説明

ロック機構およびそれを有する筐体

【課題】互いに固定される1対の部材が嵌合いしやすく、かつ、それらの部材に大きな外力が加わっても嵌合いを外れにくい、ロック機構を提供する。
【解決手段】本発明のロック機構は、一方の部材2には、一方の部材2の壁部5の内側から壁部5の先端6を越えて突出したツメ部7と、ツメ部7を貫通する孔部8とを有する嵌合い部4が設けられている。他方の部材1には、一方の部材2の嵌合い部4に対応する位置に、壁部10の内面に接続され壁部10の先端11を越えて突出した平行な2つの平板14、15の先端部が、支持部13を介して接続されているツメ受け部12と、壁部10の内面から突出した突起16とを有する嵌合い部3が設けられている。一方の部材2の嵌合い部4と他方の部材1の嵌合い部3との嵌合い状態で、ツメ部7はツメ受け部12に挿入され、ツメ受け部12内で孔部8と突起16とが係合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、こじ開け防止効果を持つロック機構を有する筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
監視カメラ、防犯センサ、指紋認証装置、あるいは入退管理システムのカードリーダなどのセキュリティー機器、自動販売機、あるいは銀行等にある現金自動預払機(ATM:Automated Teller Machine)などの筐体は、防犯を妨害したり、筐体内のものを奪ったりするために筐体をこじ開けられる危険にさらされている。そのため、こじ開け、具体的には筐体を構成するベースとカバーの間の嵌合い部のこじ開けをいかに防止するかが重要となっている。
【0003】
図9に関連技術の一例のロック機構の概略図を示す。ベース22には、外壁23の先端から突出する突起部24と、突起部24の外面に突設する係止突起25と、突起部24の両側から間隔をあけた位置において外壁23の先端から切り込んだ1対の逃がし縦溝26とを有するベース嵌合い部27が設けられる。また、カバー28には、ベース嵌合い部27に対応する位置に、カバー28の外壁29の縁部から切り込まれた開口部30と、開口部30の両側外縁部に連結され、カバー28の外壁29の先端から突出した被係止部31と、開口部30の内端位置から外壁29に平行に突出する当接板部32と、ベース22の逃がし縦溝26に対応する位置にそれぞれ設けられて、外壁29と当接板部32に対して垂直に外壁29と当接板部32とをつなぐ1対の閉鎖板部33とを有するカバー嵌合い部34が設けられる。そして、ベース22の突起部24を含む両逃がし縦溝26に挟まれた部分を、カバー28の当接板部32と1対の閉鎖板部33とに囲まれた空間内に挿入し、カバー28の被係止部31とベース22の係止突起25とを係合させる方法がある(特許文献1)。この構成では、ベース22の突起部24を、当接板部32および両側の閉鎖板部33とで囲んで、さらに閉鎖板部33を逃がし縦溝26に嵌合いさせる。
【0004】
具体的には、カバー28をベース22に重ね合わせるために両者を近づける際にカバー28の閉鎖板部33をベース22の逃がし縦溝26に挿入していくと、カバー28の被係止部31がベース22の係止突起25を乗り越え、係止突起25が被係止部31のベース22の外壁23から一番遠い面と係合して、カバー嵌合い部34とベース嵌合い部27とが嵌合いする。
【0005】
この嵌合い状態では、ベース22の突起部24が、カバー28の被係止部31と、当接板部32および両側の閉鎖板部33とで囲まれるとともに、閉鎖板部33が逃がし縦溝26に嵌合いしており、ベース嵌合い部27とカバー嵌合い部34をねじるような外力が生じても、嵌合いが外れないようになっている。
【0006】
また、関連技術の他の一例のロック機構として、ベースに設けた空洞内にカバーのツメ部を挿入する方法がある(例えば特許文献2)。
【0007】
図10に、関連技術の他の一例のロック機構の概略図を示す。ここではベース35上にカバー41が重ねられて嵌合わされるものとして説明する。ベース35の外壁36の内側であり間隔をあけた位置に内壁37が設けられており、内壁37の先端は外壁36の先端38よりも高く、外壁36方向に折れているため、この内壁37はL字型を構成している。つまり、外壁36の先端38と内壁37の先端との間には隙間、すなわち開口部39があり、この開口部39を入り口として、外壁36と内壁37との間に空洞40が形成されている。
【0008】
カバー41の外壁42の先端付近の内面から外壁42にほぼ平行に、そして外壁42の先端43よりも突出するツメ部44が設けられている。
【0009】
ベース35とカバー41を嵌合いするときは、カバー41のツメ部44を、ベース35の開口部39を介して空洞40内に挿入する。このようにすることで、カバー41のツメ部44をベース35の空洞40内から抜こうとしても、ツメ部44の後端とベース35の内壁37のL字型に折れた部分とがぶつかり、ツメ部44が空洞40から抜けないようになっている。
【0010】
なお、カバー41のツメ部44が設けられている面と対向する面と、ベース35の空洞40が設けられている面と対向する面は、ねじ止めなどで固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開平7−30525号公報
【特許文献2】特開2001−14559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に記載のロック機構では、カバー28をベース22に近づけてカバー28の閉鎖板部33をベース22の逃がし縦溝26に挿入し、カバー28の被係止部31がベース22の係止突起25を乗り越えるようにすることで、被係止部31と係止突起25のベース22の外壁23の先端から一番遠い面とを係合させている。この構成では、予期しない振動や揺れによって嵌合いが外れることが防止できる。しかし、カバー28やベース22に大きな外力が加わると、カバー28の被係止部31がベース22の係止突起25を乗り越えてしまい、カバー嵌合い部34とベース嵌合い部27との嵌合いが外れてしまう可能性がある。すなわち、この構成は、人間が意図的にこじ開けようとすることを防ぐものではない。
【0013】
また、特許文献2に記載のロック機構では、ベース35の外壁36と内壁37との間に形成された空洞40に、カバー41のツメ部44を挿入するためには、ベース35の外壁36に対して平行に近い角度でカバー41のツメ部44をベース35の開口部39に挿入しなければならない。図11(a)に示すように、ツメ部44を開口部39に挿入する際に、ベース35の外壁36に対して、平行に近い角度ではなく垂直に近い角度で挿入すると、ツメ部44の先端がベース35の内壁37に接触してしまい、空洞40内にツメ部44を完全には挿入できない。ベース35の外壁36に対して平行に近い角度でカバー41のツメ部44を空洞40内に挿入しやすくするためには、図11(b)に示すように、開口部39をより大きくすることが考えられる。この方法だと、ツメ部44を空洞40内に挿入しやすくなるが、開口部39が大きくなるため、カバー41やベース35に対して大きな外力が加わる場合、カバー41のツメ部44がベース35の空洞40から抜けてしまう可能性がある。逆に、開口部39を小さくすると、ツメ部44をベース35の外壁36に対して垂直に近い角度で開口部39に挿入しなければならず、上述したようにツメ部44の先端が内壁37に接触してしまい、十分に挿入できない。
【0014】
本発明の目的は、上述した課題である、互いに固定すべき1対の部材、例えば筐体を構成するカバーとベースを嵌合いしやすくすると、それらの部材(カバーとベース)に大きな外力が加わると嵌合いが外れやすくなる、という問題を解決するロック機構およびそれを有する筐体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のロック機構は、一方の部材には、一方の部材の壁部の内側から壁部の先端を越えて突出したツメ部と、ツメ部を貫通する孔部とを有する嵌合い部が設けられている。他方の部材には、一方の部材の嵌合い部に対応する位置に、壁部の内面に接続され壁部の先端を越えて突出した平行な2つの平板の先端部が、支持部を介して接続されているツメ受け部と、壁部の内面から突出した突起とを有する嵌合い部が設けられている。一方の部材の嵌合い部と他方の部材の嵌合い部との嵌合い状態で、ツメ部はツメ受け部に挿入され、ツメ受け部内で孔部と突起とが係合し、1対の部材を固定している。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、互いに固定される1対の部材を嵌合いしやすくし、かつ、それらの部材に大きな外力が加わっても嵌合いを外れにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るロック機構を有する筐体の一実施形態の概略図であり、(a)は筐体の外観図、(b)はベースとカバーの嵌合い部を拡大した図、(c)は(b)のAA’断面の概略図、(d)は(b)のBB’断面の概略図である。
【図2】図1の筐体のカバー嵌合い部のツメ部をベース嵌合い部の開口部に挿入する様子を示す概略図であり、(a)は筐体の外観図、(b)はベースとカバーの嵌合い部を拡大した図、(c)は(b)のCC’断面の概略図である。
【図3】図1に示す筐体のカバー嵌合い部とベース嵌合い部とが嵌合いしている様子を示す概略図であり、(a)は筐体の外観図、(b)は嵌合い部の断面の概略図である。
【図4】カバーをベースと反対の方向に引っ張る外力が加わるときの筐体の嵌合い部の様子を示す概略図である。
【図5】カバー嵌合い部において、カバーを内側に押す外力が加わるときの嵌合い部の様子を示す概略図である。
【図6】ベース嵌合い部において、ベースを内側に押す外力が加わるときの嵌合い部の様子を示す概略図である。
【図7】カバー嵌合い部において、カバーを外側に引っ張る外力が加わるときの嵌合い部の様子を示す概略図である。
【図8】ベース嵌合い部において、ベースを外側に引っ張る外力が加わるときの嵌合い部の様子を示す概略図である。
【図9】関連技術の一例のロック機構の概略図である。
【図10】関連技術の他の一例のロック機構の概略図である。
【図11】図10のロック機構の課題を説明する図であり、(a)はツメ部をベースの外壁に対して垂直に近い角度で開口部に挿入する場合の概略図であり、(b)は開口部を大きくした場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態の詳細について説明する。なお、同一の機能を有する構成には添付図面中、同一の番号を付与し、その説明を省略することがある。
【0019】
図1は本発明に係るロック機構を有する筐体の一実施形態の概略図であり、(a)は筐体の外観図、(b)はベースとカバーの嵌合い部を拡大した図、(c)は(b)のAA’断面の概略図、(d)は(b)のBB’断面の概略図である。なお、図1(b)中の矢印tは、カバーをベースに近づける方向を示している。
【0020】
ここで説明する筐体とは、上述したセキュリティー機器、自動販売機、ATMなどに限定されるものではなく、モデムなどの通信機器でもよく、つまり、筐体のベースとカバーとが開閉する機器であるならば何でもよい。
【0021】
内部空間を有する中空の筐体20が、互いに固定される1対の部材、すなわちベース1とカバー2とで構成されている。ベース1の外壁(壁部)10に1つ以上のベース嵌合い部3が設けられている。また、カバー2の外壁(壁部)5の、ベース嵌合い部3に対応する位置にカバー嵌合い部4が設けられている。
【0022】
次にベース嵌合い部3について詳細に説明する。ベース嵌合い部3は、ベース1の外壁10の内側から外壁10の先端11よりも突出したツメ受け部12を有している。ツメ受け部12は、外壁10に側面が接続され外壁10の先端11よりも突出した平行な2つの平板14、15と、この2つの平板14、15の先端部を接続する支持部13とで構成されている。このような構成にすることで、外壁10の先端11と支持部13と平板14、15とで囲まれた開口部17が形成される。この開口部17には、後述するカバー嵌合い部4のツメ部7が挿入できる。さらに、外壁10の内面から垂直に突出した突起16が設けられている。この突起16は、ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4が嵌合いするときに、カバー嵌合い部4の後述する孔部8と対向して孔部8と係合する。なお、支持部13は、後述するカバー2の面cと当接する面は、面cと同様な形状、すなわち同じ角度の斜面形状を有する面にすることが好ましい。
【0023】
次にカバー嵌合い部4について詳細に説明する。カバー嵌合い部4は、カバー2の外壁5の先端付近の内側から外壁5の先端6よりも突出したツメ部7を有している。このツメ部7の内面aと外壁5の内面bとを接続する面cは、内面aと内面bとに対して垂直に設けられているのではなく、なだらかになるように設けられている。またツメ部7には、先端付近にツメ部7の内外面を貫通する孔部8が設けられている。この孔部8は、例えば長辺が外壁5と平行となるような矩形状をしている。上述したとおり、ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4とを嵌合いすると、ベース嵌合い部3の突起16とカバー嵌合い部4の孔部8とが係合するようになっている。
【0024】
ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4とを嵌合いさせる様子を図1〜図3を用いて説明する。図2は、図1に示す筐体20のカバー嵌合い部4のツメ部7をベース嵌合い部3の開口部17に挿入する様子を示す概略図であり、(a)は筐体20の外観図、(b)はベース1とカバー2の嵌合い部3、4を拡大した図、(c)は(b)のCC’断面の概略図である。図3は、図1に示す筐体20のカバー嵌合い部4とベース嵌合い部3とが嵌合いしている様子を示す概略図であり、(a)は外観図、(b)は嵌合い部3、4の断面の概略図である。
【0025】
図1(b)に示されている矢印tの方向に、ベース嵌合い部3の開口部17に向かってカバー嵌合い部4のツメ部7を近づけていく。
【0026】
そして、図2に示すように、カバー嵌合い部4のツメ部7をベース嵌合い部3の開口部17に挿入する。上述した特許文献2では、ベース35の外壁36と外壁36の内側に設けた内壁37との間に形成された空洞40内にカバー41のツメ部44を挿入するためには、ベース35の外壁36に対して平行に近い角度でツメ部44を空洞40に挿入しなければならなかった。これに対し、本発明のベース1は外壁10の内側に内壁がないので、ベース1の外壁10に対して垂直に近い角度でツメ部7を開口部17に挿入でき、さらに、開口部17を小さくすることもできる。
【0027】
図3に示すように、ベース1とカバー2を閉じると、ベース嵌め合い部3の突起16と、カバー嵌合い部4の孔部8とが係合する。また、カバー嵌合い部4の面cとベース嵌合い部3の支持部13とが当接する。
【0028】
そしてこの状態で、ベース1のベース嵌合い部3が設けられている面と対向する面と、カバー2のカバー嵌合い部4が設けられている面と対向する面とをねじ止めなどで固定する(不図示)。このようにしてこじ開け防止効果を持つロック機構を有する筐体20が完成する。
【0029】
本発明のロック機構を有する筐体20に力が加えられると、嵌合い部3、4がどのように動くのかを、図4〜図8を用いて説明する。なお、図中の黒く太い矢印が外力の方向を示している。
【0030】
図4は、カバー2をベース1とは反対の方向に引っ張る外力が加わるときの筐体20の嵌合い部3、4の様子を示している。この場合、ベース嵌合い部3の支持部13とカバー2の面cとが当接する点dにおいて、カバー嵌合い部4のツメ部7は面cに沿った方向、つまり、矢印vの方向へ動かされる。すると、カバー嵌合い部4のツメ部7はベース嵌合い部3の外壁10に押付けられる。さらに、カバー嵌合い部4の孔部8がベース嵌合い部3の突起16と係合しているため、ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4の嵌合いが外れない。
【0031】
図5は、カバー嵌合い部4においてカバー2を内側に押す外力が加わるときの嵌合い部3、4の様子を示している。この場合、カバー2の面cがベース嵌合い部3の支持部13を内側(外力と同じ方向)に押すことで、ベース嵌合い部3の突起16が矢印wの方向に動くため、カバー嵌合い部4の孔部8とベース嵌合い部3の突起16との係合が外れない。そのため、ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4の嵌合いが外れない。
【0032】
図6は、ベース嵌合い部3においてベース1を内側に押す外力が加わるときの嵌合い部3、4の様子を示している。この場合、ベース嵌合い部3がカバー嵌合い部4に押付けられるため、カバー嵌合い部4の孔部8とベース嵌合い部3の突起16との係合が外れない。よって、ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4の嵌合いが外れない。
【0033】
図7は、カバー嵌合い部4においてカバー2を外側に引っ張る外力が加わるときの嵌合い部3、4の様子を示している。この場合、カバー嵌合い部4のツメ部7が矢印yの方向に引っ張られ、ベース1の外壁10に圧接する。そのため、カバー嵌合い部4の孔部8とベース嵌合い部3の突起16とが係合したままであり、ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4の嵌合いが外れない。
【0034】
図8は、ベース嵌合い部3においてベース1を外側に引っ張る外力が加わるときの嵌合い部3、4の様子を示している。この場合、ベース嵌め合い部3が外側(外力の方向)に引っ張られるため、支持部13が矢印zの方向に動こうとし、カバー嵌合い部4も支持部13に押され矢印zの方向に動こうとする。そのため、カバー嵌合い部4はベース1の外壁10に圧接されるので、カバー嵌合い部4の孔部8とベース嵌合い部3の突起16とは係合したままであり、ベース嵌合い部3とカバー嵌合い部4の嵌合いが外れない。
【0035】
本発明では、筐体20に前述した特許文献2の内壁37が存在しないため、カバー嵌合い部4のツメ部7をベース嵌合い部3の開口部に挿入するときの角度が制限されることはない。さらに、ベース嵌合い部3の開口部17を小さくしても、カバー嵌合い部4のツメ部7を開口部17に挿入可能であり、挿入したツメ部7が開口部17から外れにくくなっている。また、カバー嵌合い部4とベース嵌合い部3とが嵌合いしたとき、カバー嵌合い部4の孔部8とベース嵌合い部3の突起16が係合するようになっているため、嵌合い部3、4に外力が加わったとしても、嵌合いが外れないようになっている。さらに、開口部17のベース1の外壁10と支持部13との幅を小さくし、ツメ部7をベース1の外壁10に対して垂直に近い角度で進入させることによって、ベース1とカバー2を閉じたときに、ベース1の外壁10とツメ部7とがほぼ平行になる。しかしながら、ツメ部7を開口部17から抜くためには、ツメ部7をベース1の外壁10に対して垂直方向に引き抜かなければならないため、大きな外力が加わっても嵌合いがさらに外れにくくなる。
【0036】
したがって、本発明のロック機構を有する筐体20は、ベース1の嵌合い部3とカバー2の嵌合い部4とを嵌合いしやすくする一方で、外力が嵌合い部3、4に加わっても嵌合いがより外れにくくなっているため、筐体20のこじ開けを防止することができる。
【0037】
なお、本発明のロック機構は、前記したような筐体20を構成するベース1とカバー2に限定されず、1対の部材を互いに固定する構成に広く応用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 ベース
2 カバー
3 ベース嵌合い部
4 カバー嵌合い部
5 カバーの外壁(壁部)
6 カバーの外壁の先端
7 ツメ部
8 孔部
10ベースの外壁(壁部)
11ベースの外壁の先端
12ツメ受け部
13支持部
14、15平板
16突起
17開口部
20筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の部材を互いに固定するためのロック機構であって、
一方の部材には、前記一方の部材の壁部の内側から前記一方の部材の壁部の先端を越えて突出したツメ部と、前記ツメ部を貫通する孔部とを有する嵌合い部が設けられており、前記一方の部材の壁部の内面と前記ツメ部の内面とをつなぐ面は、前記一方の部材の壁部の内面と前記ツメ部の内面に対してなだらかに接続しており、
他方の部材には、前記一方の部材の前記嵌合い部に対応する位置に、前記他方の部材の壁部の内面に接続され前記他方の部材の壁部の先端を越えて突出した平行な2つの平板の先端部が、支持部を介して接続されているツメ受け部と、前記他方の部材の壁部の内面から突出した突起とを有する嵌合い部が設けられており、
前記一方の部材の前記嵌合い部と前記他方の部材の前記嵌合い部との嵌合い状態で、前記ツメ部は前記ツメ受け部に挿入され、前記ツメ受け部内で前記孔部と前記突起とが係合し、前記一方の部材の壁部の内面と前記ツメ部の内面とをつなぐ面と、前記他方の部材の前記支持部とが当接している、ロック機構。
【請求項2】
前記支持部の、前記一方の部材の壁部の内面と前記ツメ部の内面とをつなぐ面と当接する面は、前記一方の部材の壁部の内面と前記ツメ部の内面とをつなぐ面と同じ角度の斜面形状をしている、請求項1に記載のロック機構。
【請求項3】
前記孔部と前記突起は矩形状をしている、請求項1または2に記載のロック機構。
【請求項4】
前記ツメ部は、前記2つの平板と前記支持部とに囲まれた開口部から、前記ツメ受け部に挿入されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のロック機構。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のロック機構を有する中空の筐体であって、
前記一方の部材はカバーであり、前記他方の部材はベースであり、前記カバーと前記ベースとが重ね合わされ、前記カバーの嵌合い部と前記ベースの嵌合い部とが嵌合いして生じた内部空間を有する、筐体。
【請求項6】
1対の部材を互いに固定するためのロック機構によるロック方法であって
一方の部材の壁部の内側から前記一方の部材の壁部の先端を越えて突出させたツメ部を、他方の部材の壁部の内面に接続され前記他方の部材の壁部の先端を越えて突出させた平行な2つの平板と、2つの前記平板の先端部を接続する支持部とで形成されたツメ受け部に挿入し、前記他方の部材の壁部の内面から突出させた突起と、前記一方の部材の前記ツメ部を貫通する孔部とを係合させ、前記一方の部材の壁部の内面と前記ツメ部の内面とをつなぐなだらかな面と、前記他方の部材の前記支持部とを当接させる、ロック方法。
【請求項7】
前記ツメ部を、前記2つの平板と前記支持部とを囲んで形成される開口部から前記ツメ受け部に挿入する、請求項6に記載のロック方法。
【請求項8】
前記支持部の、前記一方の部材の壁部の内面と前記ツメ部の内面とをつなぐ面と当接する面を、前記一方の壁部の内面と前記ツメ部の内面とをつなぐ面と同じ斜面形状にする、請求項6または7に記載のロック方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−54780(P2011−54780A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202632(P2009−202632)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】