説明

ランプ及び照明装置

【課題】ランプの高輝度化に伴う発熱量増大に対応し得る、優れた放熱構造を有する新規構成のランプを提供する。
【解決手段】LEDモジュール5がグローブ7内部で支持部材17により支持されてなるランプ100であって、グローブ7の開口は、支持部材17が立設されたステム13により閉塞され、ステム13により閉塞されたグローブ7内に、空気よりも高い熱伝導性を有する流体が封入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を光源とするランプ及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネルギーの観点から、白熱電球に代替する電球形ランプとして、半導体発光素子の1つであるLEDを光源として利用するランプ(以下、LEDランプと記載する。)が提案されている(特許文献1〜3)。
このLEDランプは、実装基板に多数のLEDを実装し、実装基板が、口金を一端に備えるケースの他端に装着され、LEDを発光(点灯)するための回路ユニットがケースの内部に収納されてなる構造を有するものがある(特許文献4)。
【0003】
回路ユニットを構成する電子部品には熱負荷に弱い部品が含まれているが、これらの電子部品は、LED発光時の熱により動作が不安定になったり、寿命が短くなったりするおそれがある。
このようなことから、回路ユニットへの熱負荷を抑制するために、LED発光時の熱をLEDランプの外部へ放熱させるための対策がとられている。例えば、ケースの表面に放熱溝を設けたり(特許文献5)、ケースを良熱伝導材料である金属で形成し、LED発光時の熱を口金へと伝導し、ケース内に熱が蓄積しないようにしたりする(非特許文献1(第12頁)参照)等の構成が考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4135485号公報
【特許文献2】特許第4290887号公報
【特許文献3】米国特許第6793374号明細書
【特許文献4】特開2006−313717号公報
【特許文献5】特開2010−003580号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「ランプ総合カタログ 2010」発行:パナソニック株式会社 ライティング社他
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1をはじめとして、LED発光時の熱をランプの外部へ放熱させるための様々な技術が提案されている。しかしながら、近年のLEDランプの高輝度化によるLEDの発熱量増大に伴って、より効率的にLED発光時の熱を放熱させることが求められている。
本発明は、ランプの高輝度化に伴う発熱量増大に対応し得る、優れた放熱構造を有する新規構成のランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係るランプは、光源としての発光素子がグローブ内で支持部材により支持されてなるランプであって、前記グローブの開口は、前記支持部材が立設された基台により閉塞され、前記基台により閉塞された前記グローブ内に、空気よりも高い熱伝導性を有する流体が封入されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記の構成によれば、基台により閉塞されたグローブ内に、空気よりも高い熱伝導性を有する流体が封入されている。よって、発光素子から発生した熱を、空気よりも高い熱伝導性を有する流体を介してグローブへ伝導させることができる。この結果、グローブを有効に利用して、発光素子から発生した熱を効率良く外部へ放熱することが可能である。
以上説明したように、本発明によれば、ランプの高輝度化に伴う発熱量増大に対応し得る、優れた放熱構造を有する、新規構成のランプを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係るLEDランプ100の構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示すLEDランプ100のA−A’線矢視断面図である。
【図3】図1に示すLEDランプ100のB−B’線矢視断面図である。
【図4】(a)LEDモジュール5の構造を示す平面図と、(b)LEDモジュール5の構造を示す断面図である。
【図5】第1の実施形態に係るLEDランプ100の製造方法の一例を説明するための図である。
【図6】第1の実施形態に係るLEDランプ100の製造方法の一例を説明するための図である。
【図7】第1の実施形態に係るLEDランプ100の製造方法の一例を説明するための図である。
【図8】第1の実施形態に係るLEDランプ100の製造方法の一例を説明するための図である。
【図9】第1の実施形態に係るLEDランプ100の製造方法の変形例を説明するための図である。
【図10】第2の実施形態に係るLEDランプ200の構造を示す斜視図である。
【図11】図10に示すLEDランプ200のE−E’線矢視断面図である。
【図12】第3の実施形態に係るLEDランプ300の構造を示す斜視図である。
【図13】図12に示すLEDランプ300のF−F’線矢視断面図である。
【図14】図12に示すLEDランプ300のG−G’線矢視断面図である。
【図15】第4の実施形態に係るLEDランプ400の構造を示す斜視図である。
【図16】図15に示すLEDランプ400のH−H’線矢視断面図である。
【図17】図52に示すLEDランプ400のI−I’線矢視断面図である。
【図18】第5の実施形態に係るLEDランプ500の構造を示す斜視図である。
【図19】図18に示すLEDランプ500のK−K’線矢視断面図である。
【図20】第6の実施形態に係るLEDランプ600の構造を示す斜視図である。
【図21】図20に示すLEDランプ600のL−L’線矢視断面図である。
【図22】第7の実施形態に係るLEDランプ700の構造を示す斜視図である。
【図23】図22に示すLEDランプ700のM−M’線矢視断面図である。
【図24】第8の実施形態に係るLEDランプ800の構造を示す断面図である。
【図25】本発明に係る照明装置201の概略図である。
【図26】(a)変形例(1)の第1例に係るLEDランプ900Aの構造を示す一部断面図と、(b)変形例(1)の第2例に係るLEDランプ900Bの構造を示す一部断面図である。
【図27】変形例(2)に係るLEDランプ1000の構造を示す一部破断斜視図である。
【図28】変形例(3)に係るLEDランプ1100の構造を示す断面図である。
【図29】変形例(4)に係るLEDランプ1200の構造を示す断面図である。
【図30】グローブとステムとを覆う封止膜の形成方法の一例を説明するための図である。
【図31】変形例(12)の第1例に係るLEDランプ1300の構造を示す斜視図である。
【図32】図31に示すLEDランプ1300のN−N’線矢視断面図である。
【図33】変形例(12)の第2例に係るLEDランプ1400の構造を示す斜視図である。
【図34】図33に示すLEDランプ1400のO−O’線矢視断面図である。
【図35】変形例(12)の第3例に係るLEDランプ1500の構造を示す斜視図である。
【図36】変形例(12)の第4例に係るLEDランプ1600の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
≪第1の実施形態≫
[1.全体構成]
図1は、第1の実施形態に係るLEDランプ100の構造を示す斜視図である。図2は、図1に示すLEDランプ100のA−A’線矢視断面図であり、図3は、LEDランプ100のB−B’線矢視断面図である。なお、図3においては、LEDランプ100の一部断面図としている。
【0011】
図2,3において、紙面上下方向に沿って描かれた一点鎖線は、LEDランプ100のランプ軸Jを示しており、紙面上方がLEDランプ100の前方(「上方」または「上」と表現する場合もある。)であって、紙面下方がLEDランプ100の後方(「下方」または「下」と表現する場合もある。)である。ここで、「ランプ軸」とは、グローブ7を前方側から平面視した時のグローブ7の中心、ならびに、口金11を後方側から平面視した時の口金11の中心を通る仮想線を指す。
【0012】
図1〜3に示すように、LEDランプ100は、その主な構成として、LEDを備えるLEDモジュール5、LEDモジュール5を覆うグローブ7、グローブ7の後方側に取着されたケース9、ケース9の後方側の開口端部に被着された口金11、グローブ7における後方側の開口を塞ぐステム(基台)13、口金11から受電してLEDを発光させるための回路ユニット15、LEDモジュール5をグローブ7の内部に支持する支持部材17を備える。以下、図1〜3中の各部分について説明する。
【0013】
[2.各部構成]
<LEDモジュール>
図1,2に示すように、LEDモジュール5は、実装基板21と、実装基板21における前方側の面に実装された複数のLED3、LED3を被覆する封止体23を備える。
LED3は、実装基板21における前方側の表面に実装されている。また、実装基板21は、透光性を有する材料により構成されている。よって、LED3から発せられた光は、LEDランプ100の前方側へ出射されるだけでなく、実装基板21を透過して後方側へも出射させることができる。実装基板21として用いることが可能な材料としては、例えば、ガラス、アルミナ、サファイア、樹脂等が挙げられる。なお、本実施形態におけるLED3は、青色光を発光色とするものが用いられている。
【0014】
図4は、LEDモジュール5の構造を示す図である。図4(a)は、LEDランプ100の前方側から見たLEDモジュール5の平面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるC−C’線矢視断面図である。
図4(a)に示すように、実装基板21は平面視形状が矩形状をしている。また、LED3を電気的に接続(直列接続又は/及び並列接続である。)にしたり、回路ユニット15と接続したりするための配線パターン22が形成されている。LEDランプ100では、LED3から出射された光が実装基板21を透過することにより、後方側へも光を出射させることとしている。このため、本実施形態においては、配線パターン22も透光性の材料で構成される必要があり、このような透光性の材料としては、例えばITO等がある。
【0015】
図4(b)に示すように、LED3は実装基板21に複数実装されており、間隔(例えば、等間隔である。)をおいて、実装基板21の長手方向に沿って直線状に2列に配置されている。LED3の個数、配列等は、LEDランプ100に要求される輝度等により適宜決定される。
封止体23は、LED3への空気、水分の侵入を防止する機能、およびLED3からの光の波長を変換する波長変換機能を有しており、本実施形態における封止体23は、1列分のLED3を被覆している。
【0016】
封止体23は、主に透光性材料で構成されており、封止体23を構成する透光性材料としては、例えばシリコーン樹脂を利用することができる。また、封止体23には、青色光を黄色光に変換する蛍光体粒子が混入されている。これにより、LED3から出射された青色光と、蛍光体粒子により波長変換された黄色光とにより混色された白色光がLEDモジュール5(LEDランプ100)から発せられることとなる。
【0017】
図4(a),(b)に示すように、実装基板21には、配線パターン22における給電端子22a,22bの周辺に貫通孔26が形成されている。貫通孔26は、回路ユニット15からLED3へ給電するためのリード線49,51(図1,2)を挿通させるためのものである。リード線49,51の一端が、半田24により配線パターン22の給電端子22a,22bと接続されることにより、LEDモジュール5と接続される。リード線49,51の他端は、図2に示すように、回路ユニット15に接続されている。また、実装基板21の略中央に設けられている貫通孔25は、実装基板21と支持部材17の凸部17a(図2,3)との結合に用いられるものである。
【0018】
本実施形態に係るLEDランプ100では、グローブ7内であって、白熱電球の光源(フィラメント)位置に対応した位置(例えば略同じ位置である。)にLEDモジュール5を設けている。これにより、LEDランプ100を従来の白熱電球用の反射鏡つきの照明器具に装着しても、反射鏡の焦点位置にLEDモジュール5が配されることとなり、白熱電球を装着した際の配光特性と近い特性を得ることができる。
【0019】
<グローブ>
図1〜3に戻り、グローブ7は、白熱電球のバルブと同じような形状、つまりAタイプである。グローブ7は、透光性材料により構成される。グローブ7に用いる透光性材料としては、例えば、ガラス材料や樹脂材料等が挙げられる。本実施形態におけるグローブ7は、ガラス材料により構成されていることとする。
【0020】
図2に示すように、グローブ7は、中空の球状をした球状部7aと、筒状をした筒状部7bとを有している。筒状部7bは、球状部7aから離れるに従って縮径している。また、グローブ7は、LEDランプ100のランプ軸Jに沿った全長における半分以上を占めている。そのため、LEDランプ100を構成する部品の中で、最も包絡体積が大きい。なお、筒状部7bにおける球状部7aと反対側の端部(グローブ7における後方側の端部)には開口が存在し、この開口はステム13におけるグローブ7側と反対側の端部13aにより塞がれている。
【0021】
<ケース>
図1〜3に示すように、ケース9は、白熱電球のバルブの口金側に近い部分と同じような形状をしており、樹脂材料、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)により構成されている。また、ケース9は、内部に収容する回路ユニット15が点灯時に発生する熱を外部に放出する機能を有する。放熱は、ケース9から外気への熱伝導、外気により対流、輻射により行われる。
【0022】
図2に示すように、ケース9は、ランプ軸J方向における前方側半分に大径部9aを、後方側半分に小径部9bをそれぞれ有する。また、大径部9aと小径部9bとの間には、図2における左下に示す拡大図のように段差部9cが形成されている。
図2に示すように、ケース9の大径部9aは、ステム13の端部13aを覆っている。ケース9の大径部9aには、ステム13の端部13aを安定に保持するために、段差部9eが形成されている。グローブ7と一体的に成形されたステム13とケース9の大径部9aとは、接着剤57で固着されている。接着剤57としては、例えば、樹脂等の有機系接着剤や無機系接着剤を用いることができる。
【0023】
なお、特に図示しないが、ステム13の端部13aと段差部9eとの界面に、さらに接着剤を塗布することとしてもよい。このようにすることで、ステム13とケース9とをより外れにくくすることが可能である。
ケース9の小径部9b、すなわち、ケース9におけるグローブ7と反対側に開口端部には、エジソンタイプの口金11が被着されている。小径部9bの外周は雄ネジとなっており、これが口金11内にねじ込まれることにより、口金11とケース9とが結合される。
【0024】
また、ケース9の小径部9bには、ケース9の中心軸と平行に延伸する溝が形成されている(図2では図示せず。図8(b)の溝9dに相当)。この溝は、後述する口金11と回路ユニット15とを接続するリード線33を固定する(リード線33の移動を規制する)ものである。
なお、グローブ7とケース9とで構成される外囲器の全体形状が白熱電球と類似するように、大径部9aは口金11側からグローブ7側に移るに従って曲線的に拡径する形状となっている。
【0025】
<口金>
口金11は、照明器具のソケットから電力を受けるためのものである。口金11の種類は、特に限定するものではないが、本実施形態においてはエジソンタイプが使用されている。口金11は、筒状であって周壁がネジ状をしたシェル部27と、シェル部27に絶縁材料29を介して装着されたアイレット部31とからなる。
【0026】
シェル部27はリード線33を介して、アイレット部31はリード線35を介して、それぞれ回路ユニット15と接続されている。なお、リード線33は、ケース9の小径部9bの内側から下端の開口を経由して外側へと引き出されてケース9の溝(図2では図示せず。図8(b)の溝9dに相当)に嵌められた状態で、シェル部27に覆われている。これにより、ケース9の外周とシェル部27の内周とにリード線35が挟まれ、リード線35と口金11とが電気的に接続される。
【0027】
<ステム>
図1〜3に示すように、グローブ7における後方側の端部には、グローブ7の後方側の開口を閉塞するステム13が取着されている。本実施形態におけるステム13は、グローブ7と同一の透光性材料で構成されており、後述するように、グローブ7とステム13は一体的に成形されている。すなわち、本実施形態におけるステム13は、ガラス材料で形成されている。以下、グローブ7およびステム13からなる外囲器を、単にバルブと称する。
【0028】
バルブ内、すなわち、ステム13により閉塞されたグローブ7内(グローブ7とその開口を閉塞するステム13とで形成される空間)には、空気よりも高い熱伝導性を有する流体が封入されている。本実施形態では、ヘリウム(He)ガスが封入されている。ヘリウムガスを用いる利点としては、不活性であること、安価であること、他部材への腐食性、還元性が極めて小さいこと等が挙げられる。また、前述したように、本実施形態においてはグローブ7とステム13が一体的に成形されているので、バルブ内を密に封止することが可能である。
【0029】
バルブ内に、空気よりも熱伝導性の高いヘリウムガスを封入することにより、LED3点灯時に発生した熱をグローブ7へ効率良く伝導させることが可能である。また、グローブ7は、LEDランプ100を構成する部材の中でも包絡体積が大きい部材である。したがって、グローブ7に熱を伝導させることにより、グローブ7を有効に利用して、LED3発光時の熱を効率良くLEDランプ100の外部へ放熱することが可能である。
【0030】
ヘリウムガスの他に、空気よりも高い熱伝導性を有する流体として使用することが可能なものとしては、ネオン(Ne)ガス、水素(H)ガス等のガス、水、シリコーンオイル等の液体が挙げられる。なお、水素ガスを用いる場合には、バルブ内に酸素が含まれないようにする必要がある。また、水を使用する場合には、錆による劣化を防止するため、リード線49,51を樹脂等でコーティングしておく必要がある。
【0031】
図1,3に示すように、ステム13には排気口61が設けられている。後述するように、上記のヘリウムガスの封入は、この排気口61とそれに連続する排気管を通じて行われる。図3に示す排気管封止部59は、ヘリウムガスを封入した後、バルブ内を密閉するために端部が焼き切られた、排気管の残部である。
また、ステム13は、グローブ7の開口を塞ぐ機能を有する他、LED3の点灯時に発生する熱をグローブ7へ伝導させる機能を有する。この詳細は後ほど説明する。
【0032】
なお、図2に示すように、ステム13にリード線49,51が挿通していることで、ステム13とリード線49,51とが一体化しているが、この一体化は、後述するステム13の形成工程においてなされるものである。
<回路ユニット>
回路ユニット15は、口金11を介して受電した商業電力を、LED3点灯用電力に変換する。回路ユニット15は、回路基板41と、回路基板41に実装された各種の電子部品43,45とから構成されている。
【0033】
回路ユニット15の回路構成としては、主に、商業電力(交流)を整流する整流回路と、整流された直流電力を平滑化する平滑回路が含まれる。本実施形態においては、整流回路はダイオードブリッジ45により、平滑回路はコンデンサ43により構成されている。ダイオードブリッジ45は回路基板41のグローブ7側の主面に実装されている。コンデンサ43は、回路基板41の口金11側の主面に実装され、口金11の内部に位置する。
【0034】
回路基板41は、ケース9の内部に係止構造を利用して固定される。具体的には、ケース9の内部の段差部9cに回路基板41の裏面の周縁部分が当接し、大径部9aの内面の係止部47により回路基板41の表面が係止されている。
係止部47は、周方向に間隔(例えば、等間隔である。)をおいて複数個(例えば4個である。)形成されている。係止部47は、段差部9cに近づくに従ってケース9の中心軸側に張り出す形状をし、係止部47と段差部9cとの距離は、回路基板41の厚みに相当する。
【0035】
なお、回路基板41(回路ユニット15)を装着する際には、回路ユニット15をケース9の大径部9a側から挿入し、回路基板41の下面(口金11側の面)が係止部47に到達すると、回路基板41をさらに押し込んで係止部47を通過させる。これにより、回路基板41が係止部47により係止され、回路ユニット15がケース9に装着される。
<支持部材>
図1〜3に示すように、ステム13の前方側の頂部には支持部材17が設けられている。支持部材17は、LEDモジュール5の支持具としての機能、LEDランプ100の発光時には放熱部材としての機能を併有する。
【0036】
支持部材17は、LEDモジュール5をグローブ7の中央位置で支持する。支持部材17は、棒状をし、上端部はLEDモジュール5に結合され、下端部は接着剤19によりステム13に取着されている。つまり、本実施形態における支持部材17は、その全体が、ステム13に取着される部分からグローブ7の内部へと延伸する延伸部となっている。
接着剤19としては、熱伝導性の高いものが望ましい。このようにすることで、LED3で発生した熱を、LEDモジュール5の実装基板21、支持部材17を介して、ステム13へ伝導するのを促進することが可能である。ステム13へ伝導した熱はグローブ7へ蓄熱され、グローブ7からLEDランプ100の外部へ放出される。熱伝導性の高い接着剤としては、例えば、セラミックス、セメント等の無機材料系の接着剤、放熱性シリコーン等の有機材料系の接着剤が挙げられる。
【0037】
上述したように、支持部材17の上端部とLEDモジュール5との結合は、係合構造を利用している。支持部材17の上面には凸部17aが形成されており、LEDモジュール5の実装基板21の略中央には、上述したように貫通孔25(図3)が形成されている。凸部17aの形状と貫通孔25の形状とは互いに対応しており、支持部材17の凸部17aが実装基板21の貫通孔25に挿入(嵌合)された状態で、凸部17aと貫通孔25との間に接着剤を充填することで、支持部材17とLEDモジュール5とが結合される。
【0038】
放熱部材としての機能は、具体的には、(1)LED3の点灯時に発生した熱であって、支持部材17に伝わってきた熱をグローブ7内に含まれるヘリウムガスや空気に伝導させる機能、(2)LED3の点灯時に発生した熱であって、支持部材17に伝わってきた熱をステム13に伝導させる機能である。
(1)の機能により、LEDモジュール5から直接、グローブ7内に含まれるヘリウムガスや空気に伝熱させる経路に加え、支持部材17を介してヘリウムガスや空気に伝熱させる経路を構成することが可能である。(2)後者の機能により、ステム13に伝導した熱は、グローブ7およびケース9に伝えられ、これらのグローブ7およびケース9から放熱が行われる。このように、支持部材17は放熱部材としての機能も有しているため、支持部材17を構成する材料としては、熱伝導性の良好な材料が望ましく、具体的には、金属、樹脂等である。支持部材17を、例えばアルミニウムで構成すると、LEDランプ100の軽量化も図ることができる。
【0039】
上述したように、支持部材17は接着剤19によりステム13に取着されている。これにより、本実施形態のように、支持部材17を構成する材料とステム13を構成する材料が異なる場合であっても、ステム13に対し支持部材17を密着性良く固着することが可能である。また、本実施形態のように、支持部材17の下端面およびステム13のステムヘッド13b(図2,3)の両方が平坦な面でない場合の固着にも対応することができる。
【0040】
さらに、接着剤を用いることにより、LEDランプ100の製造工程において、ステム13に支持部材17を固定する際の位置決めが容易になる。この結果、LEDモジュール5の発光中心をランプ軸J上に精度良く位置させることができるように、支持部材17をステム13に固定することが可能である。
上述したように、本実施形態においては、LEDモジュール5の実装基板21を透光性材料により構成することで、後方へもLEDモジュール5からの光を出射させることが可能となっている。このため、本実施形態の支持部材17は、LED3(LEDモジュール5)から後方へ発せられた光を遮らないように、なるべく棒状に近い形状をしている。
【0041】
つまり、支持部材17の中間領域は、断面が円形状をした円柱部17bとなっている。支持部材17の上側領域は、矩形状の実装基板21の短手方向に偏平な(短手方向に厚みが薄い)形状をした偏平部17cとなっている。これにより、支持部材17の偏平部17cにおいては、LEDモジュール5を安定に保持しつつ、円柱部17bにおいては、LED3から後方へと発せられた光をなるべく遮らないような構成としている。
【0042】
[3.製造方法]
本実施形態に係るLEDランプ100の製造方法の一例について、図2,3も併せて参照しながら、図5〜8に基づいて説明する。
図5は、リード線49,51が挿通されるとともに、排気口61(図3)とそれに連続する排気管を有するステム13を形成する方法を示す断面図である。図5(a)’〜(c)’は、図1におけるB−B’線矢視断面図に相当する。また、図5(a)は図5(a)’におけるD−D’線矢視断面図に、図5(b)は図5(b)’におけるD−D’線矢視断面図に、図5(c)は図5(c)’におけるD−D’線矢視断面図にそれぞれ相当する。
【0043】
まず、図5(a),(a)’に示すように、ステム13(図2,3)の基となるフレア管69の内側に、2本のリード線49,51を挿通する。さらに、図5(a)’に示すように、細管67を、フレア管69の中心軸(LEDランプ100完成後におけるランプ軸Jに相当する。)よりもやや壁面側に位置するように配置する。
次に、図5(a),(a)’に示すように、フレア管69の上方側(LEDランプ100の前方側)の端部をバーナー65で加熱溶融する。これにより、溶融したフレア管69の上部が細管67の上端部に溶着する。この結果、図5(b),(b)’に示すような、リード線49,51が挿通されるとともに、細管67の上端部が溶着されてなる、フレア状部材71を得る。
【0044】
続いて、フレア状部材71における細管67が溶着された部位をバーナー65で加熱する(図5(b),(b)’)。フレア状部材71における細管67が溶着された部位が軟化した状態で、細管67からこの部位に空気を吹き込むことにより、細管67に所定の内圧を加える。すると、フレア状部材71における細管67が溶着された部位に圧力が加わることにより、排気口61が形成される(図5(c),(c)’)。これと同時に、排気口61に連続する排気管63も形成される。なお、細管67に吹き込む気体は、空気に限られず、窒素ガス等であってもよい。
【0045】
以上の工程を経ることで、リード線49,51が挿通されるとともに、排気口61とそれに連続する排気管63を有するステム13が完成する。
図6〜8は、リード線49,51が挿通されたステム13に、グローブ7、ケース9、口金11を取着することによりLEDランプ100が完成するまでの、各製造工程を示す概略斜視図である。
【0046】
まず、図6(a)に示すように、リード線49,51の先端49a,51aを実装基板21の貫通孔26(図4)に挿通できるように、予めリード線49,51を所定の角度に曲げておく。次に、ステム13のステムヘッド13bに接着剤19を塗布し、支持部材17をステム13と固着させる(図6(b))。
次に、支持部材17の先端部に、LEDモジュール5を取着する(図6(c))。ここでは、支持部材17の先端部に形成された凸部17aを、実装基板21に形成された貫通孔25(図4)に挿通させる。さらに、リード線49,51の先端49a,51aを、実装基板21に形成された貫通孔26(図4)に挿通させる。リード線49,51の先端49a,51aを貫通孔26に挿通させた状態で、先端49a,51aと貫通孔26の周辺に半田24を塗布する。これにより、リード線49,51の一端は、それぞれ、実装基板21の配線パターン22の給電端子22a,22b(図4)と接続される。
【0047】
以上の工程を経ることでマウント55が完成する(図6(c))。ここでの「マウント」とは、ステム13、接着剤19、支持部材17、リード線49,51、LEDモジュール5からなる構造体を指す。
続いて、マウント55の外側に、グローブ7の基となるガラス製のグローブ用部材73を被せる。その後、図6(d)に示すように、グローブ用部材73の筒状部73a(グローブ7の筒状部7b(図1)となる部分である。)における、ステム13の下端部と接触する部分をバーナー65で加熱する。すると、図7(a)に示すように、グローブ用部材73の筒状部73aとステム13の下端部とが溶着されるとともに、筒状部73aにおけるステム13と溶着された部分よりも下側の部分73b(下端部73b)が切り取られる。この結果、グローブ7およびバルブ(ステム13により開口が塞がれたグローブ7)が形成される(図7(a))。
【0048】
次に、図7(b)に示すように、バルブの内部75内に存在する空気等の不純物ガスを、排気管63ならびに排気口61を介して排気する。このとき、バルブの内部75に存在する空気等の不純物ガスを全て排気する必要はなく、バルブの内部75内に多少の不純物ガスが残留していてもよい。
そして、図7(c)に示すように、排気管63ならびに排気口61を介して、バルブの内部75にヘリウムガスを封入する。このとき、バルブの内部75に充填されるヘリウムガスの圧力は、大気圧と略同じか、若しくは、大気圧に比べて若干高圧となる。
【0049】
次に、図8(a)に示すように、排気管63の一部をバーナー65で加熱することにより、排気管63を封じ切る。そうすると、図8(b)に示すように、排気管封止部59が形成され、バルブの内部75が封止される。
続いて、図8(b)に示すように、リード線49,51それぞれの他端(実装基板21における給電端子22a,22b(図4)に接続される一端とは反対側の端部)を回路ユニット15の電力出力部に接続する。また、リード線33の一端を、ケース9における小径部9bの溝9dに配置し、リード線33の他端を、回路ユニット15の電力入力部に接続する。さらに、リード線35の一端を口金11のアイレット部31に接続し、リード線35の他端を、回路ユニット15の電力入力部に接続する。
【0050】
そして、口金11をケース9の小径部9bに螺着するとともに、グローブ7をケース9の大径部9aの内側に嵌合させる。この後、大径部9aとグローブ7とを接着剤(図2,3における接着剤57に相当)で固着することにより、LEDランプ100の組み立てが完了する(図8(c))。
なお、図6(d)および図8(a)において、バーナー65で加熱部分とLEDモジュール5との距離が短い、具体的には、両者の距離が2〜3[cm]以内である場合には、バーナー65の熱によるLEDモジュール5への熱負荷を低減するため、遮熱板を設けることが望ましい。
【0051】
<変形例>
ステムとグローブ用部材を接合する方法について、図6,7においては、いわゆるドロップシール方式について説明した。本実施形態においては、ドロップシール方式に限られず、いわゆるバットシール方式によってもステムとグローブ用部材を接合することが可能である。
【0052】
図9は、バットシール方式に基づき、ステムとグローブ用部材を接合する工程を示す概略斜視図である。
まず、図9(a)に示すように、グローブ用部材73Aを準備する。バットシール方式で用いるグローブ用部材73Aは、ドロップシール方式において用いるグローブ用部材73と比較して、筒状部73aに相当する部分の長さが短い。次に、準備したグローブ用部材73Aの後方側の端部77をバーナー65で溶融させる。
【0053】
そして、図9(b)に示すように、端部77が溶融したグローブ用部材73Aを、マウント55のステム13と接合させる。さらに、ステム13と接合した端部77をバーナー65でさらに溶融させ、ステム13と端部77とを溶着させる。これにより、開口がステム13により閉塞されたグローブ7A(バルブ)が形成される(図9(c))。
[4.配光特性]
本実施形態に係るLEDランプ100では、グローブ7内であって、白熱電球の光源(フィラメント)位置に対応した位置(例えば略同じ位置である。)にLEDモジュール5を設けている。これにより、LEDランプ100を従来の白熱電球用の反射鏡つきの照明器具に装着しても、反射鏡の焦点位置にLEDモジュール5が配されることとなり、白熱電球を装着した際の配光特性と近い特性を得ることができる。
【0054】
また、LEDモジュール5は透光性の実装基板21を用いて構成されているため、LED3から後方に発せられた光は実装基板21を通過してグローブ7から外部へと出射される。
LEDモジュール5を支持している支持部材17を細長い棒状にすることで、LED3から後方へと発せられた光が支持部材17により遮られるのを少なくできる。
【0055】
支持部材17を透光性の材料により構成することで、支持部材17に達した光は、そのまま通過し、グローブの内面にまで達した光は外部へと出射される。
[5.放熱経路]
本実施形態に係るLEDランプ100は、発光時の熱を複数経路から放出している。ここでの発光時の熱には、LED3から発生した熱と、回路ユニット15から発生した熱とがある。
【0056】
(1)LEDで発生した熱
LED3で発生した熱が、伝導によりLEDランプ100の外部へ放熱される場合、考えられる放熱経路は以下の3つである。
(a)1つ目は、LED3から、バルブ内に含まれるヘリウムガスを介して、グローブ7へ伝導する経路である。ヘリウムガスは空気よりも熱伝導性が高いため、グローブ7内にヘリウムガスが含まれていない場合と比較して、効率良くグローブ7へ熱を伝導させることが可能である。グローブ7に蓄積した熱は、グローブ7の外面からLEDランプの外部へ放出される。
【0057】
(b)2つ目は、LEDモジュール5の実装基板21、支持部材17、ヘリウムガスを介して、グローブ7へ伝導する経路である。LEDランプ100が支持部材17を備えていることにより、LEDモジュール5から直接ヘリウムガスへ伝導する経路だけでなく、支持部材17からもヘリウムガスへの熱伝導を行うことが可能である。支持部材17が金属材料等の熱伝導性の良好な材料で形成されている場合には、この経路でグローブ7へ伝導する熱量をより増大させることが可能である。
【0058】
(c)3つ目は、LEDモジュール5の実装基板21、支持部材17、ステム13へと伝わる経路である。ステム13に伝わった熱の一部はケース9に伝わるが、本実施形態においては、ステム13がグローブ7と一体的に成形されているため、ステム13に伝わった熱がグローブ7に伝導しやすい構造となっている。ケース9に伝わった熱は、一部がケース9から外部へと伝熱・対流・輻射作用により放出し、残りの熱が口金11から照明器具側のソケットへと伝わる。なお、接着剤19として熱伝導性の高いものを選択することで、この経路による放熱量増加を図ることができる。
【0059】
さらに、上記(a),(b),(c)いずれの場合においても、本実施形態に係るLEDランプ100では、グローブ7を白熱電球のバルブに似た大きさ・形状としている。このため、グローブ7の包絡体積が大きくなり、グローブ7の熱をより多く放出することができる。
(2)回路ユニットで発生した熱
回路ユニット15から発生した熱は、伝熱、対流、輻射によりケース9に伝わる。ケース9に伝わった熱の一部がケース9から外部へと伝熱・対流・輻射作用により放出し、残りの熱が口金11から照明器具側のソケットへと伝わる。
【0060】
(3)回路ユニットへの熱負荷
本実施形態に係るLEDランプ100では、グローブ7を白熱電球のバルブに似た大きさ・形状とし、グローブ7の略中心位置にLEDモジュール5を備えている。このため、LEDモジュール5と回路ユニット15との間の距離が大きくなり、回路ユニット15がLED3から受ける熱負荷を削減することができる。これにより、例えば、ケース9の大きさを小さくすることができ、逆にグローブ7を大きくすることができる。
【0061】
本実施形態に係るLEDランプ100では、グローブ7を白熱電球のバルブに似た大きさ・形状とし、グローブ7の略中心位置にLEDモジュール5を備えている。このため、LEDモジュール5とケース9との間の距離が大きくなり、LED3から受ける熱であってケース9に蓄積する熱量を少なくできる。
(4)特許文献1〜3との比較
以上説明したように、本実施形態においては、包絡体積の大きいグローブを有効に利用して、LED発光時の熱をLEDランプの外部へ放出させることとしている。
【0062】
ここで、特許文献1〜3においては、LEDと口金との間に存在する、LEDを点灯させるための回路を収容するケース(特許文献1における「発光ダイオード支持体」、特許文献2,3における「ギア柱」または「gear column」)を介して、LED発光時の熱を口金へ逃がす構成が開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3に開示されているLEDランプを高輝度化しようとする場合、ケースの大型化を招くという問題がある。具体的に説明すると、ランプの輝度を向上させるためにはLEDへの投入電流を増大させる必要があるが、そうした場合、LEDからの発熱量が増えるため、ケース自体の温度が上昇してしまう。この結果、ケース内に格納されている回路への熱負荷が増大してしまう。この熱を効率良く放熱させるには、ケースを大型化して包絡体積を大きくしたり、放熱フィンを設けたりする必要がある。したがって、特許文献1〜3に記載の構成によっては、ケースの大型化を招くことなく、輝度向上を図ることは困難である。
【0063】
一方、本実施形態のLEDランプ100においては、ケースよりも包絡体積の大きいグローブから積極的に放熱を行なわせる構成としている。したがって、LEDを高輝度化させた場合であっても、ケース内に格納されている回路ユニットへの熱負荷を抑制することが可能であるため、ケースの大型化という問題は招来しない。さらに、本実施形態のLEDランプ100においては、ケースが樹脂材料で形成されている。したがって、特許文献1〜3のようにケースを金属製とした場合と比較して、LEDランプの軽量化を図ることが可能である。
【0064】
[6.LEDの位置]
本実施形態では、グローブ7内におけるLED3の位置を白熱電球のフィラメント位置に対応させている。具体的に説明すると、グローブ7は、白熱電球に近い形状(Aタイプ)をし、球状部7aと筒状部7bとを有している。LED3(LEDモジュール5)は、グローブ7が白熱電球に対応したAタイプの場合、球状部7aの中心位置に配されている。
【0065】
この位置は、グローブ7を基準とすると、球状部7aの中心位置となるが、この位置は、口金11の先端(アイレット部31の端)からの距離が、白熱電球における口金の先端からフィラメントまでの距離と略等しい。
[7.その他]
本実施形態では、LEDモジュール5をグローブ7内に格納し、グローブ7を白熱電球と同等な大きさにしているため、LEDランプ100の全体形状が白熱電球に類似する形状となっている。これにより、白熱電球を利用していた従来の照明器具へのLEDランプ100の装着適合率を略100[%]にすることができる。
【0066】
≪第2の実施形態≫
図10は、第2の実施形態に係るLEDランプ200の構造を示す斜視図である。図11は、図10に示すLEDランプ200のE−E’線矢視断面図である。なお、図10,11において、第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態におけるLEDランプ200において、第1の実施形態に係るLEDランプ100と相違する点は、支持部材83、ステム85、LEDモジュール81の構成である。
【0067】
具体的に説明すると、図11に示すように、支持部材83を中空の部材とし、支持部材83の内部にリード線49,51を挿通させる構成とした。支持部材83は、図11に示すように、第1の実施形態における支持部材17の外観形状をそのままに、中空構造としたものである。したがって、支持部材83は、第1の実施形態における支持部材17と同様に円柱部83bと偏平部83cを有する。
【0068】
なお、支持部材83の内部にリード線49,51を挿通させたのに伴って、ステム85におけるリード線49,51が挿通する位置がランプ軸J側に寄っている。また、リード線49,51が支持部材83の内部に収容されたのに伴って、リード線49,51と実装基板91を接続する半田87の位置がランプ軸J側に寄った構成となっている。
図11に示すように、ステム85とグローブ7は一体的に成形されているため、ステム85とグローブ7との界面は、密に封止されている。
【0069】
支持部材83とLEDモジュール81との固着には、接着剤89が用いられている。接着剤89としては、例えば、上記の接着剤19で挙げたものを用いることができる。
本実施形態においては、リード線49,51が支持部材83の内部に収容されている。したがって、第1の実施形態と比較して、LEDモジュール81から発せられた光のうち、後方へ発せられた光をより遮らないような構成となっている。
【0070】
≪第3の実施形態≫
図12は、第3の実施形態に係るLEDランプ300の構造を示す斜視図である。図13は、図12に示すLEDランプ300のF−F’線矢視断面図であり、図14は、図12に示すLEDランプ300のG−G’線矢視断面図である。なお、図12〜14において、第1,第2の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0071】
本実施形態におけるLEDランプ300において、第2の実施形態に係るLEDランプ200と相違する点は、支持部材99、ステム101の構成である。
本実施形態の支持部材99は、第2の実施形態における支持部材83と同様に、円柱部99bと偏平部99cを有する。しかし、本実施形態の支持部材99では、その下側領域が、ステム101に近づくに従って拡径する裁頭円錐状をした脚部99dとなっている。図13,14に示すように、支持部材99の脚部99dは、ステム101のステムヘッド(基台の頂部)101bを覆っている。また、支持部材99の脚部99dが、接着剤103によりステムヘッド101bと固着されている。
【0072】
このような構成により、支持部材99とステム101との密着性を高めることができるので、LEDモジュール81を安定に支持することが可能である。この結果、例えば、LEDランプの使用時や搬送時等に、LEDモジュールの発光中心がランプ軸Jからずれることを防止することができる。
さらに、支持部材99が脚部99dを有することにより、LEDモジュール81から後方へと発せられた光であって支持部材99の下端部に達した光を反射され易くすることが可能である。
【0073】
また、ステム101のステムヘッド101bを覆うように支持部材99の脚部99dを設けたことに伴い、図12,14に示すように、ステム101における排気口61および排気管封止部59が、ランプ軸Jとは反対側に寄った構成となっている。
なお、図13,14に示すように、ステム101とグローブ7は一体的に成形されているため、ステム101とグローブ7との界面は、密に封止されている。
【0074】
≪第4の実施形態≫
図15は、第4の実施形態に係るLEDランプ400の構造を示す斜視図である。図16は、図15に示すLEDランプ400のH−H’線矢視断面図であり、図17は、図15に示すLEDランプ400のI−I’線矢視断面図である。なお、図15〜17において、第1〜第3の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0075】
本実施形態におけるLEDランプ400において、第1の実施形態に係るLEDランプ100と相違する点は、ステム111の構成である。具体的には、ステム111はドーム形状をしており、ランプ軸Jと交差する付近に凹部111aを有する形状である。この凹部111aにおいて、支持部材17とステム111とが接着剤19により固着される。このような構成にすることで、第1の実施形態のように凸状のステムヘッドに支持部材が固着されている場合と比較して、安定にLEDモジュールをグローブ内に支持することが可能である。
【0076】
なお、図16,17に示すように、ステム111とグローブ7は一体的に成形されているため、ステム111とグローブ7との界面は、密に封止されている。
≪第5の実施形態≫
図18は、第5の実施形態に係るLEDランプ500の構造を示す斜視図である。図19は、図18に示すLEDランプ500のK−K’線矢視断面図である。なお、図18,19において、第1〜第4の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0077】
本実施形態におけるLEDランプ500において、第1の実施形態に係るLEDランプ100と相違する点は、ステム115の構成である。
具体的には、図19に示すように、本実施形態におけるステム115は、円板状の円板部115aと、円板部115aの中心部に位置する円柱状の円柱部115bを有する。また、ステム115における円板部115aの周縁部とグローブ7とは一体的に成形されているため、ステム115とグローブ7との界面は、密に封止されている。
【0078】
LEDランプ500の製造工程において、バルブ内の排気およびヘリウムガス封入を行う排気口119は、図19に示すように、円柱部115bの前方側端面における、ランプ軸Jと交差する部分付近に形成されている。また、同じく排気およびヘリウムガス封入を行う排気管と、その残部である排気管封止部117は、円柱部115bの内部にて略ランプ軸Jに沿って形成されている。
【0079】
支持部材17とステム115との固着は、円柱部115bの前方側端面において接着剤19によりなされる。接着剤を用いる場合、排気口119が存在することによる、円柱部115bにおける凹凸の影響を受けることなく、支持部材17とステム115とを安定に固着することができる。また、接着剤19として熱伝導性の高い材料を用いることで、LED発光時の熱を、支持部材17を介して効率良くステム115およびグローブ7に伝えることが可能である。
【0080】
さらに、本実施形態におけるステム115は、第1〜第4の実施形態に係るステムと比較して、ステムを構成するガラス材料が少ないため、軽量である。したがって、本実施形態の構成によれば、LEDランプを軽量化することが可能である。
なお、図18,19においては、円柱部115bに排気口119および排気管封止部117が形成されていることとしたが、これに限られない。円板部115aに排気口および排気管封止部が形成されている構成とすることもできる。
【0081】
≪第6の実施形態≫
図20は、第6の実施形態に係るLEDランプ600の構造を示す斜視図である。図21は、図20に示すLEDランプ600のL−L’線矢視断面図である。なお、図20,21において、第1〜第5の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0082】
本実施形態におけるLEDランプ600において、第1の実施形態に係るLEDランプ100と相違する点は、ステム147の構成である。
具体的には、図21に示すように、本実施形態におけるステム147は、グローブ7の端部と連続する肉薄部147aと、肉薄部147aよりもランプ軸J側に位置する肉厚部147bとを有する。また、ステム147における肉薄部147aの周縁部とグローブ7とは一体的に成形されているため、ステム147とグローブ7との界面は、密に封止されている。
【0083】
LEDランプ600の製造工程において、バルブ内の排気およびヘリウムガス封入を行う排気口151は、図21に示すように、肉厚部147bの前方側端面における、ランプ軸Jと交差する部分付近に形成されている。さらに、同じく排気およびヘリウムガス封入を行う排気管は、肉厚部147bの内部にて略ランプ軸Jに沿って形成されており、排気管の残部である排気管封止部149は、肉厚部147bの後方側であってランプ軸Jに沿って形成されている。
【0084】
支持部材17とステム147との固着は、肉厚部147bの前方側端面において接着剤19によりなされる。接着剤を用いる場合、排気口151が存在することによる、肉厚部147bにおける凹凸の影響を受けることなく、支持部材17とステム147とを安定に固着することができる。また、接着剤19として熱伝導性の高い材料を用いることで、LED発光時の熱を、支持部材17を介して効率良くステム147およびグローブ7に伝えることが可能である。
【0085】
本実施形態におけるステム115は、第1〜第5の実施形態に係るステムと比較して、ステムを構成するガラス材料が少ないため、軽量である。したがって、本実施形態の構成によれば、LEDランプを軽量化することが可能である。さらに、本実施形態のステム147は、第1〜第5の実施形態に係るステムと比較して、ランプ軸J方向に沿った厚みが薄いため、ステム147とLEDモジュール5との距離が長い。よって、LEDランプ製造工程における図6(d)、図8(a)に示す工程において、バーナー65の熱によりLEDモジュール5が受ける熱負荷を低減することが可能である。
【0086】
なお、図20,21においては、肉厚部147bに排気口151および排気管封止部149が形成されていることとしたが、肉薄部147aにこれらが形成されていることとしてもよい。
≪第7の実施形態≫
第1〜第6の実施形態においては、ステム(基台)と支持部材が別部材で構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図22に示すように、ステム123と支持部材125が一体的に成形されていることとしてもよい。
【0087】
図22は、本実施形態に係るLEDランプ700の構造を示す斜視図である。図23は、図22に示すLEDランプ700のM−M’線矢視断面図である。なお、図22,23において、第1〜第6の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態に係るLEDランプ700の特徴部分は、上述したように、ステム123と支持部材125が一体的に成形されている点である。すなわち、本実施形態に係るLEDランプ700は、支持部材125はステム123と同一の材料、すなわちガラス材料で形成されている。本実施形態では、ガラス材料で形成された支持部材125の前方側端面に直接、LEDモジュール133が取り付けられている。
【0088】
図23に示すように、ステム123とグローブ7も一体的に成形されているため、ステム123とグローブ7との界面は、密に封止されている。また、LEDランプ700の製造工程において、バルブ内の排気およびヘリウムガス封入を行う排気口131は、図23に示すように、支持部材125における前方側端部に形成されている。さらに、同じく排気およびヘリウムガス封入を行う排気管は、支持部材125の内部にて略ランプ軸Jに沿って形成されており、排気管の残部である排気管封止部129は、ステム123の後方側であってランプ軸Jに沿って形成されている。
【0089】
図22,23に示すように、支持部材125とLEDモジュール133の実装基板135とは、接着剤121により固着されている。接着剤121としては、例えば、上記の接着剤19で挙げたものを用いることができる。接着剤を用いる場合、排気口131が存在することによる、支持部材125の前方側端部における凹凸の影響を受けることなく、支持部材125とLEDモジュール133とを安定に固着することができる。また、接着剤121として熱伝導性の高い材料を用いることで、LED発光時の熱を効率良く支持部材125、ステム123およびグローブ7に伝えることが可能である。
【0090】
さらに、本実施形態においては、ステム123と支持部材125が一体的に成形されているため、第1〜第6の実施形態と比較して、LEDランプを構成する部品数が少ない。したがって、LEDランプを製造する際の製造工程数を削減することが可能である。
なお、本実施形態のように、ステム123と支持部材125とが一体的に成形されている場合、リード線49,51が支持部材の内部を通って配線されるようにステムと支持部材と共に一体成形されてもよい。この場合、給電端子22a,22bを実装基板の中央部に設けてもよい。
【0091】
≪第8の実施形態≫
第1〜第7の実施形態におけるLEDランプは、一般白熱電球を代替とすることを1つの目的としているが、本発明に係るLEDランプは、他の電球にも適用できる。本実施形態では、バルブ内に、例えばアルミ蒸着層を備える電球、所謂、レフ電球に適応したLEDランプ800について説明する。
【0092】
図24は、第8の実施形態に係るLEDランプ800の構造を示す断面図である。なお、図24において、第1〜第7の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態におけるLEDランプ800において、第1の実施形態に係るLEDランプ100と相違する点は、グローブ105の構成である。
【0093】
グローブ105は中空状をしている。グローブ105は、フラスコの底を膨出させたような形状をしている。つまり、グローブ105は、所謂、Rタイプである。
グローブ105は、フラスコ状部105bと筒状部105cとを有する。グローブ105は、ステム13と一体的に成形されており、ステム13におけるグローブ105側と反対側の端部13aは、ケース9の大径部9aで覆われている。図24における右下の拡大図に示すように、ステム13の端部13aがケース9の大径部9aの開口へ挿入された状態で、接着剤141により固着されている。
【0094】
グローブ105は、その内面に反射層127を有している。反射層127は、LEDモジュール5から後方へと発せられた光を所定方向(例えば、前方である。)に反射する機能を有する。反射層127は、例えばアルミニウム等の金属材料を真空蒸着することで得られるほか、白色塗料を塗布することでも得られる。
第1の実施形態と同様に、本実施形態においても、バルブ内にはヘリウムガスが封入されている。したがって、本実施形態では、第1の実施形態で述べたものと同様の効果を、レフ電球で得ることが可能である。
【0095】
なお、本実施形態においては、第1実施形態に係るLEDランプ100をレフ電球に適用した例について説明した。第1の実施形態に限られず、第2〜第7の実施形態に係るLEDランプをレフ電球に適用することも、もちろん可能である。この場合、第2〜第7の実施形態で述べたものと同等の効果を、レフ電球にて得ることができる。
≪第9の実施形態≫
本発明は、第1〜第8実施形態で説明したLEDランプ100〜800を利用した照明装置にも適用できる。
【0096】
背景技術で説明したLEDランプは、ケースを放熱部材としているため、ケースが大型化している。この場合、LEDの配置位置が、白熱電球におけるフィラメント位置よりも口金から遠くなる。つまり、LEDランプ全体におけるLEDの配置位置(口金から距離)が、白熱電球全体におけるフィラメントの位置(口金からの距離)と異なることになる。
【0097】
このようなLEDランプを、白熱電球が装着されていた照明器具であって反射鏡を有するもの、例えばダウンライトに使用すると、被照射面に円環状の影が発生する等の問題が生じる。つまり、従来の白熱電球と光源位置が相違することにより、配光特性等に不具合が生じるのである。
本実施形態では、一例として、第1の実施形態に係るLEDランプ100を照明器具(ダウンライトタイプである。)に装着する場合について説明する。
【0098】
図25は、本発明に係る照明装置の概略図である。
照明装置201は、例えば、天井202に装着されて使用される。
照明装置201は、図25に示すように、LEDランプ(例えば、第1の実施形態で説明したLEDランプ100である。)と、LEDランプ100を装着して点灯・消灯をさせる照明器具203とを備える。
【0099】
照明器具203は、例えば、天井202に取着される器具本体205と、器具本体205に装着され且つLEDランプ100を覆うカバー207とを備える。カバー207は、ここでは開口型であり、LEDランプ100から出射された光を所定方向(ここでは下方である。)に反射させる反射膜211を内面に有している。
器具本体205には、LEDランプ100の口金11が取着(螺着)されるソケット209を備え、このソケット209を介してLEDランプ100に給電される。
【0100】
本実施形態では、照明器具203に装着されるLEDランプ100のLED3(LEDモジュール5)の配置位置が白熱電球のフィラメントの配置位置に近いため、LEDランプ100における発光中心と、白熱電球における発光中心とが近いものとなる。
このため、白熱電球が装着されていた照明器具にLEDランプ100を装着しても、ランプとしての発光中心の位置が似ているため、被照射面に円環状の影が発生する等の問題が生じ難くなる。
【0101】
なお、ここでの照明器具は、一例であり、例えば、開口型のカバー207を有さずに、閉塞型のカバーを有するものであっても良いし、LEDランプが横を向くような姿勢(ランプの中心軸が水平となるような姿勢)や傾斜する姿勢(ランプの中心軸が照明器具の中心軸に対して傾斜する姿勢)で点灯させるような照明器具でも良い。
また、照明装置は、天井や壁に接触する状態で照明器具が装着される直付タイプであったが、天井や壁に埋め込まれた状態で照明器具が装着される埋込タイプであっても良いし、照明器具の電気ケーブルにより天井から吊り下げられる吊下タイプ等であっても良い。
【0102】
さらに、ここでは、照明器具は、装着される1つのLEDランプを点灯させているが、複数、例えば、3個のLEDランプが装着されるようにものであっても良い。
なお、後述する変形例に係るLEDランプを、本実施形態にかかる照明装置のLEDランプとして用いることも可能である。
≪変形例・その他≫
以上、本発明の構成を第1から第9の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態等に限られない。例えば、以下のような変形例等を挙げることができる。
【0103】
(1)上記の実施形態においては、製造工程においてバルブ内の排気、ヘリウムガス封入を行う排気口および排気管が、ステムに形成されている構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、グローブに形成されていることとしてもよい。
図26(a)は、本変形例の第1例に係るLEDランプ900Aの構造を示す一部断面図である。LEDランプ900Aでは、排気口ならびに排気管の残部である排気管封止部137が、グローブ143における筒状部143bに形成されている。また、図26(b)は、本変形例の第2例に係るLEDランプ900Bの構造を示す一部断面図である。LEDランプ900Bでは、排気口ならびに排気管の残部である排気管封止部139が、グローブ145における球状部145aに形成されている。
【0104】
このような構成によっても、ヘリウム封入後における、バルブ内を密に封止することが可能である。
(2)図27は、本変形例に係るLEDランプ1000の構造を示す一部破断斜視図である。LEDランプ1000では、第1の実施形態に係るLEDランプ100に対して2つの変形が加えられている。
【0105】
1つ目の変形は、LEDモジュールの形状である。第1の実施形態に係るLEDランプ100(図1)では、LEDモジュール5の実装基板21の形状が矩形であった。一方、本変形例に係るLEDランプ1000では、LEDモジュール303の実装基板311は、円板状である。また、本変形例のLEDモジュール303では、実装基板311上に複数のLEDが円環状に実装されており、これに伴って、LEDを覆う封止体313も平面視において円環状をしている。なお、ここでの複数のLEDは、第1の実施形態で説明したLED3と同じ構成であるが、別の構成、例えば、発光色、出力(輝度)が異なるようなものでも良い。
【0106】
封止体313は透光性材料からなる。LEDが第1の実施形態と同じ色の光を発するため、第1の実施形態と同様に、LEDからの光の波長を所望(黄色)に変換する変換材料が透光性材料に混入されている。なお、封止体313は、平面視で円環状をしているが、例えば、ドーム状(円形状)であっても良い。
また、リード線49,51におけるLEDモジュール303側の端部は、実装基板311の貫通孔を下から上へと挿通して、実装基板311の上面で半田24により固定されると共に電気的に配線パターンと接続される。
【0107】
2つ目の変形は、グローブの内壁に設けられた高熱伝導層である。具体的に説明すると、本変形例に係るLEDランプ1000では、グローブ305の内壁前面に、グローブ7を構成している材料およびヘリウムガスよりも熱伝導性の高い材料で構成された高熱伝導層315が形成されている。高熱伝導層315は、透光性を有する樹脂材料、金属材料等により構成されている。透光性を有する金属材料としては、例えば、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化錫(SnO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)等がある。
【0108】
第1の実施形態の[5.放熱経路](1)(1−1)で述べたように、LEDで発生した熱が伝導によって放熱される経路は3通りある。すなわち、(a)LEDからヘリウムガスを介してグローブへ伝導する経路、(b)LEDから実装基板、支持部材、ヘリウムガスを介して、グローブへ伝導する経路、(c)LEDから実装基板、支持部材、ステムを介してグローブへ伝導する経路である。このように、上記(a)〜(c)の放熱経路においては、ヘリウムガスまたはステムからグローブへ伝導される経路が含まれる。
【0109】
本変形例では、グローブ305の内壁に高熱伝導層315が形成されている。これにより、ヘリウムガスとグローブ305との間、またはステムとグローブ305との間での熱の受け渡しを効率的に行うことが可能である。この結果、グローブ305からの放熱を促進させることができる。
なお、図27においては、グローブ305の内壁全面に高熱伝導層315が形成されていることとしたが、これに限定されず、内壁の一部のみに形成されていることとしてもよい。
【0110】
(3)図28は、本変形例に係るLEDランプ1100の構造を示す断面図である。第1の実施形態に係るLEDランプ100と相違する点は、ステム13の端部13aとケース9の大径部9aとの間に低熱伝導層321が形成されている点である(図28における右下の拡大図)。
具体的に、低熱伝導層321は、ケース9を構成する材料よりも熱伝導性の低い材料で形成されている。本変形例における低熱伝導層321は、ステム13の端部13aとケース9の大径部9aとを固着する接着剤としての役割も担っている。すなわち、本変形例における低熱伝導層321は、熱伝導性の低い接着剤である。熱伝導性の低い接着剤としては、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等がある。
【0111】
ステム13の端部13aとケース9の大径部9aとの間に低熱伝導層321が介在されていることで、LEDから支持部材17を介してステム13に伝導された熱が、ケース9へ伝わるのを抑制することが可能である。ケース9へ伝熱されるのを抑制することで、ケース9内部の温度上昇を抑えることができる。結果として、ケース9に格納されている回路ユニット15への熱負荷を軽減することが可能である。
【0112】
低熱伝導層321は、必ずしも接着剤の役割を有している必要はなく、最低限、ケース9を構成する材料よりも熱伝導性の低い材料で構成されていれば、上記の効果を得ることができる。低熱伝導層321に接着剤としての役割を持たせない場合、低熱伝導層321に用いることが可能な材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等がある。
(4)図29は、本変形例に係るLEDランプ1200の構造を示す断面図である。第1の実施形態に係るLEDランプ100と相違する点は、グローブ325が樹脂材料で形成されており、グローブ325とステム13が一体的に成形されていない点である。
【0113】
グローブ325は、例えばシリコーン樹脂等の透光性を有する樹脂材料により形成されている。グローブ325と第1の実施形態におけるグローブ7とは、用いられている材料が異なるだけで、グローブ325の形状は第1の実施形態におけるグローブ7と略同一である。すなわち、球状部325aと筒状部325bを有する。
グローブ325の下端部325cとステム13の端部13aとは、接着剤327で固着されており、これにより、バルブ内が密に封止される。接着剤327としては、例えば、上記の接着剤19で挙げたものを用いることができる。
【0114】
また、グローブ325の下端部325cとケース9の大径部9aとの間には、変形例(3)で述べた低熱伝導層321が介挿されている。よって、本変形例に係るLEDランプ1200においても、変形例(3)で述べたものと同様の効果を得ることができる。
グローブ325が樹脂材料で形成されていることにより、LEDランプの軽量化を図ることができる。さらに、グローブの耐衝撃性を向上させることが可能である。
【0115】
(5)上記の実施形態および変形例においては、いずれもステムがガラス材料で形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、樹脂材料でステムを形成することとしてもよい。
バルブ内を密に封止するためには、グローブと樹脂材料で形成されたステムとを接合する必要があるが、これには例えば、変形例(4)のような接着剤を用いることもできる。接着剤を用いる方法以外でも、グローブとステムとを封止膜で覆うことにより、バルブ内を封止することが可能である。
【0116】
図30は、グローブとステムとを覆う封止膜の形成方法の一例を説明するための図である。ここでは、グローブ,ステムともに樹脂材料で形成されていることとする。
まず、図30(a)に示すように、樹脂材料で形成されたグローブ325を、マウント331を覆うように被せる。ここでのマウント331は、図6(c)に示すマウント55におけるステム13を樹脂材料で形成されたステム333に変更したものである。
【0117】
次に、図30(b)に示すように、マウント331にグローブ325を被せてなる構造体に対し、ノズル335により封止膜材料337を全体にわたって吹き付ける。封止膜材料337としては、例えば、DLC(Diamond Like Carbon)コート材等を溶媒に分散させたものである。
そして、封止膜材料337中に含まれる溶媒を蒸発乾燥させることにより、DLCコート材等からなる封止膜339を形成することができる(図30(c))。特に図示しないが、このあと、ステム333で閉塞されたグローブ325内(バルブ内)の不純物ガスの排気およびヘリウムガス封入工程が続く。その後の工程は、第1の実施形態で述べたものと同様である。
【0118】
なお、図30においては、ノズル335で封止膜材料337を吹き付けることにより封止膜を形成したが、これは単なる一例である。この他の方法としては、例えば、封止膜材料337が入った浴に、マウント331にグローブ325を被せてなる構造体を浸した後、これを浴から取り出して溶媒を蒸発乾燥させる方法が考えられる。
また、図30においては、マウント331にグローブ325を被せてなる構造体の外側に封止膜339を形成する方法を示したが、ステム333で閉塞されたグローブ325の内側(バルブの内側)に封止膜を形成することも可能である。この場合、不純物ガスの排気、ヘリウムガスの封入を行う排気管および排気口から封止膜材料を注入することにより、グローブ325の内側に封止膜を形成することができる。
【0119】
さらに、グローブ325およびステム333を構成する樹脂材料が熱可塑性材料である場合には、ガラス材料の場合と同様の成形方法(図6,7,9)を採用することも可能である。
(6)LEDモジュール
(6−1)発光素子
上記の実施形態および変形例においては、LEDとしてLED素子を利用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、表面実装タイプや砲弾タイプのLEDを利用しても良い。
【0120】
また、上記の実施形態および変形例においては、発光素子としてLEDを利用する形態について説明したが、発光素子は、例えば、LD(レーザダイオード)やEL素子(エレクトリックルミネッセンス素子、有機及び無機を含む。)等であっても良い。また、LEDを含めて、これらを組合せて使用しても良い。
上記実施形態および変形例においては、LEDの発光色は青色光であり、蛍光体粒子は青色光を黄色光に変換するものを例にして説明したが、他の組合せであっても良い。他の組み合わせの一例として、白色を発光させる場合、LEDの発光色を紫外線光とし、蛍光体粒子として、赤色光へ変換する粒子、緑色光へ変換する粒子、青色光へ変換する粒子の3種類を用いることができる。
【0121】
さらに、LEDの発光色を、赤色発光、緑色発光、青色発光の3種類のLED素子を用いて、混色させて白色光としても良い。なお、発光部から発せられる光色は、いうまでもなく、白色に限定されるものでなく、用途によって種々のLED(素子、表面実装タイプを含む)や蛍光体粒子を利用することができる。
(6−2)実装基板
上記実施形態および変形例においては、LEDを実装する実装基板を透光性基板とし、実装基板の片面のみにLEDが実装されていることとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、実装基板を非透光性基板とし、実装基板の両面にLEDを実装することとしても、LEDからの光を後方側へ出射させることが可能である。また、実装基板として非透光性の基板を用いる場合、例えば、樹脂基板、セラミック基板、樹脂板と金属板とから成る金属ベース基板等、既存の絶縁基板を利用することができる。なお、後方に光を取り出す必要がない場合においても、実装基板を非透光性の基板とすることができる。
【0122】
また、上記実施形態および変形例においては、平面視形状が矩形状あるいは円形状をした実装基板を例にして説明したが、実装基板の平面視形状は特に限定するものではない。
さらに、各実施形態および各変形例においては、薄い板(上面の面積に比べて側面の面積が小さいもの)を例にして説明したが、例えば、厚肉の板を利用しても良いし、ブロック状のものを利用しても良い。
【0123】
なお、本明細書での実装基板は、形状、厚み、形態に関係なく、半導体発光素子(素子、表面実装タイプを含む)を実装すると共に半導体発光素子と電気的に接続するパターンを有したものを指している。従って、基板が、ブロック状をしていても良い。
(6−3)封止体
上記の実施形態では、封止体は、実装基板上に直線状に実装された複数のLEDを被覆していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、1つのLEDを1つの封止体で被覆しても良いし、変形例(2)(図27)のように、全てのLEDを1つの封止体で被覆することとしてもよい。
【0124】
また、上記の実施形態および変形例では、封止体内に蛍光体粒子を混入させていたが、例えば、グローブの内面に蛍光体粒子を含んだ蛍光体層を形成しても良く、さらには、封止体とは別に、LEDにおける光の出射方向に蛍光体粒子を含んだ蛍光板等の波長変換部材を設けても良い。ここで、蛍光体粒子は高温になると波長変換効率が低下する。したがって、蛍光体層をグローブの内面に形成することにより、LEDを封止している封止体内に蛍光体粒子を混入させた場合より、LED発光時の熱の影響を受け難く、蛍光体粒子の波長変換効率の低下を抑制することができる。
【0125】
(7)グローブ
第1〜第7の実施形態においてはAタイプのグローブを、第8の実施形態においてはRタイプのグローブをそれぞれ利用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、B,Gタイプのグローブ、または白熱電球のバルブ形状や電球形蛍光LEDランプのグローブ形状と全く異なる形状であっても良い。
【0126】
また、グローブは、内部が見えるように透明であっても良いし、内部が見えないように半透明であっても良い。半透明にする方法としては、例えば、内面に炭酸カルシウム、シリカや白色顔料等を主成分とする拡散層を施したり、内面を凹凸状にする処理(例えばブラスト処理)を施したりする方法がある。
また、グローブはガラス材料により構成されていたが、他の材料で構成することもできる。他の材料として、透光性の樹脂やセラミック等を用いてもよい。
【0127】
(8)ケース
上記の実施形態および変形例においては、ケースは樹脂材料により構成していたが、他の材料で構成することもできる。他の材料として金属材料を利用する場合には、口金との間の絶縁性を確保する必要がある。口金との間の絶縁性は、例えば、ケースの小径部の外周面に絶縁層を塗布したり、小径部に対して絶縁処理をしたりすることで確保できる。さらには、ケースのグローブ側を金属材料により構成し、ケースの口金側を樹脂材料により構成して、双方を結合することによっても確保できる。
【0128】
また、上記各実施形態および各変形例においては、ケースの表面については特に説明しなかったが、例えば、放熱フィンを設けても良いし、輻射率を向上させるための処理を施してもよい。
さらに、ケースは1つの部材から構成されていたが、複数の部材で構成することもできる。例えば、第1の実施形態に係るLEDランプ100における大径部に相当する大径部材と、小径部に相当する小径部材とを接着剤により接合したものであっても良い。この際、大径部材を金属で、小径部材を樹脂でそれぞれ構成しても良い。
【0129】
また、各実施形態および各変形例においては、ケース内部に空間があり、当該空間内部に回路ユニットが格納されていたが、例えば、前記空間に樹脂材料が充填されていてもよい。この場合、絶縁性および高い熱伝導性を有する樹脂を充填することにより、回路ユニットで発生した熱をケースにより効率よく伝熱することができ、回路ユニットに作用する熱負荷を低減することができる。
【0130】
上記実施形態においては、バルブの後方側の下端部がケースの大径部内周面に設けられた段差部上に載置されることによりバルブとケースとの位置決めが行われていたが、本発明はこれらに限られない。例えば、大径部内周面に段差部を備えない構成としてもよい。この場合、グローブの最頂部とアイレット部の最下端部との間のランプ軸Jに沿った長さ、即ち、LEDランプの全長が所定の長さとなるような位置において、接着剤等を用いてグローブとケースとが固着される。
【0131】
(9)口金
口金の形状について、上記の実施形態および変形例等では、エジソンタイプの口金を利用したが、他のタイプ、例えば、ピンタイプ(具体的にはGY、GX等のGタイプである。)を利用しても良い。
また、口金は、シェル部の雌ねじを利用してケースのネジ部分(小径部)に螺合させることで、ケースに装着(接合)されていたが、他の方法でケースと接合されても良い。他の方法としては、接着剤による接合、カシメによる接合、圧入による接合等があり、これらの方法を2つ以上組合せても良い。
【0132】
また、シェル部の半分以上がケースの筒状をした小径部のネジ部分に螺合していたが、小径部が実施形態よりも短いケースに装着されても良い。この場合、シェル部の内側に回路ユニットの電子部品が位置する場合もある。このような場合、シェル部内に絶縁性を有する樹脂が充填されてもよい。これにより、電子部品と口金との間の絶縁が確保されると共に、高い熱伝導性を有する樹脂を用いることにより電子部品で発生した熱を口金により効率よく伝熱することができる。
【0133】
(10)ステム
ステムの形状に関して、上記の実施形態で説明したもの以外の形状であってもよい。例えば、直方体、立方体等の多面体が考えられる。
(11)回路ユニット
回路基板がケース内部に固定的に収容される姿勢については、回路基板の主面がランプ軸Jと略直交する姿勢に限られない。例えば、回路基板が、ランプ軸Jと略平行になるような姿勢で収容されてもよいし、ランプ軸Jに対して所定の傾斜角を有する姿勢で収容されてもよい。
【0134】
また、回路基板は、円盤状に限られず、平面視形状が矩形や多角形、さらにはハート形等の不定形であってもよいし、フレキシブル基板等の可撓性の部材により形成され、曲げられた状態でケース内部に収容されてもよい。
また、回路基板がケース内部に固定される方法は、係止部による係止構造に限られず、例えば、ねじ止め、接着などより回路基板がケース内部に固定されてもよい。
【0135】
また、回路ユニットに、無線信号等に基づきLEDを点灯制御させるための回路が設けられていることとしてもよい。ここでの「点灯制御」には、例えば、点灯、消灯、調光、照明色変更等が含まれる。
(12)支持部材
上記の実施形態等では、支持部材の中間領域が円柱状、すなわちランプ軸Jに垂直な断面の形状が円状であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、三角形、または四角形以上の多角形等であってもよい。
【0136】
また、上記の実施形態等では、支持部材が棒状であったが、本発明はこれに限定されない。
図31は、変形例(12)の第1例に係るLEDランプ1300の構造を示す斜視図であり、図32は、図31に示すLEDランプ1300のN−N’線矢視断面図である。本変形例における支持部材341は、グローブを上方側、口金を下方側に配置してLEDランプ1300を見た場合に、円錐台形状となっている。図32に示すように、支持部材341の後方側の端部には凹部341aが形成されており、この凹部341aがステム101のステムヘッドを覆っている。凹部341aとステム101のステムヘッドの間には接着剤343が充填されており、これによりステム101と支持部材341とを安定的に固着することができる。また、支持部材341には、リード線49,51を挿通させるための貫通孔345が形成されている。
【0137】
さらに、支持部材341の表面は、例えば金属膜等からなる反射膜となっている。このようにすることで、LEDモジュール81からの光のうち、実装基板91を透過して後方側へ出射された光を反射させることが可能である。この結果、支持部材が存在することによる、LEDモジュール81からの出射光の損失を抑制することができる。
図33は、変形例(12)の第2例に係るLEDランプ1400の構造を示す斜視図であり、図34は、図33に示すLEDランプ1400のO−O’線矢視断面図である。本変形例における支持部材347は、グローブを上方側、口金を下方側に配置してLEDランプ1400を見た場合に、逆円錐台形状となっている。図34に示すように、支持部材347にはランプ軸Jに沿って貫通孔349が設けられており、この貫通孔349にリード線49,51が挿通される。
【0138】
このような構成とすることで、LEDモジュール81の実装基板91と支持部材との接触面積を増加させることができるので、より効率的に支持部材347から、ステム85、グローブ7へと伝熱させることができる。また、支持部材347と実装基板91との接触面積が大きいので、LEDモジュール81を安定的に支持することが可能である。
図35は、変形例(12)の第3例に係るLEDランプ1500の構造を示す斜視図である。本形例に係る支持部材353は、図33,34に示す支持部材347における中間領域に括れを持たせたような形状となっている。このような構成とすることで、図33,34に示すLEDランプ1400と同等の放熱性を維持しながら、支持部材の軽量化を図ることができる。
【0139】
図36は、変形例(12)の第4例に係るLEDランプ1600の構造を示す断面図であり、矩形状の実装基板21の短軸方向に沿った断面図(図3,14,17等に示す断面図と同じ断面である。)に相当する。本変形例における支持部材355は、実装基板21における封止体23が形成されている領域を避けるような形状となっている。このようにすることで、実装基板21における後方側の面から出射される光の損失を低減することができる。
【0140】
なお、図31〜36においては、リード線49,51がいずれも支持部材の内部に収容されている構成を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図1のように、リード線49,51を支持部材の外部に配置する構成とすることもできる。
(13)排気管および排気口の位置
LEDランプの製造工程において使用する排気口および排気管に関して、これらを設ける位置は、上記の実施形態および変形例(1)で説明した位置に限定されず、適宜変更可能である。例えば、第1の実施形態(図1)におけるステムヘッド13b付近であってもよい。
【0141】
(14)その他
(14−1)ステムと支持部材との接合に接着剤を用いることとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、嵌合構造、係合構造等を利用することも可能である。この場合、図6の(a)と(b)で示す工程の間に、ステムヘッド13bをバーナーで溶融することにより、ステムヘッド13bに、支持部材17における脚部と嵌合構造を形成することで実現できる。
【0142】
(14−2)上記の実施形態等では、口金やケースの内部が中空であることとしたが、本発明はこれに限定されない。口金やケースの内部を、例えば、伝導性が空気よりも高い絶縁性の材料を充填することとしても良い。このような材料としては、例えば、シリコーン樹脂等がある。また、ケース内に絶縁性の材料等を充填することにより、回路ユニット動作時の振動を抑制し、LEDランプから発せられる騒音を低減することが可能である。
【0143】
(14−3)上記の実施形態で使用している、材料、数値等は好ましい例を例示しているだけであり、この形態に限定されることはない。また、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。また、他の実施形態との組み合わせは、矛盾が生じない範囲で可能である。さらに、各図面における部材の縮尺は実際のものとは異なる。なお、数値範囲を示す際に用いる符号「〜」は、その両端の数値を含む。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明に係るランプは、例えば、白熱電球に代替する電球形LEDランプとして好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0145】
100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600 LEDランプ
3 LED
5、81、133、303 LEDモジュール
7、7A、105、143、145、305、325 グローブ
9 ケース
11 口金
13、85、101、111、115、123、147、333 ステム
15 回路ユニット
17、83,99、125、341、347、353、355 支持部材
19、57、89、103、121、141、327、343 接着剤
21、91、135、311 実装基板
22 配線パターン
23、313 封止体
24、87 半田
25、26、345、349 貫通孔
27 シェル部
29 絶縁材料
31 アイレット部
33、35、49、51 リード線
41 回路基板
43 コンデンサ
45 ダイオードブリッジ
47 係止部
55、331 マウント
59、117、129、137、139、151 排気管封止部
61、119、131、149 排気口
63 排気管
65 バーナー
67 細管
69 フレア管
71 フレア状部材
73、73A グローブ用部材
75 バルブの内部
77 端部
127 反射層
201 照明装置
202 天井
203 照明器具
205 器具本体
207 カバー
209 ソケット
211 反射膜
315 高熱伝導層
321 低熱伝導層
335 ノズル
337 封止膜材料
339 封止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源としての発光素子がグローブ内で支持部材により支持されてなるランプであって、
前記グローブの開口は、前記支持部材が立設された基台により閉塞され、
前記基台により閉塞された前記グローブ内に、空気よりも高い熱伝導性を有する流体が封入されている
ことを特徴とするランプ。
【請求項2】
前記支持部材は、金属材料からなる
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項3】
前記支持部材が、接着剤により前記基台に固着されている
ことを特徴とする請求項2に記載のランプ。
【請求項4】
前記空気よりも高い熱伝導性を有する流体は、ヘリウムガスである
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項5】
前記支持部材は、前記基台に取着される部分から前記グローブ内部に延伸する延伸部を有し、
前記発光素子が、前記延伸部の延伸端側に位置している
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項6】
前記発光素子が、透光性を有する材料により構成された実装基板に実装され、
前記実装基板が、前記延伸部の延伸端に取着されている
ことを特徴とする請求項5に記載のランプ。
【請求項7】
前記支持部材は、その脚部が前記基台の頂部を覆っており、
前記支持部材の脚部が、接着剤により前記基台の頂部と固着されている
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項8】
前記基台における、少なくとも前記グローブと反対側の端部を覆うように筒状のケースが装着され、
前記ケースにおける、前記グローブと反対側の開口端部に口金が被着され、
前記ケースの内部に、前記口金から受電して前記発光素子を発光させるための回路ユニットが格納されている
ことを特徴とする請求項1に記載のランプ。
【請求項9】
前記基台と前記ケースとの間に、さらに、前記ケースを構成する材料よりも低い熱伝導性を有する部材が介挿されている
ことを特徴とする請求項8に記載のランプ。
【請求項10】
ランプと、前記ランプを装着して点灯させる照明器具とを備える照明装置において、
前記ランプは、請求項1〜9のいずれか1項に記載のランプである
ことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2013−26050(P2013−26050A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160477(P2011−160477)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】