説明

信号検出装置、無線機及び信号検出方法

【課題】無線送信機に装備されるCDCSSデコード処理装置において、CDCSSコード一致判定の精度を改善する。
【解決手段】CDCSSビット判定部18は、入力したCDCSS抽出用検波信号成分について”1”,”0”と判定したCDCSS判定データを生成する。VI判定部19は、CDCSS抽出用検波信号成分のレベルについて”1”,”0”の中間の無効レベル範囲を設定し、CDCSS抽出用検波信号成分が無効レベル範囲にあるビット期間のビットは無効”1”と判定したVI判定データを生成する。CDCSSコード判定部20は、CDCSS判定データとCDCSSリファレンスデータとの排他的論理和を計算し、次に、排他的論理和とVI判定データとの論理和を計算し、さらに、論理和における”1”(エラービット)数をカウントし、カウント値が所定のしきい値未満である場合にのみ、CDCSSコード一致と判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばCDCSS(ContiuousDigital-Controlled-Squelch-System)等のスケルチ制御信号の有無を検出する装置及び方法に係り、詳しくはノイズからの影響を抑制してスケルチ制御信号を正確に検出するスケルチ制御信号検出装置、無線機及びスケルチ制御信号検出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線機で使用されるシグナリングの一つにCDCSSがある。CDCSSは、送信機では、音声信号に134.4bps、Golay(23,12)符号を重畳して、送信し、受信機は、受信した検出符号を所定の待ち受け符号と対比して、スケルチを制御するシステムである。
【0003】
特許文献1は、送信側においてPTT(PushToTalk)が操作されている期間、送信側から受信側へCDCSSに係るスケルチ制御信号(以下、「CDCSS信号」と適宜、略称する。)をFSK変調で送信し、受信側では、該CDCSS信号の受信期間中は、スケルチ回路を開いて、送信側からの音声を出力することを開示する。
【0004】
図15は従来の無線受信機におけるCDCSSデコード処理装置150のブロック図である。CDCSSデコード処理装置150において、後述の本発明の最良の形態で説明するCDCSSデコード処理装置10(図1)の要素と同一の要素については、CDCSSデコード処理装置10のものと同符号で指示して、説明は省略し、CDCSSデコード理装置150の主要点について説明する。
【0005】
CDCSS検査部151はCDCSSビット判定部152及びCDCSSコード判定部153を備えている。CDCSS検査部151では、直流追従部14からの入力信号(以下、適宜、「CDCSS抽出用検波信号成分」という。) に対してCDCSSビット判定部152がCDCSSビット判定を行い、次に、CDCSSコード判定部153がCDCSSビット判定部152からの入力に対してCDCSSコード判定を行うようになっている。CDCSSビット判定とは、CDCSS抽出用検波信号成分のレベルを所定のしきい値と対比して、CDCSS抽出用検波信号成分の各ビット期間の値が”1”か”0”かを判定する処理である。
【0006】
図16はCDCSSデコード処理装置150におけるCDCSSビット判定の説明図である。図16において上段はCDCSS抽出用検波信号成分(CDCSSビット判定部152の入力)、下段はビット判定結果としてのCDCSS判定データ信号(CDCSSビット判定部152の出力)を示している。CDCSS抽出用検波信号成分のレベルが基準の0に対して+であるならば、二値論理値の”1”と判定し、−であるならば、”0”と判定している。こうして、CDCSSビット判定部152の出力として、レベルが判定結果の”1”,”0”に対応付けられているCDCSS判定データ信号が生成される。
【0007】
CDCSSコード判定部153では、CDCSS判定データ信号の23ビットを1個のCDCSS判定データとし、該CDCSS判定データの各ビットの値について23ビットの所定の待ち受けCDCSSデータの対応ビットの値に一致するか否かを判定し、エラービット数(値が不一致のビットの数)が所定のしきい値以下であるならば、CDCSSコード一致と、すなわち該無線受信機に割り当てられたCDCSS信号を受信したと、判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−341046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このようなCDCSSデコード処理装置150を装備する無線機に、オーディオ周波数帯域の断続的なシグナリング(例えばDTMF(DialToneMultiFrequency)信号やMSK(MinimumShiftKeyig)信号)が入力すると、CDCSS抽出用検波信号成分中にそれらのシグナリングに起因するノイズが混入することになる。そして、該ノイズの断続的な周期がたまたまCDCSSコードに類似している場合には、CDCSSコード一致と誤判定される虞がある。
【0010】
図17はCDCSSデコード処理装置150のCDCSSコード判定部153におけるCDCSSコード判定にエラーを引き起こす可能性のあるDTMF信号の一例を示している。図18は図17のような断続的なDTMF信号がCDCSSデコード処理装置150に入力したときのCDCSS抽出用検波信号成分及びそれについてCDCSSビット判定を行って生成されたCDCSS判定データ信号を示している。従来のCDCSSデコード処理装置150では、CDCSSビット判定部152は、その入力信号のレベルが基準の0に対して+,−であるかにより”1”,”0”と判定するので、DTMF信号に起因するノイズがCDCSS抽出用検波信号成分となり、かつ基準レベルに対する該CDCSS抽出用検波信号成分の上下変動が真正のCDCSS信号に係るCDCSS抽出用検波信号成分と周期的に類似していると、CDCSSコード判定部153が、ノイズに係るCDCSS抽出用検波信号成分に対して、誤ってCDCSSコード一致判定を下してしまう虞がある。
【0011】
特許文献1は、受信側におけるスケルチ制御信号のデコード処理には言及するものの、オーディオ周波数帯域のシグナリング信号に起因するノイズがCDCSSコード一致判定に与える影響を抑制する対策については言及していない。
【0012】
本発明の目的は、変動が真正のスケルチ制御信号の変動と紛らわしいノイズがスケルチ用検波信号成分となっても、スケルチ制御信号の有無を正確に検出するスケルチ制御信号検出装置、無線機及びスケルチ制御信号検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のスケルチ制御信号検出装置は次のものを有している。
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する抽出手段、
スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理” 1 ” 及び論理” 0 ” のレベル範囲に対し、それらの中間の” 無効” のレベル範囲を設定し、スケルチ用検波信号成分の信号レベルが” 無効” のレベル範囲にある無効ビット期間を検出する無効ビット期間検出手段、及び
無効ビット期間の検出に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定する判定手段。
【0014】
本発明の別のスケルチ制御信号検出装置は次のものを備えている。
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する抽出手段、
スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲と、それらの中間の無効とのレベル範囲を設定し、各ビット期間のスケルチ用検波信号成分の信号レベルがどのレベル範囲にあるかを検出して、各ビット期間を”1”,”0”,”無効”のビット期間に識別する識別手段、及び
”1”,”0”と識別したビット期間について、識別した論理値が待ち受けビット列の対応ビットの論理値と一致しているか否かを調べ、一致しているビット期間の検出に基づきスケルチ制御信号の有無を判定する判定手段。
【0015】
本発明の無線機は、前述のスケルチ制御信号検出装置又は別のスケルチ制御信号検出装置を装備する。
【0016】
本発明のスケルチ制御信号検出方法は次のステップを備えている。
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出するステップ、
スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理” 1 ” 及び論理” 0 ” のレベル範囲に対し、それらの中間の” 無効” のレベル範囲を設定し、スケルチ用検波信号成分の信号レベルが” 無効” のレベル範囲にある無効ビット期間を検出するステップ、及び
無効ビット期間の検出に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定するステップ。
【0017】
本発明の別のスケルチ制御信号検出方法は次のステップを備えている。
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出するステップ、
スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理” 1 ” 及び論理” 0 ” のレベル範囲と、それらの中間の無効とのレベル範囲を設定し、各ビット期間のスケルチ用検波信号成分の信号レベルがどのレベル範囲にあるかを検出して、各ビット期間を” 1 ” , ” 0 ” ,” 無効” のビット期間に識別するステップ、及び ” 1 ” , ” 0 ” と識別したビット期間について、識別した論理値が待ち受けビット列の対応ビットの論理値と一致しているか否かを調べ、一致しているビット期間の検出に基づきスケルチ制御信号の有無を判定する判定手段。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、スケルチ周波数帯域の検波信号成分のレベル判定において、” 無効”のレベル範囲を設定し、該検波信号成分が” 無効” のレベル範囲にある場合には、レベル判定を無効として、該検波信号成分からの抽出コードを評価するので、該抽出コードについての誤った評価を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】CDCSSデコード処理装置のブロック図である。
【図2】CDCSSデコード処理装置における処理内容のフローチャートである。
【図3】CDCSS検査部の処理についての基本概念を説明する図である。
【図4】DTMF信号からのノイズにより形成されるCDCSS抽出用検波信号成分と該CDCSS抽出用検波信号成分についてのビット判定信号との関係を示す図である。
【図5】CDCSSビット判定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。
【0020】
【図6】VI判定処理ルーチンの詳細なフローチャートである。
【図7】CDCSSコードチェックルーチンの詳細なフローチャートである。
【図8】別のCDCSSコードチェックルーチンの詳細なフローチャートである。
【図9】図8のCDCSSコードチェックにおける無効ビット数についてそれをカウントするルーチンのフローチャートである。
【図10】図9のルーチンで使用する23ビットのVI判定データ保持用のシフトレジスタを示す図である。
【0021】
【図11】スケルチ制御信号検出装置のブロック図である。
【図12】別のスケルチ制御信号検出装置のブロック図である。
【図13】スケルチ制御信号検出方法のフローチャートである。
【図14】スケルチ制御信号検出方法のフローチャートである。
【図15】従来の無線受信機におけるCDCSSデコード処理装置のブロック図である。
【0022】
【図16】従来のCDCSSデコード処理装置におけるCDCSSビット判定の説明図である。
【図17】従来のCDCSSデコード処理装置のCDCSSコード判定部におけるCDCSSコード判定にエラーを引き起こす可能性のあるDTMF信号の一例を示す図である。
【図18】図17のような断続的なDTMF信号がCDCSSデコード処理装置に入力したときのCDCSS抽出用検波信号成分及びそれについてCDCSSビット判定を行って生成されたCDCSS判定データ信号を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1はCDCSSデコード処理装置10のブロック図である。該CDCSSデコード処理装置10は無線通信機(図示せず)に装備される。検波信号は、無線通信機の検波回路(図示せず)から出力され、ローパスフィルタ11へ入力される。ローパスフィルタ11は、カットオフ周波数を300Hzに設定され、300Hz以下の検波信号成分のみを間引き部12へ出力する。該無線通信機では、ベースバンド信号の300Hzを境に、それより上のオーディオ周波数帯域と、それより下のスケルチ周波数帯域とに区分されている。ローパスフィルタ11から間引き部12へ送られる検波信号成分は、スケルチ周波数帯域の信号成分となっている。
【0024】
間引き部12は、ローパスフィルタ11からの入力信号に対して、間引きを行って、サンプリング周波数を下げる。ローパスフィルタ13は、オーディオ信号からのブロッキングを防止するために、カットオフ周波数を、ローパスフィルタ11のカットオフ周波数300Hzより適当に低い所定値に設定される。該所定値は、CDCSS信号と共に、ターンオフ信号がローパスフィルタ13を通過できるものでなければならない。
【0025】
CDCSS検査部17は、CDCSSビット判定部18、VI(Valid/Invalid:有効・無効)判定部19及びCDCSSコード判定部20を備えている。CDCSSビット判定部18、VI判定部19及びCDCSSコード判定部20の処理内容は、それぞれ図5、図6及び図7に関連して後述する。
【0026】
図2はCDCSSデコード処理装置10における処理内容のフローチャートである。S35,S36,S37,S38の各ステップは図1のローパスフィルタ11、間引き部12、ローパスフィルタ13及び直流追従部14の処理に対応している。また、S41,S42,S43の各ステップは図1のCDCSSビット判定部18、VI判定部19及びCDCSSコード判定部20の処理に対応している。S41,S42,S43の具体的処理内容は、図5、図6及び図7に関連して後述する。
【0027】
図3はCDCSS検査部17の処理についての基本概念を説明する図である。図3において、上側のアナログ信号はCDCSS検査部17の入力信号(以下、「CDCSS抽出用検波信号成分」という。) であり、下側は該CDCSS抽出用検波信号成分についてのビット判定信号である。従来のCDCSS検査部151(図15)におけるCDCSS抽出用検波信号成分のビット判定では、CDCSS抽出用検波信号成分のレベルが基準の0より+側か−側かに応じて”1”,”0”と判定していただけであったのに対し、CDCSS検査部17では、CDCSS抽出用検波信号成分のレベルについて、−Fth〜+Fth(ただし、Fthは正の所定値。)の無効レベル範囲を設定し、CDCSS抽出用検波信号成分のレベルが該無効レベル範囲にある場合には、”無効”(invalid)の判定を行うようになっている。
【0028】
図4 はDTMF信号からのノイズにより形成されるCDCSS抽出用検波信号成分と該CDCSS抽出用検波信号成分についてのビット判定信号との関係を示している。図4のDTMF信号は、図16のDTMFと同一である。−Fth〜+Fthの無効レベル範囲を導入したことにより、ビット判定信号には”1”,”0”のどちらにも属さない信号部分が現れ、該信号部分では、判定結果信号に係るCDCSSデータは、CDCSSリファレンスデータ(待ち受けCDCSSデータ) と不一致となるので、図16のように、DTMF信号に係るCDCSS抽出用検波信号成分がCDCSS信号と誤って判断される事態を回避できる。
【0029】
なお、図3及び図4のビット判定信号は、CDCSS抽出用検波信号成分のレベル<−Fthの場合、”0”のレベルとなり、−Fth≦CDCSS抽出用検波信号成分のレベル≦+Fthの場合、”無効”のレベルとなり、+Fth<CDCSS抽出用検波信号成分のレベルの場合、”1”のレベルとなっている。このような”0”,”1”,”無効”の3論理値のビット判定信号を利用して、CDCSSの一致判定を行うこともできるが、該CDCSS検査部17は、後の図5〜図9の説明から明らかとなるように、”無効”の判定を利用してはいるものの、図3及び図4の3論理値のビット判定信号は使用していない。
【0030】
図5はCDCSSビット判定処理ルーチン(図2のS41)の詳細なフローチャートである。なお、該CDCSSビット判定処理ルーチンはCDCSSビット判定部18の処理内容に対応している。該CDCSSビット判定処理ルーチンの内容は、各ビット期間のビット値を、CDCSS抽出用検波信号成分のレベル<0であれば、”0”と判定し、CDCSS抽出用検波信号成分のレベル≧0であれば、”1”と判定するものである。該CDCSSビット判定処理ルーチンは、CDCSS信号の各ビット期間に1回のビット判定が行われるように、例えば、ビット期間に同期して起動する。
【0031】
S48では、CDCSS抽出用検波信号成分のレベルと0とを対比する。そして、CDCSS抽出用検波信号成分のレベル≧0であれば、S49へ進み、CDCSS抽出用検波信号成分のレベル<0であれば、S50へ進む。S49では、ビット判定結果を”1”とし、S50では、ビット判定結果を”0”とする。S51では、今回のビット判定結果を反映する。「反映」の具体的内容は、例えば、23ビットのビット判定データを保持する23ビットのシフトレジスタを用意し、判定が行われるごとに、該シフトレジスタをMSB(MostSignificantBit)の方へ1ビット、シフトしつつ、今回の判定結果を該シフトレジスタのLSB(LeastSignificantBit)にセットすることである。
【0032】
図6はVI(Valid/Invalid:有効・無効)判定処理ルーチン(図2のS42)の詳細なフローチャートである。なお、該VI判定処理ルーチンはVI判定部19の処理内容に対応している。該V I 判定処理ルーチンの内容は、|CDCSS抽出用検波信号成分のレベル|はCDCSS抽出用検波信号成分のレベルの絶対値を意味するものとして、各ビット期間のビット判定に関して、|CDCSS抽出用検波信号成分のレベル|と所定のしきい値とを対比し、該絶対値が該しきい値以上であれば、”0”(=”有効”)と判定し、該絶対値が該しきい値未満であれば、”1”(=”無効”)と判定するものである。
【0033】
S56では、|CDCSS抽出用検波信号成分のレベル|を検出する。S57では、|CDCSS抽出用検波信号成分のレベル|としきい値とを対比し、前者≧後者であれば、
S58へ進み、前者<後者であれば、S59へ進む。S58では、図5のS49,S50のビット判定は”0”(=”有効”)とし、S59では、”1”(=”無効”)とする。
【0034】
S60では、S58,S59の判定結果をVI判定データに反映する。「反映」の具体的内容は、例えば、23ビットのVI判定データを保持する23ビットのシフトレジスタを用意し、判定が行われるごとに、該シフトレジスタをMSB(MostSignificantBit)の方へ1ビット、シフトしつつ、該判定結果を該シフトレジスタのLSB(LeastSignificantBit)にセットすることである。
【0035】
該VI判定処理ルーチンのS57で採用されるしきい値は、例えば、Fth(図3)である。なお、図面において、しきい値は、S57の外、S67,S72でも使用されているが、それらしきい値は独立に設定できる。また、前述の図3において、−Fth及び+Fthに代えて、それぞれ−Fthl及び+Fthu(Fthl≠Fthu。Fthl,Fthu>0)とすることもできる。
【0036】
図7はCDCSSコードチェックルーチン(図2のS43)の詳細なフローチャートである。なお、該CDCSSコードチェックルーチン(後述の図8のCDCSSコードチェックルーチンも含む)はCDCSSコード判定部20の処理内容に対応している。該CDCSSコードチェックルーチンの内容は、S51(図5)で反映した23ビットのビット判定データと、S 6 0 で反映した2 3 ビットのV I 判定データとの対応ビット同士を対比して、23ビット中のエラービット数を計算し、エラービット数が所定のしきい値未満であるならば、CDCSSコード一致(受信機に対応付けられたCDCSS信号有り)と判定し、所定のしきい値以上であるならば、CDCSSコード不一致(受信機に対応付けられたCDCSS信号無し)と判定することである。
【0037】
S64では、23ビットのCDCSS判定データ(S51で生成)と23ビットのCDCSSリファレンスデータとの対応ビット同士の排他的論理和(XOR)を計算する。排他的論理和の計算結果は、23ビットの排他的論理和データとして保持する。23ビットのCDCSS判定データと23ビットのCDCSSリファレンスデータとの対応ビット同士を対比して、ビット値が一致している場合には、23ビットの排他的論理和データの対応ビットの値は”0”となり、不一致である場合には、23ビットの排他的論理和データの対応ビットの値は”1”となる。
【0038】
S65では、23ビットの排他的論理和データと23ビットのVI判定データとの対応ビット同士の論理和(OR)を計算する。論理和の計算結果は、23ビットのエラー判定論理和データとして保持する。23ビットのエラー判定論理和データの各ビットの値は、23ビットの排他的論理和データの対応ビットが”1”であるか(=CDCSS判定データにおいてCDCSSリファレンスデータと不一致であるビット)又は23ビットのVI判定データの対応ビットが”1”であるか(=”無効”のビット)であれば、”1”となる。
【0039】
S66では、23ビットのエラー判定論理和データのビット値が”1”のビット数をエラービット数としてカウントする。S67では、エラービット数≦所定のしきい値であるか否かを判定し、判定が正であれば、S68へ進み、否であれば、S69へ進む。S68では、CDCSSコード一致と判定し、S69では、CDCSSコード不一致と判定する。
【0040】
図8は別のCDCSSコードチェックルーチンの詳細なフローチャートである。図8のフローチャートにおいて、図7のフローチャートのステップと同一の処理内容のステップは図7のステップと同一のステップ番号を付け、説明は省略する。図7のフローチャートに対する図8のフローチャートの相違点は、S65が削除され、代わりに、S64の前に、S71,S72が追加されたことである。
【0041】
S71では、23ビットのVI判定データ中の”1”となっているビット、すなわち無効ビットの数をカウントする。S72では、カウントした無効ビット数がしきい値未満であるか否かを判定する。該判定の結果が正であればS64へ進み、否であれば、S69へ進む。
【0042】
図8の別のCDCSSコードチェックルーチンでは、無効ビットの多いCDCSS抽出用検波信号成分は、S72の否の判定により、S64,S65の処理対象から除外されるので、処理の迅速化及び処理負荷の低減が図られる。
【0043】
図9 はS71,S72(図8)で使用した無効ビット数についてそれをカウントするルーチンのフローチャートである。図10は図9のルーチンで使用する23ビットのVI判定データ保持用のシフトレジスタ80を示している。図8において、上段、中段及び下段のシフトレジスタ80の各内容は、それぞれS81の処理前のもの、S81の処理後でS82の処理前のもの、及びS82の処理後のものである。
【0044】
S81では、シフトレジスタ80をMSBの方へ1ビットシフトする。これにより、シフト前におけるシフトレジスタ80のMSBのデータはオーバフローによりシフトレジスタ80から失われる。また、シフト後のシフトレジスタ80のLSBには、S82において、今回のVI判定の結果を挿入する。S83では、VIカウンタのカウント数を更新する。この更新では、S82においてLSBにセットされた論理値−S81においてシフトレジスタ80のMSBからオーバフローした論理値がVIカウンタに加算される。
【0045】
図10のものでは、VIカウンタのカウント数はS81前において4であり、「S82においてLSBに挿入された論理値」−「S81においてシフトレジスタ80のMSBからオーバフローした論理値」は−1(=0−1)であるので、S84の後では、VIカウンタのカウント数は3となる。
【0046】
図11はスケルチ制御信号検出装置100のブロック図である。スケルチ制御信号検出装置100は、抽出手段101、無効ビット期間検出手段102及び判定手段103を備えている。スケルチ制御信号検出装置100の具体例はCDCSSデコード処理装置10(図1)である。スケルチ制御信号検出装置100は、無線通信機、特に無線通信機の受信機部分に装備される。
【0047】
抽出手段101は、スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する。無効ビット期間検出手段102 は、スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲に対し、それらの中間の”無効”のレベル範囲を設定し、スケルチ用検波信号成分の信号レベルが”無効”のレベル範囲にある無効ビット期間を検出する。判定手段103は、無効ビット期間の検出に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定する。
【0048】
スケルチ制御信号とは例えばCDCSSに係るスケルチ制御信号である。論理”1”及び論理”0”のレベル範囲は、前述の図3では、”無効”のレベル範囲に対してそれぞれ上側及び下側となっているが、逆であってもよいとする。
【0049】
判定手段103が、判定の基礎としている無効ビット期間の検出には、無効ビット期間の個数又は無効ビット期間の比率の検出を含むものとする。さらに、無効ビット期間の個数の検出には、所定時間における無効ビット期間の個数又は所定数(例:スケルチ制御信号に設定されているビット数。CDCSS信号では23。)のビット期間における無効ビット期間の個数の検出を含むものとする。無効ビット期間の比率の検出には、連続するビット期間の所定数に対する無効ビット期間の個数の比率又は単位時間における無効ビット期間の出現確率の検出を含むものとする。図6のS66では、23ビットのVI判定データを生成しており、VI判定データ中の無効ビットの数とは、23に対する無効ビット期間の個数に対応している。
【0050】
こうして、スケルチ制御信号に似通った変動をもつノイズ信号がスケルチ周波数帯域に現れても、該ノイズ信号をスケルチ制御信号と誤って判断する事態を回避できる。
【0051】
スケルチ制御信号検出装置100は、さらに、ビット列生成手段107を備えることができる。ビット列生成手段107は、スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて一側及び他側の論理”1”及び論理”0”の2個のレベル範囲を設定し、各ビット期間におけるスケルチ用検波信号成分の信号レベルが論理”1”,”0”のどちらのレベル範囲にあるかに基づき判定用ビット列を生成する。判定手段1 0 3 は、無効ビット期間の検出に加えて、さらに、判定用ビット列と待ち受けビット列との対比に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定する。
【0052】
ビット列生成手段107の具体例はCDCSSビット判定部18(図1)及び図5のCDCSSビット判定処理ルーチンである。
【0053】
好ましくは、無効ビット期間検出手段102は、無効ビット期間であるか否かに基づき無効識別ビット列を生成するものであり、判定手段103は、エラービット認定手段110及びエラービット型判定手段111を含む。エラービット認定手段110は、判定用ビット列の各ビットが、待ち受けビット列の対応ビットの値と異なる値であるか、又は無効識別ビット列の対応ビットが無効ビットであるかする場合、該ビットをエラービットと認定する。エラービット型判定手段111は、エラービットの割合が第1の所定値未満である場合、所定スケルチ制御信号有りと判定する。
【0054】
無効ビット期間検出手段102の処理内容は、S41(図2)に対応し、エラービット認定手段110の処理内容はS64〜S66(図7)に対応し、エラービット型判定手段111の処理内容は、S67,S68(図7)に対応している。
【0055】
判定手段103は、無効ビット型判定手段112を含むことができる。無効ビット型判定手段112は、無効識別ビット列における無効ビットの個数をカウントして、カウント数が第2の所定値以上である場合には、所定スケルチ制御信号無しと判定する。エラービット認定手段110及びエラービット型判定手段111は、無効ビット型判定手段112におけるカウント数が第2の所定値未満である場合に限り、それらの処理を行う。
【0056】
無効ビット型判定手段112の処理内容はS71,S72(図8)に対応する。エラービット認定手段110及びエラービット型判定手段111は、無効ビット型判定手段112において、所定スケルチ制御信号が無しと判定できなかった場合に、処理を行うので、判定手段103の負荷は軽減される。
【0057】
好ましくは、無効ビット型判定手段112は、シフトレジスタ113、カウンタ114、シフト制御手段115及びカウンタ制御手段116を含む。シフトレジスタ113は無効識別ビット列を保持する。カウンタ114は、シフトレジスタにおける無効ビットに係るビット値の個数をカウント値とする。
【0058】
シフト制御手段115は、各ビット期間ごとに、該ビット期間のスケルチ用検波信号成分の振幅レベルが無効又は有効のどちらのレベル範囲にあるかを検出して、シフトレジスタの各ビット値をMSB方向へ1ビットシフトさせ、かつLSBには、検出した無効又は有効に対応するビット値をセットする。
【0059】
カウンタ制御手段116は、シフト制御手段115が、シフトレジスタ113の各ビットの値をシフトさせるごとに、シフトレジスタ113のMSBからオーバフローするビット値とLSBにセットしたビット値とに基づいてカウンタ114をインクリメント又はデクリメントとする。
【0060】
シフト制御手段115の処理内容はS81,S82(図9)に対応している。カウンタ制御手段116の処理内容はS83,S84(図9)に対応している。カウンタ114のカウント値は、各ビット期間ごとに差分だけインクリメント又はデクリメントとすることになるので、カウント値の要求ごとにシフトレジスタ113の”無効”の個数を一からカウントするより、カウント処理が能率的となる。
【0061】
図12は別のスケルチ制御信号検出装置125のブロック図である。スケルチ制御信号検出装置125は、抽出手段126、識別手段1 2 7 及び判定手段1 2 8 を備えている。
スケルチ制御信号検出装置1 2 5 は、スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する。
【0062】
識別手段127は、スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲と、それらの中間の無効とのレベル範囲を設定し、各ビット期間のスケルチ用検波信号成分の信号レベルがどのレベル範囲にあるかを検出して、各ビット期間を”1”,”0”及び”無効”のビット期間に識別する。
【0063】
判定手段128は、”1”,”0”と識別したビット期間について、識別した論理値が待ち受けビット列の対応ビットの論理値と一致しているか否かを調べ、一致しているビット期間の検出に基づきスケルチ制御信号の有無を判定する。
【0064】
スケルチ制御信号検出装置125も、スケルチ制御信号検出装置100と同様に、典型的には、無線通信機、特に無線通信機の受信機部分に装備される。スケルチ制御信号とは例えばCDCSSに係るスケルチ制御信号である。論理”1”及び論理”無効”のレベル範囲は、前述の図3では、”無効”のレベル範囲に対してそれぞれ上側及び下側となっているが、逆に設定してよいとする。
【0065】
判定手段128における判定の基礎となっている「一致しているビット期間の個数」は、例えば、連続する所定個数(例:スケルチ制御信号に設定されているビット数。CDCSS信号では23。)のビット期間の内で、「一致しているビット期間の個数」である。
【0066】
図13はスケルチ制御信号検出方法133のフローチャートである。S134では、スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する。
【0067】
S135では、スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲に対し、それらの中間の”無効”のレベル範囲を設定し、スケルチ用検波信号成分の信号レベルが”無効”のレベル範囲にある無効ビット期間を検出する。S136では、無効ビット期間の検出に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定する。
【0068】
スケルチ制御信号検出方法133及び次のスケルチ制御信号検出方法140(図14)の場合においても、スケルチ制御信号検出装置100,125の場合と同様に、スケルチ制御信号とは例えばCDCSSに係るスケルチ制御信号である。論理”1”及び論理”0”のレベル範囲は、前述の図3では、”無効”のレベル範囲に対してそれぞれ上側及び下側となっているが、逆であってもよいとする。
【0069】
スケルチ制御信号検出装置100の抽出手段101、無効ビット期間検出手段102及び判定手段103の具体的処理内容は、それぞれS134,S135,S136の具体的手順内容として適用可能である。スケルチ制御信号検出方法133において、ビット列生成手段107の処理内容に相当するステップを付加することも可能である。
【0070】
図14はスケルチ制御信号検出方法140のフローチャートである。S141では、スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する。
【0071】
S142では、スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲と、それらの中間の無効とのレベル範囲を設定し、各ビット期間のスケルチ用検波信号成分の信号レベルがどのレベル範囲にあるかを検出して、各ビット期間を”1”,”0”,”無効”のビット期間に識別する。S143では、”1”,”0”と識別したビット期間について、識別した論理値が待ち受けビット列の対応ビットの論理値と一致しているか否かを調べ、一致しているビット期間の検出に基づきスケルチ制御信号の有無を判定する。
【0072】
スケルチ制御信号検出装置125の抽出手段126、識別手段127及び判定手段128の具体的内容は、それぞれS141,S142,S143の具体的手順内容として適用可能である。
【0073】
本発明を最良の形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、最良の形態における各構成要素を変形して具体化できる。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、最良の形態に開示されている複数の構成要素を便宜、組み合わせて、追加したり、いくつかの構成要素を削除したりして、種々の発明を形成することができる。さらに、開示した複数の実施形態間で、所定の構成要素を選択し、それらを組み合わせても、種々の発明を形成することができる。
【符号の説明】
【0074】
100:スケルチ制御信号検出装置、101:抽出手段、102:無効ビット期間検出手段、103:判定手段、107:ビット列生成手段、110:エラービット認定手段、111:エラービット型判定手段、112:無効ビット型判定手段、113:シフトレジスタ、114:カウンタ、115:シフト制御手段、116:カウンタ制御手段、125:スケルチ制御信号検出装置、126:抽出手段、127:識別手段、128:判定手段、133:スケルチ制御信号検出方法、140:スケルチ制御信号検出方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する抽出手段、
前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲に対し、それらの中間の”無効”のレベル範囲を設定し、前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルが”無効”のレベル範囲にある無効ビット期間を検出する無効ビット期間検出手段、及び
前記無効ビット期間の検出に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定する判定手段、
を備えていることを特徴とするスケルチ制御信号検出装置。
【請求項2】
前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて一側及び他側の論理”1”及び論理”0”の2個のレベル範囲を設定し、各ビット期間における前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルが論理”1”,”0”のどちらのレベル範囲にあるかに基づき判定用ビット列を生成するビット列生成手段、及び
前記無効ビット期間の検出に加えて、さらに、前記判定用ビット列と待ち受けビット列との対比に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定する前記判定手段、
を備えていることを特徴とする請求項1 記載のスケルチ制御信号検出装置。
【請求項3】
前記無効ビット期間検出手段は、無効ビット期間であるか否かに基づき無効識別ビット列を生成するものであり、
前記判定手段は、
前記判定用ビット列の各ビットが、前記待ち受けビット列の対応ビットの値と異なる値であるか、又は無効識別ビット列の対応ビットが無効ビットであるかする場合、該ビットをエラービットと認定するエラービット認定手段、
エラービットの割合が第1の所定値未満である場合、所定スケルチ制御信号有りと判定するエラービット型判定手段、
を含むことを特徴とする請求項2記載のスケルチ制御信号検出装置。
【請求項4】
前記判定手段は、無効ビット型判定手段を含み、
前記無効ビット型判定手段は、無効識別ビット列における無効ビットの個数をカウントして、カウント数が第2の所定値以上である場合には、所定スケルチ制御信号無しと判定し、
前記エラービット認定手段及び前記エラービット型判定手段は、前記無効ビット型判定手段におけるカウント数が第2の所定値未満である場合に、それらの処理を行うことを特徴とする請求項3記載のスケルチ制御信号検出装置。
【請求項5】
前記無効ビット型判定手段は、
無効識別ビット列を保持するシフトレジスタ、
前記シフトレジスタにおける無効ビットに係るビット値の個数をカウント値とするカウンタ、
各ビット期間ごとに、該ビット期間の前記スケルチ用検波信号成分の振幅レベルが無効又は有効のどちらのレベル範囲にあるかを検出して、前記シフトレジスタの各ビット値をMSB方向へ1ビットシフトさせ、かつLSBには、検出した無効又は有効に対応するビット値をセットするシフト制御手段、
シフト制御手段が、前記シフトレジスタの各ビットの値をシフトさせるごとに、前記シフトレジスタのMSBからオーバフローするビット値とLSBにセットしたビット値とに基づいて前記カウンタをインクリメント又はデクリメントとするカウンタ制御手段、
を含むことを特徴とする請求項4記載のスケルチ制御信号検出装置。
【請求項6】
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出する抽出手段、
前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲と、それらの中間の無効とのレベル範囲を設定し、各ビット期間の前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルがどのレベル範囲にあるかを検出して、各ビット期間を”1”,”0”,”無効”のビット期間に識別する識別手段、及び
”1”,”0”と識別したビット期間について、識別した論理値が待ち受けビット列の対応ビットの論理値と一致しているか否かを調べ、一致しているビット期間の検出に基づきスケルチ制御信号の有無を判定する判定手段、
を備えていることを特徴とするスケルチ制御信号検出装置。
【請求項7】
前記スケルチ制御信号とは、CDCSSに係るスケルチ制御信号であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のスケルチ制御信号検出装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のスケルチ制御信号検出装置を装備することを特徴とする無線機。
【請求項9】
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出するステップ、
前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲に対し、それらの中間の”無効”のレベル範囲を設定し、前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルが”無効”のレベル範囲にある無効ビット期間を検出するステップ、及び
前記無効ビット期間の検出に基づき所定スケルチ制御信号の有無を判定するステップ、を備えていることを特徴とするスケルチ制御信号検出方法。
【請求項10】
スケルチ制御信号の周波数帯域としてオーディオ周波数帯域と区別されて設定されているスケルチ周波数帯域からスケルチ用検波信号成分を抽出するステップ、
前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルについて論理”1”及び論理”0”のレベル範囲と、それらの中間の無効とのレベル範囲を設定し、各ビット期間の前記スケルチ用検波信号成分の信号レベルがどのレベル範囲にあるかを検出して、各ビット期間を”1”,”0”,”無効”のビット期間に識別するステップ、及び
”1”,”0”と識別したビット期間について、識別した論理値が待ち受けビット列の対応ビットの論理値と一致しているか否かを調べ、一致しているビット期間の検出に基づきスケルチ制御信号の有無を判定する判定手段、
を備えていることを特徴とするスケルチ制御信号検出方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2011−176842(P2011−176842A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61715(P2011−61715)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【分割の表示】特願2006−40214(P2006−40214)の分割
【原出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】