ループ流式バブル発生ノズル
【課題】平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm前後のマイクロバブルをも発生させることができるとともに、従来品より簡易な構成で且つ小型化もできるようにする。
【解決手段】気液ループ流式撹拌混合室5には、一端側から液体供給孔3aを介して液体が供給されるとともに、他端側から気体供給室4を介して気体が供給される。ここで、気体流入孔2aから流入してきた気体は、気体供給室4において液体供給孔3aの中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5内に供給される。気液ループ流式撹拌混合室5において、液体及び気体がループ状の流れによって撹拌混合されて混合流体とされ、噴出孔1aから噴出される。
【解決手段】気液ループ流式撹拌混合室5には、一端側から液体供給孔3aを介して液体が供給されるとともに、他端側から気体供給室4を介して気体が供給される。ここで、気体流入孔2aから流入してきた気体は、気体供給室4において液体供給孔3aの中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5内に供給される。気液ループ流式撹拌混合室5において、液体及び気体がループ状の流れによって撹拌混合されて混合流体とされ、噴出孔1aから噴出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロバブルを含んだバブルを発生させるループ流式バブル発生ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1、2に開示されているように、バブルを発生させることができるノズルとしてエジェクターノズルがある。なお、特許文献1のエジェクターノズルにおいては、気泡群の80%以上が直径10〜200μmで、全気泡群の平均直径が100〜150μm程度の気泡を供給することができるものである(下記特許文献1の段落0053参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−292822号公報
【特許文献2】特開2000−166789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエジェクターノズルにおいては、全気泡群の平均直径を100μm未満とすることができるものではない。また、特許文献2に記載のエジェクターノズルにおいても同様であると考えられる。
【0005】
本発明の目的は、平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm前後のマイクロバブルをも発生させることができるとともに、従来品より簡易な構成で且つ小型化も可能なループ流式バブル発生ノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明のループ流式バブル発生ノズルは、液体及び気体をループ状の流れによって撹拌混合して混合流体とする気液ループ流式撹拌混合室と、前記気液ループ流式撹拌混合室の一端に設けられ、加圧された液体を前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する液体供給孔と、気体が流入する1つ以上の気体流入孔と、前記気液ループ流式撹拌混合室の他端側に設けられ、前記気体流入孔から流入した気体を前記液体供給孔の中心軸を中心に周回させながら、周の全部または一部の箇所から前記気液ループ流式撹拌混合室の一端側に向かって前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する気体供給室と、前記液体供給孔の中心軸と一致するように前記気液ループ流式撹拌混合室の他端に設けられ、前記液体供給孔の孔径よりも大きな孔径を有し、前記混合流体を前記気液ループ流式撹拌混合室から噴出させる噴出孔と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、液体供給孔を介して液体が気液ループ流式撹拌混合室に供給されるとともに、気体供給室を介して気体が気液ループ流式撹拌混合室に供給される。これにより、気液ループ流式撹拌混合室内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室内において、気体を含んだ液体のループ状の流れ(「ループ流れ」又は「ループ流」と表現することがある)が発生される。
【0008】
ここで、ループ流れとは、液体供給孔から噴出孔へ向う液体の流れに沿って流れた後、噴出孔付近で、噴出孔からの外部気体又は/及び外部液体の流入により反転して気液ループ流式撹拌混合室の内壁に沿って流れ、再び、液体供給孔から供給された液体の流れに沿って流れるという一連の流れのことをいう。なお、発生するループ流れの速度は、液体や気体の供給量および圧力によって、低速から高速まで、ある程度コントロールすることが可能である。したがって、液体や気体の供給量および圧力を調整し、さらにループ流れの速度を増加させることで、高速ループ流れを形成することも可能である。
【0009】
気液ループ流式撹拌混合室内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室内が負圧となるので、気体流入孔から気体供給室を介して気体が流入してくるとともに、噴出孔の孔径が液体供給孔の孔径よりも大きく形成されていることから、噴出孔において、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体が気液ループ流式撹拌混合室に流入してくる(外部環境によって、外部気体又は/及び外部液体が流入してくる。)。
【0010】
ここで、(a)気体供給室から気液ループ流式撹拌混合室に供給された気体は、気体供給室と気液ループ流式撹拌混合室との境界で発生した乱流により細分化され、(b)ループ流れにおいて撹拌、剪断されながら、(c)一部が液体供給孔から供給された液体と衝突した際の乱流の発生によりさらに細分化され、噴出孔から噴出される。(d)なお、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室内に流入してくる外部気体又は外部液体によって、ループ流れ中の気体は、さらに細分化されることになる。これらの(a)〜(d)の工程で微細化される気泡発生のメカニズムが、ループ流式バブル発生ノズルの特徴であり、他のノズルにない優れた点である。
【0011】
更に、(e)気体流入孔から流入してきた気体は、気体供給室において液体供給孔の中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室内に供給される。この(e)の工程によって、気液ループ流式撹拌混合室内の真空度が向上されるため、気体流入孔から流入してくる気体の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。
【0012】
したがって、従来品よりも簡易な構成でありながら、平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm前後のマイクロバブルを発生させることができる。また、従来品よりも簡易な構成であるので、従来品よりも小型化することができる。
【0013】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいては、前記噴出孔の外側に設けられ、前記噴出孔から外側の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材を更に有していてよい。
【0014】
上記の構成によれば、噴出孔の外側に拡径部材が設けられているから、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室内に流入してくる外部気体又は外部液体の量を調節するとともに、噴出孔の外部側周辺の流れ(噴出孔からの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)を安定させることができる。
【0015】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいて、前記気液ループ流式撹拌混合室は、前記気体流入孔を側部に有する管状の第1の部材と、前記液体供給孔を中央に有し、前記液体供給孔の中心軸が前記気体流入孔の中心軸と交差するように前記第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材と、前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材と、で囲まれた空間であり、前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第3の部材の外面とで囲まれた空間であってよい。
【0016】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0017】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいて、前記気液ループ流式撹拌混合室は、前記気体流入孔を側部に有するとともに前記液体供給孔を底部中央に有する有底管状の第1の部材と、前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材に嵌め込まれた第2の部材と、で囲まれた空間であり、前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第2の部材の外面とで囲まれた空間であってよい。
【0018】
上記の構成によれば、第1の部材に第2の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0019】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいて、前記噴出孔の孔径と前記液体供給孔の孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内であってよい。
【0020】
上記の構成によれば、噴出孔において、確実に、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体を気液ループ流式撹拌混合室内に流入させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3に基づいて以下に説明する。図1(a)は、第1の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズル10を示す概略断面図、図1(b)は、図1(a)のI−I矢視断面図、図1(c)は、図1(a)のII−II矢視断面図である。
【0022】
(ループ流式バブル発生ノズル10の構成)
図1(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル10は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材2と、筒状部材2の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材2の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材2、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。
【0023】
筒状部材2は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル10の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔2aを有している。なお、気体流入孔2aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材2は、その一端側の外周にネジ部2bを有している。また、筒状部材2は、その他端側の内周にネジ部2cを有している。そして、例えば、ネジ部2bにはホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、ネジ部2cには、シャワーヘッド(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0024】
円盤部材3は、その中央に、外部から加圧された液体(圧力が少しでも加えられている状態の液体。以下では、「加圧液体」とすることがある。)が供給される液体供給孔3aを有している。外部から供給された加圧液体は、液体供給孔3aを通って気液ループ流式撹拌混合室5に供給される。液体供給孔3aの中心軸は、気体流入孔2aの中心軸と交差されている。なお、気体流入孔2aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と交差されていなくてもよい。また、円盤部材3は、液体供給孔3aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部3bを有している。このテーパ部3bは、気液ループ流式撹拌混合室5内において、高速ループ流れを、加圧液体の流れとは逆の方向から加圧液体の流れに合流させて、乱流を激しく起こさせる役割を果たしている。本実施の形態において、テーパ部3bの傾斜角度は液体供給孔3aの中心軸に対して60度である。
【0025】
筒状部材1は、その中央に、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出される噴出孔1aを有している。噴出孔1aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と一致されている。なお、噴出孔1aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸から多少ずれていてもよい。また、噴出孔1aには、内周にそって螺旋溝が形成されていてもよい。この螺旋溝は、噴出孔1aを穴開けした際の粗い螺旋加工痕であってもよい。
【0026】
ここで、噴出孔1aの孔径は、液体供給孔3aの孔径より大きくされている。具体的には、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔1aが形成されている。なお、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比は、液体の圧力、粘度、液体供給孔から噴出孔までの距離(撹拌部の容積)、または、噴出孔から噴出する液体の運動状態(直線運動と旋回運動)などを考慮して決定される。例えば、液体供給孔3aにホースが接続され、ホースから水道水(0.15MPa〜0.25MPa程度)が加圧された液体として供給される場合には、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比は、2:1程度とすればよい。
【0027】
また、筒状部材1は、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部1bを有している。このテーパ部1bは、気液ループ流式撹拌混合室5内における高速ループ流れを加速させる役割を果たしている。また、筒状部材1は、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向とは逆の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材としてのテーパ部1cを有している。このテーパ部1cは、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体及び/又は外部液体の量を調節するとともに、噴出孔1aの外部側周辺の流れ(噴出孔1aからの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)を安定させる役割を果たしている。本実施の形態において、テーパ部1cの傾斜角度は噴出孔1aの中心軸に対して15度である。
【0028】
また、筒状部材1は、気体流入孔2aに対向する外周位置に、周方向に連続した溝部1dを有している。そして、溝部1dと筒状部材2の内面とで囲まれたリング状の空間が、気体供給室4とされている。気体供給室4は、隙間6によって気液ループ流式撹拌混合室5に連通されている。
【0029】
図1(b)、図1(c)に示すように、気体流入孔2aと気体供給室4とは隙間6によって連通されている。気体流入孔2aから流入した気体は、気体供給室4において、噴出孔1a(液体供給孔3a)の中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から隙間6を通過して、気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5に供給されることとなる。これにより、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁に、気体の膜や気泡、マイクロバブルが発生されるとともに、高速ループ流れが加速される。
【0030】
なお、筒状部材2、筒状部材1及び円盤部材3には、SUS304、SUS316などの金属、樹脂、木、ガラス、セラミック、陶磁器などを用いることができるが、固体材料であればどのようなものを用いてもよい。また、部品毎に、適材適所の素材を選択してもよい。なお、樹脂、ガラス、セラミックスなどを選択すれば、腐食に強いので、ループ流式バブル発生ノズル10を長寿命化することができる。
【0031】
気液ループ流式撹拌混合室5は、液体供給孔3aから供給された液体と、気体供給室4から供給された気体とを、ループ状の流れによって撹拌混合する空間である。気液ループ流式撹拌混合室5の一端には液体供給孔3aが設けられており、気液ループ流式撹拌混合室5の他端には噴出孔1aが設けられている。また、気液ループ流式撹拌混合室5の他端側には、気体供給室4と気体流入孔2aとが設けられている。なお、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁には、凹凸形状(例えば、いわゆる鮫肌又はセラミックの溶射肌と同様のものや、単なる突起形状など)が形成されているが、内壁全体に施されている必要はなく、一部に形成されているだけでもよい。この凹凸形状は、高速ループ流れを加速させ、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度を高くする役割を果たしている。実際の実験においても、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁にセラミックの溶射肌を施すと、真空度が高くなった。
【0032】
(ループ流式バブル発生ノズル10の動作)
次に、図2及び図3を用いて、ループ流式バブル発生ノズル10の動作について説明する。図2は、図1のループ流式バブル発生ノズル10と、ループ流式バブル発生ノズル10の筒状部材2の一端側に接続されたホース11と、ループ流式バブル発生ノズル10の筒状部材2の他端側に接続されたシャワーヘッド12と、ループ流式バブル発生ノズル10の筒状部材2の気体流入孔2aに接続された気体用供給管13と、気体用供給管13への外部気体の流入量を調整する絞り弁14と、を示した図である。なお、簡便のため、ループ流式バブル発生ノズル10のみ概略断面図で示している。また、気体用供給管13の一端は外気を取り込めるようになっており、気体用供給管13の内部には、バブルを安定して発生させることができるように、逆止弁13aが設けられている。図3は、図2において、ホース11から液体が供給された際のループ流式バブル発生ノズル10におけるバブルの発生模式図である。
【0033】
まず、ホース11から液体供給孔3aを介して、加圧液体を気液ループ流式撹拌混合室5に供給する。このとき、加圧液体は、図2の液体供給孔3aと噴出孔1aとを結ぶ線上に沿って流れた後、その大半が噴出孔1aから拡がりながら噴出するとともに、噴出孔1aからの外部気体及び/又は外部液体の流入によって、その一部が高速ループ流れ(図2の気液ループ流式撹拌混合室5内の略楕円状部分)を形成する。このとき、加圧液体の一部によって、高速ループ流れの速度が更に増加される。
【0034】
また、気液ループ流式撹拌混合室5内は負圧となっているので、気体用供給管13から気体供給室4を介して、気液ループ流式撹拌混合室5内に気体が流入してくる。
【0035】
ここで、気体供給室4から気液ループ流式撹拌混合室5内に供給された気体は、(1)気体供給室4と気液ループ流式撹拌混合室5との境界で発生した乱流により細分化され、(2)テーパ部1bおよびテーパ部3bによって加速された高速ループ流れにおいて撹拌、剪断され、(3)気液ループ流式撹拌混合室5の内壁の凹凸形状と衝突し、(4)途中で一部が液体供給孔3aから供給された加圧液体と衝突した際に発生した乱流によりさらに細分化され、(5)噴出孔1aにおいて、流入してきた外部気体及び/又は外部液体と衝突して、さらに微細化され、バブル又は/及びマイクロバブルを含む混合流体として噴出孔1aから噴出される。
【0036】
更に、(6)気体流入孔2aから流入してきた気体は、気体供給室4において液体供給孔3aの中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5内に供給される。これにより、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度が向上されるため、気体流入孔2aから流入してくる気体の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。
【0037】
これらのような一連の動作によって、図3の模式図に示すようなバブル又は/及びマイクロバブルが、次から次へと連続的に発生する。
【0038】
また、噴出孔1aの孔径が液体供給孔3aの孔径よりも大きく形成されている。具体的には、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔1aが形成されている。これにより、噴出孔1aにおいて、確実に、噴出孔1aの内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体を気液ループ流式撹拌混合室5内に流入させることができる(外部環境によって、外部気体又は/及び外部液体が流入してくる。)。そして、高速ループ流れにおける気体は、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体又は外部液体と衝突することにより、さらに細分化されることになる。
【0039】
ここで、テーパ部1cによって、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体及び/又は外部液体の量が調節されているとともに、噴出孔1aの外部側周辺の流れ(噴出孔1aからの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)が安定されている。
【0040】
また、テーパ部1bによって、高速ループ流れが加速されるとともに、テーパ部3bによって激しい乱流が起こされるため、気液ループ流式撹拌混合室5内の気体を更に細分化することができる。
【0041】
なお、マイクロバブルの径及び発生量は、液体供給孔3aから供給される液体圧と、気体流入孔2aから流入する気体量で決まるが、20μm前後のマイクロバブルが必要な場合は、流入する気体量を極力少なくするかゼロにすればよい。
【0042】
上記の構成のループ流式バブル発生ノズル10によれば、上述したような動作が行われるので、従来品よりも簡易な構成でありながら、従来と同等以下(20μm前後)の径のマイクロバブルを発生させることができる。また、筒状部材2の一端側に円盤部材3が嵌め込まれるとともに、筒状部材2の他端側に筒状部材1が嵌め込まれる簡易な構成であるので、従来品よりも小型化することができる。
【0043】
また、気液ループ流式撹拌混合室5が略円柱型の空間であるので、高速ループ流れを容易に形成することができ、上述の動作を容易に得ることができる。
【0044】
また、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁に凹凸形状が形成されているので、高速ループ流れをしている液体と気体との混合流体が凹凸形状に衝突することによって、気液ループ流式撹拌混合室5内の気体を更に細分化することができるとともに、高速ループ流れを加速させ、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度を高くすることができる。
【0045】
なお、上述したループ流式バブル発生ノズル10の動作では、加圧液体を液体供給孔3aから気液ループ流式撹拌混合室5に供給した場合について説明したが、これに限られず、海水や水道水を供給しても、マイクロバブルを発生させることができる。
【0046】
(実験結果)
次に、ループ流式バブル発生ノズル10における気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度について実験した結果のグラフを図4に示す。なお、実験では、水道水を60Lの水槽に入れ、これをMAX0.3MPaのポンプで加圧して加圧液体とした。
【0047】
真空度の測定方法は、ループ流式バブル発生ノズル10の気体流入孔2aに図2に示すような逆止弁付きの真空圧力計を接続し、その状態で徐々にポンプの吐出量を増やしながら水圧を上げ、各所定の水圧のときの真空度を連続して測定した。水圧は、水路の途中に設けた気体溶解タンクの圧力計の値を水圧値とした。
【0048】
逆止弁のブレイキング圧は−0.003〜0.005MPaであるが、これは真空度には加算せず、真空圧力計のメモリを測定値としてグラフを作成した。なお、実際は、逆止弁のブレイキング圧−0.003〜0.005MPaを加算した値が正式の数値となる。
【0049】
図4に示すように、液体供給孔3aから供給する水の圧力を高くしていくと、水圧に比例して真空度が高くなり、水圧が0.3MPaの時に真空度は約−0.09MPaとなった。上記のように、逆止弁のブレイキング圧−0.003〜0.005MPaを加算すると真空度が90数%となり、気体を自吸する能力が非常に高いことを意味している。また、このループ流式バブル発生ノズル10を水深8mの所まで沈めても、気体を自吸することができることを意味している。
【0050】
このループ流式バブル発生ノズル10は噴射力もあるので、ループ流式バブル発生ノズル10を下向きにすれば、エアーコンプレッサー無しでも数十メートルの湖底、海底の溶存酸素量を容易に増やすことができるなど多くのメリットを持っている。また、このループ流式バブル発生ノズル10は気体を自吸する能力が高いので、海水では自吸した気体のほとんどをマイクロバブルにすることができて、効率的である。このため、海での養殖にも貢献することができる。
【0051】
[第1の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第1の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図5は、第1の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0052】
(ループ流式バブル発生ノズル20の構成)
図5(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル20は、断面円形の第1の部材としての筒状部材22と、筒状部材22の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材22の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材22、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0053】
筒状部材22は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル20の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔22aを有している。なお、気体流入孔22aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材22は、その一端側の外周にネジ部22bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。このため、筒状部材1のテーパ部1cを有する他端側が外部に露出されている。そして、例えば、ネジ部22bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、シャワーヘッド(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0054】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0055】
(ループ流式バブル発生ノズル30の構成)
図5(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル30は、断面円形の第1の部材としての筒状部材32と、筒状部材32の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材32の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、筒状部材32、円盤部材3及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。
【0056】
筒状部材32は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル30の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔32aを有している。なお、気体流入孔32aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材32は、その一端側の外周にネジ部32bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。
【0057】
筒状部材31は、図1(a)に示す筒状部材1と同様に、その中央に、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出される噴出孔31aを有している。噴出孔31aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と一致されている。なお、噴出孔31aには、内周にそって螺旋溝が形成されていてもよい。この螺旋溝は、噴出孔31aを穴開けした際の粗い螺旋加工痕であってもよい。
【0058】
ここで、噴出孔31aの孔径は、液体供給孔3aの孔径より大きくされている。具体的には、噴出孔31aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔31aが形成されている。
【0059】
また、筒状部材31は、噴出孔31aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部31bと、噴出孔31aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向とは逆の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部31cとを有している。
【0060】
また、筒状部材31は、気体流入孔32aに対向する外周位置に、周方向に連続した溝部31dを有している。そして、溝部31dと筒状部材32の内面とで囲まれたリング状の空間が、気体供給室4とされている。気体供給室4は、隙間6によって気液ループ流式撹拌混合室5に連通されている。
【0061】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、筒状部材32の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部32bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル30の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0062】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0063】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル10,20,30)は、液体及び気体をループ状の流れによって撹拌混合して混合流体とする気液ループ流式撹拌混合室5と、気液ループ流式撹拌混合室5の一端に設けられ、加圧された液体を気液ループ流式撹拌混合室5に供給する液体供給孔3aと、気体が流入する1つ以上の気体流入孔(気体流入孔2a,22a,32a)と、気液ループ流式撹拌混合室5の他端側に設けられ、気体流入孔から流入した気体を液体供給孔3aの中心軸を中心に周回させながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5に供給する気体供給室4と、液体供給孔3aの中心軸と一致するように気液ループ流式撹拌混合室5の他端に設けられ、液体供給孔3aの孔径よりも大きな孔径を有し、混合流体を気液ループ流式撹拌混合室5から噴出させる噴出孔(噴出孔1a,31a)と、を有する構成にされている。
【0064】
上記の構成によれば、液体供給孔3aを介して液体が気液ループ流式撹拌混合室5に供給されるとともに、気体供給室4を介して気体が気液ループ流式撹拌混合室5に供給される。これにより、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室5内において、気体を含んだ液体のループ状の流れ(「ループ流れ」又は「ループ流」と表現することがある)が発生される。
【0065】
気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室5内が負圧となるので、気体流入孔から気体供給室4を介して気体が流入してくるとともに、噴出孔の孔径が液体供給孔3aの孔径よりも大きく形成されていることから、噴出孔において、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体が気液ループ流式撹拌混合室5に流入してくる(外部環境によって、外部気体又は/及び外部液体が流入してくる。)。
【0066】
ここで、(a)気体供給室4から気液ループ流式撹拌混合室5に供給された気体は、気体供給室4と気液ループ流式撹拌混合室5との境界で発生した乱流により細分化され、(b)ループ流れにおいて撹拌、剪断されながら、(c)一部が液体供給孔3aから供給された液体と衝突した際の乱流の発生によりさらに細分化され、噴出孔から噴出される。(d)なお、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体又は外部液体によって、ループ流れ中の気体は、さらに細分化されることになる。これらの(a)〜(d)の工程で微細化される気泡発生のメカニズムが、ループ流式バブル発生ノズルの特徴であり、他のノズルにない優れた点である。
【0067】
更に、(e)気体流入孔から流入してきた気体は、気体供給室4において液体供給孔3aの中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5内に供給される。この(e)の工程によって、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度が向上されるため、気体流入孔から流入してくる気体の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。
【0068】
したがって、従来品よりも簡易な構成でありながら、平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm前後のマイクロバブルを発生させることができる。また、従来品よりも簡易な構成であるので、従来品よりも小型化することができる。
【0069】
また、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいては、噴出孔の外側に設けられ、噴出孔から外側の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材(テーパ部1c)を更に有している構成にされている。
【0070】
上記の構成によれば、噴出孔の外側に拡径部材が設けられているから、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体又は外部液体の量を調節するとともに、噴出孔の外部側周辺の流れ(噴出孔からの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)を安定させることができる。
【0071】
また、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいて、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔を側部に有する管状の第1の部材(筒状部材2,22,32)と、液体供給孔3aを中央に有し、液体供給孔3aの中心軸が気体流入孔の中心軸と交差するように第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材(円盤部材3)と、噴出孔を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材(筒状部材1,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第3の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0072】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0073】
また、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいて、噴出孔の孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内である構成にされている。
【0074】
上記の構成によれば、噴出孔において、確実に、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体を気液ループ流式撹拌混合室5内に流入させることができる。
【0075】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態を図6に基づいて以下に説明する。図6は、第2の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0076】
(ループ流式バブル発生ノズル10’の構成)
図6に示すように、ループ流式バブル発生ノズル10’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材8と、有底部材8の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材8及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0077】
有底部材8は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル10’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔2aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔2aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔2aは2つ以上あってもよい。また、有底部材8は、その一端側の外周にネジ部2bを有しているとともに、その他端側の内周にネジ部2cを有している。即ち、この有底部材8は、図1(a)に示す筒状部材2と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部2bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、ネジ部2cには、シャワーヘッド(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0078】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0079】
[第2の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第2の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図7は、第2の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0080】
(ループ流式バブル発生ノズル20’の構成)
図7(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル20’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材28と、有底部材28の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材28及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0081】
有底部材28は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル20’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔22aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔22aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔22aは2つ以上あってもよい。また、有底部材28は、その一端側の外周にネジ部22bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材28は、図5(a)に示す筒状部材22と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部22bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、シャワーヘッド(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0082】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0083】
(ループ流式バブル発生ノズル30’の構成)
図7(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル30’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材38と、有底部材38の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、有底部材38及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。
【0084】
有底部材38は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル30’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔32aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔32aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔32aは2つ以上あってもよい。また、有底部材38は、その一端側の外周にネジ部32bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材38は、図5(b)に示す筒状部材32と円盤部材3とが一体にされたものである。
【0085】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、有底部材38の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部32bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル30’の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0086】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0087】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル10’,20’,30’)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔(気体流入孔2a,22a,32a)を側部に有するとともに液体供給孔3aを底部中央に有する有底管状の第1の部材(有底部材8,28,38)と、噴出孔(噴出孔1a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材に嵌め込まれた第2の部材(筒状部材1,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第2の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0088】
上記の構成によれば、第1の部材に第2の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0089】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態を図8に基づいて以下に説明する。図8は、第3の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズル40を示す概略断面図である。
【0090】
(ループ流式バブル発生ノズル40の構成)
図8に示すように、ループ流式バブル発生ノズル40は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材42と、筒状部材42の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材42の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材42、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0091】
筒状部材42は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル40の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔42aを有している。なお、気体流入孔42aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材42は、その一端側の内周にネジ部42bを有している。また、筒状部材42は、その他端側の外周にネジ部42cを有している。そして、例えば、ネジ部42bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、ネジ部42cには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0092】
その他の構成および動作は第1の実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0093】
[第3の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第3の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図9は、第3の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0094】
(ループ流式バブル発生ノズル50の構成)
図9(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル50は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材52と、筒状部材52の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材52の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材51と、を有している。そして、筒状部材52、円盤部材3及び筒状部材51で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。
【0095】
筒状部材52は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル50の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔52aを有している。なお、気体流入孔52aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材52は、その一端側の内周にネジ部52bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。
【0096】
筒状部材51は、図1(a)に示す筒状部材1と同様に、その中央に、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出される噴出孔51aを有している。噴出孔51aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と一致されている。なお、噴出孔51aには、内周にそって螺旋溝が形成されていてもよい。この螺旋溝は、噴出孔51aを穴開けした際の粗い螺旋加工痕であってもよい。
【0097】
ここで、噴出孔51aの孔径は、液体供給孔3aの孔径より大きくされている。具体的には、噴出孔51aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔51aが形成されている。
【0098】
また、筒状部材51は、噴出孔51aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部51bと、噴出孔51aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向とは逆の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部51cとを有している。
【0099】
また、筒状部材51は、気体流入孔52aに対向する外周位置に、周方向に連続した溝部51dを有している。そして、溝部51dと筒状部材52の内面とで囲まれたリング状の空間が、気体供給室4とされている。気体供給室4は、隙間6によって気液ループ流式撹拌混合室5に連通されている。
【0100】
筒状部材51のテーパ部51cを有する他端側は、外部に露出されており、その外周にはネジ部51eが設けられている。そして、例えば、ネジ部52bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、ネジ部51eには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0101】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0102】
(ループ流式バブル発生ノズル60の構成)
図9(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル60は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材62と、筒状部材62の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材62の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材62、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0103】
筒状部材62は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル60の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔62aを有している。なお、気体流入孔62aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材62は、その一端側の内周にネジ部62bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。このため、筒状部材1のテーパ部1cを有する他端側が外部に露出されている。そして、例えば、ネジ部62bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0104】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0105】
(ループ流式バブル発生ノズル70の構成)
図9(c)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル70は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材72と、筒状部材72の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材72の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、筒状部材72、円盤部材3及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。また、筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。
【0106】
筒状部材72は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル70の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔72aを有している。なお、気体流入孔72aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材72は、その一端側の内周にネジ部72bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。
【0107】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、筒状部材72の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部72bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル70の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0108】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0109】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル40,50,60,70)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔(気体流入孔42a,52a,62a,72a)を側部に有する管状の第1の部材(筒状部材42,52,62,72)と、液体供給孔3aを中央に有し、液体供給孔3aの中心軸が気体流入孔の中心軸と交差するように第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材(円盤部材3)と、噴出孔(噴出孔1a,51a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材(筒状部材1,51,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第3の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0110】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0111】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態を図10に基づいて以下に説明する。図10は、第4の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0112】
(ループ流式バブル発生ノズル40’の構成)
図10に示すように、ループ流式バブル発生ノズル40’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材48と、有底部材48の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材48及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0113】
有底部材48は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル40’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔42aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔42aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔42aは2つ以上あってもよい。また、有底部材48は、その一端側の内周にネジ部42bを有しているとともに、その他端側の外周にネジ部42cを有している。即ち、この有底部材48は、図8に示す筒状部材42と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部42bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が接続されるとともに、ネジ部42cには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0114】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0115】
[第4の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第4の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図11は、第4の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0116】
(ループ流式バブル発生ノズル50’の構成)
図11(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル50’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材58と、有底部材58の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材51と、を有している。そして、有底部材58及び筒状部材51で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材51は、図9(a)に示したものと同じである。
【0117】
有底部材58は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル50’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔52aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔52aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔52aは2つ以上あってもよい。また、有底部材58は、その一端側の内周にネジ部52bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材58は、図9(a)に示す筒状部材52と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部52bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、ネジ部51eには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0118】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0119】
(ループ流式バブル発生ノズル60’の構成)
図11(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル60’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材68と、有底部材68の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材68及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0120】
有底部材68は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル60’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔62aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔62aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔62aは2つ以上あってもよい。また、有底部材68は、その一端側の内周にネジ部62bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材68は、図9(b)に示す筒状部材62と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部62bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0121】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0122】
(ループ流式バブル発生ノズル70’の構成)
図11(c)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル70’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材78と、有底部材78の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、有底部材78及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。
【0123】
有底部材78は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル70’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔72aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔72aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔72aは2つ以上あってもよい。また、有底部材78は、その一端側の内周にネジ部72bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材78は、図9(c)に示す筒状部材72と円盤部材3とが一体にされたものである。
【0124】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、有底部材78の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部72bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル70’の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0125】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0126】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル40’,50’,60’,70’)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔(気体流入孔42a,52a,62a,72a)を側部に有するとともに液体供給孔3aを底部中央に有する有底管状の第1の部材(有底部材48,58,68,78)と、噴出孔(噴出孔1a,51a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材に嵌め込まれた第2の部材(筒状部材1,51,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第2の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0127】
上記の構成によれば、第1の部材に第2の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0128】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態を図12に基づいて以下に説明する。図12は、第5の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0129】
(ループ流式バブル発生ノズル80の構成)
図12に示すように、ループ流式バブル発生ノズル80は、断面円形の第1の部材としての管状部材9と、管状部材9の一端側内部に埋め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、管状部材9の他端側内部に埋め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、管状部材9、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0130】
管状部材9は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル80の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔9aを有している。なお、気体流入孔9aは2つ以上あってもよい。本実施の形態において、管状部材9は、ホース等の管である。このため、管状部材9の先端から混合流体が外部に噴き出す構成にされている。
【0131】
その他の構成および動作は第1の実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0132】
[第5の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第5の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図13は、第5の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0133】
(ループ流式バブル発生ノズル90の構成)
図13に示すように、ループ流式バブル発生ノズル90は、断面円形の第1の部材としての管状部材9と、管状部材9の一端側内部に埋め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、管状部材9の他端側内部に埋め込まれた第3の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、管状部材9、円盤部材3及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。また、筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。また、管状部材9は、図12に示したものと同じである。そして、管状部材9の先端から混合流体が外部に噴き出す構成にされている。
【0134】
その他の構成および動作は第1の実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0135】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル80,90)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔9aを側部に有する管状の第1の部材(管状部材9)と、液体供給孔3aを中央に有し、液体供給孔3aの中心軸が気体流入孔の中心軸と交差するように第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材(円盤部材3)と、噴出孔(噴出孔1a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材(筒状部材1,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第3の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0136】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0137】
(各実施の形態の変形例)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0138】
例えば、各実施の形態や各変形例において、ループ流式バブル発生ノズルは、表面が樹脂で被覆された部材からなるもの、若しくは、樹脂だけで成形されたものであってもよい。これにより、海水などの劣悪な環境中においても、部材表面が樹脂で被覆されている、若しくは、ループ流式バブル発生ノズル自体が樹脂で成形されているので、腐食を防止できる。その結果として、使用寿命が長く、安価なループ流式バブル発生ノズルを提供することができる。
【0139】
また、各実施の形態や各変形例において、ループ流式バブル発生ノズルは、気体流入孔を有する構成にされているが、液体供給孔3aから供給される液体に気体が溶け込んでいる場合には、気体流入孔を有しない構成であってもよい。この場合、液体に溶け込んだ気体は、気液ループ流式撹拌混合室5内で気泡化される。
【0140】
即ち、図14に示すループ流式バブル発生ノズル100において、一端側に円盤部材3が、他端側に筒状部材1が、それぞれ嵌め込まれた断面円形の管状の筒状部材102には、気体流入孔が設けられていない。このため、気体が溶け込んでいる加圧液体が液体供給孔3aから気液ループ流式撹拌混合室5に供給されると、加圧液体は、液体供給孔3aと噴出孔1aとを結ぶ線上に沿って流れる。このときに、気液ループ流式撹拌混合室5内におけるキャビテーションによって、加圧液体に溶け込んでいる気体が気泡化される。加圧液体の大半は噴出孔から拡がりながら噴出するとともに、噴出孔からの外部気体及び/又は外部液体の流入によって、その一部が高速ループ流れを形成する。
【0141】
また、気液ループ流式撹拌混合室5の形状は、各実施の形態や各変形例において示したものに限られず、略角筒型、略三角錐型、断面が五角形や六角形などの多角形のもの、又は、断面が星形などの複雑な形状(規則的でない形状のものを含む)のものであってもよい。
【0142】
また、各実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいて、気体流入孔を有する筒状部材が、気液ループ流式撹拌混合室5の周面に、気液ループ流式撹拌混合室5の周面の接線と平行な方向に開口されて外部と連通する外部連通孔を更に有していてもよい。これによれば、外部連通孔から外部液体及び/又は外部気体が気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくるので、ループ流の他に、気液ループ流式撹拌混合室5における周面に沿って流れる旋回流を発生させることができて、液体供給孔3aから供給される液体の供給方向に対して、ループ流の流れ方向を傾斜させることができる。その結果として、ループ流の一周当りの距離を長くすることができることから、ループ流における気体の剪断の機会が多くなるので、より気液ループ流式撹拌混合室5内の気体を細分化することができる。
【0143】
また、各実施の形態や各変形例において、気体流入孔は、噴出孔寄りに形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明のループ流式バブル発生ノズルは、大型のものから小型のものまで製作することができる。大型のループ流式バブル発生ノズルについては、工業的分野、下水道などの汚水処理、河川及び海水などの浄化、アオコなどの除去、魚介類の蘇生・繁殖・養殖、水田の稲育成用及び除草作用など、小型のループ流式バブル発生ノズルについては、水槽・イケスの浄化、水耕栽培の育成用、マイクロバブル風呂、洗浄機、携帯用超小型マイクロバブル発生器、温度上昇が望ましくない場合の小型の水槽内など、マイクロバブルを利用することができるもの全てに適用することができる。また、医療関係への利用も検討されている。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】(a)が第1の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図、(b)が(a)のI−I断面矢視図、(c)が(a)のII−II断面矢視図である。
【図2】ループ流の流れの説明図である。
【図3】バブルの発生模式図である。
【図4】真空度の実験結果を表わすグラフである。
【図5】第1の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図7】第2の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図8】第3の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図9】第3の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図10】第4の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図11】第4の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図12】第5の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図13】第5の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図14】各実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0146】
1,31,51 筒状部材
1a,31a,51a 噴出孔
1b,31b,51b テーパ部
1c,31c,51c テーパ部
1d,31d,51d 溝部
2,22,32,42,52,62,72,102 筒状部材
2a,22a,32a,42a,52a,62a,72a 気体流入孔
2b,22b,32b,42b,52b,62b,72b ネジ部
2c,42c ネジ部
3 円盤部材
3a 液体供給孔
3b テーパ部
4 気体供給室
5 気液ループ流式撹拌混合室
6 隙間
8,28,38,48,58,68,78 有底部材
9 管状部材
9a 気体流入孔
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100 ループ流式バブル発生ノズル
51e ネジ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロバブルを含んだバブルを発生させるループ流式バブル発生ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1、2に開示されているように、バブルを発生させることができるノズルとしてエジェクターノズルがある。なお、特許文献1のエジェクターノズルにおいては、気泡群の80%以上が直径10〜200μmで、全気泡群の平均直径が100〜150μm程度の気泡を供給することができるものである(下記特許文献1の段落0053参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平6−292822号公報
【特許文献2】特開2000−166789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のエジェクターノズルにおいては、全気泡群の平均直径を100μm未満とすることができるものではない。また、特許文献2に記載のエジェクターノズルにおいても同様であると考えられる。
【0005】
本発明の目的は、平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm前後のマイクロバブルをも発生させることができるとともに、従来品より簡易な構成で且つ小型化も可能なループ流式バブル発生ノズルを提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明のループ流式バブル発生ノズルは、液体及び気体をループ状の流れによって撹拌混合して混合流体とする気液ループ流式撹拌混合室と、前記気液ループ流式撹拌混合室の一端に設けられ、加圧された液体を前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する液体供給孔と、気体が流入する1つ以上の気体流入孔と、前記気液ループ流式撹拌混合室の他端側に設けられ、前記気体流入孔から流入した気体を前記液体供給孔の中心軸を中心に周回させながら、周の全部または一部の箇所から前記気液ループ流式撹拌混合室の一端側に向かって前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する気体供給室と、前記液体供給孔の中心軸と一致するように前記気液ループ流式撹拌混合室の他端に設けられ、前記液体供給孔の孔径よりも大きな孔径を有し、前記混合流体を前記気液ループ流式撹拌混合室から噴出させる噴出孔と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、液体供給孔を介して液体が気液ループ流式撹拌混合室に供給されるとともに、気体供給室を介して気体が気液ループ流式撹拌混合室に供給される。これにより、気液ループ流式撹拌混合室内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室内において、気体を含んだ液体のループ状の流れ(「ループ流れ」又は「ループ流」と表現することがある)が発生される。
【0008】
ここで、ループ流れとは、液体供給孔から噴出孔へ向う液体の流れに沿って流れた後、噴出孔付近で、噴出孔からの外部気体又は/及び外部液体の流入により反転して気液ループ流式撹拌混合室の内壁に沿って流れ、再び、液体供給孔から供給された液体の流れに沿って流れるという一連の流れのことをいう。なお、発生するループ流れの速度は、液体や気体の供給量および圧力によって、低速から高速まで、ある程度コントロールすることが可能である。したがって、液体や気体の供給量および圧力を調整し、さらにループ流れの速度を増加させることで、高速ループ流れを形成することも可能である。
【0009】
気液ループ流式撹拌混合室内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室内が負圧となるので、気体流入孔から気体供給室を介して気体が流入してくるとともに、噴出孔の孔径が液体供給孔の孔径よりも大きく形成されていることから、噴出孔において、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体が気液ループ流式撹拌混合室に流入してくる(外部環境によって、外部気体又は/及び外部液体が流入してくる。)。
【0010】
ここで、(a)気体供給室から気液ループ流式撹拌混合室に供給された気体は、気体供給室と気液ループ流式撹拌混合室との境界で発生した乱流により細分化され、(b)ループ流れにおいて撹拌、剪断されながら、(c)一部が液体供給孔から供給された液体と衝突した際の乱流の発生によりさらに細分化され、噴出孔から噴出される。(d)なお、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室内に流入してくる外部気体又は外部液体によって、ループ流れ中の気体は、さらに細分化されることになる。これらの(a)〜(d)の工程で微細化される気泡発生のメカニズムが、ループ流式バブル発生ノズルの特徴であり、他のノズルにない優れた点である。
【0011】
更に、(e)気体流入孔から流入してきた気体は、気体供給室において液体供給孔の中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室内に供給される。この(e)の工程によって、気液ループ流式撹拌混合室内の真空度が向上されるため、気体流入孔から流入してくる気体の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。
【0012】
したがって、従来品よりも簡易な構成でありながら、平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm前後のマイクロバブルを発生させることができる。また、従来品よりも簡易な構成であるので、従来品よりも小型化することができる。
【0013】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいては、前記噴出孔の外側に設けられ、前記噴出孔から外側の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材を更に有していてよい。
【0014】
上記の構成によれば、噴出孔の外側に拡径部材が設けられているから、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室内に流入してくる外部気体又は外部液体の量を調節するとともに、噴出孔の外部側周辺の流れ(噴出孔からの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)を安定させることができる。
【0015】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいて、前記気液ループ流式撹拌混合室は、前記気体流入孔を側部に有する管状の第1の部材と、前記液体供給孔を中央に有し、前記液体供給孔の中心軸が前記気体流入孔の中心軸と交差するように前記第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材と、前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材と、で囲まれた空間であり、前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第3の部材の外面とで囲まれた空間であってよい。
【0016】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0017】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいて、前記気液ループ流式撹拌混合室は、前記気体流入孔を側部に有するとともに前記液体供給孔を底部中央に有する有底管状の第1の部材と、前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材に嵌め込まれた第2の部材と、で囲まれた空間であり、前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第2の部材の外面とで囲まれた空間であってよい。
【0018】
上記の構成によれば、第1の部材に第2の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0019】
また、本発明のループ流式バブル発生ノズルにおいて、前記噴出孔の孔径と前記液体供給孔の孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内であってよい。
【0020】
上記の構成によれば、噴出孔において、確実に、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体を気液ループ流式撹拌混合室内に流入させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を図1ないし図3に基づいて以下に説明する。図1(a)は、第1の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズル10を示す概略断面図、図1(b)は、図1(a)のI−I矢視断面図、図1(c)は、図1(a)のII−II矢視断面図である。
【0022】
(ループ流式バブル発生ノズル10の構成)
図1(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル10は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材2と、筒状部材2の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材2の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材2、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。
【0023】
筒状部材2は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル10の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔2aを有している。なお、気体流入孔2aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材2は、その一端側の外周にネジ部2bを有している。また、筒状部材2は、その他端側の内周にネジ部2cを有している。そして、例えば、ネジ部2bにはホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、ネジ部2cには、シャワーヘッド(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0024】
円盤部材3は、その中央に、外部から加圧された液体(圧力が少しでも加えられている状態の液体。以下では、「加圧液体」とすることがある。)が供給される液体供給孔3aを有している。外部から供給された加圧液体は、液体供給孔3aを通って気液ループ流式撹拌混合室5に供給される。液体供給孔3aの中心軸は、気体流入孔2aの中心軸と交差されている。なお、気体流入孔2aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と交差されていなくてもよい。また、円盤部材3は、液体供給孔3aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部3bを有している。このテーパ部3bは、気液ループ流式撹拌混合室5内において、高速ループ流れを、加圧液体の流れとは逆の方向から加圧液体の流れに合流させて、乱流を激しく起こさせる役割を果たしている。本実施の形態において、テーパ部3bの傾斜角度は液体供給孔3aの中心軸に対して60度である。
【0025】
筒状部材1は、その中央に、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出される噴出孔1aを有している。噴出孔1aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と一致されている。なお、噴出孔1aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸から多少ずれていてもよい。また、噴出孔1aには、内周にそって螺旋溝が形成されていてもよい。この螺旋溝は、噴出孔1aを穴開けした際の粗い螺旋加工痕であってもよい。
【0026】
ここで、噴出孔1aの孔径は、液体供給孔3aの孔径より大きくされている。具体的には、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔1aが形成されている。なお、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比は、液体の圧力、粘度、液体供給孔から噴出孔までの距離(撹拌部の容積)、または、噴出孔から噴出する液体の運動状態(直線運動と旋回運動)などを考慮して決定される。例えば、液体供給孔3aにホースが接続され、ホースから水道水(0.15MPa〜0.25MPa程度)が加圧された液体として供給される場合には、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比は、2:1程度とすればよい。
【0027】
また、筒状部材1は、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部1bを有している。このテーパ部1bは、気液ループ流式撹拌混合室5内における高速ループ流れを加速させる役割を果たしている。また、筒状部材1は、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向とは逆の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材としてのテーパ部1cを有している。このテーパ部1cは、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体及び/又は外部液体の量を調節するとともに、噴出孔1aの外部側周辺の流れ(噴出孔1aからの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)を安定させる役割を果たしている。本実施の形態において、テーパ部1cの傾斜角度は噴出孔1aの中心軸に対して15度である。
【0028】
また、筒状部材1は、気体流入孔2aに対向する外周位置に、周方向に連続した溝部1dを有している。そして、溝部1dと筒状部材2の内面とで囲まれたリング状の空間が、気体供給室4とされている。気体供給室4は、隙間6によって気液ループ流式撹拌混合室5に連通されている。
【0029】
図1(b)、図1(c)に示すように、気体流入孔2aと気体供給室4とは隙間6によって連通されている。気体流入孔2aから流入した気体は、気体供給室4において、噴出孔1a(液体供給孔3a)の中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から隙間6を通過して、気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5に供給されることとなる。これにより、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁に、気体の膜や気泡、マイクロバブルが発生されるとともに、高速ループ流れが加速される。
【0030】
なお、筒状部材2、筒状部材1及び円盤部材3には、SUS304、SUS316などの金属、樹脂、木、ガラス、セラミック、陶磁器などを用いることができるが、固体材料であればどのようなものを用いてもよい。また、部品毎に、適材適所の素材を選択してもよい。なお、樹脂、ガラス、セラミックスなどを選択すれば、腐食に強いので、ループ流式バブル発生ノズル10を長寿命化することができる。
【0031】
気液ループ流式撹拌混合室5は、液体供給孔3aから供給された液体と、気体供給室4から供給された気体とを、ループ状の流れによって撹拌混合する空間である。気液ループ流式撹拌混合室5の一端には液体供給孔3aが設けられており、気液ループ流式撹拌混合室5の他端には噴出孔1aが設けられている。また、気液ループ流式撹拌混合室5の他端側には、気体供給室4と気体流入孔2aとが設けられている。なお、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁には、凹凸形状(例えば、いわゆる鮫肌又はセラミックの溶射肌と同様のものや、単なる突起形状など)が形成されているが、内壁全体に施されている必要はなく、一部に形成されているだけでもよい。この凹凸形状は、高速ループ流れを加速させ、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度を高くする役割を果たしている。実際の実験においても、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁にセラミックの溶射肌を施すと、真空度が高くなった。
【0032】
(ループ流式バブル発生ノズル10の動作)
次に、図2及び図3を用いて、ループ流式バブル発生ノズル10の動作について説明する。図2は、図1のループ流式バブル発生ノズル10と、ループ流式バブル発生ノズル10の筒状部材2の一端側に接続されたホース11と、ループ流式バブル発生ノズル10の筒状部材2の他端側に接続されたシャワーヘッド12と、ループ流式バブル発生ノズル10の筒状部材2の気体流入孔2aに接続された気体用供給管13と、気体用供給管13への外部気体の流入量を調整する絞り弁14と、を示した図である。なお、簡便のため、ループ流式バブル発生ノズル10のみ概略断面図で示している。また、気体用供給管13の一端は外気を取り込めるようになっており、気体用供給管13の内部には、バブルを安定して発生させることができるように、逆止弁13aが設けられている。図3は、図2において、ホース11から液体が供給された際のループ流式バブル発生ノズル10におけるバブルの発生模式図である。
【0033】
まず、ホース11から液体供給孔3aを介して、加圧液体を気液ループ流式撹拌混合室5に供給する。このとき、加圧液体は、図2の液体供給孔3aと噴出孔1aとを結ぶ線上に沿って流れた後、その大半が噴出孔1aから拡がりながら噴出するとともに、噴出孔1aからの外部気体及び/又は外部液体の流入によって、その一部が高速ループ流れ(図2の気液ループ流式撹拌混合室5内の略楕円状部分)を形成する。このとき、加圧液体の一部によって、高速ループ流れの速度が更に増加される。
【0034】
また、気液ループ流式撹拌混合室5内は負圧となっているので、気体用供給管13から気体供給室4を介して、気液ループ流式撹拌混合室5内に気体が流入してくる。
【0035】
ここで、気体供給室4から気液ループ流式撹拌混合室5内に供給された気体は、(1)気体供給室4と気液ループ流式撹拌混合室5との境界で発生した乱流により細分化され、(2)テーパ部1bおよびテーパ部3bによって加速された高速ループ流れにおいて撹拌、剪断され、(3)気液ループ流式撹拌混合室5の内壁の凹凸形状と衝突し、(4)途中で一部が液体供給孔3aから供給された加圧液体と衝突した際に発生した乱流によりさらに細分化され、(5)噴出孔1aにおいて、流入してきた外部気体及び/又は外部液体と衝突して、さらに微細化され、バブル又は/及びマイクロバブルを含む混合流体として噴出孔1aから噴出される。
【0036】
更に、(6)気体流入孔2aから流入してきた気体は、気体供給室4において液体供給孔3aの中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5内に供給される。これにより、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度が向上されるため、気体流入孔2aから流入してくる気体の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。
【0037】
これらのような一連の動作によって、図3の模式図に示すようなバブル又は/及びマイクロバブルが、次から次へと連続的に発生する。
【0038】
また、噴出孔1aの孔径が液体供給孔3aの孔径よりも大きく形成されている。具体的には、噴出孔1aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔1aが形成されている。これにより、噴出孔1aにおいて、確実に、噴出孔1aの内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体を気液ループ流式撹拌混合室5内に流入させることができる(外部環境によって、外部気体又は/及び外部液体が流入してくる。)。そして、高速ループ流れにおける気体は、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体又は外部液体と衝突することにより、さらに細分化されることになる。
【0039】
ここで、テーパ部1cによって、噴出孔1aから気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体及び/又は外部液体の量が調節されているとともに、噴出孔1aの外部側周辺の流れ(噴出孔1aからの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)が安定されている。
【0040】
また、テーパ部1bによって、高速ループ流れが加速されるとともに、テーパ部3bによって激しい乱流が起こされるため、気液ループ流式撹拌混合室5内の気体を更に細分化することができる。
【0041】
なお、マイクロバブルの径及び発生量は、液体供給孔3aから供給される液体圧と、気体流入孔2aから流入する気体量で決まるが、20μm前後のマイクロバブルが必要な場合は、流入する気体量を極力少なくするかゼロにすればよい。
【0042】
上記の構成のループ流式バブル発生ノズル10によれば、上述したような動作が行われるので、従来品よりも簡易な構成でありながら、従来と同等以下(20μm前後)の径のマイクロバブルを発生させることができる。また、筒状部材2の一端側に円盤部材3が嵌め込まれるとともに、筒状部材2の他端側に筒状部材1が嵌め込まれる簡易な構成であるので、従来品よりも小型化することができる。
【0043】
また、気液ループ流式撹拌混合室5が略円柱型の空間であるので、高速ループ流れを容易に形成することができ、上述の動作を容易に得ることができる。
【0044】
また、気液ループ流式撹拌混合室5の内壁に凹凸形状が形成されているので、高速ループ流れをしている液体と気体との混合流体が凹凸形状に衝突することによって、気液ループ流式撹拌混合室5内の気体を更に細分化することができるとともに、高速ループ流れを加速させ、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度を高くすることができる。
【0045】
なお、上述したループ流式バブル発生ノズル10の動作では、加圧液体を液体供給孔3aから気液ループ流式撹拌混合室5に供給した場合について説明したが、これに限られず、海水や水道水を供給しても、マイクロバブルを発生させることができる。
【0046】
(実験結果)
次に、ループ流式バブル発生ノズル10における気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度について実験した結果のグラフを図4に示す。なお、実験では、水道水を60Lの水槽に入れ、これをMAX0.3MPaのポンプで加圧して加圧液体とした。
【0047】
真空度の測定方法は、ループ流式バブル発生ノズル10の気体流入孔2aに図2に示すような逆止弁付きの真空圧力計を接続し、その状態で徐々にポンプの吐出量を増やしながら水圧を上げ、各所定の水圧のときの真空度を連続して測定した。水圧は、水路の途中に設けた気体溶解タンクの圧力計の値を水圧値とした。
【0048】
逆止弁のブレイキング圧は−0.003〜0.005MPaであるが、これは真空度には加算せず、真空圧力計のメモリを測定値としてグラフを作成した。なお、実際は、逆止弁のブレイキング圧−0.003〜0.005MPaを加算した値が正式の数値となる。
【0049】
図4に示すように、液体供給孔3aから供給する水の圧力を高くしていくと、水圧に比例して真空度が高くなり、水圧が0.3MPaの時に真空度は約−0.09MPaとなった。上記のように、逆止弁のブレイキング圧−0.003〜0.005MPaを加算すると真空度が90数%となり、気体を自吸する能力が非常に高いことを意味している。また、このループ流式バブル発生ノズル10を水深8mの所まで沈めても、気体を自吸することができることを意味している。
【0050】
このループ流式バブル発生ノズル10は噴射力もあるので、ループ流式バブル発生ノズル10を下向きにすれば、エアーコンプレッサー無しでも数十メートルの湖底、海底の溶存酸素量を容易に増やすことができるなど多くのメリットを持っている。また、このループ流式バブル発生ノズル10は気体を自吸する能力が高いので、海水では自吸した気体のほとんどをマイクロバブルにすることができて、効率的である。このため、海での養殖にも貢献することができる。
【0051】
[第1の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第1の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図5は、第1の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0052】
(ループ流式バブル発生ノズル20の構成)
図5(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル20は、断面円形の第1の部材としての筒状部材22と、筒状部材22の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材22の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材22、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0053】
筒状部材22は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル20の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔22aを有している。なお、気体流入孔22aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材22は、その一端側の外周にネジ部22bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。このため、筒状部材1のテーパ部1cを有する他端側が外部に露出されている。そして、例えば、ネジ部22bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、シャワーヘッド(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0054】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0055】
(ループ流式バブル発生ノズル30の構成)
図5(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル30は、断面円形の第1の部材としての筒状部材32と、筒状部材32の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材32の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、筒状部材32、円盤部材3及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。
【0056】
筒状部材32は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル30の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔32aを有している。なお、気体流入孔32aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材32は、その一端側の外周にネジ部32bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。
【0057】
筒状部材31は、図1(a)に示す筒状部材1と同様に、その中央に、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出される噴出孔31aを有している。噴出孔31aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と一致されている。なお、噴出孔31aには、内周にそって螺旋溝が形成されていてもよい。この螺旋溝は、噴出孔31aを穴開けした際の粗い螺旋加工痕であってもよい。
【0058】
ここで、噴出孔31aの孔径は、液体供給孔3aの孔径より大きくされている。具体的には、噴出孔31aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔31aが形成されている。
【0059】
また、筒状部材31は、噴出孔31aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部31bと、噴出孔31aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向とは逆の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部31cとを有している。
【0060】
また、筒状部材31は、気体流入孔32aに対向する外周位置に、周方向に連続した溝部31dを有している。そして、溝部31dと筒状部材32の内面とで囲まれたリング状の空間が、気体供給室4とされている。気体供給室4は、隙間6によって気液ループ流式撹拌混合室5に連通されている。
【0061】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、筒状部材32の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部32bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル30の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0062】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0063】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル10,20,30)は、液体及び気体をループ状の流れによって撹拌混合して混合流体とする気液ループ流式撹拌混合室5と、気液ループ流式撹拌混合室5の一端に設けられ、加圧された液体を気液ループ流式撹拌混合室5に供給する液体供給孔3aと、気体が流入する1つ以上の気体流入孔(気体流入孔2a,22a,32a)と、気液ループ流式撹拌混合室5の他端側に設けられ、気体流入孔から流入した気体を液体供給孔3aの中心軸を中心に周回させながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5に供給する気体供給室4と、液体供給孔3aの中心軸と一致するように気液ループ流式撹拌混合室5の他端に設けられ、液体供給孔3aの孔径よりも大きな孔径を有し、混合流体を気液ループ流式撹拌混合室5から噴出させる噴出孔(噴出孔1a,31a)と、を有する構成にされている。
【0064】
上記の構成によれば、液体供給孔3aを介して液体が気液ループ流式撹拌混合室5に供給されるとともに、気体供給室4を介して気体が気液ループ流式撹拌混合室5に供給される。これにより、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室5内において、気体を含んだ液体のループ状の流れ(「ループ流れ」又は「ループ流」と表現することがある)が発生される。
【0065】
気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出孔から噴出されると、気液ループ流式撹拌混合室5内が負圧となるので、気体流入孔から気体供給室4を介して気体が流入してくるとともに、噴出孔の孔径が液体供給孔3aの孔径よりも大きく形成されていることから、噴出孔において、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体が気液ループ流式撹拌混合室5に流入してくる(外部環境によって、外部気体又は/及び外部液体が流入してくる。)。
【0066】
ここで、(a)気体供給室4から気液ループ流式撹拌混合室5に供給された気体は、気体供給室4と気液ループ流式撹拌混合室5との境界で発生した乱流により細分化され、(b)ループ流れにおいて撹拌、剪断されながら、(c)一部が液体供給孔3aから供給された液体と衝突した際の乱流の発生によりさらに細分化され、噴出孔から噴出される。(d)なお、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体又は外部液体によって、ループ流れ中の気体は、さらに細分化されることになる。これらの(a)〜(d)の工程で微細化される気泡発生のメカニズムが、ループ流式バブル発生ノズルの特徴であり、他のノズルにない優れた点である。
【0067】
更に、(e)気体流入孔から流入してきた気体は、気体供給室4において液体供給孔3aの中心軸を中心に周回されながら、周の全部または一部の箇所から気液ループ流式撹拌混合室5の一端側に向かって気液ループ流式撹拌混合室5内に供給される。この(e)の工程によって、気液ループ流式撹拌混合室5内の真空度が向上されるため、気体流入孔から流入してくる気体の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。
【0068】
したがって、従来品よりも簡易な構成でありながら、平均直径が100μm未満のバブル、特に、平均直径が20μm前後のマイクロバブルを発生させることができる。また、従来品よりも簡易な構成であるので、従来品よりも小型化することができる。
【0069】
また、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいては、噴出孔の外側に設けられ、噴出孔から外側の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材(テーパ部1c)を更に有している構成にされている。
【0070】
上記の構成によれば、噴出孔の外側に拡径部材が設けられているから、噴出孔から気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくる外部気体又は外部液体の量を調節するとともに、噴出孔の外部側周辺の流れ(噴出孔からの混合流体の噴出、並びに、外部気体又は/及び外部液体の流入)を安定させることができる。
【0071】
また、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいて、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔を側部に有する管状の第1の部材(筒状部材2,22,32)と、液体供給孔3aを中央に有し、液体供給孔3aの中心軸が気体流入孔の中心軸と交差するように第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材(円盤部材3)と、噴出孔を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材(筒状部材1,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第3の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0072】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0073】
また、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいて、噴出孔の孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内である構成にされている。
【0074】
上記の構成によれば、噴出孔において、確実に、噴出孔の内壁と混合流体の周囲との間から、外部気体又は/及び外部液体を気液ループ流式撹拌混合室5内に流入させることができる。
【0075】
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態を図6に基づいて以下に説明する。図6は、第2の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0076】
(ループ流式バブル発生ノズル10’の構成)
図6に示すように、ループ流式バブル発生ノズル10’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材8と、有底部材8の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材8及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0077】
有底部材8は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル10’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔2aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔2aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔2aは2つ以上あってもよい。また、有底部材8は、その一端側の外周にネジ部2bを有しているとともに、その他端側の内周にネジ部2cを有している。即ち、この有底部材8は、図1(a)に示す筒状部材2と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部2bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、ネジ部2cには、シャワーヘッド(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0078】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0079】
[第2の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第2の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図7は、第2の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0080】
(ループ流式バブル発生ノズル20’の構成)
図7(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル20’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材28と、有底部材28の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材28及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0081】
有底部材28は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル20’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔22aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔22aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔22aは2つ以上あってもよい。また、有底部材28は、その一端側の外周にネジ部22bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材28は、図5(a)に示す筒状部材22と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部22bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、シャワーヘッド(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0082】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0083】
(ループ流式バブル発生ノズル30’の構成)
図7(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル30’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材38と、有底部材38の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、有底部材38及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。
【0084】
有底部材38は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル30’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔32aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔32aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔32aは2つ以上あってもよい。また、有底部材38は、その一端側の外周にネジ部32bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材38は、図5(b)に示す筒状部材32と円盤部材3とが一体にされたものである。
【0085】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、有底部材38の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部32bには、ホース(図示せず)の先端が螺合によって接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル30’の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0086】
その他の構成および動作は、第1の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0087】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル10’,20’,30’)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔(気体流入孔2a,22a,32a)を側部に有するとともに液体供給孔3aを底部中央に有する有底管状の第1の部材(有底部材8,28,38)と、噴出孔(噴出孔1a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材に嵌め込まれた第2の部材(筒状部材1,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第2の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0088】
上記の構成によれば、第1の部材に第2の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0089】
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態を図8に基づいて以下に説明する。図8は、第3の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズル40を示す概略断面図である。
【0090】
(ループ流式バブル発生ノズル40の構成)
図8に示すように、ループ流式バブル発生ノズル40は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材42と、筒状部材42の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材42の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材42、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0091】
筒状部材42は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル40の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔42aを有している。なお、気体流入孔42aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材42は、その一端側の内周にネジ部42bを有している。また、筒状部材42は、その他端側の外周にネジ部42cを有している。そして、例えば、ネジ部42bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、ネジ部42cには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0092】
その他の構成および動作は第1の実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0093】
[第3の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第3の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図9は、第3の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0094】
(ループ流式バブル発生ノズル50の構成)
図9(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル50は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材52と、筒状部材52の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材52の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材51と、を有している。そして、筒状部材52、円盤部材3及び筒状部材51で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。
【0095】
筒状部材52は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル50の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔52aを有している。なお、気体流入孔52aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材52は、その一端側の内周にネジ部52bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。
【0096】
筒状部材51は、図1(a)に示す筒状部材1と同様に、その中央に、気液ループ流式撹拌混合室5内の混合流体が噴出される噴出孔51aを有している。噴出孔51aの中心軸は、液体供給孔3aの中心軸と一致されている。なお、噴出孔51aには、内周にそって螺旋溝が形成されていてもよい。この螺旋溝は、噴出孔51aを穴開けした際の粗い螺旋加工痕であってもよい。
【0097】
ここで、噴出孔51aの孔径は、液体供給孔3aの孔径より大きくされている。具体的には、噴出孔51aの孔径と液体供給孔3aの孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内となるように、液体供給孔3a及び噴出孔51aが形成されている。
【0098】
また、筒状部材51は、噴出孔51aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部51bと、噴出孔51aから気液ループ流式撹拌混合室5の方向とは逆の方向に向かって連続的に拡径されたテーパ部51cとを有している。
【0099】
また、筒状部材51は、気体流入孔52aに対向する外周位置に、周方向に連続した溝部51dを有している。そして、溝部51dと筒状部材52の内面とで囲まれたリング状の空間が、気体供給室4とされている。気体供給室4は、隙間6によって気液ループ流式撹拌混合室5に連通されている。
【0100】
筒状部材51のテーパ部51cを有する他端側は、外部に露出されており、その外周にはネジ部51eが設けられている。そして、例えば、ネジ部52bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、ネジ部51eには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0101】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0102】
(ループ流式バブル発生ノズル60の構成)
図9(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル60は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材62と、筒状部材62の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材62の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、筒状部材62、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0103】
筒状部材62は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル60の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔62aを有している。なお、気体流入孔62aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材62は、その一端側の内周にネジ部62bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。このため、筒状部材1のテーパ部1cを有する他端側が外部に露出されている。そして、例えば、ネジ部62bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0104】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0105】
(ループ流式バブル発生ノズル70の構成)
図9(c)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル70は、断面円形の管状の第1の部材としての筒状部材72と、筒状部材72の一端側に嵌め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、筒状部材72の他端側に嵌め込まれた第3の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、筒状部材72、円盤部材3及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。また、筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。
【0106】
筒状部材72は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル70の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔72aを有している。なお、気体流入孔72aは2つ以上あってもよい。また、筒状部材72は、その一端側の内周にネジ部72bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。
【0107】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、筒状部材72の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部72bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル70の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0108】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0109】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル40,50,60,70)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔(気体流入孔42a,52a,62a,72a)を側部に有する管状の第1の部材(筒状部材42,52,62,72)と、液体供給孔3aを中央に有し、液体供給孔3aの中心軸が気体流入孔の中心軸と交差するように第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材(円盤部材3)と、噴出孔(噴出孔1a,51a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材(筒状部材1,51,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第3の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0110】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0111】
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態を図10に基づいて以下に説明する。図10は、第4の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0112】
(ループ流式バブル発生ノズル40’の構成)
図10に示すように、ループ流式バブル発生ノズル40’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材48と、有底部材48の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材48及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0113】
有底部材48は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル40’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔42aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔42aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔42aは2つ以上あってもよい。また、有底部材48は、その一端側の内周にネジ部42bを有しているとともに、その他端側の外周にネジ部42cを有している。即ち、この有底部材48は、図8に示す筒状部材42と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部42bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が接続されるとともに、ネジ部42cには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0114】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0115】
[第4の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第4の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図11は、第4の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0116】
(ループ流式バブル発生ノズル50’の構成)
図11(a)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル50’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材58と、有底部材58の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材51と、を有している。そして、有底部材58及び筒状部材51で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材51は、図9(a)に示したものと同じである。
【0117】
有底部材58は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル50’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔52aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔52aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔52aは2つ以上あってもよい。また、有底部材58は、その一端側の内周にネジ部52bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材58は、図9(a)に示す筒状部材52と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部52bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、ネジ部51eには、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が螺合によって接続される。
【0118】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0119】
(ループ流式バブル発生ノズル60’の構成)
図11(b)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル60’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材68と、有底部材68の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、有底部材68及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0120】
有底部材68は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル60’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔62aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔62aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔62aは2つ以上あってもよい。また、有底部材68は、その一端側の内周にネジ部62bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材68は、図9(b)に示す筒状部材62と円盤部材3とが一体にされたものである。そして、例えば、ネジ部62bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が螺合によって接続されるとともに、筒状部材1の他端側には、先端にシャワーヘッドが付いたホース(図示せず)の根元が圧入等によって接続される。
【0121】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0122】
(ループ流式バブル発生ノズル70’の構成)
図11(c)に示すように、ループ流式バブル発生ノズル70’は、断面円形の有底管状の第1の部材としての有底部材78と、有底部材78の他端側に嵌め込まれた第2の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、有底部材78及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。
【0123】
有底部材78は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル70’の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔72aを有しているとともに、その底部中央に、気体流入孔72aの中心軸と交差する中心軸を有する液体供給孔3aを有している。なお、気体流入孔72aは2つ以上あってもよい。また、有底部材78は、その一端側の内周にネジ部72bを有しているが、その他端側にはネジ部を有していない。即ち、この有底部材78は、図9(c)に示す筒状部材72と円盤部材3とが一体にされたものである。
【0124】
筒状部材31のテーパ部31cを有する他端側の端面は、有底部材78の他端側の端面と面一にされている。そして、例えば、ネジ部72bには、水道の蛇口におけるホースが接続されるジョイント部(図示せず)が接続されるが、筒状部材31の他端側には、なにも接続されない。このため、ループ流式バブル発生ノズル70’の他端側から混合流体が直接外部に噴き出す構成にされている。
【0125】
その他の構成および動作は、第3の実施の形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0126】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル40’,50’,60’,70’)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔(気体流入孔42a,52a,62a,72a)を側部に有するとともに液体供給孔3aを底部中央に有する有底管状の第1の部材(有底部材48,58,68,78)と、噴出孔(噴出孔1a,51a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材に嵌め込まれた第2の部材(筒状部材1,51,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第2の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0127】
上記の構成によれば、第1の部材に第2の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0128】
[第5の実施の形態]
本発明の第5の実施の形態を図12に基づいて以下に説明する。図12は、第5の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0129】
(ループ流式バブル発生ノズル80の構成)
図12に示すように、ループ流式バブル発生ノズル80は、断面円形の第1の部材としての管状部材9と、管状部材9の一端側内部に埋め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、管状部材9の他端側内部に埋め込まれた第3の部材としての筒状部材1と、を有している。そして、管状部材9、円盤部材3及び筒状部材1で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3および筒状部材1は、図1(a)に示したものと同じである。
【0130】
管状部材9は、その側部に、ループ流式バブル発生ノズル80の外部と内部とが連通されて、気体が流入される気体流入孔9aを有している。なお、気体流入孔9aは2つ以上あってもよい。本実施の形態において、管状部材9は、ホース等の管である。このため、管状部材9の先端から混合流体が外部に噴き出す構成にされている。
【0131】
その他の構成および動作は第1の実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0132】
[第5の実施の形態の変形例]
次に、本発明の第5の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルについて説明する。図13は、第5の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【0133】
(ループ流式バブル発生ノズル90の構成)
図13に示すように、ループ流式バブル発生ノズル90は、断面円形の第1の部材としての管状部材9と、管状部材9の一端側内部に埋め込まれた第2の部材としての円盤部材3と、管状部材9の他端側内部に埋め込まれた第3の部材としての筒状部材31と、を有している。そして、管状部材9、円盤部材3及び筒状部材31で囲まれた略円柱型の空間が、気液ループ流式撹拌混合室5とされている。円盤部材3は、図1(a)に示したものと同じである。また、筒状部材31は、図5(b)に示したものと同じである。また、管状部材9は、図12に示したものと同じである。そして、管状部材9の先端から混合流体が外部に噴き出す構成にされている。
【0134】
その他の構成および動作は第1の実施の形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0135】
(本実施の形態の概要)
以上のように、本実施の形態のループ流式バブル発生ノズル(ループ流式バブル発生ノズル80,90)において、気液ループ流式撹拌混合室5は、気体流入孔9aを側部に有する管状の第1の部材(管状部材9)と、液体供給孔3aを中央に有し、液体供給孔3aの中心軸が気体流入孔の中心軸と交差するように第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材(円盤部材3)と、噴出孔(噴出孔1a,31a)を中央に有し、噴出孔が液体供給孔3aに対向するように第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材(筒状部材1,31)と、で囲まれた空間であり、気体供給室4は、第1の部材の内面と第3の部材の外面とで囲まれた空間である構成にされている。
【0136】
上記の構成によれば、第1の部材の一端側に第2の部材が嵌め込まれるとともに、第1の部材の他端側に第3の部材が嵌め込まれる簡易な構成によって、従来品よりも小型化することができる。
【0137】
(各実施の形態の変形例)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0138】
例えば、各実施の形態や各変形例において、ループ流式バブル発生ノズルは、表面が樹脂で被覆された部材からなるもの、若しくは、樹脂だけで成形されたものであってもよい。これにより、海水などの劣悪な環境中においても、部材表面が樹脂で被覆されている、若しくは、ループ流式バブル発生ノズル自体が樹脂で成形されているので、腐食を防止できる。その結果として、使用寿命が長く、安価なループ流式バブル発生ノズルを提供することができる。
【0139】
また、各実施の形態や各変形例において、ループ流式バブル発生ノズルは、気体流入孔を有する構成にされているが、液体供給孔3aから供給される液体に気体が溶け込んでいる場合には、気体流入孔を有しない構成であってもよい。この場合、液体に溶け込んだ気体は、気液ループ流式撹拌混合室5内で気泡化される。
【0140】
即ち、図14に示すループ流式バブル発生ノズル100において、一端側に円盤部材3が、他端側に筒状部材1が、それぞれ嵌め込まれた断面円形の管状の筒状部材102には、気体流入孔が設けられていない。このため、気体が溶け込んでいる加圧液体が液体供給孔3aから気液ループ流式撹拌混合室5に供給されると、加圧液体は、液体供給孔3aと噴出孔1aとを結ぶ線上に沿って流れる。このときに、気液ループ流式撹拌混合室5内におけるキャビテーションによって、加圧液体に溶け込んでいる気体が気泡化される。加圧液体の大半は噴出孔から拡がりながら噴出するとともに、噴出孔からの外部気体及び/又は外部液体の流入によって、その一部が高速ループ流れを形成する。
【0141】
また、気液ループ流式撹拌混合室5の形状は、各実施の形態や各変形例において示したものに限られず、略角筒型、略三角錐型、断面が五角形や六角形などの多角形のもの、又は、断面が星形などの複雑な形状(規則的でない形状のものを含む)のものであってもよい。
【0142】
また、各実施の形態のループ流式バブル発生ノズルにおいて、気体流入孔を有する筒状部材が、気液ループ流式撹拌混合室5の周面に、気液ループ流式撹拌混合室5の周面の接線と平行な方向に開口されて外部と連通する外部連通孔を更に有していてもよい。これによれば、外部連通孔から外部液体及び/又は外部気体が気液ループ流式撹拌混合室5内に流入してくるので、ループ流の他に、気液ループ流式撹拌混合室5における周面に沿って流れる旋回流を発生させることができて、液体供給孔3aから供給される液体の供給方向に対して、ループ流の流れ方向を傾斜させることができる。その結果として、ループ流の一周当りの距離を長くすることができることから、ループ流における気体の剪断の機会が多くなるので、より気液ループ流式撹拌混合室5内の気体を細分化することができる。
【0143】
また、各実施の形態や各変形例において、気体流入孔は、噴出孔寄りに形成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明のループ流式バブル発生ノズルは、大型のものから小型のものまで製作することができる。大型のループ流式バブル発生ノズルについては、工業的分野、下水道などの汚水処理、河川及び海水などの浄化、アオコなどの除去、魚介類の蘇生・繁殖・養殖、水田の稲育成用及び除草作用など、小型のループ流式バブル発生ノズルについては、水槽・イケスの浄化、水耕栽培の育成用、マイクロバブル風呂、洗浄機、携帯用超小型マイクロバブル発生器、温度上昇が望ましくない場合の小型の水槽内など、マイクロバブルを利用することができるもの全てに適用することができる。また、医療関係への利用も検討されている。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】(a)が第1の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図、(b)が(a)のI−I断面矢視図、(c)が(a)のII−II断面矢視図である。
【図2】ループ流の流れの説明図である。
【図3】バブルの発生模式図である。
【図4】真空度の実験結果を表わすグラフである。
【図5】第1の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図7】第2の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図8】第3の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図9】第3の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図10】第4の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図11】第4の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図12】第5の実施の形態に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図13】第5の実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【図14】各実施の形態の変形例に係るループ流式バブル発生ノズルを示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0146】
1,31,51 筒状部材
1a,31a,51a 噴出孔
1b,31b,51b テーパ部
1c,31c,51c テーパ部
1d,31d,51d 溝部
2,22,32,42,52,62,72,102 筒状部材
2a,22a,32a,42a,52a,62a,72a 気体流入孔
2b,22b,32b,42b,52b,62b,72b ネジ部
2c,42c ネジ部
3 円盤部材
3a 液体供給孔
3b テーパ部
4 気体供給室
5 気液ループ流式撹拌混合室
6 隙間
8,28,38,48,58,68,78 有底部材
9 管状部材
9a 気体流入孔
10,20,30,40,50,60,70,80,90,100 ループ流式バブル発生ノズル
51e ネジ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体及び気体をループ状の流れによって撹拌混合して混合流体とする気液ループ流式撹拌混合室と、
前記気液ループ流式撹拌混合室の一端に設けられ、加圧された液体を前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する液体供給孔と、
気体が流入する1つ以上の気体流入孔と、
前記気液ループ流式撹拌混合室の他端側に設けられ、前記気体流入孔から流入した気体を前記液体供給孔の中心軸を中心に周回させながら、周の全部または一部の箇所から前記気液ループ流式撹拌混合室の一端側に向かって前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する気体供給室と、
前記液体供給孔の中心軸と一致するように前記気液ループ流式撹拌混合室の他端に設けられ、前記液体供給孔の孔径よりも大きな孔径を有し、前記混合流体を前記気液ループ流式撹拌混合室から噴出させる噴出孔と、
を有することを特徴とするループ流式バブル発生ノズル。
【請求項2】
前記噴出孔の外側に設けられ、前記噴出孔から外側の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材を更に有していることを特徴とする請求項1に記載のループ流式バブル発生ノズル。
【請求項3】
前記気液ループ流式撹拌混合室は、
前記気体流入孔を側部に有する管状の第1の部材と、
前記液体供給孔を中央に有し、前記液体供給孔の中心軸が前記気体流入孔の中心軸と交差するように前記第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材と、
前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材と、
で囲まれた空間であり、
前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第3の部材の外面とで囲まれた空間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のループ流式バブル発生ノズル。
【請求項4】
前記気液ループ流式撹拌混合室は、
前記気体流入孔を側部に有するとともに前記液体供給孔を底部中央に有する有底管状の第1の部材と、
前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材に嵌め込まれた第2の部材と、
で囲まれた空間であり、
前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第2の部材の外面とで囲まれた空間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のループ流式バブル発生ノズル。
【請求項5】
前記噴出孔の孔径と前記液体供給孔の孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のループ流式バブル発生ノズル。
【請求項1】
液体及び気体をループ状の流れによって撹拌混合して混合流体とする気液ループ流式撹拌混合室と、
前記気液ループ流式撹拌混合室の一端に設けられ、加圧された液体を前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する液体供給孔と、
気体が流入する1つ以上の気体流入孔と、
前記気液ループ流式撹拌混合室の他端側に設けられ、前記気体流入孔から流入した気体を前記液体供給孔の中心軸を中心に周回させながら、周の全部または一部の箇所から前記気液ループ流式撹拌混合室の一端側に向かって前記気液ループ流式撹拌混合室に供給する気体供給室と、
前記液体供給孔の中心軸と一致するように前記気液ループ流式撹拌混合室の他端に設けられ、前記液体供給孔の孔径よりも大きな孔径を有し、前記混合流体を前記気液ループ流式撹拌混合室から噴出させる噴出孔と、
を有することを特徴とするループ流式バブル発生ノズル。
【請求項2】
前記噴出孔の外側に設けられ、前記噴出孔から外側の方向に向かって連続的に拡径した三角錐型の空間を内部に有する拡径部材を更に有していることを特徴とする請求項1に記載のループ流式バブル発生ノズル。
【請求項3】
前記気液ループ流式撹拌混合室は、
前記気体流入孔を側部に有する管状の第1の部材と、
前記液体供給孔を中央に有し、前記液体供給孔の中心軸が前記気体流入孔の中心軸と交差するように前記第1の部材の一端側に嵌め込まれた第2の部材と、
前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材の他端側に嵌め込まれた第3の部材と、
で囲まれた空間であり、
前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第3の部材の外面とで囲まれた空間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のループ流式バブル発生ノズル。
【請求項4】
前記気液ループ流式撹拌混合室は、
前記気体流入孔を側部に有するとともに前記液体供給孔を底部中央に有する有底管状の第1の部材と、
前記噴出孔を中央に有し、前記噴出孔が前記液体供給孔に対向するように前記第1の部材に嵌め込まれた第2の部材と、
で囲まれた空間であり、
前記気体供給室は、前記第1の部材の内面と前記第2の部材の外面とで囲まれた空間であることを特徴とする請求項1又は2に記載のループ流式バブル発生ノズル。
【請求項5】
前記噴出孔の孔径と前記液体供給孔の孔径との比が、1.5:1〜3:1の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のループ流式バブル発生ノズル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−189984(P2009−189984A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34846(P2008−34846)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(392016960)有限会社オーケー・エンジニアリング (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(392016960)有限会社オーケー・エンジニアリング (2)
【Fターム(参考)】
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