説明

ロボット犬

【課題】 従来のペット型ロボットと同様に、情緒的な交流が可能であり、人間を心理的に楽しませる機能を有するとともに、さらに散歩、荷物の運搬機能を有し、特に荷物の持ち運びが困難な人に役立つロボットを提供する。
【解決手段】 四本の脚4a、4b、4c及び4dの下端にそれぞれモータ12a、12b、12c及び12dで駆動する走行輪13a、13b、13c及び13dが設けられ且つ四本の脚4a、4b、4c及び4dによって歩行可能に構成された犬型のロボットであり、背部には荷物格納部14が形成され、荷物の運搬時には前記四本の脚4a、4b、4c及び4dを安定位置に固定して、前記モータ12a、12b、12c及び12dの駆動により走行可能に構成されてなり、好ましくは、人の接近を検知する検知器18を有し、コントローラ22を首輪部20から延長したリード線21の端部に設けたことを特徴とするロボット犬。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物の運搬機能を有するロボット犬に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、社会環境の急激な変化の中で、人々が受ける社会的なストレスが増大し、様々な社会問題が発生していることに鑑み、前記ストレスに対するメンタルヘルスケアや生命の尊さに対する情操教育を行なうことが緊急の課題であると考えられることから、飼い主が食事や排泄の世話などを通じて生命の尊さに対する情操教育を学ぶことができるペット型ロボット(特開2003−89077)や、共存する人間と情緒的な情報を交流して人間を心理的に楽しませるペットロボットとして自律歩行ロボット装置(特開2002−59389)などが提案されている。
【特許文献1】特開2003−89077公報
【特許文献2】特開2002−59589公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、前記従来のペット型ロボットと同様に情緒的な交流が可能であり、人間を心理的に楽しませる機能を有するとともに、さらに散歩及び荷物の運搬機能を有し、特に荷物の持ち運びが困難な人に役立つロボット犬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のロボット犬は、四本の脚の下端にそれぞれモータで駆動する走行輪が設けられ且つ四本の脚によって歩行可能に構成された犬型のロボットであり、背部には荷物の格納部が形成され、荷物の運搬時には前記四本の脚を安定位置に固定して、前記モータの駆動により走行可能に構成されてなることを特徴とするものである(請求項1)。
【0005】
前記構成のロボット犬によれば、情緒的な交流が可能であり、楽しみを味わうことができるとともに、四本の脚によって歩行させて散歩及び荷物を運搬することができ、荷物の持ち運びが困難な人でも買い物等に出掛けることができる。
【0006】
すなわち、ロボット犬とともに買い物等に出掛ける場合は、行きは散布を楽しみ、帰りは買った商品を背部に設けられた荷物格納部に収容し、前記四本の脚を安定させて固定し、前記モータを駆動させて走行させればよい。したがって、荷物の持ち運びが困難な人でも買い物等を楽しむことができる。
【0007】
本発明の実施の一形態は、人の接近を検知する検知器を設けたことを特徴とする(請求項2)。この実施の一形態によれば番犬としての機能が得られる。すなわち、夜間等には、前記検知器の電源をONにしておけば人の接近した場合が検知される。そして人の接近が検知された場合には、吼え声、その他の信号音を発声するように予め構成しておくことにより不法侵入や盗難等を防止することができる。
【0008】
本発明の実施の一形態は、眼部に光源を配置したことを特徴とする(請求項3)。この実施の一形態によれば、生きた犬の感覚が得られるとともに明るさを調整することにより夜間散歩時には照明として利用できる。
【0009】
本発明の実施の一形態は、コントローラを首輪部から延長したリード線の端部に設けたことを特徴とする(請求項4)。この実施の一形態によれば、リード線といわゆる犬の繋ぎ紐とを共用させることができ便利である。
【0010】
本発明の実施の一形態は、胴の後部に起立及び格納自在の手押しハンドルを設けたことを特徴とする(請求項5)。この実施の一形態によれば、走行輪をフリーの状態にして、いわゆる手押し車として散歩及び買い物時の歩行を手助けすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の概略斜視図である。図中、1は、金属、プラスチック等からなる内枠体であり、該内枠体1を中心にして図示しない部材を介して外側にプラスチック等によって犬の外形となる胴2、頭3、四本の脚4a、4b、4c、4d及び尾5等が形作られる。さらに詳細を図示しないが、それらの外周面にそれぞれ植毛が施されて実際の犬に似た状態に形成される。
【0012】
前記四本の脚4a、4b、4c及び4dは、図面実施例では、それぞれその略中間部が前記内枠体1の外側部にそれぞれ枢支ピン6により枢支されている。以下に、前記四本の脚4a、4b、4c及び4dによる歩行構造の一例を述べる。
【0013】
前記略中間部が前記内枠体1に枢支ピン6により枢支された四本の脚4a、4b、4c及び4dの上端に往復動リンク7a、7b、7c及び7dの一端がそれぞれ連結ピン8により連結される。
【0014】
さらに、前記往復動リンク7a、7b、7c及び7dの他端が、前記内枠体1のそれぞれ外側に設けられたカム板9a、9b、9c及び9dの所定位置の回動ピン10にそれぞれ連結される。
【0015】
さらに前記内枠体1の外側に支持された前記カム板9a、9b、9c及び9dと対応する前記内枠体1の内側に、それぞれ該カム板9a、9b、9c及び9dを独立制御するモータ11a、11b、11c及び11dがそれぞれ設けられて全体が低荷重に構成される。
【0016】
さらに、前記四本の脚4a、4b、4c及び4dの下端には、モータ12a、12b、12c及び12dによって駆動させられる走行輪13a、13b、13c及び13dが設けられる。
【0017】
さらに前記胴2の背部には、荷物格納部14が形成される。なお、図面実施例では、該荷物格納部14の口部にジッパー付きの蓋15が設けられている。さらに、前記頭3の眼部にはLED等の光源16が配置される。
【0018】
さらに、前記胴2の内部には充電可能なバッテリ17が設けられ、その他、人の接近を検知する検知器18、前記モータ11a、11b、11c及び11d並びにモータ12a、12b、12c及び12d、前記光源16、前記検知器18等を制御するマイコン等の制御部19等が設けられる。
【0019】
さらに、前記制御部19からのリード線が首輪部20部に導かれ、該首輪部20から繋ぎ紐を兼ねたリード線21が延長され、該リード線21の端部にコントローラ22が設けられる。図中、23は、胴2の後部に起立及び格納自在に設けられた手押しハンドルである。
【0020】
前記構成の本発明に係るロボット犬は、前記コントローラ23を操作することにより、前記制御部19を介して前記モータ11a、11b、11c及び11dが独自に駆動制御され、カム板9a、9b、9c及び9d、往復動リンク7a、7b、7c及び7dを介して前記四本の脚4a、4b、4c及び4dが実際の犬の歩行と同様に前後移動させられて歩行が行なわれる。
【0021】
つぎに荷物の運搬時には、四本の脚4a、4b、4c及び4dが安定位置に固定される。具体的には、犬が静止した状態、すなわち、前記四本の脚4a、4b、4c及び4dが正立した状態に固定され、前記荷物格納部14に荷物が収納される。
【0022】
その後は、前記コントローラ23を操作することにより、前記制御部19を介して前記モータ12a、12b、12c及び12dが駆動制御されて走行が行なわれる。なお、走行方向の制御はコントローラ23により前記モータ12a、12b、12c及び12dを個別制御することにより行なわれる。
【0023】
前記のごとく、本発明のロボット犬は、荷物の持ち運びが困難な人に役立つものであり、さらにいわゆる手押し車として散歩及び買い物時の歩行の手助けをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るロボット犬の斜視図である。
【図2】四本の脚による歩行構造の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
4a、4b、4c、4d 四本の脚
14 荷物格納部
11a、11b、11c、11d モータ
12a、12b、12c、12d モータ
16 光源
18 検知器
21 リード線
22 コントローラ
23 手押しハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四本の脚の下端にそれぞれモータで駆動する走行輪が設けられ且つ四本の脚によって歩行可能に構成された犬型のロボットであり、背部には荷物格納部が形成され、荷物の運搬時には前記四本の脚を安定位置に固定して、前記モータの駆動により走行可能に構成されてなることを特徴とするロボット犬。
【請求項2】
人の接近を検知する検知器を設けたことを特徴とする請求項1に記載のロボット犬。
【請求項3】
眼部に光源を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット犬。
【請求項4】
コントローラを首輪部から延長したリード線の端部に設けたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載のロボット犬。
【請求項5】
胴の後部に起立及び格納自在の手押しハンドルを設けたことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のロボット犬。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−46742(P2010−46742A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212406(P2008−212406)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(395015711)ブルボン電子株式会社 (3)
【Fターム(参考)】