説明

仮想空間と連係した多重ロボット制御装置および方法

【課題】ロボット適用の制約のうちの一つである実際環境の複雑性や動的な面に対する対応性を解決し、ユーザの好奇心の誘発や開発者の創意力を増大させること。
【解決手段】ロボット周辺の環境変化だけでなく、ウェブなどを含む仮想空間上における情報変化によるイベントが発生した場合、発生したイベントに対応する行為データを多数のロボットに送出する仮想空間と連係した多重ロボット制御装置を設け、該当ロボットの個別行為や群集行為を制御できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仮想空間と連係した多重ロボット制御装置および方法に関し、特に、ロボットの周辺環境の変化だけでなく、ウェブなどのような仮想空間上における情報変化に反応して特定行為(Behavior)を取るようにする仮想空間と連係した多重ロボット制御装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ロボットが実生活中で活用できるようにするために多くの研究開発が行われた。このような研究開発において、ロボットを主にヒトの形状を真似た形で製作したり、または子犬などのように実生活に存在する形で製作したりすることによってユーザに親近感を持たせるようにした。また、このように製作されたロボットは実生活でユーザと相互作用することによってヒトまたは動物などと類似した行動を取るように開発された。
【0003】
一例として、90年代初めに「Deneubourg」などが蟻を模倣したロボットを提示し、これに対する実験を行って以来、昆虫行為をロボットのモデルとして用いた多くの研究が行われてきた。また、「Sony Aibo」や「Omron」などのようにペットを模倣したり、「Paro」などのように哺乳動物を模倣したりしたロボットが日本を中心に開発され、我々の生活中に活用された例があった。「Wowwee Robosapien」はヒトや恐竜などの簡単な行為だけを模倣して遠隔調整によって動くおもちゃを開発したことがある。
【0004】
しかし、このようなロボットは、ユーザにとって実際の生物体から予測できる行為パターンを有しているか、ユーザによって物理的な入力がある場合にだけ、それに相互作用して特定行為を取るため、ユーザの持続的な関心を引くにはその機能が制約的であった。したがって、ユーザの持続的な関心を維持するロボットの開発が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7249640号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ロボットが実際環境だけでなくウェブを含む仮想空間上の情報変化に反応するようにすることにより、ユーザが予測することができない様々な行為を取るようにする仮想空間と連係した多重ロボット制御装置および方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、各ロボットのハードウェアとソフトウェアを分離させることにより、ハードウェアロボットに相異なる応用ソフトウェアをバインディングさせて、様々な行為を取るように駆動できる仮想空間と連係した多重ロボット制御装置および方法を提供することを他の目的とする。
【0008】
また、本発明は、ロボット集団が社会を構成し、特定条件によって共にある群集行動を取るようにすることにより、単一個体としてのロボットが活用されることより遥かに様々な行為を取るようにする仮想空間と連係した多重ロボット制御装置および方法を提供することをまた他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、ロボットに実在する生命体とは異なる行為パターンを持たせるようにすることにより、ユーザがロボットの行為をベースにその機能と基本行動原理を容易に推測できなくし、ユーザがロボットにより多くの好奇心と関心を持って持続的に観察するように誘引することをまた他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係る仮想空間と連係した多重ロボット制御装置は、仮想空間上の情報変化に応じて複数のロボットに対する行為を制御する制御ロボットを含む仮想空間と連係した多重ロボット制御装置であって、前記制御ロボットは、前記仮想空間に連動し、前記仮想空間上の情報を収集する仮想空間連動サーバから変更情報を受信した場合、前記変更情報に対応するイベントを管理するイベント処理機、および前記イベント処理機のイベントを読み取り、前記格納部に格納された行為データのうちの前記イベントに対応する行為データを該当ロボットに送出するロボット応用を含む。
【0011】
前記制御ロボットは、前記仮想空間連動サーバに一つ以上の情報カテゴリを設定し、前記設定された情報カテゴリ内において情報変更が発生した場合、前記仮想空間連動サーバから情報変更イベントを受信することを特徴とする。
前記ロボット応用は、前記仮想空間上の情報変更によるイベントが、設定条件を満足する場合、前記イベントに対応する行為データを前記複数のロボットに各々送出するようにするか、前記イベントに対応する行為データを複数のロボットを含むグループ別に各々送出するようにする。
【0012】
前記行為データは、前記各ロボットの機能に対応する行為情報および該当行為を実現するための制御命令を含む。この時、前記行為データは、前記所定グループに属した各ロボットの機能に応じて異なる制御命令を含み、前記所定グループに属した各ロボットの周辺環境情報に応じて異なる制御命令を含む。
前記制御ロボットは、前記複数のロボットを一つ以上のグループに分類し、各グループに含まれたロボットに作業を割り当てるアジャスターをさらに含む。この時、前記アジャスターは、前記複数のロボット応用が登録されたロボット管理サーバから前記ロボット応用をダウンロードし、各ロボットまたは各グループにバインディングさせることを特徴とする。
【0013】
前記ロボット応用は、前記複数のロボットによって検知された周辺環境情報に基づき、前記ロボットの周辺環境情報の変更によるイベントの発生時、前記周辺環境情報の変更によるイベントに対応する行為データを該当ロボットに送出するようにする。
また、前記制御ロボットは、前記複数のロボットによって検知された周辺環境情報に基づき、各ロボットの状態を管理する状態管理部をさらに含む。
【0014】
一方、前記目的を達成するための本発明に係る仮想空間と連係した多重ロボット制御方法は、仮想空間上の情報変化に応じて複数のロボットに対する行為を制御する制御ロボットの仮想空間の情報を用いたロボット制御方法であって、仮想空間に連動し、前記仮想空間上の情報を収集する仮想空間連動サーバから変更情報を受信するステップと、前記受信するステップにおいて受信した情報に対応するイベントを検知するステップと、および前記仮想空間上の情報変更によるイベントに対応する行為データを該当ロボットに送出するステップとを含む。
【0015】
前記仮想空間連動サーバに一つ以上の情報カテゴリを設定するステップをさらに含み、前記変更情報は前記設定された情報カテゴリ内に含まれる。
前記行為データは、前記各ロボットの機能に対応する行為情報および該当行為を実現するための制御命令を含む。この時、前記行為データは、前記所定グループに属した各ロボットの機能に応じて異なる制御命令を含み、前記所定グループに属した各ロボットの周辺環境情報に応じて異なる制御命令を含む。
【0016】
一方、本発明に係るロボット制御方法は、前記複数のロボットを一つ以上のグループに分類するステップ、および前記分類した各グループ別に該当ロボットの行為を監視するステップをさらに含む。
また、本発明に係るロボット制御方法は、前記複数のロボットによって検知された周辺環境情報を受信し、前記ロボットの周辺環境情報が変更されたか否かを確認するステップ、および前記周辺環境情報が変更された場合、前記変更された周辺環境情報に対応するイベントを発生するステップをさらに含む。
【0017】
一方、前記送出するステップは、前記ロボットの周辺環境情報が変更された場合、前記行為データを該当ロボットまたは該当ロボットが属したグループに送出することを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係るロボット制御方法は、複数のロボット応用が登録されたロボット管理サーバから所定数のロボット応用をダウンロードするステップ、および前記ダウンロードしたロボット応用を前記複数のロボットのうちの少なくとも一つにバインディングさせるステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、実際環境変化だけでなくウェブ上の情報変化に反応してロボットが特定行為を取るようにすることにより、ロボット適用の制約のうちの一つである実際環境の複雑性や動的な面に対する対応を解決し、ユーザの好奇心の誘発や開発者の創意力を増大させることができる。
【0020】
また、ロボットのハードウェア装置と応用ソフトウェアを分離するようにすることにより、ハードウェアロボットに相異なる応用ソフトウェアをバインディングさせて様々な行為を取るようにする。よって、一律的な行為パターンを有するロボットを排除し、様々な行為パターンを有するロボットを実現することができる。
【0021】
また、複数のロボットに一つの応用ソフトウェアをバインディングさせることにより、複数のロボットが群集行為を取るなど、ユーザに持続的な関心を持たせるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係るロボット制御装置が適用されるシステム構成を示す図である。
【図2】本発明に係るロボット制御装置の構成を説明するための参考ブロック図である。
【図3】本発明に係るロボット制御装置の構成を説明するための参考ブロック図である。
【図4】本発明に係るロボット制御装置の動作説明のための参考図である。
【図5】本発明に係るロボット制御装置の動作説明のための参考図である。
【図6】本発明に係るロボット制御方法に対する動作流れを示すフローチャートである。
【図7a】本発明に係るロボット制御方法に対する動作流れを示すフローチャートである。
【図7b】本発明に係るロボット制御方法に対する動作流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明すれば次の通りである。
図1および図2は本発明に係る仮想空間と連係した多重ロボット制御装置の構成を説明するための参考図である。
【0024】
先ず、図1は本発明の一実施形態による仮想空間と連係した多重ロボット制御装置に対する全体システムの構成を示すものである。図1を参照すれば、本発明が提案するロボット制御システムは、複数のロボット100と、各ロボット100を別にまたは同時に制御する制御ロボット200とから構成される。この時、複数のロボット100が子として存在し、制御ロボット200が複数のロボット100に対する親として存在することによって一つの社会が構築される。
【0025】
すなわち、子としての複数のロボット100は、実世界環境に反応して特別な行為をしたり、ウェブを含む仮想空間上の任意の情報変化に応じて特別な行為をしたりする。この時、複数のロボット100は、ヒト、動物、昆虫などのように実生活でよく見られる生命体の形態を有するものではなく、実在しない形態で実現される。よって、ロボット100に対するユーザの好奇心を刺激するようにする。
【0026】
ここで、仮想空間はインターネット上の仮想空間であり得るし、コンピュータ上に形成された仮想のコンピュータ環境でもあり得る。このように、仮想空間はある一つに限定されるものではない。
【0027】
制御ロボット200は複数のロボット100に対する親の役割をするロボットである。すなわち、制御ロボット200は複数のロボット100周辺の環境変化または仮想空間上の環境変化を検知し、複数のロボット100に対する行為を決めて該当ロボット100に指示し、各ロボット100の行為を観察する。また、制御ロボット200も様々な形態で実現されることができ、ロボット100と同様な形態で実現されることもできる。
【0028】
本発明に係るロボット制御システムは、仮想空間上から情報を収集する仮想空間連動サーバ400を含む。仮想空間連動サーバ400は、ウェブ応用、インターネットに基づく情報提供システムなどの既に存在する様々な情報システムから情報を得るためのプロキシゲートウェイ(proxy gateway)(図示せず)とこれを制御ロボット100に伝達するためのイベント処理機(図示せず)とを含む。
【0029】
仮想空間連動サーバ400は、プロキシゲートウェイ(proxy gateway)を介してウェブなどを含む情報提供手段と連動して仮想空間における任意の情報変化を検知し、情報変化に応じて制御ロボット200に該当情報を提供する。よって、制御ロボット200は、仮想空間連動サーバ400から提供された仮想空間上の情報変化に応じ、各ロボット100に対応する行為を指示する。
【0030】
また、本発明に係るロボット制御システムは、複数のロボット100に対する情報および複数のロボット100を制御するための応用ソフトウェアを管理するロボット管理サーバ300をさらに含む。
【0031】
ロボット管理サーバ300には、複数のロボット100の各々に対するハードウェア機能および行為情報とロボット応用ソフトウェアが格納される。すなわち、ロボット100はハードウェアとソフトウェアが分離されて開発され、ロボット100のハードウェア開発者は、ロボットのハードウェアを開発した後、該当ロボットのハードウェア機能および行為情報を標準化した方式で記述(description)した後、ロボット管理サーバ300に登録する。
同じく、ロボット100のソフトウェア開発者は、自身が製作した応用ソフトウェアおよび該当応用ソフトウェアを駆動するために必要なロボット100の機能および行為を応用ソフトウェアと共にロボット管理サーバ300に登録する。
【0032】
ロボット管理サーバ300に登録された情報は各ロボット100が実際に設けられて活用される時点で制御ロボット200によって活用される。すなわち、制御ロボット200は、ロボット管理サーバ300に登録された応用ソフトウェアをダウンロードした後、制御ロボット200に連結された複数のロボット100と動的にバインディングさせる。この時、制御ロボット200は応用ソフトウェアによって該当ロボット100を駆動させる。
【0033】
そこで、図2および図3を参照し、本発明に係る仮想空間の情報を用いたロボット制御装置の構成をより詳細に説明する。
図2および図3は本発明に係る仮想空間の情報を用いたロボット制御装置およびそのシステム構成を説明するための参考ブロック図である。
先ず、ロボット100は、複数のセンサを備えた検知部110と、制御ロボット200との通信を行うための通信モジュール130、およびロボット100の駆動を制御する駆動部150を含む。
【0034】
検知部110にはロボット100周辺の環境情報を検知するための複数のセンサが備えられ、センサ種類としては光検知センサ、マイクロフォン、動き検出センサなどが挙げられる。検知部110は、ロボット100が駆動される間、リアルタイムでロボット100の周辺環境情報を検知する。この時、検知部110によって検知された情報は通信モジュール130を介して制御ロボット200に送出される。
【0035】
通信モジュール130は制御ロボット200とのデータ送受信のための有/無線通信方式の通信インターフェースを支援する。通信モジュール130は、検知部110によって検知された情報を制御ロボット200に送出し、また、制御ロボット200から送出された行為データを受信して駆動部150に伝達する。
【0036】
駆動部150にはホイール、スピーカ、LED、ディスプレイなどのアクチュエータが備えられる。通信モジュール130を介して制御ロボット200の行為データを受信すると、駆動部150は、行為データに含まれた制御命令に応じ、対応するアクチュエータを駆動させることにより、ロボット100が該当動作を行うようにする。
【0037】
制御ロボット200は、格納部210、通信モジュール220、イベント処理機230、ロボット応用240、ロボット応用エンジン250、状態管理部260、およびアジャスター270を含む。
【0038】
格納部210にはロボット管理サーバ300からダウンロードした応用ソフトウェアおよび各ロボット100の機能が格納される。この時、格納部210には各ロボット100の機能に対応する行為情報が格納され、行為データは各ロボット100の機能に対応する行為情報および該当動作を実現するための制御命令を含む。
【0039】
通信モジュール220はロボット100とのデータ送受信を行うための有/無線通信方式の通信インターフェースを支援する。この時、通信モジュール220はロボット100の検知部110によって検知された周辺環境情報を受信する。また、通信モジュール220は制御ロボット200によって発令される制御命令を含む行為データをロボット100に送出する。ここで、ロボット100とのデータ送受信を行うための通信モジュール220には赤外線通信モジュール、ブルートゥースなどのような近距離通信方式のモジュールが備えられる。一方、通信モジュール220はロボット管理サーバ300または仮想空間連動サーバ400に連結されてデータを送受信する。
【0040】
イベント処理機230は通信モジュールを介して複数のロボット100から各々受信した周辺環境情報をイベント形態で管理する。イベント処理機230は、ロボット100のセンサからの情報変化や、仮想空間上の情報変化によって発生した全イベントの受信、処理、送信を担当する。
【0041】
ロボット応用240はイベント処理機230のイベントを処理する手段である。ロボット応用240は、ロボット100の周辺環境情報から発生したイベントに反応して該当ロボット100がどのような行為を取るべきかを決定し、対応する行為データを通信モジュール220を介して該当ロボット100に伝送するようにする。
【0042】
ここで、ロボット応用240は、「Finite State Machine」と「ECA(Event−Condition−Action) Rule」と定義される。この時、ロボット応用240のプロセスはロボット応用エンジン250によって駆動される。
【0043】
一例として、人工生命体ロボット100の周辺に光が点灯した場合、ロボット100の検知部110は光に対して検知した情報(光の強さ、方向など)を制御ロボットに伝送する。この時、ロボット応用はイベント処理機230のイベントから光の強さを測定し、その強さが定められた値より大きければ、光の方向に移動する行為データを該当ロボット100に伝送するようにする。したがって、制御ロボット200から行為データを受信したロボット100は全部光の方向に移動することにより、光の周辺に集まる行為を取るようになる。
【0044】
また、他例として、清浄度検知センサなどを介し、実際空間内の清浄度が基準値以下に落ちた場合、各ロボット100の検知部110はこれを検知して、制御ロボット200にイベントを送出するようにする。この時、制御ロボット200のロボット応用240は、検知したイベントに対応して、清掃に対する行為データを各ロボット100に送出するようにする。よって、各ロボット100は制御ロボット200から送出された行為データに応じて清掃を開始する。
【0045】
このように、制御ロボット200はロボット100によって検知される周辺環境情報に応じて様々な行為を取らせるようにすることにより、ユーザの好奇心を刺激し、ロボット100の活用度を高めることができる。
ロボット制御システムでは、複数のロボット100の周辺環境情報の変化だけでなく、仮想空間上の情報変化を監視する。この時、仮想空間連動サーバ400は制御ロボット200によって駆動される仮想マシーンで実現されることができる。
【0046】
すなわち、イベント処理機230は、ウェブ上に新しい情報がアップデートされることによって情報変化が検知された場合、これを通知するイベントを出力する。この時、制御ロボット200のイベント処理機230が仮想空間連動サーバ400から出力されたイベントを管理する。よって、ロボット応用240はイベント処理機230のイベントに対応する行為データを該当ロボットまたは全ロボットに送出するようにする。
【0047】
例えば、インターネット上にテロによる死亡の便りがアップデートされた場合、仮想空間連動サーバ400はこれを確認してイベントを出力する。この時、制御ロボット200の通信モジュール220がこれを受信してイベント処理機230に伝達する。ロボット応用240はイベント処理機230に伝達されたイベントから哀悼に該当する行為データを各ロボット100に送出するようにする。よって、各ロボット100は一列に整列して光を瞬かせたり黙念をしたりするなど、各ロボット100の機能に応じて哀悼の意を表する行為を取るようにする。
【0048】
一方、アジャスター270は複数のロボット100に対するグループ構成(Team Formation)、各グループに属したロボットまたは個別ロボットに対する作業割り当て(Task Allocation)を処理する。また、アジャスター270はグループに属したロボット間の協業制御(Collaborative Control)およびコンフリクトの解消(Conflict Resolution)などを管理する。これに対する具体的な説明は図4の実施形態を参照する。
【0049】
状態管理部260は複数のロボット100から各々受信した周辺環境情報に基づいて各ロボット100の状態を監視する。この時、状態管理部260はディスプレイまたはLEDなどを介して各ロボット100の状態を外部に出力することにより、ユーザが各ロボット100の状態を把握できるようにする。
【0050】
また、状態管理部260はロボット100から発生するエラーなどを監視する。ロボット100に実装されたセンサモジュールなどに問題が発生した場合、状態管理部260は該当ロボットにバインディングされたロボット応用240にこれを通知するようにする。よって、該当ロボット応用240は該当ロボットのセンサモジュールをリセットすることにより、エラー問題を解決するようにする。一方、状態管理部260は該当ロボットから発生した問題を外部に出力することにより、ユーザにこれを通知することもできる。
【0051】
一方、本発明に係る制御ロボット200は複数のロボット100に動作電源を供給するための充電器(図示せず)を含む。
図4および図5は本発明のロボット制御装置に対する動作説明のための参考図である。先ず、図4は、本発明に係るロボット制御装置において、ハードウェア装置と応用ソフトウェアが分離されることにより、所定数のグループを形成することに対する実施形態を示す例示図である。
【0052】
制御ロボット200のアジャスター270は複数のロボット100に対して所定のグループを構成し、各グループ別にロボット応用240をバインディングさせる。この時、各ロボット応用240は、アジャスター270によって割り当てられた作業を行うように、バインディングされたグループのロボットを制御する。よって、同一グループに属したロボット100はロボット応用240によって群集行為を取ることができる。ここで、群集行為は各ロボットの個別行為の組み合わせによって実現されることができ、全ロボットによる共同行為として実現されることもできる。
【0053】
すなわち、制御ロボット200のアジャスター270は、図4に示すように、複数のロボット100a、100b、100c、100d、100e、100fに対し、{100a、100b}、{100c}、{100d}、{100e、100f}に分類して、A、B、C、Dグループを構成するようにする。この時、制御ロボット200は各グループ別に相異なる行為が取られるようにする。言い換えれば、Aグループには応用ソフトウェアaによってa行為が駆動されるようにし、Bグループには応用ソフトウェアbによってb行為が駆動されるようにする。
【0054】
また、Cグループには応用ソフトウェアcによってc行為が駆動されるようにし、最後にDグループには応用ソフトウェアdによってd行為が駆動されるようにする。この時、各グループに属したロボット間には同一の行為データを受信し、それに対応する行為を取ることができる。勿論、行為データが同一行為に対するデータであっても、該当グループに属した各ロボットの機能または各ロボットの位置のような周辺環境に応じて他の制御命令を含むこともできる。
【0055】
例えば、勝利のセレモニーに対する行為データを各ロボットに送出する場合、各ロボットに送出される行為データは、各ロボットの機能に応じ、その場でくるくる回る行為に対する制御命令、その場で飛び上がる行為に対する制御命令、LEDを瞬かせる行為に対する制御命令、または左右に踊る行為に対する制御命令などを含むことができる。
【0056】
また、検知した光に集まるようにする行為データを各ロボットに送出する場合、各ロボットに送出される行為データは、該当ロボットの位置に応じて相異なる方向および距離に移動するようにする制御命令を含むことができる。
したがって、制御ロボット200は、ロボット100を制御するロボット応用240の規則に準じて一体化したロボット集団を実現するか、あるいは互いに独立したロボット100を実現することができる。
【0057】
一方、制御ロボット200のアジャスター270は、各グループに属したロボット間にコンフリクト(conflict)が発生した場合、該当ロボット間に発生したコンフリクトを解消した後、該当ロボットにバインディングされたロボット応用240によって行為制御を行うようにする。
【0058】
例えば、移動中であるロボット間に衝突が生じるか、あるいは特定行為を行うロボットに対し他のロボット応用240から制御命令が受信された場合などのようにロボット間、あるいは制御命令間にコンフリクトが発生すれば、アジャスター270は、これを解消するために、移動命令を調整して新しい行為データを送出するか、他の応用の制御命令をイベント処理部に待機させるなどのコンフリクト解消手続きを行うようにする。
【0059】
図5は本発明に係る仮想空間上の情報変化に応じてロボットの行為を制御することに対する実施形態を示すものである。
仮想空間連動サーバ400には天気、ニュース、エンターテインメント、ゲーム、株式、スポーツなどの情報変化監視対象となるカテゴリが登録される。仮想空間連動サーバ400は登録されたカテゴリの情報変化をリアルタイムで監視し、情報変化が検知された場合に制御ロボット200にこれを通知するようにする。この時、仮想空間連動サーバ400はイベント形態でこれを通知するようにする。
【0060】
図5に示すように、仮想空間連動サーバ400に登録されたカテゴリが天気、ニュース、エンターテインメント、ゲーム、株式、オリンピック、釣りである場合、仮想空間連動サーバ400は登録されたカテゴリ内において新しい情報がアップデートされたか否かを監視する。天気カテゴリに雨という天気予報がアップデートされた場合、天気、降雨量などのように変更された天気情報を含むイベントを制御ロボット200に提供する。
この時、制御ロボット200のロボット応用240はイベント処理機230の天気変更イベントに対応する行為データを各ロボット100に送出するようにする。
【0061】
制御ロボット200から雨という天気予報に対応する行為データを受信した各ロボット100は、該当ロボット100の機能に対応し、受信した行為データに含まれた制御命令に応じてアクチュエータを駆動する。言い換えれば、ロボット100aは、雨という天気予報に対応する行為データに応じ、傘を広げる行為を取る。ロボット100cは、雨という天気予報に対応する行為データに応じ、手で顔を隠すような行為を取る。
【0062】
一方、ロボット100dは、雨という天気予報に対応する行為データに応じ、暗雲模様を外部に表出する行為を取る。また、ロボット100fは、雨という天気予報に対応する行為データに応じ、ディスプレイ装置に雨が降る画面を出力することができる。勿論、その他にもユーザが予測できない行為、すなわち、各ロボットが円を描きながらくるくる回る行為を取るようにすることもできる。このように、ロボットが予測できない行為を取るようにすることによってユーザの好奇心を刺激することができる。
【0063】
上記のように構成された本発明の動作を見てみれば次の通りである。
図6から図7bまでは本発明に係る仮想空間の情報を用いたロボット制御方法に対する動作流れを示すフローチャートである。
先ず、図6は本発明に係るロボット制御装置において一般的に複数のロボットを制御する方法に対する動作流れを示すものである。図6を参照すれば、制御ロボット200は一定範囲内に位置したロボット100を探索する(S600)。この時、制御ロボット200は一定範囲内で探索されたロボット100情報をロボット管理サーバ300に登録する(S610)。
【0064】
一方、制御ロボット200はロボット管理サーバ300から少なくとも一つ以上のロボット応用240をダウンロードする(S620)。この時、「S620」過程は「S600」過程を行う前に先行することもできる。
【0065】
制御ロボット200のアジャスター270は、各ロボットを制御するための応用ソフトウェア、すなわち、ロボット応用240を抽出し(S630)、所定のロボット100にバインディングさせる(S640)。この時、アジャスター270は、ロボット100別にロボット応用240をバインディングさせることができ、所定のロボットグループを形成して各グループ別にロボット応用240をバインディングさせることもできる。
【0066】
したがって、アジャスター270は各ロボットまたはグループに作業を割り当て(S650)、各ロボット応用240はバインディングされたロボット100をリアルタイムで監視し、該当ロボット100に行為データを提供するようにする(S660)。
【0067】
図7aは本発明に係るロボット制御装置においてロボットの周辺環境変化に応じて対応する行為を取るように制御する方法に対する動作流れを示すものである。
図7aを参照すれば、複数のロボット100は、制御ロボット200に無線または有線通信方式によって連結され、複数のセンサモジュールを介して周辺環境情報を検知し、リアルタイムで制御ロボット200に伝送する。
【0068】
一方、制御ロボット200は、複数のロボット100から周辺環境情報が受信されれば(S700)、該当ロボット100から受信した信号に基づいて該当ロボット100の周辺情報を監視する。この時、制御ロボット200は、各ロボット100から受信した情報に含まれた識別子から該当ロボット100を確認し(S710)、確認した各ロボット100の周辺情報をリアルタイムで監視する。
【0069】
特定ロボット100の周辺情報を監視する間に特定イベントが発生した場合(S720)、制御ロボット200のロボット応用240は、発生したイベントに対応する行為情報を抽出し(S730)、抽出した行為情報およびそれに対応する制御命令を含む行為データを該当ロボット100に送出する(S740)。また、他のロボットまたは同一ロボットから他のイベントが発生した場合にも、ロボット応用240は、「S700」および「S740」の過程を繰り返し行い、各ロボット100の行為を制御する。
【0070】
図7bは本発明に係るロボット制御装置において仮想空間上の情報変化に応じてロボットの行為を制御する方法に対する動作流れを示すものである。
図7bを参照すれば、仮想空間連動サーバ400は、仮想空間上の情報をリアルタイムで監視し、変更されたウェブ情報を制御ロボット200に伝送する。
【0071】
制御ロボット200は仮想空間連動サーバ400からウェブ情報が受信されれば(S800)、ロボット応用240は受信した情報からウェブ情報変更イベントを発生する(S810)。この時、ロボット応用240はウェブ情報変更イベントに対応する行為データを各ロボットに送出する(S820、S830)。この時、行為データは全ロボットに同時に送出することができ、所定数または所定グループのロボットだけに送出することもできる。
【0072】
ここで、「S800」〜「S830」過程は仮想空間連動サーバ400からウェブ情報を受信する毎に繰り返し行う。
【0073】
以上のように、本発明に係る仮想空間と連係した多重ロボット制御装置および方法は、上記で説明した実施形態の構成と方法に限定適用されるものではなく、前記実施形態は様々に変形できるように各実施形態の全部または一部を選択的に組み合わせて構成することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間上の情報変化に応じて複数のロボットに対する行為を制御する制御ロボットを含む仮想空間と連係した多重ロボット制御装置であって、
前記制御ロボットは、
前記仮想空間に連動し、前記仮想空間上の情報を収集する仮想空間連動サーバから変更情報を受信した場合、前記変更情報に対応するイベントを管理するイベント処理機と、
前記イベント処理機のイベントを読み取り、前記格納部に格納された行為データのうちの前記イベントに対応する行為データを該当ロボットに送出するロボット応用と
を含む仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項2】
前記制御ロボットは、前記仮想空間連動サーバに一つ以上の情報カテゴリを設定し、前記設定された情報カテゴリ内において情報変更が発生した場合、前記仮想空間連動サーバから情報変更イベントを受信することを特徴とする、請求項1に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項3】
前記ロボット応用は、前記仮想空間上の情報変更によるイベントが、設定条件を満足する場合、前記イベントに対応する行為データを前記複数のロボットに各々送出するようにすることを特徴とする、請求項1に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項4】
前記ロボット応用は、前記仮想空間上の情報変更によるイベントが、設定条件を満足する場合、前記イベントに対応する行為データを複数のロボットを含むグループ別に各々送出するようにすることを特徴とする、請求項1に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項5】
前記行為データは、前記各ロボットの機能に対応する行為情報および該当行為を実現するための制御命令を含むことを特徴とする、請求項1に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項6】
前記行為データは、前記所定グループに属した各ロボットの機能に応じて異なる制御命令を含むことを特徴とする、請求項5に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項7】
前記行為データは、前記所定グループに属した各ロボットの周辺環境情報に応じて異なる制御命令を含むことを特徴とする、請求項5に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項8】
前記制御ロボットは、前記複数のロボットを一つ以上のグループに分類し、各グループに含まれたロボットに作業を割り当てるアジャスターをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項9】
前記アジャスターは、前記複数のロボット応用が登録されたロボット管理サーバから前記ロボット応用をダウンロードし、各ロボットまたは各グループにバインディングさせることを特徴とする、請求項8に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項10】
前記ロボット応用は、前記複数のロボットによって検知された周辺環境情報に基づき、前記ロボットの周辺環境情報の変更によるイベントの発生時、前記周辺環境情報の変更によるイベントに対応する行為データを該当ロボットに送出するようにすることを特徴とする、請求項1に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項11】
前記制御ロボットは、前記複数のロボットによって検知された周辺環境情報に基づき、各ロボットの状態を管理する状態管理部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御装置。
【請求項12】
仮想空間上の情報変化に応じて複数のロボットに対する行為を制御する制御ロボットの仮想空間と連係した多重ロボット制御方法であって、
仮想空間に連動し、前記仮想空間上の情報を収集する仮想空間連動サーバから変更情報を受信するステップと、
前記受信するステップにおいて受信した情報に対応するイベントを検知するステップと、
前記仮想空間上の情報変更によるイベントに対応する行為データを該当ロボットに送出するステップと
を含む仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項13】
前記仮想空間連動サーバに一つ以上の情報カテゴリを設定するステップをさらに含み、前記変更情報は、前記設定された情報カテゴリ内に含まれることを特徴とする、請求項12に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項14】
前記行為データは、前記各ロボットの機能に対応する行為情報および該当行為を実現するための制御命令を含むことを特徴とする、請求項12に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項15】
前記行為データは、前記所定グループに属した各ロボットの機能に応じて異なる制御命令を含むことを特徴とする、請求項14に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項16】
前記行為データは、前記所定グループに属した各ロボットの周辺環境情報に応じて異なる制御命令を含むことを特徴とする、請求項14に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項17】
前記複数のロボットを一つ以上のグループに分類するステップと、
前記分類した各グループ別に該当ロボットの行為を監視するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項18】
前記複数のロボットによって検知された周辺環境情報を受信し、前記ロボットの周辺環境情報が変更されたか否かを確認するステップと、
前記ロボットの周辺環境情報が変更された場合、前記変更された周辺環境情報に対応するイベントを発生するステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項19】
前記送出するステップは、前記ロボットの周辺環境情報が変更された場合、前記行為データを該当ロボットまたは該当ロボットが属したグループに送出することを特徴とする、請求項12に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。
【請求項20】
複数のロボット応用が登録されたロボット管理サーバから所定数のロボット応用をダウンロードするステップと、
前記ダウンロードしたロボット応用を前記複数のロボットのうちの少なくとも一つにバインディングさせるステップと
をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の仮想空間と連係した多重ロボット制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【公開番号】特開2010−131748(P2010−131748A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−278771(P2009−278771)
【出願日】平成21年12月8日(2009.12.8)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】