説明

マルチスペクトル画像撮影装置

被写体(O)からの光をハーフミラー(12)で2つの光路に分割し、一方の光は、赤外光カットフィルタ(18)を通して近赤外の光を遮断しカラーCCD撮像素子(14)に結像させることで標準的なRGBの分光感度特性による3バンドの画像を取得する。他方の光は、RGBの波長帯域のそれぞれ約半分の帯域の光を通すバンドパスフィルタ(20)を通してカラーCCD撮像素子(16)に結像させることでRGBよりも狭帯域な分光特性を有する3バンドの画像を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々異なる分光特性による4バンド以上の画像撮影が可能なマルチスペクトル画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被写体の画像を撮影するためにRGB(3バンド)カメラが広く用いられている。
【0003】
近年、画像撮影装置において被写体の忠実な色再現を行なうために、4バンド以上の画像撮影が可能なマルチスペクトルカメラを用いて被写体のより詳細な分光情報を画像として取得・記録する方法が提案されている。そのような4バンド以上の画像撮影装置としては、例えば、USP5,864,364、USP6,466,334、特開2002−296114号公報、特開2003−023643号公報、特開2003−087806号公報に開示されている方法がある。
【0004】
それら文献に開示されている方法では、RGBの波長帯域よりも狭帯域な透過率特性を有するフィルタをCCD撮像素子の前面に配置することで、より細かい被写体の分光情報を取得している。
【0005】
しかしながら、被写体から入射される光の大半は、上記狭帯域のフィルタにより不要な帯域の光としてカットされてしまうため、光の損失が従来のRGBカメラと比べ極端に大きい。このとき、撮影時間を長くすれば、上記光の損失があっても十分な露光を得ることは可能であるが、動きのある被写体を撮影する等、ある程度撮影時間に制限がある場合には、撮影画像のS/Nが劣化し、色再現の精度が効果的に上がらないといった問題がある。
【0006】
また、上記マルチスペクトルカメラにより撮影された画像を通常のRGBモニタで観察・確認したい場合には、RGBとは異なるバンドで撮影された画像を色変換してモニタに出力する必要があるため、特殊な変換器が必要であった。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、動きのある被写体でも精度よく色再現を行なえ、また、特殊な変換器を必要とすることなく通常のRGBモニタを用いて直接撮影画像の確認が可能なマルチスペクトル画像撮影装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、
4バンド以上の異なる分光感度特性を有するマルチスペクトル画像撮影装置において、
上記4バンド以上の分光感度特性のうち、主要な3バンドは、標準的なRGBの分光感度特性を有し、
上記4バンド以上の分光感度特性のうちの上記主要な3バンドを除いた残りのバンドのうち、少なくとも一つの補助的なバンドは、上記RGBよりも狭帯域な分光感度特性を有する、
ことを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置が提供される。
【0009】
また、本発明の第2の態様によれば、
撮像レンズからの光を2つの光路に分割するハーフミラーと、
上記ハーフミラーで分割された一方の光の分光特性を変調するバンドパスフィルタと、
上記バンドパスフィルタによって変調された光を受光して、被写体を撮像する撮像手段と、
上記ハーフミラーで分割されたもう一方の光を、赤、青、緑の3色に分解して受光し、被写体のカラー画像を撮像するカラー撮像手段と、
を具備することを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置が提供される。
【0010】
また、本発明の第3の態様によれば、
4バンド以上の異なる分光感度特性を有するマルチスペクトル画像撮影装置において、
複数の波長帯域の光を透過し且つ上記複数の波長帯域以外の光を反射する櫛形の分光透過率及び分光反射率特性を有するダイクロイックミラーと、
上記ダイクロイックミラーと略同一の透過波長帯域を有するバンドパスフィルタと、
上記ダイクロイックミラーの反射波長帯域と略同一の波長帯域を透過する分光透過率特性を有するバンドパスフィルタと、
を具備することを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置に使用するハーフミラーの透過率・反射率特性を示す図である。
【図3】図3は、第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置に使用する赤外光カットフィルタの分光透過率特性及びカラーCCD撮像素子のRGB3バンドの分光感度特性を示す図である。
【図4】図4は、第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置に使用するカラーCCD撮像素子の画素構造を示す図である。
【図5】図5は、第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置に使用するバンドパスフィルタの分光透過率特性及びカラーCCD撮像素子のRGB3バンドの分光感度特性を示す図である。
【図6】図6は、図5のバンドパスフィルタの代わりに使用可能な別のバンドパスフィルタの分光透過率特性を示す図である。
【図7】図7は、第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置において得られる6バンドの分光感度特性を示す図である。
【図8】図8は、第1実施例の第1の変形例であるマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【図9】図9は、第1実施例の第2の変形例であるマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【図10】図10は、図9の装置構成におけるハーフミラーと色分解プリズムを合成した4分解光学系を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【図12】図12は、図11における回転フィルタの具体的構成を示す図である。
【図13】図13は、回転フィルタの状態とカラーCCD撮像素子における画像取り込みのタイミングの対応関係を示す図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【図15】図15は、図14におけるカラーCCD撮像素子に装着されたモザイクフィルタ(一部)のフィルタ配置例を示す図である。
【図16】図16は、図15におけるR,G,B,R’,G’,B’のフィルタの分光透過率特性を示す図である。
【図17】図17は、図14におけるカラーCCD撮像素子に装着されたモザイクフィルタ(一部)のフィルタ配置の別の例を示す図である。
【図18】図18は、図17におけるR’,G’,Cy,B’のフィルタの分光透過率特性を示す図である。
【図19】図19は、本発明の第4実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【図20】図20は、図19におけるダイクロイックミラーの分光透過率分布及び分光反射率分布、並びに色分解プリズムで各々分離されるRGBの分光特性を示す図である。
【図21】図21は、図19におけるバンドパスフィルタ52の分光透過率分布と図20で示したダイクロイックミラーによる分光透過率分布とを示す図である。
【図22】図22は、図19におけるバンドパスフィルタ54の分光透過率分布と図20で示したダイクロイックミラーによる分光反射率分布とを示す図である。
【図23】図23は、本発明の第5実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【図24】図24は、第5実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置に使用するストロボ照明発光部の光源のスペクトル特性及びカラーCCD撮像素子のRGB3バンドの分光感度特性を示す図である。
【図25】図25は、シャッタ制御からストロボ発光、並びにカラーCCD撮像素子の受光、取込までの撮影の流れを示すタイミングチャートを示す図である。
【図26】図26は、本発明の第6実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
[第1実施例]
本発明の第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置においては、図1に示すように、被写体Oからの光がレンズ10及びハーフミラー(HM)12を通して2枚のカラーCCD撮像素子14,16に結像される。このとき、ハーフミラー12は、透過率と反射率の比が異なり、それぞれの比が約3:1となるようなものを使用している。即ち、図2に示すように、ハーフミラー12は、透過率12Aが波長によらずに75%一定で、反射率12Bが同様に25%一定のものを使用している。
【0014】
上記ハーフミラー12により分岐された光のうち、光量の大きい方(透過側)の光は、図3に示すような赤外光カットフィルタ(IR−CF)18を通すことで近赤外の光が遮断されて、片方のカラーCCD撮像素子14に結像される。なお、図3において、実線18AがIR−CF18の分光透過率を示している。
【0015】
一方、上記ハーフミラー12により分岐された光のうち、光量の少ない方(反射側)の光は、バンドパスフィルタ20を通して、もう片方のカラーCCD撮像素子16に結像される。
【0016】
ここで、上記カラーCCD撮像素子14,16は、例えば、図4に示すように、各画素にRGBのカラーフィルタがベイヤ配列状に配置された単版式によるカラーCCD撮像素子を使用している。各々のRGBフィルタにおける分光透過率は、前述した図3に破線で示しているような分光形状を持つ。
【0017】
また、上記バンドパスフィルタ20は、図5に実線20Aで示すような櫛型形状の分光透過率を有しており、図中に破線で示すRGBの波長帯域のそれぞれ約半分の帯域の光を通すようなものとなっている。
【0018】
あるいは、上記バンドパスフィルタ20は、図6に実線20Bで示すような櫛型形状の分光透過率を有するものでも良い。このような実線20Bで示す分光透過率特性は、図5に実線20Aで示した分光透過率特性が反転したものである。従って、このような実線20Bで示す分光透過率特性を有するバンドパスフィルタ20では、近赤外領域の光も取得することができる。
【0019】
以上により、前述したハーフミラー12により分岐された透過側の光に対するカラーCCD撮像素子14においては、従来のRGBと同様な分光特性による3バンドの画像が取得される。また、反射側の光に対するカラーCCD撮像素子16においては、従来のRGBよりも狭帯域な分光特性を有する3バンドの画像が取得される。よって、合計6バンドの画像が二つのカラーCCD撮像素子14,16により取得されることになる。図7に、以上により構成された計6バンドの分光感度特性を示している。前述したように、ハーフミラー12の透過/反射率比が異なるため、図中の6バンド分光感度のうち、後者のRGB以外の3バンドは、前者RGB3バンドに比べピーク感度が低くなっている。
【0020】
このように、被写体Oからの入射光の大半をRGB3バンドの取得に使用し、一方、残りの少量の光をバンドパスフィルタ20により狭帯域化して他の3バンドに割り当てるようにしている。このようにすることで、バンドパスフィルタ20による狭帯域化により生じる光量の損失をできるだけ少なくし、マルチスペクトル撮影における感度の劣化を防ぐことにより、色再現性のよい分光感度特性を実現できる。
【0021】
透過側のカラーCCD撮像素子14により取得された画像信号は、第1画像メモリ22に一旦記憶される。また、反射側のカラーCCD撮像素子16により取得された画像信号は、第2画像メモリ24に一旦記憶される。上記第1画像メモリ22及び第2画像メモリ24にそれぞれ記憶された3バンド画像は、画像合成部26において6バンド画像として合成され、記憶媒体及び外部PC28に保存される。このとき、上記RGB3バンドの画像信号は、透過側のカラーCCD撮像素子14から直接もしくは第1画像メモリ22を介して別途外部に伝送され、RGB接続機器30に入力できるようにもなっている。これにより、一般的なRGBモニタ等に接続して、画像ビューワーとして使用することが可能となる。
【0022】
なお、本実施例において説明した2つのカラーCCD撮像素子14,16は、同じ解像度である必要はなく、例えば反射側のカラーCCD撮像素子16は、透過側のカラーCCD撮像素子14よりも低解像度であっても良い。反射側のカラーCCD撮像素子16により得られた補助的な3バンド画像の解像度が低くても、透過側のカラーCCD撮像素子14により得られた主要な3バンド画像における高周波成分を利用して、上記主要な3バンド画像とほぼ同等な解像度のマルチスペクトル画像を得ることも可能である。低解像度なCCD撮像素子は高解像度なCCD撮像素子と比べ感度が高いため、より上記ハーフミラー12の反射率を落とし、透過率を高めることができるので、トータルの感度をさらに高めることが可能となる。
【0023】
なお、本実施例では、バンドパスフィルタ20を用いて狭帯域化するものとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、カラーCCD撮像素子16のカラーフィルタの透過分光特性を狭帯域化することで狭帯域化する等、他の手段を用いて狭帯域化しても良い。
【0024】
次に、図8を参照して、本第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の第1の変形例を説明する。本変形例は、前述した図1における単板式のカラーCCD撮像素子14,16の代わりに、RGB色分解プリズムと3つのCCD撮像素子によって構成した3板式のカラー撮像ユニットを用いたものである。
【0025】
即ち、ハーフミラー12により異なる強度比で分岐された光のうち、一方の光は、IR−CF18を通してカラー画像撮像ユニット32に入射され、そのカラー画像撮像ユニット32によりRGB3バンド撮影が行なわれる。他方は、前述した図5に示すような分光透過率によるバンドパスフィルタ20により被写体Oからの光を狭帯域化してカラー画像撮像ユニット34に入射され、そのカラー画像撮像ユニット34により3バンド撮影が行なわれる。これにより、計6バンドの画像信号が得られる。
【0026】
以上のように、3板式のカラー画像撮像ユニット32,34を用いることで、単板式のカラーCCD撮像素子14,16を用いた場合と比べ高解像度且つ高感度なマルチスペクトル画像取得が可能となる。このような3板式のカラー画像撮像ユニット32,34は、従来のHDTVカメラ等の動画撮影を行なう撮像装置で広く用いられており、動画のマルチスペクトル画像を撮影する際に有効である。
【0027】
なお、カラー画像撮像ユニット32,34の各CCD撮像素子は、それぞれ個別に電子シャッタ速度を決めることにより、最適な露出状態で撮影を行うことができる。
【0028】
また図9は、本第1実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置の第2の変形例を示す図である。本変形例は、前述した第1実施例の構成と第1の変形例の構成とを組み合わせた構成となっている。
【0029】
即ち、ハーフミラー12により異なる強度比で分岐された光のうち、一方の光は、IR−CF18により近赤外領域の光をカットした後、前述した第1の変形例と同様にカラー画像撮像ユニット32に入射される。そして、そのカラー画像撮像ユニット32において色分解プリズムによりRGBの光に分離され、各CCD撮像素子に結像されて、3バンド撮影が行なわれる。また、他方の光は、バンドパスフィルタ20及び光学ローパスフィルタ(LPF)36により狭帯域化された後、前述した第1の実施例と同様にカラーCCD撮像素子16に結像されて、3バンド撮影が行なわれる。このような撮影を行なうことで、計6バンドの画像信号が得られる。なおここで、光学LPF36は、偽色や色モアレを低減させるため一般的に使用されているものである。よって、特に図示はしていなかったが、前述した第1実施例(及び後述する他の実施例)の構成においても同様に配されるものである。
【0030】
以上のように、本第2の変形例では、主要となるRGB3バンドに対しては3板式のカラー画像撮像ユニット32を用いることで高解像度且つ高感度なマルチスペクトル画像取得が可能となる。一方、補助的な3原色については、単板式のカラーCCD撮像素子16により解像度を犠牲にして撮影を行なうが、先述したように主要な3バンド画像における高周波成分を利用することで従来の3バンドHDTVカメラと同様な解像度でマルチスペクトル画像の撮影が行なえる。以上により、小型なマルチバンド画像撮影装置を実現できる。
【0031】
なお、図9では、ハーフミラー12と色分解プリズムは別素子となっており、透過側及び反射側の3バンドはそれぞれ別ユニットにより構成されるが、これに限るものではない。例えば、図10に示すように、ハーフミラー12と色分解プリズム38とを合成した一つの素子と、1枚のカラーCCD撮像素子16と、3枚のモノクロCCD撮像素子40R,40G,40Bとを用いて、1ユニットにより6バンド撮影を実現することもできる。このようにすれば、より小型な装置構成による6バンド画像撮影装置が実現可能である。
【0032】
[第2実施例]
本発明の第2実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置は、図11に示すように、被写体Oからの光が、レンズ10及び回転フィルタ42を通して、1枚のカラーCCD撮像素子44に結像される。回転フィルタ42は、図12に示すように、透過率がほぼ100%である透明ガラス42Aと、前述した図5に示した分光透過率特性によるバンドパスフィルタ42Bとからなるもので、各々の面積比が約3:1となるように構成されている。上記回転フィルタ42を透過した光は、IR−CF18を通して近赤外の光が遮断され、カラーCCD撮像素子44に結像される。また、上記回転フィルタ42は、モータ46により回転速度一定で回転するように駆動され、カラーCCD撮像素子44は、上記回転フィルタ42が一回転する間に2回の露光を行なう。
【0033】
図13に、回転フィルタ42の状態とカラーCCD撮像素子44の露光タイミングについてのタイミングチャートを示している。上記回転フィルタ42が透明ガラス42Aの状態の間に第1の露光を行ない、取得された3バンド画像を第1画像メモリ22に記憶する。また、上記回転フィルタ42がバンドパスフィルタ20の状態の間に第2の露光を行ない、取得された3バンド画像を第2画像メモリ24に記憶する。上記第1画像メモリ22及び第2画像メモリ24に記憶されたそれぞれの3バンド画像を、画像合成部26において合成することで6バンドの画像を得る。
【0034】
以上のような構成により、前述した第1実施例よりも少ない構成要素で同様な効果を実現することができる。また、第1画像メモリ22に記憶された3バンド画像をRGB接続機器30に入力すれば、従来のRGBカメラと同様に被写体Oのカラー画像を簡単に確認することができる。
【0035】
[第3実施例]
本発明の第3実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置は、図14に示すように、被写体Oからの光を、IR−CF18を通して近赤外の光を遮断してから、1枚のカラーCCD撮像素子44に結像する。このとき、カラーCCD撮像素子44には、図15に示すように、1画素毎にR,G,B、及びR’,G’,B’のフィルタが周期的に配置されたモザイクフィルタ44Aが装着されている。各フィルタの分光透過率分布は、図16に示すようになっている。即ち、R,G,Bのフィルタは従来の3バンドカメラと同じ分光帯域を有するものであり、R’,G’,B’は従来のRGBよりも狭帯域な分光帯域を有するものとなっている。なお、上記モザイクフィルタ44Aは、図15に示すように、R’,G’,B’のフィルタがR,G,B各3画素に対して各1画素の割合で配置され、これが周期的に並んでいる。
【0036】
上記各フィルタを通過した光は、カラーCCD撮像素子44で受光され、6バンドの点順次画像データとして画像補間処理部48に入力される。画像補間処理部48では、各々のバンドにおいて欠損している画素位置に対応する画像データを近傍の画像データから補間して求め、それぞれ同じ画素数による画像データを生成する。こうして生成された各バンドの画像データのうち、RGB3バンドの画像については第1画像メモリ22に送られ記憶され、R’G’B’3バンド画像は第2画像メモリ24に送られ記憶される。この第1画像メモリ22に記憶された3バンド画像をRGB接続機器30に入力すれば、従来のRGBカメラと同様に被写体Oのカラー画像を簡単に確認することができる。また、上記第1画像メモリ22及び第2画像メモリ24に記憶されたそれぞれの3バンド画像を画像合成部26において再び合成することで、6バンドの画像を得ることができる。
【0037】
このように、従来と同じ帯域によるRGBフィルタに加え、狭帯域なフィルタを補助的に混合させることで、マルチバンドの点順次画像を取得する際、補助的なバンドに対応する画素に対してRGBに対応する画素の配分率を高くし、それによって、従来のRGB3バンドカメラと比べ、ほぼ遜色ない解像度及び感度でマルチバンドの画像を取得することができ、色再現性を向上することができる。
【0038】
また、上述した図15に示した図では、補助的に加えたR’,G’,B’のうち、G’の画素を他のR’,B’に比べ2倍配置している。しかしながら、これに限ることではなく、例えば、図17に示すように、G’の2画素のうちの一方をCyとして、計7バンドのマルチスペクトル撮影を行っても良い。このとき、フィルタCyは、図18に示すように、前述したフィルタG’とは異なる分光透過率特性を持つ。
【0039】
なお、前述した第1実施例及び第2実施例においては、従来のRGB3バンド以外の補助的な3バンドは、元の各RGBの帯域から所定の範囲の帯域のみ取り出したもので構成されているが、本実施例においては、これに限定されるものでなく、例えば図18に示したCyのように、元のRGBの波長帯域から外れた帯域で構成することが可能である。
【0040】
[第4実施例]
本発明の第4実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置は、これまでの実施例において使用していた被写体Oの光を2分岐させるハーフミラー12の代わりに、図19に示すように、波長を選択して透過/反射を行なうダイクロイックミラー(DM)50を用いたものである。図20は、上記DM50の分光透過率分布は、図20に黒細線50Aで示すようになっており、また、分光反射率分布は黒点線50Bで示すようになっている。なお、図20において黒太線は、図19における色分解プリズムで各々分離されるRGBの分光特性を示している。この図20に示すように、上記DM50はそれぞれ櫛形の分光形状による透過率/反射率分布を有している。
【0041】
而して、該DM50によって透過/反射された光は、カラー画像撮像ユニット32,34で、色分解プリズムにより各々異なる狭帯域のRGB3バンドに分解され撮像される。その結果、各々狭帯域の6バンドの画像が取得されることになる。
【0042】
さらにこのとき、DM50の後に、それぞれ図21及び図22に示すようなDM50の分光透過率50A/反射率50Bと同様な櫛形分光形状の分光透過率52A/反射率54Aを持つバンドパスフィルタ52,54を挿入し、波長選択性を際立たせることで、波長分離性のよい6バンドの画像取得が可能となる。一般的に、ダイクロイックミラー50のみで櫛形の分光形状を持つ透過率/反射率分布を実現しようとすると、波長選択性があまり望めず、図20に示すようにある程度非透過帯/非反射帯にも漏れ光が存在してしまう場合が多い。そのため、前述したようにDM50の後に波長選択性のよいバンドパスフィルタ52,54(例えば多層膜干渉フィルタ等)を用いて各バンドの波長分離性を良くすることは、色再現性の良いマルチスペクトルカメラを実現するのに非常に有効な手段である。また、DM50により被写体Oの光をある程度波長分離しておくことで、バンドパスフィルタ20による光の損失も最小限に抑えることができるので、光効率の良いマルチバンドカメラが実現できる。
【0043】
以上により、本実施例によれば、狭帯域の6バンド撮影により波長分離性の良いマルチスペクトル撮影が実現できると共に、S/N比の高いマルチバンドカメラが実現できる。但し、本実施例においては、これまでの実施例において述べていたような、従来のRGB接続機器30に直接接続して通常のRGB画像と同等なカラー画像を観察することはできない。そこで、撮影された画像をカラー画像として観察する場合には、撮像された6バンド画像を図19に示したようなマルチバンド画像処理装置56を通して色変換することが必要となる。
【0044】
以上、第1乃至第4実施例に基づいて説明したように、マルチスペクトル撮影を行なう各バンドのうち、少なくとも3バンドは従来のRGBと同じ広帯域な分光感度特性とし、さらに、他の補助的な狭帯域のバンドに対しては、被写体の光を上記RGBのバンドよりも少ない比率の光量で割り当てることにより、光の損失を軽減し、これにより動きのある被写体Oでも色再現精度の良いマルチスペクトル画像撮影装置を提供することができる。さらに、特殊な変換器を必要とすることなく通常のRGBモニタを用いて直接撮影画像の確認が可能なマルチスペクトル画像撮影装置が提供できる。また、ダイクロイックミラーとバンドパスフィルタを併用すれば、波長分離性の高い狭帯域な6バンドを実現できると共に、上記と同様、光の損失を軽減したマルチスペクトル画像撮影装置が実現できる。
【0045】
[第5実施例]
本発明の第5実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置は、図23に示すように、狭帯域の3バンドの波長特性の光源を有するストロボ照明発光部58を備え、ストロボ無発光状態(外光照明)と、ストロボ発光状態(外光+ストロボ)の2種類の画像(各々3バンド)を撮像することにより、6バンドのマルチスペクトル画像を取得するものである。ここで、上記ストロボ照明発光部58の光源には、カラーCCD撮像素子44のRGB感度の各々の波長領域で鋭いピークを持つような櫛形分光分布の波長特性を有する白色LED、蛍光灯などの光源を使用する。或いは、狭帯減の波長特性を有する3種類のLED等が用いられても良い。上記ストロボ照明発光部58の光源の発光スペクトルの例は、図24に実線で示すようになっている。なお、同図において、破線はRGBの透過率特性を示している。
【0046】
また、本実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置は、第1画像メモリ22に記憶された画像を第2画像メモリ24に記憶された画像から減算する画像減算部60を有している。
【0047】
図25は、シャッタ制御からストロボ発光、並びにカラーCCD撮像素子44の受光、取込までの撮影の流れを示すタイミングチャートを示している。即ち、本実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置においては、まずシャッタ62が押されると、本マルチスペクトル画像撮影装置は、ストロボ無発光状態、即ち外光照明のみで通常のRGBの3バンドのカラー画像として被写体Oの画像を撮影し、得られた画像を第1画像メモリ22に記憶する。そして従来のRGB画像として、RGB接続機器30に出力、及び6バンドのうちの主要な3バンド画像として記憶媒体及び外部PC28へ出力する。次に、ストロボ発光状態、即ち外光照明+ストロボ照明で被写体Oを照明し、同じく3バンドのカラー画像として被写体0の画像を撮影して、第2画像メモリ24に記憶する。撮影動作が終わると、この第2画像メモリ24に記憶した画像から、先に撮影して上記第1画像メモリ22に記憶してあるストロボ無発光状態(外光照明のみ)の画像を、画像減算部60にて減算して、ストロボ成分のみによる狭帯域の3バンド画像を作成する。そして、この作成した画像を、補助的な3バンド画像として、記憶媒体及び外部PC28へ出力する。以上により、外光成分による3バンド画像とストロボ成分による3バンド画像の計6バンドの画像を得る。
【0048】
以上のような構成により、前述の各実施例のような特別な光学系やフィルタ構造ではなく、通常の光学系で同様な効果を実現することができる。また、第1画像メモリ22に記憶された3バンド画像をRGB接続機器30に入力すれば、従来のRGBカメラと同様に被写体Oのカラー画像を簡単に確認することができる。
【0049】
なお、本実施例では、シャッタ動作の後、最初に外光のみの光源で被写体Oのカラー画像を撮影したが、最初にストロボ発光させて外光+ストロボ光で被写体Oを照明したカラー画像を撮影した後に、外光のみの光源で被写体Oのカラー画像を撮影するようにしても良い。
【0050】
[第6実施例]
本発明の第6実施例に係るマルチスペクトル画像撮影装置は、2眼レンズによるマルチスペクトル画像撮影装置で、従来のRGB3バンド撮影用のカラー撮像部と、狭帯域の3バンドの櫛型の分光透過特性を有するバンドパスフィルタをレンズに備えた、狭帯域の3バンド撮影用のカラー撮像部とを備え、従来のRGB3バンド撮影用のカラー撮像部からの主要な3バンド画像と、狭帯域の3バンド撮影用のカラー撮像部からの補助的な3バンド画像とから、6バンドのマルチスペクトル画像を取得するものである。
【0051】
図26の上側の撮像部が従来のRGB3バンド撮影用のカラー撮像部であり、レンズ10とIR−CF18、カラーCCD撮像素子14とで構成されている。下側の撮像部が狭帯域の3バンド撮影用のカラー撮像部であり、レンズ64と、レンズ64の前面に配置された狭帯域の3バンドの櫛型の分光透過特性を有するバンドパスフィルタ20と、カラーCCD撮像素子16とで構成されている。下側の撮像部で撮像された狭帯域の補助的な3バンド画像は、視差により従来の3バンド撮影画像(上側)と画像の位置がずれている。このずれを第2画像メモリ24の後の幾何補正部66で補正し、両者の3バンド画像の位置を一致させて出力する。
【0052】
以上のような構成により、前述の第1乃至第4実施例のような特別な光学系やフィルタ構造ではなく、通常の光学系で同様な効果を実現することができる。また、第1画像メモリ22に記憶された3バンド画像をRGB接続機器30に入力すれば、従来のRGBカメラと同様に被写体Oのカラー画像を簡単に確認することができる。
【0053】
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0054】
例えば、上述した各実施例では、撮像素子の例としてCCD撮像素子を用いて説明したが、CCD撮像素子の代わりに、CMOS撮像素子等のX−Yアドレス型の撮像素子を用いても良い。そのような撮像素子を用いた場合には、高速読み出しや間引き読み出しが可能となり、さらに、単板式のカラー撮像素子構成の場合には同じ色フィルタの画素を選択的に読み出すことも可能となる。従って、マルチスペクトル画像撮影装置における、処理の高速化や、安価な構成も可能となる。
【0055】
(付記)
前記の具体的実施例から、以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0056】
(1)4バンド以上の異なる分光感度特性を有するマルチスペクトル画像撮影装置において、
上記4バンド以上の分光感度特性のうち、主要な3バンドは、標準的なRGBの分光感度特性を有し、
上記4バンド以上の分光感度特性のうちの上記主要な3バンドを除いた残りのバンドのうち、少なくとも一つの補助的なバンドは、上記RGBよりも狭帯域な分光感度特性を有する、
ことを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置。
【0057】
(対応する実施例)
この(1)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置に関する実施例は、第1乃至第4実施例が対応する。
【0058】
(作用効果)
この(1)に記載の構成によれば、マルチスペクトル撮影を行なう各バンドのうち、少なくとも3バンドは従来のRGBと同じ広帯域な分光感度特性とし、さらに、他の補助的な狭帯域のバンドに対しては、被写体の光を上記RGBのバンドよりも少ない比率の光量で割り当てることにより、光の損失を軽減し、これにより動きのある被写体でも精度よく色再現を行なえる。さらに、特殊な変換器を必要とすることなく通常のRGBモニタを用いて直接撮影画像の確認が可能となる。
【0059】
(2)上記補助的なバンドの分光感度特性における主波長の感度値は、上記主要な3バンドの分光感度特性における主波長の感度値の半分未満であることを特徴とする(1)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【0060】
(対応する実施例)
この(2)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置に関する実施例は、第1乃至第4実施例が対応する。
【0061】
(作用効果)
この(2)に記載の構成によれば、被写体からの入射光の大半を主要なRGB3バンドの取得に使用し、一方、残りの少量の光を狭帯域化して補助的なバンドに割り当てることで、その狭帯域化により生じる光量の損失をできるだけ少なくし、マルチスペクトル撮影における感度の劣化を防ぐことにより、色再現性のよい分光感度特性を実現できる。
【0062】
(3)撮像レンズ(10)からの光を2つの光路に分割するハーフミラー(12)と、
上記ハーフミラーで分割された一方の光の分光特性を変調するバンドパスフィルタ(20)と、
上記バンドパスフィルタによって変調された光を受光して、被写体を撮像する撮像手段(16)と、
上記ハーフミラーで分割されたもう一方の光を、赤、青、緑の3色に分解して受光し、被写体のカラー画像を撮像するカラー撮像手段(14;32)と、
を具備することを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置。
【0063】
(対応する実施例)
この(3)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置に関する実施例は、第1実施例及び第1実施例の第2の変形例が対応する。
【0064】
(作用効果)
この(3)に記載の構成によれば、ハーフミラーで分割された一方の光を、RGBと同じ赤、青、緑の3色に分解して撮像し、さらに、他方の光はバンドパスフィルタで狭帯域化して撮影することで、補助的な狭帯域のバンドに対しては被写体の光をRGBのバンドよりも少ない比率の光量で割り当てることにより、光の損失を軽減し、これにより動きのある被写体でも精度よく色再現を行なえる。さらに、特殊な変換器を必要とすることなく通常のRGBモニタを用いて直接撮影画像の確認が可能となる。
【0065】
(4)上記ハーフミラーは上記撮像レンズからの光を2:1以上の異なる強度比で2つの光路に分割することを特徴とする(3)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【0066】
(対応する実施例)
この(4)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置に関する実施例は、第1実施例及び第1実施例の第2の変形例が対応する。
【0067】
(作用効果)
この(4)に記載の構成によれば、被写体からの入射光の大半をRGB3バンドの取得に使用し、一方、残りの少量の光をバンドパスフィルタにより狭帯域化して他のバンドに割り当てることで、バンドパスフィルタによる狭帯域化により生じる光量の損失をできるだけ少なくし、マルチスペクトル撮影における感度の劣化を防ぐことにより、色再現性のよい分光感度特性を実現できる。
【0068】
(5)上記バンドパスフィルタは、可視領域の波長範囲において複数の透過波長帯域と複数の非透過波長帯域とを有する櫛形の分光形状を持つバンドパスフィルタであり、
上記バンドパスフィルタを通過した光を受光する上記撮像手段は、上記バンドパスフィルタにおける複数の透過波長帯域の光を各々分解して受光するカラー撮像手段(16)であることを特徴とする(3)または(4)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【0069】
(対応する実施例)
この(5)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置に関する実施例は、第1実施例が対応する。
【0070】
(作用効果)
この(5)に記載の構成によれば、補助的な狭帯域のバンドについてもカラー撮像手段を用いることで、5バンド以上の多バンド化が可能となり、色再現性の良いマルチスペクトル画像取得が可能となる。
【0071】
(6)上記ハーフミラーで分岐された光のうち上記バンドパスフィルタを透過した光を受光する上記撮像手段における撮像素子の総画素数は、上記ハーフミラーで分割された光を赤、青、緑の3色に分解して受光する上記カラー撮像手段における撮像素子の総画素数よりも少ないことを特徴とする(3)乃至(5)の何れかに記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【0072】
(対応する実施例)
この(6)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置に関する実施例は、第1実施例及び第1実施例の第2の変形例が対応する。
【0073】
(作用効果)
この(6)に記載の構成によれば、補助的なバンド画像の解像度が低くても、主要な3バンド画像における高周波成分を利用して、上記主要な3バンド画像とほぼ同等な解像度のマルチスペクトル画像を得ることができる。また、低解像度な撮像手段は高解像度な撮像手段と比べ感度が高いため、よりハーフミラーの反射率を落とし、透過率を高めることができるので、トータルの感度をさらに高めることが可能となる。
【0074】
(7)4バンド以上の異なる分光感度特性を有するマルチスペクトル画像撮影装置において、
複数の波長帯域の光を透過し且つ上記複数の波長帯域以外の光を反射する櫛形の分光透過率及び分光反射率特性を有するダイクロイックミラー(50)と、
上記ダイクロイックミラーと略同一の透過波長帯域を有するバンドパスフィルタ(52)と、
上記ダイクロイックミラーの反射波長帯域と略同一の波長帯域を透過する分光透過率特性を有するバンドパスフィルタ(54)と、
を具備することを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置。
【0075】
(対応する実施例)
この(7)に記載のマルチスペクトル画像撮影装置に関する実施例は、第4実施例が対応する。
【0076】
(作用効果)
この(7)に記載の構成によれば、ダイクロイックミラーにより被写体の光をある程度波長分離しておくことで、バンドパスフィルタによる光の損失も最小限に抑えることができるので、光効率の良いマルチバンドカメラが実現できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4バンド以上の異なる分光感度特性を有するマルチスペクトル画像撮影装置において、
上記4バンド以上の分光感度特性のうち、主要な3バンドは、標準的なRGBの分光感度特性を有し、
上記4バンド以上の分光感度特性のうちの上記主要な3バンドを除いた残りのバンドのうち、少なくとも一つの補助的なバンドは、上記RGBよりも狭帯域な分光感度特性を有する、
ことを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置。
【請求項2】
上記補助的なバンドの分光感度特性における主波長の感度値は、上記主要な3バンドの分光感度特性における主波長の感度値の半分未満であることを特徴とする請求項1に記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【請求項3】
撮像レンズ(10)からの光を2つの光路に分割するハーフミラー(12)と、
上記ハーフミラーで分割された一方の光の分光特性を変調するバンドパスフィルタ(20)と、
上記バンドパスフィルタによって変調された光を受光して、被写体を撮像する撮像手段(16)と、
上記ハーフミラーで分割されたもう一方の光を、赤、青、緑の3色に分解して受光し、被写体のカラー画像を撮像するカラー撮像手段(14;32)と、
を具備することを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置。
【請求項4】
上記ハーフミラーは上記撮像レンズからの光を2:1以上の異なる強度比で2つの光路に分割することを特徴とする請求項3に記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【請求項5】
上記バンドパスフィルタは、可視領域の波長範囲において複数の透過波長帯域と複数の非透過波長帯域とを有する櫛形の分光形状を持つバンドパスフィルタであり、
上記バンドパスフィルタを通過した光を受光する上記撮像手段は、上記バンドパスフィルタにおける複数の透過波長帯域の光を各々分解して受光するカラー撮像手段(16)であることを特徴とする請求項3または4に記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【請求項6】
上記ハーフミラーで分岐された光のうち上記バンドパスフィルタを透過した光を受光する上記撮像手段における撮像素子の総画素数は、上記ハーフミラーで分割された光を赤、青、緑の3色に分解して受光する上記カラー撮像手段における撮像素子の総画素数よりも少ないことを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載のマルチスペクトル画像撮影装置。
【請求項7】
4バンド以上の異なる分光感度特性を有するマルチスペクトル画像撮影装置において、
複数の波長帯域の光を透過し且つ上記複数の波長帯域以外の光を反射する櫛形の分光透過率及び分光反射率特性を有するダイクロイックミラー(50)と、
上記ダイクロイックミラーと略同一の透過波長帯域を有するバンドパスフィルタ(52)と、
上記ダイクロイックミラーの反射波長帯域と略同一の波長帯域を透過する分光透過率特性を有するバンドパスフィルタ(54)と、
を具備することを特徴とするマルチスペクトル画像撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【国際公開番号】WO2005/046248
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【発行日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515360(P2005−515360)
【国際出願番号】PCT/JP2004/016678
【国際出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】