説明

ランバーサポート装置

【課題】フィッシュマウスばねとサブフレームとの取付性が簡単で、フィッシュマウスばねとサブフレームとの取付部材の削減が図れるランバーサポート装置を提供することを課題とする。
【解決手段】シートバックフレーム1と、一端部がシートバックフレーム1に取り付けられたサブフレーム7と、基端部がシートバックフレーム1に取り付けられ、先端部がサブフレーム7の他端部に接続され、基端部と先端部との間にトーションアーム部13g、13hを有するフィッシュマウスばね13と、サブフレーム7に支持された反りプレート23と、サブフレーム7に設けられたベースプレート11と、ベースプレート11に設けられ、反りプレート23を駆動する駆動部と、を有し、1つのフィッシュマウスばね13を用い、ベースプレート11と、フィッシュマウスばね13とに、トーションアーム部13g、13hの基端部を支点とする回転を防止する回転防止部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着座者の背部を押圧し、着座者の正しい姿勢をサポートするランバーサポート装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両用のシートにおいて、着座者の背部を支持するシートバックフレームと、一端部が前記シートバックフレームに取り付けられたサブフレームとを有するものがある。尚、このサブフレームは、ばね材を折り曲げてなるビッグワイヤと呼ばれることもある。
【0003】
サブフレームの他端部は、フィッシュマウスばねと呼ばれるトーションばねを介してシートバックフレームに取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−105126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された従来のシートにおいては、以下のような問題点がある。
【0006】
(1) フィッシュマウスばねが二つ必要である。よって、取付性が悪い。
【0007】
(2) 各フィッシュマウスばねとサブフレーム(ビッグワイヤ)との取付には、フィッシュマウスばねとサブフレームとの取付を行う第1かしめ具(第1取付部材)と、フィッシュマウスばねのトーションアーム部の基端部を支点とする回転を防止する第2かしめ具(第2付部材)が必要である。即ち、計4つのかしめ具が必要となる。よって、取付性が悪い。また、取付部材(かしめ具)の数も多い。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、フィッシュマウスばねとサブフレームとの取付性が簡単で、フィッシュマウスばねとサブフレームとの取付部材の削減が図れるランバーサポート装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する請求項1に係る発明は、着座者の背部を支持するシートバックフレームと、一端部が前記シートバックフレームに取り付けられたサブフレームと、基端部が前記シートバックフレームに取り付けられ、先端部が前記サブフレームの他端部に接続され、前記基端部と前記先端部との間にトーションアーム部を有するフィッシュマウスばねと、前記サブフレームに支持され、シート着座者の背部を押圧するプレートと、前記サブフレームに設けられたベースプレートと、該ベースプレートに設けられ、前記プレートを前記着座者の背部を押圧する方向に駆動する駆動部と、を有し、前記ベースプレートと、前記フィッシュマウスばねとに、前記トーションアーム部の基端部を支点とする回転を防止する回転防止部を設けたことを特徴とするランバーサポート装置である。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記回転防止部は、前記フィッシュマウスばねの前記先端部に形成され、前記先端部の延出方向と交差する一対のアーム部と、該アーム部の先端部を橋渡しする段差部とからなる係合部と、前記ベースプレートに形成され、前記フィッシュマウスばねの係合部が係合する凹部と、からなることを特徴とする請求項1記載のランバーサポート装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1−請求項2に係る発明によれば、フィッシュマウスばねは1つで済むので、フィッシュマウスばねとサブフレームとの取付性が簡単である。また、取付部材の削減を図れる。
【0012】
また、前記ベースプレートと、前記フィッシュマウスばねとに、前記トーションアーム部の基端部を支点とする回転のを防止する回転防止部を設けたことにより、取付部材の削減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態のランバーサポート装置が設けられたシートバックを説明する図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図1の駆動部のIII方向矢視図である。
【図4】本実施形態のランバーサポート装置の反りプレートがシート着座者の背部を押圧する方向にほとんど変形していない状態での斜視図である。
【図5】図4のV方向矢視図である。
【図6】図4のVI方向矢視図である。
【図7】本実施形態のランバーサポート装置の反りプレートがシート着座者の背部を押圧する方向に変形した状態での斜視図である。
【図8】図7のVIII方向矢視図である。
【図9】図7のIX方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
最初に、図1−図3を用いて本実施形態のランバーサポート装置が設けられたシートのシートバックを説明する。図1は実施形態のランバーサポート装置が設けられたシートバックを説明する図、図2は図1の分解斜視図、図3は図1の駆動部のIII方向矢視図である。
【0015】
図1−図3において、矢印F方向はシートバックの表側方向(シートバックの着座者の背面と対向する側方向)を示し、矢印B方向はシートバックの裏側方向を示している。
【0016】
図1、図2において、まず、着座者の背部を支持するシートバックフレーム1を説明する。本実施形態のシートバックフレーム1は、一対の右フレーム1a、左フレーム1bを有している。右フレーム1aと左フレーム1bの上部には、両者を橋渡しするようにアッパフレーム1cが設けられる。このアッパフレーム1cは、水平方向に延出する基部1dと、基部1dの一方の端部から折曲され右フレーム1aの上部に接続される第1垂直部1eと、基部1dの他方の端部から折曲され左フレーム1bの上部に接続される第2垂直部1fとからなっている。アッパフレーム1cの第1垂直部1eの中間部と第2垂直部1fの中間部とを橋渡しするようにサブアッパフレーム1gが設けられる。そして、右フレーム1aと左フレーム1bの下部で、両者を橋渡しするように、ロアフレーム1hが設けられる。
【0017】
シートフレーム1のサブアッパフレーム1g、ロアフレーム1hのシートバックの表側には、ばね材を折り曲げてなり、着座者の背面を支持する略U字形のビッグワイヤ(サブフレーム:シートバックフレームと共に着座者の背面を支持する部材)7が配置される。本実施形態のビッグワイヤ7は、上方に位置する上下方向に延出する一対のアッパ上下方向延出部7a、7bと、下方に位置し、アッパ上下方向延出部7a、7bの間隔より狭いロア上下方向延出部7c、7dとを有している。アッパ上下方向延出部7a、7bは着座者の背骨に対応する位置を中心に互いに線対称となるように配置される。また、ロア上下方向延出部7c、7dも着座者の背骨に対応する位置を中心に互いに線対称となるように配置される。アッパ上下方向延出部7a、7bの各下端部と、ロア上下方向延出部7c、7dの各上端部とは、傾斜部7e、7fとで接続されている。ロア上下方向延出部7cの下端部とロア上下方向延出部7dの下端部とは、橋渡し部7gで接続されている。ロア上下方向延出部7c、7dは、着座者の背面に沿うように湾曲している。更に、ロア上下方向延出部7c、7dの下部には、傾斜部(段部)7j、7kを介してシートバックの裏面方向に位置する段差部7h、7iが形成されている。
【0018】
即ち、ビッグワイヤ7の下部に、シートバックの裏側にへこんだ部分が形成されている。
【0019】
ビッグワイヤ7のアッパ上下方向延出部7aは、サブアッパフレーム1gのシートバックの表側に取り付けられた円筒状のクリップ3を挿通している。また、ビッグワイヤ7のアッパ上下方向延出部7bは、サブアッパフレーム1gに取り付けられた円筒状のクリップ5を挿通している。よって、ビッグワイヤ7は、シートバックフレーム1に対して上下方向に摺動可能に取り付けられている。
【0020】
ビッグワイヤ7の下部のシートバックの裏側には、駆動部9が設けられるベースプレート11が取り付けられる。尚、駆動部9の詳細は後述する。
【0021】
ビッグワイヤ7の橋渡し部7gは、フィッシュマウスばね13を介して、シートバックフレーム1のロアフレーム1hに接続される。
【0022】
フィッシュマウスばね13は、シートバックフレーム1のロアフレーム1hに、形成された2つの切り起こし係止片15、17によって、ロアフレーム1hに取り付けられる基部13a、13bを有している。切り起こし片15、17の間隔は、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7c、7dの間隔より広く設定されている。そして、フィッシュマウスばね13は、基部13a、13bのシートバックフレーム1の右フレーム1a、左フレーム1b側の端部から上方に延出する立ち上がり部13c、13dと、立ち上がり部13c、13dの先端部から折曲して、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7c、7dに向かって延出する基部対向部13e、13fと、基部対向部13e、13fの先端部から折曲してビッグワイヤ7の橋渡し部7gに向かって延出するトーションアーム部13g、13hと、トーションアーム部13g、13hの先端部を橋渡しし、ビッグワイヤ7の橋渡し部7gに沿って延出する取付部13iとを有している。更に、取付部13iの中央部分には、取付部13iの延出方向と交差するアーム部13k、13lと、アーム部13k、13lの先端部を橋渡しする段差部13jが形成されている。
【0023】
即ち、フィッシュマウスばね13は、基部13a、13bと、立ち上がり部13c、13dと、基部対向部13e、13fとが、トーションアーム部13g、13hの固定された第1基端部、第2基端部となり、取付部13iがトーションアーム部13g、13hの先端部に相当する。
【0024】
そして、アーム部13k、13lと段差部13jとで係合部を形成する。
【0025】
ビッグワイヤ7の橋渡し部7gと、フィッシュマウスばね13の取付部13iとは、かしめ具19、21により固定されている。
【0026】
ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7c、7dのシートバックの表側には、樹脂でなり略板状の反りプレート23が配設されている。反りプレート23は、大別して、本体部23aと、本体部23aの上部に連設され、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7cの上部から傾斜部7eの下部まで延出する第1上部取付部23bと、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7dの上部から傾斜部7fの下部まで延出する第2上部取付部23cとからなっている。本体部23aと、第1上部取付部23b、第2上部取付部23cとの間には、切り欠き溝25、27と、穴29が形成され、反りプレート23に上下方向の荷重が作用した際に、他の部分に比べ曲げ剛性が低い脆弱部となっている。
【0027】
第1上部取付部23bには、弾性変形してビッグワイヤ7の傾斜部7eを挟む上部取付部31と、弾性変形してビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7cを挟む下部取付部33とが形成されている。第2上部取付部23cには、弾性変形してビッグワイヤ7の傾斜部7fを挟む上部取付部35と、弾性変形してビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7dを挟む下部取付部37とが形成されている。
【0028】
反りプレート23の上部取付部31、上部取付部35が、ビッグワイヤ7の傾斜部7e、傾斜部7fに取り付けられることにより、反りプレート23の上部は、ビッグワイヤ7に固定され、上昇・下降が禁止されている。
【0029】
第1上部取付部23bの上部取付部31と、下部取付部33との間には、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7cを挟むインナリブ39、アウタリブ41が形成されている。第2上部取付部23cの上部取付部35と、下部取付部37との間には、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7dを挟むインナリブ43、アウタリブ45が形成されている。
【0030】
ここで、駆動部9の説明を行う。ベースプレート11の側部には、折曲されてシートバックの裏側方向に延出する取付部47、49が形成されている(図2参照)。
【0031】
そして、ベースプレート11が、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7c、7dの下部の傾斜部7j、7k、段差部7h、7iによって形成されたへこんだ部分に配置され、ベースプレート11の上端面は、傾斜部7j、傾斜部7kに当接可能となっている。ベースプレート11の取付部47、49が、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7c、7dの段差部7h、7iを巻回するように曲げられることにより、ビッグワイヤ7の段差部7h、7iに取り付けられている。
【0032】
ベースプレート11におけるシートバックの裏側の中央部には、上下方向に延出する第1立壁部51と、第1立壁部51と平行な第2立壁部53と、第1立壁部51と第2立壁部53とを橋渡しする橋渡し部56とが形成されている。第1立壁部51には、上下方向に延出する第1ガイド穴51aが形成され、第2立壁部53にも上下方向に延出し、第1ガイド穴51aと対向する第2ガイド穴53aが形成されている。
【0033】
第1立壁部51の下端面、第2立壁部53の下端面には、ビッグワイヤ7の橋渡し部7gに当接可能な切り欠き部(当接部)51d、53dが形成されている。
【0034】
よって、ベースプレート11は、取付部47、49が、ビッグワイヤ7のロア上下方向延出部7c、7dの段差部7h、7iを巻回するように曲げられることにより、シートバックの表側、裏側への移動、シートバックの左右方向の移動が禁止される。更に、ベースプレート11の上端面は、傾斜部7j、傾斜部7kに当接可能、また、第1立壁部51の下端面、第2立壁部53の下端面には、ビッグワイヤ7の橋渡し部7gに当接可能な切り欠き部51d、53dが形成されていることにより、ベースプレート11は、ビッグワイヤ7の段差部7h、7iに沿う移動も禁止され、ベースプレート11の位置決めがなされている。
【0035】
第1立壁部51の上部はシートバックフレーム1の右フレーム1a方向に折曲され、第1ギヤボックス取付部51bが形成されている。第2立壁部53の上部はシートバックフレーム1の左フレーム1b方向に折曲され、第2ギヤボックス取付部53bが形成されている。
【0036】
ベースプレート11におけるシートバックの表側は、反りプレート23が着座者の背部を押圧する方向に変形した際に、反りプレート23の下端が線で当接可能な当接部48となっている。
【0037】
第1ギヤボックス取付部51b、第2ギヤボックス取付部53bには、締結ねじ55、57を用いてギヤボックス59が取り付けられる。ギヤボックス59にはモータ61が一体的に取り付けられている。このギヤボックス59内には、内面にめねじが形成された穴を有するナット部材が回転可能に設けられている。そして、このナット部材はモータ61により回転されるようになっている
外面におねじが形成されたねじ棒63は、第1立壁部51と第2立壁部53との間の空間に配置されると共に、ギヤボックス57内のナット部材に螺合している。また、反りプレート23の本体部23aの下部には、第1立壁部51とねじ棒63との空間に嵌合する第1取付部23dと、第2立壁部53とねじ棒63との空間に嵌合する第2取付部23eとが形成されている。ねじ棒63の下部には、貫通穴63aが形成されている。
【0038】
そして、第2立壁部53の第2ガイド穴53a、反りプレート23の第2取付部23eの穴、ねじ棒63の穴63a、反りプレート23の第1取付部23dの穴、第1立壁部51の第1ガイド穴51aをピン65が挿通している。このため、ねじ棒63は、軸周りの回転が禁止され、軸(第1ガイド穴51a、第2ガイド穴53a)に沿う移動は可能となっている。モータ61を駆動すると、ギヤボックス59内のナット部材が回転する。ナット部材に螺合するねじ棒63は、第1ガイド穴51a、第2ガイド穴53aに沿って移動する。また、反りプレート23の下部も第1ガイド穴51a、第2ガイド穴53aに沿って、昇降する。
【0039】
従って、ナット部材を有するギヤボックス59、ギヤボックス59内のナット部材を回転駆動するモータ61、ギヤボックス59内のナット部材に螺合するねじ棒63、ねじ棒63と反りプレート23の下部を連結するピン65と、ピン65が挿通する第2立壁部53の第2ガイド穴53a、第1立壁部51の第1ガイド穴51aとで、駆動部9が構成されている。
【0040】
また、第1立壁部51、第2立壁部53の下部には、フィッシュマウスばね13の段差部13jが係合する第1凹部51c、第2凹部53cが形成されている。これにより、フィッシュマウスばね13の取付部13i及び基部対向部13e、13f(基端部)を軸とする回転が禁止されている。
【0041】
即ち、ベースプレート11の第1凹部51c、第2凹部53cと、フィッシュマウスばね13の段差部13jとで、フィッシュマウスばね13のトーションアーム部13g、13hの基端部を支点とする回転を防止する回転防止部が構成されている。
【0042】
また、ベースプレート11の第1凹部51c、第2凹部53cは、ビッグワイヤ7の橋渡し部7gに係合する係合部となっている。
【0043】
そして、本実施形態では、反りプレート23の本体部23aのシート着座者の背部を押圧する部分(本実施形態では、本体部23aの高さ方向の中央部分)に、他の部分より板厚が厚い押圧部71が形成されている。
【0044】
次に、図4−図9を用いて上記構成の作動を説明する。図4は本実施形態のランバーサポート装置の反りプレートがシート着座者の背部を押圧する方向にほとんど変形していない状態での斜視図、図5は図4のV方向矢視図、図6は図4のVI方向矢視図、図7は本実施形態のランバーサポート装置の反りプレートがシート着座者の背部を押圧する方向に変形した状態での斜視図、図8は図7のVIII方向矢視図、図9は図7のIX方向矢視図である。
【0045】
図4−図6に示す状態は、ねじ棒63が下方に位置し、反りプレートがシート着座者の背部を押圧する方向にほとんど変形していない状態である。
【0046】
この状態から、モータ61を一方の方向へ回転駆動させると、ギヤボックス59内のナット部材が一方の方向へ回転し、ねじ棒63が上昇する。そして、反りプレート23の上部は、上昇、下降が禁止されているので、図7−図9に示すように、反りプレート23が、切り欠き溝25、27と、穴29とにより形成された脆弱部を起点にシート着座者の背部を押圧する方向に変形する。
【0047】
また、図7−図9に示す状態から、モータ61を他方の方向へ回転駆動させると、ギヤボックス59内のナット部材が他方の方向へ回転し、ねじ棒63が下降し、反りプレート23のシート着座者の背部を押圧する方向の変形量が減少する。
【0048】
上記構成によれば、以下のような効果が得られる。
【0049】
(1) フィッシュマウスばねは1つで済むので、フィッシュマウスばね13とビッグワイヤ(サブフレーム)7との取付性が簡単である。また、取付部材の削減を図れる。
【0050】
(2) ベースプレート11の第1凹部51c、第2凹部53cと、フィッシュマウスばね13の段差部13jとで、フィッシュマウスばね13のトーションアーム部13g、13hの基端部を支点とする回転を防止する回転防止部を設けたことにより、取付部材の削減を図れる。また、これにより、フィッシュマウスばね13とビッグワイヤ7との相対回転が防止(位置決め)されるので、かしめ具19、21のかしめが容易である。
【0051】
尚、本発明は上記実施形態に限定するものではない。上記実施形態では、シートバックフレーム1に上部が固定支持され、シート着座者の背部を押圧する方向に変形可能な反りプレート23を用いたが、シートバックフレーム1に上部が回転可能に支持された回転プレートでもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、駆動部9はモータ61を用いたが、手動であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 シートバックフレーム
7 ビッグワイヤ(サブフレーム)
9 駆動部
13 フィッシュマウスばね
13g、13h トーションアーム部
13i 取付部
23 反りプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座者の背部を支持するシートバックフレームと、
一端部が前記シートバックフレームに取り付けられたサブフレームと、
基端部が前記シートバックフレームに取り付けられ、先端部が前記サブフレームの他端部に接続され、前記基端部と前記先端部との間にトーションアーム部を有するフィッシュマウスばねと、
前記サブフレームに支持され、シート着座者の背部を押圧するプレートと、
前記サブフレームに設けられたベースプレートと、
該ベースプレートに設けられ、前記プレートを前記着座者の背部を押圧する方向に駆動する駆動部と、
を有し、
前記ベースプレートと、前記フィッシュマウスばねとに、前記トーションアーム部の基端部を支点とする回転を防止する回転防止部を設けたことを特徴とするランバーサポート装置。
【請求項2】
前記回転防止部は、
前記フィッシュマウスばねの前記先端部に形成され、前記先端部の延出方向と交差する一対のアーム部と、該アーム部の先端部を橋渡しする段差部とからなる係合部と、
前記ベースプレートに形成され、前記フィッシュマウスばねの係合部が係合する凹部と、
からなることを特徴とする請求項1記載のランバーサポート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−85832(P2013−85832A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231009(P2011−231009)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(590001164)シロキ工業株式会社 (610)
【Fターム(参考)】