説明

リニア駆動装置

【課題】高い駆動力を得ることができると共に駆動軸周りにおける設置スペースを小さくできるリニア駆動装置を提供する。
【解決手段】振動部材17と、振動部材17に基端を固定した駆動軸21と、駆動軸21を振動自在に保持する支持部材41aと備え、振動部材17の振動により駆動軸21がその軸線方向に振動することにより、駆動軸21に摩擦係合した移動体5が駆動軸21の軸線方向に沿って摺動するリニア駆動装置7において、振動部材17は、通電により伸縮する圧電素子23と、弾性を有する板状の振動子19とを有し、振動子19は圧電素子23の一側面に板面を重ねて固定してあり、駆動軸21は平面における振動部材17の中心位置からずれた位置に固定してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体を直線移動させるリニア駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧電素子に弾性を有する板状の振動子を重ねて固定した振動部材に駆動軸の基端を固定して、駆動軸をその軸線方向に振動させることにより、駆動軸に摩擦接触した移動体を直線移動させるリニア駆動装置が開示されている。このリニア駆動装置では、駆動軸の基端を固定している振動部材の面において、駆動軸はその面の中央に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−273303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかるリニア駆動装置においては、圧電素子に所定周波数で所定電流値のパルス電流を流して駆動軸を所定の周波数(駆動周波数)で振動させているが、大きな駆動力を得る為には、振動子の振幅の増加と振動子による弾性復帰力の増加が要求される。
これに対して、従来、振動部材の駆動軸固定面は、その中央位置が駆動軸の取付け位置として安定性があり且つ振動の振幅も大きいと考えられていた。また、振動部材においても、駆動軸固定面は正方形や円形等の中心位置から均等長さの対角線や半径を有するものが有効であると考えられていた。
【0005】
しかし、かかる従来のリニア駆動装置では、装置を大きくすることなく振動部材の振幅や弾性復帰力を高めるには、限界があった。
また、リニア駆動装置の小型化の要請が高く、特に駆動軸周りにおいてリニア駆動装置の設置スペースを小さくする要求が高い。
【0006】
そこで、本発明は、高い駆動力を得ることができると共に駆動軸周りにおける設置スペースを小さくできるリニア駆動装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、振動部材と、振動部材に基端を固定した駆動軸と、駆動軸を振動自在に保持する支持部材と備え、振動部材の振動により駆動軸がその軸線方向に振動することにより、駆動軸に摩擦係合した移動体が駆動軸の軸線方向に沿って摺動するリニア駆動装置において、振動部材は、通電により伸縮する圧電素子と、弾性を有する板状の振動子とを有し、振動子は圧電素子の一側面に板面を重ねて固定してあり、駆動軸は平面における振動部材の中心位置からずれた位置に固定してあることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、振動部材は駆動軸の基端を固定してある2次元平面において、一方の次元が他方の次元よりも長く形成してあり、駆動軸は振動部材の長手方向端部に固定してあることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、一方の次元は他方の次元の2倍以上の長さを有することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、移動体はレンズを保持するレンズ支持体であり、振動部材の振動によりレンズ支持体をレンズの光軸方向に移動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
発明者らは、研究と実験の結果、振動部材の駆動軸固定面は、その中央位置よりも中央位置からずれた位置の方が振幅が大きいことを見出した。特に、振動部材の周縁を固定しないで略自由状態とした場合には、中央位置よりも周縁部のほうが振動の振幅が大きいことが解った。振動部材の振幅が大きくなると、振動子の弾性復帰力も大きくなり、高い駆動力を得ることができる。
したがって、振動部材の駆動軸固定面において、駆動軸を振動部材の中心位置からずれた位置に固定することにより、振動部材の面積を大きくすることなく、駆動軸に作用する振動部材の振幅を従来よりも大きくでき、振動子の弾性復帰力も大きくなるので、大きな駆動力を得ることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の作用効果を奏すると共に、振動部材の駆動軸固定面をその2次元平面(X−Y平面)において、一方の次元(X)を他方の次元(Y)よりも長くし、例えば、長方形や楕円にして、その長手方向端部に駆動軸を取り付けることにより、正方形や円に比べて、小さい面積で大きな駆動力を得ることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の作用効果を奏すると共に、実験の結果、振動部材の振幅は振動部材の中心から離れるほど大きくなるが、振幅の大きさは中心からの距離に比例するのでなく、相乗的に大きくなることがわかった。従って、振動部材の駆動軸固定面において、長辺(X)を短辺(Y)の2倍以上にすることにより、その端部位置では、中心における振幅の4倍以上を得ることができ、実用性が高い。しかも、振動部材を帯状に長くできるから、駆動軸固定位置以外では、板状の振動部材を、ニア駆動装置を搭載する筺体のデッドスペースに配置でき、リニア駆動装置の設置に要求される面積を小さくすることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作用効果を奏するカメラのレンズ駆動装置として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施の形態に係るリニア駆動装置の概略的構成を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は駆動軸の先端側から見た平面図である。
【図2】第1実施の形態に係るリニア駆動装置を用いたカメラの縦断面図である。
【図3】図2に示すA―A断面図である。
【図4】本実施の形態にかかるリニア駆動装置の作用を説明する図であり、振動部材における駆動軸取付け位置と振幅との関係を示す側面図である。
【図5】第2実施の形態にかかるリニア駆動装置の概略的構成を示す側面図である。
【図6】本発明の変形例にかかるリニア駆動装置の概略的構成を示す図であり、(a)は側面図であり、(b)は駆動軸の先端側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、添付図面の図1〜図4を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。本実施の形態に係るリニア駆動装置は、携帯電話に組み込まれる光学ズーム付きオートフォーカスカメラ1のレンズを駆動するリニア駆動装置7である。
【0017】
本実施の形態にかかるカメラ1は、図2に示すように、筐体2内に、ズームレンズホルダ(移動体)3、フォーカスレンズホルダ5(移動体)と、ズームレンズホルダ3を駆動するズームレンズホルダ駆動手段(リニア駆動装置)7と、フォーカスレンズホルダ5を駆動するフォーカスレンズホルダ駆動手段(リニア駆動装置)9と、画像センサ11が設けてある基板4とを備えている。更に、図3に示すように、筐体2内には、ズームレンズホルダ3の位置を検知するズームレンズ位置検出手段43と、フォーカスレンズホルダ5の位置を検知するフォーカスレンズ位置検出手段45とが設けてある。
【0018】
ズームレンズホルダ3は、光学ズームレンズ14を保持しており、フォーカスレンズホルダ5は、フォーカスレンズ16を保持しており、光学ズームレンズ14とフォーカスレンズ16とは光軸0を同一にしてあり、光軸0上の結象位置に画像センサ11が設けてある。更に、筐体2には被写体側レンズ18と結像側レンズ20とがズームレンズ14とフォーカスレンズ16と光軸0を一致して設けてある。尚、本実施の形態では、被写体側は光学ズームの望遠側であり、結像側は光学ズームの拡大側である。
【0019】
ズームレンズ駆動手段(リニア駆動装置)7とフォーカスレンズ駆動手段(リニア駆動装置)9とは略同じ構成であるから、ズームレンズ駆動手段7を説明してフォーカスレンズ駆動手段9には同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによりその部分の説明を省略する。
【0020】
ズームレンズ駆動手段7は、筐体2の基底2aに配置した振動部材17と、光軸方向に配置した駆動軸21(22)とから構成されており、駆動軸21(22)の基端は振動部材17に固定してある。
【0021】
振動部材17は、図1に示すように、圧電素子23と圧電素子23の一側面(駆動軸21の先端側面)に接着固定された振動子19とから構成されている。
【0022】
圧電素子23は平面視長方形であり、圧電素子23には電源制御部27の端子が接続されている。圧電素子の厚みは約0.25mmである。
【0023】
振動子19は圧電素子23よりも面積が僅かに大きい平面視長方形(図1(b)参照)であり、圧電素子23に一面を重ねて接着固定されている。振動子19は弾性を有する金属製板であり、本実施の形態では全体に亘って略均一の厚み(約0.25mm)に形成された銅板である。この振動子19には電源制御部27の端子が接続されている。
振動部材17(換言すれば、振動子19)は、図1(b)に示すように、X−Y平面におけるX方向の長さLがY方向の長さWよりも大きい寸法を有している。LはWの2倍以上が好ましいが、本実施の形態では、例えばWは、1.1〜1.2mmであり、Lは約9mmである。従って、本実施の形態では、LはWの約8倍の寸法を有している。
【0024】
図1に示すように、振動子19には、その一側面に駆動軸21の基端26が接着剤30により接着固定されており、駆動軸21の基端26は振動子19に当接固定されている。振動部材17における駆動軸21の固定位置は、長方形状の振動部材17において振動部材17の長手方向(X方向)にける中心Tからずれた位置にあり、本実施の形態では、振動部材の略端部の位置に固定してある。正確には、長手方向(X方向)における振動部材17の中心からS離れて位置にあり、距離Sは中心Tから離れるほど良いが固定用の接着剤30や電源用の電極の配置分等の関係からできるだけ端に配置してある。距離Sは幅Wに対して約3〜4倍となっている。
駆動軸21は、カーボン製であり、軸線方向に長い円柱形状を成し、胴部25をズームレンズホルダ(移動体)3が摺動して移動するようになっている。
【0025】
図2及び図1に示すように、駆動軸21の先端部は筐体2に固定した支持部材41aに挿通されて筐体2に保持されており、振動部材17も支持部材41bにより筐体2に支持されている。一方、支持部材41aは、駆動軸21を振動自在に支持しており、本実施の形態では、ゴム製のブッシュである。支持部材41bは、ゴム製であり、振動部材17全体を覆っているが、振動部材17をゴム材で覆うことなく、カメラ1の筐体2において、その基底2aにゲル状接着材で振動部材17の周縁を振動自在に固定するものであって良い。
また、図3に示すように、振動部材17は、カメラ1の筐体2の矩形の基底2aの上に、X方向の長さLを矩形の基底2aの一辺に沿って長く配置している。
【0026】
ズームレンズホルダ3の一端部には、駆動軸21の胴部25(図1(a)参照)と圧接する樹脂製又は金属製の圧接部51が設けてあり、圧接部51は、図3に示すように、駆動軸21を取巻く一側に開口部53が形成されており、開口部53はねじ55により開口部53の隙間を調整して、圧接部51と駆動軸21との間の摩擦(圧接力)を調整自在にしている。尚、ねじ55を設けないで、圧接部51の弾性を利用して予め設定された摩擦を付与するものであってもよいし、ねじを駆動軸21に当接させて圧接するものであっても良い。
【0027】
圧接部51の内周面は、横断面が多角形、本実施の形態では四角形の孔になっており、横断面が円形の駆動軸21と内周面において点接触している。このように、点接触することにより、駆動軸21とズームレンズホルダ3の圧接部51との間の摩擦により生じる粉や塵等を非接触箇所に逃すことができるので、駆動の信頼性が高くできる。
【0028】
ズームレンズホルダ3の他端部は、フォーカスレンズホルダ5の駆動軸22との係合部33が設けてあり、係合部33はフォーカスレンズホルダの駆動軸22に係合して支持されており、ズームレンズホルダ3の移動を案内している。係合部33は横断面が略U字であり、U字内にフォーカスレンズホルダ5の駆動軸22が挿通されている。
【0029】
フォーカスレンズホルダ5の構成はズームレンズホルダ3と同じ構成であり、フォーカスレンズホルダ5の駆動軸22はズームレンズホルダ3の駆動軸21と同様に基端を振動部材17に取り付けてある。
【0030】
ここで、図3を参照して、ズームレンズホルダ3の位置を検知するズームレンズ位置検出手段43と、光学フォーカスレンズホルダ5の位置を検知するフォーカスレンズ位置検出手手段45とについて説明する。ズームレンズ位置検手段43とフォーカスレンズ位置検出器45とは同じ構成であり、各々、レンズの光軸0方向に沿って異なる磁極(S極とN極)を交互に配置した磁極部材57と、磁界強度を検知するMRセンサ59とから構成されている。MRセンサ59は各ホルダ3、5に固定されており、各ホルダ3、5と共に移動して、各ホルダの基準位置(又は初期位置)からの移動量及び移動方向を検知可能になっている。各MRセンサ59の位置情報信号は、フレキシブル配線板60により位置制御部に送られるようになっている。
【0031】
次に、第1実施の形態の作用及び効果について説明する。本実施の形態では、ズームレンズホルダ3を移動して光学ズームで倍率を変え、フォーカスレンズホルダ5を移動して焦点距離をあわせるものである。
【0032】
ズームレンズホルダ3を、望遠側(被写体側)に移動する場合には、振動部材17の圧電素子23に所定周波数で且つ所定電流値のパルスの電流を供給して、圧電素子23の伸縮を振動子19で増幅させて振動させる。
即ち、図4に実線で示すように、圧電素子23にパルス電流が供給されると、圧電素子23は長手方向に伸びて振動子19と共にその長手方向中央部を後に突設し、長手方向端部を前側に突設するように変形し、駆動軸21は前側に突設する。これにより、ズームレンズホルダ3は圧接部51で駆動軸21との摩擦力があるので前側に移動する。次に、二点鎖線で示すように、圧電素子23が縮むと振動子19が弾性変形した反力により急激に元の位置に戻ろうとするが慣性力により凹み状に変形して駆動軸21が固定されている端部は急激に後方に移動する。このような振動子19の変形動作を繰り返すことにより、ズームレンズホルダ3は駆動軸21に沿って前進する。
【0033】
この場合、図4から明らかなように、振動部材17における長手方向(X)の中心位置A−Aと、駆動軸21が固定されている長手方向端部B―Bでは、その振幅に差が生じており、長手方向端部B―Bの振幅の方が、中心位置の振幅A−Aよりも大きくなる。実験の結果、中心位置から距離と振幅の関係について所定の数式を得ることができなかったが、従来の一辺4mmの正方形の中央部に駆動軸を取付けた場合に比較して、本実施の形態では、駆動力を従来に比較して約15倍にできた。
【0034】
これは、振動部材17における駆動軸固定部分の振幅が大きくなっただけでなく、駆動軸固定部における振動部材17の振幅が大きくなった為に、それに基づいて振動子19の弾性復帰力も大きくなりこれらの相乗効果により、15倍もの駆動力(推進力)を得ることができたものと思われる。
【0035】
本実施の形態によれば、振動部材17の駆動軸21の固定面において、駆動軸21を振動部材17のX―Y平面の中心位置からずれた位置に固定することにより、駆動軸21に作用する振動部材17の振幅を従来よりも大きくでき、これにより振動子19の弾性復帰力も大きくなるので、大きな駆動力を得ることができる。
【0036】
振動部材17の駆動軸固定面を帯状に長くしているので、即ち、2次元平面(X−Y平面)において、一方の次元(X)を他方の次元(Y)よりも長くして、その長手方向端部に駆動軸を取り付けているので、振動部材の2次元平面における面積を小さい面積で大きな駆動力を得ることができる。
【0037】
振動部材17は、長辺(X)を短辺(Y)の2倍以上にすることにより、その長手方向端部位置では、中心における振幅の4倍以上を得ることができ、更に振動子19の弾性復帰力も相乗して高い駆動力を得ることができる。
また、振動部材17は長辺(X)を短辺(Y)の2倍以上の帯状にすることにより、駆動軸固定位置以外では、振動部材17を筺体2aのデッドスペースに帯状に長く配位することより、実質的にリニア駆動装置1の設置に要求される面積を小さくすることができる。
【0038】
尚、ズームレンズホルダ3を、拡大側(結像側)に移動する場合には、振動部材17の圧電素子23に反対向きのパルスの電流を供給すると振動子19による振動の増幅を伴って振動し、ズームレンズホルダ3は後退する。
【0039】
また、フォーカスレンズホルダ5の駆動もズームレンズホルダ3と同様に振動部材17に所定パルスの電流を供給することにより、フォーカスレンズホルダ5をその駆動軸22に沿って前進又は後退させることができる。
【0040】
次に、本発明の他の実施の形態を説明するが以下に説明する実施の形態において、上述した第1実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付することによりその部分の詳細な説明を省略し、以下に説明する他の実施の形態の説明では主に第1実施の形態と異なる点を説明する。
図5に本発明の第2実施の形態を示す。この第2実施の形態では、振動部材17において、駆動軸21が固定されている面と反対側の面に、駆動軸21との均衡を図る錘35を設けている。その他の構成は第1実施の形態と略同じである。錘35は、駆動軸21よりも比重が大きい金属であり、駆動軸21よりも小さな体積で振動部材17に作用する荷重の吊り合いを図っている。
【0041】
この第2実施の形態では、振動部材17に作用する荷重の均衡を図ることで、振動子19の振幅方向に作用する荷重の均衡を図り、振動部材17の振幅の増大と力(弾性復帰力)の増大を図ることができる。これにより、同じ種類のリニア駆動装置における振動量のばらつきを防止し且つ安定な振動量を得ることができると共に、振動量の増大を図ることができる。
【0042】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、駆動軸21はその基端26を振動子19に直接固定することに限らず、図6に示すように、振動子19の中央に穴34を形成し、この穴34に駆動軸21の基端26を挿入して圧電素子23に固定するものであっても良い。
振動部材17において、圧電素子23に対する振動子19の大きさや形状は制限されないが、両者は略同じ寸法及び形状を有するか、圧電素子23が振動子19よりも少し小さことが望ましい。
第2実施の形態において、錘部材26は、はんだを盛り付けしたものであっても良い。
【符号の説明】
【0043】
3 ズームレンズホルダ(移動体)
5 フォーカスレンズホルダ(移動体)
7 ズームレンズホルダ駆動手段(リニア駆動装置)
9 フォーカスレンズホルダ駆動手段(リニア駆動装置)
17 振動部材
19 振動子
21 ズームレンズホルダの駆動軸(駆動軸)
22 フォーカスレンズホルダの駆動軸(駆動軸)
26 基端(固定面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部材と、振動部材に基端を固定した駆動軸と、駆動軸を振動自在に保持する支持部材と備え、振動部材の振動により駆動軸がその軸線方向に振動することにより、駆動軸に摩擦係合した移動体が駆動軸の軸線方向に沿って摺動するリニア駆動装置において、
振動部材は、通電により伸縮する圧電素子と、弾性を有する板状の振動子とを有し、振動子は圧電素子の一側面に板面を重ねて固定してあり、駆動軸は平面における振動部材の中心位置からずれた位置に固定してある
ことを特徴とするリニア駆動装置。
【請求項2】
振動部材は駆動軸の基端を固定してある2次元平面において、一方の次元が他方の次元よりも長く形成してあり、駆動軸は振動部材の長手方向端部に固定してあることを特徴とする請求項1に記載のリニア駆動装置。
【請求項3】
一方の次元は他方の次元の2倍以上の長さを有することを特徴とする請求項2に記載のリニア駆動装置。
【請求項4】
移動体はレンズを保持するレンズ支持体であり、振動部材の振動によりレンズ支持体をレンズの光軸方向に移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のリニア駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−125097(P2011−125097A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279033(P2009−279033)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000131348)シコー株式会社 (168)
【Fターム(参考)】