説明

ミュージックマーキングシステム

【課題】ユーザがあるオーディオトラックに関する特定の操作を行うために後で参照したいオーディオトラックに対するメモの作成を可能にする。
【解決手段】ベーシックシステムの最も単純な第1の実施例では、MHL(170)は存在しない。したがって、ミュージックマーカアプリケーション(160)がMHL(170)の作成及び管理を行う必要はない。この第1の実施例では、ミュージックマーカアプリケーション(160)はメディアプレーヤ(100)からマーク済みトラックのリストを取り出し、HDD(108)に直接インタフェースを行って、マーク済みトラックを識別する。トラックの記録がMHL(170)に保持されることはない。それ以外の動作は、以下に説明するようなミュージックマーカアプリケーション(160)がMHL(170)の作成及び管理を行う場合と同じである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にいえば、記録されたオーディオ又は他のコンテンツの分野に関する。特に、幾つかの実施例において、本発明は、ユーザがあるオーディオトラックに関する特定の操作を行うために後で参照したいオーディオトラックに対するメモ(notation)の作成を可能にすることにより、記録された音楽を楽しむ際のユーザ体験を向上させる方法及び装置に関する。
【0002】
本出願は、2002年1月31日に出願された米国特許仮出願番号06/353,909、代理人事件整理番号50S5002、発明の名称「ミニディスク(商標)におけるミュージックマーキングシステム「ミュージックマーカ」(MiniDisc Music Marking System “Music Marker”)」に関連し、これを基礎として優先権を主張するものであり、本出願において参照することにより援用する。
【背景技術】
【0003】
従来、オーディオ製品、特に携帯型オーディオ製品に対するユーザ体験は受動的な体験に限定されていた。例えば、ソニー株式会社のウォークマン(登録商標)シリーズの製品等の現在の個人用携帯型オーディオ製品では、ユーザが記録されている音楽とインタラクトすることができない。音楽は携帯型音楽装置から再生されるだけであり、ユーザは再生された音楽を受動的に聴くだけである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特定の楽曲又はアーティストに対するユーザの関心は、その楽曲又はアーティストを聴いているときに高まることが多い。例えば、あるアーティストのある楽曲の再生中に、ユーザは、そのアーティストの以前のアルバム又は同じようなアーティストのアルバムを購入したいと考えることがあるかもしれない。適当と思われるインタラクティブ性の他の例としては、アーティストがいつコンサートのためにユーザの地元に来るのか知りたい、新しいアルバムがいつリリースされるのか知りたい、同じような音楽に関心がある、アーティストのグッズを購入したい、アーティストや楽曲のサンプルに関する情報を友人と交換したい、等である。音楽に対するユーザのインタラクティブな関心が再生中に高まるという例は数多くあるが、こうした関心はその後すぐに薄れ、すっかり忘れてしまうこともある。また、携帯型音楽装置による再生は、離れた場所(家、会社、コンピュータから離れた場所)で行うことが多い。したがって、音楽の再生時(関心を抱いた時)から、ユーザが自分のPC(インターネットを介して関心を深めるのに好都合な場所)に戻るまでに、ユーザの関心が失われてしまうこともある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般的にいえば、記録された音楽のマーキングシステム及びその方法に関する。本発明の目的、利点、特徴については、以下に説明する発明の詳細な説明に鑑みて、当業者にとって明らかとなる。
【0006】
本発明の幾つかの側面に係る一実施例において、方法及び装置は、ユーザが後で操作を行いたい対象である記録された楽曲にメモを電気的に付けることを可能にする。このような後の操作には、購入操作、情報収集操作に加えて他の操作も含まれる。ユーザは携帯型音楽プレーヤのボタンを作動させ、音楽プレーヤは現在再生中の音楽トラックを識別する識別情報を記憶する。音楽プレーヤをパーソナルコンピュータに接続することにより、ユーザは識別済み情報をパーソナルコンピュータに転送し、インターネットを介してサービスプロバイダと操作を行い、処理又は問合せを完了させることができる。
【0007】
上述の概要は、本発明の実施例は、以下の詳細な説明により最適に理解されるが、本発明の実施例を例示するためのものであり、添付の特許請求の範囲の内容を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の幾つかの実施例に係る音楽プレーヤ装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る例示的な且つ基本的な実施例の構造の図である。
【図3】本発明の幾つかの実施例に係る動作モードを一般的に説明するフローチャートである。
【図4】本発明の幾つかの実施例に係るインストール及び起動処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の幾つかの実施例に係るより詳細な動作モードを示すフローチャートである。
【図6】本発明の幾つかの実施例に係るより詳細な動作モードを示す他のフローチャートである。
【図7】本発明の幾つかの実施例に係るユーザインタフェースの一実施例を示す図である。
【図8】本発明に係る更なる実施例の構造を示す図である。
【図9】図8に示すプラグイン動作を説明するフローチャートである。
【0009】
新規であると考えられる本発明の特徴については、添付の特許請求の範囲において詳細に説明する。しかし、本発明自体、すなわち、構成及び動作方法とともに、その目的及び利点は、以下の発明の詳細な説明を参照することにより最適に理解される。なお、発明の詳細な説明においては、添付図面とともに本発明の幾つかの実施例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、様々な形態で実施可能であるが、具体的な実施例を図面に示すとともに以下に詳細に説明する。なお、本開示は、本発明の原理の一例として考えるべきであり、図示及び説明される具体的な実施例に本発明を限定するためのものではないことを理解されたい。以下の説明において、同じ参照番号は、複数の図面中、同一の部分、同様の部分、又は対応する部分を説明するのに使用する。
【0011】
近年、パーソナルコンピュータがオーディオエンターテインメント用機器の主流となっている。多くのユーザは、携帯型再生装置での再生用に圧縮形式で音楽を保存ことが多い。現在、このような装置が多数入手可能であり、ユーザにとって非常に便利な再生体験に役立つ超小型携帯型装置に数百曲の音楽セレクション(music selection)を格納することができる。しかしながら、これまでは、PC等の適切な装置を用いてユーザの希望に沿って後で検索して処理を行うことができるように、再生時に(アーティスト/楽曲に対する)ユーザの関心を記憶するための便利な方法がなかった。
【0012】
ここで図1を参照し、本発明の一実施例を実現するこのような再生装置又はメディアプレーヤを100として示す。再生装置100は、例えばユニバーサルシリアルバス(USB)、IEEE1394バス、その他の適切な接続手段102を介して、パーソナルコンピュータ104に接続されている。このパーソナルコンピュータ104は、関連する(通常、内部の)ハードディスクドライブ(HDD)108を備えている。また、パーソナルコンピュータ104は、好ましくは、インターネット116を介して、種々のサービスプロバイダ112に接続されている。サービスプロバイダ112は、コンテンツ及びコンテンツに関連する情報を提供したり、コンテンツに関連する商品の購入をユーザに許可したりする。この接続は、高速接続、又は従来の電話回線を用いたダイヤルアップ接続でもよい。ユーザは、この接続を用いて、インターネットを調べ、様々な機構を介して音楽再生装置100用の音楽を取得することができる。
【0013】
また、本発明の幾つかの実施例に係る一例としての再生装置100は、音楽記録媒体への記録に使用することができる。図に示す実施例では、再生装置100は、例えばソニー株式会社から市販されているNetMD(登録商標)シリーズに対応するようなミニディスク(minidisc:MD、登録商標)プレーヤ/レコーダであってもよい。図に示す実施例において、再生装置100は、MD124を記録媒体として収容するMDプレーヤ/レコーダを組み込んだものである(以下、MDプレーヤ/レコーダ100ともいう)。この実施例のMDプレーヤ100の動作は、マイクロコンピュータ又は専用のコントローラ回路等からなる内部のプロセッサ130により制御される。プロセッサ130は、関連する内部又は外部のメモリ134を備え、メモリ134は、好ましくは、バッテリでバックアップされたランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、他の適切な電気的なメモリ等の永続的なメモリである。プロセッサ130は、USBインタフェース等のコンピュータインタフェース138と通信することにより、PC104と通信を行う。ユーザは、再生、停止、一時停止等のユーザコマンドの入力に適した種々のボタンや他の操作手段を有する適切なユーザインタフェース140を用いて、再生装置100とインタラクトする。
【0014】
本発明の幾つかの実施例によれば、ユーザは、プロセッサ130及びPC104にプログラムされた機能を利用することができ、ここではそれを「ミュージックマーカ」と称する。この機能により、特定の音楽セレクション内の現在再生を行っている最中に、ユーザの関心がある、例えばアーティスト等を覚えておくためのメモ(reminder)を書き込んでおくという解決法が得られる。また、ミュージックマーカ機能により、ユーザはそのメモを後で取り出すことができ、ユーザが望む情報を集めたり、インターネットを介して要求を行う他の操作を簡単に行うことができる。当業者は、ミュージックマーカ機能を、何らかの記憶装置と着脱可能な記録媒体を有するいずれのデジタル音楽プレーヤ又はプレーヤ/レコーダに組み込むことができることがわかるであろう。この実施例のMDプレーヤ/レコーダ100は、ミニディスク型のメディアプレーヤの一具体例を示すものである。
【0015】
ユーザがマークした選択肢をPC104に転送し、ユーザがトランザクション(transaction)を選択すると、多くの種類のトランザクションのうちの1つ以上を実行することができる。しかしながら、一般的には、トランザクションは、少なくとも3つの基本的なカテゴリー、すなわち、1)音楽セレクションに関する情報照会、2)音楽セレクションに関する金融取引、3)音楽セレクションに関する通信機能のうちの1つ以上において実行することができる。情報照会の例としては、アーティスト又は音楽セレクションに関する背景情報を取得することがある。金融取引の例としては、音楽、又は音楽セレクションに関連した商品の購入がある。通信機能の例としては、友人に音楽サンプルを伝える、あるいはプレイリストを友人に転送することがある。ある種のトランザクションは、これらのカテゴリーのうちの2つ以上を伴うこともあり、また、本発明から逸脱しない範囲でこれらのカテゴリー以外のトランザクションであってもよい。
【0016】
少なくとも2形式のミュージックマーカアプリケーションが考えられる。すなわち、ソニー株式会社のNetMD(登録商標)シリーズの商品ラインの製品化時に入手可能な現ソフトウェア支援システム(current software support system)に合致するように設計されたベーシックシステム(Basic System)と、機能を増強するように設計されたアドバンスシステムである。アドバンスシステム(Advanced System)は、具体的な実施例で使用される基本的なハードウェア及び/又はソフトウェアに対する変更に基づくものである。
【0017】
ミュージックマーカのベーシックシステムのソフトウェアのアーキテクチャを図2に示す。このベーシックシステムでは、例示的なMDプレーヤ100は、MD124を再生する。メディアプレーヤ100は、識別済みコンテンツを保管するHDD108を備えたPC104に接続されている。PC104は、ソニー株式会社のOpenMG(登録商標)ジュークボックス等のジュークボックスアプリケーション150とともに、ミュージックマーカアプリケーション160を実行する。ミュージックマーカアプリケーション160は、任意のマーカ履歴リスト(Marker History List:MHL)170を作成し、任意に管理する。
【0018】
ベーシックシステムの最も単純な第1の実施例では、MHL170は存在しない。したがって、ミュージックマーカアプリケーション160は、MHL170を作成して管理する必要はない。この第1の実施例では、ミュージックマーカアプリケーション160は、メディアプレーヤ100からマーク済みトラックのリストを取り出し、HDD108に直接インタフェースして、マーク済みトラックを識別する。トラックの記録がMHL170に保持されることはない。それ以外の動作は、以下に説明するようなミュージックマーカアプリケーション160がMHL170の作成及び管理を行う場合と同じである。
【0019】
ベーシックシステムの全ての実施例において、メディアプレーヤ100に対する登録、識別、その他のインタラクションを目的として、PC104上のジュークボックスアプリケーション150とミュージックマーカアプリケーション160との間でインタラクションが行われることはない。ミュージックマーカアプリケーション160は、HDD108上のコンテンツに関する他の情報を識別及び認識し、又は訂正するために、MHL170のテーブルを用いて識別処理を実行する。新たなコンテンツの認識は、定期タスクにより定期的に行うことができる。この実行において、記録過程でのMD124上のTOC(テーブルオブコンテンツ)領域への書き込みについては考えない。そのような制限があると、可能なネイティブディスク(Native Disc)の枚数が減り、そのことは、トラックを識別するためにはマーク済みトラックがある記録媒体をユーザが頻繁にメディアプレーヤに挿入しなければならなくなることを示している。
【0020】
この明細書において、識別とは、楽曲の特定の選択(selection)が、その楽曲のトラックに関する情報を後で検索するのに使用できる特定のコード又はテキストに関連している、及び/又は特定のアルバム、CD、その他の記録媒体上の位置に関連していると判定することである。これに限定されるものではないが、一例として、MP3ファイルで使用されているID3タグ等の識別子、タイトル、あるいは選択を独自に識別するために使用できる他のファイル記述子により、特定のトラックを識別することができる。
【0021】
ミュージックマーカアプリケーション160は、上述のベーシックシステムにおいてジュークボックスアプリケーション150とは無関係にメディアプレーヤ100とインタラクトする。ミュージックマーカアプリケーション160によって作成されるMHL170のデータベースには、HDD108におけるトラックの位置、MD124上のトラック及びトラックの位置に関連するミニディスク識別子、すなわち識別子(MDID)に加えて、そのトラック独自の識別子(例えば、トラックUPC番号)が記録される。このベーシックシステムでは、MD124からTOC情報をMHL170に提供できるのは、そのMD124上のトラックがマーク済みであり、そのマークがPC104にダウンロードされたときだけである。ミュージックマーカのベーシックシステムの実施においては、ジュークボックスアプリケーション150とミュージックマーカアプリケーション160間のインタラクションは行われないので、記録を行っている間は特別の動作は行われない。マーキング及びダウンロード処理の最中にメディアプレーヤ100とパーソナルコンピュータ104を接続すると、MD124から全てのTOC情報がMHL170に送られる。
【0022】
本発明の好ましい実施例によれば、このミュージックマーカアプリケーション160は、PCとNetMD(登録商標)シリーズのMDプレーヤ等の携帯型音楽プレーヤとの間での確実なコンテンツ転送を可能にするように設計されたPC104上で動作する音楽再生アプリケーションであるソニー株式会社のOpenMG(登録商標)ジュークボックスとインタフェースするように設計されている。OpenMG(登録商標)ジュークボックスアプリケーションは、ユーザインタフェースとして作成されているが、本発明から逸脱しない範囲で他のジュークボックスアプリケーションも使用することができる。ソニー株式会社のOpenMG(登録商標)技術は、プレーヤ/レコーダ装置とパーソナルコンピュータ間でのコンテンツ転送に対して著作権のセキュリティ対策を与える背景機構として使用される。
【0023】
図3は、ユーザが図1のメディアプレーヤ100とともにこのミュージックマーカ機能をどのように使用するかの流れを示すハイレベルのフローチャート200であり、ステップ204から開始する。ステップ208において、ユーザが音楽セレクションを再生しているときに、現選択内容(current selection)に関して、現在利用可能なリソースを用いて現在の場所から容易に入手可能ではない側面に関心を持つことがある。これに限定されるものではないが、一例として、ユーザは、現在のアーティストが新しいアルバムを出しているか否かを知りたい、そのアーティストが近い将来に近くでコンサートを開くか否かを知りたい、同様のスタイルを持つ他のアーティスト又は同様のジャンルの音楽を演奏する他のアーティストを知りたい、コンサートチケットを入手したい、あるいはそのアーティストの以前のアルバムを購入したいと考える。他の可能性も多数ある。
【0024】
本発明の一側面によれば、ユーザは、所望の情報を後で見つけるため、あるいは所望の操作を行うために、現在再生中のトラックに「マーク」を付ける。これは、例えば、メディアプレーヤ100の専用「マークボタン」を操作することにより、あるいはメディアプレーヤ100の二機能(又は多機能)ボタンを操作することにより行う。一例として、プレーヤの再生ボタンを使用して、ある楽曲(selection)の再生中に再生ボタンを、例えば1秒以上作動位置に保持することにより、その楽曲にマークを付けることができる。楽曲にマークが付されると、現在再生中のトラックにマークが付されたというメモがメモリ134内に作成される(及び好ましくはメディアプレーヤ100のディスプレイ上に表示される)。これは、これに限定されるものではないが、メモリ134内の適切な位置にメディア及びトラック識別子を記憶する等、あらゆる適切な方法により行うことができる。
【0025】
ステップ212において(例えば、ユーザが帰宅したとき)、メディアプレーヤ100がパーソナルコンピュータ(PC)104に接続されると、PC104内にあるソフトウェアがメディアプレーヤ100に問合せをし、マークが付されたことを判定する。そして、これらのマークは、PC104にダウンロードされ、ステップ216において、HDD108のローカルデータベース又はサービスプロバイダ112等のリモートデータベースにおいて識別される。幾つかの実施例において、この識別処理では、後で使用するためにMD124のTOCに記憶することができる追加情報を作成する。この実施例では、ステップ220においてTOCを更新する。
【0026】
このとき、ステップ224において、ユーザは、マーク済みトラックに関連する種々の要求又は種々の操作を行うことができる。これは一実施例において、ウィンドウやメニュー形式を用いて、各マーク済みトラックに対して行うことができる既知の操作すべてを含むリストをユーザに提示することにより、行うことができる。そして、ユーザは自分が望む操作を選択することができ、パーソナルコンピュータ104が、ユーザが望む操作を達成するために適切な動作を行う。これは、多くの場合、ステップ228において、インターネット116を介して1つ以上のサービスプロバイダ112に適切なクエリを送ることによって行われる。その結果が受信されると、ステップ228において、更なる操作のためにリストがユーザに提示される。そして、ステップ234において処理が終了する。
【0027】
上述の実施例において、ミュージックマーカアプリケーション160は、PC104上で実行され、HDD108とメディアプレーヤ100間のインタフェースを提供するだけではなく、ユーザインタフェースも提供する。なお、ミュージックマーカアプリケーション160は、これに限定されるものではないが、同等のアプリケーション、すなわち完全にウェブベースのアプリケーションとして開発することもできる。すなわち、PCベースのクライアントアプリケーションではなく、ウェブベースのサーバアプリケーションにおいて、コンテンツを識別することができるとともに、ミュージックマーカアプリケーションの他の基本的な機能を実現することができる。このような実施例では、HDDに格納されているデータベースよりも膨大なコンテンツのデータベースを利用して、ユーザに対してはトランスペアレントな方法で識別処理を支援することができる。
【0028】
したがって、この処理により、ユーザは携帯型音楽プレーヤのボタンを押すだけで、その音楽トラックに関連する操作を後で行いたい旨を示す電子メモ(electronic reminder)を作成することができる。
【0029】
図4は、本発明を利用するためのインストール及び初期化処理300を示すフローチャートであり、処理はステップ302から開始する。この処理は、ステップ306においてメディアプレーヤ100をパーソナルコンピュータ104に接続することにより、あるいはステップ310においてソフトウェアが格納されたコンパクトディスク等のディスクをパーソナルコンピュータ104に挿入することにより、行うことができる。メディアプレーヤ100をパーソナルコンピュータ104に接続すると、ステップ314において、必ず確認が行われ、メディアプレーヤ100用のドライバがインストールされたか否かを判定する。インストールされた場合、処理はステップ318に進み、メディアプレーヤ100をチェックして、ユーザにより記憶されたマークを含んでいるか否かを判定する。マークを含んでいない場合、ステップ322において処理は終了する。マークを含んでいる場合、図5に示すマーク処理手順(ステップ430)を行う、これについては後で詳細に説明する。
【0030】
ステップ314においてドライバがインストールされていない場合、ステップ310において、プログラムが格納された記録媒体をパーソナルコンピュータ104に挿入して、インストールを行う。ステップ320において、ソフトウェアの更新が見つかり、ソフトウェアを更新することが望ましい場合、ステップ324において、周知のダウンロード処理を用いて更新ソフトウェアをダウンロードする。ソフトウェア及び/又はダウンロードされた更新ソフトウェアがPC104にインストールされると、ステップ330において、必要に応じてPC104を再起動する。新たなソフトウェアがインストールされると、ステップ340において、パーソナルコンピュータ104のHDD108に記憶されている全ての音楽を識別する処理を行う。
【0031】
初期識別処理を実行する際、ID3タグにより、あるいはディスク及びトラック識別子又はPCに知られている他の情報により、トラックの多くを識別する。他の参照媒体、例えば外来の記録媒体(foreign media)については、トラック独自の識別子を作成するために、ユーザによる手動入力が必要となる。いずれの場合も、トラックが一旦識別されると、この実施例のソフトウェアのインストール及び初期化処理300は完了する。また、他の処理を用いて、ソフトウェアのインストール及び初期化を行ってもよい。
【0032】
具体的な実施例のメディアプレーヤ100を(例えばUSB接続を介して)PC104に最初に接続するとき、メディアプレーヤ100にマークが記憶されているとすると、ユーザは、PC104にミュージックマーカアプリケーション160をインストールするように催促される。ソフトウェアインストール処理の一部として、ユーザは、HDD108に格納されているトラックの認識処理を行うことになる。その処理では、トラックをリモートデータベースに格納されている情報とマッチングするために、インターネット接続を利用する。HDD108のトラックを認識する認識処理の進行状況を示すプログレスバーを得ることができる。また、認識済みトラックの数又はパーセンテージを示し、認識処理完了までの予測残り時間を示すカウンタを得ることもできる。この実施例では、ミュージックマーカアプリケーション160は、インストール時に自動的に起動される。次に、MDプレーヤ100をPC104に接続したときは、MDプレーヤ100に新たなマークが存在する場合のみ、ミュージックマーカアプリケーション106のインタフェースが自動的に起動される。
【0033】
ソフトウェアのインストール及び初期化が一旦終了すると、ユーザは好きなようにメディアプレーヤ100の音楽を再生してマークを付すことができ、壊れたファイルを修復したり、ソフトウェアアプリケーションを更新するとき以外は、インストール処理を繰り返す必要はない。図5は、本発明の幾つかの実施例に基づくこの処理を示すフローチャートであり、処理400はステップ402から開始する。ステップ406において、メディアプレーヤ100が再生モードである場合、ステップ410において、ユーザは、音楽のトラックの再生中のいずれのタイミングにおいても、ミュージックマーク制御ボタン又は他の制御手段を動かして、選択したトラックを参照する情報をメモリ134に記憶させることができる。この操作は、ステップ414において、再生が停止されるまで行うことができる。
【0034】
ステップ418において、メディアプレーヤ100をパーソナルコンピュータ104に接続すると、ステップ422において、パーソナルコンピュータ104は、マークがあるか否かを判定する。マークがない場合、ステップ426においてミュージックマーカアプリケーション160のプログラムは終了する。ステップ422においてマークがある場合、ステップ430において、このようなマークを自動的に識別する処理を行う。このステップ430(図4のステップ318から続く)の処理は、メディアプレーヤにおけるマーク済みトラックに関連する識別情報とHDD108に格納されているトラックとをマッチングする簡単な処理である。HDD108において識別されないマーク済みトラックがある場合、幾つかの実施例では、インターネット116を介して指定サービスプロバイダ112等のリソースを用いて、そのマーク済みトラックを識別するための更なる処理を自動的に行うことができる。コンテンツが識別されない場合(すなわち、トラック、アーティスト、アルバム、ジャンルについてのTOC情報がない場合)、これらに限定されるものではないが、音響サンプリング、長さの比較、名前及びタイトルのファジーマッチング、その他の方法等、様々な方法を用いて識別を行うことができる。
【0035】
ステップ430においてトラックを識別するための自動化リソースをすべて使い果たした場合、ステップ434において、ソフトウェアは、全トラックが識別されたかを判定する。そうでない場合、ステップ440において、手動のトラック識別処理を行う。幾つかの実施例において、これは、ユーザが確かめたい更なる情報の適切なクエリを許可するのに、あるいはユーザが実行したい他の操作を実行するのに十分な情報をトラックに対して手動で関連付けるために、トラック名、アルバム名、アーティスト名、レコード会社等の適切な情報を、ユーザが手動でタイプ入力する等により行うことができる。
【0036】
全てのトラックが識別され、メディアプレーヤ100が記録媒体への記録が可能である場合、ステップ444において、ステップ430及びステップ440の処理中に得られた情報を含むように、記録媒体に記録されているTOC(テーブルオブコンテンツ)データを更新するオプションがユーザに与えられる。ステップ448において、TOCを更新することができるが、ステップ444での選択によりステップ448を迂回することもできる。いずれの場合も、処理はステップ454に進み、マーク済みで識別済みのトラックと、更なる情報取得や追加操作の実行のためにユーザが利用できるオプションのすべてを示すメニューが、ユーザに提示される。そして、ステップ460において、ユーザはメニューから操作を選択することができ、選択された操作がステップ464においてプログラムの停止でなければ、パーソナルコンピュータ104はインターネット116と接続し(必要に応じて)、ユーザが望む操作を実行するために適切なサービスプロバイダ112に対して適切な問合せを提示する。処理400で示す単純な実施例では、ステップ470において、トラックのアーティストのコンサートスケジュールについて問い合わせる、あるいは、他の情報を問い合わせる簡単な問合せを実行すればよい。ステップ474において、この問合せの結果が返送され、ユーザに提示される。他の実施例では、本発明から逸脱しない範囲でユーザからの特定の操作の要求を実現するためにステップ470から他の動作を行うことができる。最終的にステップ454において、処理はメニューに戻り、その後、ステップ464において、ユーザはプログラム終了を選択する。このとき、ステップ480において、ユーザは、メディアプレーヤに記憶されたマークを消去するように促され、ステップ426において処理は終了する。当業者にとっては、本発明から逸脱しない範囲で、この処理における多くの変更例が考えられる。
【0037】
本発明の幾つかの好ましい実施例において、メディアプレーヤ100は、上述のように、ソニー株式会社のNetMD(登録商標)シリーズのミニディスクプレーヤと互換性のあるミニディスクプレーヤ/レコーダとして実現される。図6は、MDプレーヤ/レコーダ及びNetMD(登録商標)シリーズを用いた本発明の一実施例を示す。この実施例における動作は、ステップ502から開始する処理500として示される。この実施例において、パーソナルコンピュータ104上にあるミュージックマーカアプリケーション160は、ステップ506において、ミニディスクプレーヤ100がUSB等の適切なインタフェース138を介してPC104と接続されたことを示す信号を受信する。ステップ510においてMDプレーヤ100のメモリ134にマークが記憶されていない場合、ステップ514においてミュージックマーカアプリケーション160を終了する。
【0038】
ステップ510においてマークがある場合、ステップ518においてMDプレーヤ100からマークを取り出し、ステップ522においてPC104にマークテーブルを作成する。この実施例では、これに限定されるものではないが、まず、マークテーブルをMD識別番号(MDID)によってソートし、次に、マークされた特定のトラック番号によってソートする。このソート順番を用いることにより、記録媒体をメディアプレーヤ100内に置いたまま、1枚のMD(又は他の記録媒体)からの各マーク済みトラックを取り扱う。したがって、1枚のMDにおける多数のトラックにマークが付されている場合、トラックにマークが付された順とは無関係に、メディアプレーヤ100内に記録媒体を置いたままトラックを識別する。これにより、ユーザは識別操作中に同じ記録媒体をメディアプレーヤ100に繰り返し挿入する必要がなくなる。ステップ526において、ソートされたテーブルの最初のエントリからテーブルエントリが検索される。PC104は、PCに記憶され、ミュージックマーカソフトウェアアプリケーション160により識別された全ての楽曲のデータベースを備えている。このデータベースは、ミュージックマーカアプリケーション160で識別された全コンテンツに対して、MDID、トラック番号、歌識別子(UPC番号、ID3識別子、タイトル等)を含むマーカ履歴リスト(MHL)170の記録を生成する。
【0039】
ステップ530において、MDIDがMHL170に存在するか否かを判定する。MDIDが存在する場合、かつ、ステップ534においてコンテンツが認識された場合、ステップ538において、識別済みトラックによりテーブルを更新する。ステップ542において、現在のエントリが最後のテーブルエントリではない場合、処理はステップ526に戻り、次のテーブルエントリを取り出して同様の処理を行う。
【0040】
MHL170にMDIDが存在しない場合、ステップ544において、ユーザはそのトラックを有するMDを挿入するように促される。そして、ステップ558において、ミュージックマーカアプリケーション160は、MDのTOC内の情報からトラックを識別することを試みる。トラックが識別された場合、処理はステップ538に進む。トラックが識別されない場合、処理はステップ564に進み、ユーザは利用可能な識別情報を手動で入力するように催促される。同様に、ステップ534においてコンテンツが認識されない場合、処理はステップ564に進む。
【0041】
トラックが一旦識別されると、ステップ570において、TOCを更新するオプションがユーザに提示される(そして、ユーザは必要に応じてMDを挿入するように催促される)。ユーザは、MDのTOCを更新することを受け入れ又は辞退することができ、処理はステップ538に戻る。
【0042】
ステップ542において全てのトラックが処理されると、処理は、ステップ580に進み、全てのマークを含むテーブルが表示され、ユーザは、各マーク済みの音楽セレクションに関連したトランザクション又は問合せを行うための所望の操作を行うことができる。このような問合せ又はトランザクションをすべて行った後、ステップ590において、ユーザは、MDプレーヤ/レコーダからマークを消去するように促され、ステップ514において、ミュージックマーカアプリケーション160は終了する。
【0043】
ステップ580において、マーク済みトラックのリストと、各トラックに関連して行う操作のオプションがユーザに提示されると、この機能を実行するための適切なユーザインタフェースを展開することができる。
【0044】
処理500で説明したマーク処理の一部として、MDプレーヤ又は他のコンテンツプレーヤ100をPC104に接続する(フローチャートに示したこの実施例では、MD124はメディアプレーヤ100に挿入されていない。)。ミュージックマーカアプリケーション160により、MDID、トラック番号、TOCが読み出される。この情報をマーキング履歴リスト(MHL)170における既存の情報と比較する。MHL170の既存MDIDと一致しない場合、このMDは外来のディスク(Foreign Disc)であると考えられる(外来ディスクとは、MHL170にリストされたMDIDを持たないMDである)。一般に、外来MDは、マークを読み出すPCとは異なるPCを用いて記録されたか、PC以外の手段により記録されたか、あるいは、ジュークボックスアプリケーションを用いて記録された後に何らかの変更(MD上のトラックの消去、追加、トラック順の変更)が行われたネイティブディスク(Native Disc)である。
【0045】
外来ディスクからのトラックは、TOC領域の情報を用いるか(ユーザはMDをメディアプレーヤに挿入しなければならない)、あるいは、ユーザにより手動でデータ入力を行うことにより、識別することができる。ネイティブディスク(MHL170にリストされたMDIDを有するMD)の場合、トラック情報をMHL170のデータと比較する。それでもトラックが識別されない場合、ユーザにより識別することができる外来コンテンツであると考えられる。(外来コンテンツは、識別できないMDであるがMHL170に記録されたMDIDを有するMDに格納されたコンテンツである。)この識別されないコンテンツは、MD上に古いコンテンツを有している結果である可能性がある。そのコンテンツは、ミュージックマーカアプリケーション160がHDD上のコンテンツを識別する前にMDに記録されたものであるかもしれない。なお、MDは外来コンテンツに加えてジュークボックスアプリケーションによって記録された新たなコンテンツ(ネイティブコンテンツ)を有することができる。また、外来コンテンツもPC以外の手段により(すなわち、CDプレーヤから直接記録することにより)記録することができる。
【0046】
トラック認識処理は、マーキングリストにある全てのマーク済みコンテンツが処理されるまで続く。処理が行われると、マーキングリストは、識別済み情報及び各トラックに関する可能なオプションとともに表示される。ユーザは所望のオプションを選択し、これにより、オプションに対応するサービスを開始する(すなわち、アーティスト/アルバムに関する情報検索、商品オプションを表示する等)。
【0047】
本発明の一実施例を実施するのに適したユーザインタフェース600の一具体例を、図7に示す。この実施例では、ボックス604は、MDプレーヤがPCに接続されたこと、及びMDプレーヤのメモリに8個(この具体例の場合)のマークが記憶されていることを示している。ボックス608は、MDプレーヤのメモリに日付順に記憶され、MD番号、トラック番号及びタイトルによって識別されるマークのリストを示している。「タイトルなし(Untitled)」と表示されたトラックは、タイトルの更新が行われなかったトラックである。これらのトラックも識別済みトラックとすることができる。ボックス612は、ミュージックマーカアプリケーション160による識別後の、マーク済みトラックに関する適切な情報を示している。この具体例では、歌のタイトル、アーティスト、アルバムが識別されている。
【0048】
ボタン616は、マーク済みトラックを再生するために楽曲毎に設けられている。ボックス620は、この実施例に基づいて選択された各トラックに関してユーザが行うことができる操作を限定的に例示している。このボックス620において、ユーザは、各ボックスをチェックして、トラックに関する利用可能な全ての追加情報を取得したい、メールオーダ(mail order)によりCDを購入したい、あるいは電子音楽配信(ダウンロード)によりトラックを購入したい旨を示すことができる。特定の音楽セレクションに関する情報又は音楽サンプルを他のユーザに電子メールで送る、他の商品を購入する、アーティストのファンクラブに入会する等、他の選択肢を設けることもできる。本発明から逸脱しない範囲で、他にも多数の操作が可能である。
【0049】
ボックス624は、タイトルなしのトラックのいずれか又は全てを識別するとともに、マーキングリストから既に識別済みのトラックのリストに対するトラックの追加又は除去を行うのに使用される。
【0050】
ユーザがボックス620において問合せ又は他の操作を行うと、それらはボタン630を選択(ダブルクリック)することにより送信される。ここで説明したユーザインタフェースは一例である。本発明から逸脱しない範囲で、他にも多くの適したユーザインタフェースを設けることができる。
【0051】
ここでの説明のほとんどは、記録済みディスク上の情報の実際のトラックの識別に関するものであるが、「トラック(track)」という用語は、揮発性又は不揮発性メモリ、又は他の記録媒体(storage media)にデータファイル形式で格納された実際のディスクトラック又はファイルを含むものとして、広く解釈されるべきである。
【0052】
上述のように、ミュージックマーカアプリケーション160によって、再生時に、音楽セレクション又は他の記録されたコンテンツ等、特定のコンテンツに関心があったことを記憶するための解決手段が得られる。また、ミュージックマーカアプリケーション160によって、後でPC104上で検索すための解決法と、インターネットを介してユーザの要求を簡単にする方法が得られる。ミュージックマーカは、ソニー株式会社のNetMD(登録商標)シリーズ等、何らかの電気的な記憶装置と着脱可能な記録媒体を備えたデジタル音楽プレーヤであれば、いずれのものにも組み込むことができる。このミュージックマーカアプリケーション160を用いることにより、ユーザは、ミニディスクプレーヤ又は他のメディアプレーヤ100で再生中のコンテンツとインタラクトすることができる。したがって、1つ以上のインターネットの音楽関連サービスと緊密に統合することにより、MDの機能が拡張される。このような音楽サービス提供がより増大されるに従って、ミュージックマーカ機能の価値がより高くなる。ミュージックマーカ機能により、ユーザは、MDで聴いている音楽の特定のトラックに関連したマークを設定することができる。ユーザは、この音楽にマークを付すことにより、後で自分のPCの所に戻ったとき、あるいはサービスへの無線接続又は直接接続等の他の適した接続を用いてサービスとインタラクトできるときに、何を得ようとするのかを定義することができる。
【0053】
上述のシステムにより、ユーザは以下のことができるようになる。
・カバーバージョン、コンサート日時、商品、プロモーショングッズ等、自分が聴いている歌、アーティスト、あるいは同様のジャンルに関する情報を検索する。
・自分が聞いているアーティスト又は同様のアーティストのCD、すなわちEMDトラックのCD、アーティストの新しいCD、以前のCD等を購入する。
・歌、アーティスト、あるいは同様のジャンルに関するEMDコンテンツ、すなわち新しいトラック、プロモーショントラック、同様のジャンルのトラック等を購入する。
【0054】
これに限定されるものではないが、本発明の幾つかの実施例の一般的な動作をさらにまとめると、(MD媒体に含まれる)音楽トラックの再生中に、ユーザは、ミュージックマーカボタンを押し、これにより、ミュージックマーカ機能が動作する。メディアプレーヤのハードウェア装置は、MDハードウェアの使用可能なメモリ領域にトラック番号及びMDメディアIDを記憶する。次に、ユーザは異なるMD媒体をメディアプレーヤに挿入し、上述の処理が繰り返される。次に、ユーザは、例えばUSBインタフェース、あるいはこれに限定されるものではないが、IEEE1394又は無線通信手段を含む適切なデジタル通信インタフェースを介して、メディアプレーヤをPCに接続する。ハードウェアを接続すると、PCのミュージックマーカアプリケーションが起動される。ミュージックマーカアプリケーションは、メディアプレーヤからマーク済みトラックリストを読み出し、音楽識別サービスと通信を行って、トラック及びアーティストを識別する。また、トラック及びアーティスト情報を音楽サービスに転送する。音楽識別サービスは、ユーザの要求を実現する。
【0055】
上述のベーシックシステムのほか、既に言及したアドバンスシステムも考えられる。考えられるミュージックマーカのアドバンスシステムの構造を図8に示すが、これは、マーキング識別処理に使用されたのと同じPCで記録された全てのMDを識別できるというPC104の能力を利用するものである。しかしながら、HDD108又はネイティブディスクにあるコンテンツは、ミュージックマーカアプリケーション160により記録及び識別が行われるため、外来ディスク又は外来コンテンツでないかぎり、MDをMDプレーヤ装置(すなわち、NetMD(登録商標))に挿入する必要はない。ミュージックマーカのアドバンスシステムでは、上述のミュージックマーカのベーシックシステムの機能のすべてが得られるが、ユーザがハードドライブの各トラックを識別する必要はなくなる。代わりに、今後のMD記録用の自動識別の作成とともに、1回毎の自動識別が行われる。このアドバンスシステムでは、外来ディスク又は外来コンテンツのいずれかの場合でないかぎり、音楽を識別するためにMDをメディアプレーヤ100に挿入する必要がない。
【0056】
このアドバンスシステムでは、ベーシックシステムのマーキング履歴リスト170に代えて、記録履歴リスト(RHL)770を用いる。RHL770は、ベーシックシステムのMHL170と同じ機能をすべて行い、以下に説明するように更なる機能にも使用される。
【0057】
アドバンスシステムの追加機能を行うため、ジュークボックスアプリケーションだけではなく、ミュージックマーカアプリケーション160と通信を行うことができるプラグインとして、メディアプレーヤ装置インタフェース190を設ける。これを図8に示す。RHL770に全トラックを登録するため、OpenMG(登録商標)技術及びHDD108の動作に関する情報の交換を、プラグイン190を介してミュージックマーカアプリケーション160と行うことができる。また、プラグイン190は、後の識別タスクを容易にするために、MD124のTOC領域に更新済みトラック情報を書き込むことができる。したがって、RHL770は記録に基づくものであり、ベーシックシステムの実施例のMHL170のようにマーキングに基づくものではないが、他の機能については同様に行われる。
【0058】
図8は、メディアプレーヤを用いたトラックの記録及びマーキングに伴う構成要素の構造を示す図である。ミュージックマーカアプリケーション160は、プラグイン190を介して、ジュークボックスアプリケーション150とMDプレーヤ100間のインタラクションを追跡することができる。ミュージックマーカアプリケーション160は、ジュークボックスアプリケーション150により記憶されたトラックにアクセスすることができる。ミュージックマーカアプリケーション160により作成されたRHLデータベース770は、HDD108におけるトラックの位置、トラック及びMDにおけるトラックの位置に関連したMDID(2つ以上のこともある)、さらには、そのトラック独自の識別子を追跡(MD媒体に含まれる)する。インストール処理は上述のベーシックシステムの場合と同様である。初期化(インストール処理)後にHDDに記録された新たなコンテンツは、プラグイン190が新たなコンテンツの到着をミュージックマーカアプリケーション160に示すときに識別される。
【0059】
プラグイン190を用いたアドバンスミュージックマーカアプリケーションの動作を、図9においてステップ704から開始する処理700として示す。プラグイン190は、メディアプレーヤ100とPC104が接続されているが否かに関係なく、新たなMD124がメディアプレーヤ100に挿入されたとき、また、メディアプレーヤ100とPC104が接続された状態でMD124にコンテンツが書き込まれたとき、あるいは他のコンテンツ変更が行われるときを識別する。
【0060】
処理700のステップ708において、MD124がメディアプレーヤ(PCに接続されているメディアプレーヤ)に挿入され、あるいはMD124を有するメディアプレーヤ100がPC104に接続されると、ステップ712において、プラグイン190は、MDID、トラック番号及びTOCを読み出し、ステップ716において、その情報をミュージックマーカアプリケーション160に送る。ステップ720において、情報のダウンロードが完了するまで、この処理は続く。ステップ724において、その情報を記録履歴リスト(RHL)770にある既存の情報と比較する。RHL770の既存のMDIDに一致するものがある場合、対応するトラックは既に識別されている。ステップ728において全トラックが識別されると、ステップ732において処理は終了する。一方、ステップ728において、識別されていないトラックが少なくとも1つある場合、ステップ736において、識別処理を行う。そして、ステップ742においてTOC更新のオプションがユーザに提示される。更新を望まない場合、ステップ732において処理は終了する。TOCの更新を望む場合、ステップ748において、TOCの更新が書き込まれ、ステップ732において処理は終了する。
【0061】
ミュージックマーカアプリケーション160は、メディアプレーヤ100からの正しい最終的なMDIDを読み出すために、いつ記録処理が行われたかを識別する。これを行うため、プラグイン190は、記録完了イベントを起こし、そのイベントの通知をミュージックマーカアプリケーション160に送る。そして、新たなMDID、トラック番号及びTOCがプラグイン190により読み出され、ミュージックマーカアプリケーション160に送られる。ミュージックマーカアプリケーション160は、古いRHL770のデータにおいて変更が必要なトラックについてMDID及びトラック番号を置き換える、あるいは古いMDIDが見つからない場合は、RHL770に新たな情報を記憶する。TOC情報及びRHLマッチング処理を用いて、ミュージックマーカアプリケーション160は、特定のトラックを識別する。識別されないトラック(外来コンテンツ)がある場合、ユーザは、ベーシックアプリケーションのときと同様に、そのトラックに関する情報(アーティスト、アルバム、ジャンル等)を手動で入力することにより、コンテンツ識別を補助することができる。ミュージックマーカアプリケーション160は、ベーシックアプリケーションについて説明したように、その情報を用いてトラックを識別する。識別が行われると、ミュージックマーカアプリケーション160は、この情報をRHL770及びMD124のTOC領域に書き込む。
【0062】
ミュージックマーカのベーシックアプリケーションのMHL170とは異なり、ミュージックマーカのアドバンスアプリケーションのRHL770は、PC104に記録されたMDすべての記録を有している。ミュージックマーカのベーシックアプリケーションでは、マークを読み出すのに使用するのと同じPCで記録されたMDであっても、外来ディスクとして扱われることがありうる。ミュージックマーカのアドバンスシステムにおいては、ミュージックマーカアプリケーションのインストール後に行われたPCによる編集処理(記録、名称変更、トラック順変更、消去等)によっても、MDは、本質的にネイティブディスクのままである。
【0063】
したがって、ミュージックマーカアプリケーションにより、メディアプレーヤのユーザは、自分にとって重要な特定の楽曲トラックにマークを付すことにより、楽曲とインタラクトすることができる。ミュージックマーカアプリケーションは、メディアプレーヤ100のメモリ領域からメディアID及びトラック番号を読み出し、この情報をパーソナルコンピュータ104のローカルデータベースに記憶する。ミュージックマーカアプリケーションは、「マーキングリスト」をユーザに表示し、MD上のデータとPCの参照データベース(RHL)のデータとの情報の一致を識別する。一致がない場合、ユーザは、更なる識別のためにMDをメディアプレーヤ100に挿入すればよい。正しい媒体を挿入すると、ミュージックマーカアプリケーションが媒体のTOC領域を読み込み、識別中のトラック番号に関連したタイトルを読み出す。また、幾つかの実施例において、ミュージックマーカアプリケーションは、タイトル、アーティスト、アルバム等を識別するためのサービスを呼び出すことができる。
【0064】
幾つかの実施例において、ミュージックマーカアプリケーションは、マーク済みで識別済みのトラックのリストに、そのトラックリストに関連する可能なユーザ要求のリストを加えて表示する。ユーザは、リストにある各マークについての操作を選択することができ、ミュージックマーカアプリケーションは、例えばインターネットを介して、ユーザが出した要求を進めるためのサービスを呼び出す。ユーザは、マークリストの閲覧、追跡、更新、管理を行うことができるとともに、プレイリストや好みの共有や、トラック又はトラックに関する情報の交換を行うために、他のユーザとマークリストを交換することができる。
【0065】
上述の実施例では、楽曲(又は音楽ではない記録済みトラック)を記録する着脱可能な記録媒体の例としてMDを用いたが、本発明から逸脱しない範囲で他の着脱可能な記録媒体も同様に用いることができる。例えば、記録媒体としては、ミニディスク、コンパクトディスク、磁気ディスク、光ディスク、ビデオディスク、メモリスティック、着脱可能なメモリカード、バッテリ式の着脱可能な揮発性メモリ、着脱可能な不揮発性メモリのいずれであってもよい。
【0066】
ミュージックマーカアプリケーションの幾つかの実施例により、ネイティブディスクのコンテンツ、外来コンテンツを有するネイティブディスクのほか、外来ディスクをも識別することが可能となる。また、例えば、トラック識別処理のためにメディアプレーヤ100にMDを挿入しなくてもよいようにすることで、ユーザのミュージックマーカ使用体験を改善し、トラック識別を改善する他の実施例も考えられる。このような改善には、上述のシステムにおけるハードウェア及び/又はソフトウェアの変更が必要となる。
【0067】
変更した一実施例において、ソフトウェア及び/又はハードウェアに対する変更により、MDプレーヤは、メディアプレーヤ100からのトラックの一部分をPC104に返送することが可能となる。これにより、ミュージックマーカアプリケーションは、トラックをローカル的に識別することや、識別サービスに短いデータストリームを送ることができる。後者の場合、短いデータストリームは、音響特性分析ツールを用いてリモートで分析される。その情報は識別用データベースとマッチングさせる。また、この特徴により、ユーザは互いに好みの共有や、トラック又はアーティストの推薦を行うために、トラックの一部分を交換することができる。このようなコンテンツの共有は、PC及びインターネット接続を用いて、あるいはケーブル接続又は無線通信によりプレーヤ間の直接的なマーク交換を介して行うことができる。
【0068】
他の実施例では、メディアプレーヤに大容量メモリを設けて、マークリストを記憶するテーブルがより多くのデータを記憶することができ、識別処理に役立つとともに記録媒体を再挿入する必要を少なくする。一実施例として、ユーザがある楽曲にマークを付した結果、MDID、トラック番号、タイトル、その他の識別情報をメディアプレーヤに記憶することができる。また、マークが付された実際のトラックの一部(あるいはトラック全体でもよい)を記憶して、識別に役立てることもできる。このような実施例では、マーク済みの媒体をユーザが再挿入する必要が低減されるか、その必要がなくなる。当業者にとっては他の実施例も考えられるであろう。
【0069】
音楽にマークを付し、これらのマークを仲間と共有できることにより、ユーザ間の共通音楽体験が得られる。同じような好みを示すため、あるいは、あるアーティストを仲間に薦めるため、ユーザ間でマークを転送することができる。MDの物理的交換、無線、有線又は他の手段により共有を行うことができる。マークリストは、電子メールを介して、あるいは他の電子通信技術を用いて交換することができ、また、ウェブページに掲載することもできる。
【0070】
現在のミュージックマーカアプリケーションの一実施例において、メディアプレーヤは限られた量の情報しか記憶できない。この情報は、ベーシックシステムとアドバンスシステムのいずれにおいてもマーク毎のMDIDとトラック番号に限られている。しかしながら、将来的にはユニバーサルトラックID等の更なる情報も含むように記録装置を拡張することができると考えられる。ユニバーサルトラック識別システムは種々のものがある。これらのシステムではすべて、英数字列が個々のトラックを識別する(また、同じ歌の異なる記録を区別することもできる)。長い文字列を含むようにメディアプレーヤ100のメモリサイズを大きくすることにより、外来ディスクのトラックを認識することができるとともに、メディアプレーヤにMDを挿入する必要がなくなる。
【0071】
説明を簡単にするため、この明細書では、ミニディスクプレーヤ、特にソニー株式会社のNetMD(登録商標)シリーズを用いた実施例を取り上げた。しかしながら、ここで説明したミュージックマーカという特徴は、ここで一般にメディアプレーヤと呼ばれる、適切な性能のオーディオデバイスならば、いずれのものであっても実現することができる。ミュージックマーカアプリケーションは、ホームオーディオ、カーオーディオ、大型ステレオラジカセ、また、着脱可能な記録媒体や内部記憶装置からの音楽を再生することが可能な他の装置の分野に入る。
【0072】
ユーザのHDD108の初期化処理はミュージックマーカのもとで行われるので、同じインタフェースを用いてコンテンツをより的確に管理するために、その情報を用いることが可能である。気に入った楽曲を表示する別の方法として、ミュージックマーカをジュークボックスアプリケーション150内で使用することもできる。また、プレイリストのセットとして別個に記憶することができ、あるいは、他のジュークボックスアプリケーション150との通信を行うこともできる(ジュークボックスにおける個人の好み)。
【0073】
当業者は、プログラムされたプロセッサの使用に基づく例示的な実施例により本発明を説明したということを理解するであろう。しかしながら、本発明は、詳細な説明及び特許請求の範囲に記載する本発明の内容と同等の特定用途向けハードウェア及び/又は専用プロセッサを用いて実現することができるので、本発明をそれらの実施例に限定されるものではない。同様に、汎用コンピュータ、マイクロプロセッサによるコンピュータ、マイクロコントローラ、光コンピュータ、アナログコンピュータ、専用プロセッサ及び/又は専用ハードワイヤド論理回路を用いても、本発明の同等な代替実施例を構成することができる。
【0074】
実施例で説明したように、本発明は、適切な電気的な記録媒体に記録することができ、適切な電子通信媒体を介して伝送することができる、上述のフローチャートで概略的に説明したプログラミングインストラクションを実行するプログラムされたプロセッサを用いて実現される。しかしながら、当業者は、本発明から逸脱しない範囲で、種々の変更例や、多くの適切なプログラミング言語において上述の処理を実現できることがわかる。例えば、本発明から逸脱しない範囲で、実行される幾つかの動作の順序は変更できることが多く、また、動作の追加や動作の削除を行うこともできる。本発明から逸脱しない範囲で、エラートラッピングの追加及び/又は向上を行うこともでき、ユーザインタフェースや情報提示において変更を行うこともできる。このような変更は同等のものとして考えられる。
【0075】
特定の実施例を用いて本発明を説明したが、上述の説明に鑑みて種々の代替、変形、置換、変更が当業者にとって明らかであることは明白である。したがって、本発明は、そのような代替、変形、変更が添付の特許請求の範囲の趣旨にあてはまるとして、それらをすべて含むものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録された楽曲を再生する音楽プレーヤと、
上記音楽プレーヤの動作の一部を制御するプロセッサと、
ユーザからのコマンドを受信し、それらのコマンドを上記プロセッサに送るユーザインタフェースと、
上記プロセッサに接続されたメモリとを備え、
上記ユーザインタフェースからマークコマンドを受信すると、上記プロセッサは、該マークコマンドの受信時に再生中である楽曲を識別する識別子を上記メモリに記憶することを特徴とするメディアプレーヤ装置。
【請求項2】
当該メディアプレーヤ装置のコンピュータへの接続を可能とする上記プロセッサに接続されたコンピュータインタフェースをさらに備える請求項1に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項3】
上記メモリに記憶された識別子は、上記コンピュータインタフェースを介して上記コンピュータによりアクセス可能であることを特徴とする請求項2に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項4】
上記音楽プレーヤはさらにレコーダを備え、該レコーダは、楽曲を記録する記録媒体に情報を記録することができることを特徴とする請求項2に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項5】
上記楽曲は、TOC(テーブルオブコンテンツ)を用いて記録媒体上に整理され、上記コンピュータは、該コンピュータに記憶された追加情報を含むようにTOCの更新を上記レコーダに指示することができることを特徴とする請求項4に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項6】
上記コンピュータインタフェースは、シリアルインタフェースにより構成されることを特徴とする請求項2に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項7】
上記シリアルインタフェースは、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース又はIEEE1394バスのいずれかにより構成されることを特徴とする請求項6に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項8】
上記記録媒体は、ミニディスク、コンパクトディスク、ビデオディスク、磁気ディスク、光ディスク、メモリスティック、メモリカード、着脱可能な不揮発性メモリのいずれかにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項9】
上記ユーザインタフェースは、動作時に上記プロセッサに上記マークコマンドを送る専用マークボタンを備えることを特徴とする請求項1に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項10】
上記ユーザインタフェースは、上記マークコマンドのほかに第2のコマンドを送るボタンを備えることを特徴とする請求項1に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項11】
上記第2のコマンドは、再生コマンドからなることを特徴とする請求項10に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項12】
上記ボタンは、再生中に作動させると上記マークコマンドを送ることを特徴とする請求項10に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項13】
上記ボタンは、再生中に所定時間作動させると上記マークコマンドを送ることを特徴とする請求項10に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項14】
当該メディアプレーヤ装置は、個人向け携帯型メディアプレーヤにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項15】
記録媒体に記録された楽曲を再生し、
ユーザインタフェースからマークコマンドを受信し、
上記ユーザインタフェースからの上記マークコマンドに応じて、該マークコマンドの受信時に再生中の楽曲を識別する識別子をメモリに記憶するメディアプレーヤの動作方法。
【請求項16】
さらに、コンピュータインタフェースを介して上記メディアプレーヤに接続されたコンピュータから、マーク済みの楽曲の識別子のリストを該コンピュータに送る指示を受信することを特徴とする請求項15に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項17】
音楽プレーヤは、レコーダを備え、さらに、上記記録媒体に情報を記録することを特徴とする請求項16に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項18】
上記楽曲は、TOC(テーブルオブコンテンツ)を用いて記録媒体上に整理され、さらに、上記コンピュータは、該コンピュータに記憶された追加情報を含むようにTOCの更新を上記レコーダに指示することを特徴とする請求項17に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項19】
上記記録媒体は、ミニディスク、コンパクトディスク、ビデオディスク、磁気ディスク、光ディスク、メモリスティック、メモリカード、着脱可能な不揮発性メモリのいずれかにより構成されることを特徴とする請求項15に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項20】
上記ユーザインタフェースは、動作時にプロセッサにマークコマンドを送る専用マークボタンを備えることを特徴とする請求項15に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項21】
上記ユーザインタフェースは、マークコマンドのほかに第2のコマンドを送るボタンを備えることを特徴とする請求項15に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項22】
当該メディアプレーヤは、個人向け携帯型メディアプレーヤにより構成されることを特徴とする請求項15に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項23】
プログラムされたプロセッサで実行されると、請求項15に記載のメディアプレーヤの動作方法を行う指示を記録した電気的な記録媒体。
【請求項24】
メディアプレーヤの動作方法において、
記録媒体に記録された楽曲を再生し、
ユーザインタフェースからマークコマンドを受信し、
上記ユーザインタフェースからの上記マークコマンドに応じて、該マークコマンドの受信時に再生中の楽曲を識別する識別子をメモリに記憶し、
上記メディアプレーヤをコンピュータに接続し、
上記コンピュータに識別子を送り、
上記識別子により識別された楽曲に関してインターネット上で処理を実行するメディアプレーヤの動作方法。
【請求項25】
上記処理は、上記インターネットを介してアクセスする少なくとも1つのサービスプロバイダにより行うことを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項26】
上記処理は、音楽セレクションに関する情報照会、音楽セレクションに関する金融取引、音楽セレクションに関する通信機能のうち、少なくとも1つからなることを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項27】
さらに、上記識別子を上記コンピュータ内のデータベースに記憶された情報とマッチングさせることを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項28】
さらに、上記識別子と上記データベースに記憶された情報とが一致しない場合に、手動入力で情報を取得することを特徴とする請求項27に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項29】
上記記録媒体は、TOC(テーブルオブコンテンツ)を用いて、記録された楽曲を整理し、さらに、上記データベースに記憶された情報により上記TOCを更新することを特徴とする請求項27に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項30】
上記処理の実行は、さらに、
上記識別子により識別された楽曲に関して利用可能な操作のメニューを提示し、
上記ユーザから選択された操作の指示を受信し、
上記ユーザからの選択された操作の指示により決定される処理を行うことを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項31】
上記記録媒体は、ミニディスク、コンパクトディスク、ビデオディスク、磁気ディスク、光ディスク、メモリスティック、メモリカード、着脱可能な不揮発性メモリのいずれかにより構成されることを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項32】
上記マークコマンドは、動作時に上記プロセッサにマークコマンドを送るボタンを備えるユーザインタフェースを介して受信されることを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項33】
当該メディアプレーヤは、個人向け携帯型メディアプレーヤにより構成されることを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項34】
上記コンピュータは、該コンピュータ上で実行されると、処理を実行する指示を記録した電気的な記録媒体を備えることを特徴とする請求項24に記載のメディアプレーヤの動作方法。
【請求項35】
ユーザの操作により後で取り出すためにマークが付されたトラックを識別する識別子のリストであって、少なくとも1つの識別を含む識別子のリストを取り出し、
上記識別子により識別された楽曲に関してインターネット上で処理を実行することを特徴とする情報取得方法。
【請求項36】
上記処理は、上記インターネットを介してアクセスする少なくとも1つのサービスプロバイダにより行うことを特徴とする請求項35に記載の情報取得方法。
【請求項37】
上記処理は、トラックに関する情報照会、トラックに関する金融取引、トラックに関する通信機能のうち、少なくとも1つからなることを特徴とする請求項35に記載の情報取得方法。
【請求項38】
さらに、上記識別子をデータベースに記憶された情報とマッチングさせることを特徴とする請求項35に記載の情報取得方法。
【請求項39】
さらに、上記識別子と上記データベースに記憶された情報とが一致しない場合に、手動入力で情報を取得することを特徴とする請求項38に記載の情報取得方法。
【請求項40】
メディアプレーヤは、TOC(テーブルオブコンテンツ)を用いてトラックを整理する記録媒体に記録されたトラックを再生し、さらに、データベースに記憶された情報によりTOCを更新することを特徴とする請求項35に記載の情報取得方法。
【請求項41】
上記処理の実行は、さらに、
上記識別子により識別されたトラックに関して利用可能な操作のメニューを提示し、
上記ユーザから選択された操作の指示を受信し、
上記ユーザからの選択された操作の指示により決定される処理を実行することを特徴とする請求項35に記載の情報取得方法。
【請求項42】
上記メディアプレーヤは、ミニディスク、コンパクトディスク、ビデオディスク、磁気ディスク、光ディスク、メモリスティック、メモリカード、着脱可能な不揮発性メモリのいずれかにより構成される記録媒体に記録されたトラックを再生することを特徴とする請求項35に記載の情報取得方法。
【請求項43】
上記メディアプレーヤは、個人向け携帯型メディアプレーヤにより構成されることを特徴とする請求項35に記載の情報取得方法。
【請求項44】
コンピュータ上で実行されると、
ユーザの操作により後で取り出すためにマークが付されたトラックを識別する識別子のリストであって、少なくとも1つの識別を含む識別子のリストを取り出し、
上記識別子により識別された楽曲に関してインターネット上で処理を実行することからなる情報取得方法を実行する指示を記録した電気的な記録媒体。
【請求項45】
上記処理は、上記インターネットを介してアクセスする少なくとも1つのサービスプロバイダにより行うことを特徴とする請求項44に記載の電気的な記録媒体。
【請求項46】
上記処理は、トラックに関する情報照会、トラックに関する金融取引、トラックに関する通信機能のうち、少なくとも1つからなることを特徴とする請求項44に記載の電気的な記録媒体。
【請求項47】
上記処理は、さらに、上記識別子をデータベースに記憶された情報とマッチングさせることを特徴とする請求項44に記載の電気的な記録媒体。
【請求項48】
上記処理は、さらに、上記識別子と上記データベースに記憶された情報とが一致しない場合に、手動入力で情報を取得することを特徴とする請求項44に記載の電気的な記録媒体。
【請求項49】
上記処理の実行は、さらに、
上記識別子により識別されたトラックに関して利用可能な操作のメニューを提示し、
上記ユーザから選択された操作の指示を受信し、
上記ユーザからの選択された操作の指示により決定される処理を行うことを特徴とする請求項44に記載の電気的な記録媒体。
【請求項50】
記録済み媒体のTOC(テーブルオブコンテンツ)を更新するTOCの更新方法において、
ユーザの操作により後で取り出すためにマークが付されたトラックを識別する識別子のリストであって、少なくとも1つの識別を含む識別子のリストを取り出し、
上記識別子のリストをデータベースと比較して、上記識別子のリストに関する更なる情報を取得し、
更新された情報により上記記録済み媒体のTOCを更新することを特徴とするTOCの更新方法。
【請求項51】
さらに、上記識別子のリストに関する更なる情報を取得するために、インターネットを介してアクセスする少なくとも1つのサービスプロバイダにより処理を実行することを特徴とする請求項50に記載のTOCの更新方法。
【請求項52】
さらに、上記識別子と上記データベースに記憶された情報とが一致しない場合に、手動入力で情報を取得することを特徴とする請求項50に記載のTOCの更新方法。
【請求項53】
さらに、各識別子により識別された各トラックに関して利用可能な操作のメニューを提示し、
上記ユーザから選択された操作の指示を受信し、
上記ユーザからの選択された操作の指示により決定される処理を実行することにより、 上記取り出された識別子のリストに関してインターネット上で処理を実行することを特徴とする請求項50に記載のTOCの更新方法。
【請求項54】
記録媒体からの楽曲を再生する電気的なメディアプレーヤと、
上記電気的なメディアプレーヤに対するユーザインタフェースと、
メモリと、
上記ユーザインタフェースからの信号受信に応じて、上記電気的なメディアプレーヤで現在再生中の楽曲を識別する識別子を取り出し、上記メモリに上記識別子を記憶する手段とを備えるメディアプレーヤ装置。
【請求項55】
当該メディアプレーヤ装置をコンピュータに接続するための、当該メディアプレーヤ装置に接続されたコンピュータインタフェースをさらに備える請求項54に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項56】
上記メモリに記憶された識別子は、上記コンピュータインタフェースを介して上記コンピュータからアクセス可能であることを特徴とする請求項55に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項57】
上記記録媒体は、ミニディスク、コンパクトディスク、ビデオディスク、磁気ディスク、光ディスク、メモリスティック、着脱可能なメモリカード、着脱可能な不揮発性メモリのいずれかにより構成されることを特徴とする請求項54に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項58】
上記ユーザインタフェースは、動作時に上記信号を送る専用マークボタンを備えることを特徴とする請求項54に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項59】
上記ユーザインタフェースは、上記信号のほかに他のコマンド信号を送るボタンを備えることを特徴とする請求項54に記載のメディアプレーヤ装置。
【請求項60】
着脱可能な電気的な記録媒体からオーディオコンテンツの再生を行うメディアプレーヤデバイスと、
電気的なメモリと、
上記電気的な記録媒体からの識別情報を取得し、該識別情報を上記電気的なメモリに記憶するメディアプレーヤ内のプロセッサとを備える電気的なメディアプレーヤ装置。
【請求項61】
上記識別情報は、ミニディスク識別子(MDID)、トラック識別子、トラック名、歌識別子、歌の一部のうち、少なくとも1つにより構成されることを特徴とする請求項60に記載の電気的なメディアプレーヤ装置。
【請求項62】
上記電気的な記録媒体は、ミニディスク、コンパクトディスク、着脱可能なフラッシュメモリのいずれかにより構成されることを特徴とする請求項60に記載の電気的なメディアプレーヤ装置。
【請求項63】
上記電気的な記録媒体は、ミニディスクからなり、上記識別情報は、ミニディスク識別子及びトラック識別子からなることを特徴とする請求項60に記載の電気的なメディアプレーヤ装置。
【請求項64】
上記プロセッサに接続されたユーザインタフェースをさらに備え、上記プロセッサは、ユーザインタフェースを介したユーザ入力に応じて、上記識別情報を上記電気的なメモリに記憶することを特徴とする請求項60に記載の電気的なメディアプレーヤ装置。
【請求項65】
ミニディスクからオーディオコンテンツの再生を行うミニディスクプレーヤ機構と、
電気的なメモリと、
上記ミニディスクから識別情報を取得し、上記識別情報を上記電気的なメモリに記憶するプロセッサとを備えるミニディスク再生装置。
【請求項66】
上記識別情報は、ミニディスク識別子(MDID)、トラック識別子、トラック名、歌識別子、歌の一部のうち、少なくとも1つにより構成されることを特徴とする請求項65に記載のミニディスク再生装置。
【請求項67】
上記プロセッサに接続されたユーザインタフェースをさらに備え、
上記プロセッサは、上記ユーザインタフェースを介したユーザ入力に応じて、上記識別情報を上記電気的なメモリに記憶することを特徴とする請求項65に記載のミニディスク再生装置。
【請求項68】
ミニディスクからオーディオコンテンツの再生を行うミニディスクプレーヤ機構と、
電気的なメモリと、
ユーザインタフェースと、
上記ユーザインタフェースからのコマンドに応じて上記ミニディスクから識別情報を取得し、上記識別情報を上記電気的なメモリに記憶するプロセッサとを備えるミニディスク再生装置。
【請求項69】
上記識別情報は、ミニディスク識別子(MDID)、トラック識別子、トラック名、歌識別子、歌の一部のうち、少なくとも1つにより構成されることを特徴とする請求項68に記載のミニディスク再生装置。
【請求項70】
リモートのユーザにマーキングリストを送信する手段をさらに備える請求項68に記載のミニディスク再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−44226(P2011−44226A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−231143(P2010−231143)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【分割の表示】特願2009−98707(P2009−98707)の分割
【原出願日】平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願人】(593181638)ソニー エレクトロニクス インク (371)
【Fターム(参考)】