説明

ロボットハンドのフィンガー部材、ロボットハンド、及び、それを有する物品移送機

【課題】フィルムキャップで被覆される被把持部を把持して移送するロボットハンド、及び、そのフィンガー部材について、フィルムキャップの切れなどの損傷を防止するための新規な構成を提案する。
【解決手段】樹脂製のフィルムキャップ60によって被覆されているビール樽4の被把持部5を把持するためのフィンガー部材2を有するロボットハンド1であって、前記フィンガー部材2の先端部に樹脂製の爪部材3を設け、前記爪部材3を被把持部5に対して当着させる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール樽などの物品をロボットハンドで把持して移送する物品移送機に関し、より詳しくは、ロボットハンドで把持される部位が樹脂製のフィルムキャップで被覆されるものについて、フィルムキャップの切れなどの損傷を防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビール樽などの物品をロボットハンドで把持して移送する物品移送機が知られており、これについて開示する文献も存在する(例えば、特許文献1。)。
【0003】
特許文献1では、樹脂製のフィルムキャップにて、ビールの提供時にディスペンサーヘッドが装着される口部を被覆し、この部位を被把持部とするビール樽について開示されており、いわゆるロボットハンドとして構成される搬送装置の把持部にてビール樽の被把持部を把持し、ビール樽を移送する構成としている。
【0004】
また、特許文献1では、フィルムキャップの切れなどの損傷(ダメージ)を検査するための構成についても開示がなされており、従来、このフィルムキャップの切れなどの損傷の発生を低減することが課題となっていた。特許文献1に開示されるような把持部は、複数のフィンガー部材を備え、各フィンガー部材の先端の爪部分を口部のつば部分に引っ掛けるように構成されている。そして、爪部分は、フィンガー部材の先端にて構成されるものであった。
【特許文献1】特開2005−112567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
口部に被覆されるフィルムキャップに切れなどの損傷が生じた場合、販売店などへの搬送の過程において、フィルムキャップが脱落する不具合が発生し得ることになる。フィルムキャップが脱落してしまうと、口部がフィルムキャップにカバーされずに汚れが付着してしまうことや、そのビール樽が未開封であることなどが目視で確認することができないといった不具合が生じることになる。つまりは、ビール樽の品質について保障ができないものとなってしまう。
【0006】
また、フィルムキャップについては、一般に樹脂製フィルムが使用されるものであるが、使用する樹脂の素材によっては、切れが発生しやすいという問題が生じるため、フィルムキャップの素材が変更された場合でも、切れなどの損傷の発生を抑えることを可能とする必要がある。また、例えば、コストダウンを図る方策として、フィルムキャップの素材変更や、薄肉化が検討されるが、このような変更を行った場合に懸念される強度低下にも対応可能とする必要がある。
【0007】
また、物品移送機の更なる高速稼動を視野に入れる場合、吊り下げられて移動している状態から停止する際には、より大きな慣性が作用することになるため、口部と爪部分の間に挟まれるフィルムキャップには、より大きな荷重が作用することが懸念され、フィルムキャップの損傷の可能性が増すことが懸念される。
【0008】
本発明は以上の問題に鑑み、フィルムキャップで被覆される被把持部を把持して移送するロボットハンド、及び、そのフィンガー部材について、新規な構成を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1に記載のごとく、
樹脂製のフィルムキャップによって被覆されている物品の被把持部を把持するためのロボットハンドのフィンガー部材であって、前記フィンガー部材の先端部に樹脂製の爪部材を設け、前記爪部材を被把持部に対して当着させる構成とする、フィンガー部材とするものである。
【0011】
また、請求項2に記載のごとく、
前記フィンガー部材の先端には、前記爪部材の下面を下側から保持するための支持部が設けられることとするものである。
【0012】
また、請求項3に記載のごとく、
前記被把持部は、筒部と、前記筒部の上端部に形設されて、前記爪部材の係止面に係止される円環状のつば部を、前記フィルムキャップにて被覆することで構成されるものであり、前記支持部の前記筒部に近い先端部は、前記つば部の外周位置よりも、前記筒部に近く、且つ、前記筒部と接触しない位置に配置される構成とするものである。
【0013】
また、請求項4に記載のごとく、
前記爪部材の係止面は、前記つば部の下面に対向するものであり、前記係止面は、前記被把持部の筒部に近づくに従って低くなる勾配を有することとするものである。
【0014】
また、請求項5に記載のごとく、
前記爪部材には、ヘリサートが内装されており、前記ヘリサートに固定ボルトを螺挿することで、前記固定ボルトを介して前記爪部材がフィンガー部材に固定される構成とするものである。
【0015】
また、請求項6に記載のごとく、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のフィンガー部材を有するロボットハンドとするものである。
【0016】
また、請求項7に記載のごとく、
請求項6に記載のロボットハンドを有する物品移送機とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0018】
即ち、請求項1に記載の発明においては、
金属製のフィンガー部材の先端で直接的に口部をチャックする場合と比較して、フィルムキャップの切れなどの損傷の発生を効果的に防止することができる。
【0019】
また、請求項2に記載の発明においては、
前記爪部材に作用する荷重を支持部に分散させることが可能となり、爪部材の破損を防止することができる。
【0020】
また、請求項3に記載の発明においては、
前記爪部材の下面の広い範囲を支持部にて支えることが可能となり、爪部材に作用する応力が分散され、爪部材の破損を防止することができる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明においては、
係止面に勾配を持たせることにより、フィルムキャップの切れなどの損傷を防止することができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明においては、
爪部材に直接的に雌ネジ加工する場合と比較して、爪部材への応力集中の発生を防止することができ、爪部材の破損を効果的に防止することができる。
【0023】
また、請求項6に記載の発明においては、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のフィンガー部材を有するロボットハンドとすることにより、フィルムキャップの切れなどの損傷の発生が防止されるロボットハンドを構成することができる。
【0024】
また、請求項7に記載の発明においては、
請求項6に記載のロボットハンドを有することにより、フィルムキャップの切れなどの損傷の発生が防止される物品移送機を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0026】
図1(a)(b)は、本発明の一実施形態にかかるロボットハンド1の構造について示すものである。ロボットハンド1は、複数本のフィンガー部材2・2を備え、図示せぬ駆動機構によって各フィンガー部材2・2が動作される構成としている。また、各フィンガー部材2・2の先端には、爪部材3・3が設けられており、図1(a)に示すごとく、各フィンガー部材2・2の爪部材3・3の距離を大きく開けた状態から、図1(b)に示すごとく、各フィンガー部材2・2における爪部材3・3を近づけることで、移送される物品としてのビール樽4の上部に形成される被把持部5がチャックされ、把持される構成としている。
【0027】
また、図2に示すごとく、ロボットハンド1は、アーム機構10の先端に設けられており、例えば、コンベア11上に載置されたビール樽4をロボットハンド1で把持した後に、アーム機構10を動作させることによって、ビール樽4をパレット12に移送するように構成されている。また、この構成では、一つのアーム機構10に複数のロボットハンド1が設けられており、同時に複数のビール樽4を移送できるようになっている。このようなアーム機構10とロボットハンド1により、物品移送機20が構成されるようになっている。このような物品移機20は、パレット12に物品であるビール樽4を載置することから、パレタイザーとして知られるものである。
【0028】
また、図1(b)に示すごとく、ロボットハンド1には、押さえ板6が設けられており、この押さえ板6をアクチュエータ7によりビール樽4の上部枠8に押さえつけることで、ロボットハンド1にてビール樽4を持ち上げて移動させる際に、ビール樽4が傾倒しないように構成されている。
【0029】
また、図1(a)(b)、及び、図3(a)(b)に示すごとく、ビール樽4の被把持部5は、ビールの提供時において図示せぬディスペンサーが取り付けられる口部51を、樹脂製のフィルムキャップ60で被覆して構成されている。図3(a)は、フィルムキャップ60が取り付けられる前において、口部51が開放されている状態を示し、図3(b)は、口部51がフィルムキャップ60で被覆された状態を示している。
【0030】
また、図3(a)及び図4に示すごとく、口部51は、ビール樽4の樽部9から上方に筒部52を突設し、この筒部52の上端部に円環状のつば部53を設けて構成される。また、この筒部52には、上下方向の流路54が形設されており、この流路54を通して樽部9の内部のビールが外部へ供給できることとなっている。
【0031】
また、図4に示すごとく、口部51は、樹脂製のフィルムキャップ60にて被覆された状態となっている。ここで、フィルムキャップ60は、つば部53の全体を覆いつつ、筒部52の周面52aを覆うようにして、口部51を被覆するようになっている。
【0032】
そして、図4に示すごとく、筒部52から外方に突出するつば部53の下面53aに対し、フィンガー部材2の爪部材3の係止面31を対向させつつ、筒部52の周面52aに対し、爪部材3の縦面32を対向させた状態として、爪部材3にて口部51をチャックする。また、この状態で、爪部材3の係止面31とつば部53の下面53aの間、爪部材3の縦面32と筒部52の周面52aの間には、フィルムキャップ60が挟まれる状態となる。
【0033】
また、図4及び図5に示すごとく、爪部材3は、フィンガー部材2とは別体に構成されており、フィンガー部材2に対して保持固定されるものである。フィンガー部材2は、耐久性確保の観点から、ステンレスなどの金属にて構成される。一方、爪部材3は、フィルムキャップ60の切れなどの損傷を防ぐ観点から、樹脂成形品にて構成される。
【0034】
ここで、図4及び図5に示すごとく、爪部材3を構成する樹脂の素材については、フィルムキャップ60の切れの不具合を発生させないために、フィルムキャップ60との素材の関係で適宜決定されるものであるが、例えば、フィルムキャップ60が植物系プラスティックであるポリ乳酸にて構成される場合には、MCナイロン(登録商標)にて構成することが好適である。このように、樹脂製の爪部材3を設けることによって、金属製のフィンガー部材の先端で直接的に口部51をチャックする場合と比較して、フィルムキャップ60の切れなどの損傷の発生を効果的に防止することができる。これは、ビール樽の荷重が爪部材3に作用した際に、爪部材3の係止面31に若干の変形が許容されることで、フィルムキャップ60に作用する負荷(荷重)を低減できるためと考えられる。逆に、金属製のフィンガー部材の先端の場合には、このような変形が起こり難いため、フィルムキャップ60の切れが生じやすいものと考えられる。
【0035】
また、図4及び図5に示すごとく、爪部材3は、交換容易性の観点から、ブロック状の一体成形品として構成されており、フィンガー部材2の先端に形成される固定部21(図4参照)に対し、下面33と、背面34と、上面35を接触させるようにして固定される。また、爪部材3において、係止面31と、縦面32が、フィンガー部材2の外側に現れるようにして固定される。
【0036】
また、図4及び図5に示すごとく、爪部材3の係止面31は、上方に移動した際に、つば部53を引っ掛けて持ち上げることができるように、チャックした状態において、角度θの勾配を有することとしている。この角度θは、つば部53の形状によっても設計がなされるものであるが、図4に示されるような一般的な形状の口部51を有するものについては、好ましくは15°〜45°、更に好ましくは20°〜40°、より更に好ましくは25°〜35°となる。また、この角度θの設定により、フィルムキャップ60の切れなどの損傷の発生を効果的に防止することができる。
【0037】
また、図4及び図5に示すごとく、爪部材3の縦面32は、筒部52の周面52aの円弧面に沿って当着するような、円弧面にて構成されている。これにより、フィルムキャップ60を挟んで筒部52の周面52aに対し、フィンガー部材2から付与される荷重を略均等に分布させることが可能となる。また、このように、荷重を分布させることにより、フィルムキャップ60について、局所的に荷重が作用することがなく、切れなどの損傷の発生を効果的に防止することができる。
【0038】
また、図4及び図5に示すごとく、フィンガー部材2の先端2Aには、爪部材3の下面33を下側から保持するための支持部2aが設けられている。本実施形態では、この支持部2aが板状に構成されており、爪部材3の下面33の広い範囲を、支持部2aの上面2b(図4参照)にて、保持できるようになっている。このように、爪部材3の下面33を広い範囲で支持することにより、ビール樽を持ち上げる際に、爪部材3に大きな荷重が作用する場合でも、この荷重を支持部2aに分散させることが可能となって、爪部材3における局所的な荷重の作用(応力集中)が防止される。そして、これにより、爪部材3の破損などの不具合の発生を効果的に防止することができる。
【0039】
なお、図4に示すごとく、支持部2aについては、好ましくは、爪部材3の下面33の略三分の二の面積よりも広い範囲を支持することが好適である。また、支持部2aにおける口部51に近い先端部2cについては、つば部53の外周位置53bよりも筒部52に近く、且つ、筒部52と接触しない位置に配置することで、爪部材3の先端部3aを確実に支持できる構成とすることが望ましい。
【0040】
また、図4に示すごとく、爪部材3の背面34は、フィンガー部材2の固定部21の縦面21aに対して接触された状態とし、この背面34側から固定ボルト36が螺挿されることで、固定ボルト36を介してフィンガー部材2と爪部材3が固定されるようになっている。また、この状態で、フィンガー部材2の固定部21の天面21bには、爪部材3の上面35が接触し、フィンガー部材2の支持部2aの上面2bには、爪部材3の下面33が接触する状態となる。
【0041】
また、図4及び図6に示すごとく、爪部材3には、背面34側から孔37が形設されており、該孔37内にヘリサート受け41が内装されるとともに、該ヘリサート受け41にヘリサート42が内装される構成としており、このヘリサート42に対して、固定ボルト36が螺挿される構成としている。この構成により、爪部材3に直接雌ネジを加工する場合と比較して、爪部材3における応力集中の発生を抑制することが可能となり、爪部材3の破損を効果的に防止することができる。特に、爪部材3は、樹脂製とするため、雌ネジ加工をすると、その加工箇所において応力集中が発生し、亀裂が発生することが懸念されるため、ヘリサート42を設ける構成は有効なものとなる。
【0042】
以上が本発明の一実施形態である。
即ち、図4に示すごとく、樹脂製のフィルムキャップ60によって被覆されているビール樽4の被把持部5を把持するためのロボットハンド1のフィンガー部材2であって、前記フィンガー部材2の先端部に樹脂製の爪部材3を設け、前記爪部材3を被把持部5に対して当着させる構成とするものである。
【0043】
この構成により、金属製のフィンガー部材の先端で直接的に口部51をチャックする場合と比較して、フィルムキャップ60の切れなどの損傷の発生を効果的に防止することができる。そして、フィルムキャップ60の損傷を防止することで、フィルムキャップの脱落などの不具合が防止され、ひいては、ビール樽の品質を確実に保障することが可能となる。
【0044】
また、図4に示すごとく、前記フィンガー部材2の先端2Aには、前記爪部材3の下面33を下側から保持するための支持部2aが設けられている。
【0045】
この構成により、前記爪部材3に作用する荷重を支持部2aに分散させることが可能となり、爪部材3の破損を防止することができる。
【0046】
また、図4に示すごとく、被把持部5は、筒部52と、前記筒部52の上端部に形設されて、前記爪部材3の係止面31に係止される円環状のつば部53を、前記フィルムキャップ60にて被覆することで構成されるものであり、前記支持部2aの前記筒部52に近い先端部2cは、前記つば部53の外周位置53bよりも、筒部52に近く、且つ、筒部52と接触しない位置に配置される構成としている。
【0047】
この構成により、前記爪部材3の下面33の広い範囲を支持部2aにて支えることが可能となり、爪部材3に作用する応力が分散され、爪部材3の破損を防止することができる。
【0048】
また、図4に示すごとく、前記爪部材3の係止面31は、前記つば部53の下面53aに対向するものであり、前記係止面31は、前記被把持部5の筒部52に近づくに従って低くなる勾配を有することとしている。
【0049】
このように、係止面31に勾配を持たせることにより、フィルムキャップ60の切れなどの損傷を防止することができる。
【0050】
また、図4に示すごとく、前記爪部材3には、ヘリサート42が内装されており、前記ヘリサート42に固定ボルト36を螺挿することで、前記固定ボルト36を介して前記爪部材3がフィンガー部材2に固定される構成とする。
【0051】
この構成により、爪部材3に直接的に雌ネジ加工する場合と比較して、爪部材3への応力集中の発生を防止することができ、爪部材3の破損を効果的に防止することができる。
【0052】
また、図2に示すごとく、上述のフィンガー部材2を有するロボットハンド1、及び、物品移送機10を構成することにより、フィルムキャップの切れなどの損傷の発生が防止されるロボットハンド1や物品移送機10を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、特に、飲料が充填される樽容器などであって、その上部の口部がフィルムキャップにて被覆される物品を移送するためのロボットハンドについて適用することにより、フィルムキャップの切れなどの損傷を防止することができる。また、飲料については、ビールに限られるものではなく、清涼飲料水など、様々な飲料に適用可能である。また、飲料のほか、薬品や塗料などの液体、さらには、ガスが封入される容器について、口部にフィルムキャップがなされ、このフィルムキャップがなされる部位を被把持部とする物品を移送するためのロボットハンドについて、広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】(a)は、ロボットハンドの先端部の構成について示す図。(b)は、ロボットハンドにて被把持部をチャックした状態について示す図。
【図2】アーム機構とロボットハンドを備える物品移送機について示す図。
【図3】(a)は、フィルムキャップが取り付けられる前において、口部が開放されている状態を示す図。(b)は、口部がフィルムキャップで被覆された状態を示す図。
【図4】爪部、及び、口部の構成について示す側面一部断面図。
【図5】フィンガー部材の先端部の構造、及び、爪部の構造について示す斜視図。
【図6】爪部の構造について示す爪部の背面図。
【符号の説明】
【0055】
1 ロボットハンド
2 フィンガー部材
3 爪部材
4 ビール樽
5 被把持部
31 係止面
32 縦面
36 固定ボルト
42 ヘリサート
51 口部
52 筒部
53 つば部
60 フィルムキャップ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製のフィルムキャップによって被覆されている物品の被把持部を把持するためのロボットハンドのフィンガー部材であって、前記フィンガー部材の先端部に樹脂製の爪部材を設け、前記爪部材を被把持部に対して当着させる構成とする、フィンガー部材。
【請求項2】
前記フィンガー部材の先端には、前記爪部材の下面を下側から保持するための支持部が設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のフィンガー部材。
【請求項3】
前記被把持部は、筒部と、前記筒部の上端部に形設されて、前記爪部材の係止面に係止される円環状のつば部を、前記フィルムキャップにて被覆することで構成されるものであり、前記支持部の前記筒部に近い先端部は、前記つば部の外周位置よりも、前記筒部に近く、且つ、前記筒部と接触しない位置に配置される構成とする、
ことを特徴とする、請求項2に記載のフィンガー部材。
【請求項4】
前記爪部材の係止面は、前記つば部の下面に対向するものであり、前記係止面は、前記被把持部の筒部に近づくに従って低くなる勾配を有する、
ことを特徴とする、請求項3に記載のフィンガー部材。
【請求項5】
前記爪部材には、ヘリサートが内装されており、前記ヘリサートに固定ボルトを螺挿することで、前記固定ボルトを介して前記爪部材がフィンガー部材に固定される構成とする、
ことを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のフィンガー部材。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のフィンガー部材を有するロボットハンド。
【請求項7】
請求項6に記載のロボットハンドを有する物品移送機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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