しピン回収箱17に回収される。
【0068】
また、不良プローブピン30も同様にピンヘッド部20−3が破損して存在しないために、プローブピン分別レール14が搬送することができずに、供給レール12のピン搬出側から落下しピン回収箱17に回収される。
【0069】
これにより、第1プローブピン10や、不良プローブピン30が誤ってパーツフィーダー11に入ったとしても、適正プローブピン搬送系には搬送されず、プローブピン挿入機構18に搬送されないようになる。
【0070】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、プローブピン挿入機構18には適正な第2プローブピン20のみが搬送され供給されるために、第1プローブピン10や不良プローブピン30が供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係るプローブピン搬送装置によれば、プローブピン挿入機構には適正なプローブピンのみが搬送され供給されるために、形状相違なプローブピンや不良プローブピンが供給されることによって発生する、プローブピンの詰まりなどのトラブル発生を防止し、その対応時間を削減し、さらに設備稼働率を向上させることができるという効果を有しており、ICT用接続治具において使用されるプローブピンを、パーツフィーダーからプローブピン挿入機構まで搬送するプローブピン搬送装置等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るプローブピン搬送装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1プローブピンの構成説明図である。
【図3】第2プローブピンの構成説明図である。
【図4】本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第1プローブピンを分別選択するプローブピン分別機構を有する構成の平面図である。
【図5】同側面図である。
【図6】同プローブピン搬送装置において、第1プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図7】同側面図である。
【図8】同プローブピン搬送装置において、第2プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図9】同側面図である。
【図10】本発明に係るプローブピン搬送装置であって、第2プローブピンを分別選択するプローブピン分別機構を有する構成の平面図である。
【図11】同側面図である。
【図12】同プローブピン搬送装置において、第2プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図13】同側面図である。
【図14】同プローブピン搬送装置において、第1プローブピンや、ピンヘッド部を破損した第2プローブピンである不良プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図15】同側面図である。
【図16】従来のプローブピン搬送装置において、第1プローブピン、第2プローブピン、ピンヘッド部を破損した第2プローブピンである不良プローブピンの搬送動作を示す平面図である。
【図17】同側面図である。
【符号の説明】
【0073】
A プローブピン分別機構
A−1 プローブピン分別機構
1 パーツフィーダー
2 供給レール
2−1 レール部材
2−2 レール部材
2−3 ピン移動路
3 ピン搬送レール
3−1 レール部材
3−2 レール部材
3−3 ピン移動路
4 第1分別レール
4−1 レール部材
4−2 レール部材
4−3 第1分別レール側ピン移動路
5 第2分別レール
5−1 レール部材
5−2 屈曲部
5−3 第2分別レール側ピン移動路
6 ピン落下口
7 ピン回収箱(ピン回収手段)
8a、8b 支柱
9a、9b 支柱
10 第1プローブピン
10−1 ストローク部
10−2 保持部
11 パーツフィーダー
12 供給レール
12−1 レール部材
12−2 レール部材
12−3 ピン移動路
13 ピン搬送レール
13−1 レール部材
13−2 レール部材
14 プローブピン分別レール
14−1 レール部材
14−2 プローブピン分別レール側ピン移動路
15 ピン落下口
16 支柱
17 ピン回収箱(ピン回収手段)
18 プローブピン挿入機構
20 第2プローブピン
20−1 ストローク部
20−2 保持部
20−3 ピンヘッド部
30 不良プローブピン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブピンを振動により整列させて排出するパーツフィーダーと、このパーツフィーダーで整列された前記プローブピンが供給される供給レールと、この供給レールから移送された前記プローブピンをプローブピン挿入機構まで搬送するピン搬送レールを備えたプローブピン搬送装置であって、
前記供給レールと前記ピン搬送レールとの間に、前記プローブピンの形状を識別して適正な前記プローブピンを、前記ピン搬送レールに至る適正プローブピン搬送系に搬送し、適正ではない前記プローブピンや不良となった前記プローブピンを分別して前記適正プローブピン搬送系から排除して回収するプローブピン分別機構を設けるようにしたことを特徴とするプローブピン搬送装置。
【請求項2】
前記プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、前記保持部と前記ストローク部との他に、前記ストローク部の頂端部に前記ストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、前記プローブピン分別機構は、前記第1プローブピン及び前記第2プローブピンを、それぞれの前記保持部で保持しながらピン搬送方向イに搬送し、前記第1プローブピンのみを前記ピン搬送レールに移送する前記適正プローブピン搬送系を形成する第1分別レールと、この第1分別レールで搬送された前記第2プローブピンを、前記ピンヘッド部で保持しながら前記適正プローブピン搬送系から排除してプローブピン回収手段に排出回収させる第2分別レールを備えたことを特徴とする請求項1に記載のプローブピン搬送装置。
【請求項3】
前記第1分別レールには、前記ストローク部のみを通過させる第1分別レール側ピン移動路が形成してあり、前記第2分別レールには、前記ストローク部のみを通過させる第2分別レール側ピン移動路と、この第2分別レール側ピン移動路の終端に連なり、且つピン搬送方向イに対して偏位して前記プローブピン回収手段の上方に位置するピン落下口が形成してあり、前記第1分別レールのピン搬入側は、前記供給レールのピン搬出側の下方に位置しており、前記第2分別レールのピン搬入側は、前記第1分別レールのピン搬出側の上方であって前記ピンヘッド部が載る位置にあり、前記第1分別レールと前記第2分別レールとは前記ピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする請求項2に記載のプローブピン搬送装置。
【請求項4】
前記プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、前記保持部と前記ストローク部との他に、前記ストローク部の頂端部に前記ストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、前記プローブピン分別機構は、前記ピンヘッド部を保持しながらピン搬送方向イに搬送して前記第2プローブピンを前記ピン搬送レールに移送する前記適正プローブピン搬送系を形成し、且つ前記第1プローブピン及び前記ピンヘッド部の無い不良プローブピンを前記適正プローブピン搬送系から排除するプローブピン分別レールを有することを特徴とする請求項1に記載のプローブピン搬送装置。
【請求項5】
前記プローブピン分別レールには、前記ストローク部のみを通過させるプローブピン分別レール側ピン移動路と、このプローブピン分別レール側ピン移動路の終端に連なるピン落下口が形成してあって、前記プローブピン分別レール側ピン移動路と前記ピン落下口とは前記第2プローブピンを前記ピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成しており、前記プローブピン分別レールのピン搬入側は、前記供給レールのピン搬出側の上方であって前記ピンヘッド部が載る位置にあり、前記プローブピン分別レールは前記ピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする請求項4に記載のプローブピン搬送装置。
【請求項1】
プローブピンを振動により整列させて排出するパーツフィーダーと、このパーツフィーダーで整列された前記プローブピンが供給される供給レールと、この供給レールから移送された前記プローブピンをプローブピン挿入機構まで搬送するピン搬送レールを備えたプローブピン搬送装置であって、
前記供給レールと前記ピン搬送レールとの間に、前記プローブピンの形状を識別して適正な前記プローブピンを、前記ピン搬送レールに至る適正プローブピン搬送系に搬送し、適正ではない前記プローブピンや不良となった前記プローブピンを分別して前記適正プローブピン搬送系から排除して回収するプローブピン分別機構を設けるようにしたことを特徴とするプローブピン搬送装置。
【請求項2】
前記プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、前記保持部と前記ストローク部との他に、前記ストローク部の頂端部に前記ストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、前記プローブピン分別機構は、前記第1プローブピン及び前記第2プローブピンを、それぞれの前記保持部で保持しながらピン搬送方向イに搬送し、前記第1プローブピンのみを前記ピン搬送レールに移送する前記適正プローブピン搬送系を形成する第1分別レールと、この第1分別レールで搬送された前記第2プローブピンを、前記ピンヘッド部で保持しながら前記適正プローブピン搬送系から排除してプローブピン回収手段に排出回収させる第2分別レールを備えたことを特徴とする請求項1に記載のプローブピン搬送装置。
【請求項3】
前記第1分別レールには、前記ストローク部のみを通過させる第1分別レール側ピン移動路が形成してあり、前記第2分別レールには、前記ストローク部のみを通過させる第2分別レール側ピン移動路と、この第2分別レール側ピン移動路の終端に連なり、且つピン搬送方向イに対して偏位して前記プローブピン回収手段の上方に位置するピン落下口が形成してあり、前記第1分別レールのピン搬入側は、前記供給レールのピン搬出側の下方に位置しており、前記第2分別レールのピン搬入側は、前記第1分別レールのピン搬出側の上方であって前記ピンヘッド部が載る位置にあり、前記第1分別レールと前記第2分別レールとは前記ピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする請求項2に記載のプローブピン搬送装置。
【請求項4】
前記プローブピンは、ストローク部と、このストローク部の中間部に、このストローク部より大径の保持部を形成した第1プローブピンと、前記保持部と前記ストローク部との他に、前記ストローク部の頂端部に前記ストローク部より大径のピンヘッド部を形成した第2プローブピンであり、前記プローブピン分別機構は、前記ピンヘッド部を保持しながらピン搬送方向イに搬送して前記第2プローブピンを前記ピン搬送レールに移送する前記適正プローブピン搬送系を形成し、且つ前記第1プローブピン及び前記ピンヘッド部の無い不良プローブピンを前記適正プローブピン搬送系から排除するプローブピン分別レールを有することを特徴とする請求項1に記載のプローブピン搬送装置。
【請求項5】
前記プローブピン分別レールには、前記ストローク部のみを通過させるプローブピン分別レール側ピン移動路と、このプローブピン分別レール側ピン移動路の終端に連なるピン落下口が形成してあって、前記プローブピン分別レール側ピン移動路と前記ピン落下口とは前記第2プローブピンを前記ピン搬送レールに移送する適正プローブピン搬送系を形成しており、前記プローブピン分別レールのピン搬入側は、前記供給レールのピン搬出側の上方であって前記ピンヘッド部が載る位置にあり、前記プローブピン分別レールは前記ピン搬送レールの振動に連動して動作することを特徴とする請求項4に記載のプローブピン搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−64735(P2007−64735A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−249329(P2005−249329)
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月30日(2005.8.30)
【出願人】(000153465)株式会社日立コミュニケーションテクノロジー (770)
【Fターム(参考)】
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