説明

リソグラフィ装置およびデバイス製造方法

【課題】リソグラフィ装置の高精度変位測定システムを提供する。
【解決手段】放射ビームBを調節するように構成された照明システムILと、パターニングデバイスMAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一位置決めデバイスPMに接続されたマスク支持構造体MTとを含む。リソグラフィ装置は、基板Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTも含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明はリソグラフィ装置およびデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つまたは幾つかのダイの一部を備える)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターン化される網の目状の互いに近接したターゲット部分を含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所定の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に走査しながら、パターンを所定の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを具備している。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0003】
[0003] 集積回路および液晶ディスプレイパネルを生産するためのマイクロリソグラフィにおける最も困難な要件の一つが、テーブルの位置決めである。例えば、100nm以下のリソグラフィは、最大3m/秒以上の速度にて6自由度(DOF)全てについて約1nmのオーダーの機械間の動的精度および整合を有する基板位置決めステージおよびマスク位置決めステージを必要とする。
【0004】
[0004] このような要求の厳しい位置決め要件に対する一般的な手法は、ステージ位置決めアーキテクチャを、マイクロメートルの精度を有するが作業範囲全体で動作する粗動位置決めモジュール(例えばX−Yテーブルまたはガントリテーブル)に細分し、その上に微動位置決めモジュールをカスケード状に配置することである。後者は、粗動位置決めモジュールの残留誤差を最後の数ナノメートルまで補正する責任を有するが、非常に限定された移動範囲に対応するだけでよい。このようなナノ位置決めに通常使用されるアクチュエータは、圧電アクチュエータまたはボイスコイル式電磁気アクチュエータを含む。微動モジュールの位置決めは通常、6自由度の全部で実行されるが、2自由度以上では大きい範囲の動作は滅多に必要とされず、したがって粗動モジュールの設計を大幅に容易にする。
【0005】
[005] 粗動位置決めにとって望ましいマイクロメートルの精度は、光学または磁気増分エンコーダなどの比較的単純な位置センサを使用して容易に達成することができる。これは、1自由度で測定する単軸デバイス、または比較的最近では、Schaffelその他が「Integrated electro-dynamic multicoordinate drives」(Proc. ASPE Annual Meeting, California, USA, 1996, p.456-461)で説明したような複数(最大3)自由度のデバイスでよい。同様のエンコーダが市販もされている。例えばDr. J. Heidenhain GmbHが製造している位置測定システムのタイプPP281Rである。このようなセンサは、困難なくマイクロメートル未満のレベルの分解能を提供するが、絶対精度、および特に長い移動範囲にわたる熱安定性は容易に達成可能ではない。
【0006】
[0006] 他方で、微動位置決めモジュールの最後にて、マスクテーブルおよび基板テーブルの位置測定を6自由度全部で、ナノメートル以下の分解能までナノメートルの精度および安定性で実行しなければならない。これは通常、6自由度全部で変位を測定し、任意選択で追加の校正機能(例えば基板テーブル上での干渉計ミラー平坦度の校正)のための冗長軸がある多軸干渉計を使用して達成される。
【0007】
[0007] しかし、上記の手法では、ステージを微動位置決めモジュールの範囲にもたらす(戻す)度に、ステージの位置を6自由度で校正(再校正)しなければならない。これは、多大な時間がかかることがあり、その結果、リソグラフィ装置のスループットが低下することがある。
【0008】
[0008] 干渉計の代替物として、場合によっては干渉計との組合せで光学エンコーダを使用することが知られている。このような光学エンコーダは、例えばUS2004/0263846A1で開示され、この文書は参照により本明細書に組込まれる。この出願に記載されている光学エンコーダは、グリッドパターンを備えたグリッドプレートを使用し、これは、グリッドパターンに対してセンサの位置を求めるために使用される。ある実施形態では、センサが基板テーブルに装着され、グリッドプレートが前記リソグラフィ装置のフレームに装着される。
【0009】
[0009] これについては、基板テーブルに4つのセンサを装着することが知られている。センサは、基板テーブル上に保持された基板の外側に配置することが望ましい。その範囲のせいで、センサは通常、基板テーブルの隅部に配置される。しかし、隅部では、基板テーブルの中心までの距離、およびしたがって弱さも最大になる。さらに、センサの位置における基板テーブルは、質量を節約するためにテーブルの隅部間の材料を除去することによって、さらに弱体化する。
【0010】
[0010] しかし、基板テーブルの隅部がx−y平面に対して曲げられて変形すると、これは位置測定に直接、負の影響を及ぼす。温度変化によって引き起こされる基板テーブルの膨張にも、同じことが当てはまる。これも、位置測定に負の影響を及ぼす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
[0011] 基準フレームに対して、パターニングデバイスを支持するように構成された支持構造、または基板を保持するように構成された基板テーブルの位置を測定するように構成された、リソグラフィ装置の高精度変位測定システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[0012] 本発明の一実施形態によると、放射ビームを調整するように構成された照明システムと、パターニングデバイスを支持するように構成され、放射ビームの断面にパターンを与えてパターン化した放射ビームを形成することができる支持構造と、基板を保持するように構成された基板テーブルと、パターン化した放射ビームを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、リソグラフィ装置の基準フレームに対する可動オブジェクトの位置を、可動オブジェクトの中心に中心を有する直交x−y−z座標系の少なくとも3共面自由度(x、y、Rz)にて測定する変位測定システムとを含み、可動オブジェクトが、支持構造および基板テーブルの一方を含み、前記変位測定システムが少なくとも3つのセンサヘッドを含み、各センサヘッドが、前記座標系のx−y平面とほぼ同一面にある測定方向で配置され、各センサヘッドはさらに、センサヘッドと可動オブジェクトの中心とを結び且つx−y平面と同一面に延在する接続線に対してほぼ垂直である測定方向で配置される、リソグラフィ装置が提供される。
【0013】
[0013] 本発明の一実施形態によると、パターン化した放射ビームを基板に投影し、基板は少なくともパターン化したビームを基板のターゲット部分に投影する間に基板テーブル上に支持され、リソグラフィ装置の基準フレームに対する基板テーブルの位置は、基板テーブルの中心に中心を有する直交x−y−z座標系の少なくとも3共面自由度(x、y、Rz)にて変位測定システムによって測定され、ここで、変位測定システムが少なくとも3つのセンサヘッドを含み、各センサヘッドは測定方向が座標系のx−y平面とほぼ同一面にある測定方向で配置、各センサヘッドはさらに、測定方向がセンサヘッドと可動オブジェクトの中心とを結び且つx−y面と同一面に延在する接続線に対してほぼ垂直である測定方向で配置される、デバイス製造方法が提供される。
【0014】
[0014] 次に、本発明の実施形態を添付の略図を参照しながら、ほんの一例として説明する。図面では対応する参照記号は対応する部品を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[0023] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、放射ビームB(例えばUV放射または任意の他の適切な放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第一位置決めデバイスPMに接続されたマスク支持構造体(例えばマスクテーブル)MTとを含む。リソグラフィ装置は、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第二位置決めデバイスPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTも含む。リソグラフィ装置は、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つまたは複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSをさらに含む。
【0016】
[0024] 照明システムは、放射の誘導、成形、または制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、またはその任意の組合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
【0017】
[0025] マスク支持構造体は、パターニングデバイスを支持、つまりその重量を支えている。該マスク支持構造体は、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。マスク支持構造体は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。マスク支持構造体は、例えばフレームまたはテーブルでよく、必要に応じて固定式または可動式でよい。マスク支持構造体は、パターニングデバイスが例えば投影システムなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」または「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義とみなすことができる。
【0018】
[0026] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフト特徴またはいわゆるアシスト特徴を含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
【0019】
[0027] パターニングデバイスは透過性または反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、Alternating位相シフトマスク、減衰型位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0020】
[0028] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、または液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システムおよび静電気光学システム、またはその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義とみなされる。
【0021】
[0029] ここに示している本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、または反射マスクを使用する)。
【0022】
[0030] リソグラフィ装置は2つ(デュアルステージ)またはそれ以上の基板テーブルまたは「基板支持体」(および/または2つ以上のマスクテーブルまたは「マスク支持体」)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルまたは支持体を並行して使用するか、1つまたは複数の他のテーブルまたは支持体を露光に使用している間に1つまたは複数のテーブルまたは支持体で予備工程を実行することができる。
【0023】
[0031] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に使用してもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために使用することができる。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造体を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0024】
[0032] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、それぞれ別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成するとみなされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラーおよび/またはビームエクスパンダなどを含むビームデリバリシステムBDの補助により、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SOおよびイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0025】
[0033] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータの瞳面における強度分布の外側および/または内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
【0026】
[0034] 放射ビームBは、マスク支持構造体(例えばマスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に入射し、パターニングデバイスによってパターン化される。放射ビームBはマスクMAを通り抜けて、基板Wのターゲット部分C上にビームを集束する投影システムPSを通過する。第二位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(例えば干渉計デバイス、リニアエンコーダまたは容量センサ)の補助により、基板テーブルWTを、例えば放射ビームBの経路において様々なターゲット部分Cに位置決めするように正確に移動できる。同様に、第一位置決めデバイスPMおよび別の位置センサ(図1には明示されていない)を使用して、例えばマスクライブラリから機械的に検索した後に、またはスキャン中に、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。一般的に、マスクテーブルMTの移動は、第一位置決めデバイスPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)の補助により実現できる。同様に、基板テーブルWTまたは「基板支持体」の移動は、第二位置決め装置PWの部分を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使用して実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、固定してもよい。マスクMAおよび基板Wは、マスクアラインメントマークM1、M2および基板アラインメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アラインメントマークは、専用のターゲット位置を占有するが、ターゲット部分の間の空間に配置してもよい(スクライブレーンアラインメントマークと呼ばれる)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアラインメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0027】
[0035] 図示のリソグラフィ装置は以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0028】
[0036] 1.ステップモードにおいては、マスクテーブルMTまたは「マスク支持体」および基板テーブルWTまたは「基板支持体」は、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち1回の静止露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTまたは「基板支持体」がX方向および/またはY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の静止露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0029】
[0037] 2.スキャンモードにおいては、マスクテーブルMTまたは「マスク支持体」および基板テーブルWTまたは「基板支持体」は同期的にスキャンされる一方、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する(つまり1回の動的露光)。マスクテーブルMTまたは「マスク支持体」に対する基板テーブルWTまたは「基板支持体」の速度および方向は、投影システムPSの拡大(縮小)および像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、1回の動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
【0030】
[0038] 3.別のモードでは、マスクテーブルMTまたは「マスク支持体」はプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTまたは「基板支持体」を移動またはスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTまたは「基板支持体」を移動させる毎に、またはスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0031】
[0039] 上述した使用モードの組合せおよび/または変形、または全く異なる使用モードも利用できる。
【0032】
[0040] 図2aは、本発明の実施形態による変位測定システム1の第一実施形態を示す。変位測定システム1は、基板テーブル2の位置を少なくとも3共面自由度で、つまりx位置、y位置、およびz軸を中心とする回転Rz(z軸は図面で示したx軸およびy軸に対して垂直な軸である)にて測定するように設計される。基板テーブル2を別個に示した図3、および基板テーブル2を自由度とともに概略的に示した図4も参照されたい。
【0033】
[0041] 変位測定システム1は、4つの隣接する格子プレート3を含み、これはリソグラフィ装置に、例えばいわゆる計量フレームなどのフレームまたはレンズ上に装着される。格子プレート3は、x軸およびy軸の方向に延在するほぼ同じ平面に配置されたほぼ平坦なプレートである。4つの格子プレート3は隣接している。つまり、各格子プレート3の少なくとも1つの辺が別の格子プレートの辺と突き合わされるか、並んでいる。4つの格子プレート3はともに基板テーブル2のほぼ全ての所望の位置を覆い、したがって測定システム1は、基板テーブル2の位置を連続的に測定することができる。
【0034】
[0042] この実施形態では、基板テーブル2が格子プレート3の下に配置される。基板テーブル2上には4つのセンサヘッド4、5、6、7が配置される。各センサヘッド4、5、6、7は、それぞれ測定方向s4、s5、s6、s7を有する(図3参照)。これらの測定方向s4、s5、s6、s7は、x−y平面とほぼ同一面にある。さらに、これらの測定方向s4、s5、s6、s7は、個々のセンサヘッド4、5、6、7と基板テーブル2の重心および/または熱中心(x,y=0,0)とを結ぶ仮想接続線10、11(「半径方向」に延在する接続線)に対してほぼ垂直である。「ほぼ同一面」および「ほぼ垂直」とは、約±10°の偏差、特に約±5°の偏差を含むという意味である。図示の実施形態では、これらの接続線10、11はx−y方向とともにほぼ±45°の角度を囲む。したがって、4つのセンサヘッドは、基板テーブル2の中心のまわりでほぼ等しく分割される。
【0035】
[0043] センサヘッド4、5、6、7は、格子プレート3上に配置された1組の格子線14に対して個々のセンサヘッドの位置を測定できるエンコーダのタイプのものである。これで、特定の格子プレート3上の格子線14は、この特定の格子プレート3とともに働くべき対応するセンサ4、5、6または7の対応する接続線10、11にほぼ平行に配置される。
【0036】
[0044] センサヘッド4、5、6、7をこのように「接線方向」で配置すると、変位測定システム1は基板テーブル2の中心に対する基板テーブル2の均質な膨張に反応しなくなる。何故なら、センサヘッド4、5、6、7が格子線14に平行に移動し、したがっていかなる変化も検出しないからである。この有益な配置のおかげで、センサヘッド4、5、6、7は半径方向での変位に反応しない。実際に小さい角度オフセット(公差および/または設計)が存在する場合、その効果は最小限にしなければならない。測定方向s4、s5、s6、s7、s8が主要運動軸xおよびyに対して45°である場合、非直線性を補償するために多くの信号期間が獲得される。基板テーブル2はその中心(0,0)では基板テーブル2と格子プレート3の両方の(均一な)膨張に依存しないので、(チャックの膨張が均一であると仮定して)スケーリングを校正し、補償するためには1つのスキャンしか必要でない。さらに、z方向の基板テーブル2の変形、および水平面からの曲がりに対して、特に質量を節約するためにセンサが基板テーブルの半径方向に延在するアーム(図7参照)に装着されている場合は、水平測定方向での感度が低下し、このアームは、基板テーブルにz方向の加速度がある場合、上下方向にさらに容易に曲がる。
【0037】
[0045] 各センサは、例えばUS2004/0263846A1に記載された通りに設計することができ、この文書は参照により本明細書に組込まれる。
【0038】
[0046] 4つのセンサヘッド4、5、6、7のうち3つのみで測定することで、基板テーブル2の位置をx方向およびy方向で演繹することが可能である。4つのセンサヘッド全部を使用することも可能である。1対のセンサヘッドの信号を使用して、z軸を中心とする回転Rz(x−y平面での回転)を求めることができる。こうすると、Rzを求めるために、先行技術の状態(距離が2Lである)に従ってセンサヘッドを垂直に配置した場合と比較して、センサヘッド間にさらに大きい距離(距離は図6に見られるように2L*V2である)を使用可能であり、したがってRzの測定がさらに正確になる。図2bから図2eは、格子プレート3に対する基板テーブル2の極端な位置を示し、ここでは毎回、センサヘッド4、5、6、7の一つが格子プレート3の下に配置されず、したがって測定に関与することができない。センサ4、5、6、7のうち3つのみで基板テーブル2の位置を求めることが可能であるので、基板テーブル2に可能な全ての位置で、つまり図示の極端な位置でも3共面自由度(x、y、Rz)を求めることが可能である。その結果、基板テーブル2の連続的な高精度測定(ナノメータまたはナノメータ以下の分解能)が可能である。
【0039】
[0047] この実施形態では、格子プレート3の物理的寸法が制限されているので、4つの格子プレート3を使用する。本出願の実施形態に必要な精度を獲得するための分解能の格子を有する作業面積のサイズの格子プレートを生産することは、実際的に困難であるか、少なくとも費用がかかる。基板テーブル2が使用する作業範囲は、このような格子プレート3の物理的最大サイズより実質的に大きいので、作業面積は4つの区域に小分割され、各センサは自身の格子プレート3を有し、各位置は自身のセンサの組を有する。
【0040】
[0048] 上記に示したように、格子プレート3は、相互に隣接して配置される。このように構成すると、センサヘッドは1つの格子プレート3から別の格子プレート3へと引き継がれる。このようなセンサヘッドの引き継ぎ中、つまりセンサヘッドが最初に第一格子プレート3と協働し、その後に第二格子プレート3と協働する間に、別のセンサヘッドが信号を提供し、連続的測定を可能にすることができる。第一センサヘッドが他方の格子プレート3の範囲内にある場合、場合によっては再初期化後に、このセンサヘッドは再び、基板テーブルの位置を表す信号を提供することができる。
【0041】
[0049] それぞれ自身の格子プレート3を有する4つの小分割区域に作業区域を小分割すると、比較的効率的な方法で基板テーブル2の全ての所望の位置をカバーすることが可能になるが、格子プレート3間を横切るので、1つのセンサヘッドで基板テーブル2の位置を連続的に測定することが困難になる。また、格子プレート3に穴または開口(例えば4つの格子プレート3の中心部で投影システムの一部を受けることができる開口8)、または損傷区域が存在するので、その位置にある1つのセンサヘッドが格子プレート3の1つに対して基板テーブル2の位置を測定できなくなることがある。
【0042】
[0050] 上述したように、センサヘッド4、5、6、7のうち3つによって、3共面自由度で基板テーブルの位置を求めることが可能になる。したがって1つの冗長センサヘッドがある。この余分なセンサヘッドは、格子プレートの範囲外にあるために他のセンサヘッドのうちの1つが使用できなくなった場合に使用することができる。例えば、センサヘッドの1つを、1つの格子プレート3から別の格子プレート3へと横断する箇所の真下に配置することが可能である。このような場合、個々のセンサヘッドが、基板テーブル2の位置を表す信号を送出しないことがある。しかし、他の3つのセンサヘッドが、3共面自由度で基板テーブル2の位置を求め、したがって連続的な高精度の変位/位置測定を維持することができる。それぞれがx方向およびy方向で位置を表す信号を適切に求めることができる適切な組の3つのセンサを選択的に使用することにより、連続制御が獲得される。個々のセンサの選択は、選択デバイスによって実行することができる。個々の格子プレート3の選択は、基板テーブル2の位置に依存してよいが、個々のセンサの状態(有効か否か)にも依存する。4つのセンサ4、5、6、7全部が信号を送出できる場合は、例えば冗長信号を測定システム1の校正に使用することができる。4つのセンサヘッド4、5、6、7のうち3つを使用する場合、各センサヘッドはx位置とy位置の測定の両方に寄与する。これは、先行技術によるセンサヘッドの直交配置に対して、最大30%のノイズ軽減となる。
【0043】
[0051] 一実施形態では、格子プレートは全体的に長方形のプレートであり、相互に突き当てて配置される。これらのプレートの辺はx方向とy方向に配向される。したがって、センサヘッドは、x方向およびy方向で相互に対して(x−y平面で)間隔をあけて配置することが好ましい。つまり、センサヘッドは、4つのセンサヘッドのうちいずれもx方向で同じ線上には配置されず、4つのセンサヘッドのうちいずれもy方向で同じ線上に配置されないように配置構成される。図8に示す実施形態では、y方向でセンサのこのような互い違い(千鳥状)の配置を示す。
【0044】
[0052] 代替実施形態では、相互に突き合わせて配置された格子プレートの辺を、x方向およびy方向に配置せず、x−y平面で1つまたは複数の他の方向に配置することが可能である。このような他の方向を、本明細書では格子プレート横断線方向と定義する。このような場合、センサヘッドはこれらの1つまたは複数の横断線方向で、相互に対して間隔をあけてされることが好ましい。
【0045】
[0053] さらに、言及すべきは、基板テーブル2の作業範囲内の特定の位置で、複数のセンサヘッドが同時に格子プレート3のうち1つに対する個々のセンサヘッドの位置を測定できなくなる可能性がある。このような状況は望ましくない。その結果、2つのセンサしか基板テーブル2の位置を測定できなくなるからである。その結果、もはや基板テーブル2の位置を2自由度で導出できなくなる。
【0046】
[0054] 以上の望ましくない状況は、基板テーブル2の異なる位置に配置されたさらなる冗長センサヘッドを設けることによって回避することができる。この状況の別の解決策は、この実施形態で、基板テーブル2が1回に1つの横断線方向しか横断できないか、少なくとも以上の状況が起こると分かっている位置にならないように、基板テーブルの運動を制限することである。後者の状況が概ね好ましい。というのは、さらにセンサヘッドを設けると、基板テーブル2の費用および重量が増加するからである。
【0047】
[0055] したがって両方の状況で、測定システムが、リソグラフィ装置の使用中に基板テーブル2に可能な全ての位置で基板テーブル2の位置を求めることができることが保証される。これらの位置は、例えば露光範囲、露光範囲へ、および露光範囲から移動する範囲、基板を交換するための範囲、および種々の機能、位置合わせなどの範囲を含む。
【0048】
[0056] さらに、各基板テーブルはz方向で基板テーブルの位置を求めるために、少なくとも3つ、特に4つのzセンサを含むことが好ましい。これらの4つのzセンサのうち3つの信号で、さらなる3自由度、つまりz位置、x軸を中心とする回転(Rz)、およびy軸を中心とする回転(Ry)を求めることができる。zセンサは、干渉計であることが好ましいが、以降で検討するような任意の適切なタイプでよい。
【0049】
[0057] 格子プレート3は、第一セットの格子線ばかりでなく、第一セットの格子線にほぼ垂直に延在する第二セットの相互に平行な格子線を有するグリッドを含んでよい。したがって、少なくとも1セットの格子線が、センサヘッドの主要測定方向と一致する。格子プレート3には、チェッカー盤パターンも備えることができる。その場合、チェッカー盤パターンの明るい区域と暗い区域との間の遷移は、格子の平行線の役割を引き継ぐ。図8に示すように、これによって例えば基板テーブル2が格子プレート3の長さより長い距離を移動しなければならない場合、個々のセンサヘッド4、5、6、7が複数の格子プレート3と協働することが可能になる。したがって、少なくとも2つのセンサヘッドが格子プレートを共有し、これは2方向での測定にとって適切である。
【0050】
[0058] 以上では、基板テーブルの位置を求める測定システムについて説明してきた。しかし、このような測定システムは、位置を高精度レベルで求めるべき任意の他の可動オブジェクトにも使用することができる。それに関して、測定システムは、リソグラフィ装置のパターニングデバイス支持構造体の位置を求めるためにも成功裏に使用することができる。特に、このシステムは、6自由度で高精度レベルにてパターニングデバイス支持構造体の位置を求めるために使用することができる。上述した測定システムの全ての形体は、パターニングデバイス支持構造体など、他の可動オブジェクトの測定システムにも当てはめることができる。
【0051】
[0059] 図示の実施形態以外にも多くの変形が可能である。例えば、3つのセンサヘッドを使用することも可能であり、これは相互に対してほぼ120°の角度で分割することが好ましい。また、5つ以上のセンサヘッドを使用することが可能である。格子プレートとともに動作するエンコーダの代わりに、例えば干渉計または三角形化(triangulated)の光学センサヘッド、または容量性センサヘッドなど、他のタイプのセンサヘッドを使用してもよい。x−y平面に1つの感知方向しか有さない1次元センサヘッドを使用する代わりに、斜め上方向に配置された感知方向がある2つのセンサを含むセンサヘッドを使用することも可能であり、したがって本発明によるx−y平面で接線測定方向を計算することができ、同時にz方向の測定方向も計算することができる。別の変形では、センサヘッドを基準フレームに装着してよい。格子線は、非線形補正を提供するために、接続線に対してわずかにずらして位置決めしてよい。可動オブジェクトの中心がその重心および/または熱中心にある代わりに、中心は例えば、曲げ抵抗に対して最も弱いような可動オブジェクトの最も弱い主要方向が延在する交差点に実質的にあってもよい。
【0052】
[0060] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることは言うまでもない。例えば、これは、集積光学装置、磁気ドメインメモリ用誘導および検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどである。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」または「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」または「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義とみなしてよいことは、当業者に明らかである。本明細書に述べている基板は、露光前または露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツールおよび/またはインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上およびその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに、基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0053】
[0061] 以上では光学リソグラフィとの関連で本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、インプリントリソグラフィなどの他の用途においても使用可能であり、状況が許せば、光学リソグラフィに限定されないことが理解される。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイスの微細構成によって、基板上に生成されるパターンが画定される。パターニングデバイスの微細構成を基板に供給されたレジストの層に押しつけ、その後に電磁放射、熱、圧力またはその組合わせにより、レジストを硬化する。パターニングデバイスをレジストから離し、レジストを硬化した後にパターンを残す。
【0054】
[0062] 本明細書で使用する「放射」および「ビーム」という用語は、イオンビームあるいは電子ビームといったような粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nmまたは126nmの波長を有する)および極端紫外線光(EUV)放射(例えば、5nm〜20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
【0055】
[0063] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気および静電気光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか、またはその組合わせを指す。
【0056】
[0064] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つまたは複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、またはその内部に記憶されたこのようなコンピュータプログラムを有するデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気または光ディスク)の形態をとることができる。
【0057】
[0065] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】[0015] 本発明の実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】[0016] 図2aから図2eは、本発明の実施形態によりリソグラフィ装置の基板テーブルおよび基準フレームに設けられた変位測定システムを概略的に示す図である。
【図3】[0017] 図2の基板テーブルを示す拡大図である。
【図4】[0018] 図3の基板テーブルを示す略図である。
【図5】[0019] 半径方向の膨張を含む図3の基板テーブルを示す別の略図である。
【図6】[0020] 直径方向に対向する2つのセンサヘッド間の距離を含む図5と同様の図である。
【図7】[0021] 本発明の実施形態による基板テーブルを示す図である。
【図8】[0022] 図2の変位測定システムの変形実施形態を示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射ビームを調整するように構成された照明システムと、
パターニングデバイスを支持するように構成され、前記放射ビームの断面にパターンを与えてパターン化した放射ビームを形成することができる支持構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
前記パターン化した放射ビームを前記基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
前記リソグラフィ装置の基準フレームに対する可動オブジェクトの位置を、前記可動オブジェクト上に中心を有する直交x−y−z座標系の少なくとも3共面自由度(x、y、Rz)で測定するように構成された変位測定システムとを備え、
前記可動オブジェクトが、前記支持構造または前記基板テーブルの一方を含み、
前記変位測定システムが、
少なくとも3つのセンサヘッドを備え、各センサヘッドが、前記座標系のx−y平面とほぼ同一面にある測定方向に沿って配置され、前記測定方向が、前記センサヘッドと前記可動オブジェクトの中心とを結び且つ前記x−y平面と同一面に延在する線に対してほぼ垂直である、リソグラフィ装置。
【請求項2】
前記変位測定システムが少なくとも4つのセンサヘッドを備える、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項3】
前記変位測定システムが、前記可動オブジェクトの位置に応じて、前記4つのセンサヘッドのうち3つを選択的に使用して、前記少なくとも3共面自由度(x、y、Rz)において前記可動オブジェクトの位置を求めるように構成される、請求項2に記載のリソグラフィ装置。
【請求項4】
前記線が、前記x−y−z座標系のx−y方向に対して約±45°に配向される、請求項2に記載のリソグラフィ装置。
【請求項5】
前記センサヘッドの少なくとも1つが、前記可動オブジェクトおよび前記基準フレームの一方に装着されたエンコーダであり、前記変位測定システムがさらに前記可動オブジェクトおよび前記基準フレームの他方に装着された少なくとも1つの格子プレートを備え、前記格子プレート上で少なくとも1方向に測定を行うことができる、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項6】
前記格子プレートが前記基準フレームに装着され、前記エンコーダが前記可動オブジェクトに装着される、請求項5に記載のリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記格子プレートがグリッドを備え、前記グリッド上で幾つかの方向で測定することができる、請求項5に記載のリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記可動オブジェクトが前記基板テーブルである、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記センサヘッドが、前記可動オブジェクトの前記中心のまわりに等しく分割されるように前記中心のまわりに配置される、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項10】
前記センサヘッドが相互にほぼ等距離である、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項11】
前記センサヘッドの少なくとも1つが、少なくともx方向またはy方向に隣接するセンサヘッドに対してずれている、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記可動オブジェクトの前記中心が、前記オブジェクトの最も弱い方向の交差点にほぼ対応する、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項13】
前記可動オブジェクトの前記中心が前記オブジェクトの重心である、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項14】
前記可動オブジェクトの前記中心が前記オブジェクトの熱中心である、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項15】
前記センサヘッドが、前記x−y平面とほぼ同一面にある前記測定方向を計算することができ且つz方向の測定方向を計算することができるように、斜め上方向に位置決めされた感知方向を有する2つのセンサを含む、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項16】
前記変位測定システムが、6自由度(x、y、z、Rx、Ry、Rz)で前記可動オブジェクトの前記位置を測定するように構成される、請求項1に記載のリソグラフィ装置。
【請求項17】
パターン化した放射ビームを基板のターゲット部分に投影し、前記基板はパターン化した放射ビームの投影中に基板テーブル上に支持され、
リソグラフィ装置の基準フレームに対する基板テーブルの位置を、変位測定システムで前記基板テーブル上に中心を有する直交x−y−z座標系の少なくとも3共面自由度(x、y、Rz)で測定する、ここで、前記変位測定システムが少なくとも3つのセンサヘッドを備え、各センサヘッドが、前記座標系のx−y平面とほぼ同一面にある測定方向で配置され、前記測定方向が前記ヘッドと前記可動オブジェクトの中心とを結び且つ前記x−y平面と同一面に延在する線に対してほぼ垂直である、デバイス製造方法。
【請求項18】
請求項1に記載の装置を使用して製造されるデバイス。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−266581(P2007−266581A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−27473(P2007−27473)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】