説明

伝送装置及び伝送方法

【課題】伝送装置において、位相同期回路の引込時間を短縮することを目的とする。
【解決手段】クライアント信号がマッピングされた信号転送用フレームをネットワークから受信して、受信した信号転送用フレームからクライアント信号を分離し、信号転送用フレームに含まれているクライアント信号の周波数調整情報に基づいて位相同期回路で生成したクロックを使用して、分離したクライアント信号をクライアント伝送路に送出する伝送装置において、ネットワークから信号転送用フレームを受信できる場合に、信号転送用フレームに含まれている周波数調整情報を保持するメモリと、ネットワークから信号転送用フレームを受信できない場合に、メモリに保持されている周波数調整情報を用いて位相同期回路にクロックを生成させる切替制御回路とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークから受信した信号転送用フレームからクライアント信号を分離してクライアント伝送路に送出する伝送装置及び伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットトラヒックの爆発的増大に対応可能である波長多重伝送(WDM)方式を前提とし、SDH(Synchronous Optical Network)又はSONET(Synchronous Digital Hierarchy)等の同期網のみならずIP(Internet Protocol)又はイーサネット(登録商標)系の非同期網のクライアント信号を、エンド・エンドで通信をする際に、上位レイヤーが下位レイヤーを一切意識しなくて済む、所謂トランスペアレントに伝送するプラットフォームとして、OTN(Optical Transport Network:光転送ネットワーク)がITU−Tにおいて勧告化されている。そのインタフェースやフレームフォーマットはITU−Tの勧告G.709により標準化されており、商用システムへの導入が急速に進んでいる。
【0003】
図1にSONET伝送システムの一例のネットワーク構成図を示す。図1において、伝送装置1A,1B,1C,1Dはリングネットワークを構成し、実線で示すように時計方向に信号を伝送する現用回線(Work)と、破線で示すように反時計方向信号を伝送する予備回線(Protection)の冗長構成である。伝送装置1B,1C,1Dそれぞれは伝送装置1Aのマスタクロックに同期して動作する。
【0004】
図2にSONET伝送システムの伝送装置の一例の構成図を示す。図2において、クライアント側インタフェースから入力された信号は、SONETフレーム同期回路2で終端された後、クロック乗換スタッフ生成回路3でクロック発振器4からのシステムクロックに乗り換えを行う。その後、SONETフレーム生成回路5でSONETフレームにマッピングされ、ネットワーク側インタフェースよりネットワークに出力される。
【0005】
同様に、ネットワーク側インタフェースからの入力信号は、SONETフレーム同期回路6で終端され、クロック乗換スタッフ生成回路7でクロック発振器4からのシステムクロックに乗り換えを行う。その後、クライアントフレーム生成回路8でクライアントフレームにマッピングされ、クライアント側インタフェースよりクライアント伝送路に出力される。
【0006】
ネットワーク側インタフェースは現用回線(Work)と予備回線(Protection)の冗長構成をしており、現用回線に異常が発生した場合に予備回線に切り替えて信号を救済する。
【0007】
SONET伝送システムの冗長切替動作は以下の通りである。図2における現用回線側で回線断が発生した場合の予備回線側への切り替え動作を、図3のタイムチャートで説明する。図2、図3における(A)はネットワーク側の現用回線の状態を示し、(B)はネットワーク側の現用回線のアラーム検出結果を示す。(C)はネットワーク側の現用回線/予備回線の選択信号を示し、(D)は選択された回線の状態を示す。(E)は上位レイヤに異常を通知するAIS(AlarmIndicationSignal)信号の切替信号を示し、(F)はクライアント側インタフェースの出力信号を示す。
【0008】
図3における、時刻T1にネットワーク側の現用回線に回線断が発生し、時刻T2にネットワーク側のSONETフレーム同期回路6で回線断アラームが検出される。また、時刻T3に回線断アラームによる現用回線/予備回線の切り替えが実施される。
【0009】
冗長切替動作に要する時間は、以下の通りである。回線断アラーム検出時間(T1〜T2)は約1[msec]以下である。切替制御時間(T2〜T3)は約40[msec]以下である。上記の冗長切替動作によりネットワークシステム要求の切替時間50[msec]以下を実現している。
【0010】
SONET伝送システムは、ネットワーク全体を同期クロックでシステム構成しており、装置内の各信号処理部においても全て同期クロックで処理を行っている。これに対し、OTN伝送システムは、SONET伝送システムの上位レイヤに適用され、WDMシステムにおける伝送路と同等の位置付けであり、クライアントインタフェースからの信号をトランスペアレントに伝送する必要がある。また、クライアントインタフェースは、SONET/SDHインタフェースの他に、イーサネット(登録商標)やファイバーチャネル等の様々な伝送速度のクライアント信号を伝送する必要がある。このため、クライアント信号とネットワーク信号は非同期で処理することになり、クライアントインタフェースからの信号をネットワーク信号に送信する場合には、信号の周波数成分も情報として送信し、受信側では受信した周波数成分からクライアントインタフェース信号を再生する。
【0011】
図4にOTN伝送システムの一例のネットワーク構成図を示す。図1において、伝送装置11A,11B,11C,11Dはリングネットワークを構成し、実線で示すように時計方向に信号を伝送する現用回線(Work)と、破線で示すように反時計方向信号を伝送する予備回線(Protection)の冗長構成である。伝送装置11A,11B,11C,11Dそれぞれは非同期で動作する。
【0012】
図5にOTN伝送システムの伝送装置の一例の構成図を示す。図5において、クライアント伝送路からのクライアント信号は光/電気変換器(O/E)21で電気信号に変換され、クライアントインタフェース22でクライアントクロックを抽出された後、ODUフレーム生成スタッフ生成回路23に供給される。ODUフレーム生成スタッフ生成回路23はクライアント信号をODUkフレームにマッピングする。この際に、クライアント信号の周波数調整情報としてのスタッフ情報であるJCバイトがODUkフレームのオーバーヘッドに付加され、クライアント信号の時間軸変動を吸収するためのスタッフバイトがODUkフレームのペイロード領域又はオーバーヘッド領域に挿入される。
【0013】
ODUフレーム生成スタッフ生成回路23が出力するODUkフレームは内部フレーム生成スタッフ生成回路24で内部フレームにマッピングされる。この内部フレームは図示しないクロスコネクト部や多重分離部を経て、内部フレーム同期スタッフ終端回路25で終端されODUkフレームとされる。なお、クロック生成回路26はシステムクロックを生成してODUフレーム生成スタッフ生成回路23、内部フレーム生成スタッフ生成回路24、内部フレーム同期スタッフ終端回路25等に供給している。
【0014】
このODUkフレームは現用回線及び予備回線それぞれのOTUフレーム生成回路27A,27Bでオーバーヘッド及びFEC(Forward Error Correction)を付加してOTUkフレームとされる。これらのOTUkフレームは電気/光変換器(E/O)28A,28Bで光信号に変換されOTNネットワークに送出される。
【0015】
OTNネットワークの現用回線からのOTU信号は光/電気変換器31Aで電気信号に変換され、OTUフレーム同期回路32Aで終端されてODUkフレームとされセレクタ(SEL)35に供給される。クロック生成回路33AはOTU信号から抽出したネットワーククロックに同期したクロックを生成してOTUフレーム同期回路32A、後述の内部フレーム生成スタッフ生成回路36等に供給している。また、OTNネットワークの予備回線からのOTU信号は光/電気変換器31Bで電気信号に変換され、OTUフレーム同期回路32Bで終端されてODUkフレームとされセレクタ35に供給される。
【0016】
セレクタ35で選択されたODUkフレームは内部フレーム生成スタッフ生成回路36で内部フレームにマッピングされる。この際に、ネットワークにおけるOTUkフレームの時間軸変動を吸収するためのスタッフが生成され内部フレームに挿入される。この内部フレームは図示しないクロスコネクト部や多重分離部を経て、内部フレーム同期スタッフ終端回路37で終端されODUkフレームとされる。
【0017】
このODUkフレームはODUフレーム同期スタッフ終端回路38に供給され、ODUkフレームから抽出されたデータと、クロックと、ライトイネーブル信号がクロック乗換メモリ39に供給されて、ODUkフレームのペイロード領域のデータつまりクライアント信号のデータがクロック乗換メモリ39に書き込まれる。なお、クロック生成回路26からのシステムクロックが内部フレーム生成スタッフ生成回路36、内部フレーム同期スタッフ終端回路37、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38、クロック乗換メモリ39に供給されている。
【0018】
ODUフレーム同期スタッフ終端回路38はODUkフレームのオーバーヘッドから抽出したスタッフ情報(JCバイト)を基にスタッフバイトの挿入位置を特定して、オーバーヘッド領域及びスタッフバイトの書き込みを禁止して、ペイロード領域のデータ部分のみの書き込みを指示するライトイネーブル信号を生成している。このため、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38の出力するライトイネーブル信号は送信側の伝送装置におけるクライアント信号の伝送レートつまりスタッフ情報に応じたものとなる。また、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38は上記スタッフ情報をスタッフ情報メモリ53に供給する。
【0019】
また、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38の出力するライトイネーブル信号はPLL(Phase locked loop)40に供給され、PLL40はライトイネーブル信号に同期し、かつ、クライアント信号の伝送レートを平滑化したクロックを生成してリードクロックとしてクロック乗換メモリ39に供給すると共に、クライアント送信インタフェース41に供給する。
【0020】
これにより、クロック乗換メモリ39からクライアント信号のデータが読み出されクライアント送信インタフェース41からクライアント信号として出力される。このクライアント信号はセレクタ42を介し電気/光変換器43で光信号に変換されクライアント伝送路に送出される。
【0021】
現用回線又は予備回線の光/電気変換器31A又は31Bと、OTUフレーム同期回路32A,32Bで検出された信号断等のアラーム信号はオア回路34A又は34Bを通してスイッチ制御回路(SW CONT)45に供給される。スイッチ制御回路45の制御でセレクタ35はOTUフレーム同期回路32A,32Bそれぞれの出力信号のいずれかの一方を選択して内部フレーム生成スタッフ生成回路36に供給し、セレクタ42はクライアント送信インタフェース41の出力するクライアント信号と、AIS発生回路44が発生するAIS(Alarm Indication Signal)信号のいずれかの一方を選択して電気/光変換器43に供給する。
【0022】
OTN伝送システムの冗長切替動作は以下の通りである。図5における現用回線側で回線断が発生した場合の予備回線側への切り替え動作を、図6のタイムチャートで説明する。図5、図6における(A)はネットワーク側の現用回線の状態を示し、(B)はネットワーク側の現用回線のアラーム検出結果を示す。(C)はネットワーク側の現用回線/予備回線を選択するためにスイッチ制御回路45が出力する第1制御信号を示し、(D)は選択された回線の状態を示す。(E)は上位レイヤに異常を通知するAIS信号を出力するためにスイッチ制御回路45が出力する第2制御信号を示し、(F)はクライアント側インタフェースの出力信号を示し、(G)はPLL動作を示す。
【0023】
図6における、時刻T11にネットワーク側の現用回線に回線断が発生し、時刻T12にネットワーク側のOTUフレーム同期回路32Aで回線断アラームが検出される。また、時刻T13にスイッチ制御回路45による現用回線/予備回線の切り替えが実施される。時刻T14にPLL40のクロック引込みが完了する。
【0024】
冗長切替動作に要する時間は、以下の通りである。回線断アラーム検出時間(T11〜T12)は約1[msec]以下である。切替制御時間(T12〜T13)は約40[msec]以下である。PLL40の引込時間(T13〜T14)は約3[sec]以下である。上記の冗長切替動作は、最大で約3[sec]となってしまう。このように、PLL40の引込時間(T13〜T14)が長くなるのは、切替制御時間(T12〜T13)においてPLL40が同期外れになるためである。
【0025】
ところで、予備回線には、通常状態で入力信号b1〜Nのうち一番高い周波数と一番低い周波数の中間値の周波数の監視用パイロット信号aを送信しておき、特定の現用回線cが劣化した場合、当該回線cの復調器から切替信号が受端切替制御器に送出され、受端切替制御器は送端切替制御器に送端切替信号を送信し、送端切替制御器はパイロット信号aの周波数を劣化した現用回線cの信号周波数と一致させてから当該回線の入力信号を予備回線にも分配して無線伝送し、復調器はパイロット信号aから入力信号b1に切り替わっても周波数は同一のため復調器内PLL回路のクロック同期ははずれることなく、また、受端切替制御器からの信号により無瞬断切替器の切替は確実に実施できる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】特開平10−285081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
OTN伝送システムはSONET伝送システムの上位レイヤであるため、冗長構成における切替時間はSONET伝送システムと同様に、50[msec]以下で実現する必要がある。このため、PLLの引込時間を削減することが必要となる。PLLの特性として、引込時間と出力ジッタと関係にはトレードオフの関係にあり、引込時間を削減すると出力ジッタは増加する。
【0028】
OTN伝送システムは多種多様なクライアント信号を多重分離するため、多重分離する際に、クライアント信号とOTN伝送システムの周波数成分を余剰信号の挿入/抜去(スタッフ処理)を行うため、PLLの特性にはジッタ抑圧特性が要求され、引込時間が長くなってしまう。このジッタ抑圧特性により、PLLのカットオフ周波数を1[Hz]以下にする必要があり、引込時間は約3[sec]となってしまい、50[msec]以下の切替時間を実現できないという問題があった。
【0029】
開示の伝送装置は、位相同期回路の引込時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
開示の一実施形態による伝送装置は、クライアント信号がマッピングされた信号転送用フレームをネットワークから受信して、受信した前記信号転送用フレームから前記クライアント信号を分離し、前記信号転送用フレームに含まれている前記クライアント信号の周波数調整情報に基づいて位相同期回路で生成したクロックを使用して、分離した前記クライアント信号をクライアント伝送路に送出する伝送装置において、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報を保持するメモリと、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させる切替制御回路と、を有する。
【発明の効果】
【0031】
本実施形態によれば、位相同期回路の引込時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】SONET伝送システムの一例のネットワーク構成図である。
【図2】SONET伝送システムの伝送装置の一例の構成図である。
【図3】予備回線側への切り替え動作のタイムチャートである。
【図4】OTN伝送システムの一例のネットワーク構成図である。
【図5】OTN伝送システムの伝送装置の一例の構成図である。
【図6】予備回線側への切り替え動作のタイムチャートである。
【図7】OTN伝送システムの伝送装置の一実施形態の構成図である。
【図8】予備回線側への切り替え動作のタイムチャートである。
【図9】OTUkフレームフォーマットを示す図である。
【図10】通常時の内部フレームの様子を示す図である。
【図11】通常時のOTUkフレームの様子を示す図である。
【図12】通常時のクロック乗換メモリ動作のタイムチャートである。
【図13】異常時の内部フレームの様子を示す図である。
【図14】異常時のOTUkフレームの様子を示す図である。
【図15】異常時のクロック乗換メモリ動作のタイムチャートである。
【図16】切り替え時のクロック乗換メモリ動作のタイムチャートである。
【図17】現用/予備切り替えのフローチャートである。
【図18】スタッフ情報メモリの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0034】
<OTN伝送システムの伝送装置>
図7にOTN伝送システムの伝送装置の一実施形態の構成図を示す。図7に示す伝送装置は、例えば図4にOTN伝送システムの伝送装置11A,11B,11C,11Dとして用いられる。図7において、図5と同一部分には同一符号を付す。
【0035】
図7において、クライアント伝送路からのクライアント信号は光/電気変換器(O/E)21で電気信号に変換され、クライアントインタフェース22でクライアントクロックを抽出された後、ODUフレーム生成スタッフ生成回路23に供給される。ODUフレーム生成スタッフ生成回路23はクライアント信号をODUkフレームにマッピングする。この際に、クライアント信号の周波数調整情報であるスタッフ情報としてのJC(Justification Control)バイトがODUkフレームのオーバーヘッドに付加され、上記JCバイトに応じてクライアント信号の時間軸変動を吸収するためのスタッフバイトがODUkフレームのペイロード領域又はオーバーヘッド領域に挿入される。
【0036】
ここで、周波数調整方式には非同期マッピング方式(AMP:Asynchronous Mapping Procedure)と、一般化マッピング方式(GMP:Generalized Mapping Procedure)がある。
【0037】
AMP方式ではOPUkオーバーヘッドの3バイトのJCバイトとNJO(Negative Justification Opportunity)バイト、及び、OPUkペイロード部のPJO(Positive Justification Opportunity)バイトを使用し、JCバイト情報に応じてNJOバイトとPJOバイトにデータ又はスタッフバイト(ゼロ)が挿入(スタッフ)される。つまり、スタッフバイトを挿入するスタッフ位置は固定位置である。GMP方式ではOPUkオーバーヘッドの6バイトのJCバイト情報に応じて、OPUkペイロード部にスタッフバイトが平均的に挿入される。なお、AMP方式とGMP方式のJCバイト情報については後述する図9に示している。
【0038】
ODUフレーム生成スタッフ生成回路23が出力するODUkフレームは内部フレーム生成スタッフ生成回路24で内部フレームにマッピングされる。内部フレームではオーバーヘッド領域に周波数調整情報としてのJCバイトが付加され、ペイロード部にGMP方式でスタッフバイトが挿入される。この内部フレームは図示しないクロスコネクト部や多重分離部を経て、内部フレーム同期スタッフ終端回路25で終端されODUkフレームとされる。なお、クロック生成回路26はシステムクロックを生成してODUフレーム生成スタッフ生成回路23、内部フレーム生成スタッフ生成回路24、内部フレーム同期スタッフ終端回路25等に供給している。
【0039】
このODUkフレームは現用回線及び予備回線それぞれのOTUフレーム生成回路27A,27Bでオーバーヘッド及びFEC(Forward Error Correction)を付加してOTUkフレームとされる。これらのOTUkフレームは電気/光変換器(E/O)28A,28Bで光信号に変換されOTNネットワークに送出される。
【0040】
OTNネットワークの現用回線からのOTU信号は光/電気変換器31Aで電気信号に変換され、OTUフレーム同期回路32Aで終端されてODUkフレームとされセレクタ35に供給される。クロック生成回路33AはOTU信号から抽出したネットワーククロックに同期したクロックを生成してOTUフレーム同期回路32A、後述の内部フレーム生成スタッフ生成回路36等に供給している。また、OTNネットワークの予備回線からのOTU信号は光/電気変換器31Bで電気信号に変換され、OTUフレーム同期回路32Bで終端されてODUkフレームとされセレクタ35に供給される。
【0041】
セレクタ35で選択されたODUkフレームは内部フレーム生成スタッフ生成回路36で内部フレームにマッピングされる。この際に、OTNネットワークにおけるOTUkフレームの時間軸変動を吸収するためのスタッフバイトが生成され内部フレームに挿入される。内部フレームではオーバーヘッド領域に周波数調整情報としてのJCバイトが付加され、ペイロード部にGMP方式でスタッフバイトが挿入される。この内部フレームはセレクタ51を通し、図示しないクロスコネクト部や多重分離部を経て、内部フレーム同期スタッフ終端回路37で終端されODUkフレームとされる。また、内部フレーム生成スタッフ生成回路36は上記のスタッフ情報をスタッフ情報メモリ52に供給する。
【0042】
内部フレーム同期スタッフ終端回路37の出力するODUkフレームはODUフレーム同期スタッフ終端回路38に供給される。ODUフレーム同期スタッフ終端回路38はODUkフレームを終端して、ODUkフレームのペイロード領域のデータと、クロックと、ライトイネーブル信号をクロック乗換メモリ39に供給する。これにより、ODUkフレームのペイロード領域のデータつまりクライアント信号のデータがクロック乗換メモリ39に書き込まれる。
【0043】
なお、クロック生成回路26からのシステムクロックが内部フレーム生成スタッフ生成回路36、内部フレーム同期スタッフ終端回路37、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38、クロック乗換メモリ39に供給されている。
【0044】
ODUフレーム同期スタッフ終端回路38はODUkフレームのオーバーヘッドから抽出したスタッフ情報(JCバイト)を基にスタッフバイトの挿入位置を特定して、オーバーヘッド領域及びスタッフバイトの書き込みを禁止して、ペイロード領域のデータ部分のみの書き込みを指示するライトイネーブル信号を生成している。このため、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38の出力するライトイネーブル信号は送信側の伝送装置におけるクライアント信号の伝送レートつまりスタッフ情報に応じたものとなる。また、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38は上記スタッフ情報をスタッフ情報メモリ53に供給する。
【0045】
また、ODUフレーム同期スタッフ終端回路38の出力するライトイネーブル信号はPLL40に供給され、PLL40はライトイネーブル信号に同期し、かつ、クライアント信号の伝送レートを平滑化したクロックを生成してリードクロックとしてクロック乗換メモリ39に供給すると共に、クライアント送信インタフェース41に供給する。
【0046】
これにより、クロック乗換メモリ39からクライアント信号のデータが読み出されクライアント送信インタフェース41からクライアント信号として出力される。このクライアント信号はセレクタ42を介し電気/光変換器43で光信号に変換されクライアント伝送路に送出される。
【0047】
現用回線又は予備回線の光/電気変換器31A又は31Bと、OTUフレーム同期回路32A,32Bで検出されたアラーム信号はオア回路34A又は34Bを通してスイッチ制御回路(SW CONT)45に供給される。なお、OTUフレーム同期回路32A,32BはODUkフレームが例えば5フレーム連続してフレームパターンが不一致のときアラーム検出を行う。
【0048】
セレクタ35はスイッチ制御回路45からの第1制御信号によりOTUフレーム同期回路32A,32Bそれぞれの出力信号のいずれか一方を選択して内部フレーム生成スタッフ生成回路36に供給する。セレクタ42はスイッチ制御回路45からの第2制御信号によりクライアント送信インタフェース41の出力するクライアント信号と、AIS発生回路44が発生するAIS(Alarm Indication Signal)信号のいずれかの一方を選択して電気/光変換器43に供給する。
【0049】
通常時にはスイッチ制御回路45の第2制御信号によりスタッフ情報メモリ52に内部フレーム生成スタッフ生成回路36からのスタッフ情報αが書き込まれ、スタッフ情報メモリ53にODUフレーム同期スタッフ終端回路38からのスタッフ情報βが書き込まれる。
【0050】
また、異常時にはスタッフ制御回路54からの第2制御信号によりスタッフ制御回路54はスタッフ情報メモリ52から正常時に格納されたスタッフ情報αを読み出して内部フレーム生成スタッフ生成回路55に供給する。また、スタッフ制御回路56はスタッフ情報メモリ53から正常時に格納されたスタッフ情報βを読み出してODU.AIS生成回路57に供給する。これにより、ODU.AIS生成回路57はスタッフ情報βをオーバーヘッドに含み、ペイロード領域を全‘1’とした異常通知用ODUkフレームを生成して内部フレーム生成スタッフ生成回路55に供給する。内部フレーム生成スタッフ生成回路55は異常通知用ODUkフレームを内部フレームにマッピングして異常通知用内部フレームを生成する。この際に、スタッフ情報αに応じたスタッフバイトが生成され異常通知用内部フレームのペイロード領域に挿入される。
【0051】
異常時にはセレクタ51は第2制御信号により内部フレーム生成スタッフ生成回路55からの異常通知用内部フレームを選択して内部フレーム同期スタッフ終端回路37に供給し、内部フレーム同期スタッフ終端回路37は異常通知用内部フレームを終端して異常通知用ODUkフレームとし、この異常通知用ODUkフレームをODUフレーム同期スタッフ終端回路38に供給する。
【0052】
ODUフレーム同期スタッフ終端回路38は異常通知用ODUkフレームを終端して、ペイロード領域のデータ(全‘1’)と、クロックと、ライトイネーブル信号をクロック乗換メモリ39に供給し、上記ライトイネーブル信号をPLL40に供給する。ライトイネーブル信号は異常通知用ODUkフレームのスタッフ情報βに応じたものとなる。これにより、PLL40は同期状態を継続する。
【0053】
この後、第1、第2制御信号でセレクタ35が予備回線からのODUkフレームを選択し、セレクタ51が内部フレーム同期スタッフ終端回路37からのODUkフレームを選択するように切り替える。このとき、PLL40は予備回線からのODUkフレームから抽出したスタッフ情報に基づくライトイネーブル信号に同期する。この場合の同期は、同期外れからの引込みではないため、速やかに行われる。なお、セレクタ42は第2制御信号によりAIS発生回路44が発生するAIS信号を選択して電気/光変換器43からクライアント伝送路に送出する。
【0054】
OTN伝送システムの冗長切替動作は以下の通りである。図7における現用回線側で回線断が発生した場合の予備回線側への切り替え動作を、図8のタイムチャートで説明する。図7、図8における(A)はネットワーク側の現用回線の状態を示し、(B)はネットワーク側の現用回線のアラーム検出結果を示す。(C)はネットワーク側の現用回線/予備回線を選択するためにスイッチ制御回路45が出力する第1制御信号を示し、(D)は選択された回線の状態を示す。(E)は上位レイヤに異常を通知するAIS信号を出力するためにスイッチ制御回路45が出力する第2制御信号を示し、(F)はクライアント側インタフェースの出力信号を示し、(G)はPLL動作を示す。
【0055】
図8における、時刻T21にネットワーク側の現用回線に回線断が発生し、時刻T22にネットワーク側のOTUフレーム同期回路32Aで回線断アラームが検出される。また、時刻T23にスイッチ制御回路45による現用回線/予備回線の切り替えが実施される。
【0056】
冗長切替動作に要する時間は、以下の通りである。回線断アラーム検出時間(T21〜T22)は約1[msec]以下である。切替制御時間(T22〜T23)は約40[msec]以下である。本実施形態ではPLL40が同期外れとならないために、引込時間を大幅に短縮でき、ほとんど必要ないことから、上記の冗長切替動作は、約50[msec]以下となる。
【0057】
<OTUkフレームフォーマット>
図9にOTNネットワークにおけるOTUkフレームフォーマットを示す。OTNフレームは、オーバーヘッド部、OPUk(Optical channel Payload Unit kは0又は正の整数)ペイロード部、及び、OTUkFEC(Optical channel Transport Unit k Forward Error Correction)部を含む。
【0058】
オーバーヘッド部は第1列(column)〜第16列の16バイト×4行(row)のサイズを有し、FA(Frame Alignment)オーバーヘッド、OTUkオーバーヘッド、ODUkオーバーヘッド、OPUkオーバーヘッドを有しており、接続及び品質の管理に用いられる。OPUkペイロード部は、第17列〜第3824列の3808バイト×4行のサイズを有する。OTUkFEC部は、第3825列〜第4080列の256バイト×4行のサイズを有し、伝送中に発生した誤りを訂正するために用いられる。
【0059】
FAオーバーヘッドには6バイトの固定フレームパターンであるFAS(Frame Alignment Signal)と、1バイトのシーケンス番号であるMFAS(MultiFrame Alignment Signal)が含まれる。
【0060】
ODUjフレームのHO_ODUkへの多重収容は、HO_ODUkフレームのペイロード部分であるOPUk(Optical Channel Payload Unit ‘k’)ペイロードエリアをバイト単位でts個に分割したタイムスロットであるトリビュータリスロット(Tributary Slot:TS)を定義し、HO_ODUkフレームのペイロードエリアの各TSにODUjを収容することにより実現している。
【0061】
<通常状態>
図10に、通常状態でセレクタ51が選択する内部フレーム生成スタッフ生成回路36からの内部フレームの様子を示す。内部フレームにおけるオーバーヘッドのハッチングで示す所定位置にスタッフ情報であるGMP方式のJCバイト(例えば6バイト)が格納されている。このスタッフ情報はスタッフ情報メモリ52に記憶されるスタッフ情報αである。内部フレームのペイロード領域ではデータ(DATA)の間に、上記スタッフ情報に応じてスタッフバイト(S)が挿入されている。例えば内部フレームにODU0フレームを格納する場合、内部フレームのペイロード領域(例えば16000バイト)中に格納するデータ量は15232バイトであり、このデータ量をJCバイトに格納している。
【0062】
図11に、通常状態で内部フレーム同期スタッフ終端回路37からODUフレーム同期スタッフ終端回路38に供給されるODUkフレームの様子を示す。ODUkフレームにおけるオーバーヘッドのハッチングで示す第1行〜第3行の第15列と第16列にスタッフ情報であるGMP方式又はAMP方式のJCバイトが格納されている。なお、図11ではGMP方式である。このスタッフ情報はスタッフ情報メモリ53に記憶されるスタッフ情報βである。ODUkフレームのペイロード領域ではデータ(DATA)の間に、上記スタッフ情報に応じてスタッフバイト(S)が挿入されている。例えばODU0フレームに1.25GbpsのギガビットイーサGbE又は155.52MbpsのOC3(Optical Carrier−3)を格納する場合、ODU0フレームのペイロード領域(15232バイト)中に格納するデータ量は、GbEで14407バイト、OC3で1912バイトであり、このデータ量をJCバイトに格納している。ODUフレーム同期スタッフ終端回路38では上記のJCバイトに応じてライトイネーブル信号を生成する。
【0063】
図12に通常状態のクロック乗換メモリ39動作のタイムチャートを示す。図12中、Write_dataは内部フレーム同期スタッフ終端回路37から供給されるODUkフレームのペイロード領域のデータであり、Write_Enableは内部フレーム同期スタッフ終端回路37からのライトイネーブル信号である。ライトイネーブル信号はハイレベル期間にクロック乗換メモリ39へのデータの書き込みを指示する。
【0064】
Read_CLKは、PLL40にてライトイネーブル信号に同期して平滑化したクロックであり、クライアント信号に同期したクロックである。クロック乗換メモリ39は上記クロックRead_CLKを用いてデータRead_dataを読み出す。
【0065】
<ネットワーク側異常発生>
図13に、ネットワーク側で異常が発生し、アラーム検出時(T22)にセレクタ51が選択する内部フレーム生成スタッフ生成回路55からの内部フレームの様子を示す。内部フレームにおけるオーバーヘッドのハッチングで示す所定位置のJCバイトには、スタッフ情報メモリ52から読み出されたスタッフ情報αが格納されている。また、ペイロード領域のデータ(DATA)は全‘1’である。
【0066】
図14に、アラーム検出時に内部フレーム同期スタッフ終端回路37からODUフレーム同期スタッフ終端回路38に供給されるODUkフレームの様子を示す。ODUkフレームにおけるオーバーヘッドのハッチングで示す第1行〜第3行の第15列と第16列のJCバイトには、スタッフ情報メモリ53から読み出されたスタッフ情報βが格納されている。また、ペイロード領域のデータ(DATA)は全‘1’である。
【0067】
図15に、アラーム検出時のクロック乗換メモリ39動作のタイムチャートを示す。図15中、Write_dataは全‘1’であり、Write_EnableはODUkフレームのペイロード領域においてスタッフ情報βに基づいて生成されたものである。Read_CLKは、PLL40にて上記ライトイネーブル信号に同期して平滑化したクロックであり、クライアント信号に同期したクロックである。つまり、PLL40はアラーム検出時においても同期状態を維持している。クロック乗換メモリ39から読み出されるデータRead_dataは全‘1’である。
【0068】
図16に切り替え時(T23)のクロック乗換メモリ39動作のタイムチャートを示す。図16中、Write_dataは内部フレーム同期スタッフ終端回路37から供給されるODUkフレームのペイロード領域のデータであり、Write_Enableは内部フレーム同期スタッフ終端回路37からのライトイネーブル信号である。つまり、ライトイネーブル信号は予備回線からODUkフレームのスタッフ情報から生成されたものである。
【0069】
Read_CLKは、PLL40にてライトイネーブル信号に同期して平滑化したクロックであり、クライアント信号に同期したクロックである。クロック乗換メモリ39は上記クロックRead_CLKを用いてデータRead_dataを読み出す。
【0070】
<フローチャート>
図17に現用/予備切り替えのフローチャートを示す。図17において、ステップS1でOTUフレーム同期回路32A,32Bはアラーム監視を行う。ステップS2でスイッチ制御回路45はアラーム検出がなされたか否かを判別する。
【0071】
アラーム検出がされていない場合、スイッチ制御回路45は第1、第2制御信号をローレベルとし、ステップS3でスタッフ情報メモリ52.53にスタッフ情報α,βを書き込む。その後、ステップS1に進む。
【0072】
一方、アラーム検出がなされると、スイッチ制御回路45は第2制御信号をハイレベルとし、ステップS4で内部フレーム生成スタッフ生成回路55は異常通知用ODUkフレーム(スタッフ情報βを含む)を内部フレームにマッピングして異常通知用内部フレーム(スタッフ情報αを含む)を生成する。また、ステップS5でセレクタ42は第2制御信号によりAIS発生回路44からのAIS信号を選択して出力する。
【0073】
こののち、ステップS6で第2制御信号がローレベルとなって回線切り替えが終了したか否かを判別し、回線切り替えが終了してなければステップS4に進み、回線切り替えが終了した場合にはステップS1に進む。
【0074】
<スタッフ情報メモリ>
ここで、スタッフ情報α,βを保持するスタッフ情報メモリ52.53について説明する。スタッフ情報メモリ52.53にはネットワーク側が異常になる前のスタッフ情報α,βを保持する必要がある。このため、スタッフ情報メモリ52.53にはアラームを検出する時間以上の間、スタッフ情報を記憶する必要がある。
【0075】
OTUフレーム同期外れ検出条件は5フレーム連続フレームパターン不一致であり、アラーム検出時間D1は、OTU1(2.7Gbps)の場合は244.9[μsec](1フレーム=48.971[μsec]×5)であり、OTU2(10.7Gbps)の場合は61.0[μsec](1フレーム=12.191[μsec]×5)である。
【0076】
また、スタッフ情報α,βを蓄積時間D2分だけ記憶し、スタッフ制御回路56,57の制御で蓄積時間D2分のスタッフ情報α,βを受信した順に繰り返し使用することも可能である。
【0077】
クライアント信号が中心周波数fcからZppmずれている場合、クライアント信号の余剰又は欠損が8ビット蓄積する時間Tは、T=8/(fc×Z)となる。この時間Tを蓄積時間D2とする。例えば、クライアント信号がOC48の場合、fc=2.48832GHzであり、Z=10ppm,1ppmでそれぞれ、T=0.32ms(10ppm)、T=3.2ms(1ppm)となる。ネットワーク側の信号異常(アラーム)時に通常時の再生周波数に対して1ppmの精度でクライアントを再生するためには、3.2msec以上の間のスタッフ情報α,βを保持する必要がある。
【0078】
図18にスタッフ情報メモリ52.53の様子を示す。図18において、少なくともn+m個のスタッフ情報α1,β1〜αn+m,βn+mがスタッフ情報メモリ52.53に記憶され、スタッフ情報αn+m,βn+mが記憶された時点でネットワーク側信号のアラームが検出された場合、アラーム検出時間D1だけ遡り、その前の蓄積時間D2におけるスタッフ情報α12,β12〜αn,βnを繰り返し順に読み出して、異常通知用ODUkフレーム(スタッフ情報βを含む)を内部フレームにマッピングして異常通知用内部フレーム(スタッフ情報αを含む)を生成する。なお、それぞれ1つのスタッフ情報α12,β12を繰り返し読み出して異常通知用ODUkフレームを内部フレームにマッピングして異常通知用内部フレームを生成する構成であってもよい。
【0079】
本実施形態では、従来の伝送装置にセレクタ51,スタッフ情報メモリ52,53,スタッフ制御回路54,56,内部フレーム生成スタッフ生成回路55,ODU.AIS生成回路57を追加するだけで実現することができる。
(付記1)
クライアント信号がマッピングされた信号転送用フレームをネットワークから受信して、受信した前記信号転送用フレームから前記クライアント信号を分離し、前記信号転送用フレームに含まれている前記クライアント信号の周波数調整情報に基づいて位相同期回路で生成したクロックを使用して、分離した前記クライアント信号をクライアント伝送路に送出する伝送装置において、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報を保持するメモリと、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させる切替制御回路と、
を有することを特徴とする伝送装置。
(付記2)
付記1記載の伝送装置において、
前記メモリは、複数の前記信号転送用フレームそれぞれに含まれている複数の前記周波数調整情報を受信した順に保持する
ことを特徴とする伝送装置。
(付記3)
付記2記載の伝送装置において、
前記切替制御回路は、前記メモリに保持されている複数の前記周波数調整情報のうち所定時間範囲の周波数調整情報を繰り返し読み出して前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送装置。
(付記4)
付記3記載の伝送装置において、
前記信号転送用フレームを前記ネットワークの現用回線と予備回線から受信する受信回路を有し、
前記メモリは、前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報を保持し、
前記切替制御回路は、前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させ、その後、前記ネットワークの予備回線から受信した信号転送用フレームに含まれている周波数調整情報に基づいて位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送装置。
(付記5)
クライアント信号がマッピングされた信号転送用フレームをネットワークから受信して、受信した前記信号転送用フレームから前記クライアント信号を分離し、前記信号転送用フレームに含まれている前記クライアント信号の周波数調整情報に基づいて位相同期回路で生成したクロックを使用して、分離した前記クライアント信号をクライアント伝送路に送出する伝送方法において、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報をメモリに保持し、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送方法。
(付記6)
付記1記載の伝送方法において、
前記メモリに、複数の前記信号転送用フレームに含まれている複数の前記周波数調整情報を受信した順に保持する
ことを特徴とする伝送方法。
(付記7)
付記6記載の伝送方法において、
前記メモリに保持されている複数の前記周波数調整情報のうち所定時間範囲の周波数調整情報を繰り返し読み出して前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送方法。
(付記8)
付記7記載の伝送方法において、
前記信号転送用フレームを前記ネットワークの現用回線と予備回線から受信し、
前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報を前記メモリに保持し、
前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させ、その後、前記ネットワークの予備回線から受信した前記信号転送用フレームに含まれている周波数調整情報に基づいて位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送方法。
(付記9)
付記4記載の伝送装置において、
前記伝送装置は、前記ネットワークから受信した信号転送用フレームを、前記ネットワークにおける信号転送用フレームの周波数調整情報を付加して装置の内部フレームにマッピングするマッピング回路と、
前記内部フレームから分離した前記信号転送用フレームより前記クライアント信号を分離する分離回路と、
を更に有し、
前記メモリは、前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できる場合に、複数の前記内部フレームそれぞれに含まれている複数の前記信号転送用フレームの周波数調整情報と、複数の前記信号転送用フレームそれぞれに含まれている複数の前記クライアント信号の周波数調整情報とを受信した順に保持し、
前記切替制御回路は、前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記信号転送用フレームの周波数調整情報を用いて、前記メモリに保持されている前記クライアント信号の周波数調整情報を含む前記信号転送用フレームを生成し、生成した前記信号転送用フレームに含まれる前記クライアント信号の周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送装置。
(付記10)
付記8記載の伝送方法において、
前記伝送装置は、前記ネットワークから受信した信号転送用フレームを、前記ネットワークにおける信号転送用フレームの周波数調整情報を付加して装置の内部フレームにマッピングし、前記内部フレームから分離した前記信号転送用フレームより前記クライアント信号を分離し、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できる場合に、複数の前記内部フレームそれぞれに含まれている複数の前記信号転送用フレームの周波数調整情報と、複数の前記信号転送用フレームそれぞれに含まれている複数の前記クライアント信号の周波数調整情報とを受信した順に前記メモリに保持し、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記信号転送用フレームの周波数調整情報を用いて、前記メモリに保持されている前記クライアント信号の周波数調整情報を含む前記信号転送用フレームを生成し、生成した前記信号転送用フレームに含まれる前記クライアント信号の周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送方法。
【符号の説明】
【0080】
21,31A,31B 光/電気変換器
22 クライアントインタフェース
23 ODUフレーム生成スタッフ生成回路
24,36,55 内部フレーム生成スタッフ生成回路
25,37 内部フレーム同期スタッフ終端回路
26,33A クロック生成回路
27A,27B OTUフレーム生成回路
28A,28B 電気/光変換器
32A,32B OTUフレーム同期回路
35,42,51 セレクタ
38 ODUフレーム同期スタッフ終端回路
39 クロック乗換メモリ
40 PLL
41 クライアント送信インタフェース
52,53 スタッフ情報メモリ
54,56 スタッフ制御回路
57 ODU.AIS生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント信号がマッピングされた信号転送用フレームをネットワークから受信して、受信した前記信号転送用フレームから前記クライアント信号を分離し、前記信号転送用フレームに含まれている前記クライアント信号の周波数調整情報に基づいて位相同期回路で生成したクロックを使用して、分離した前記クライアント信号をクライアント伝送路に送出する伝送装置において、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報を保持するメモリと、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させる切替制御回路と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
請求項1記載の伝送装置において、
前記メモリは、複数の前記信号転送用フレームそれぞれに含まれている複数の前記周波数調整情報を受信した順に保持する
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項3】
請求項2記載の伝送装置において、
前記切替制御回路は、前記メモリに保持されている複数の前記周波数調整情報のうち所定時間範囲の周波数調整情報を繰り返し読み出して前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項4】
請求項3記載の伝送装置において、
前記信号転送用フレームを前記ネットワークの現用回線と予備回線から受信する受信回路を有し、
前記メモリは、前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報を保持し、
前記切替制御回路は、前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させ、その後、前記ネットワークの予備回線から受信した信号転送用フレームに含まれている周波数調整情報に基づいて位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送装置。
【請求項5】
クライアント信号がマッピングされた信号転送用フレームをネットワークから受信して、受信した前記信号転送用フレームから前記クライアント信号を分離し、前記信号転送用フレームに含まれている前記クライアント信号の周波数調整情報に基づいて位相同期回路で生成したクロックを使用して、分離した前記クライアント信号をクライアント伝送路に送出する伝送方法において、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報をメモリに保持し、
前記ネットワークから前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送方法。
【請求項6】
請求項1記載の伝送方法において、
前記メモリに、複数の前記信号転送用フレームに含まれている複数の前記周波数調整情報を受信した順に保持する
ことを特徴とする伝送方法。
【請求項7】
請求項6記載の伝送方法において、
前記メモリに保持されている複数の前記周波数調整情報のうち所定時間範囲の周波数調整情報を繰り返し読み出して前記位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送方法。
【請求項8】
請求項7記載の伝送方法において、
前記信号転送用フレームを前記ネットワークの現用回線と予備回線から受信し、
前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できる場合に、前記信号転送用フレームに含まれている前記周波数調整情報を前記メモリに保持し、
前記ネットワークの現用回線から前記信号転送用フレームを受信できない場合に、前記メモリに保持されている前記周波数調整情報を用いて前記位相同期回路にクロックを生成させ、その後、前記ネットワークの予備回線から受信した前記信号転送用フレームに含まれている周波数調整情報に基づいて位相同期回路にクロックを生成させる
ことを特徴とする伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−217108(P2012−217108A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82227(P2011−82227)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】