説明

中立カット弁を用いた制御装置

【課題】 装置全体を大型化せず、しかもコスト高にはならない制御装置を提供する。
【解決手段】 第1回路系統6と、第2回路系統23とを備えるとともに、少なくとも第1回路系統6には、特定のアクチュエータ14からの戻り流体をその特定のアクチュエータ14の供給側に再生する再生機能を備えた特定の切換弁5を設けるとともに、この特定の切換弁5を再生位置に切り換えたとき、その戻り側となる通路9に再生用絞りを設ける一方、第2回路系統23に設けた切換弁はそれらが中立位置を保持しているとき、第2ポンプP2の供給流体をタンクに導くセンターオープン通路24を設けるとともに、この第2回路系統23の最下流には、センターオープン通路24を開閉する中立カット弁28を設け、中立カット弁28をスプール弁で構成するとともに、この中立カット弁28に上記再生用絞り29を併設させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、アームシリンダを備えこのアームシリンダの戻り流体を供給側に再生する機能を有する建設機械に最適な、中立カット弁を用いた制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、アームシリンダを備えた建設機械では、そのアームシリンダの戻り流体を供給側に戻すいわゆる再生機能を備えているものがある。そして、この再生機能を発揮するために、再生時に戻り側となる通路に再生用絞りを設け、戻り流体がこの絞りを通過するときの圧力損失分の圧力を持って戻り流体を上記供給側に再生させるようにしている。
このように再生機能を備えた制御装置として特許文献1に記載されたものが従来から知られている。
【0003】
上記従来の装置は、上記特許文献1の図1において符号52で示された絞りを再生用絞りとしている。つまり、アームシリンダを制御する切換弁には、その弁本体にスプールを摺動自在に組み込むとともに、そのスプールの相対位置に応じて、アームシリンダからの戻り流体を供給側に再生するようにしている。そして、上記弁本体には、戻り流体を供給側に再生するための通路を形成するとともに、この通路に上記再生用絞り(公報における符号52)を形成している。
【0004】
上記特許文献1に記載された装置のように切換弁の弁本体に再生用絞りを形成するのとは別に、例えば、再生用絞りを、再生を必要とする特定のアクチュエータを制御する切換弁に対して外付けにすることも考えられる。そして、切換弁に対して外付けにした例を示したのが図6および図7である。
上記図6は建設機械であるパワーショベル用の油圧制御回路を示したもので、第1ポンプP1と第2ポンプP2とを備えている。そして、第1ポンプP1には、その上流側から、走行用切換弁1、予備用切換弁2、旋回用切換弁3、ブームII用切換弁4およびアームI用切換弁5を順次接続し、これら切換弁1〜5で第1回路系統6を構成している。そして、これら各切換弁1〜5は、図示のように中立位置にあるとき、そのセンターオープン通路7が開いて、第1ポンプP1からの吐出流体を、タンク通路11を介してタンクTに導くようにしている。なお、図中符号8はパラレル通路で、第1ポンプP1に対して各切換弁1〜5をパラレルに接続するものである。
【0005】
そして、上記最下流に位置するアームI用切換弁5を図面左側位置である再生位置に切り換えたときに戻り側となる再生用通路9に、このアームI用切換弁5に対して外付けにした再生用絞り手段10を接続している。この再生用絞り手段10はタンク通路11を介してタンクTに連通し、上記再生用通路9から再生用絞り手段10を介してタンクTに流体が流れるとき、上記再生用通路9に圧力損失分の圧力を発生させるようにしている。
このように圧力を保持した流体は、チェック弁12を介して供給側通路13に供給され、アームシリンダ14のピストン側室14aに供給される。すなわち、アームシリンダ14のロッド側室14bからの戻り流体が、再生用通路9を経由して、アームシリンダ14のピストン側室14aに再生されることになる。
【0006】
なお、上記のようにアームシリンダ14のピストン側室14aに流体が再生されるときには、アームシリンダ14には矢印15方向に負荷が作用しているときであるが、アームシリンダ14のロッドを伸張させながら掘削作業などをしているときには、負荷の方向が逆転する。このときには当該負荷圧によってチェック弁12が閉じ、第1ポンプP1からの圧力流体が再生用通路9側に逃げないようにしている。
また、アームI用切換弁5が図面右方向に切り換わったときには、第1ポンプP1からの供給流体が、供給側通路13を経由してアームシリンダ14のロッド側室14bに供給されるとともに、ピストン側室14aの戻り流体の全量がタンクTに戻されることになる。
【0007】
一方、第2ポンプP2には、その上流側から、走行直進用切換弁16、走行用切換弁17、バケット用切換弁18、ブームI用切換弁19、アームII用切換弁20および予備用切換弁21を順次接続するとともに、その最下流には中立カット弁22を接続している。そして、これら切換弁16〜21で第2回路系統23を構成するとともに、各切換弁16〜21は、図示のように中立位置にあるとき、そのセンターオープン通路24が開いて、第2ポンプP2からの吐出流体をタンクTに導くようにしている。なお、図中符号25はパラレル通路で、第2ポンプP2に対して各切換弁16〜21をパラレルに接続するものである。
【0008】
そして、最下流に位置する中立カット弁22とその直前の上流側に位置する予備用切換弁21との間におけるセンターオープン通路24には分岐通路26を接続し、中立カット弁22がカット位置を保持したとき、第2ポンプP2からセンターオープン通路24に供給された圧力流体は、分岐通路26を介して、図示していない他の回路系統に供給されるようにしている。
【特許文献1】特許第3388799号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
再生を必要とする特定のアクチュエータを制御する切換弁の弁本体に、再生用絞りを形成しているので、再生用絞りの加工コストがかさむという問題があったが、その理由は次のとおりである。アクチュエータを制御する切換弁の弁本体には、いろいろな通路が形成されるとともに、リリーフ弁等の機器も組み込まれるので、再生用絞りを形成できる位置等が限定されるとともに、その位置もきわめて狭隘な箇所にならざるを得ないのが実情である。このように極めて狭隘な箇所に再生用絞りを形成するためには、どうしてもその加工コストが大きくならざるを得ないという問題があった。
【0010】
上記の問題を解決する手段として、図6の装置のように、再生用絞り手段を再生用切換弁に対して外付けにすれば、狭隘な箇所に再生用絞りを形成しなければならないという問題は解決される。しかし、この場合には、再生用絞りを外付けにする分、装置全体が大型化するという別の問題が発生する。
しかも、再生用絞り手段を再生用切換弁に対して外付けにした現行のパワーショベルの場合には、図7に示すように、第1回路系統6側に無駄なスペース27が形成されてしまうという問題もあった。
なお、図7はバルブブロックをスプール孔側から見た側面図で、切換弁、再生用絞り手段あるいは中立カット弁として符号を付した部分は、スプール孔の端面を示している。
この発明の目的は、装置全体を大型化せず、しかもコスト高にはならない制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、第1ポンプに接続するとともに複数の切換弁を設けた第1回路系統と、第2ポンプに接続するとともに複数の切換弁を設けた第2回路系統とを備えるとともに、少なくとも第1回路系統には、特定のアクチュエータからの戻り流体をその特定のアクチュエータの供給側に再生する再生機能を備えた特定の切換弁を設けるとともに、この特定の切換弁を再生位置に切り換えたとき、その戻り側となる通路あるいはそれに連通する通路に再生用絞りを設け、流体がこの再生用絞りを通過するときの圧力損失分の圧力を持って戻り流体を再生する構成にする一方、第2回路系統に設けた切換弁はそれらが中立位置を保持しているとき、第2ポンプの供給流体をタンクに導くセンターオープン通路を設けるとともに、この第2回路系統の最下流には、センターオープン通路を開閉する中立カット弁を設けた制御装置を前提にするものである。
【0012】
第1の発明は、上記の制御装置を前提にしつつ、上記中立カット弁をスプール弁で構成するとともに、この中立カット弁に上記再生用絞りを併設した点に特徴を有する。
第2の発明は、上記中立カット弁の弁本体に、タンク通路と、再生機能を備えた特定の切換弁が再生位置に切り換わったときに戻り側となる通路と連通する再生用通路と、を設けるとともに、これら両通路は、スプール孔とスプールとの間に形成される隙間からなる再生用絞りを介して連通する構成にした点に特徴を有する。
第3の発明は、上記中立カット弁の弁本体に、上記再生用通路から、上記特定の切換弁を再生位置に切り換えたとき供給側となる通路に連通する通路への流通のみを許容し、逆流を防止するチェック弁を設けた点に特徴を有する。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、再生用絞りを中立カット弁に併設したので、従来のように特定の切換弁に再生用絞りを形成する場合に比べて、加工コストを安価に抑えることができる。なぜなら、中立カット弁はセンターオープン通路をオンオフするだけで足りるので、アクチュエータを制御する切換弁よりも構成が単純であり、再生用絞りを形成するためのスペース的なゆとりが十分にあるからである。
【0014】
第2の発明によれば、中立カット弁に形成したスプール孔とスプールとの間に形成される隙間を再生用絞りとしたので、スプール孔とスプールの加工によって、再生用絞りが形成できる。したがって、加工コストは一段と安価になる。
しかも、中立カット弁が中立カット機能と再生用絞り機能との両方の機能を有するので、当該中立カット弁を第1回路系統側に設けてもよいし、第2回路系統側に設けてもよく、その設計の自由度が大きくなる。したがって、この発明の装置を現行のパワーショベルに用いた場合には、無駄なスペースを確保する必要もなくなる。
第3の発明によれば、中立カット弁の弁本体にチェック弁も併設させたので、全体的にコンパクト化が可能であるとともに、加工コストも抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1〜図5に示した実施形態は、建設機械であるパワーショベル用の油圧制御回路を示したもので、上記従来との相違点は、中立カット弁28の接続位置とその構造であり、その他は図6に示した従来と同様である。そこで、従来と同一の構成要素に関しては、図6と同一符号を用いて説明するとともに、この発明の実施形態として、従来の装置と同様の構成も繰り返し説明する。
図1に示した上記パワーショベル用の油圧制御回路には、第1ポンプP1と第2ポンプP2とを備えている。そして、第1ポンプP1には、その上流側から、走行用切換弁1、予備用切換弁2、旋回用切換弁3、ブームII用切換弁4およびアームI用切換弁5を順次接続し、これら切換弁1〜5で第1回路系統6を構成している。そして、これら各切換弁1〜5は、図示のように中立位置にあるとき、そのセンターオープン通路7が開いて、第1ポンプP1からの吐出流体を、タンク通路11を介してタンクTに導くようにしている。なお、図中符号8はパラレル通路で、第1ポンプP1に対して各切換弁1〜5をパラレルに接続するものである。
なお、上記アームI用切換弁5がこの発明の再生用切換弁を構成するものである。
【0016】
そして、上記最下流に位置するアームI用切換弁5を図面左側位置である再生位置に切り換えたときに戻り側となる通路9に中立カット弁28を接続している。この中立カット弁28には再生用絞り29を併設し、中立カット弁28の切換位置にかかわらず、再生用通路9とタンク通路11とを上記再生用絞り29を介して常時連通させる構成にしている。
上記のように再生用通路9とタンク通路11とを再生用絞り29を介して連通させることによって、再生用通路9から再生用絞り29を介してタンクTに流体が流れるとき、上記再生用通路9に圧力損失分の圧力を発生させるようにしている。
このように圧力を保持した流体は、チェック弁12を介して供給側通路13に供給され、アームシリンダ14のピストン側室14aに供給される。すなわち、アームシリンダ14のロッド側室14bからの戻り流体が、再生用通路9を経由して、アームシリンダ14のピストン側室14aに再生されることになる。
【0017】
なお、上記のようにアームシリンダ14のピストン側室14aに流体が再生されるときには、アームシリンダ14には矢印15方向に負荷が作用しているときであるが、アームシリンダ14のロッドを伸張させながら掘削作業などをしているときには、負荷の方向が逆転する。そのためにピストン側室14aの圧力が上昇するとともに、このときには当該負荷圧によってチェック弁12が閉じ、第1ポンプP1からの圧力流体が再生用通路9側に逃げないようにしている。
また、アームI用切換弁5が図面右方向に切り換わったときには、第1ポンプP1からの供給流体が、供給側通路13を経由してアームシリンダ14のロッド側室14bに供給されるとともに、ピストン側室14aの戻り流体の全量がタンクTに戻されることになる。
【0018】
一方、第2ポンプP2には、その上流側から、走行直進用切換弁16、走行用切換弁17、バケット用切換弁18、ブームI用切換弁19、アームII用切換弁20および予備用切換弁21を順次接続するとともに、これら切換弁16〜21で第2回路系統23を構成している。また、予備用切換弁21の下流側のセンターオープン通路24を上記した中立カット弁28に連通するとともに、分岐通路26にも接続している。
そして、上記各切換弁16〜21は、図示のように中立位置にあるとき、そのセンターオープン通路24を開いて、第2ポンプP2からの吐出流体をタンクTに導くようにしている。なお、図中符号25はパラレル通路で、第2ポンプP2に対して各切換弁16〜21をパラレルに接続するものである。
【0019】
また、センターオープン通路24に接続した中立カット弁28は、2位置に切換可能で、図示の右側位置にあるときには、上記センターオープン通路24を、タンク通路11を介してタンクTに連通させる。一方、中立カット弁28を図面左側位置に切り換えたときには、センターオープン通路24とタンク通路11との連通が遮断し、第2ポンプP2からセンターオープン通路24に供給された圧力流体を、分岐通路26を介して、図示していない他の回路系統に供給するようにしている。
【0020】
上記再生用切換弁であるアームI用切換弁5とこの切換弁5に接続する中立カット弁28とを具体的に示したのが、図2,3である。そして、図2に示すようにアームI用切換弁5は、その弁本体30にスプール31を摺動自在に組み込むとともに、スプール31を図示の中立位置に保っているとき、第1回路系統6のセンターオープン通路7が開いた状態を保つ。そして、左側のパイロット室32にパイロット圧を導いてスプール31を図面右方向に移動させると、当該アームI用切換弁5は再生位置に切り換わる。すなわち、上記センターオープン通路7が閉じるとともに、第1ポンプP1からパラレル通路8に導かれた圧力流体が、供給側通路13に導かれ、この供給側通路13から、スプール31に形成した一方の環状溝33および一方のアクチュエータポート34を経由して、アームシリンダ14のピストン側室14aに供給される。
【0021】
このときアームI用切換弁5のロッド側室14bからの戻り流体は、他方のアクチュエータポート35および他方の環状溝48を経由して、再生用通路9に導かれる。なお、図中符号12は上記弁本体30に設けたチェック弁で、再生用通路9側から供給側通路13への流通のみを許容するものである。
【0022】
一方、上記アームI用切換弁5に接続した中立カット弁28は、その弁本体36にスプール孔37を形成し、このスプール孔37にスプール38を摺動自在に組み込むとともに、このスプール38の両端をパイロット室39,40に臨ませている。なお、図中符号41はパイロット室40に設けたセンタリングスプリングである。
また、上記弁本体36には、第2回路系統23のセンターオープン通路24に連通する流入路42を形成するとともに、上記アームI用切換弁5の再生用通路9に連通する流通路43を形成している。そして、これら流入路42と流通路43との間にはタンクTに連通する中継環状凹部44を形成している。
【0023】
さらに、上記スプール38には、第1環状溝45と第2環状溝46とを形成し、スプール38が図示の中立位置にあるとき、第1環状溝45を介して流入路42と中継環状凹部44を連通させ、上記流入路42から流入した流体をタンクTに導く。一方、パイロット室39にパイロット圧を導いて、スプール38を図中右方向に移動させると、流入路42と第1環状溝45とが食い違うか、あるいは第1環状溝45と中継環状凹部とが食い違って、流入路42と中継環状凹部44との連通が遮断される。したがって、第2回路系統23のセンターオープン通路24が閉じられ、このセンターオープン通路24に導かれた流体は分岐通路26に供給されることになる。
【0024】
一方、上記第2環状溝46はスプール38の移動位置にかかわらず流通路43と中継環状凹部44とを常時連通させるとともに、この第2環状溝46の深さを第1環状溝45よりも浅くしている。このように第2環状溝46の深さを浅くすることによって、第2環状溝46の底部とスプール孔37との間の隙間を小さく維持し、この隙間を再生用絞り29としている。なお、この再生用絞り29の機能は前記したとおりである。なお、再生用絞り29を形成するための隙間は、図3に示すように、スプール38に凹部48を形成し、この凹部48とスプール孔37との間の隙間を再生用絞り49としてもよい。
【0025】
いずれにしても、図2に示した実施形態では、本来、流入路42と中継環状凹部44とを連通させたりあるいはその連通を遮断したりする機能しか有しない単純構造の中立カット弁28に再生用絞り47あるいは49を形成するようにしたので、その加工そのものも簡単になり、その分、加工コストも抑えることができる。しかも、この場合の中立カット弁28は、第1回路系統6および第2回路系統23のいずれにもかかわるので、当該中立カット弁28を、いずれの回路系統側に設けてもよいというように設計の自由度が大きくなる。したがって、図4に示すように、現行のパワーショベルにおいて、第1回路系統6と第2回路系統23との間で意図的にバルブの数を合わせることができ、従来のように無駄なスペース27ができてしまうこともなくなる。なお、この図4は前記図7と同様に、スプール孔側から見た場合の側面図である。
【0026】
図5に示した装置は、中立カット弁28の弁本体36にチェック弁12を組み込んだもので、このチェック弁12の機能は図2の場合と同様である。つまり、中立カット弁28の弁本体36内には、再生用絞り47あるいは49を設けたとしても、スペースにゆとりがあるので、チェック弁12を設けるのも簡単になるとともに、アームI用切換弁5の弁本体30内も簡素化できるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】回路図である。
【図2】断面図である。
【図3】再生用絞りについての図2とは別の実施形態を示す部分図である。
【図4】バルブブロックをスプール孔側から見た側面図である。
【図5】中立カット弁の弁本体にチェック弁を組み込んだ他の実施形態の断面図である。
【図6】従来の回路図である。
【図7】バルブブロックをスプール孔側から見た従来の側面図である。
【符号の説明】
【0028】
P1 第1ポンプ
P2 第2ポンプ
1〜5 切換弁
6 第1回路系統
9 再生用通路
11 タンク通路
16〜21 切換弁
23 第2回路系統
24 センターオープン通路
25 パラレル通路
26 分岐通路
28 中立カット弁
29 再生用絞り
36 弁本体
37 スプール孔
38 スプール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポンプに接続するとともに複数の切換弁を設けた第1回路系統と、第2ポンプに接続するとともに複数の切換弁を設けた第2回路系統とを備えるとともに、少なくとも第1回路系統には、特定のアクチュエータからの戻り流体をその特定のアクチュエータの供給側に再生する再生機能を備えた特定の切換弁を設けるとともに、この特定の切換弁を再生位置に切り換えたとき、その戻り側となる通路あるいはそれに連通する通路に再生用絞りを設け、流体がこの再生用絞りを通過するときの圧力損失分の圧力を持って戻り流体を再生する構成にする一方、第2回路系統に設けた切換弁はそれらが中立位置を保持しているとき、第2ポンプの供給流体をタンクに導くセンターオープン通路を設けるとともに、この第2回路系統の最下流には、センターオープン通路を開閉する中立カット弁を設けた制御装置において、上記中立カット弁をスプール弁で構成するとともに、この中立カット弁に上記再生用絞りを併設したことを特徴とする制御装置。
【請求項2】
上記中立カット弁は、その弁本体に、タンク通路と、再生機能を備えた特定の切換弁が再生位置に切り換わったとき戻り側となる通路に連通する再生用通路と、を設けるとともに、これら両通路は、スプール孔とスプールとの間に形成される隙間からなる再生用絞りを介して連通する構成にした請求項1記載の制御装置。
【請求項3】
上記中立カット弁の弁本体には、上記再生用通路から、上記特定の切換弁を再生位置に切り換えたとき供給側となる通路に連通する通路への流通のみを許容し、逆流を防止するチェック弁を設けた請求項1または2記載の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−41616(P2009−41616A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205480(P2007−205480)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】