説明

信号伝送構造および信号伝送方法

【課題】 伝送損失を抑えるとともに各信号伝送経路における信号遅延を抑制する。
【解決手段】 第1のLSI11と第2のLSI17との間に並列に設けられた複数の信号伝送経路を備える。各信号伝送経路は、電気信号を伝送する電気配線12,16と、光信号を伝送する光配線14とを有し、電気配線長と光配線長を合計した総配線長を調整することで、各信号伝送経路の伝送時間がそれぞれ等しくされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、並列して設けられた複数の信号伝送経路が電気配線および光配線を有している信号伝送経路、および通信ネットワークやコンピュータの内部における信号伝送方法。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(大規模集積回路)の高速化がますます進展している一方で、各LSI間等を結んでいる電気配線には、伝送能力の限界があると考えられている。そして、LSIの高速化に対応する技術としては、光信号で伝送する光ファイバ等の光配線が期待されている。
【0003】
光信号には、高速・長距離伝送能力、低電磁放射という特性を有しているという優位性がある。このため、信号伝送構造として、例えば、第1のLSIから出力された電気信号を光信号に変換し、その光信号が光配線を伝送した後、もう一方の第2のLSIの手前で光信号を電気信号に変換し、第2のLSIに入力させ、また逆方向の伝送も同様に第2のLSIから出力された電気信号を光信号に変換して光配線で伝送し、光信号を電気信号に変換して第1のLSIに入力させる構成を採ることによって、電気信号だけを用いる場合に比べて、信号伝送の更なる高速化を図ることが可能であると考えられる。
【0004】
電子機器では、LSIの入出力の総数が1000以上になる構成も想定されており、このような多数の入出力電気信号を光信号に変換して伝送する必要がある。電気信号および光信号を伝送する配線は、配線長が増加するのに伴って損失が増加してしまうので、可能な限り短い配線長でつないでいくことが重要である。さらに、電子機器では、複数の信号伝送経路間で配線長を等しくする(等長化)ことで、信号の到達をほぼ同時にする構成が一般に採られている。
【0005】
このように必要な等長化を実現するために、複数本の配線のうちで最も長くなる配線の長さに合わせて、本来は短く配線することができる他の配線を故意に蛇行させる、いわゆるミアンダ配線で配線長を長く確保して、複数本全ての配線長を等しくしている。
【0006】
また、従来の並列光伝送装置としては、複数の信号伝送経路で、光配線の等長化を行うことなく、信号伝送経路間の信号を同期させた並列データ伝送を行うことができる構成が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−102930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1に開示された従来の並列光伝送装置では、LSI−電気配線−電気光変換素子−光配線−光電気変換素子−電気配線−LSIの経路順に沿って複数の信号伝送経路を有しており、各信号伝送経路で信号伝送を行う際に、各光配線長の差による伝送時間の差、つまり信号遅延を、電気配線の部分に電気信号遅延回路が設けられて調節することによって、各配線間で同期を取っている。
【0008】
しかしながら、電気信号が高速化されてきている信号伝送構造では、電気配線長を延長することで長さを調節する構成では、電気配線による伝送損失が増加してしまうという不都合がある。
【0009】
また、特許文献1には、電気配線と光配線とからなる各信号伝送経路について、信号遅延を制御するための具体的な構成や方法が何ら開示されていない。
【0010】
そこで、本発明は、伝送損失を抑えるとともに各信号伝送経路における信号遅延を抑制することができる信号伝送構造および信号伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した目的を達成するため、本発明に係る信号伝送構造は、信号出力部と信号入力部との間に並列に設けられた複数の信号伝送経路を備える。各信号伝送経路は、電気信号を伝送する電気配線と、光信号を伝送する光配線とを有し、電気配線長と光配線長を合計した総配線長を調整することで、各信号伝送経路の伝送時間がそれぞれ等しくされている。
【0012】
以上のように構成した本発明に係る信号伝送構造によれば、電気配線長と光配線長を合計した総配線長を調整することで、各信号伝送経路の伝送時間がそれぞれ等しくされるので、各信号伝送経路における信号遅延が抑えられる。
【0013】
また、本発明に係る信号伝送構造が備える各信号伝送経路は、光配線長のみが延長されて、伝送時間が等しくされている。これによって、各信号伝送経路は、電気配線が最短になるように配線されることで、電気配線による伝送損失が最小にされ、光配線長が調整されることで、電気配線長の差によって生じた信号遅延分が補正される。したがって、この信号伝送構造によれば、各信号伝送経路における伝送損失が良好に抑えられるとともに信号遅延が良好に抑えられる。
【0014】
また、本発明に係る信号伝送構造は、光配線の屈折率を変化させることで、光配線長を調整する調整手段を備えてもよい。
【0015】
また、本発明に係る信号伝送構造が備える調整手段は、光配線の温度を変化させてもよい。
【0016】
また、本発明に係る信号伝送構造が備える調整手段は、光配線に光または電子線を照射する照射部を有してもよい。
【0017】
また、本発明に係る信号伝送構造は、各信号伝送経路に、電気信号を光信号に変換する電気光変換素子が設けられ、電子光変換素子の光源から出射する光の波長を変化させることで、光配線長が調整されてもよい。
【0018】
また、本発明に係る信号伝送構造が備える光配線には、光路上に屈折率調整部材が設けられてもよい。
【0019】
また、本発明に係る信号伝送構造が備える光配線は、少なくとも一部が、ポリマー光導波路からなってもよい。
【0020】
また、本発明に係る電子機器は、上述した本発明の信号伝送構造を備える。
【0021】
また、本発明に係る信号伝送方法は、信号出力部と信号入力部との間に並列に設けられた複数の信号伝送経路を用いる信号伝送方法において、電子信号を伝送する電気配線と、光信号を伝送する光配線とを有する各信号伝送経路で、電気配線長と光配線長を合計した総配線長を調整することで、各信号伝送経路の伝送時間をそれぞれ等しくする。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明によれば、電気配線と光配線とによる伝送損失を抑えるとともに各信号伝送経路における伝送時間を調整し、信号遅延を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の信号伝送構造について、8本の各信号伝送経路における伝送時間を等しくし、信号遅延を抑えるための構成を、図1を参照して説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の信号伝送構造1は、並列して設けられた複数の信号伝送経路を備えており、信号伝送経路順に沿って、信号出力部である第1のLSI11と、この第1のLSI11から出力された電気信号を伝送する電気配線12、この電気配線12で伝送された電気信号を光信号に変換する電気光変換素子13と、この電気光変換素子13から出力された光信号を伝送する光配線14と、この光配線14で伝送された光信号を電気信号に変換する光電気変換素子15と、この光電気変換素子15から出力された電気信号を伝送する電気配線16と、この電気配線16で伝送された電気信号が入力される信号入力部である第2のLSI17とを備えて構成されている。
【0025】
第1のLSI11から電気光変換素子13までの電気配線12の配線長を最短で構成する場合には、例えば各LSI11,17や電気光変換素子13の入出力パッドのレイアウトや、電源部、接地部(グランド)の配置によって、各信号伝送経路で電気配線長が異なった長さになる。このことは、光電気変換素子15から第2のLSI17に入力されるまでの経路を形成する電気配線16についても同様である。
【0026】
したがって、上述の電気配線12,16による信号伝送を低損失で行うためには、各信号伝送経路間で電気配線長の差が生じる。そこで、高速信号伝送に好適な光配線14において、電気配線12,16の差による信号遅延の差を補正するように、各信号伝送経路における光配線長を変化させて調整する。光配線14は、コアとクラッドの屈折率差に応じて、配線の光路を曲げた状態でも損失が増加しない曲率半径をもっているので、損失が増加しない曲率半径の範囲内で光配線14を曲げて、例えば蛇行させて配置することで、光配線長を延長して、光配線長が調整される。また、図2に示すように、光配線として、光導波路20aによる損失が増加しない曲率半径で曲げられた光配線20を用いる構成にされてもよい。
【0027】
上述のように光配線としては、光路を曲げて配置する構成以外に、図3に示すように、複数の光配線層21a,21bからなる光配線21を用いて、光配線長を調整する構成が採られてもよい。一層の光配線では、配線の光路を引き回すための面積を十分に確保することが困難である場合であっても、各光配線層21a,21bを連結する光ビア21cを介して、各光配線層21a,21bの間で光路を引き回す、つまり複数の光配線層21a,21bに跨って配線長を延長することによって、光配線長を任意の長さに設定することができる。また、この光配線21によれば、各信号伝送経路における光配線の見かけ上の光配線長を等しくするができる。
【0028】
以上のように構成された信号伝送構造1では、各信号伝送経路における電気配線長と光配線長を合計した総配線長が、光配線長のみを延長することで調整され、各信号伝送経路での伝送時間がそれぞれ等しくされている。したがって、この信号伝送構造1では、各信号伝送経路における信号遅延が抑えられ、第1のLSI11の出力端子から同一時間に出力された8本の出力信号を、ほぼ同一の伝送時間で第2のLSI17の入力端子に到達させることができる。
【0029】
すなわち、信号伝送構造1によれば、複数の信号伝送経路において、比較的に伝送損失が増加しやすい電気配線12,16によって総配線長を調整することなく電気配線長を最短に形成し、光配線14で総配線長を調整することで、電気配線12,16と光配線14との配線全体での伝送損失を抑えるとともに、複数の信号伝送経路における信号遅延を抑制することができる。
【0030】
なお、本発明に係る信号伝送構造は、上述した実施形態の信号伝送経路の構成に限定されるものではなく、例えば、更に他のLSI等の信号入出力部を備える構成にされてもよい。また、本発明の信号伝送構造は、例えば、コンピュータの内部おける信号伝送系や、電子機器、通信ネットワークにおける信号伝送系に用いられて好適である。
【0031】
以下、他の光配線を備える他の実施形態の信号伝送構造について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態は、光配線の構成を除いて、上述した第1の実施形態と構成が同一であるため、光配線以外の説明を省略する。
【0032】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の信号伝送構造では、光配線の温度変化を制御することで、光配線の光路長を調整する。本実施形態では、光配線の一部または全部が、温度変化による光配線長の変化率が比較的大きい材料によって形成されている。図4(a),(b)に示すように、光配線22は、両端が光コネクタ31に光学的に接続されており、各光コネクタ31の間で変形可能に設けられている。そして、光配線22は、図示しないが、調整手段としてヒータ等の加熱器や冷却器によって温度変化が付与されることで熱膨張または熱収縮し、温度変化に伴って光路長を変化させることによって、光配線長を所望の長さに調整する。
【0033】
光配線22の具体例として、ポリマー(有機)光導波路を用いる場合について説明する。ポリマー光導波路の材料としては、例えばエポキシ、シリコーン、アクリル等が挙げられる。この種のポリマー材料の熱膨張係数は50〜100ppm/℃程度である。温度制御によって、光路長を変化させる光配線長を100mm(100000μm)、温度範囲を100℃とすれば、得られる光路長の変化は、100000μm×(100ppm/℃)×100℃=1000μmである。ポリマー光導波路の屈折率は1.5程度であるので、光路長が1000μmによって得られる光信号の遅延量は、1000μm/(1.5/3×108m/s:光の速度)=5psとなる。例えば、伝送速度が10Gbpsの信号における1bit当たりの伝送時間は100psであるので、上述の構成で制御することができる信号遅延量が5%となり、十分に価値がある制御時間が得られる。
【0034】
例えばヒータ等で加熱することでポリマー光導波路の温度を変化させながら、各信号伝送経路の信号遅延量が所望量に調整させたところで、ポリマー光導波路の温度を一定に保つ。信号遅延を更に大きく制御する場合には、温度を変化させるポリマー光導波路の光路長を長くする、あるいは温度を変化させる温度変化範囲を大きくするといった方法を採ることもできる。そして、将来的に、信号の高速化が更に進んでいき、例えば伝送速度が20Gbps信号の場合では1bit当たりの伝送時間が50psとなり、制御可能な信号遅延量が10%に相当するので、上述の信号遅延の制御時間が更に効果的になる。
【0035】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の信号伝送構造では、図5に示すように、光配線23をなす光導波路23aを露光することによって光配線23の屈折率を変化させる。光信号は、伝播する媒体である光導波路23aの屈折率が変化されることによって、光導波路23aを伝播する速度が異ならされる。光配線23の周囲には、図示しないが、例えばレーザ光、フェムト秒パルス光、電子線等を光導波路23aに照射するための照射部が配置されている。
【0036】
光配線23の具体例として、光導波路23aの屈折率が1.5から1.4に変化した場合について説明する。光導波路23aの光路長が1mの場合、光導波路23aの一端から他端まで光信号が伝播するのに要する伝送時間は、以下のようになる。
【0037】
伝送時間は、光導波路の屈折率が1.5のときに1m×1.5/3×108m/s=5nsとなり、屈折率が1.4のときに1m×1.4/3×108m/s=4.7nsとなり、5ns−4.7ns=300psの伝送時間の差である遅延を生じさせることができる。この伝送時間の差は、屈折率の変化の度合い、屈折率を変化させる光導波路の光路長を調整することによって、所望の値に制御することができる。なお、照射対象とするポリマー光導波路のコア材料の分子構造により、屈折率が大きくなる場合と、小さくなる場合とがある。レーザ光等によって架橋が進行するポリマー材料では屈折率が増加する。レーザ光等によって原子間結合が切断される材料では屈折率が減少する。
【0038】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の信号伝送構造では、図6に示すように、電気光変換素子13が波長可変型の光源13aを有しており、この光源13aから出射するレーザ光の発光波長を変化させる。すなわち、波長の変化に伴って、光配線24の光導波路24aの光路長が変化することを利用する。
【0039】
光配線24のコア材料における屈折率が、波長によって異なるため、光信号の波長を変化させることによって、信号遅延を調整することができる。光信号を発振する電気光変換素子13の光源13aとして、波長可変型の光源を用いて、各信号伝送経路における各光配線24で伝送する光信号の波長を変化させることで、所望時間だけ遅延させて、各信号伝送経路における伝送時間を等しくし、信号遅延を抑えることができる。
【0040】
エポキシ材料の屈折率は、例えば、光信号の波長が0.633μmのときに1.620、波長が1.3μmのときに1.600、波長が1.55μmのときに1.597程度である。したがって、長さ1mの光配線の場合、伝送時間は、波長が0.633μmのときに、1m×1.62/3×108=5.4nsとなり、波長が1.55μmのときに5.3nsとなり、波長を変化させることで、5.4ns−5.3ns=100psの伝送時間の差である信号遅延を得ることができる。光導波路の長さや波長を適宜選択して制御することによって、所望の信号遅延量を得ることができる。
【0041】
(第5の実施形態)
第5の実施形態の信号伝送構造では、図7に示すように、光配線25をなす光導波路25aにおける光路上の一部にスリット25bが設けられ、このスリット25b内に光導波路25aと屈折率が異なる材料として、屈折率調整フィルム32を挿入することによって、各光導波路25aを伝播してくる光信号の遅延を制御することができる。
【0042】
屈折率が比較的大きい材料からなる屈折率調整フィルム32をスリット25b内に挿入することによって、光路長が長くなるため、伝達時間が長くなり、信号遅延が大きくなる。逆に屈折率が比較的小さい材料からなる屈折率調整フィルム32をスリット25b内に挿入することによって、光路長が短くなるため、伝達時間が短くなり、信号遅延が小さくなる。
【0043】
スリット25bの光軸方向の幅を1000μmとし、屈折率調整フィルム32が挿入されない状態(屈折率が1(空気))と、シリコーン製の屈折率調整フィルム32が挿入された状態(屈折率が3程度(シリコーン))とを比較する。この場合に得られる信号遅延は、屈折率が1の場合に伝送時間が3.4ps、屈折率が3の場合に伝送時間が10.2psとなるため、両者の伝送時間の差分である信号遅延が、10.2ps−3.4ps=6.8psとなる。
【0044】
さらに、光導波路に複数のスリットが設けられ、各スリットに屈折率調整フィルムをそれぞれ挿入することによって、光路長の変化量を大きくして、伝送時間の差である信号遅延量を増加させることができる。上述したように、伝送速度が20Gbpsの信号の場合では、1bit当たりの伝送時間が50psとなるので、7ps程度の信号遅延を制御可能であることは、信号伝送システムを構築する上で非常に重要になる。
【0045】
(第6の実施形態)
第6の実施形態の信号伝送構造では、図8に示すように、光配線26をなす光導波路26aの温度変化に対する屈折率の変化を誘起して、光路長を調整することで、伝達時間を制御する。
【0046】
例えば、ポリマー光導波路における温度変化に対する屈折率の変化であるdn/dTは、−3×10-4/℃程度であるため、長さ1m(1000000μm)のポリマー光導波路を10℃、温度変化させることによって、光路長が1000000μm×−3×10-4/℃×10℃=−3×103μm変化し、信号遅延量を、1.5×(3×103)μm/(3×1014μm/1012ps)=10ps変化させることができる。ただし、本実施形態では、光導波路26aの屈折率が1.5の場合について算出している。この信号遅延量は、伝送速度が10Gbpsを超える信号伝送では、非常に有効な信号遅延の制御量になる。
【0047】
なお、上述した第2の実施形態では、温度変化による光配線の光路長の変化、第6の実施形態では、温度変化による光配線の屈折率の変化について、それぞれ単独に説明した。しかしながら、実際には、温度変化に伴って両者が変化する現象が起きるので、使用する光配線材料の温度変化による光路長の変化と屈折率の変化との両者を考慮して、光路長を制御する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1の実施形態の信号伝送構造を示す模式図である。
【図2】光配線の光導波路が曲げられた状態を示す平面図である。
【図3】複数層からなる光配線を示す断面図である。
【図4】温度変化によって光配線の光路長が変化する状態を説明するための模式図である。
【図5】レーザ光の照射によって光路長が変化する状態を説明するための断面図である。
【図6】光信号の波長変化による光路長の変化を示す断面図である。
【図7】屈折率調整フィルムによる光路長の変化を示す平面図である。
【図8】温度変化に伴う屈折率の変化を用いて光路長を変化させる構成を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 信号伝送構造
11 第1のLSI
12,16 電気配線
13 電気光変換素子
14 光配線
15 光電気変換素子
17 第2のLSI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号出力部と信号入力部との間に並列に設けられた複数の信号伝送経路を備える信号伝送構造において、
前記各信号伝送経路は、電気信号を伝送する電気配線と、光信号を伝送する光配線とを有し、電気配線長と光配線長を合計した総配線長を調整することで、前記各信号伝送経路の伝送時間がそれぞれ等しくされている信号伝送構造。
【請求項2】
前記各信号伝送経路は、前記光配線長のみが延長されて、伝送時間が等しくされている請求項1に記載の信号伝送構造。
【請求項3】
前記光配線の屈折率を変化させることで、前記光配線長を調整する調整手段を備える請求項2に記載の信号伝送構造。
【請求項4】
前記調整手段は、前記光配線の温度を変化させる請求項3に記載の信号伝送構造。
【請求項5】
前記調整手段は、前記光配線に光または電子線を照射する照射部を有する請求項3に記載の信号伝送構造。
【請求項6】
前記各信号伝送経路には、電気信号を光信号に変換する電気光変換素子が設けられ、
前記電子光変換素子の光源から出射する光の波長を変化させることで、前記光配線長が調整されている請求項2に記載の信号伝送構造。
【請求項7】
前記光配線には、光路上に屈折率調整部材が設けられている請求項2に記載の信号伝送構造。
【請求項8】
前記光配線は、少なくとも一部がポリマー光導波路からなる請求項2に記載の信号伝送構造。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の信号伝送構造を備える電子機器。
【請求項10】
信号出力部と信号入力部との間に並列に設けられた複数の信号伝送経路を用いる信号伝送方法において、
電子信号を伝送する電気配線と、光信号を伝送する光配線とを有する前記各信号伝送経路で、電気配線長と光配線長を合計した総配線長を調整することで、前記各信号伝送経路の伝送時間をそれぞれ等しくする信号伝送方法。
【請求項11】
前記光配線長のみを延長することで、前記各信号伝送経路の伝送時間をそれそれ等しくする請求項10に記載の信号伝送方法。
【請求項12】
前記光配線の屈折率を変化させることによって、前記光配線長を調整する請求項11に記載の信号伝送方法。
【請求項13】
前記光配線の温度を変化させることによって、前記光配線の屈折率を変化させる請求項12に記載の信号伝送方法。
【請求項14】
前記光配線に光または電子線を照射することによって、前記光配線の屈折率を変化させる請求項12に記載の信号伝送方法。
【請求項15】
電気信号を光信号に変換する電気光変換素子の光源から出射する光の波長を変化させることによって、前記光配線長を調整する請求項11に記載の信号伝送方法。
【請求項16】
前記光配線の光路上に、屈折率調整部材を配置することによって、前記光配線の屈折率を変化させる請求項12に記載の信号伝送方法。
【請求項17】
前記光配線の少なくとも一部にポリマー光導波路を用いる請求項11に記載の信号伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−28045(P2007−28045A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−205392(P2005−205392)
【出願日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】