説明

ホットアンドコールドショーケース

【課題】運転モードをホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える際に、ホット室の余熱によるコールド室への熱的干渉を回避しつつ、ホット室の余熱を冷まし、短時間でコールド運転に移行できるようにしてショーケースの稼働率向上を図る。
【解決手段】多段形ショーケースの庫内に棚ヒータ8付きの陳列棚7、および冷却器4,ファン5を配した冷気循環ダクト3の途中から冷気を庫内前方に導いてエアカーテンを吹き出すダンパ9a付き中間ダクト9を備え、棚ヒータ8の通電制御,中間ダクト9のダンパ開,閉操作によりホットアンドコールド運転/コールド運転に切替えて商品を加温,保冷するホットアンドコールドショーケースにおいて、ホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える過程で新たに設定したコールド移行運転を実行し、棚ヒータ8を停止、中間ダクト9のダンパ9aを開き、コールド室の保冷運転を継続しつつ、冷気循環ダクト3の吹出口3aを通じて庫内上部にも冷気を吹き出してホット室を短時間で予冷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンビニエンスストアなどの店舗に据付けてホット商品,コールド商品を加温,ないし保冷する多段形のホットアンドコールドショーケースに関する。
【背景技術】
【0002】
頭記のホットアンドコールドショーケースとして、冷気循環式の多段形ショーケースの商品陳列室内に棚ヒータ付きの陳列棚、および陳列棚の一つにセットして冷気循環ダクトの途中から取り込んだ冷気を庫内前面に向けて下方に吹き出す中間ダクトを装備し、該中間ダクトを境にして庫内上部側の陳列棚に並べたホット商品(例えば、ホットコーヒーなどのドリンク商品)を棚ヒータにより加温し、下部側の陳列棚に並べたコールド商品(例えば、ジュースなどのコールドドリンク商品)を、前記中間ダクトを経由して庫内下部の前面に吹き出す冷気エアカーテンにより保冷するようにした構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
次に、前記ホットアンドコールドショーケースの構成、およびそのホットアンドコールド運転,コールド運転の状態を図4,図5に示して説明する。
まず、図4,図5において、1は断熱筐体になる前面開放形のケース本体、2は商品陳列室、3はケースホットの内側に沿って商品陳列室2との間に画成した冷気循環ダクト、3a,3bは商品陳列室2の庫内前面に向けてケース本体1の庫内天井部,底部に開口した冷気循環ダクト2の冷気吹出口,および冷気吸込口、4は冷気循環ダクト3に配置した冷却器(冷凍機のエバポレータ)、5は冷却器4の上流側に配置したファン、6はケース本体1の底部機械室に配置した冷凍機のコンデンシングユニット、7は上下段に並べて商品陳列室2の室内に架設した陳列棚、8は庫内上部側のホット室に並ぶ陳列棚7の棚板に布設した商品加温用の棚ヒータ、9は庫内の中段に並ぶ陳列棚7の一つを選択してその棚ブラケットに前方から挿入セットした中間ダクトである。
【0004】
ここで、中間ダクト9はその前端に冷気吹出口が下向きに開口し、後端には商品陳列室2の背面パネルに開口した分岐導風穴(シャッター板付き)から背後の冷気循環ダクト3に突き出して上方に向かう通風路を遮断する開閉式のダンパ9aを備えている。なお、図示してないが商品陳列室2の背面パネルには冷気吹出穴(パンチング穴)を開口し、該吹出穴を通じて冷気循環ダクト3の通風路から冷気を商品陳列室2に吹き出すようにしている。
【0005】
上記構成になるホットアンドコールドショーケースの運転,制御については特許文献1にも詳しく述べられており、図4に示すホットアンドコールド運転では、中間ダクト9を例えば上から2段目に並ぶ陳列棚7の下面側にセットし、この中間ダクト9を境に庫内の上部領域をホット室としてその陳列棚7にホット商品10Hを陳列し、下部領域をコールド室としてその陳列棚7にコールド商品10Cを陳列する。そして、ホット室に並ぶ陳列棚7の棚ヒータ8を通電オンとし、前記中間ダクト9はそのダンパ9aが冷気循環ダクト3の通風路に突出すようにセットした上で冷凍機を運転する。
【0006】
これにより、冷却器4と熱交換した冷気は図示矢印のように冷気循環ダクト3の途中から中間ダクト9を経由してその前端からコールド室の前面にエアカーテン吹き出してコールド商品10Hを保冷する。また、ホット室の陳列棚7に陳列したホット商品10Hは棚ヒータ8により加温される。
【0007】
一方、庫内全段の陳列棚7にコールド商品10Cを陳列して冷蔵温度に保冷する図5のコールド運転では、前記の中間ダクト9を取り外して冷気循環ダクト3の冷気吹出口3aに通じる通風路を開放し、さらに商品陳列棚7の棚ヒータ8を全て通電オフとした状態で冷凍機を運転する。これにより、冷却器4と熱交換して冷気循環ダクト3を通風する冷気流は、図示矢印のようにケース本体1の庫内天井側に開口した冷気吹出口3aから底部の吸込口3bに向けて吹き出し、商品陳列室2の庫内全域に沿って冷気エアカーテンを形成し、各段の商品陳列棚7に陳列したコールド商品10Cを保冷する。
【0008】
このコールド運転では、特許文献1で述べられているようにファン5(図5(b)参照)を例えば1500回転/分の高速回転で運転する。また、冷凍機はコールド室の温度センサで検出した温度と庫内設定温度との偏差を基に、冷却器4の冷媒配管路に接続した電磁弁を開閉制御して冷凍機をサーモサイクル運転する。
【0009】
一方、ホットアンドコールド運転では、ファン5を中間ダクト9のセット位置に応じてコールド運転時よりも低い回転数に下げる。例えば中間ダクト9のセット位置が最上段の陳列棚であればファン5を例えば1400回転/分に下げ、2段目であれば1300回転/分に下げ、中間ダクト9を経由して庫内下部領域(コールド室)の前面に吹き出す冷気エアカーテンの風速,風量を適正に調整し、エアカーテンの層流乱れに起因する外気の巻き込み,庫内冷気の漏れを防ぐようにしている。
【0010】
また、このショーケースの運転モードとして、冷凍機を運転停止した上で庫内全段の陳列棚7に装備の棚ヒータ8を全て通電オンにし、各段の陳列棚7を使ってホット商品10Hを加温するホット運転を選択することも可能である。
【0011】
なお、前記運転モードの切替え、ファン5の回転数制御,および棚ヒータ8の通電制御は、ショーケースのコントローラで行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2007−46820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記ホットアンドコールドショーケースを使用しているコンビニエンスストア等の店舗では、ホット商品,コールド商品の販売需要が昼,夜の時間帯、天候などの条件によって変動する。そこで、この販売需要に対応して店舗の営業時間中にコールド商品を集中的に販売するようにショーケースの商品陳列を変更する場合には、庫内上部のホット室に陳列していたホット商品を回収してコールド商品に入れ替え、ショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転からコールド運転に切替えて庫内全段の陳列棚を使ってコールド商品を保冷,販売するようにしている。
【0014】
この場合に、中間ダクト9を庫外に取り外してショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転(図4参照)からいきなりコールド運転モード(図5参照)に切替えると、天井部の吹出口3aから吹き出して庫内全域に沿って通風するエアカーテンに対して、いままでのホットアンドコールド運転で加温していたホット室,および棚ヒータ8の余熱が熱的に干渉し、このために運転モードの切替え前まで冷気を循環通風して保冷していた庫内下部のコールド室の庫内温度が上昇し、ここに陳列しているコールド商品10Cが温められてしまう不具合を生じる。
【0015】
また、前記余熱の熱的干渉を回避するために、棚ヒータの停止後におけるホット室の余熱が自然放熱して十分に冷めるまで待ってからコールド運転モードに切替える方法では、ホット室が冷めるまでの待ち時間が長くなり、この待ち時間中は庫内上部の陳列棚が商品の保冷に使えないので販売チャンスを失うことになる。
【0016】
この発明は上記の点に鑑みなされたものであり、ショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える過程で、ホット室の余熱による熱的干渉が運転モードの切替え前までコールド運転状態に保冷していたコールド室に波及するのを回避しつつ、短い待ち時間でホット室の余熱を素早く冷まして支障なくコールド運転に移行できるように改良したホットアンドコールドショーケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、この発明によれば、前面開放形のケース本体に、棚ヒータ装備の陳列棚を上下段に配置した商品陳列室、前記商品陳列室の周域に画成してその通風路にファン,冷却器を配置した冷気循環ダクト、および庫内中段の陳列棚にセットして前記冷気循環ダクトの途中から取り込んだ冷気を庫内前方に導いて下向きにエアカーテンを吹き出す着脱可能なダンパ付きの中間ダクトを備え、前記棚ヒータの通電制御,および前記中間ダクトのダンパ開閉操作によりホットアンドコールド運転/コールド運転に切替えて陳列商品を加温,保冷するようにしたホットアンドコールドショーケースにおいて、
ショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える際に、新たに設定したコールド移行運転を実行してホットアンドコールド運転からコールド運転に切替えるようにし、このコールド移行運転では、棚ヒータを全て通電オフとした上で、冷気循環ダクトの途中から中間ダクトを経由して庫内下部領域のコールド室に冷気を通風する状態を継続しつつ、同時に冷気循環ダクトを通じて庫内上部領域に冷気を導風してホット室を予冷するように制御する(請求項1)。
【0018】
また、上記のホットアンドコールドショーケースにおいて、前記中間ダクトには、その後端に設けたダンパをコントローラからの指令で冷気循環ダクトに出没操作するダンパ開閉装置を設けるものとする(請求項2)。
【0019】
そして、コールド移行運転では、前記中間ダクトのダンパを開いて冷気循環ダクトの冷気吹出口に通じる通風路を開放するとともに、ファンをホットアンドコールド運転時の回転数よりも上げて運転し、この冷気通風状態で庫内上部のホット室の庫内温度があらかじめ設定したコールド移行設定温度に到達するまでコールド移行運転を継続してからコールド運転に切替えるように制御する(請求項3)。
【発明の効果】
【0020】
上記のように、ショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える過程で新たに設定したコールド移行運転を実行し、庫内下部のコールド室の前面に吹き出す冷気エアカーテンを維持してコールド室の保冷運転状態を継続しつつ、同時冷気循環ダクトを通じて庫内上部のホット室にも冷気を通風するようにしたことにより、ホット室の余熱による熱的干渉が庫内下部のコールド室に波及するのを回避しながら、ホット室の余熱を素早く冷まして庫内全域を保冷するコールド運転に移行するまでの待ち時間を短縮することができ、これにより商品の販売チャンスを増やしてコンビニエンスストア等で使用するホットアンドコールドショーケースの稼働率向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明の実施例によるホットアンドコールドショーケースの構成図であって、(a)はショーケース全体の側視断面図、(b)は(a)における中間ダクトの拡大図である。
【図2】図1におけるコントローラのシステムを表すブロック図である。
【図3】図1のショーケースによるコールド移行運転のフローチャートを表す図である。
【図4】従来のホットアンドコールドショーケースのホットアンドコールド運転状態を表す図であって、(a),(b)はそれぞれショーケースの正面図、および側視断面図である。
【図5】図4のホットアンドコールドショーケースのコールド運転状態を表す図であって、(a),(b)はそれぞれショーケースの正面図、および側視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、この発明の実施の形態を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明する。
まず、図1(a),(b)において、ショーケースの構造は基本的に図4,図5に示した従来のホットアンドコールドショーケースと同様であるが、図示実施例では中間ダクト9に電磁ソレノイドなどで操作するダンパ開閉装置9bを設けておき、外部からの指令信号を受けてダンパ9aを実線,鎖線で示す開,閉位置にスライド操作するようにしている。また、商品陳列室2には、庫内上部および下部の2箇所に配してホット室とコールド室の庫内温度を検出するホットセンサ11,およびコールドセンサ12を備えている。
【0023】
このホットアンドコールドショーケースは、従来と同様にユーザーの選択によりホットアンドコールド運転,コールド運転,ないしはホット運転に切替えて陳列商品を加温,ないし保冷するようにし、また運転モードの切替え、および運転モードの切替えに伴う冷凍機の運転,停止、棚ヒータの通電制御、および中間ダクトのダンパ開閉制御は、以下に述べるようにコントローラ13からの制御指令により自動的に行うようにしている。
【0024】
そして、この発明では、先記のようにユーザーが店舗での販売需要に応じてショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える際に、ホットアンドコールド運転とコールド運転との間に新たにコールド移行運転を設定し、以下述べるようにコールド移行運転をコントローラ13により自動的に実行するようにしている。
【0025】
次に、コントローラ13のシステムの一例を図2のブロック図に示す。このコントローラ13はマイコンシステムで構築されており、図示のように運転モード切換スイッチ(ユーザーが選択して切換える)、中間ダクトスイッチ(庫内の陳列棚に取付けた中間ダクト9のセット位置に認識する検出スイッチ)、および先記コールドセンサ11,ホットセンサ12からの信号を入力情報としてコントローラ13に入力し、その制御出力信号により冷凍機の冷媒配管路に接続した電磁弁,ファン5,中間ダクト9のダンパ開閉装置9b,棚ヒータ8を図3に示すフローチャートにしたがって制御する。
【0026】
すなわち、ユーザーが運転モード切換スイッチでショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転(HC)からコールド運転(C)に切替えると(ステップS31)、コントローラ13は運転モード切換スイッチの入力信号を基に新たに設定したコールド移行運転を実行する。このコールド移行運転では、最初のステップでいままで通電していたホット室の棚ヒータ8(図4参照)を全て通電オフして停止し(ステップS32)、次のステップで中間ダクト9のダンパ開閉装置9bがダンパ9aを図1(b)に示す鎖線の閉位置から実線の開位置にスライド操作して冷気循環ダクト3の冷気吹出口3aに通じる上方への通風路を開放する(ステップS33)。さらに、次のステップでファン5の回転数をホットアンドコールド運転時の回転数(例えば、1300回転/分)からコールド運転時における回転数(例えば、1500回転/分)に上げてファンを運転する(ステップS34)。
【0027】
この制御により、ショーケースでは冷却器4と熱交換した冷気が図1(a)の矢印で表すように冷気循環ダクト3の途中から二手に分流し、その一方の分岐冷気流は中間ダクト9を経由して庫内下部の前面に冷気エアカーテンを吹き出してホットアンドコールド運転時と同様な冷気の循環通風を維持するとともに、他方の分岐冷気流は冷気循環ダクト3の上部側通風路を通風して天井部の冷気吹出口3aから底部の吸込口3bに向けて吹き出し、いままでホット運転状態にあった庫内上部のホット室に向け冷気を吹き出す。したがって、この通風状態では商品陳列室2の前面に、天井の冷気吹出口3aから吹き出すエアカーテンと中間ダクト9を経由して庫内の下部領域に吹き出すエアカーテンとの二重のエアカーテンが形成されるようになる。
【0028】
これにより、運転モード切替え前のホットアンドコールド運転(図4参照)でホット商品10Hを加温してした庫内上部のホット室,およびその棚ヒータ8の余熱が天井の冷気吹出口から吹き出す冷気流により除熱され、短時間の運転でホット室の庫内温度が下がるようになる。一方、庫内下部のコールド室の陳列棚7に陳列して冷蔵温度に保冷していたコールド商品10Cは、中間ダクト9を経由して吹き出す冷気エアカーテンによって保冷状態が継続されるので、ホット室の余熱による熱的干渉を殆ど受けることなしに、ホットアンドコールド運転時と同様な保冷運転状態を維持する。
【0029】
また、コールド移行運転中は庫内上部のホット室の検知温度が先記のホットセンサ11(図1(a)参照)からコントローラ13に入力される。そして、図3のフローチャートで表すようにホットセンサ11で検出した庫内温度とあらかじめコントローラ13で設定したコールド移行設定温度(例えば、常温に近い温度)とを対比し(ステップS35)、ホット室の庫内温度がコールド移行設定温度に到達するまでは前記のコールド移行運転を続け(ステップS35,No)、ホット室の余熱が十分に冷めてコールド移行設定温度以下になればコールド移行運転を終了してショーケースがコールド運転に移行する(ステップS35,Yes)。なお、コールド移行運転が終了すると、コントローラ13は中間ダクト9の取り外しを促すメッセージを表示する。そして、ユーザーが中間ダクト9を外すと(ステップS36)、ショーケースは図5に示したコールド運転状態となり(ステップS37)、庫内全段の陳列棚7を使ってコールド商品10Cを冷蔵温度に保冷することができる。なお、冷凍機は、コールドセンサ12(図1(a)参照)で検出したコールド室の庫内温度と温度設定値との偏差により従来と同様にサーモサイクル運転制御される。
【0030】
以上述べたように、この発明では、ショーケースの運転モードをホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える過程で、新たに設定したコールド移行運転を実行することにより、運転モード切替え前のホットアンドコールド運転で残っていたホット室の余熱による熱的干渉が庫内下部のコールド室に波及するのを回避しつつ、ホット室の余熱を素早く冷まして庫内全域を保冷するコールド運転に移行するまでの待ち時間を短縮することができ、これによりコンビニエンスストア等で使用するショーケースの商品販売チャンスを高めてその稼働効率の向上化が図れる。
【符号の説明】
【0031】
1:ケース本体
2:商品陳列室
3:冷気循環ダクト
4:冷却器
5:ファン
7:陳列棚
8:棚ヒータ
9:中間ダクト
9a:ダンパ
9b:ダンパ開閉装置
10:商品
10H:ホット商品
11:ホットセンサ
12:コールドセンサ
13:コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面開放形のケース本体に、棚ヒータ付きの陳列棚を上下段に配置した商品陳列室、前記商品陳列室の周域に画成してその通風路にファン,冷却器を配置した冷気循環ダクト、および庫内中段の陳列棚にセットして前記冷気循環ダクトの途中から取り込んだ冷気を庫内前方に導いて下向きにエアカーテンを吹き出す着脱可能なダンパ付きの中間ダクトを備え、前記棚ヒータの通電制御,および前記中間ダクトのダンパ開閉操作によりホットアンドコールド運転/コールド運転に切替えて陳列商品を加温,保冷するホットアンドコールドショーケースであり、
ホットアンドコールド運転では、中段の陳列棚にセットした前記中間ダクトを境に庫内の上部領域をホット室,下部領域をコールド室に分け、ホット室の陳列棚に並べたホット商品を棚ヒータで加温するとともに、コールド室の陳列棚に並べたコールド商品は前記中間ダクトを経由する循環冷気で保冷し、
コールド運転では、陳列棚の棚ヒータを通電オフとし、かつ中間ダクトを取り外した上で、冷気循環ダクトを通じて商品陳列室の庫内全域に通風する冷気で各段の陳列棚に並べたコールド商品を保冷するようにしたものにおいて、
ショーケースの運転モードを前記のホットアンドコールド運転からコールド運転に切替える過程で新たに設定したコールド移行運転を実行し、このコールド移行運転では、陳列棚の棚ヒータを全て通電オフとした上で、冷気循環ダクトの途中から中間ダクトを経由して庫内下部領域のコールド室に冷気を通風する状態を継続しつつ、同時に冷気循環ダクトを通じて庫内上部領域に冷気を導風してホット室を予冷するように制御することを特徴とするホットアンドコールドショーケース。
【請求項2】
請求項1に記載のホットアンドコールドショーケースにおいて、中間ダクトが、その後端に設けたダンパを冷気循環ダクトに向けて出没操作するダンパ開閉装置を備えていることを特徴とするホットアンドコールドショーケース。
【請求項3】
請求項1に記載のホットアンドコールドショーケースにおいて、コールド移行運転では、中間ダクトのダンパを開いて冷気循環ダクトの冷気吹出口に通じる通風路を開放するとともに、ファンをホットアンドコールド運転時の回転数よりも上げて運転し、かつこの冷気通風状態で庫内上部のホット室の庫内温度があらかじめ設定したコールド移行設定温度に到達するまでコールド移行運転を継続してコールド運転に切替えるように制御することを特徴とするホットアンドコールドショーケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−196597(P2011−196597A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62409(P2010−62409)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】