ロボット装置
【課題】頭部の高さを低く抑えたままで広い認識可視領域を確保可能なロボット装置を提供すること。
【解決手段】ロボット1は、胴体2と、胴体2の上部に連結された首関節機構4と、首関節機構4により支持された頭部5と、頭部5の前面に配置された認識部6と、を備える。首関節機構4は、胴体2の上面に対する水平方向を長軸とし、胴体2の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、頭部5を移動させることを特徴とする。
【解決手段】ロボット1は、胴体2と、胴体2の上部に連結された首関節機構4と、首関節機構4により支持された頭部5と、頭部5の前面に配置された認識部6と、を備える。首関節機構4は、胴体2の上面に対する水平方向を長軸とし、胴体2の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、頭部5を移動させることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、首関節機構を備えたロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動機能(車輪など)や認識機能(カメラなど)を備え、自律移動や自律マニピレーションを行うロボットや、或いは、カメラ画像によって操縦操作を行うロボットなどが開発されている。このようなロボットでは、搭載した認識部に関して、広い認識領域を確保することが要求される。
【0003】
なお、本発明に関連する技術として、例えば特許文献1には、カメラなどの認識部を備えた作業機器が開示されている。そして、作業機器が備えるアーム機構により、認識部を移動させる構成が開示されている。具体的には、特許文献1には、カメラを備えた作業機器を、支持台の上下及び左右に移動可能とする首振り機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−105044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
認識部の可視領域として、ロボットの正面からロボットの台車前面部までの範囲を想定する場合、認識部を移動させるための首機構としては、例えば、図6に示すような機構を採用することが考えられる。
【0006】
図6の左図に示すロボット31は、認識部35の可視領域を変更する首機構を備えている。首機構は、胴体32の上面に配置された1軸(ピッチ軸)関節33と、関節33の駆動により回転されるリンク34と、リンク34により支持されたカメラなどの認識部35と、を備え、関節33を回転駆動することで、認識部35の可視領域を変更する。このような首機構は、自由度数が最も少なく簡素なものとして実現できるというメリットを有するが、台車前面部までの視野を確保するためには、リンク34を長くする必要が生じる(すなわち、図6の中央図に示すように、台車前面部を可視領域に含むように、リンク34の長さを確保する必要がある)。
【0007】
従って、このような構成を採用すると、ロボット31の正面を認識する場合には胴体32に対してリンク34が倒立し、ロボット31の台車部底面から認識部35(頭部)までの全長が高くなる。このため、以下のような問題が生じる。
【0008】
まず、図6の右図に例示する机36の下部などの高さ制限のある空間に進入する際には、ロボット31の正面に認識部35を向けて進入することができない。このため、作業性の低下や、作業環境に制約が生じてしまう。
【0009】
また、首機構のリンク34及び頭部がロボット31から突出しているため、ロボット31の正面に認識部35を向けて進入する際には、人や環境との衝突或いは引っ掛けをおこしかねず、安全性が低下してしまう。
【0010】
さらにまた、首機構のリンク34が長いため、首機構の関節33が必要とする主力が大きくなり、関節の体格増加、コスト増加、安全性低下などをもたらしてしまう。
また、図6に例示したような首機構では、意匠性の悪化をもたらしてしまう。
【0011】
このような問題が発生する理由として、以下のような点が挙げられる。
まず、首機構のリンク34の倒立時と屈曲時とで、首機構の関節33から認識部35までの距離が一定であり、認識部35の移動する軌跡が、首機構の関節33の関節軸を中心として円軌道を描くものであることが挙げられる。
【0012】
また、首機構のリンク34の倒立時には認識部35までの距離が短く、屈曲時には認識部35までの距離が長いことが好ましいが、首機構のリンク34の倒立時と屈曲時とで、首機構の関節33から認識部35までの距離を可変とする首機構が存在しないことが挙げられる。
【0013】
従って、本発明は、上述した課題を解決して、頭部の高さを低く抑えたままで広い認識可視領域を確保可能なロボット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る第一の態様のロボット装置は、胴体と、前記胴体の上部に連結された首関節機構と、前記首関節機構により支持された頭部と、前記頭部の前面に配置された認識部と、を備え、前記首関節機構は、前記胴体の上面に対する水平方向を長軸とし、前記胴体の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、前記頭部を移動させることを特徴とするものである。
【0015】
これにより、頭部の高さを低く抑えたままで広い認識可視領域を確保することができる。
【0016】
また、前記首関節機構は、ロボット正面を前記認識部の可視領域とする位置から、ロボット足元前方を前記認識部の可視領域とする位置へと、前記楕円形の軌道に沿って前記頭部を移動させるようにしてもよい。
【0017】
さらにまた、前記首関節機構は、前記胴体の上部に固定して設けられた支持部と、前記支持部に固定して配置された第1の歯車と、一端が前記第1の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第1のリンクと、前記第1のリンクを介して前記支持部に支持され、回転軸が前記第1のリンクの他端に配置されて、前記第1の歯車と噛み合って当該第1の歯車の回りを回転する第2の歯車と、一端が前記第2の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第2のリンクと、前記第2のリンクを介して前記第1のリンクに支持され、回転軸が前記第2のリンクの他端に配置されて、前記第2の歯車と噛み合って当該第2の歯車の回りを回転する第3の歯車と、一端が前記第3の歯車の回転軸と一致する位置に配置され、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、を備え、前記第1のリンクを回転駆動させることで、前記頭部を移動させるようにしてもよい。
【0018】
また、前記首関節機構は、前記胴体の上部に固定して設けられた第4のリンクと、一端が第1の支点を介して前記第4のリンクに支持されると共に、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、前記胴体の上面に対する垂直方向に前記第1の支点をスライドさせる第1のスライダと、前記胴体の上部に対して固定された第2の支点と、前記第2の支点により支持され、前記第3のリンクをスライドさせる第2のスライダと、を備え、前記第1の支点を直動運動させることで、前記頭部を移動させるようにしてもよい。
【0019】
さらにまた、前記認識部は、カメラを用いて構成されるようにしてもよい。また前記ロボット装置を移動させる移動機能を更に備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、頭部の高さを低く抑えたままで広い認識可視領域を確保可能なロボット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。
【図2】実施の形態1に係るロボットの首関節機構の詳細図である。
【図3】実施の形態1に係るロボットの首関節機構の動作を説明するための図である。
【図4】実施の形態1に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。
【図5】実施の形態2に係るロボットの首関節機構の詳細図である。
【図6】従来技術の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0023】
図1は、本実施の形態に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。図1(a)は、胴体に対して首機構を倒立させた状態を示し、図1(b)は、胴体に対して首機構を屈曲させた状態を示している。また、図1(a)及び(b)では、右側に本実施の形態に係るロボットを示し、左側に従来のロボットを示している。
【0024】
図1(a)の右側に例示するように、本実施の形態に係るロボット1は、移動機能や認識機能を備え、自律移動、自律マニピレーション、カメラ画像を用いた操縦操作などを行うことができる。本実施の形態に係るロボット1は、頭部5(認識部6)を移動させる首関節機構4を備えていることを特徴としている。
【0025】
ロボット1は、胴体2と、胴体2に接続された手腕部3と、胴体2の上部に連結された首関節機構4と、首関節機構4により支持された頭部5と、頭部5の前面に配置された認識部6と、を備えている。なお、図に示す例では、ロボット1は、移動機能を実現する一手段としての車輪を備えている。また、本実施の形態では、ロボット1が手腕部3を備えた構成を図に示したが、ロボット1は手腕部3を備えていなくてもよい。
【0026】
図1(b)の右側に示すように、首関節機構4は、胴体2の上面に対する水平方向を長軸とし、胴体2の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、頭部5(認識部6)を移動させる。首関節機構4は、ロボット1の正面を可視領域とする位置から、ロボット1の足元前方を可視領域とする位置へと、認識部6を移動させる。楕円軌道は、首関節機構4が倒立状態にある場合に短径となり、首関節機構4が屈曲状態にある場合に長径となる。
【0027】
なお、本実施の形態では、楕円とは、平面上のある2定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる曲線を指すが、2定点が一致する場合(円になる場合)は含んではいない。また、楕円内部の2定点を通る直線を長軸と称し、長軸の長さを長径と称する。また、長軸の垂直二等分線を短軸と称し、短軸の長さを短径と称する。
【0028】
首関節機構4は、1自由度により構成される。なお、楕円軌道に沿って認識部6を移動可能とする機構としては様々な構成を採用することができ、後述する具体的な機構に限定されず、他の機構を採用してもよい。
【0029】
従って、図1(a)に比較して示すように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、頭部の高さをより低く抑えることができる。このため、机の下など高さ制限のある空間に進入する場合であっても、ロボット1の正面に認識部6を向けたまま進入することができ、ロボット1の作業領域を拡大することができる。
【0030】
また、図1(b)に比較して示すように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、首関節機構7の屈曲時にはより前方へと認識部6を移動させることができるため、足元前方の認識可能領域をより拡大することができる。
【0031】
また、首関節の出力低下、胴体からの首・頭部の突出量の低下を図ることができ、衝突・引っ掛けをおこす可能性を抑制することができる。このため、安全性を向上させることができる
【0032】
さらに、自由度を追加することで関節の折り畳み機構や伸縮機構を搭載するような場合と比較して、本実施の形態に係る首関節機構4では1自由度で構成するものであるため、関節の体格やコスト面などで優位である。
【0033】
次に、図2乃至4を参照して、首関節機構4の詳細について説明する。
図2は、首関節機構4の詳細図である。
図2に示すように、首関節機構4は、支持部11と、アクチュエータ12と、平歯車13と、リンク14と、平歯車15と、リンク16と、平歯車17と、リンク18と、を備えている。
【0034】
支持部11は、胴体2の上面に固定して設けられている。支持部11には、軸C2を中心として、リンク14を回転させる回転手段(軸C1周りの回転力を発生するアクチュエータ12と、アクチュエータ12の動力を伝達するプーリー及びベルトなど)が備えられている。平歯車13は、その中心位置が軸C2上に位置するように、支持部11に対して固定して配置されている。
【0035】
リンク14の一端は、軸C2を中心として回転可能となるように、支持部11に対して配置されている。また、リンク14の他端は、軸C3を中心として回転可能となるように、リンク16を支持している。平歯車15は、その中心位置が軸C3上に位置するように、リンク14に対して配置されている。また、平歯車15は、平歯車13と歯が噛み合うように配置されている。これにより、平歯車15は、軸C2を中心とする円軌道に沿って、平歯車13と噛み合いながら移動する。
【0036】
リンク16の一端は、軸C3を中心として回転可能となるように、リンク14に対して配置されている。また、リンク16の他端は、軸C4を中心として回転可能となるように、平歯車17及びリンク18を支持している。平歯車17は、その中心位置が軸C4上に位置するように、リンク16に対して配置されている。また、平歯車17は、平歯車15と歯が噛み合うように配置されている。これにより、平歯車17は、軸C3を中心とする円軌道に沿って、平歯車15と噛み合いながら移動する。
【0037】
リンク18の一端は、平歯車17に対して固定して配置されている。また、リンク18の他端は、頭部5を固定して支持している。これにより、平歯車17の回転に応じて、頭部5も移動する。
【0038】
従って、アクチュエータ12が回転力を発生することで、平歯車15が軸C2を中心として回転すると共に、平歯車17が回転軸C3を中心として回転し、同時に、頭部5が移動することになる。例えば、アクチュエータ12が時計回り方向に回転することで、平歯車15が軸C2を中心として時計回り方向に回転し、同時に、平歯車15が回転することで、平歯車17が回転軸C3を中心として反時計周り方向に回転する。このとき、平歯車17が回転軸C3を中心として反時計周り方向に回転することで、頭部5が倒立状態へと移動される。
【0039】
なお、歯数13、15、17の歯数、リンク14、16の長さや初期の組み付け角度などについては、頭部5を移動させる軌道が楕円形となるように、適当な値が設定される。本実施の形態では、例えば、歯数については、平歯車13の歯数を、平歯車17の2倍の歯数とすることができる。また、平歯車15の歯数を、中間歯車と、リンク14、リンク16の長さと、によって決めることができる。さらに、リンク14、16、18の長さは、必要とする長径及び短径によって決めることができる。また、リンク14、16の初期の組付角度は、頭部5の軌道が、首倒立時に短径をとり、首屈曲時に長径をとるように設定することができる。
【0040】
図3は、首関節機構の動作を説明するための図である。
ロボット1は、首関節機構4を駆動することで、胴体2の上面に対する垂直方向に沿った位置(倒立状態)と、胴体2の上面に対する水平方向に沿った位置(屈曲状態)との間で、楕円軌道に沿って頭部5を移動させることができる。
【0041】
図4は、本実施の形態に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。図4(a)は、胴体に対して首機構を倒立させた状態を示し、図4(b)は、胴体に対して首機構を屈曲させた状態を示している。また、図4(a)及び(b)では右側に本実施の形態に係るロボットを示し、左側に従来のロボットを示している。
【0042】
図4(a)の右側に例示するように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、倒立時における頭部の高さをより低く抑えることができる。また、図4(b)の右側に例示するように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、屈曲時には足元前方により広い認識可能領域を確保することができる。
【0043】
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では、上述した実施の形態1と比較して、首関節機構4の具体的な構成が異なる。このため、以下では、本実施の形態に係る首関節機構4の詳細な構成について説明し、その他の共通する説明は省略する。
【0044】
図5は、本実施の形態に係る首関節機構4の詳細図である。
図5に示すように、首関節機構4は、リンク21と、スライダ22と、支点23と、リンク24と、スライダ25と、支点26と、を備えている。
【0045】
リンク21は、胴体2の上面に固定して設けられている。リンク21は、胴体2の上面に対する垂直方向に支点23をスライドさせるスライダ22と、スライダ22において支点23を上下方向に直動運動させるアクチュエータ(不図示)と、を備えている。
【0046】
リンク24は、支点23と、リンク24をスライドさせるスライダ25と、支点26と、を備えている。リンク24の一端に、支点23が設けられている。支点23は、リンク21により支持されると共に、スライダ22においてスライドされる。リンク24の他端には、頭部5が設けられている。
【0047】
スライダ25は、支点23と、頭部5と、の間に設けられている。支点26は、スライダ25及びリンク24を支持する。支点26は、胴体2の上面に対して固定して設けられている支持機構(不図示)により支持されている。すなわち、支点26は、胴体2に対して固定されている。
【0048】
リンク24の一端に設けられた支点23は、リンク21のスライド22において、上下方向に直動運動される。支点23がスライドされると共に、リンク24が前後方向にスライドされる。これにより、支点23の直動運動に応じて、頭部5も移動する。
【0049】
従って、例えば、支点23がスライダ22において胴体2の上面から離れる方向にスライドすることで、支点24を中心としてリンク24が時計回り方向に回転し、頭部5が屈曲状態へと移動される。また、支点23がスライダ22において胴体2の上面に近づく方向にスライドすることで、支点24を中心としてリンク24が反時計回り方向に回転し、頭部5が倒立状態へと移動される。
【0050】
ここで、頭部5を移動させる際には、支点26を中心としてリンク24がスライドすることで、支点2から頭部5までの距離が変化する。このため、頭部5が移動する軌跡は、楕円軌道となる。
【0051】
なお、支点2と、リンク1との間の距離を適当な値に設定することで、楕円軌道の長径・短径の比を決めることができる。
【0052】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、認識部6としては、公知の手法を採用すればよく、カメラに限定されず、レーザレンジファインダなどを用いても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 ロボット、 2 胴体、 3 手腕部、 4 首関節機構、 5 頭部、
6 認識部、 7 首関節機構、
11 支持部、 12 アクチュエータ、 13 平歯車、 14 リンク、
15 平歯車、 16 リンク、 17 平歯車、 18 リンク、
21 リンク、 22 スライダ、 23 支点、 24 リンク、
25 スライダ、 26 支点、
31 ロボット、 32 胴体、 33 関節、 34 リンク、 35 認識部、
36 机
【技術分野】
【0001】
本発明は、首関節機構を備えたロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動機能(車輪など)や認識機能(カメラなど)を備え、自律移動や自律マニピレーションを行うロボットや、或いは、カメラ画像によって操縦操作を行うロボットなどが開発されている。このようなロボットでは、搭載した認識部に関して、広い認識領域を確保することが要求される。
【0003】
なお、本発明に関連する技術として、例えば特許文献1には、カメラなどの認識部を備えた作業機器が開示されている。そして、作業機器が備えるアーム機構により、認識部を移動させる構成が開示されている。具体的には、特許文献1には、カメラを備えた作業機器を、支持台の上下及び左右に移動可能とする首振り機構が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−105044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
認識部の可視領域として、ロボットの正面からロボットの台車前面部までの範囲を想定する場合、認識部を移動させるための首機構としては、例えば、図6に示すような機構を採用することが考えられる。
【0006】
図6の左図に示すロボット31は、認識部35の可視領域を変更する首機構を備えている。首機構は、胴体32の上面に配置された1軸(ピッチ軸)関節33と、関節33の駆動により回転されるリンク34と、リンク34により支持されたカメラなどの認識部35と、を備え、関節33を回転駆動することで、認識部35の可視領域を変更する。このような首機構は、自由度数が最も少なく簡素なものとして実現できるというメリットを有するが、台車前面部までの視野を確保するためには、リンク34を長くする必要が生じる(すなわち、図6の中央図に示すように、台車前面部を可視領域に含むように、リンク34の長さを確保する必要がある)。
【0007】
従って、このような構成を採用すると、ロボット31の正面を認識する場合には胴体32に対してリンク34が倒立し、ロボット31の台車部底面から認識部35(頭部)までの全長が高くなる。このため、以下のような問題が生じる。
【0008】
まず、図6の右図に例示する机36の下部などの高さ制限のある空間に進入する際には、ロボット31の正面に認識部35を向けて進入することができない。このため、作業性の低下や、作業環境に制約が生じてしまう。
【0009】
また、首機構のリンク34及び頭部がロボット31から突出しているため、ロボット31の正面に認識部35を向けて進入する際には、人や環境との衝突或いは引っ掛けをおこしかねず、安全性が低下してしまう。
【0010】
さらにまた、首機構のリンク34が長いため、首機構の関節33が必要とする主力が大きくなり、関節の体格増加、コスト増加、安全性低下などをもたらしてしまう。
また、図6に例示したような首機構では、意匠性の悪化をもたらしてしまう。
【0011】
このような問題が発生する理由として、以下のような点が挙げられる。
まず、首機構のリンク34の倒立時と屈曲時とで、首機構の関節33から認識部35までの距離が一定であり、認識部35の移動する軌跡が、首機構の関節33の関節軸を中心として円軌道を描くものであることが挙げられる。
【0012】
また、首機構のリンク34の倒立時には認識部35までの距離が短く、屈曲時には認識部35までの距離が長いことが好ましいが、首機構のリンク34の倒立時と屈曲時とで、首機構の関節33から認識部35までの距離を可変とする首機構が存在しないことが挙げられる。
【0013】
従って、本発明は、上述した課題を解決して、頭部の高さを低く抑えたままで広い認識可視領域を確保可能なロボット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る第一の態様のロボット装置は、胴体と、前記胴体の上部に連結された首関節機構と、前記首関節機構により支持された頭部と、前記頭部の前面に配置された認識部と、を備え、前記首関節機構は、前記胴体の上面に対する水平方向を長軸とし、前記胴体の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、前記頭部を移動させることを特徴とするものである。
【0015】
これにより、頭部の高さを低く抑えたままで広い認識可視領域を確保することができる。
【0016】
また、前記首関節機構は、ロボット正面を前記認識部の可視領域とする位置から、ロボット足元前方を前記認識部の可視領域とする位置へと、前記楕円形の軌道に沿って前記頭部を移動させるようにしてもよい。
【0017】
さらにまた、前記首関節機構は、前記胴体の上部に固定して設けられた支持部と、前記支持部に固定して配置された第1の歯車と、一端が前記第1の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第1のリンクと、前記第1のリンクを介して前記支持部に支持され、回転軸が前記第1のリンクの他端に配置されて、前記第1の歯車と噛み合って当該第1の歯車の回りを回転する第2の歯車と、一端が前記第2の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第2のリンクと、前記第2のリンクを介して前記第1のリンクに支持され、回転軸が前記第2のリンクの他端に配置されて、前記第2の歯車と噛み合って当該第2の歯車の回りを回転する第3の歯車と、一端が前記第3の歯車の回転軸と一致する位置に配置され、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、を備え、前記第1のリンクを回転駆動させることで、前記頭部を移動させるようにしてもよい。
【0018】
また、前記首関節機構は、前記胴体の上部に固定して設けられた第4のリンクと、一端が第1の支点を介して前記第4のリンクに支持されると共に、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、前記胴体の上面に対する垂直方向に前記第1の支点をスライドさせる第1のスライダと、前記胴体の上部に対して固定された第2の支点と、前記第2の支点により支持され、前記第3のリンクをスライドさせる第2のスライダと、を備え、前記第1の支点を直動運動させることで、前記頭部を移動させるようにしてもよい。
【0019】
さらにまた、前記認識部は、カメラを用いて構成されるようにしてもよい。また前記ロボット装置を移動させる移動機能を更に備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、頭部の高さを低く抑えたままで広い認識可視領域を確保可能なロボット装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。
【図2】実施の形態1に係るロボットの首関節機構の詳細図である。
【図3】実施の形態1に係るロボットの首関節機構の動作を説明するための図である。
【図4】実施の形態1に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。
【図5】実施の形態2に係るロボットの首関節機構の詳細図である。
【図6】従来技術の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0023】
図1は、本実施の形態に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。図1(a)は、胴体に対して首機構を倒立させた状態を示し、図1(b)は、胴体に対して首機構を屈曲させた状態を示している。また、図1(a)及び(b)では、右側に本実施の形態に係るロボットを示し、左側に従来のロボットを示している。
【0024】
図1(a)の右側に例示するように、本実施の形態に係るロボット1は、移動機能や認識機能を備え、自律移動、自律マニピレーション、カメラ画像を用いた操縦操作などを行うことができる。本実施の形態に係るロボット1は、頭部5(認識部6)を移動させる首関節機構4を備えていることを特徴としている。
【0025】
ロボット1は、胴体2と、胴体2に接続された手腕部3と、胴体2の上部に連結された首関節機構4と、首関節機構4により支持された頭部5と、頭部5の前面に配置された認識部6と、を備えている。なお、図に示す例では、ロボット1は、移動機能を実現する一手段としての車輪を備えている。また、本実施の形態では、ロボット1が手腕部3を備えた構成を図に示したが、ロボット1は手腕部3を備えていなくてもよい。
【0026】
図1(b)の右側に示すように、首関節機構4は、胴体2の上面に対する水平方向を長軸とし、胴体2の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、頭部5(認識部6)を移動させる。首関節機構4は、ロボット1の正面を可視領域とする位置から、ロボット1の足元前方を可視領域とする位置へと、認識部6を移動させる。楕円軌道は、首関節機構4が倒立状態にある場合に短径となり、首関節機構4が屈曲状態にある場合に長径となる。
【0027】
なお、本実施の形態では、楕円とは、平面上のある2定点からの距離の和が一定となるような点の集合から作られる曲線を指すが、2定点が一致する場合(円になる場合)は含んではいない。また、楕円内部の2定点を通る直線を長軸と称し、長軸の長さを長径と称する。また、長軸の垂直二等分線を短軸と称し、短軸の長さを短径と称する。
【0028】
首関節機構4は、1自由度により構成される。なお、楕円軌道に沿って認識部6を移動可能とする機構としては様々な構成を採用することができ、後述する具体的な機構に限定されず、他の機構を採用してもよい。
【0029】
従って、図1(a)に比較して示すように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、頭部の高さをより低く抑えることができる。このため、机の下など高さ制限のある空間に進入する場合であっても、ロボット1の正面に認識部6を向けたまま進入することができ、ロボット1の作業領域を拡大することができる。
【0030】
また、図1(b)に比較して示すように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、首関節機構7の屈曲時にはより前方へと認識部6を移動させることができるため、足元前方の認識可能領域をより拡大することができる。
【0031】
また、首関節の出力低下、胴体からの首・頭部の突出量の低下を図ることができ、衝突・引っ掛けをおこす可能性を抑制することができる。このため、安全性を向上させることができる
【0032】
さらに、自由度を追加することで関節の折り畳み機構や伸縮機構を搭載するような場合と比較して、本実施の形態に係る首関節機構4では1自由度で構成するものであるため、関節の体格やコスト面などで優位である。
【0033】
次に、図2乃至4を参照して、首関節機構4の詳細について説明する。
図2は、首関節機構4の詳細図である。
図2に示すように、首関節機構4は、支持部11と、アクチュエータ12と、平歯車13と、リンク14と、平歯車15と、リンク16と、平歯車17と、リンク18と、を備えている。
【0034】
支持部11は、胴体2の上面に固定して設けられている。支持部11には、軸C2を中心として、リンク14を回転させる回転手段(軸C1周りの回転力を発生するアクチュエータ12と、アクチュエータ12の動力を伝達するプーリー及びベルトなど)が備えられている。平歯車13は、その中心位置が軸C2上に位置するように、支持部11に対して固定して配置されている。
【0035】
リンク14の一端は、軸C2を中心として回転可能となるように、支持部11に対して配置されている。また、リンク14の他端は、軸C3を中心として回転可能となるように、リンク16を支持している。平歯車15は、その中心位置が軸C3上に位置するように、リンク14に対して配置されている。また、平歯車15は、平歯車13と歯が噛み合うように配置されている。これにより、平歯車15は、軸C2を中心とする円軌道に沿って、平歯車13と噛み合いながら移動する。
【0036】
リンク16の一端は、軸C3を中心として回転可能となるように、リンク14に対して配置されている。また、リンク16の他端は、軸C4を中心として回転可能となるように、平歯車17及びリンク18を支持している。平歯車17は、その中心位置が軸C4上に位置するように、リンク16に対して配置されている。また、平歯車17は、平歯車15と歯が噛み合うように配置されている。これにより、平歯車17は、軸C3を中心とする円軌道に沿って、平歯車15と噛み合いながら移動する。
【0037】
リンク18の一端は、平歯車17に対して固定して配置されている。また、リンク18の他端は、頭部5を固定して支持している。これにより、平歯車17の回転に応じて、頭部5も移動する。
【0038】
従って、アクチュエータ12が回転力を発生することで、平歯車15が軸C2を中心として回転すると共に、平歯車17が回転軸C3を中心として回転し、同時に、頭部5が移動することになる。例えば、アクチュエータ12が時計回り方向に回転することで、平歯車15が軸C2を中心として時計回り方向に回転し、同時に、平歯車15が回転することで、平歯車17が回転軸C3を中心として反時計周り方向に回転する。このとき、平歯車17が回転軸C3を中心として反時計周り方向に回転することで、頭部5が倒立状態へと移動される。
【0039】
なお、歯数13、15、17の歯数、リンク14、16の長さや初期の組み付け角度などについては、頭部5を移動させる軌道が楕円形となるように、適当な値が設定される。本実施の形態では、例えば、歯数については、平歯車13の歯数を、平歯車17の2倍の歯数とすることができる。また、平歯車15の歯数を、中間歯車と、リンク14、リンク16の長さと、によって決めることができる。さらに、リンク14、16、18の長さは、必要とする長径及び短径によって決めることができる。また、リンク14、16の初期の組付角度は、頭部5の軌道が、首倒立時に短径をとり、首屈曲時に長径をとるように設定することができる。
【0040】
図3は、首関節機構の動作を説明するための図である。
ロボット1は、首関節機構4を駆動することで、胴体2の上面に対する垂直方向に沿った位置(倒立状態)と、胴体2の上面に対する水平方向に沿った位置(屈曲状態)との間で、楕円軌道に沿って頭部5を移動させることができる。
【0041】
図4は、本実施の形態に係るロボットと従来のロボットとの比較図である。図4(a)は、胴体に対して首機構を倒立させた状態を示し、図4(b)は、胴体に対して首機構を屈曲させた状態を示している。また、図4(a)及び(b)では右側に本実施の形態に係るロボットを示し、左側に従来のロボットを示している。
【0042】
図4(a)の右側に例示するように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、倒立時における頭部の高さをより低く抑えることができる。また、図4(b)の右側に例示するように、本実施の形態に係る首関節機構4によれば、従来の首関節機構7と比較して、屈曲時には足元前方により広い認識可能領域を確保することができる。
【0043】
実施の形態2.
次に、図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態では、上述した実施の形態1と比較して、首関節機構4の具体的な構成が異なる。このため、以下では、本実施の形態に係る首関節機構4の詳細な構成について説明し、その他の共通する説明は省略する。
【0044】
図5は、本実施の形態に係る首関節機構4の詳細図である。
図5に示すように、首関節機構4は、リンク21と、スライダ22と、支点23と、リンク24と、スライダ25と、支点26と、を備えている。
【0045】
リンク21は、胴体2の上面に固定して設けられている。リンク21は、胴体2の上面に対する垂直方向に支点23をスライドさせるスライダ22と、スライダ22において支点23を上下方向に直動運動させるアクチュエータ(不図示)と、を備えている。
【0046】
リンク24は、支点23と、リンク24をスライドさせるスライダ25と、支点26と、を備えている。リンク24の一端に、支点23が設けられている。支点23は、リンク21により支持されると共に、スライダ22においてスライドされる。リンク24の他端には、頭部5が設けられている。
【0047】
スライダ25は、支点23と、頭部5と、の間に設けられている。支点26は、スライダ25及びリンク24を支持する。支点26は、胴体2の上面に対して固定して設けられている支持機構(不図示)により支持されている。すなわち、支点26は、胴体2に対して固定されている。
【0048】
リンク24の一端に設けられた支点23は、リンク21のスライド22において、上下方向に直動運動される。支点23がスライドされると共に、リンク24が前後方向にスライドされる。これにより、支点23の直動運動に応じて、頭部5も移動する。
【0049】
従って、例えば、支点23がスライダ22において胴体2の上面から離れる方向にスライドすることで、支点24を中心としてリンク24が時計回り方向に回転し、頭部5が屈曲状態へと移動される。また、支点23がスライダ22において胴体2の上面に近づく方向にスライドすることで、支点24を中心としてリンク24が反時計回り方向に回転し、頭部5が倒立状態へと移動される。
【0050】
ここで、頭部5を移動させる際には、支点26を中心としてリンク24がスライドすることで、支点2から頭部5までの距離が変化する。このため、頭部5が移動する軌跡は、楕円軌道となる。
【0051】
なお、支点2と、リンク1との間の距離を適当な値に設定することで、楕円軌道の長径・短径の比を決めることができる。
【0052】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、認識部6としては、公知の手法を採用すればよく、カメラに限定されず、レーザレンジファインダなどを用いても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 ロボット、 2 胴体、 3 手腕部、 4 首関節機構、 5 頭部、
6 認識部、 7 首関節機構、
11 支持部、 12 アクチュエータ、 13 平歯車、 14 リンク、
15 平歯車、 16 リンク、 17 平歯車、 18 リンク、
21 リンク、 22 スライダ、 23 支点、 24 リンク、
25 スライダ、 26 支点、
31 ロボット、 32 胴体、 33 関節、 34 リンク、 35 認識部、
36 机
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴体と、
前記胴体の上部に連結された首関節機構と、
前記首関節機構により支持された頭部と、
前記頭部の前面に配置された認識部と、を備え、
前記首関節機構は、
前記胴体の上面に対する水平方向を長軸とし、前記胴体の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、前記頭部を移動させる
ことを特徴とするロボット装置。
【請求項2】
前記首関節機構は、
ロボット正面を前記認識部の可視領域とする位置から、ロボット足元前方を前記認識部の可視領域とする位置へと、前記楕円形の軌道に沿って前記頭部を移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
【請求項3】
前記首関節機構は、
前記胴体の上部に固定して設けられた支持部と、
前記支持部に固定して配置された第1の歯車と、
一端が前記第1の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第1のリンクと、
前記第1のリンクを介して前記支持部に支持され、回転軸が前記第1のリンクの他端に配置されて、前記第1の歯車と噛み合って当該第1の歯車の回りを回転する第2の歯車と、
一端が前記第2の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第2のリンクと、
前記第2のリンクを介して前記第1のリンクに支持され、回転軸が前記第2のリンクの他端に配置されて、前記第2の歯車と噛み合って当該第2の歯車の回りを回転する第3の歯車と、
一端が前記第3の歯車の回転軸と一致する位置に配置され、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、を備え、
前記第1のリンクを回転駆動させることで、前記頭部を移動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット装置。
【請求項4】
前記首関節機構は、
前記胴体の上部に固定して設けられた第4のリンクと、
一端が第1の支点を介して前記第4のリンクに支持されると共に、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、
前記胴体の上面に対する垂直方向に前記第1の支点をスライドさせる第1のスライダと、
前記胴体の上部に対して固定された第2の支点と、
前記第2の支点により支持され、前記第3のリンクをスライドさせる第2のスライダと、を備え、
前記第1の支点を直動運動させることで、前記頭部を移動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット装置。
【請求項5】
前記認識部は、カメラを用いて構成される
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のロボット装置。
【請求項6】
前記ロボット装置を移動させる移動機能を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載のロボット装置。
【請求項1】
胴体と、
前記胴体の上部に連結された首関節機構と、
前記首関節機構により支持された頭部と、
前記頭部の前面に配置された認識部と、を備え、
前記首関節機構は、
前記胴体の上面に対する水平方向を長軸とし、前記胴体の上面に対する垂直方向を短軸とする楕円形の軌道に沿って、前記頭部を移動させる
ことを特徴とするロボット装置。
【請求項2】
前記首関節機構は、
ロボット正面を前記認識部の可視領域とする位置から、ロボット足元前方を前記認識部の可視領域とする位置へと、前記楕円形の軌道に沿って前記頭部を移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。
【請求項3】
前記首関節機構は、
前記胴体の上部に固定して設けられた支持部と、
前記支持部に固定して配置された第1の歯車と、
一端が前記第1の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第1のリンクと、
前記第1のリンクを介して前記支持部に支持され、回転軸が前記第1のリンクの他端に配置されて、前記第1の歯車と噛み合って当該第1の歯車の回りを回転する第2の歯車と、
一端が前記第2の歯車の回転軸と一致する位置に配置された第2のリンクと、
前記第2のリンクを介して前記第1のリンクに支持され、回転軸が前記第2のリンクの他端に配置されて、前記第2の歯車と噛み合って当該第2の歯車の回りを回転する第3の歯車と、
一端が前記第3の歯車の回転軸と一致する位置に配置され、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、を備え、
前記第1のリンクを回転駆動させることで、前記頭部を移動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット装置。
【請求項4】
前記首関節機構は、
前記胴体の上部に固定して設けられた第4のリンクと、
一端が第1の支点を介して前記第4のリンクに支持されると共に、他端が前記頭部を支持する第3のリンクと、
前記胴体の上面に対する垂直方向に前記第1の支点をスライドさせる第1のスライダと、
前記胴体の上部に対して固定された第2の支点と、
前記第2の支点により支持され、前記第3のリンクをスライドさせる第2のスライダと、を備え、
前記第1の支点を直動運動させることで、前記頭部を移動させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロボット装置。
【請求項5】
前記認識部は、カメラを用いて構成される
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のロボット装置。
【請求項6】
前記ロボット装置を移動させる移動機能を更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載のロボット装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−152853(P2012−152853A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13962(P2011−13962)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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