説明

保持機能を有するコンポーネントアセンブリ及び開放保持システム並びにそれらの動作方法

本発明は、維持機能を有するコンポーネント(10)に関し、当該コンポーネントは、互いに移動可能に設けられた少なくとも1つの第1の要素(16)及び少なくとも1つの第2の要素(26)と、残留磁化特性を有する少なくとも1つの磁化可能コンポーネント(18)と、当該少なくとも1つの磁化可能コンポーネントが磁化した際の磁界内に配されて当該2つの要素を動作結合とし得る磁性流体(38)または磁性粉と、電圧を加えられた際に当該少なくとも1つの磁化可能コンポーネントを磁化するのに十分な磁界を生成するように設けられたコイルとを含み、当該コイル及び当該少なくとも1つの磁化可能コンポーネントは、第1の無電流状態または当該動作結合を維持するのに十分な電流状態を生成し得かつ動作結合が解除され得る第2の無電流状態が形成され得るように設けられている。本発明はさらに、このタイプのコンポーネントを有する開放保持システム並びにこのタイプのコンポーネント及びこのタイプの開放保持システムの動作方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持機能を有するコンポーネントアセンブリに関し、当該コンポーネントアセンブリは少なくとも1つの第1の要素及び少なくとも1つの第2の要素を有し、それらは互いに対して移動可能に設けられかつ磁性流体または磁性粉を介して互いに動作結合され得る。本発明は、さらに、このようなコンポーネントアセンブリの動作方法、このようなコンポーネントアセンブリを有する開放保持システム及びそのような開放保持システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁性クラッチまたはブレーキは、磁性流体または磁性粉を使用して実現されている。2つの要素が磁性流体または磁性粉を介して結合されている。磁性流体または磁性粉の粘性は、外界の磁界によって上昇するので、当該2つの要素は堅固な動作結合となる。例えば、1の要素がロータであって他の要素がステータであった場合、ブレーキはこの態様において実現され得る。例えば、両方の要素が回転自在に支持されている場合は、クラッチとなる。
【0003】
独国特許出願公開公報第DE 100 29 227 A1号は、制御可能なブレーキシステムを示していて、そこにおいて、磁性流体の位置にある永久磁石によって常に維持されている。従って、当該2つの要素間には常時動作結合が存在する。この動作結合を解除するために、電流によって当該永久磁石と逆の磁界を生成するコイルが提供される。当該永久磁石の磁界を中和するために、十分に大きい磁界が必要であり、この点において巻数が多いすなわち強力なコイルが必要となる。
【0004】
例えば、この公知のシステムは、特に乗り物のドアの回転自在かつブレーキ自在固定のためのヒンジシステムの、制御可能なブレーキシステムとしての機能を果たす。永久磁石の磁界の中和のために磁性流体に逆磁界をかけることは、要素の相互動作を許容する。乗り物のドアが開いている状態において、コイルの電流が遮断されると永久磁石の磁界が強度の低い状態の磁性流体にかかり得る。このことは、乗り物のドアを開放状態において強固にして保持する。乗り物のドアを閉めるために、コイルによって逆磁界が再度生成され、永久磁石の磁力効果が中和される。磁性流体は液化し、当該2つの要素は互いに自由に回転可能となる。乗り物のドアは閉まり得る。
【0005】
オンボードの電源システムの故障の際、永久磁石の磁界は、公知の方法の磁性流体の位置において通常は十分に有効であり、当該流体を固体状態に保持する。このような場合において、当該2つの要素は、互いに移動し得ない。具体的に言えば、乗り物のドアは開かれ得ない。従って、例えばアクシデントにおける安全性リスクが存在する。
【0006】
他の解決法は、永久磁石を使用しないことである。コイルが提供され、それによって磁性流体において作用する磁界が生成され得る。従って、磁性流体が硬化し、当該第1の要素と第2の要素が互いに動作結合される状態は、当該コイルが電流を有しているときにのみ存在する。保持機能を実現して、例えば、乗り物のドアを開放状態に保持するために、当該コイルは電流を常時有していなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、保持機能を有するコンポーネントアセンブリ及び開放保持システム並びにそのようなコンポーネントアセンブリの動作方法を提供することであり、それらは単純かつコスト効率の良いデザインであり、安全な動作を許容する。
【0008】
本目的は、請求項1の特徴を有する保持機能を有するコンポーネントアセンブリ、請求項12の特徴を有する開放保持システム及び請求項15の特徴を有する方法を使用して達成される。有利な特徴は、従属請求項の発明を形成する。
【0009】
保持機能を有する本発明に従ったコンポーネントアセンブリは、少なくとも1つの第1の要素及び少なくとも1つの第2の要素を有し、それらは互いに移動可能に設けられている。残留磁気を有するすなわち分解可能な残余磁性を有する少なくとも1つの磁化可能コンポーネントが提供される。当該コンポーネントアセンブリは、磁性媒体(磁性流体または磁性粉)を含み、それらは、当該少なくとも1つの磁化可能コンポーネントが磁化されたときのその磁界内に配される。磁性流体は、磁界内で粘性が上昇することを特徴とし、それによって特に磁性流体の硬化がもたらされ得る。当該磁化可能コンポーネントが磁化された場合、当該磁性流体は、それに伴って上昇した粘性を有しすなわち硬化して、当該2つの要素は、互いに動作結合状態となる。すなわち、当該2つの要素は機械的に結合される。
【0010】
例えば、他の要素に関連するある要素の回転自在な支持によって、トルクはこの動作結合を介して伝達する。
【0011】
磁性流体の代わりに、磁性粉も使用することが可能であり、それは、少なくとも1つの磁化可能コンポーネントが磁化されたときのその磁界の中に配される。磁化可能コンポーネントの磁化によって磁性粉の位置において磁界が存在する場合、当該磁性粉は凝固して当該第1の要素と第2の要素との間の動作結合を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従ったコンポーネントアセンブリは、更にコイルを有し、当該コイルに電流が流れている際に、当該少なくとも1つの磁化可能コンポーネントの十分な磁化のための磁界を生成可能である。従って、コイル及び当該コイルに関連したコントロールデバイスは、磁化可能コンポーネントの磁化状態を積極的に変化すなわち磁化コンポーネントを積極的に磁化または非磁化するべく形成される。従って、独国特許出願公報第DE 100 29 227 A1号に記載されている永久磁石要素の使用とは異なり、外部磁界の一時的な重ね合わせが永久磁石によって生成される磁界を介して発生するだけではない。それよりもむしろ、コイル及び当該コイルに関連するコントロールデバイスが、当該コイルに流れる電流を選択的に設定して、磁化可能コンポーネントの磁化または少なくとも部分的な非磁化を発生させるべく形成される。この態様における磁化コンポーネントのセットの磁化は、コイルの無電流状態またはコイルへの電流がある状態においても維持され得、減少した電流強度(磁化可能コンポーネントの磁化のための電流に比べて)は、磁化可能コンポーネントの磁化設定に加えて、磁化状態がコイル電流の対応した変化によって積極的に変化させられるまで発生する。
【0013】
従って、磁化コンポーネント及びコイルは、コイルの第1の無電流状態または有電流状態が生成され得るように設けられかつデザインされ、そこにおいて当該磁化コンポーネントは自身の磁化の後に磁界を提供し、磁性流体または磁性粉は第1の要素と第2の要素との間の動作結合を維持するのに十分な固体化構造を有する。磁化可能コンポーネントを磁化する磁界は、最初にコイルを使用して生成される。それによる磁性流体または磁性粉における磁界の上昇は、粘性を上昇すなわち磁性流体または磁性粉を硬化する。スイッチオフまたはコイルおける電流及び外部磁界の減少が生起された後、磁化可能コンポーネントによって発生させられる磁界は残留磁化によって残存する。コイル電流の完全なスイッチオフの代わりにコイルに流れる電流を著しく減少させることだけが特に可能である。これによって、第1の要素と第2の要素との間の強力な動作結合は、0の電流強度においてよりむしろ少量のエネルギ消費において設定される。
【0014】
高い飽和残留磁気を有する材料は、外部磁界の適用無しに大きな磁界を維持するので、磁化可能コンポーネントに特に適当である。
【0015】
従って、磁性流体または磁性粉における磁界が磁化可能コンポーネントによって維持される故に、本発明に従ったコンポーネントアセンブリによる保持機能を電流無しに実現することが可能なのである。
【0016】
本発明に従ったコンポーネントアセンブリは、コイルの第2の無電流状態が生成され得るようにデザインされ、そこにおいて磁化可能コンポーネントは実質的に非磁化され、それによって第1の要素と第2の要素との間の動作結合は解除される。従って例えば、永久磁石の使用と異なり、磁性流体または磁性粉が硬化せず、2つの要素が実質的に互いに自由に移動可能な無電流状態も可能である。磁化可能コンポーネントが、磁気が残留する様に形成されかつ磁化可能コンポーネントのヒステリシスループが無視できない幅を有している故に、磁化可能コンポーネントは、コイルが無電流にスイッチされる前に関連するコントロールデバイスに基づいたコイルへの電流との対応によって積極的に非磁化され得る。小さいコイル及び小さい電流強度の使用において可能な限り完全な非磁化の達成のために、永久磁石と比べて小さな保磁力すなわち小さなヒステリシス曲線の材料が有利である。
【0017】
例えば、乗り物のドアが本発明に従ったコンポーネントアセンブリで実現された場合、特に信頼性のある解決方法が存在する。乗り物の閉じたドアにおいて、第2の無電流状態が生成され、そこにおいて磁化可能コンポーネントは、実質的に非磁化される。ドアは、本質的にロックキャッチ(lock catch)によって公知の態様で保持される。オンボードネットワークの故障において、例えば事故の際、磁気的に生成された動作結合において変化は起こらない。ドアは障害無しに開放され得る。
【0018】
従って、本発明に従ったコンポーネントアセンブリを使用し、磁性流体または磁性粉が磁界に曝される無電流または小電流のみのコイル状態と、磁界が存在しない無電流状態との両方を維持することが可能である。特に経済的かつ安全な動作が可能である。
【0019】
本発明に従ったコンポーネントアセンブリは、磁化可能コンポーネントの磁化に十分な磁界をコイルによって生成する電流を供給可能な電源に接続されるかまたは接続可能である。好ましい実施例において、この電源はコントロールデバイスに接続されており、コイル電流が時間の経過によって減少する強度を有する交番磁界を生成することを許容する。磁化可能コンポーネントの自動的な非磁化は、このようなコントロールデバイスを使用して、減少する強度の交番磁界の適用によって完全に可能である。
【0020】
例えば、本発明に従ったコンポーネントアセンブリは、第2の要素を含み得、それは第1の要素に回転自在または枢動自在に支持されている。例えば、ブレーキは、このようなコンポーネントアセンブリを使用することで実現される。例えば、このようなコンポーネントアセンブリは、特に自動車のドアまたはフラップに使用され得る。(無電流のコイルによって)ドアが開放された後、磁化可能コンポーネントはコイルによって磁化されて磁性流体または磁性粉が硬化する。ここにおいて、コイルへの電流は、磁化コンポーネントを磁化させるために必要な磁界の短時間の生成に必要なだけであって、その後スイッチオフされるかまたは少なくとも可能な限り減少させられる。磁界は、磁性コンポーネントの磁化故に、コイルへの電流が切られるかまたは減少させられた後も維持され、磁性流体または磁性粉が凝固され続けてドアが開放状態に維持される。ドアが閉じる前、磁性媒体においてアクティブな磁界は、コイルへの直流電流の流れの継続によって初めに解除され、この点において磁化可能コンポーネントに対応する保磁力はコイルによって生成され、磁性流体または磁性粉はすでに凝固されておらず、ドアの閉成動作において有効ではない。ドアの閉成動作において、コイルへの電流に対応して磁性媒体において比較的小さな磁界が選択的に生成され得、流体または磁性粉が緩慢な閉成または移動動作の効果をもたらす。
【0021】
乗り物のドアの閉成状態において、磁化可能コンポーネントの非常に完全な非磁化が、コイルへの電流に対応して為され(時間の経過によって減少する強度を有する交互の磁界の生成)、電流を有しなくなったコイルによって、続いて起こるドアの開放がもはや妨げられることはない。代替例として、磁化可能コンポーネントの完全な非磁化は、閉成動作が開始される前にすでに実行され得すなわちコイルへの直流電流の中間的な流れは無い。
【0022】
適切なデザインによって、本発明のコンポーネントアセンブリは、ドアまたはフラップのヒンジとして直接使用され得る。
【0023】
両方の要素は、クラッチによって回転自在に支持されている。磁化可能コンポーネントの磁化後、磁化されたコンポーネントは、磁性流体または磁性粉における十分な磁界を維持し、2つの要素間のトルク伝達が可能である。磁化されたコンポーネントによって磁界が維持される故に、磁化後に更なる電力供給は必要ない。
【0024】
本発明に従ったコンポーネントアセンブリの他のデザインにおいて、第1の要素及び第2の要素は、互いに移動可能に、特に直線的に移動可能に設けられる。例えば、一方の要素が、他方の要素に受容されている磁性流体の中を移動する。十分な磁界の生成は、磁化可能コンポーネントを磁化する。磁性流体の位置において作用してそれを硬化させる磁界は、磁化されたコンポーネントに基づいて外部磁界のスイッチオフ後も残留する。2つの要素はもはや互いに移動することはできない。適当な配置によって、ドアストッパー機能がこの様なコンポーネントアセンブリを使用して同様に実現され得る。
【0025】
実施例において、磁性流体または磁性粉は、この関係において当該流体または粉体のための容器を形成する第1の要素と第2の要素との間に配されている。
【0026】
他の実施例において、磁性流体または磁界のための容器は、一方の要素によって形成されていて、他方の要素は磁性流体または磁性粉内に少なくとも部分的に浸漬している。磁化されたコンポーネントの磁界による磁性流体または磁性粉の硬化は、2つの要素が互いに動作結合されるよう第2の要素を第1の要素内に保持する。
【0027】
このような実施例において、磁性流体または磁性粉のための容器の役割を果たす第1の要素が少なくとも1つの磁化可能コンポーネントを含む場合すなわち第1の要素が特に磁化可能材で製造される場合に特に有利である。
【0028】
他の実施例において、第2の要素または両方の要素が磁化可能材を含みかつこの関係において磁化可能コンポーネントを含み得る。
【0029】
磁化可能コンポーネントの残留磁気特性に関連して、磁化可能コンポーネントが約103から104A/mの範囲の保磁力を有しているのが好ましい。この磁界強度は、保磁力(通例省略:HkまたはHc)と称され、これに対して、磁気誘導(通例省略:B;単位はテスラ)または磁化[M]は、(完全磁化後の磁化可能コンポーネントの磁化飽和の開始から)0となる。
【0030】
磁化可能コンポーネントが、約0.5から2T(テスラ)の範囲の飽和残留磁気を有する場合はさらに好ましい。この磁気誘導は、飽和残留磁気(通例省略:BR)と称され、これは、(完全非磁化後に未だに存在する磁化可能コンポーネントの飽和磁化から開始され)外部からかけられた磁界が磁界強度0まで減少したとき(H=0)にまだ存在する。
【0031】
磁化可能コンポーネントが、約103から104A/mの範囲の保磁力を有しかつ同時に0.5から2Tの幅の飽和残留磁気を有する場合は特に有利である。この場合、一方では、(永久磁石と異なり)磁化可能コンポーネントは、磁気的に柔軟(比較的に小さな保磁力)であり、所望の磁化及び非磁化を要求されたコイルは、それに応じて小さくされ得、小さな電流強度が使用され得る。従って、磁化可能コンポーネントのヒステリシスループは、永久磁石よりも小さい。他方では、約0.5から2Tの範囲の飽和残留磁気は、比較的強い磁界を意味し、従って、コイルの無電流状態においてまたは小さい電流においてであっても第1の要素と第2の要素との間の有利な強い動作結合が存在することを意味する。ヒステリシスループの勾配が急であっても、このことは、当該材料が上述したような特定幅のヒステリシスループまたは特定の保磁力を有すべきことを最終的に意味する。
【0032】
本発明に従った開放保持システムは、本発明に従ったコンポーネントアセンブリを有し、特に自動車のドアまたはフラップの役割を果たす。ドアまたはフラップは、ドアまたはフラップに対して固定されているホルダに枢動自在に結合される。本発明に従ったコンポーネントアセンブリの第1の要素または第2の要素のどちらかが、他方が固定されたホルダに固着される一方で、少なくとも間接的にすなわち例えば中間に設けられたトランスミッションを介して動作する。
特に、第1の要素が磁性流体または磁性粉の保持のための役割を果たし、第2の要素が当該磁性流体または磁性粉の中に少なくとも部分的に浸漬しているコンポーネントアセンブリを有する開放保持システムにおいて、第1の要素が、固定されたホルダに設けられている場合は特に単純である。本発明に従ったコンポーネントアセンブリが追加の要素を有さずにむしろヒンジとして使用される場合、特にコンパクトな配置が可能であり、これらのことは、本発明に従ったコンポーネントアセンブリにおいて第1の要素及び第2の要素が互いに枢動可能である場合に特に可能である。
【0033】
本発明に従ったコンポーネントアセンブリまたは本発明に従った開放保持システムの動作のための本発明に従った方法において、第1の要素及び第2の要素の互いに相対的な第1の相対位置が選択される。例えば、これはドアまたはフラップの開放状態であり得る。コイルは電流を有し、磁化可能コンポーネントの磁化に十分な磁界を生成する。磁化可能コンポーネントの磁化故に、磁性流体または磁性粉の粘性の上昇すなわち硬化に十分な磁界が当該磁性流体または磁性粉の位置において存在する。磁性コンポーネントの磁化は、外部磁界のスイッチオフまたは減少後すなわち電流のスイッチオフまたは減少後にも、残留磁気に基づいて維持される。磁性流体の粘性は、上昇したまま維持され、磁性流体または磁性粉は凝固されたまま維持される。従って、保持機能も、電流のスイッチングまたは減少後に維持される。2つの要素は互いに動作結合において維持される。例えば、ドアは開放状態に維持される。
【0034】
本発明に従った方法の特に好ましい特徴において、コイルへの時間の経過に従って減少する強度の交流電流によってこの状態は再度解除される。引き続いて非磁化を生起する強度の減少する磁界は、このような電流の流れによって磁化可能コンポーネントに加えられる。磁化可能コンポーネントの非磁化後、それは磁性流体または磁性粉の位置において、もはや磁界を発生させない。磁性流体または磁性粉は、もはや凝固しておらず、第1の要素と第2の要素との間の自由な移動が可能である。例えば、ここで第2の相対位置が設定され得、乗り物のドアが閉じられ得る。
【0035】
特にドアまたはフラップに使用され得る他の特徴において、事前に磁化可能コンポーネントを非磁化することなく物理的力によって凝固した流体または粉の力に対して閉じられる。この態様において凝固した流体または磁性粉は、緩慢な閉成動作または移動動作を許容する。閉成状態において、上述されたように非磁化が実行され、ドアの開放はもはや妨げられない。
【0036】
本発明に従ったコンポーネントアセンブリ、本発明に従った開放保持システム及び本発明に従った方法は、2つの極端な状態が電流無しに維持され得ることを特に特徴とする。磁化可能コンポーネントの磁化後、磁化外部磁界がスイッチオフされた場合もその磁界は維持される。例えば、乗り物のドアは開放状態に維持される。非磁化後、磁性流体または磁性粉の位置において有効な磁界が無い故に2つの要素の互いの移動は自由となる。この状態は、本発明に従ったコンポーネントアセンブリ、本発明に従った開放保持システム及び本発明に従った方法で電流無しに維持され得る。本発明に従ったシステムまたは本発明に従った方法は、永久磁石を使用した公知の解決方法に対して、永久磁石の磁界と対向する逆磁界を発生させるための大きなコイルを必要としないという利点を有している。本発明に従ったシステムまたは本発明に従った方法は、公知の方法に対して利点を有しており、磁性流体または磁性粉の硬化のための磁界は、コイルだけによって生成され、永続的な電流の流れは状態を維持するために必要ではない。
【0037】
本発明は、添付の図面を参照して詳しく説明され、当該図は本発明に従ったコンポーネントアセンブリの異なった実施例を略図で示している。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に従ったコンポーネントアセンブリの第1の実施例の横断面図である。
【図2】本発明に従ったコンポーネントアセンブリの第2の実施例の横断面図である。
【図3】本発明に従ったコンポーネントアセンブリの第3の実施例の横断面図である。
【図4】本発明に従ったコンポーネントアセンブリの第4の実施例の断面図である。
【図5】本発明に従った図4に示された第4の実施例のVの方向から見た断面図である。
【図6】本発明に従ったコンポーネントアセンブリの第5の実施例の横断面図である。
【図7】外部磁界に対する磁化の説明グラフである。
【図8】本発明に従ったコンポーネントアセンブリのコイルの時間に対する電流を示したグラフである。
【図9a】残留磁気無しの材料に対するコイル電流のヒステリシスループまたは伝達されたトルクの依存関係のグラフである。
【図9b】残留磁気無しの材料に対するコイル電流のヒステリシスループまたは伝達されたトルクの依存関係のグラフである。
【図10a】高い残留磁気を有する材料に対するコイル電流のヒステリシスループまたは伝達されたトルクの依存関係のグラフである。
【図10b】高い残留磁気を有する材料に対するコイル電流のヒステリシスループまたは伝達されたトルクの依存関係のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、例えば乗り物のドアに使用され得るようなドアブレーキ10を示している。ドアブレーキ10は、例えば、締め具12を使用してボディに固着される。ハウジング16は、締め具12に設けられ、上方に開く。磁界生成コンポーネント18がそれらの中のベースに固定的に設けられており、リング状のギャップがハウジング16と磁界生成コンポーネント18との間にある。示された例において、それらは、互いに結合されておりかつ磁界生成コンポーネント18内の溝に設けられている複数のコイルワイヤグループ21から成るコイル20を含んでいる。当該コイルには、供給ライン22、24を介して電流が供給される。締め具要素12、ハウジング16及び磁界生成部18を互いに固定的にねじ止めする締め具ねじ36が、概略的にのみ示されている。
【0040】
例えばドアの様な枢動部分に設けられる締め具要素14に結合されているポットディスク26は、ハウジング16と磁界生成コンポーネント18との間のシリンダ状のギャップ内に突出している。枢動部分14並びに固定部16及び18は、本質的には公知の態様で、ベアリング29において互いに対して回転自在に支持されている。特に、当該構成は、末端部34を有しており、それによって枢動部分14はハウジング16にシーリング(封止)接触するが回転自在である。参照番号30は、軸を示しており、枢動要素14は、ポットディスクと当該軸周りに互いに枢動自在である。ポットディスク26は、ハウジング16内のスライドベアリング32上に支持されている。回転角センサ28は、ベアリング29内に設けられ得、固定要素12、16、18に対する締め具要素14の枢動を測定する。
【0041】
磁性流体38は、磁界生成要素18とハウジング16との間の空間に配される。
【0042】
参照番号40は、コイルワイヤ21のグループによって生成された磁力線を示しており、これは例示のために示されている。コイル20全体を形成する図示された他のコイルワイヤのグループも、対応する磁力線を生成する。しかし、明瞭さのために、グループ21の周りには全ての磁力線は図示されていない。
【0043】
磁界生成要素18及びハウジング16の両方は、高い飽和残留磁気及び小さなヒステリシス曲線を有する磁化可能材で形成される。例えば、このような材料は、オーストリア国、カプフェンベルグにある、ボーラー エデルスタール ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー社(Boehler Edelstahl GmbH&Co.KG)の熱処理鋼V155である。
【0044】
図1に従った実施例は、以下の様に用いられる。例えば、枢動自在に固定された要素14は、乗り物のドアに結合され、固定された締め具要素12は、ボディに固定されている。乗り物のドアは、最初は閉まっていると仮定する。コイル20の電流リード22には電流が加えられていない。例えば、乗り物のドアが開くとする。開放状態において、電流は、コイル20を介して電流リード22を介して加えられ、ワイヤ巻き線グループ21において参照番号40によって例示の目的で示されているような磁界を生成する。磁界を導く部品、特に磁界生成コンポーネント18及びハウジング16が磁化される。この関係において、磁界生成コンポーネント18及びハウジング16の実質的に完全な磁化が実行される(飽和磁化に達する)のが好ましい。結果生じた磁界は、磁性流体38を硬化する。その後、コイル20によって生成された磁界は、スイッチオフされ得る。それにも拘らず、磁性流体を硬化状態に維持する磁界は、磁界生成要素及びハウジング16の磁化によって磁性流体38の位置において維持される。従って、乗り物のドアは開放状態に保たれる。
【0045】
コイル20によって生成された磁界の完全なスイッチング(電流0)の代替例または追加例として、0より大きい単に減少させられた電流も選択的に設定され得る。これによって、ポットディスク26を一方として、ハウジング16及び磁界生成コンポーネント18を他方とするものの間の動作結合は、低保持電流故に低電流消費で維持され、動作結合は、電流強度0の場合より強力となり、非残留磁気材を使用して同強度の電流を設定した場合より相当強力となる。
【0046】
両方の場合において、ハウジング16及び磁界生成コンポーネント18の残留磁化及びこれによって生起したポットディスク26との動作結合に起因する保持力は、乗り物のドアを閉じるために減少させられるべきである。この目的のために、最初にコイル20は電流を有して、磁性流体38においてアクティブな磁界は、磁化可能コンポーネントにおいて要求される保磁力の生成によって減少させられ、この目的に従ってドアがラッチされるまで減少状態で維持される。すなわち、最初は、コイルは電流がある状態に維持され続ける。その後、ドアは、ロックキャッチによって閉成状態に保持される。例えば、図8に概略的に示されるように、コイル20への減少する強度の交流電流を加えることによって生成され得る減少する強度の交互電界の続いて起こる生成によって、磁界生成コンポーネント18及びハウジング16の磁化は、図7のヒステリシス曲線aからeに示されているように、次第に減少する。ドアは、非ラッチ状態のロックラッチによって常に解放され、この目的のためにはコイル20への電流の流れを必要としない。
【0047】
この関係において、図7には、公知のヒステリシスループ120が初期の磁化曲線122と共に示されている。縦軸は磁気誘導Bを示しており、横軸は加えられた磁界の磁界強度Hを表している。磁気誘導Bは、外的に加えられた磁界及び磁化によって発生した磁界の合計に最終的に対応する。縦軸上の軸切片(section)は、飽和残留磁気を示し、横軸の軸切片は保磁力に対応する。柔軟な磁性材は小さな保磁力によって特徴づけられる。例えば、ボーラー社の熱処理鋼V155は、対応する小さなヒステリシスループを有している。
【0048】
例えば、曲線a、b、c、d、eは、本発明に従った方法の特徴における非磁化の経過とともに移動する。実質的な非磁化状態は、この態様において達成され得る。この態様において解除し得ない起こり得る残留磁化の残留は、磁化コンポーネントの磁界内の磁性流体の粘性が磁界フリーの場合に対して僅かしか増加しないほど小さく選択された場合には問題にならない。
【0049】
この実施例において磁界生成要素18及びハウジング16である磁化可能コンポーネントの可能な限り完全な非磁化は、磁界が磁性流体38の位置においてもはや有効ではなくなることに帰結し、この関係において、ポットディスク28は、もはや磁性流体38内に保持されない。その後、枢動自在な締め具要素14の自由な移動が可能となる。
【0050】
図9及び図10は、上述された保持電流の減少のための残留磁気を有する磁化可能コンポーネント(例えば、ハウジング16及び磁界生成要素18)のヒステリシスの利用を示している。図9aは、ヒステリシスループ(磁界強度Hに亘る磁気誘導B)を示している。図9bは、コイルを通過して伝導する電流の電流強度Iに亘る第1の要素(例えば26)と第2の要素(例えば16、18)の間で伝達されるトルクMの変化を示している。しかし、ここにおいて図9a及び図9bに関連して用いられている材料は、残留磁気を全く有していない(実質的に0の飽和残留磁界)。従って、図9aに従ったヒステリシスループは、実質的に0の幅を有しすなわち保磁力は実質的に0である。図9bを参照すると、保持トルクMHoldを加えるために、保持電流IHoldがコイルを介して伝導されるべきである。
【0051】
同様に、図10a及び図10bは、ヒステリシスループ及びコイル電流Iに依存する生成されたトルクMが示されている。しかし、ここにおいては、高い飽和残留磁気を有する磁化可能コンポーネントに対するものである(図10aの縦軸切片)。図10bを参照すると、磁化可能コンポーネントの磁化達成後、図9bの保持電流IHoldに対して大きく減少された保持電流IHoldが、保持トルクMHoldの維持のために要求される。
【0052】
図2は、第2の実施例を示していて、第1の実施例の変形例を示している。ここにおいて特に、第2のポットディスク27は、枢動自在締め具要素14に結合されており、枢動自在部分14と共に回転しかつハウジング16内の第2のスライドベアリング33に支持されている。固定された締め具要素12に固定的に結合されたポットディスク25は、これらのポットディスク26、27の間で上方に突出している。
【0053】
第2の実施例の動作は、第1の実施例の動作と同様である。しかし、多数重なった相互係合ポットディスク25、26、27の故に、磁性流体によってポットディスク上に加えられる保持効果は増加する。相互係合ポットディスクは、図示された3つのポットディスクに限定されない。
【0054】
例えば、コイルは、第1の実施例及び第2の実施例の両方において、ハウジング16内またはその周囲に設けられ得る。
【0055】
第3の実施例は、図3に示されており、要素52、54の互いの直線運動64を可能とする。シリンダ/ピストン装置50は、シリンダ52及びその中で動作するピストン54を有する。ピストン54のピストンロッドは、シール60において動作可能にシーリングされている。この実施例において、コイル巻き線56は、ピストン54内に設けられており、それらは電源供給ワイヤ58に接続されている。磁界は、コイル56によって生成され得、磁力線62によって例示的に示されている。ピストン54及びシリンダ52の両方は、ボーラー社の熱処理鋼V155の様な、高い残留磁気及び低い保磁力の磁化可能材を含み、すなわち小さなヒステリシス曲線を有する。
【0056】
コイルがピストン54内に設けられず、むしろシリンダ52内またはその周囲に設けられることも代替的に可能である。
【0057】
シリンダ/ピストン装置50は、以下の様に用いられる。まず、シリンダ52及びピストン54が非磁化される。ピストン54は、磁性流体66内で自由に移動し得る。例えば、当該ピストンは、図3内の右に移動し得る。コイル56へ電流を加えることで、ライン62によって例示的に示されているような磁界が生成され、それらは、シリンダ52及びピストン54の磁化に帰結する。ピストン54の側面とシリンダ52の側面との間の狭いリング状の領域67内の磁性流体が硬化して、リング状の通路67は流体66の通過をブロックし、それ故にピストン54はシリンダ52内で拘束される。ここにおいてコイル56は、再度無電流にスイッチングされ得るかまたは磁化中よりも低い電流強度が設定される。最後に説明した場合、比較的高い保持力が低電流消費で達成される。
【0058】
シリンダ52及びピストン54は、ピストン54及びシリンダ52の磁性材の非磁化、例えば、図8の図表にしたがったコイル56への電流の流れによって主に非磁化される。特にリング状の通路67内の磁性流体において、もはや磁界は維持されていないので、磁性流体66は、更に液化される。ピストン54は、シリンダ52内で再度自由に移動し得る。
【0059】
例えば、第3の実施例の可能な応用は、乗り物のドアの開放保持システムにおいて与えられ得る。例えば、ピストン54のピストンロッドは、シリンダ52はボディに結合される場合、乗り物のドアに結合され得る。
【0060】
図4及び図5は、第4の実施例を示している。ここにおいて、ピストン/シリンダ装置70も実現される。ピストン78は、容器74内で方向80において動作する。追加ピストン76は、示されていない態様で、容器74の外側または容器74内の剛体結合によって結合されている。容器74は、実施例で示されている移動方向80に平行な軸に対して点対称である。通路82を形成する狭い領域が、中央部に設けられる。磁性流体84は、容器74、ピストン78、76によって形成される空間に内に配される。例えば、ボーラー社の熱処理鋼V155である高い残留磁気の磁性材のヨーク(yoke)72は、通路82の領域内に配される。
【0061】
図5は、図4の装置のVで印をされた断面を示している。IVは、図4における断面の視野方向を示している。図5において、ヨーク72が通路82と対向して配された側部において終端していることが理解され得る。そこにおいて、ヨーク72は、ライン88を介して電力が供給され得るコイル90の巻き線が巻かれていない。電流が流れている状態において、ヨーク72の磁化可能材は、磁化される。磁化は、通路82の領域内の磁界86に帰結し、それらは磁性流体84の硬化に帰結する。
【0062】
第4の実施例は以下の様に使用され得る。ヨーク72は、最初は磁化されていない。磁性流体84は、通路82を通って自由に流れ得る。ピストン76、78は、自由に移動可能であるが、一緒には移動しない。
【0063】
コイル90へ電流を加えることで、ヨーク72おいて磁化を発生させる。当該磁化は、通路82の領域内の磁界86に帰結する。磁性流体84は、当該磁界によって通路82の領域内で硬化し、ピストン76、78の自由な移動は抑制される。
【0064】
図8に示した様な、減少する強度の交流電流をコイル90に加えることは、ヨーク72の非磁化に帰結する。磁性流体84は、通路82の領域において再度液化し、ピストン76、78の自由な移動は再度可能となる。
【0065】
図3の実施例と同様に、この実施例もドアの開放状態を保持するために使用され得る。
【0066】
図6は、本発明に従ったコンポーネントアセンブリの第5の実施例を示しており、これも同様にドアブレーキ100の機能を果たし得る。ジャーナルピン114に支持されているロータ104は、ハウジング102内で回転自在にジャーナル軸受されている。例えば、ハウジング102は、乗り物のボディに固定され得、ロータ104はそのドアに固定され得る。当該ロータは、軸112周りに回転自在であり、シール116においてハウジング102に対してシーリングされている。磁性流体118は、ロータ104とハウジング102との間に配されている。供給ライン110を介して電流を供給され得るコイル106は、ロータ104内に設けられている。電流がコイル106を介して流されると、磁界が形成されてロータ104及び容器102の磁化に作用する。ロータ104及び容器102は、例えば、ボーラー社の熱処理鋼V155の様な高残留磁気の容易に磁化可能な材料で製造される。磁力線108は、例として示されている。
【0067】
図1及び図2の例を参照して上述したように、当該コイルの電流がスイッチングされた後、磁界は、磁化されたロータ104及び容器102によって残存し、それによって、磁性流体118は硬化したままである。同様に、比較的高い保持トルクが、低エネルギ消費で設定可能であり得、この点において、当該コイル電流は完全にスイッチオフされず、むしろロータ104及び容器102の磁化における電流強度よりも小さいが0よりも大きい値に設定される。
【0068】
上述された実施例は、磁界を誘導する部品の可能な限り大きな割合が、各々場合において、高い残留磁気を有する一方で小さなヒステリシス曲線を有する材料によって形成され、換言すれば特に柔軟な磁性であることを特徴とする。
【0069】
上述された実施例は、磁性流体を使用する。しかし、対応する特徴は、磁性粉が使用され、磁界が加えられることで硬化して2つの要素の間のパワー伝達を可能とする場合にも実施可能である。
【符号の説明】
【0070】
10 ドアブレーキ
12 フレームに対する締め具
14 ドアに対する締め具
16 ハウジング
18 磁界生成コンポーネント
20 コイル
21 コイルワイヤグループ
22,24 コイルの電源供給機構
25,26,27 ポットディスク
28 回転角センサ
29 ベアリング
30 回転軸
32,33 スライドベアリング
34 回転シーリングクロージャ
36 固定ねじ
38 磁性流体
40 磁力線
50 シリンダ/ピストン装置
52 シリンダ
54 ピストン
56 コイル
58 電源供給機構
60 シール
62 磁力線
64 移動方向
66 磁性流体
67 リング状領域
70 シリンダ/ピストン装置
72 ヨーク
74 ハウジング
76 第1のピストン
78 第2のピストン
80 移動方向
82 通路
84 磁性流体
86 磁力線
88 電力供給機構
90 コイル
100 ドアブレーキ
102 ハウジング
104 磁界生成コンポーネント
106 コイル
108 磁力線
110 電力供給機構
112 回転軸
114 ベアリングピン
116 シール
118 磁性流体
120 ヒステリシスループ
122 初期磁化曲線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持機能を有するコンポーネントアセンブリ(10,50,70,100)であって、
互いに移動可能に設けられた少なくとも1つの第1の要素(16,18,25,52,74,102)及び少なくとも1つの第2の要素(26,27,54,76,78,104)と、
残留磁気特性を有する少なくとも1つの磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)と、
前記少なくとも1つの磁化可能コンポーネントが磁化したときの前記コンポーネントの磁界内に設けられてその磁界によって動作結合状態になされ得る磁性流体(38,66,84,118)または磁性粉と、
電流の流れによって前記少なくとも1つの磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)の磁化のための磁界(40,62,86,108)を生成可能なように設けられた少なくとも1つのコイル(20,56,90,106)と、を含み、
前記コイル(20,56,90,106)及び前記少なくとも1つの磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)が協働して第1の無電流状態または有電流状態が生成され、前記磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)がその磁化後に前記磁性流体(38,66,84,118)もしくは磁性粉による動作結合の維持に十分な磁界を生成し得、
第2の無電流状態が生成され、前記磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)が再度実質的に非磁化されて前記第1の要素(16,18,25,52,74,102)と前記第2の要素(26,27,54,76,78,104)との間の前記動作結合が解除され得ることを特徴とするコンポーネントアセンブリ(10,50,70,100)。
【請求項2】
請求項1記載のコンポーネントアセンブリであって、前記磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)の磁化のために十分な磁界(40,62,86,108)の生成のための前記コイルへの電源供給機構を有しかつ時間に経過とともに減少する強度を有する交番磁界の生成のための前記コイル(20,56,90,106)への電流の流れのために形成された前記電源供給機構のコントロールデバイスを有することを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項3】
請求項1または2記載のコンポーネントアセンブリであって、前記第1の要素(16,18,25,102)と前記第2の要素(26,27,104)とが互いに回転自在または枢動自在に支持されていることを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項4】
請求項1または2記載のコンポーネントアセンブリであって、前記第1の要素(52,74)と前記第2の要素(54,76)とが互いに移動可能であることを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1に記載のコンポーネントアセンブリであって、前記磁性流体(118)または前記磁性粉が前記第1の要素(102)と前記第2の要素(104)との間に配されることを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1に記載のコンポーネントアセンブリであって、前記第1の要素(16,18,25,52)は、前記磁性流体(38,66)または前記磁性粉を保持するようにデザインされ、前記第2の要素(26,27,54)は、前記磁性流体(38,66)または前記磁性粉内に少なくとも部分的に浸漬していることを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項7】
請求項6記載のコンポーネントアセンブリであって、前記第1の要素(16,18,25)または前記第2の要素(54,104)が前記少なくとも1つの磁化可能コンポーネント(16,18)を含むことを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1記載のコンポーネントアセンブリであって、前記第1の要素(52,102)及び前記第2の要素(54,104)が前記少なくとも1つの磁化可能コンポーネントを有していることを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1記載のコンポーネントアセンブリであって、前記コイル電流の電流強度が前記コイル(20,56,90,106)の前記第1の電流状態に設定され、それは前記磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)の磁化のために設定された電流強度よりも低くかつ0よりも大きいことを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1記載のコンポーネントアセンブリであって、前記少なくとも1つの磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)は、約103から104A/mの範囲の保磁力を有していることを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1記載のコンポーネントアセンブリであって、前記少なくとも1つの磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)が約0.5から2Tの領域の残留磁気を有していることを特徴とするコンポーネントアセンブリ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1記載のコンポーネントアセンブリを有するドアまたはフラップの開放保持システムであって、前記ドアまたはフラップはそれらに関連して固定されているホルダに枢動自在に結合されており、前記第1の要素または前記第2要素のいずれか一方は少なくとも間接的に前記ドアまたは前記フラップとともに移動し、他方の要素は前記固定されたホルダに固定されていることを特徴とする開放保持システム。
【請求項13】
請求項12記載の開放保持システムであって、請求項6または7記載のコンポーネントアセンブリ(10)を有し、前記第1の要素(16,18,25)が前記固定されたホルダに設けられていることを特徴とする開放保持システム。
【請求項14】
請求項12または13記載の開放保持システムであって、請求項3記載のコンポーネントアセンブリを有し、前記コンポーネントアセンブリ(10,100)はヒンジであるかまたはヒンジによって構成されていることを特徴とする開放保持システム。
【請求項15】
請求項1から11のいずれか1記載のコンポーネントアセンブリ(10,50,70,100)または請求項12から14のいずれか1記載の開放保持システムの動作方法であって、
a)第1の要素(16,18,25,52,74,102)及び第2の要素(26,27,54,76,78,104)の第1の相対位置を設定するステップと、
b)前記磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)の前記磁化のための磁界(40,62,86,108)の前記生成のため及びそれによって生起する前記磁性流体(38,66,84,118)の粘性上昇すなわち硬化または前記磁性粉の硬化のために前記コイル(20,56,90,106)に電流を加えるステップと、
c)前記コイル(20,56,90,106)内の電流をスイッチオフまたは減少させて前記磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)の前記磁化を維持するステップと、
と含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、前記コンポーネントアセンブリ(10,50,70,100)が請求項12から14のいずれか1記載の開放保持システムの一部であって、前記第1の要素(16,18,25,52,74,102)と前記第2の要素(26,27,54,76,78,104)との前記第1の相対位置がドアまたはフラップの開放において存在することを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15または16記載の方法であって、
e1)前記コイル(20、56,90,106)に時間の経過と共に減少する強度の交流電流(I)を有する電流を流すことによって前記磁化可能コンポーネント(16,18,52,54,72,102,104)を非磁化するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17記載の方法であって、ステップe1)の後に行われる、e2)前記第1の要素(16,18,25,52,74,102)と前記第2の要素(26,27,54,76,78,104)との第2の相対位置を設定するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法であって、前記コンポーネントアセンブリ(10,50,70,100)が請求項12から14のいずれか1記載の開放保持システムの一部であって、前記第1の要素(16,18,25,52,74,102)と前記第2の要素(26,27,54,76,78,104)との前記第2の相対位置が前記ドアまたはフラップの開放において存在することを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項17から19のいずれか1記載の方法であって、前記ステップe1)の前に行われる、d)前記磁性流体(38,66,84,118)または前記磁性粉における前記磁界の効果が実質的に解除されるように前記コイル(20,56,90,106)に連続的に電流を流すステップをさらに含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10a】
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【図10b】
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【公表番号】特表2010−500224(P2010−500224A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524094(P2009−524094)
【出願日】平成19年7月31日(2007.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/006767
【国際公開番号】WO2008/071241
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(507392853)マグナ パワートレイン アクツィエンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト (18)
【Fターム(参考)】