説明

ワイヤソー用リフター

【課題】メインローラの搬送、ワイヤソーの軸受けユニットに対するメインローラの取り付け、取り外しの他に、ワークの搬送、ワイヤソーの加工位置へのワークの着脱にも利用可能なワイヤソー用のリフターを提供する。
【解決手段】昇降案内用の支柱2を有する台車3と、支柱2に支持され、支柱2に沿って昇降自在の昇降部4と、昇降部4に支持され、横方向に移動可能な横移動部5と、横移動部5の前面に対して横方向に揺動自在に取り付けた水平出し部6と、水平出し部6の前面に取付けられた左右一対の第1フックと、水平出し部6の前面に取付けられた左右一対の第2フック8と、第1フックに対し着脱自在に掛かり合い、ワイヤソーのメインローラ9を保持するメインローラホルダー10と、第2フック8に対し着脱自在に掛かり合い、ワークを保持するワークホルダーとによって、ワイヤソー用リフター1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤソーのメインローラや加工対象のワークの搬送、また、ワイヤソーの軸受けユニットに対するメインローラの取り付け、取り外し、およびワイヤソーに対するワークの着脱の際に利用するリフターに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤソーは、複数のメインローラの間にワイヤを多重に巻き掛け、走行状態のワイヤに半導体などのワークを押し当てることによって、ワークを所定の厚みの多数の板状体に切断するときに利用される。
【0003】
ワイヤソーの組み立て過程で、軸受けユニットにメインローラを組み込むときに、メインローラを軸受けユニットに取り付ける作業がある。また、ワイヤソーのユーザ側では、メインローラが磨耗したとき、またはワークの切断仕様が変わったときに、メインローラの軸受けユニットからメインローラを取り外し、新しいメインローラまたは別仕様のメインローラを軸受けユニットに取り付ける交換作業が必要となる。
【0004】
特許出願人は、特許文献1に開示されているように、メインローラ用のリフターを既に開発している。そのメインローラ用のリフターの利用によって、メインローラは、ワイヤソーの軸受けユニットに対して高さ方向および横方向に位置決めされ、かつ水平出ししながら軸受けユニットに取り付けられる。そのメインローラ用のリフターの使用によって、軸受けユニットに対するメインローラの組み込み作業や、メインローラの交換作業が大幅に改善され、作業時間が短縮された。
【0005】
しかし、特許文献1のメインローラ用のリフターは、メインローラ専用であり、加工対象のワークの搬送や、ワイヤソーの加工位置へのワークの着脱の際に利用できない。このため、ワークの搬送や、ワイヤソーの加工位置へのワークの着脱のために、ワーク用の搬送手段やリフターが必要とされる。
【0006】
一方、特許文献2は、ワイヤソーに対するワーク着脱用のリフターを開示しているが、そのリフターは、ワーク専用のものであるから、ワイヤソーの軸受けユニットに対するメインローラの組み込み、取り付け、取り外し作業に利用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−208790号公報
【0008】
【特許文献2】特開2008−246643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ワイヤソーのメインローラの搬送、軸受けユニットに対するメインローラの取り付け、取り外しの作業と、ワークの搬送、ワイヤソーの加工位置へのワークの着脱作業とは、1台のワイヤソーについてみれば、通常、時間的に重複しない。したがってリフターの台車部分は、ワイヤソーのメインローラ搬送、ワイヤソーの軸受けユニットに対するメインローラの取り付け、取り外しの作業、およびワークの搬送、ワイヤソーの加工位置へのワークの着脱作業に兼用できる。
【0010】
したがって、本発明の課題は、メインローラの搬送、ワイヤソーの軸受けユニットに対するメインローラの取り付け、取り外しの他に、ワークの搬送、ワイヤソーの加工位置へのワークの着脱にも利用可能なリフターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、ワイヤソー用リフターにおいて、台車の支柱に対して高さ方向および横方向に移動自在で、水平出し可能な部分に、メインローラ保持用のホルダーおよびワーク保持用のホルダーのうち何れかを選択して着脱自在に取り付けられるようにし、それらのホルダーによって、メインローラまたはワークを所定の姿勢で保持できるようにしている。
【0012】
具体的に記載すると、本発明に係るワイヤソー用リフターは、昇降案内用の支柱を有する台車と、前記支柱に支持され、前記支柱に沿って昇降自在の昇降部と、前記昇降部に支持され、横方向に移動可能な横移動部と、前記横移動部の前面に対して横方向に揺動自在に取り付けた水平出し部と、前記水平出し部の前面に取付けられた左右一対の第1フックと、前記水平出し部の前面に取付けられた左右一対の第2フックと、前記第1フックに対して着脱自在に掛かり合い、ワイヤソーのメインローラを保持するメインローラホルダーと、前記第2フックに対し着脱自在に掛かり合い、ワイヤソーの加工対象としてのワークを保持するワークホルダーとによって構成されている(請求項1)。
【0013】
前記第1フックと前記第2フックとは、直線上に配置されている(請求項2)。
【0014】
前記メインローラホルダーは、前記第1フックと第1掛けシャフトとの掛かり合いにより前記水平出し部の前面に対して着脱自在のブラケットと、前記ブラケットの前側に吊り具により吊り下げられ、前記メインローラの両端を支える一対のローラハンガーと、前記ローラハンガーにより保持され、前記メインローラの両端を押さえる押さえレバーとによって構成されている(請求項3)。
【0015】
前記吊り具は、吊りアイボルトとこの吊りアイボルトにゆるく通されている吊りシャフトとにより構成されており、前記ローラハンガーによって保持されている前記メインローラを前後方向、旋回方向および傾き方向に変位自在としている(請求項4)。
【0016】
前記押さえレバーは、前記ローラハンガーの側面に対して水平方向の支点軸によって回動自在に取り付けられ、前記押さえレバーを前記ローラハンガーの側面に係り止め可能としている(請求項5)。
【0017】
前記ワークホルダーは、前記第2フックと第2掛けシャフトとの掛かり合いにより前記水平出し部の前面に対して着脱自在のスライダーガイドと、前記スライダーガイドに前後方向に移動自在に取り付けられたスライダーと、前記スライダーに取り付けられ、前記ワークを保持するフォークとによって構成されている(請求項6)。
【0018】
前記昇降部に付属する昇降駆動装置は、前記台車に搭載されているバッテリと、前記支柱側に取付けられ、前記バッテリにより駆動される昇降用モータと、前記支柱の上下位置間に取付けられ、前記昇降用モータにより駆動されて、前記昇降部を前記支柱に沿って昇降移動させる伝達手段とにより構成されている(請求項7)。
【0019】
前記横移動部に付属する横移動駆動装置は、前記昇降部に取り付けられ、回転操作可能な横送りねじシャフトと、前記横移動部に取付けられ、前記横送りねじシャフトにねじ対偶として連結され、前記横移動部を横移動させる横送りナットとによって構成されている(請求項8)。
【0020】
前記水平出し部に付属する水平出し駆動装置は、前記横移動部に取り付けられ、水平出し部を横方向に揺動自在に支持する支軸と、前記横移動部に取り付けられ、回転操作可能な水平出し送りねじシャフトと、前記水平出し部に水平で前後方向の連結軸により取付けられ、水平出し送りねじシャフトにねじ対偶として連結される水平出し送りナットとによって構成されている(請求項9)。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るワイヤソー用リフターによると、前記水平出し部の前面に取付けられた左右一対の第1フックに対してメインローラホルダーが着脱自在に掛かり合い、また前記水平出し部の前面に取付けられた左右一対の第2フックに対してワークホルダーが着脱自在に掛かり合うから、ワイヤソー用リフターにメインローラホルダーを選択して装着したときに、ワイヤソー用リフターは、メインローラの搬送、ワイヤソーに対するメインローラの取り付けや取り外しに利用でき、また、ワイヤソー用リフターにワークホルダーを選択して装着したときに、ワイヤソー用リフターは、ワークの搬送、ワイヤソーの加工位置へのワークの着脱にも利用でき、これによってワイヤソー用リフターの利用率が高められる(請求項1)。
【0022】
しかも、メインローラホルダーまたはワークホルダーがワイヤソー用リフターの水平出し部の前面に取り付けられると、メインローラホルダーまたはワークホルダーは、台車の支柱に対して高さ方向および横方向に移動調整自在で、かつ必要に応じて傾き調整によって水平出しも可能となるから、メインローラホルダーおよびワークホルダーの位置や姿勢調節も容易となる(請求項1)。
【0023】
前記第1フックと前記第2フックとが直線上に配置されていると、それらの第1フックまたは前記第2フックの一部または全部がメインローラホルダーまたはワークホルダーの掛かり合いに兼用でき、その分、構成が簡略化で、また、メインローラホルダーまたはワークホルダーの荷重の分散も可能となる(請求項2)。
【0024】
前記第1フックに対して前記第1掛けシャフトが掛かり合う形式として組み合わせられるから、第1フックと前記第1掛けシャフトとがワイヤソー用リフターの機能すなわち移動、昇降、横移動および水平出し機能を利用して連結でき、また、前記メインローラホルダーが前記ブラケットの前側において吊り具により一対のローラハンガーを吊り下げる形式とすると、前記ローラハンガーによって保持されている前記ローラハンガーの自由度が高まり、吊り下げ状態のメインローラが重力の作用方向にしたがって保持されるから、位置調整が容易となり、またメインローラの両端が一対のローラハンガーと前記押さえる押さえレバーとによって確実に保持される(請求項3)。
【0025】
前記吊り具が吊りアイボルトとアイボルトにゆるく通されている吊りシャフトとにより構成されていると、吊りアイボルトとアイボルトのゆるい部分の動きによって、前記ローラハンガーによって保持されている前記メインローラが前後方向、旋回方向および傾き方向に変位自在となるから、重いメインローラの取り付けや取り外しの作業性が向上する(請求項4)。
【0026】
前記押さえレバーが前記ローラハンガーの側面に対して水平方向の支点軸によって回動自在に取り付けられ、前記押さえレバーを前記ローラハンガーの側面に係り止め可能としているから、前記押さえレバーの開放時に、前記押さえレバーが不意に閉じず、メインローラの着脱が安心して容易に行え、作業性が向上し、また、メインローラに対する前記押さえレバーの押さえ時に、搬送中にメインローラが確実に保持れ、前記押さえレバーの意図しない開放によって、メインローラの落下事故などが未然に防止でき、安全上も有利である(請求項5)。
【0027】
前記ワークホルダーが前記第2フックと第2掛けシャフトとの掛かり合いにより前記水平出し部の前面に対して着脱自在となっているから、メインローラ用リフターの機能を利用して、前記第2フックに対するワークホルダーの着脱ができ、また、フォークがスライダーによって進退するため、ワークの進退操作が容易となる(請求項6)。
【0028】
前記昇降部に付属する昇降駆動装置によると、前記支柱の高さによって必要な昇降移動量が確保でき、メインローラやワークの高さ調整が容易であり、しかも、前記支柱の間またはその近くの空間にバッテリ、昇降用モータや伝達手段が合理的に配置できる(請求項7)。
【0029】
前記横移動部に付属する横移動駆動装置によると、メインローラやワークの搬送、メインローラの取り付け、取り外し、ワークの供給、取り外しの過程で、横移動部の必要な横方向の移動量が確保でき、メインローラやワークの横方向の位置調整が容易となり、さらに横移動部の位置調整後に、横送りねじシャフトと横送りナットとのねじ対偶によって調整位置が維持でき、調整後に横移動部が妄動することもない(請求項8)。
【0030】
前記水平出し部に付属する水平出し駆動装置によると、水平出し送りねじシャフトの回転操作によって、水平出し部が支軸を中心として揺動するから、メインローラやワークの荷役、ワイヤソーに対する供給、取り出しに際して、メインローラやワークの傾きが簡単に修正でき、また、水平出し送りねじシャフトと水平出し送りナットとのねじ対偶によって修正位置が維持でき、修正後に水平出し部が傾くこともない(請求項9)。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明のワイヤソー用リフターの正面図である。
【図2】本発明のワイヤソー用リフターの側面図である。
【図3】本発明のワイヤソー用リフターの背面図である。
【図4】本発明のワイヤソー用リフターの平面図である。
【図5】本発明のワイヤソー用リフターにメインローラホルダーを取り付けた状態の正面図である。
【図6】本発明のワイヤソー用リフターにメインローラホルダーを取り付けた状態の側面図である。
【図7】本発明のワイヤソー用リフターにメインローラホルダーを取り付けた状態の平面図である。
【図8】本発明のワイヤソー用リフターにワークホルダーを取り付けた状態の正面図である。
【図9】本発明のワイヤソー用リフターにワークホルダーを取り付けた状態の側面図である。
【図10】本発明のワイヤソー用リフターにワークホルダーを取り付けた状態の平面図である。
【図11】本発明のワイヤソー用リフターにおいて、昇降部に付属する昇降駆動装置の一部の拡大水平断面図である。
【図12】本発明のワイヤソー用リフターにおいて、昇降部に付属する昇降駆動装置の一部の正面図である。
【図13】本発明のワイヤソー用リフターにおいて、横移動部に付属する横移動駆動装置の一部の拡大垂直断面図である。
【図14】本発明のワイヤソー用リフターにおいて、横移動部に付属する横移動駆動装置の一部の拡大水平断面図である。
【図15】本発明のワイヤソー用リフターにおいて、水平出し部に付属する水平出し駆動装置の一部の拡大背面図である。
【図16】本発明のワイヤソー用リフターにおいて、水平出し部に付属する水平出し駆動装置の一部の拡大水平断面図である。
【図17】保管台車にメインローラホルダーを載置した状態の側面図である。
【図18】保管台車にワークホルダーを載置した状態の側面図である。
【図19】保管台車とワイヤソー用リフターとの位置決め部の平面図である。
【図20】ワイヤソーの一対の軸受けユニットにメインローラを取り付けるときの要部の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1ないし図10は、本発明に係るワイヤソー用リフター1の全体的な構成を示しており、図11ないし図16は、各部の具体的な構造を示している。
【0033】
図1ないし図10において、ワイヤソー用リフター1は、昇降案内用の一対の支柱2を有する台車3と、支柱2に支持され、支柱2に沿って昇降自在の昇降部4と、昇降部4に支持され、横方向に移動可能な横移動部5と、横移動部5の前面に対して横方向に揺動自在に取り付けられた水平出し部6とによって構成されている。
【0034】
水平出し部6は、水平出し部6の前面に取付けられた左右一対の第1フック7と、第2フック8とを備えている。第1フック7は、メインローラホルダー10によりワイヤソーのメインローラ9を保持するために設けられており、第2フック8は、ワークホルダー11によりワイヤソーの加工対象となるワーク12を保持するために設けられている。図示の例において、第1フック7と第2フック8とは、一直線上に並んで配置されており、この直線上で、第1フック7は、狭い間隔で対向し、第2フック8は、ほぼ台車3の幅に相当する間隔で対向している。
【0035】
図5ないし図7のように、メインローラホルダー10は、第1フック7とメインローラホルダー10の第1掛けシャフト13との掛かり合いによって、水平出し部6の前面に対し着脱自在に取り付けられており、第1掛けシャフト13に固定された例えばT字状のブラケット14と、このブラケット14の前側中心位置に吊り具15により吊り下げられ、メインローラ9の両端のボス部分を支える左右一対のローラハンガー16と、このローラハンガー16により保持され、メインローラ9の両端のボス部分を押さえる左右一対の押さえレバー17とによって構成されている。
【0036】
メインローラホルダー10の第1掛けシャフト13が第1フック7に掛けられているときに、ブラケット14の下端部は、スペーサ14aにより水平出し部6の前面に当たって所定の傾きを保っている。なお、第1フック7の近くに、第1掛けシャフト13が第1フック7から外れないように、必要に応じてフック状の外れ止め39が設けられている。
【0037】
左右一対のローラハンガー16は、複数の連結ロッド38により連結されており、これらの連結ロッド38は、連結ロッド38に固定された左右一対の補助ブラケット36、補助ブラケット36の間で上部に取り付けられた吊りバー37、この吊りバー37の中心位置に取り付けられた吊り具15によってT字状のブラケット14の前端位置に吊り下げられている。
【0038】
図示の例において、吊り具15は、吊りバー37の中心位置に取り付けられたアイボルト15aと、このアイボルト15aにゆるく通され、ブラケット14の前端位置に固定された横方向の吊りシャフト15bとにより構成されている。このようにしてローラハンガー16は、アイボルト15aおよび吊りシャフト15bによって重力の作用方向に吊り下げられている。
【0039】
この吊り下げ状態によって、ローラハンガー16は、前後方向、旋回方向および傾き方向に変位自在となっている。なお、必要に応じて、ブラケット14と連結ロッド38との間にターンバックル42が架け渡されており、これによりローラハンガー16の前方向への変位が制限されている。
【0040】
押さえレバー17は、ローラハンガー16の側面に対して水平方向の支点軸18により回動自在に取付けらており、押さえレバー17に取り付けられているインデックスプランジャ40を開放位置の係止孔41および押さえ位置の係止孔41に係り止めることにより固定できるようになっている。
【0041】
図8ないし図90のように、ワークホルダー11は、第2フック8とワークホルダー11の第2掛けシャフト19との掛かり合いによって、水平出し部6の前面に対して着脱自在に取り付けられており、第2掛けシャフト19の両端および中央部分に縦方向に取り付けられた一対のステー43と、ステー43の前面から前方向に突出する左右一対のスライダーガイド20と、一対のスライダーガイド20の間に前後方向に移動自在に取り付けられたスライダー21と、このスライダー21に取り付けられ、ワーク12を保持する1または複数のフォーク22とによっ構成されている。
【0042】
スライダー21は、例えばスライダーハンドル45付きの平らなブロック状であり、左右端の位置でスライダーガイド20とスライダー21との間に設けたリニアガイド44によって前後方向に移動自在に取り付けられている。なお、スライダー21の下方にオイルパン46が取り付けられている。
【0043】
ワークホルダー11の第2掛けシャフト19が第2フック8に掛けられているときに、ステー43の下端部は、姿勢調整用の複数の調整ボルト47の先端により水平出し部6の前面に当たっている。なお、第2掛けシャフト19は、第2フック8のほかに、第2掛けシャフト19の直線上にある第1フック7にも掛けられている。このため、ワークホルダー11がワーク12を保持したとき、それらの荷重は、第1フック7および第2フック8によって分散した状態で支えられる。第1フック7と第2フック8とは、同一の直線上に限らず、それぞれ異なる2本の直線上にあってもよい。
【0044】
つぎに、ワイヤソー用リフター1の台車3は、左右一対の垂直な支柱2の前後において前方で低く、後方で高い階段状として組み立てられており、前方の左右位置で向き固定の車輪48、後方の左右位置でキャスター車49、後方の中央位置で起伏可能な移動ハンドル50付きの方向変換可能な自在車51によって牽引または手押し式のものとして構成されている。なお、支柱2の背面側に手押し用ハンドル53が付設されている。
【0045】
垂直方向の移動ハンドル50は、ハンドル軸56により台車3の後部に旋回自在に取り付けられ、引きスプリング52により常に直立するように付勢されている。また自在車51は、ペダル54の操作によってブレーキ55を接地面に当て、そのときの制動力により台車3を動き止め状態とする。なお、キャスター車49、自在車51の双方に、または何れか一方に駆動用モータを付設することによって、台車3を自走式のものとして構成することもできる。
【0046】
また、台車3の前方中央位置には、必要に応じて、左右で対向する複数の位置決めガイドローラ57が前進方向に整列状態として設けられている。これらの位置決めガイドローラ57は、台車3の前進時において、図19に例示するように、メインローラホルダー10を載せるスタンド59付きの保管台車58の下方に設けられた位置決めガイド60、ワークホルダー11を載せるスタンド62付きの保管台車61の下方に設けられた位置決めガイド63、さらに図20に例示するように、ワイヤソーの一対の軸受けユニット64、65の下方の床面などに形成されている位置決めガイド72に案内されるようになっている。位置決めガイド60、63、72の間にそれぞれストッパー92、93、94が設けられ、台車3や保管台車58、61の前方への進入位置を規制している。
【0047】
図11および図12は、昇降部4およびこの昇降部4に付属する昇降駆動装置23を示している。昇降部4は、例えばC形鋼による一対の支柱2の間に位置し、左右上下の昇降用ガイドローラ73によって支柱2に沿って昇降自在に設けられており、昇降部4に付属する昇降駆動装置23によって上下方向に駆動されるようになっている。
【0048】
昇降駆動装置23は、台車3に搭載されているバッテリ24、支柱2の間の連結板74の背面に取付けられた昇降用モータ25、一対の支柱2の間で上下の位置に取付けられたスプロケットホイール27、これらのスプロケットホイール27に巻き掛けられたエンドレス状のチェーン26などによって構成されている。チェーン26の一部は、一対の支柱2の間の中央で連結部となっており、この連結部のアタッチメント75により昇降部4に連結されている。
【0049】
昇降用モータ25は、減速機付きモータであり、バッテリ24からの電力により駆動され、そのときの出力回転を減速して、上側のスプロケットホイール27を回転させることによって、チェーン26をいずれかの方向に駆動し、チェーン26のアタッチメント75に連結されている昇降部4を支柱2に沿って上昇または下降させる。この操作は、一対の支柱2の間で台車3に搭載されている操作盤24aにより行える。
【0050】
昇降用モータ25に内蔵されている減速機は、本来の減速機能のほかに、昇降部4に掛かる荷重にもとづく逆駆動によって、チェーン26やスプロケットホイール27を回転させず、昇降部4を所定の高さに維持するという、自動止まり作用(停止機能)を営んでいる。この停止機能は、昇降用モータ25に内蔵されている減速機の自動止まり作用によらないで、昇降用モータ25をブレーキ手段付きとし、昇降用モータ25の停止位置をブレーキ手段によって確保することもできる。
【0051】
前記のスプロケットホイール27やチェーン26は、昇降用モータ25によって駆動され、昇降部4を上昇または下降方向に駆動する伝達手段を構成しているが、この伝達手段は、チェーン・スプロケットホイールに代わるものとして、タイミングベルト・タイミングプーリ、ラック・ピニオン、送りねじ・送りナットなどであってもよい。
【0052】
図13および図14は、横移動部5および横移動部5に付属する横移動駆動装置28を示している。横移動部5は、昇降部4の前面にあって、上下左右の案内ローラ76により昇降部4の前面で平行に取付けられているC形鋼製上下一対の案内レール77にそって各支柱2に直行する方向、つまり横方向に移動可能な状態として昇降部4の前面に支持されており、横移動部5に付属する横移動駆動装置28によって横方向に駆動されるようになっている。
【0053】
横移動駆動装置28は、昇降部4に支持された横移動用のハンドル78によって操作可能な横送りねじシャフト29、横移動部5に取付けられ、横送りねじシャフト29にねじ対偶として連結される横送りナット30によって構成されている。
【0054】
この例で、横移動用のハンドル78は、背面から見て右側にあり、背面位置の作業者によって操作しやすいように、背面に向けられた状態として、ギヤボックス79に回転自在に取り付けられている。横移動用のハンドル78の回転は、ギヤボックス79の内部の一対のベベルギヤ80、81によって横移動用のハンドル78の軸に対して直角方向の横送りねじシャフト29に伝達され、横送りナット30を横送りねじシャフト29の方向に横移動させる。横移動の量は、図3などに見られるように、横移動部5に取り付けられている移動インジケータ90の指針により昇降部4の背面に取り付けられている移動目盛91を読み取れる。
【0055】
また、図15および図16は、水平出し部6および水平出し部6に付属する水平出し駆動装置31を示している。水平出し部6は、水平出し部6の前面に取り付けられている第1フック7および第2フック8を横移動部5に対して揺動自在に取り付けるために設けられており、横移動部5の前面の中央上側位置で水平な前後方向の支軸32により揺動自在に支持されている。この支持構造によって、水平出し部6は、正面から見て、支軸32を中心として横移動部5に対し振り子のように左右に揺動し、水平出し部6に付属する水平出し駆動装置31に駆動されて水平出し方向に傾き調整できるようになっている。
【0056】
支軸32は、横移動部5の前面の中央上部に固定されており、水平出し部6の例えば滑り形式の軸受け部82に対して回転自在となっている。また、水平出し部6と横移動部5との間に複数の受けローラ83が介在している。受けローラ83は、水平出し部6の揺動を許容しながらその下部を支えるために、例えば水平出し部6の背面に固定され、水平出し部6と横移動部5との間に介在している。それらの受けローラ83の軸線は、支軸32の中心線に交差する位置関係に設定されている。
【0057】
水平出し駆動装置31は、横移動部5に支持された水平出し用のハンドル84によって操作可能な水平出し送りねじシャフト33、水平出し部6に水平方向の連結軸34により取付けられた水平出し送りナット35により構成されている。水平出し送りナット35は水平出し部6の連結軸34の水平な軸線の方向に回転自在であり、水平出し送りねじシャフト33にねじ対偶として連結される。
【0058】
この例で、水平出し用のハンドル84は、背面から見て右側にあり、背面位置の作業者によって操作しやすいように、横移動用のハンドル78よりも低い位置で背面に向けられており、ギヤボックス85に取付けられている。水平出し用のハンドル84の回転は、ギヤボックス85の内部の一対のベベルギヤ86、87により水平出し用のハンドル84の軸に対して直角方向の水平出し送りねじシャフト33に伝達され、水平出し送りナット35を移動させる。
【0059】
図3、図4や図5などに見られるように、水平出し部7に角度インジケータ88が取り付けられており、角度インジケータ88の指針は、横移動部5のギヤボックス79に取り付けられている角度目盛り板89の目盛りを指している。なお、水平出し送りねじシャフト33の回転は、水平出し用のハンドル84の操作に代えて、専用のモータにより行うようにすることもできる。
【0060】
次に、図17のように、メインローラホルダー10は、第1掛けシャフト13および必要に応じて下方に設けられる補助第1掛けシャフト13aの部分で保管台車58のスタンド59に載せられ、外れ止め用フック59aに係り止めされている。
【0061】
メインローラ9の搬送、メインローラ9のワイヤソーに対する組み込みに際して、作業者は、図1ないし図4のワイヤソー用リフター1を図17の保管台車58の近くまで移動させ、図17および図19に示すように、ワイヤソー用リフター1をメインローラホルダー10に正しく向き合わせる。この向き合わの過程で、位置決めガイドローラ57は、位置決めガイド60に案内されて、メインローラホルダー10に対し位置決め状態で向き合わせる。またこのときのワイヤソー用リフター1の停止位置は、ワイヤソー用リフター1の台車3の一部とストッパー92との当接によってメインローラホルダー10の受け取り位置となる。
【0062】
ここで、作業者は、操作盤24aを操作して昇降用モータ25を回転させ、下降位置の昇降部4を上昇移動させ、第1フック7の上向きの受け位置でメインローラホルダー10の第1掛けシャフト13を受け取り、スタンド59を乗り越えられる高さまで昇降部4を上昇させてから、ワイヤソー用リフター1を後退させ、ワイヤソー用リフター1をメインローラ9の受け取り位置まで移動させる。このような操作によって、図5ないし図7のように、メインローラホルダー10は、ワイヤソー用リフター1に搭載される。
【0063】
つぎに、作業者は、メインローラホルダー10付きのワイヤソー用リフター1をメインローラ9の受け取り位置へ移動させ、そこでローラハンガー16を上昇させ、ローラハンガー16の上向き半円弧状のパッド16aの位置でメインローラ9の両端のボス部分を支持し、押さえレバー17を下ろして閉じて、下向き半円弧状のパッド17aで押さえ、インデックスプランジャ40を係止孔41に係り止めして、押さえレバー17をで開かないように固定してから、ローラハンガー16を上昇させ、適当な高さで停止させ、メインローラ9を吊り下げる。
【0064】
この吊り下げ状態のときに、前記のように、減速機付きの昇降用モータ25の自動止まり作用によって、昇降部4にメインローラ9の荷重が掛かっても、昇降部4は、そのときの荷重によって下降することはない。
【0065】
つぎに、作業者は、メインローラ9を取り付けようとするワイヤソーの近くの作業位置にワイヤソー用リフター1の台車3を移動させ、昇降用モータ25を駆動することによって、メインローラ9をワイヤソーに対する組み込み高さに調節する。このときの移動過程で、ターンバックル42は、メインローラ9の前方向への移動を制限しているから、台車3は、前方向への異常な重心移動のない状態となっているため安定に移動する。
【0066】
図20は、ワイヤソーの一対の軸受けユニット64、65の間にメインローラ9を組み込むときの順序を示している。図示のように、作業者は、ワイヤソー用リフター1の台車3を軸受けユニット64、65の近くに移動させる。このとき、床面またはワイヤソーの機械ベースなどに一対の位置決めガイド72が形成されていると、複数の位置決めガイドローラ57が位置決めガイド72に位置規制されながら、矢印aのように、前進方向に案内され、位置決め用のストッパー94に当たり停止するため、台車3は、一対の軸受けユニット64、65に対して作業のし易い適切な位置に案内されて停止する。
【0067】
ここで作業者は、吊り下げ状態のメインローラ9を水平方向に押し、保持中のメインローラ9を軸受けユニット64、65の間に案内し、それらの軸心をほぼ一致させる。このとき、メインローラ9は、吊り下げられているため、水平方向からの力を加えることによって容易に案内できる。
【0068】
ワイヤソーの設置床面に水切り勾配の設定などによって傾きがあると、台車3は、垂直方向に直立しなくなるが、メインローラ9は、メインローラホルダー10により重心位置で吊り下げ状態つまり重力の作用方向にあるため、ほとんど傾くことはない。
【0069】
次に、作業者は、横移動用のハンドル78を所定の方向に回し、横送りねじシャフト29と横送りナット30とのねじ作用によって、横移動部5を横方向すなわち水平方向に移動させて、矢印bのように、メインローラ9を中心軸の方向に水平移動させることによって、メインローラ9の一端のテーパ孔66を向き合う軸受けユニット64のテーパ軸67にはめ込む。
【0070】
続いて、作業者は、メインローラ9を挟む方向すなわち矢印cの方向に、クイル状の軸受けユニット65を移動させ、他方のボスのテーパ孔66に軸受けユニット65のテーパ軸68をはめ込む。これにより、メインローラ9は、テーパ部分の嵌まり合いにより芯出し状態として一対の軸受けユニット64、65の間に挟み込まれる。
【0071】
このように、横移動部5に付属する横移動駆動装置28による横方向の移動機能によって、一対の軸受けユニット64、65に対するメインローラ9の組み込みに際して、メインローラ9の横方向の位置決めが簡単かつ能率よく行える。このときの横方向の移動量は移動インジケータ90の位置を移動目盛板91から読み取れる。
【0072】
最後に、作業者は、クイル状の軸受けユニット65の中心の軸孔69およびメインローラ9の中心孔9aに固定ボルト70を矢印dのように挿入して、その雄ねじを軸受けユニット64の雌ねじ71にねじ込み、メインローラ9を一対の軸受けユニット64、65の間で強く締めつけて固定する。このようにして、複数のメインローラ9は、2つの軸受けユニット64、65の間に取り付けられ、これらの軸受けユニット64、65に駆動されて、共に回転できる状態としてワイヤーソーに組み込まれる。
【0073】
ワイヤーソーの一対の軸受けユニット64、65からメインローラ9を取り外すときには、以上の動作と逆の動作を行えばよい。メインローラ9の組み込み、取り外し作業が終了したとき、作業者は、メインローラホルダー10をワイヤソー用リフター1から保管台車58のスタンド59に戻す。
【0074】
次に、ワイヤソー用リフター1は、メインローラホルダー10に代えて、ワークホルダー11を装着することによって、ワーク12の搬送、ワイヤソーに対するワーク12の供給、取り出しにも利用できる。図18のように、ワークホルダー11は、保管台車61のスタンド62およびその受けアーム62bに載せられ、外れ止め用フック62aに係り止めされている。
【0075】
そこで作業者は、図1ないし図4のワイヤソー用リフター1を図18の保管台車61の近くまで移動させ、図18および図19に示すように、ワイヤソー用リフター1をワークホルダー12に正しく向き合わせる。この過程で、位置決めガイドローラ57は、位置決めガイド63に案内されて、ワークホルダー12に対し位置決め状態で向き合わせる。また、このときのワイヤソー用リフター1の停止位置は、ワイヤソー用リフター1の台車3の一部とストッパー93との当接によって所定の位置となる。
【0076】
ここで作業者は、昇降駆動装置23を操作して、第2フック8を上昇させて、第2フック8にワークホルダー11の第2掛けシャフト19を掛け、ワイヤソー用リフター1にワークホルダー11を装着する。
【0077】
この装着状態で、ワイヤソー用リフター1によるワーク12の搬送、ワイヤソーに対するワーク12の供給、取り出しが可能となるため、作業者は、台車3の移動によりワークホルダー11を搬送しようとするワーク12に対向させた後、ワークホルダー11をワーク12の受け取り高さに合わせ、スライダーハンドル45を持って、フォーク22を前進させ、ワーク12に固定されている部材の図示しないフォーク挿入孔(空間)に差し込んでから、昇降部4の上昇によってフォーク22でワーク12を取り上げ、ワイヤソーまで搬送し、ワーク12を水平な姿勢としてワイヤソーの加工位置に供給し、ワイヤソーの図示しないワーク支持装置に受け渡す。このようにして、ワーク12は、ワイヤソーの加工位置において切断可能な状態となる。
【0078】
ワイヤソーに対するワーク12の供給に際して、ワイヤソーの設置床面に水切り勾配などの傾きがあると、ワイヤソー用リフター1の支柱2は、垂直方向に直立せず、傾斜状態となる。傾斜状態のワーク12について、修正が必要なとき、作業者は、水平出し用のハンドル84を回して、水平出し送りねじシャフト33を傾斜修正方向に回転させて、水平出し送りナット35を動かし、水平出し部6を支軸32を中心として揺動させ、ワークホルダー11ともにフォーク22の傾きを修正し、ワーク12を水平な姿勢としてワイヤソーの加工位置に供給できるようにする。
【0079】
傾斜状態の修正のときに、ワーク12の傾きの方向は、角度インジケータ88と角度目盛り板89との相対位置から判断でき、また、そのときの傾きの角度は、角度インジケータ88の指示位置を角度目盛り板89の目盛りから読み取ることにより知られる。なお、角度インジケータ88・角度目盛り板89は市販の簡易水準器によって構成することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、メインローラ9やワーク12の搬入、搬送に限らず、ワイヤーソーの運転や保守、点検に際して必要な工具や部品の搬入、搬送にも利用できる。
【符号の説明】
【0081】
1 ワイヤーソー用リフター
2 支柱
3 台車
4 昇降部
5 横移動部
6 水平出し部
7 第1フック
8 第2フック
9 メインローラ 9a 中心孔
10 メインローラホルダー
11 ワークホルダー
12 ワーク
13 第1掛けシャフト 13a 補助掛けシャフト
14 ブラケット 14a スペーサ
15 吊り具 15a アイボルト 15b吊りシャフト
16 ローラハンガー 16a パッド
17 押さえレバー 17a パッド
18 支点軸
19 第2掛けシャフト
20 スライダーガイド
21 スライダー
22 フォーク
23 昇降駆動装置
24 バッテリ 24a 操作盤
25 昇降用モータ
26 チェーン
27 スプロケットホイール
28 横移動駆動装置
29 横送りねじシャフト
30 横送りナット
31 水平出し駆動装置
32 支軸
33 水平出し送りねじシャフト
34 連結軸
35 水平出し送りナット
36 補助ブラケット
37 吊りバー
38 連結ロッド
39 外れ止め
40 インデックスプランジャ
41 係止孔
42 ターンバックル
43 ステー
44 リニアガイド
45 スライダーハンドル
46 オイルパン
47 調整ボルト
48 車輪
49 キャスター車
50 移動ハンドル
51 自在車
52 引きスプリング
53 手押し用ハンドル
54 ペダル
55 ブレーキ
56 ハンドル軸
57 位置決めガイドローラ
58 保管台車
59 スタンド 59a 外れ止め用フック
60 位置決めガイド
61 保管台車
62 スタンド 62a 外れ止め用フック 62b 受けアーム
63 位置決めガイド
64 軸受けユニット
65 軸受けユニット
66 テーパ孔
67 テーパ軸
68 テーパ軸
69 軸孔
70 固定ボルト
71 雌ねじ
72 位置決めガイド
73 昇降用ガイドローラ
74 連結板
75 アタッチメント
76 案内ローラ
77 案内レール
78 横移動用のハンドル
79 ギヤボックス
80 ベベルギヤ
81 ベベルギヤ
82 軸受け部
83 受けローラ
84 水平出し用のハンドル
85 ギヤボックス
86 ベベルギヤ
87 ベベルギヤ
88 角度インジケータ
89 角度目盛り板
90 移動インジケータ
91 移動目盛り板
92 ストッパー
93 ストッパー
94 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降案内用の支柱を有する台車と、前記支柱に支持され、前記支柱に沿って昇降自在の昇降部と、前記昇降部に支持され、横方向に移動可能な横移動部と、前記横移動部の前面に対して横方向に揺動自在に取り付けた水平出し部と、前記水平出し部の前面に取付けられた左右一対の第1フックと、前記水平出し部の前面に取付けられた左右一対の第2フックと、前記第1フックに対し着脱自在に掛かり合い、ワイヤソーのメインローラを保持するメインローラホルダーと、前記第2フックに対し着脱自在に掛かり合い、ワイヤソーの加工対象としてのワークを保持するワークホルダーとによって構成する、ことを特徴とするワイヤソー用リフター。
【請求項2】
前記第1フックと前記第2フックとを直線上に配置する、ことを特徴とする請求項1記載のワイヤソー用リフター。
【請求項3】
前記第1フックと第1掛けシャフトとの掛かり合いにより前記水平出し部の前面に対して着脱自在のブラケットと、前記ブラケットの前側に吊り具により吊り下げられ、前記メインローラの両端を支える一対のローラハンガーと、前記ローラハンガーにより保持され前記メインローラの両端を押さえる押さえレバーとによって、前記メインローラホルダーを構成する、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイヤソー用リフター。
【請求項4】
前記吊り具を吊りアイボルトとこの吊りアイボルトにゆるく通されている吊りシャフトとにより構成し、前記ローラハンガーによって保持されている前記メインローラを前後方向、旋回方向および傾き方向に変位自在とする、ことを特徴とする請求項3記載のワイヤソー用リフター。
【請求項5】
前記押さえレバーを前記ローラハンガーの側面に対して水平方向の支点軸によって回動自在に取付け、前記押さえレバーを前記ローラハンガーの側面に係り止め可能とした、ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求項4記載のワイヤソー用リフター。
【請求項6】
前記第2フックと第2掛けシャフトとの掛かり合いにより前記水平出し部の前面に対して着脱自在のスライダーガイドと、前記スライダーガイドに前後方向に移動自在に取り付けられたスライダーと、前記スライダーに取り付けられ、前記ワークを保持するフォークと、によって前記ワークホルダーを構成する、ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のワイヤソー用リフター。
【請求項7】
前記台車に搭載されているバッテリと、前記支柱側に取付けられ、前記バッテリにより駆動される昇降用モータと、前記支柱の上下位置間に取付けられ、前記昇降用モータにより駆動されて、前記昇降部を前記支柱に沿って昇降移動させる伝達手段とにより、前記昇降部に付属する昇降駆動装置を構成する、ことを特徴とする請求項1記載のワイヤソー用リフター。
【請求項8】
前記昇降部に取り付けられ、回転操作可能な横送りねじシャフトと、前記横移動部に取付けられ、前記横送りねじシャフトにねじ対偶として連結され、前記横移動部を横移動させる横送りナットとによって、前記横移動部に付属する横移動駆動装置を構成する、ことを特徴とする請求項1記載のワイヤソー用リフター。
【請求項9】
前記横移動部に取り付けられ、水平出し部を横方向に揺動自在に支持する支軸と、前記横移動部に取り付けられ、回転操作可能な水平出し送りねじシャフトと、前記水平出し部に水平で前後方向の連結軸により取付けられ、水平出し送りねじシャフトにねじ対偶として連結される水平出し送りナットとによって、前記水平出し部に付属する水平出し駆動装置を構成する、ことを特徴とする請求項1記載のワイヤソー用リフター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−201479(P2012−201479A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69764(P2011−69764)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【特許番号】特許第5041613号(P5041613)
【特許公報発行日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【出願人】(000152675)コマツNTC株式会社 (218)
【Fターム(参考)】