説明

主軸装置用異常検出装置、主軸装置用異常検出方法、及び主軸装置、並びに工作機械

【課題】軸受の潤滑状態の異常発生をリアルタイムに捉えて、軸受の損傷を防止することができる主軸装置用異常検出装置、主軸装置用異常検出方法、及び主軸装置、並びに工作機械を提供する。
【解決手段】主軸装置本体21において、軸受32a,32bにより回転可能に支持される主軸31を回転駆動するモータ33に、電力供給部22により供給される入力電力を電流測定器24及び電圧測定器25により測定する。時系列データ表示部26aには、入力電力値が時系列データとして表示される。入力電圧値に基づいて、軸受32の発熱状態を判断して軸受32の潤滑状態の異常を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主軸装置用異常検出装置、主軸装置用異常検出方法、及び主軸装置、並びに工作機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、工作機械等の主軸軸受の発熱状態を監視して異常を検出することが行われている(例えば特許文献1参照)。
図4に示すように、特許文献1に記載の主軸装置100においては、主軸101がボディ102の内側に複数の転がり軸受103を介して回転可能に支持され、ステータ104aおよびロータ104bからなるビルトインタイプの主軸モータ104によって回転駆動される。各転がり軸受103の外輪103aには、転がり軸受103の温度を検出する温度センサ105が取付けられている。
【0003】
また、主軸装置100には、温度センサ105からの検出信号を変換して軸受温度を数値化する信号変換部106、数値化された検出信号を時系列データとして記憶するメモリ部107、この時系列データに基づいて軸受温度の予測値を算出する演算部108、演算結果に基づいて主軸モータ104を制御するモータ制御部109が設けられている。
【0004】
従って、モータ制御部109の指令によって主軸モータ104が起動されて主軸101が回転すると、転がり軸受103が昇温する。このときの軸受温度が温度センサ105により検出されて、信号変換部106で数値化されて、メモリ部107に時系列データとして記憶される。主軸101が回転を開始してから予め設定された時間が経過したら、メモリ部107の時系列データに基づいて、演算部108により軸受温度の予測値が算出される。そして、軸受温度の予測値と、予め設定されている危険温度とを比較して、予測値が危険値を越えた場合には、主軸101の回転数を減らす。これにより、軸受の破損を未然に防止している。
【特許文献1】特開平7−308846号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の主軸装置100では、温度センサ105によって軸受温度を直接測定しているため、軸受の異常発生時点から異常であると判断するまでに時間を要するという不都合があった。すなわち、軸受温度は、軸受の発熱と、軸受周囲の構造部材や空気との熱伝達状態や主軸冷却構造などによって決定される二次的な結果であり、潤滑状態の異常による瞬間的な発熱や、予圧の異常による急激な発熱を捉えることができず、軸受が破損に至ってしまうという問題があった。また、温度は発熱の急激な異常変動に対して鈍感に追従するため、軸受内部の潤滑状態まで把握することができなかった。また、軸受の発熱量がわからないため、予圧調整ミス等の組込み不良かどうかの判定が難しかった。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、軸受の潤滑状態等の異常発生をリアルタイムに捉えて、軸受の損傷を防止することができる主軸装置用異常検出装置、主軸装置用異常検出方法、及び主軸装置、並びに工作機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 軸受により回転可能に支持される主軸と、前記主軸を回転駆動するモータと、を有する主軸装置本体と、前記モータに電力を供給する電力供給部と、該電力供給部の電力を制御する制御部と、を備える主軸装置の前記軸受の異常を検出する主軸装置用異常検出装置であって、
前記電力供給部から供給される入力電力の値を測定し、時系列データとして保持可能な電力測定部と、
前記電力測定部により測定された入力電力値に基づいて前記軸受の発熱状態を判断して、前記軸受の異常を検出する検出部と、
を有することを特徴とする主軸装置用異常検出装置。
(2) (1)に記載の異常検出装置を備え、
前記異常検出装置が前記潤滑状態の異常を検出した場合に、前記制御部が前記主軸装置本体と、前記軸受に潤滑剤を供給する潤滑装置の少なくとも一方を制御することを特徴とする主軸装置。
(3) (2)に記載の主軸装置を備えたことを特徴とする工作機械。
(4) 軸受により回転可能に支持される主軸と、前記主軸を回転駆動するモータと、を有する主軸装置本体と、前記モータに電力を供給する電力供給部と、該電力供給部の電力を制御する制御部と、を備える主軸装置の前記軸受の異常を検出する主軸装置用異常検出方法であって、
前記モータに供給される入力電力を電力測定部により測定する工程と、
測定された前記入力電力の値に基づいて、前記軸受の発熱状態を判断して前記軸受の異常を検出する工程と、
を備えることを特徴する主軸装置用異常検出方法。
(5) 前記検出工程は、前記入力電力の値と所定の閾値と比較して、前記入力電力の値が前記所定の閾値より大きい場合に、前記軸受の潤滑状態に異常が発生したと判断することを特徴とする(4)に記載の主軸装置用異常検出方法。
(6) 測定された前記入力電力の値を時系列データとして作成する工程を、備え、
前記検出工程は、前記時系列データを予め得られている正常時の時系列データと比較して、両時系列データの傾向が異なる場合には前記軸受の潤滑状態に異常が発生したと判断することを特徴とする(4)に記載の主軸装置用異常検出方法。
ここで、「軸受の異常」とは、軸受の潤滑状態の異常や予圧状態の異常を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、主軸装置本体において軸受により回転可能に支持される主軸を回転駆動するモータに、電力供給部から供給される入力電力を電力測定部により測定し、検出部が、測定された入力電力値に基づいて軸受の発熱状態を判断して軸受の潤滑状態の異常を検出するので、軸受の潤滑状態等の異常発生をリアルタイムに捉えることができ、軸受の損傷を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る主軸装置用異常検出装置、主軸装置用異常検出方法、及び主軸装置、並びに工作機械について図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1に示すように、本発明の実施形態である主軸装置用異常検出装置10は、例えば工作機械に使用される主軸装置20において、主軸装置本体21の主軸31を回転自在に支持する軸受32a,32bの潤滑状態の異常を検出するものである。
【0011】
主軸装置本体21は、図示しない工作機械本体に取り付けられるハウジング30と、軸受32a,32bによりハウジング30に対して相対回転可能にハウジング30内に配置され、先端に工具Tを保持する主軸31と、ハウジング30と主軸31との間に配置され、主軸31を回転駆動するモータ33と、を備える。
【0012】
主軸31の軸心を通って形成される軸方向孔31aには、主軸31に対して軸方向に相対移動可能に装着されるドローバー34と、ドローバー34に外装され、軸方向において主軸31とドローバー34の間に圧縮可能に配置されるばね35と、が配置される。ドローバー34は、その先端に設けられたコレット部36によりクランプされる工具ホルダ37をばね35によって軸方向内方に引き込み、工具Tを主軸31に固定する。
【0013】
モータ33は、主軸31の軸方向中間部に外嵌・固定されるロータ33aと、ハウジング30の軸方向中間部に内嵌・固定されるステータ33bと、を備える。
【0014】
軸受32a,32bは、モータ33のロータ33aに対して工具側(図中左端側)に配置され、2つのアンギュラ玉軸受によって構成される前側軸受32aと、ロータ33aに対して反工具側(図中右端側)に配置され、円筒ころ軸受によって構成される後側軸受32bと、を有している。なお、前側軸受32a及び後側軸受32bは、種々の軸受を任意に、任意の数で組み合わせて使用することができる。
【0015】
これら軸受32a,32bには、主軸装置本体21の外部に設けられた潤滑装置11によって、ハウジング30に形成された潤滑油供給路38a、38bを介して、潤滑油が供給される。なお、潤滑方式は、任意のものが使用可能であり、オイルエア潤滑、オイルミスト潤滑、直噴潤滑等のオイル潤滑や、グリース封入潤滑、グリース補給潤滑等が適用できる。
【0016】
さらに、主軸装置本体21は、主軸31の反工具側の端部に配設され、工具ホルダ37をアンクランプする際、油圧によりドローバー34にアンクランプ力を付与する油圧アンクランプ機構部39と、主軸31の反工具側の周囲で、主軸31の回転数を測定する、回転数測定部であるエンコーダ40と、を有する。
【0017】
また、主軸装置20は、主軸装置本体21の外部に、モータ33のステータ33aに電力を供給する電力供給部22と、この電力供給部22の電力を制御する制御部23と、電力測定部としての電流測定器24及び電圧測定器25と、時系列データ表示部26a及び電力演算部26bを備えた検出部26と、を有している。制御部23には、検出部26によって検出された信号をもとに、異常判定を行って機器を制御する異常判定部23aが設けられる。
【0018】
電力供給部22は、三相交流電源22b及びドライバとしての主軸アンプ22aを有する。主軸アンプ22aは、制御部23から送られた、主軸31の所定の回転数に対応する指令信号に基づいて、電源22bからの電力をコントロールして、当該電力をモータ33の各相に電源線27を介して供給する。
【0019】
電源線27に設けられた電流測定器24及び電圧測定器25は、モータ33に供給される電流および電圧をそれぞれ測定し、これら電流及び電圧は、検出部26に送られる。検出部26では、電力演算部26bで入力電力の値を算出し、この入力電力値を時系列データとして保持する。検出部26は、この入力電力値を時系列データ表示部26aに表示するとともに、入力電力値に基づいて軸受32a,32bの発熱状態を判断して、軸受32a,32bの潤滑状態の異常を検出する。
【0020】
このように構成される主軸装置20において、制御部23によって所定の回転数が指令されると、電力供給部22からモータ33の各相に制御電流が流れて、モータ33が回転する。ここで、エンコーダ40はモータ33の回転数を測定しており、制御部23は、測定される回転数が指令された所定の回転数に維持されるように必要な電力をモータ33に入力する。この入力電力は、軸受32a,32bによる摩擦損失、モータ33の損失、及び回転部材の風損を考慮したものとなる。これらの理由以外で入力電力が大きくなるのは、負荷トルクが増大したとき、即ち、切削負荷がかかった時や、主軸31の回転が加速している時等である。
【0021】
従って、主軸31が無負荷一定速で回転している状態では、モータ33の損失や風損は大きく変化するものではないので、入力電力値はこれらの損失により変化しない。この状態で入力電力値が変化する場合は、軸受32の損失、即ち、発熱状態が変化したことを意味する。特に、オイル潤滑の軸受の場合、潤滑油が軌道面に入った直後には発熱が大きくなるが、潤滑油が排出されて油膜厚さが適正に保たれた状態になると発熱は瞬時に収束して安定する。この状態では、潤滑状態は正常であると判断できる。
【0022】
一方、潤滑油の排出が悪く、潤滑油が軌道面に戻ったりした場合には、発熱が増大して、検出部26で検出される入力電力値が上昇し、また、温度上昇が収束しない場合には、入力電力値が上昇し続けた状態が検出される。
【0023】
ここで、図2及び図3は、主軸回転中に、軸受が直噴潤滑(スーパーリーン潤滑)で潤滑されている場合において、入力値を時系列データとして保持した時系列データ表示部26aの表示例である。なお、各表示例の右にある表は、各図における主軸回転数、軸受に付与される予圧量、潤滑タイミングの諸条件を示す。
【0024】
図2(a)に示す表示例では、各潤滑タイミングにおいてのみ瞬間的に凸が形成されており、良好な潤滑状態であることがわかる。途中で階段状に上がっている部分は、主軸回転数を上げた瞬間を表している。また、図2(b)に示す表示例では、潤滑タイミングにおいてのみ瞬間的に凸が形成されるとともに、全体的に見て徐々に下降する傾向であったものが、その後一定の傾向となっている。従って、軸受内部に溜まっていた余分な量の潤滑油が少しずつ排出されて、軸受空間内の潤滑油が適正な量となり、良好な潤滑状態であることがわかる。このような判断は、例えば、グリース潤滑の場合、軸受内部に溜まっている初期封入量のグリースが適正な量となり、ならし運転が完了したものとして判断することも可能である。
【0025】
一方、図3(a)に示す表示例では、潤滑タイミングの一部において入力電力値が瞬時に低下せずに時間軸方向に幅の広い凸がランダムに形成されている。したがって、ある潤滑タイミングにおいては、発熱が上昇してその後上昇が収まっていないことがわかり、補給される潤滑油の量が過多である、或いは、外部まで排出しきれなかった潤滑油の一部が軸受内部に逆流していると判断できる。また、図3(b)に示す表示例では、潤滑タイミング以外のタイミングにおいても多数の凸が形成されており、外部まで排出しきれなかった潤滑油の一部が軸受内部に逆流してしまう等、潤滑油の排出が円滑になされていないと判断できる。
【0026】
従って、検出部26は、潤滑タイミングに対応する入力電力値以外の値に基づいて、軸受32a,32bの発熱状況を判断することで、補給量過多や排出不良等の潤滑状態の異常を検出することができる。
【0027】
また、検出部26は、図示しない外部メモリに、各回転数における適切な軸受発熱量を予め測定して把握しておき、工作機械にこの異常検出装置10を内蔵させることにより、主軸立ち上げ後の無負荷状態での異常発熱を検出する。そして、潤滑状態に異常が発生したと判断した場合に、検出部26がアラームを発生する。
潤滑油吐出による入力値の変動が大きい直噴潤滑のような潤滑方式の場合には、潤滑装置の制御部から潤滑タイミングの情報を取り出して、潤滑油吐出直後のデータを無視することができる。また、データを移動平均しても閾値比較は可能だが、検出精度は落ちるが吐出タイミングの影響は受けずに済むメリットがある。
【0028】
具体的には、検出部26は、入力電力値と所定の閾値と比較して、入力電力の値が所定の閾値より大きい場合に、軸受の潤滑状態に異常が発生したと判断してもよい。或いは、入力電力の値から作成される時系列データを予め得られている正常時の時系列データと比較して、両時系列データの傾向が異なる場合に、軸受の潤滑状態に異常が発生したと判断してもよい。
また、検出部26は、時系列データから入力電力値の傾向が徐々に上昇していることを検出し、潤滑油の排出が円滑になされていないと判断できる場合に、アラームを発生するようにしてもよい。
【0029】
また、検出部26では、モータ33の損失は予め測定しておき、風損は計算によって予測がつくので、これらの損失を入力電力値から差し引くことによって、軸受の発熱の絶対値も把握することができる。軸受の発熱量が計算値よりも著しく高い場合は、予圧調整ミス等の組込み不良と判断できる。
【0030】
さらに、検出部26は、軸受32a,32bの潤滑状態の異常の検出結果を制御部23に送り、主軸回転数を下げる、又は、主軸装置本体21を停止するようにモータ33を制御したり、或いは、潤滑装置11の潤滑油量や潤滑タイミングを制御することで、主軸装置本体21の損傷を回避することができる。
【0031】
従って、本実施形態によれば、モータ33に供給される入力電力の値を電流測定器24及び電圧測定器25により測定し、検出部26が、測定された入力電力値あるいは、入力電力の時系列データに基づいて、軸受32a,32bの発熱状態を判断して軸受32a,32bの潤滑状態の異常を検出するので、軸受32a,32bの潤滑状態の異常発生をリアルタイムに捉えることができ、軸受32a,32bの損傷を防止することができる。
【0032】
例えば、従来のような軸受32a,32bの温度を測定する場合、軸受32a,32bの温度は主軸31の回転に伴って上昇するので、軸受32a,32bの発熱が一定の正常な状態であっても、また、増減する異常な状態であっても、軸受32a,32bの温度は温度平衡状態まで徐々に上昇する。このため、軸受32a,32bの温度を測定することで、ある程度の潤滑状態の監視は可能であるが、潤滑状態の異常を正確に把握することができなかった。また、完全に異常な状態の場合には、異常な温度上昇となって現れるが、この場合、異常だと判断した時点で軸受32a,32bは損傷している場合が多かった。
一方、本実施形態の場合には、潤滑状態をリアルタイムで把握することができるので、軸受32a,32bの損傷を防止することができる。
【0033】
また、軸受32a,32bの温度を測定する場合には、主軸装置本体21の内部に温度センサを内蔵させる必要があり、主軸装置本体21の構造が複雑になるという課題があったが、本実施形態の場合には、装置本体21内部に温度センサが不要となるので、装置本体21の構造を変更する必要がない。
【0034】
さらに、本実施形態の潤滑状態の異常検出は、軸受32a,32bや主軸装置20の回転試験時の潤滑構造改善に役立てることができ、例えば、主軸開発や試験段階において、入力電力の値に基づいて、潤滑条件や予圧条件等をより適切に決定することができる。
【0035】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態においては、モータ33が主軸装置本体21に内蔵されるビルトインモータタイプを例示したが、主軸装置本体の外側設けられたモータが直結されるタイプやベルト駆動タイプであっても良い。
本発明の検出工程は、本実施形態のような検出部によるものに限定されるものでなく、人為的な検出の場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係る主軸装置用異常検出装置及び工作機械の構成図である。
【図2】(a)及び(b)は軸受の潤滑状態が正常な場合の入力電力値の時系列データの時系列データ表示部の表示例である。
【図3】(a)及び(b)は軸受の潤滑状態が異常な場合の入力電力値の時系列データの時系列データ表示部の表示例である。
【図4】従来の主軸装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0037】
10 主軸装置用異常検出装置
11 潤滑装置
20 主軸装置
21 主軸装置本体
22 電力供給部
23 制御部
24 電流測定器(電力測定部)
25 電圧測定器(電力測定部)
26 検出部
26a 時系列データ表示部
31 主軸
32a,32b 軸受
33 モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受により回転可能に支持される主軸と、前記主軸を回転駆動するモータと、を有する主軸装置本体と、前記モータに電力を供給する電力供給部と、該電力供給部の電力を制御する制御部と、を備える主軸装置の前記軸受の異常を検出する主軸装置用異常検出装置であって、
前記電力供給部から供給される入力電力の値を測定し、時系列データとして保持可能な電力測定部と、
前記電力測定部により測定された入力電力値に基づいて前記軸受の発熱状態を判断して、前記軸受の異常を検出する検出部と、
を有することを特徴とする主軸装置用異常検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の異常検出装置を備え、
前記異常検出装置が潤滑状態の異常を検出した場合に、前記制御部が前記主軸装置本体と、前記軸受に潤滑剤を供給する潤滑装置の少なくとも一方を制御することを特徴とする主軸装置。
【請求項3】
請求項2に記載の主軸装置を備えたことを特徴とする工作機械。
【請求項4】
軸受により回転可能に支持される主軸と、前記主軸を回転駆動するモータと、を有する主軸装置本体と、前記モータに電力を供給する電力供給部と、該電力供給部の電力を制御する制御部と、を備える主軸装置の前記軸受の異常を検出する主軸装置用異常検出方法であって、
前記モータに供給される入力電力を電力測定部により測定する工程と、
測定された前記入力電力の値に基づいて、前記軸受の発熱状態を判断して前記軸受の異常を検出する工程と、
を備えることを特徴する主軸装置用異常検出方法。
【請求項5】
前記検出工程は、前記入力電力の値と所定の閾値と比較して、前記入力電力の値が前記所定の閾値より大きい場合に、前記軸受の潤滑状態に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項4に記載の主軸装置用異常検出方法。
【請求項6】
測定された前記入力電力の値を時系列データとして作成する工程を、備え、
前記検出工程は、前記時系列データを予め得られている正常時の時系列データと比較して、両時系列データの傾向が異なる場合には前記軸受の潤滑状態に異常が発生したと判断することを特徴とする請求項4に記載の主軸装置用異常検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−76057(P2010−76057A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248012(P2008−248012)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【出願人】(000114787)ヤマザキマザック株式会社 (80)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】