説明

プローブ装置

【課題】パワーデバイスの静特性及び動特性の双方をウエハレベルで測定することができ、特に静特性に使用される測定ラインに影響されることなく、パワーデバイスの動特性をウエハレベルで確実に測定することができるプローブ装置を提供する。
【解決手段】本発明のプローブ装置10は、複数のパワーデバイスが形成されたウエハWを載置する移動可能な載置台12と、載置台12の上方に配置された複数のプローブ14Aを有するプローブカード14と、載置台12の載置面とその外周面に形成された導体膜電極13と、導体膜電極13とテスタ17とを電気的に接続する測定ライン16と、を備え、載置台12上のパワーデバイスの電気的特性をウエハレベルで測定するプローブ装置であって、第2の測定ライン16には、導体膜電極13とテスタ17の間で測定ライン16の電路を開閉するスイッチ機構18を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーデバイスの電気的特性(静特性、動特性)の測定を行うプローブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーデバイスは、種々の電源や自動車の電装関連部品として、あるいは産業機器の電装関連部品としての汎用性が高まっている。パワーデバイスは、通常の半導体素子と比べて高耐圧化、大電流化され、また、用途に応じて高速、高周波数化されている。パワーデバイスとしては、IGBT、ダイオード、パワートランジスタ、パワーMOS−FET、サイリスタなどがある。これらのパワーデバイスは、それぞれの電気的特性(静特性、動特性)の測定により良品が選別された後、それぞれ用途に応じて市場に出される。
【0003】
プローブ装置は、メモリデバイス等の半導体素子の電気的特性をウエハレベルで測定する検査装置として汎用されている。プローブ装置は、一般的に、ローダ室とこれに隣接するプローバ室を備え、ローダ室でウエハを搬送する間にプリアライメントを行い、プローバ室でローダ室からのウエハの電気的特性を測定した後、測定後のウエハをローダ室へ戻すようにしている。現在、この種のプローブ装置をパワーデバイスの電気的特性の測定に適用する技術が種々開発され、パワーデバイスの抵抗値等の静特性の測定に用いられるプローブ装置が開発され、実用化されている。図4は、ウエハレベルでパワーデバイスの静特性を測定するプロープ装置のプローバ室を示している。
【0004】
プローバ室は、図4に示すように、ウエハWを載置する移動可能な載置台1と、載置台1の上方に配置されたプローブカード2と、を備えている。載置台1の表面には金等の導電性金属からなる導体膜電極(同図では太線で示してある)3が形成され、この導体膜電極3が測定ライン(例えば、ケーブル)4を介してテスタ5に電気的に接続されている。
【0005】
図4に示すプローブ装置を用いてパワーデバイスの静特性をウエハレベルで測定する場合には、載置台1上にウエハWを載置すると、ウエハW下面のコレクタ電極が載置台1の導体膜電極3と電気的に接触する。このウエハWにプローブカード2を接触させると、パワーデバイスのゲート電極及びエミッタ電極と複数のプローブ2Aとが電気的に接続される。この状態で、プローブ2Aからパワーデバイスのゲート電極に電圧を印加すると、テスタ5から測定ライン4、導体膜電極3、コレクタ電極及びエミッタ電極へ大電流が流れる。この時、他のプローブ2Aを介してパワーデバイスの抵抗値等の静特性を測定する。このプローブ装置を用いることでパワーデバイスの静特性の測定をウエハレベルで行うことができる。尚、図4において、6はプローブカード2がクランプ機構(図示せず)を介して固定されたヘッドプレートである。
【0006】
上述のように、パワーデバイスの静特性の測定に用いられるプローブ装置は、実用化されているが、パワーデバイスの動特性を測定するプローブ装置は依然として開発途上にあって実用化のレベルに達していない。そのため、パワーデバイスの動特性の測定は、パッケージング段階で行わざるを得ず、パワーデバイスの製品としての生産効率が悪く、不良品が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のプローブ装置は、パワーデバイスをウエハレベルで静特性の測定を行うことができるが、動特性の測定を行うことができない。そこで、本出願人は、図4に示すプローブ装置を基本にパワーデバイスの動特性の測定を行うことができるプローブ装置を開発し、このプローブ装置を特願2011−033525号において提案している。特願2011−033525号において提案されているプローブ装置ではパワーデバイスの動特性の測定を行うことができる。このプローブ装置の載置台に図4に示す測定ライン4を設けることで、一台のプローブ装置でパワーデバイスの静特性と動特性の双方を測定することができるようになる。
【0008】
ところが、図4に示すプローブ装置では測定ライン4が載置台1の導体膜電極3とテスタ5とが常時接続されているため、パワーデバイスのスイッチング特性等の動特性を測定する時には、測定ライン4のインダクタンス成分が障害となって動特性を精度良く測定することができないことが判った。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、パワーデバイスの静特性及び動特性の双方をウエハレベルで測定することができ、特に静特性に使用される測定ラインに影響されることなく、パワーデバイスの動特性をウエハレベルで確実に測定することができるプローブ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に記載のプローブ装置は、複数のパワーデバイスが形成された被検査体を載置する移動可能な載置台と、上記載置台の上方に配置された複数のプローブを有するプローブカードと、少なくとも上記載置台の載置面に形成された導体膜電極と、上記導体膜電極とテスタとを電気的に接続する少なくとも一つの測定ラインと、を備え、上記載置台上に載置された上記被検査体の各パワーデバイスそれぞれの複数の電極と上記複数のプローブとを電気的に接触させて上記パワーデバイスの電気的特性を測定するプローブ装置であって、上記少なくとも一つの測定ラインには、上記導体膜電極と上記テスタの間で上記測定ラインを開閉するスイッチ機構を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2に記載のプローブ装置は、複数のパワーデバイスが形成された被検査体を載置する移動可能な載置台と、上記載置台の上方に配置された複数のプローブを有するプローブカードと、少なくとも上記載置台の載置面に形成された導体膜電極と、上記パワーデバイスの動特性の測定に使用するために上記導体膜電極とテスタとを上記プローブカードを経由して電気的に接続する第1の測定ラインと、上記パワーデバイスの静特性の測定に使用するために上記導体膜電極とテスタとを電気的に接続する第2の測定ラインと、を備え、上記載置台上に載置された上記被検査体の各パワーデバイスそれぞれの複数の電極と上記複数のプローブとを電気的に接触させて上記パワーデバイスの静特性または動特性を測定するプローブ装置であって、上記第2の測定ラインには、上記導体膜電極と上記テスタの間で上記第2の測定ラインを開閉するスイッチ機構を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3に記載のプローブ装置は、請求項1または請求項2に記載の発明において、上記スイッチ機構は、リレースイッチ機構からなることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項4に記載のプローブ装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明において、上記スイッチ機構は、ソレノイド機構と、上記ソレノイド機構を介して上記導体膜電極と電気的に離接する接触子と、を有することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項5に記載のプローブ装置は、請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載の発明において、上記導体膜電極と上記プローブカードの間に介在する導体を有することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、パワーデバイスの静特性及び動特性の双方をウエハレベルで測定することができ、特に静特性に使用される測定ラインに影響されることなく、パワーデバイスの動特性をウエハレベルで確実に測定することができるプローブ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 本発明のプローブ装置の一実施形態を示す概念図である。
【図2】 図1に示すプローブ装置の要部を示す構成図である。
【図3】 本発明のプローブ装置の他の実施形態の要部を示す構成図である。
【図4】 従来のプローブ装置の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図1〜図3に示す実施形態に基づいて本発明を説明する。
【0018】
本実施形態のプローブ装置10は、例えば図1に示すように、ウエハWを搬送するローダ室(図示せず)からプローバ室11内でウエハWを受け取り、プローバ室11内でウエハWに形成された複数のパワーデバイスの電気的特性(静特性、動特性)を測定するように構成されている。
【0019】
図1に示すように、プローバ室11にはウエハWを載置する載置台12がX方向、Y方向、Z方向及びθ方向に移動可能に設けられ、載置台12のチャックトップ12Aの載置面全面及び周面全面には金等の導電性金属からなる導体膜電極(図1では太線で示してある)13がコレクタ電極として形成されている。チャックトップ12には真空吸着手段が形成され、ウエハWをチャックトップ12Aの載置面に真空吸着するように構成されている。また、載置台12は、温度調節機構を内蔵し、ウエハWを所定の温度に加熱し、あるいは冷却してパワーデバイスの電気的特性(静特性及び動特性)を測定するようにしてある。導体膜電極13は、チャックトップ12Aの載置面全面に形成された第1の導電膜電極部13Aと、チャックトップ12Aの外周面全面に形成された第2の導体膜電極部13Bと、からなっている。
【0020】
載置台12の上方には、図1に示すようにカードホルダ付きのプローブカード14がクランプ機構(図示せず)を介してプローバ室11の上面を形成するヘッドプレート11Aに固定されている。プローブカード14の下面中央部には複数のプローブ14Aが取り付けられ、これらのプローブ14AがウエハWに形成されたパワーデバイスのゲート電極及びエミッタ電極と電気的に接続してパワーデバイスの電気的特性を測定するように構成されている。
【0021】
而して、本実施形態のプローブ装置10は、後述するように、パワーデバイスの動特性を測定する時に用いられる第1の測定ライン15と、パワーデバイスの静特性を測定する時に用いられる第2の測定ライン16と、を備えている。
【0022】
第1の測定ライン15は、図1に示すように、例えばプローブカード14の下面の外周縁部に周方向に所定間隔を空けて設けられた複数の導通ピン15Aと、複数の導通ピン15Aに導体部(図示せず)を介して電気的に接続されたケーブル15Bと、を有し、ケーブル15Bの他端がテスタ17に対して電気的に接続されている。導通ピン15Aとケーブル15Bの接続を仲介する導体部はプローブカードの下面に装着されている。複数の導通ピン15Aは、チャックトップ12Aが載置台12に内蔵された昇降駆動機構(図示せず)を介して昇降することにより第1の導体膜電極部13Aと電気的に離接するように構成されている。これらの導通ピン15Aは、例えばポゴピンのように弾力を有し、第1の導体膜電極部13Aと弾力的に接触するように構成されている。これらの導通ピン15Aは、プローブカード14の外周縁部に所定の間隔を空けて複数個所に設けられていることが好ましいが、一箇所にだけ設けられたものであっても良い。
【0023】
パワーデバイスの動特性を測定する場合には、載置台12のチャックトップ12Aが所定の寸法だけ上昇する。これにより、チャックトップ12Aの第1の導体膜電極部13A(コレクタ電極)が導通ピン15Aと電気的に接触し、第1の測定ライン15を介してテスタ17とチャックトップ12Aの導体膜電極(コレクタ電極)13とが電気的に接続される。また、複数のプローブ14Aがチャックトップ12A上の被検査体に形成されたパワーデバイスのゲート電極及びエミッタ電極と電気的に接触する。この状態で、テスタ17からパワーデバイスのゲート電極に所定の電圧を印加すると、第1の測定ライン15を介してチャックトップ12Aの第1の導体膜電極部13Aに大電流が流れ、この電流はパワーデバイスのコレクタ電極からエミッタ電極を経てテスタ17に達する。第1の測定ライン15は、極めて短いため、インダクタンス成分が極めて小さく、インダクタンス成分に影響されることなく、パワーデバイスの動特性を確実に測定することができる。パワーデバイスの動特性に用いられるプローブ装置については、特願2011−033525号明細書に詳述されているため、そちらを参照されたい。
【0024】
また、第2の測定ライン(ケーブル)16は、テスタ17と第2の導体膜電極部13Bとの間を電気的に接続し、パワーデバイスの静特性を測定する時に使用するように構成されている。この測定ライン16は、周囲からの電磁ノイズの影響を極力抑えるためにも短くする方が良く、本実施形態では2000mm程度に設定されている。この測定ライン16にはスイッチ機構18が設けられ、スイッチ機構18が第2の導体膜電極部13Bとテスタ17間の電路を開閉する。このスイッチ機構19は、上述のようにパワーデバイスの動特性の測定をする時には、スイッチを開いて第2の測定ライン16をチャックトップ12Aから切り離して第2の測定ライン16のインダクタンス成分による影響を防止するようにしてある。
【0025】
スイッチ機構18としては、例えば、リレースイッチ機構、ソレノイドスイッチ機構及びシリンダスイッチ機構を挙げることができる。スイッチ機構19の種類によって図2、図3に示すように第2測定ライン16と第2の導体膜電極部13Bとの接続態様が異なる。図2はリレースイッチ機構を適用したプローブ装置を示し、図3はソレノイドスイッチ機構を適用したプローブ装置を示している。そこで、以下では、リレースイッチ機構及びソレノイドスイッチ機構を例に挙げて説明する。
【0026】
リレースイッチ機構181は、図2に示すように、第2の測定ライン16に設けられたスイッチ181Aと、スイッチ181Aの接点181Bと、接点181Bを励磁するコイル181Cと、コイル181Cと電源(図示せず)を繋ぐ配線181Dと、コイル181Cを制御するコントローラ181Eと、を備え、コイル181Cを介して接点181Bを励磁すると、スイッチ181Aが一点鎖線で示すように接点181Bと電気的に接触し、第2の測定ライン16を介してチャックトップ12A上のパワーデバイスのコレクタ電極とテスタ17とを電気的に接続するように構成されている。スイッチ181A、接点181B及びコイル181Cは、いずれも高絶縁性ブロック内に収納されている。
【0027】
リレースイッチ機構181が設けられた第2の測定ライン16は、図2に示すように、一端がチャックトップ12Aの周面全面に形成された第2の導体膜電極部13Bに電気的に接続され、他端がテスタ16に電気的に接続されている。第2の測定ライン16と第2の導体膜電極部13Bとの電気的な接続を十分に確保するために、第2の測定ライン16と第2の導体膜電極13Bとの接続部には導体プレート12Bが所定の範囲で貼り付けられ、この導体プレート12Aに対して第2の測定ライン16がネジ等の固定手段によって強固に固定されている。スイッチ機構181は、同図に示すように載置台12の近傍に位置させて第2の測定ライン16に設けられている。リレースイッチ機構181は、パワーデバイスの動特性を測定する時に開状態になり、パワーデバイスの静特性を測定する時に閉状態になる。
【0028】
ソレノイドスイッチ機構182は、図3に示すように、第2の測定ライン16の端部に電気的に接続された接触子182Aと、接触子182Aを直進させるソレノイド182Bと、ソレノイド182Bを励磁する駆動制御部182Cと、ソレノイド182Bが消磁された時に接触子182Aを元の位置に戻すコイルスプリング182Dと、を備え、駆動制御部182Cの制御下でソレノイド182Bとコイルスプリング182Dが協働して接触子182Aを直線方向に往復移動させて接触子182Aの先端をチャックトップ12Aの第2の導体膜電極部13Bに対して離接させるように構成されている。パワーデバイスの静特性を測定する場合には、接触子182Aが第2の導体膜電極部13Bと接触し、テスタ17と第2の導体膜電極部13Bが導通状態にする。パワーデバイスの動特性を測定する場合には、接触子182Aが第2の導体膜電極部13Bから離れて第2の測定ライン16を導体膜電極13から切り離し、第2の導体膜電極部13Bをテスタ17から遮断する。図示してないが、ソレノイド182Bは、プランジャと、プランジャを受ける受け部と、プランジャを往復移動させるコイルと、を備えている。接触子182Aは、プランジャの軸芯に沿って装着され、プランジャを介して往復移動する。
【0029】
次いで、本実施形態のプローブ装置10の動作について説明する。パワーデバイスの電気的特性を測定する場合には、例えば静特性を測定した後、動特性を測定する。それにはまず、予めスイッチ機構18を駆動させて第2の測定ライン16の電路を閉じ、チャックトップ12Aの第2の導体膜電極13Bとテスタ17とを電気的に接続しておく。この状態で、複数のパワーデバイスが形成されたウエハWをローダ室からプローバ室11内の載置台12のチャックトップ12A上に載置し、真空吸着機構を介してウエハWをチャックトップ12A上に固定する。次いで、アライメント機構を介して載置台12上のウエハWのゲート電極及びエミッタ電極とプローブカード14の複数のプローブ14Aとをアライメントする。
【0030】
引き続き、載置台12を移動させて最初に測定すべきパワーデバイスの真下から載置台12を上昇させてパワーデバイスのゲート電極及びエミッタ電極と複数のプローブ14Aとを電気的に接触させる。この状態でプローブ14Aを介してテスタ17からパワーデバイスのゲート電極に電圧を印加すると、テスタ17から第2の測定ライン16を介してチャックトップ12Aの第2の導体膜電極部13B、つまり導体膜電極13に大電流が流れる。この電流は、パワーデバイスのコレクタ電極からエミッタ電極に流れる。この時、他のプローブ12Aを介してパワーデバイスの抵抗値等の静特性を測定し、その測定結果に基づいてテスタ17が抵抗値等の静特性を求める。最初のパワーデバイスについて静特性を測定した後、載置台12が移動し、後続のパワーデバイスの静特性を順次測定する。
【0031】
パワーデバイスの静特性を測定した後、その動特性を測定する。それには、スイッチ機構18を駆動させて第2の測定ライン18の電路を開き、テスタ17をチャックトップ12Aから遮断する。この状態で、最初に測定すべきパワーデバイスをプローブカード14の真下へ移動させた後、チャックトップ12Aを上昇させると、パワーデバイスのゲート電極及びエミッタ電極がプローブカード14の複数のプローブ14Aと電気的に接触すると共に、チャックトップ12Aの第1の導体膜電極部13Aがプローブカード14から下方へ突出する複数の導通ピン15Aと電気的に接触する。これにより、パワーデバイスのゲート電極及びエミッタ電極はプローブ14Aを介してテスタ17と接続されると共に、パワーデバイスのコレクタ電極がチャックトップ12Aの第1の導体膜電極部13A及び複数の導通ピン15A(第1の測定ライン15)を介してテスタ15と電気的に接続される。
【0032】
然る後、プローブ14Aを介してテスタ17からパワーデバイスのゲート電極への電圧を印加することにより、第1の測定ライン15(ケーブル15B及び導通ピン15A)を介してテスタ17とチャックトップ12Aの導体膜電極13へ大電流が流入する。この大電流はパワーデバイスのコレクタ電極へ流入し、エミッタ電極からテスタ17へ流入し、テスタ17においてパワーデバイスの動特性を測定することができる。この際、第2の測定ライン16がチャックトップ12Aから切り離されているため、第2の測定ライン16に基づくインダクタンスの悪影響を防止することができる。
【0033】
以上説明したように本実施形態によれば、一台のプローブ装置10を用いることにより、パワーデバイスの静特性及び動特性の双方を行うことができ、しかも、動特性を測定する時には静特性に使用される第2の測定ライン16に影響されることなく、パワーデバイスの動特性をウエハレベルで確実に測定することができる
【0034】
本発明は、上記実施形態に何ら制限されるものではなく、必要に応じて各構成要素を設計変更することができる。第2の測定ライン16に設けられるスイッチ機構は、本実施形態で説明したものに制限されるものではなく、スイッチング機構を有するものは本発明に適宜適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 プローブ装置
12 載置台
12A チャックトップ
14 プローブカード
14A プローブ
15 第1の測定ライン
15A 導通ピン(導体)
16 第2の測定ライン
17 テスタ
18 スイッチ機構
181 リレースイッチ機構
182 ソレノイドスイッチ機構
W ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のパワーデバイスが形成された被検査体を載置する移動可能な載置台と、上記載置台の上方に配置された複数のプローブを有するプローブカードと、少なくとも上記載置台の載置面に形成された導体膜電極と、上記導体膜電極とテスタとを電気的に接続する少なくとも一つの測定ラインと、を備え、上記載置台上に載置された上記被検査体の各パワーデバイスそれぞれの複数の電極と上記複数のプローブとを電気的に接触させて上記パワーデバイスの電気的特性を測定するプローブ装置であって、上記少なくとも一つの測定ラインには、上記導体膜電極と上記テスタの間で上記測定ラインを開閉するスイッチ機構を設けたことを特徴とするプローブ装置。
【請求項2】
複数のパワーデバイスが形成された被検査体を載置する移動可能な載置台と、上記載置台の上方に配置された複数のプローブを有するプローブカードと、少なくとも上記載置台の載置面に形成された導体膜電極と、上記パワーデバイスの動特性の測定に使用するために上記導体膜電極とテスタとを上記プローブカードを経由して電気的に接続する第1の測定ラインと、上記パワーデバイスの静特性の測定に使用するために上記導体膜電極とテスタとを電気的に接続する第2の測定ラインと、を備え、上記載置台上に載置された上記被検査体の各パワーデバイスそれぞれの複数の電極と上記複数のプローブとを電気的に接触させて上記パワーデバイスの静特性または動特性を測定するプローブ装置であって、上記第2の測定ラインには、上記導体膜電極と上記テスタの間で上記第2の測定ラインを開閉するスイッチ機構を設けたことを特徴とするプローブ装置。
【請求項3】
上記スイッチ機構は、リレースイッチ機構からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプローブ装置。
【請求項4】
上記スイッチ機構は、ソレノイド機構と、上記ソレノイド機構を介して上記導体膜電極と電気的に離接する接触子と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプローブ装置。
【請求項5】
上記第1の測定ラインは、上記導体膜電極と上記プローブカードの間に介在する導体を有することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載のプローブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−68588(P2013−68588A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225335(P2011−225335)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】