説明

ベーン型圧縮機

【課題】ガイド部材の収容孔を高精度に作製しなくてもガイド部材が干渉することがないベーン型圧縮機を提供する。
【解決手段】ロータ本体23に形成されたベーン溝13に基部を支持されロータ本体23から出没自在に配設されたベーン15と、ベーン溝13の底部とベーン15との間に設けられてベーン15をシリンダ室17のカム面側に押圧するコイルスプリング21と、一端がベーン15又はベーン溝13の底部に圧入される圧入端69と他端がベーン15又はベーン溝13の底部に設けた逃げ孔67に収容される収容端70とが設けられコイルスプリング21の内周に嵌装されてコイルスプリング21の座屈を防止するガイド部材19とを有する。コイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端側の受け径r1をガイド部材19の圧入端側の受け径r2より大きく設定した拡径部80を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンダ室内をロータと共に回転するベーンによってシリンダ室内に圧縮室を形成して冷媒を圧縮するベーン型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
ベーン型圧縮機は、カム面を有するシリンダ室がブロック内に形成され、このシリンダ室にロータが回転自在に配置された構造となっている。ロータには外周面に開口するベーン溝が円周上に複数形成され、それぞれのベーン溝にベーンが突出及び退出方向に移動自在に配置されている。ベーンは突出方向に移動してカム面の当接することによりシリンダ室を複数の圧縮室に仕切ってシリンダ室内の冷媒を圧縮する。このようなベーン型圧縮機では、ベーンを突出方向に移動させる必要があるところから、ベーンに背圧を作用させている。又、このようなベーンに突出方向への移動に際しては、ベーンとカム面とが離隔と衝突を繰り返すチャタリングを防止する必要がある。
【0003】
特許文献1においては、ベーン溝に高圧供給通路を開口することにより通常の背圧以外の油圧をベーンに作用させ、この油圧によってベーンの移動を行うと共にチャタリングの発生を防止している。しかしながら、圧縮開始時等のように油圧が十分に昇圧されない運転状況では、ベーンがチャタリングを起こす問題がある。
【0004】
特許文献2においては、ベーンを押圧するコイルスプリングをベーンとベーン溝の底部との間に設け、コイルスプリングのばね力によってベーンを押圧することによりチャタリングを防止している。これにより、特許文献1よりも安定したチャタリング防止が可能となっている。
【0005】
特許文献2の構造では、コイルスプリングの座屈時の噛み込みを防止する必要があり、ガイドピン等のガイド部材をコイルスプリングの内周に配置している。ガイド部材はコイルスプリングの全長に対応した長さとなっており、一端がベーン溝に圧入されて固定され、他端がベーン内に挿入されるか、一端がベーンに圧入されて固定され、他端がベーン溝に挿入されており、いずれの構造においてもガイド部材がコイルスプリングの全長にわたって内周側に位置することによりコイルスプリングの座屈時の噛み込みを防止している。このような構造では、ガイド部材及びコイルスプリングを収容する収容孔がロータに形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−100602号公報
【特許文献2】実公平8−538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2の構造では、特許文献1の構造に比べてチャタリングを確実に防止できる反面、ベーンがベーン溝内で傾くことによりガイド部材の他端が収容孔内で傾いて収容孔と干渉するため、収容孔を傷付けることがある。このような収容孔との干渉を回避するためには、収容孔を高精度に作製する必要があるが、収容孔が形成されるベーンやベーン溝の底部が小さいことから、精度を一定以上に向上させることが困難となっている。又、精度を向上させるためには、コスト高ともなる問題がある。
【0008】
そこで、本発明はガイド部材の収容孔を高精度に作製しなくてもガイド部材が干渉することがなく、収容孔形成を安価に行うことが可能なベーン型圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明のベーン型圧縮機は、内面にカム面を有するシリンダ室を形成するシリンダブロックと、前記シリンダ室内に回転自在に設けられたロータとで構成され、前記ロータはシリンダ室内で回転するロータ本体と、このロータ本体に形成されたベーン溝に基部を支持されロータ本体から出没自在に配設されたベーンと、ベーン溝の底部とベーンとの間に設けられてベーンを前記カム面側に押圧するコイルスプリングと、一端がベーン又はベーン溝の底部に圧入される圧入端と他端がベーン又はベーン溝の底部に設けた逃げ孔に収容される収容端とが設けられ前記コイルスプリングの内周に嵌装されてコイルスプリングの座屈を防止するガイド部材とで形成され、前記ガイド部材の径寸法をa、前記コイルスプリングの内径寸法をb1、外径寸法をb2、コイルスプリングが収容される孔径寸法をcとすると(b1−a)<(c−b2)の関係に設定されたベーン型圧縮機であって、前記コイルスプリングにおける前記ガイド部材の収容端側に、受け径を前記ガイド部材の圧入端側の受け径より大きく設定した拡径部を設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のベーン型圧縮機であって、前記コイルスプリングは、前記ガイド部材の収容端側の外径寸法がガイド部材の圧入端側の外径寸法より大径に形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のベーン型圧縮機であって、前記コイルスプリングは、前記ガイド部材の圧入端から収容端側に向けて次第に大径に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機であって、コイルスプリングの拡径部の剪断応力が、コイル部の剪断応力と同等又は以下となるように拡径部の有効巻数が設定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機であって、拡径部のピッチをコイル部よりも小さく設定することを特徴とする。
【0014】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機であって、前記拡径部を密着巻きとすることを特徴とする。
【0015】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機であって、前記コイルスプリングにおけるガイド部材の収容端側に、該コイルスプリングの径より大径のワッシャを配置してガイド部材の収容端側の受け径を大きく設定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
ガイド部材の傾きはガイド部材が圧入された圧入端側ではなく、反対側の収容端側が大きくなっている。請求項1記載の発明においては、ガイド部材がコイルスプリングの内部に配置されており、このコイルスプリングにおけるガイド部材の収容端側に受け径をガイド部材の圧入端側の受け径より大きく設定して拡径部を設けているため、逃げ孔を拡大してガイド部材と逃げ孔の干渉を防止した際に、コイルスプリングが逃げ孔内に脱落することを防止することができる。また、コイルスプリングが座屈して暴れると、コイルスプリングの内径がガイド部材の外径に当たるため、コイルスプリングの座屈を規制する。これにより逃げ孔(収容孔)が傷付くことを防止できる。このため逃げ孔(収容孔)を精度良く形成する必要がなくなると共に、精度を向上させる必要がないため、逃げ孔(収容孔)を安価に形成することができる。
【0017】
請求項2記載の発明によれば、コイルスプリングにおけるガイド部材の収容端側の外径寸法を圧入端側の外径寸法よりも大径に形成しているため、簡単な構造でコイルスプリングにおけるガイド部材の収容端側の受け径を圧入端側の受け径より大きく設定することができる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、コイルスプリングがガイド部材の圧入端から収容端側に向けて次第に大径に形成されているため、簡単な構造でコイルスプリングにおけるガイド部材の収容端側の受け径を圧入端側の受け径より大きく設定することができる。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、コイルスプリングの拡径部の剪断応力が、コイル部の剪断応力と同等又は以下に設定されているので、拡径部とコイル部のどちらかが破壊されるのを防止することができる。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、拡径部のピッチをコイル部よりも小さく設定することにより、請求項4と同様の効果を得ることができる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、拡径部を密着巻きとすることで、請求項4と同様の効果を得ることができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、コイルスプリングの径よりも大径のワッシャを配置しているため、簡単な構造でコイルスプリングにおけるガイド部材の収容端側の受け径を圧入端側の受け径より大きく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】ベーン型圧縮機が組み込まれた電動圧縮機の断面図である。
【図2】第1実施形態のベーン型圧縮機の要部を示す断面図である。
【図3】コイルスプリングと収容孔との関係を示す断面図である。
【図4】(a)、(b)はコイルスプリングの正面図である。
【図5】(a)は第2実施形態におけるコイルスプリングの収縮状態、(b)はコイルスプリングの伸長状態を示す断面図である。
【図6】(a)は図5(a)のA−A線断面図、(b)は図5(b)のB−B線断面図である。
【図7】(a)、(b)は第3実施形態におけるコイルスプリングを示す正面図である。
【図8】(a)、(b)は第4実施形態におけるコイルスプリングを示す正面図である。
【図9】(a)、(b)は第5実施形態におけるコイルスプリングを示す正面図である。
【図10】(a)、(b)は第6実施形態における別のコイルスプリングを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を図示する実施形態により具体的に説明する。なお、各実施形態には同一の部材には同一の符号を付して対応させてある。
【0025】
〔第1実施形態〕
図1〜図4は本発明の第1実施形態であり、図1はこの実施形態のベーン型圧縮機3が組み込まれた電動圧縮機1の断面図、図2はこの実施形態のベーン型圧縮機3の断面図、図3はコイルスプリングと収容孔との関係を示す断面図、図4はこの実施形態に用いられるコイルスプリングの正面図である。
【0026】
図1に示すように、電動圧縮機1はこの実施形態のベーン型圧縮機3と、ベーン型圧縮機3を駆動する電動モータ5とを備えている。この電動圧縮機1は車両用空調装置の冷却システムに用いられる。この冷却システムでは電動圧縮機1によって断熱圧縮された高温高圧の冷媒ガスがコンデンサ(凝縮器)で液化し、膨張弁で絞り膨張し、エバポレータ(蒸発器)で熱交換することにより冷風を作り出しながら加熱されて気化し、電動圧縮機1に戻って断熱圧縮されるものである。電動圧縮機1の吐出量調整は冷却システムの熱負荷変化等に応じてなされる。冷媒には適量の潤滑オイルが混入されている。
【0027】
電動圧縮機1はボルトで相互に連結されたフロントハウジング31、ミドルハウジング33、リヤハウジング35によって外形部分が形成されており、これらのハウジング内にベーン型圧縮機3、電動モータ5、駆動回路29が配置される。ベーン型圧縮機3はミドルハウジング33に収容され、電動モータ5はリヤハウジング35に収容され、駆動回路29はフロントハウジング31に収容される。駆動回路29は電動モータ5の回転数を制御するものである。
【0028】
電動モータ5はコアにコイルを巻線した固定子49と、磁性材料によって形成されたロータ51と、モータ軸53を有している。固定子49は9個からなり、これらがリヤハウジング35の内周に周方向に沿って固定されている。ロータ51はモータ軸53が圧入されることによりモータ軸53に固定されている。モータ軸53の一端部(図1における左端部)はベーン型圧縮機3のロータ軸41にスプライン連結され、ロータ軸41と共にボールベアリング55によってミドルハウジング33に支持され、他端部(図1における右端部)はボールベアリング57によってリヤハウジング35に支持されている。
【0029】
電動モータ5の回転はモータ軸53からベーン型圧縮機3のロータ軸41に伝達されてベーン型圧縮機3が駆動し、ベーン型圧縮機3で圧縮された冷媒は、吐出口47から固定子49に吹き付けられてこれらを冷却し、その後、オイルセパレータでオイルが分離された後、リヤハウジング35の吐出口59から吐出されてコンデンサ側に送られる。
【0030】
図2において、矢印Mは後述するベーン15のベーン溝13からの突出量が最も大きな状態、矢印Nはベーン15の全長がベーン溝13内に入り込んだ状態を示している。
【0031】
図1及び図2に示すように、ベーン型圧縮機3は、ロータ11と、複数枚のベーン15と、シリンダブロック7、フロントブロック37、リヤブロック39及び上記ロータ軸41とを備えている。シリンダブロック7、フロントブロック37、リヤブロック39はボルトによってミドルハウジング33に固定されている。ロータ軸41の左端部及び中央部はフロントブロック37とリヤブロック39によって回転自在に支持されている。ロータ11はシリンダ室17内で回転するロータ本体23を有しており、ロータ本体23がロータ軸41にスプライン連結されている。シリンダブロック7の内面には、楕円形状のカム面9が形成され、ロータ本体23はこのカム面9に対して同心状に配置されている。これによりシリンダブロック7のカム面9とロータ本体23との間が冷媒を圧縮するシリンダ室17となっている。
【0032】
ロータ本体23の外周には複数のベーン溝13が周方向に沿って等間隔で放射状に形成されており、それぞれのベーン溝13内にベーン15が突出及び退出方向に移動可能に挿入されている。ベーン15がベーン溝13から突出してシリンダブロック7のカム面9に接触し、この接触によってシリンダ室17を複数の圧縮室に仕切って冷媒の圧縮が行われる。
【0033】
それぞれのベーン溝13の内部には、ベーン15に加えてガイドピンからなるガイド部材19及びコイルスプリング21が収容されている。このようにガイド部材19及びコイルスプリング21を収容することから、この実施形態のベーン溝13はこれらを収容する収容孔61となっている。
【0034】
コイルスプリング21はベーン15をカム面9側に押圧するものであり、その一端(上端)がベーン15の基端面に当接している。コイルスプリング21の一端が当接するベーン15の基端面は収容端側受け面71となっており、この収容端側受け面71に当接するコイルスプリング21の一端が収容端側当接部73となっている。
【0035】
ガイド部材19はコイルスプリング21の内周に嵌装されており、コイルスプリング21の内部でコイルスプリング21の座屈を防止している。これによりコイルスプリング21の座屈時の噛み込みを防止することができる。ガイド部材19は伸長状態のコイルスプリング21の全長範囲をガイド可能な長さに設定されている。
【0036】
ベーン溝13からなる収容孔61は、ロータ本体23の外周側に位置してベーン15を出没自在に収容する収容部63と、底部側で収容部63に連通した圧入部65と、収容部63と連通するようにベーン15の内部に長さ方向に沿って形成された逃げ孔67とによって形成されている。逃げ孔67はベーン15が収容部63に対して出没する際にガイド部材19が相対的に進退するものである。このようにベーン15の突出及び退出の移動の際にガイド部材19が逃げ孔67に対して出没することにより、ベーン15の移動の邪魔となることがない。
【0037】
収容孔61の圧入部65はガイド部材19の基部が圧入されるものであり、圧入部65に対応したガイド部材19の基部が圧入端69となっている。ガイド部材19の圧入端69が圧入部65に圧入されることによりガイド部材19がベーン溝13に固定される。圧入部65は収容部63よりも小径となっており、収容部63と圧入部65との境界の段差部分がコイルスプリング21の他端(下端)を受ける圧入側受け面77となっている。そして、これに対応したコイルスプリング21の他端が圧入端側当接部79となっている。
【0038】
一方、ガイド部材19における圧入端69と反対側の端部は、収容孔61(ベーン溝13)の一部を構成する逃げ孔67内に収容された収容端70となっている。
【0039】
なお、収容孔61(ベーン溝13)には、高圧冷媒供給路81が開口されており、この高圧冷媒供給路81から供給される高圧冷媒がベーン15の背圧として作用するようになっている。
【0040】
図3に示すように、ガイド部材19の径寸法をa、コイルスプリング21の内径寸法をb1、コイルスプリング21の外径寸法をb2、ガイド部材19及びコイルスプリング21が収容される収容孔61(ベーン溝13)における収容部63の孔径寸法をcとすると、(b1−a)<(c−b2)の関係となるように設定されている。このような寸法関係に設定されることによりコイルスプリング21が座屈して暴れると、コイルスプリング21の内径がガイド部材19の外径に当たるため、座屈が規制される。しかもコイルスプリング21は収容孔61の収容部63の内壁に接触しないため、コイルスプリング21が円滑に伸縮動作することができる。
【0041】
図4はこの実施形態のコイルスプリング21を示し、(a)はベーン15を突出させた伸長状態を、(b)はベーン15を退出させた収縮状態を示す。図4に示すように、コイルスプリング21においては、ガイド部材19の圧入端69に対応した圧入端側受け面77に当接する圧入端側当接部79及びベーン15の収容端側受け面71に当接する収容端側当接部73がコイル部25の両端に設けられている。そして、圧入端側当接部79から収容端側当接部73に向けて次第に大径となるように拡径部80が形成されており、拡径部80の先端には収容端側当接部73が設けられている。これにより収容端側当接部73の外径寸法が圧入端側当接部79の外径寸法よりも大径に形成されている。すなわち、コイルスプリング21においては、ガイド部材19の圧入端69から収容端70に向けて次第に大径となるように拡径部80が形成されるものである。
【0042】
このような構造では、ガイド部材19の収容端70側に位置している収容端側当接部73の受け径r1がガイド部材19の圧入端69側に位置している圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されている(r1>r2)。また、収容端側当接部73の受け径r1がガイド部材19の圧入端69側に位置している圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されているため、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔67の干渉を防止した際に、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。
【0043】
上記構成において、電動モータ5が回転するとモータ軸53の回転と一体となってベーン型圧縮機3のロータ軸41が回転し、これによりロータ本体23がシリンダ室17内を回転する。この回転においては、ロータ本体23に配置されたベーン15がコイルスプリング21のばね力を受けてシリンダ室17のカム面9に当接しながら移動する。そして、隣り合うベーン15間によってシリンダ室17には容積変化を伴う圧縮室が形成され、冷媒を圧縮する。冷媒の圧縮が進むと、収容孔61(ベーン溝13)内には高圧冷媒供給路81から高圧冷媒が供給される。この高圧冷媒の背圧とコイルスプリング21のばね力によってベーン15は吐出方向に付勢される。従って、高圧冷媒の背圧が作用しない圧縮開始時においても、ベーン15にはコイルスプリング21のばね力が作用するため、チャタリングを起こすことがない。
【0044】
以上の実施形態では、コイルスプリング21における収容端側当接部73の受け径r1が圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されており、収容端側当接部73においてはコイルスプリング21とガイド部材19との間に大きな隙間が形成されている。
【0045】
また、収容端側当接部73の受け径r1がガイド部材19の圧入端69側に位置している圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されているため、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔67の干渉を防止した際に、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。このためガイド部材19と逃げ孔67との干渉を避けるために収容孔61を精度良く形成する必要がなくなる。そして逃げ孔67(収容孔61)の精度を向上させる必要がないため、逃げ孔67(収容孔61)を安価に形成することができる。
【0046】
又、この実施形態では、コイルスプリング21における収容端側当接部73の外径寸法を圧入端側当接部79の外径寸法よりも大径の拡径部80を形成しているため、簡単な構造で収容端側当接部73の受け径r1を圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定することができる。
【0047】
〔第2実施形態〕
図5及び図6は本発明の第2実施形態を示し、図5(a)はコイルスプリング21の収縮状態、(b)はコイルスプリング21の伸長状態であり、図6(a)は図5(a)のA−A線断面図、(b)は図5(a)のB−B線断面図である。
【0048】
この実施形態においてもベーン15がロータ本体23に形成されたベーン溝13に対して突出及び退出方向に移動可能となっている。又、ベーン15をシリンダ室17のカム面9側に押圧するコイルスプリング21がベーン15とベーン溝13の底部との間に設けられていると共に、コイルスプリング21の内周に嵌装されてコイルスプリング21の座屈を防止するガイドピンからなるガイド部材19が設けられている。ガイド部材19は伸長状態のコイルスプリング21の全長範囲をガイド可能な長さに設定されている。
【0049】
この実施形態においては、ガイド部材19の一端(上端)がベーン15に圧入されることによりガイド部材19がベーン15に固定されている。このためベーン15にはガイド部材19の圧入端69が圧入される圧入部65が形成されている。圧入部65にはガイド部材19及びコイルスプリング21を収容する収容部63が連続するように形成されている。収容部63はベーン15に形成されたベーン側収容部83及びロータ本体23が形成されたロータ側収容部85を有しており、圧入部65、ベーン側収容部83及びロータ側収容部85によってガイド部材19及びコイルスプリング21を収容する収容孔61が形成されている。ガイド部材19における圧入端69と反対側の端部は収容孔61のロータ側収容部85に収容されることにより収容端70となっている。
【0050】
ベーン側収容部83は圧入部65よりも大径となっており、圧入部65との境界の段差部分がコイルスプリング21の一端(上端)を受ける圧入側受け面77となっている。この圧入側受け面77に当接するコイルスプリング21の一端が圧入端側当接部79となっている。
【0051】
ロータ側収容部85にはガイド部材19が進入及び退出可能な逃げ孔67が連通するように形成されている。逃げ孔67はロータ側収容部85よりも小径となっており、ロータ側収容部85との境界の段差部分がコイルスプリング21の他端(下端)を受ける収容側受け面71となっている。この収容側受け面71に当接するコイルスプリング21の他端が収容端側当接部73となっている。
【0052】
図6に示すように、収容孔61におけるロータ側収容部85には、高圧冷媒供給路81が開口されており、この高圧冷媒供給路81から供給される高圧冷媒がベーン15の背圧として作用するようになっている。
【0053】
この実施形態においても、図3と同様に、ガイド部材19の径寸法をa、コイルスプリング21の内径寸法をb1、コイルスプリング21の外径寸法をb2、ガイド部材19及びコイルスプリング21が収容される収容孔61(ベーン溝13)における収容部63の孔径寸法をcとすると、(b1−a)<(c−b2)の関係となるように設定されている。
【0054】
このような寸法関係に設定されることによりコイルスプリング21が座屈して暴れると、コイルスプリング21の内径がガイド部材19の外径に当たるため、座屈が規制される。しかもコイルスプリング21は収容孔61の収容部63の内壁に接触しないため、コイルスプリング21が円滑に伸縮動作することができる。
【0055】
又、この実施形態のコイルスプリング21においても、図4(a)、(b)と同様に、ガイド部材19の圧入端69に対応した圧入端側受け面77に当接する圧入端側当接部79及びガイド部材19の収容端70に対応した収容端側受け面71に当接する収容端側当接部73がコイル部25の両端に設けられるが、圧入端側当接部79から収容端側当接部73に向けて次第に大径となるように拡径部80が形成されており、拡径部80の先端には収容端側当接部73が設けられている。
【0056】
これにより収容端側当接部73の外径寸法が圧入端側当接部79の外径寸法よりも大径に形成されている。従ってガイド部材19の圧入端69から収容端70に向けて次第に大径となるようにコイルスプリング21が形成されている。このような構造では、図4と同様にガイド部材19の収容端70が位置する収容端側当接部73の受け径r1がガイド部材19の圧入端69が位置する圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されるため(r1>r2)、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔67の干渉を防止した際に、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。
【0057】
この実施形態においても、電動モータ5が回転するとモータ軸53の回転と一体となってベーン型圧縮機3のロータ軸41が回転し、これによりロータ本体23がシリンダ室17内を回転する。この回転においては、ロータ本体23に配置されたベーン15がコイルスプリング21のばね力を受けてシリンダ室17のカム面9に当接しながら移動する。そして、隣り合うベーン15間によってシリンダ室17には容積変化を伴う圧縮室が形成され、冷媒を圧縮する。冷媒の圧縮が進むと、収容孔61内には高圧冷媒供給路81から高圧冷媒が供給される。この高圧冷媒の背圧とコイルスプリング21のばね力によってベーン15は吐出方向に付勢される。従って、高圧冷媒の背圧が作用しない圧縮開始時においても、ベーン15にはコイルスプリング21のばね力が作用するため、チャタリングを起こすことがない。
【0058】
この実施形態において、コイルスプリング21における収容端側当接部73の受け径r1が圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されており、収容端側当接部73においてはコイルスプリング21とガイド部材19との間に大きな隙間が形成されている。
【0059】
従って、収容端側当接部73の受け径r1がガイド部材19の圧入端69側に位置している圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されているため、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔67の干渉を防止した際に、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。このためガイド部材19と逃げ孔67との干渉を避けるために逃げ孔67(収容孔61)を精度良く形成する必要がなくなる。このように逃げ孔67(収容孔61)の精度を向上させる必要がないことから逃げ孔67(収容孔61)を安価に形成することができる。
【0060】
又、この実施形態では、コイルスプリング21における収容端側当接部73の外径寸法を圧入端側当接部79の外径寸法よりも大径の拡径部80を形成しているため、簡単な構造で収容端側当接部73の受け径r1を圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定することができる。
【0061】
〔第3実施形態〕
図7はコイルスプリング21の第3実施形態を示し、(a)はコイルスプリング21の収縮状態、(b)は伸長状態を示す。
【0062】
図7に示すコイルスプリング21においては、ガイド部材19の収容端70側に位置する収容端側当接部73がガイド部材19の圧入端69側に位置する圧入端側当接部79よりも大径に形成されている。これによりコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の外径寸法r1がガイド部材19の圧入端69側の外径寸法r2よりも大径となっている。これによりコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径r1を圧入端69側の受け径r2よりも大きくすることができる(r1>r2)。
【0063】
また、収容端側当接部73の受け径r1がガイド部材19の圧入端69側に位置している圧入端側当接部79の受け径r2よりも大きく設定されているため、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔67の干渉を防止した際に、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。このような図7のコイルスプリング21においても、簡単な構造でコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径r1を圧入端69側の受け径r2より大きく設定することができる。
【0064】
〔第4実施形態〕
図8はコイルスプリング21の第4実施形態を示し、(a)はコイルスプリング21の伸張状態、(b)は収縮状態を示す。
【0065】
図8に示すコイルスプリング21においては、ガイド部材19の収容端70側に位置する収容端側当接部73がガイド部材19の圧入端69側に位置する圧入端側当接部79よりも大径に形成されている。これによりコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の外径寸法r1がガイド部材19の圧入端69側の外径寸法r2よりも大径となっている。これによりコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径r1を圧入端69側の受け径r2よりも大きくすることができる(r1>r2)。
【0066】
加えて、図8に示すコイルスプリング21は、コイル部25の剪断応力が、拡径部80の剪断応力と同等となるように拡径部80の有効巻数が設定されている。
【0067】
また、図8(a)に示すように、拡径部80のピッチP1をコイル部25のピッチP2よりも小さく設定されている。
【0068】
従って、コイルスプリング21が収縮すると、図8(b)に示すようにコイル部25は所定のピッチで収縮し、拡径部80では密着状態となるので、コイル部25より高い剪断応力τが発生する外径が大きい拡径部80での損傷を抑制することができ、コイルスプリング21の寿命を長くすることができる。
【0069】
また、本実施形態においても、上述した第1、第2、第3実施形態と同様に、拡径部80を設けたことにより、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔の干渉を防止した際に、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。また、コイルスプリング21が座屈して暴れると、コイルスプリング21の内径がガイド部材19の外径に当たるため、コイルスプリング21の座屈を規制する。これにより逃げ孔(収容孔)61が傷付くことを防止できる。このため逃げ孔(収容孔)61を精度良く形成する必要がなくなると共に、精度を向上させる必要がないため、逃げ孔(収容孔)61を安価に形成することができる。
【0070】
また、コイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の外径寸法を圧入端69側の外径寸法よりも大径に形成しているため、簡単な構造でコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径を圧入端69側の受け径より大きく設定することができる。
【0071】
さらに、コイルスプリング21がガイド部材19の圧入端69から収容端70側に向けて次第に大径に形成されているため、簡単な構造でコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径を圧入端69側の受け径より大きく設定することができる。
【0072】
〔第5実施形態〕
図9はコイルスプリング21の第5実施形態を示し、(a)はコイルスプリング21の伸張状態、(b)は収縮状態を示す。
【0073】
図9に示すコイルスプリング21においては、ガイド部材19の収容端70側に位置する収容端側当接部73がガイド部材19の圧入端69側に位置する圧入端側当接部79よりも大径に形成されている。これによりコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の外径寸法r1がガイド部材19の圧入端69側の外径寸法r2よりも大径となっている。これによりコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径r1を圧入端69側の受け径r2よりも大きくすることができる(r1>r2)。
【0074】
加えて、図9に示すコイルスプリング21は、拡径部80が密着巻きに形成されている。すなわち、拡径部80ではコイル部25のピッチより小さく、最小のピッチに設定されている。
【0075】
従って、拡径部80を密着巻きとすることで、コイル部25より高い剪断応力τが発生する外径が大きい拡径部80での損傷を抑制することができ、コイルスプリング21の寿命を長くすることができる。
【0076】
また、本実施形態においても、上述した第1、第2、第3実施形態と同様に、拡径部80を設けたことにより、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔の干渉を防止した際に、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。また、コイルスプリング21が座屈して暴れると、コイルスプリング21の内径がガイド部材19の外径に当たるため、コイルスプリング21の座屈を規制する。これにより逃げ孔(収容孔)61が傷付くことを防止できる。このため逃げ孔(収容孔)61を精度良く形成する必要がなくなると共に、精度を向上させる必要がないため、逃げ孔(収容孔)61を安価に形成することができる。
【0077】
また、コイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の外径寸法を圧入端69側の外径寸法よりも大径に形成しているため、簡単な構造でコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径を圧入端69側の受け径より大きく設定することができる。
【0078】
さらに、コイルスプリング21がガイド部材19の圧入端69から収容端70側に向けて次第に大径に形成されているため、簡単な構造でコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径を圧入端69側の受け径より大きく設定することができる。
【0079】
〔第6実施形態〕
図10に示すコイルスプリング21においては、収容端側当接部73と圧入端側当接部79とが同径r2に形成されている。これに加えて、収容端側当接部73には拡径部80としてのワッシャ87が当接するように配置されている。ワッシャ87の径r1は、コイルスプリング21の径r2よりも大径となっており、大径のワッシャ87がベーン15の収容端側受け面71(図2参照)又はロータ本体23の収容端側受け面71(図5及び図6参照)に当接する。このような構造では、逃げ孔67を拡大してガイド部材19と逃げ孔67の干渉を防止した際に、ガイド部材19が傾いても、コイルスプリング21が逃げ孔67内に脱落することを防止することができる。従って、図8のコイルスプリング21においても、簡単な構造でコイルスプリング21におけるガイド部材19の収容端70側の受け径r1を圧入端69側の受け径r2より大きく設定することができる。
【0080】
本実施形態によれば、上記第1、2、3、4、5と同等の効果が得られる。
【0081】
なお、本発明は、上記実施形態1、2、3、4を適宜組み合わせることが可能である。例えば、圧入端側当接部から収容端側当接部に向けて次第に大径となるように拡径部が形成され、拡径部の先端には、拡径部よりも大径の収容端側当接部としてワッシャを設けても良い。さらに、この拡径部は密着巻きであっても良い。このような構成とすることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0082】
さらに、第6実施形態における拡径部としてのワッシャ87を図4、図7、図8、図9に示すコイルスプリング21に用いても良い。
【0083】
また、本発明は以上の実施形態に限定されることなく種々変形が可能である。例えば、本発明のベーン型圧縮機3は、冷媒を扱う冷却システム以外に、粘性の高いオイルを作動粒体にし、車両の動力伝達系の作動制限装置に用いても良い。又、本発明のベーン型圧縮機3を駆動する原動機は、電動モータ以外のエンジン(内燃機関)でも良く、プーリ等を介して原動機に連結することにより駆動する構造であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、ベーン型圧縮機に利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 電動圧縮機
3 ベーン型圧縮機
5 電動モータ
7 シリンダブロック
9 カム面
11 ロータ
13 ベーン溝
15 ベーン
17 シリンダ室
19 ガイド部材
21 コイルスプリング
23 ロータ本体
41 ロータ軸
61 収容孔
63 収容部
65 圧入部
69 圧入端
70 収容端
71 収容端側受け面
73 収容端側当接部
77 圧入端側受け面
79 圧入端側当接部
83 ベーン側収容部
85 ロータ側収容部
87 ワッシャ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面にカム面(9)を有するシリンダ室(17)を形成するシリンダブロック(7)と、前記シリンダ室(17)内に回転自在に設けられたロータ(11)とで構成され、前記ロータ(11)はシリンダ室(17)内で回転するロータ本体(23)と、このロータ本体(23)に形成されたベーン溝(13)に基部を支持されロータ本体(23)から出没自在に配設されたベーン(15)と、ベーン溝(13)の底部とベーン(15)との間に設けられてベーン(15)を前記カム面(9)側に押圧するコイルスプリング(21)と、一端がベーン(15)又はベーン溝(13)の底部に圧入される圧入端(69)と他端がベーン(15)又はベーン溝(13)の底部に設けた逃げ孔(67)に収容される収容端(70)とが設けられ前記コイルスプリング(21)の内周に嵌装されてコイルスプリング(21)の座屈を防止するガイド部材(19)とで形成され、前記ガイド部材(19)の径寸法をa、前記コイルスプリング(21)の内径寸法をb1、外径寸法をb2、コイルスプリング(21)が収容される孔径寸法をcとすると(b1−a)<(c−b2)の関係に設定されたベーン型圧縮機(3)であって、
前記コイルスプリング(21)における前記ガイド部材(19)の収容端(70)側に、受け径(r1)を前記ガイド部材(19)の圧入端(69)側の受け径(r2)より大きく設定した拡径部(80)を設けたことを特徴とするベーン型圧縮機(3)。
【請求項2】
請求項1記載のベーン型圧縮機(3)であって、
前記コイルスプリング(21)は、前記ガイド部材(19)の収容端(70)側の外径寸法がガイド部材(19)の圧入端(69)側の外径寸法より大径に形成されていることを特徴とするベーン型圧縮機(3)。
【請求項3】
請求項2記載のベーン型圧縮機(3)であって、
前記コイルスプリング(21)は、前記ガイド部材(19)の圧入端(69)から収容端(70)側に向けて次第に大径に形成されていることを特徴とするベーン型圧縮機(3)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載のベーン型圧縮機(3)であって、
前記コイルスプリングの拡径部(80)の剪断応力が、前記コイル部(25)の剪断応力と同等又は以下となるように拡径部(80)の有効巻数が設定されていることを特徴とするベーン型圧縮機(3)。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項記載のベーン型圧縮機(3)であって、
前記拡径部(80)のピッチを前記コイル部(25)よりも小さく設定することを特徴とするベーン型圧縮機(3)。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項記載のベーン型圧縮機(3)であって、
前記拡径部(80)を密着巻きとすることを特徴とするベーン型圧縮機(3)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載のベーン型圧縮機(3)であって、
前記コイルスプリング(21)におけるガイド部材(19)の収容端(70)側に、該コイルスプリング(21)の径より大径のワッシャ(87)を配置してガイド部材(19)の収容端(70)側の受け径(r1)を大きく設定したことを特徴とするベーン型圧縮機(3)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−32767(P2013−32767A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32549(P2012−32549)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】