説明

充電式フォークリフトの充電管理システム及び充電管理方法

【課題】急速充電可能なリチウムイオン電池(二次電池)を使用したとしても、充電設備の増強等、多大な費用負担を必要とせずに、日中の作業を支障なく行うことができる充電式フォークリフトの充電管理システムを提供する。
【解決手段】複数の作業サイクルC1〜C7によりフォークリフト1〜4の運転スケジュールを構成し、かつ該運転スケジュールの各作業サイクルC1〜C7を、二次電池の容量に対応した連続運転可能時間より少ない時間に設定された充電パターンB(B1〜B7)と、充電後に実施する運転パターンA(A1〜A7)とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急速充電可能なリチウムイオン電池(二次電池)に適用可能な充電式フォークリフトの充電管理システム及び充電管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
汎用の電気式フォークリフトの場合は、一般的な鉛電池を搭載しており、満充電には8時間ないしそれ以上の時間を要する。
そして、このような鉛電池は、満充電された後は、使い方の厳しさにもよるが、8時間程度を連続運用できる仕様のものが多い。また、電気式フォークリフトの駆動用電池は、鉛電池が殆ど全てであり、いわゆる急速充電できるものは殆どなく、急速充電ができたとしても、満充電には最低でも3〜4時間を要する。
なお、以下の説明において、「急速充電」に対する用語として、標準的な時間をかけた充電を「緩充電」と呼ぶことにする。
【0003】
しかしながら、このような鉛電池では、急速充電を繰り返すことにより、緩充電に比べて寿命(充電回数など)が短くなるという不具合がある。また一般的な鉛電池では、満充電ではなく、短時間の運用に必要な最小限の充電を行うとしても、運用時間と同じ程度のアイドルの充電時間を要してしまう。例えば、ニ次電池の残量がこれ以上使用することができない程の残量となった場合(但し、充電器まで戻るための走行に必要な電気量は残っているものとする)、あと少し、例えば1時間だけの運用と同程度の充電時間(つまり1時間の充電時間)が必要となって、ちょっとした継ぎ足し的な柔軟な対処が困難であった。
【0004】
また、鉛電池の場合、充電に伴って温度が上昇するため、車載して放電使用するに際して、常用温度となるまで自然冷却する必要があるが、その冷却時間は、前述したように充電時間と同程度とされる(仮に、1時間使用するために緩充電を1時間行ったら、充電1時間+自然冷却1時間=2時間はその電池は使えなくなると考えてよい)。フォークリフトでの運用なら、日中の8時間の運用(実稼働は7時間程度)を行うが、運用後、緩充電を8時間程行った後で、8時間自然冷却させる。その後、朝からその電池を再び8時間運用をすることで、24時間の充電及び運用サイクルとなり、その結果、1個の電池ではあくまで一直(例えば一日を3直で運用する場合の1/3)での運用に限定されることになる。
【0005】
なお、充電式フォークリフトに使用されるバッテリ又はその交換管理について、特許文献1〜3に示される技術が示されている。この中で、例えば、引用文献1に示されるフォークリフト用バッテリの充電システムでは、バッテリを充電するための充電器と、バッテリの引き出し操作を行ったことを検出して、その検出信号を出力する検出手段と、検出手段における検出信号に応答して、充電器を制御する制御手段とを含み、バッテリ引き出し検出信号の検出後の最初の1回の充電を均等充電として、バッテリダメージを低減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−118596号公報
【特許文献2】特開2004−266892号公報
【特許文献3】特開2004−32869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、鉛電池を用いたバッテリでは、日中8時間の稼働時間をフルに確保するために大容量の電池を搭載し、かつ上述した「充電+自然冷却」のためには多くの時間が必要となる。そして、このようなバッテリは、小型車(1ton級車)で使用されることが一般的であり、図3で示すようなサイクル/レートで充電される。
図3では、運転パターン(ア)に示すようにバッテリ車を8時から18時まで間欠的に使用し、その後、充電パターン(イ)に示すように、18時から2時まで8時間緩充電し(充電電流100A、受電電力5kW)、さらに2時から8時までの6時間、自然冷却した場合のサイクル/レートが示されている。
【0008】
そして、このような鉛電池を用いたバッテリでは、長時間の緩充電及び自然冷却が一般的であり、継ぎ足し充電、補充電といった間欠的な充電は困難である。また、フォークリフトの車上スペースが、ほとんど大容量の鉛電池で占められる構造上であるために、レイアウトやデザインが制約を受け、エンジンとの併用が困難であった。
【0009】
そこで、このような制約がある鉛電池ではなく、リチウムイオン電池等の急速充放電特性に優れたニ次電池を搭載することが考えられるようになった。
しかし、仮に在来の鉛電池搭載車と同じく、日中、連続8時間程度連続運用できる容量の二次電池を搭載して、実用的な短時間での急速充電を行おうとすると、その充電器は、非常に大きな充電電流を流す必要があり、充電器の実現性の問題(性能、コスト等)、さらに、充電器への受電電流も同様に大きくなる。もし、このような大きな充電電流を供給できる充電器の設置が可能であれば、リチウムイオン電池の特長(急速充電ができる、充電後の自然冷却が要らない)により、随時、短時間急速充電が可能となり、鉛電池のように1個で一直運用限定といった制約が無くなり、24時間で2直以上といった柔軟な運用が可能となる。
【0010】
しかし、大容量の充電器には大きな受電電流が必要とされるから、受電設備の増強、電力使用契約変更、基本料金増額などの問題がユーザーの負担となってくる。例として、首都圏であると最大50kWの受電量(電気量率)を超えると、契約電圧が220Vで済んだものが、6600V級に替えて変電設備をユーザーが持たなくてはならなくなる(実際、220Vで50kW以上を流そうとすると容量オーバーの懸念がある)。
このときの充電サイクル/レートを図4に示す。図4に示す充電サイクル/レートでは、運転パターン(ウ)に示すようにバッテリ車を8時から18時まで間欠的に使用し、その後、充電パターン(エ)で示すように、18時から18時15分までの15分間急速充電(充電電流1600A、受電電力80kW)した場合の例が示されているが、このような急速充電を行うとなると、前述したような充電設備の増強等、多大な費用負担を必要とするという問題が発生する。
【0011】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、急速充電可能なリチウムイオン電池(二次電池)を使用したとしても、充電設備の増強等、多大な費用負担を必要とせずに、日中の作業を支障なく行うことができる充電式フォークリフトの充電管理システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。すなわち、本発明は、バッテリ充電器にて急速充電可能な二次電池が搭載される充電式フォークリフトの充電管理システムであって、複数の作業サイクルにより充電式フォークリフトの運転スケジュールを構成するとともに、該運転スケジュールの各作業サイクルを、二次電池の満充電容量に対応した連続運転可能時間より少ない作業期間に設定された充電パターンにより構成し、あるいは、この充電パターンと、満充電容量に対応した充電パターンとの組み合わせにより構成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記システムは、運転スケジュール中のまだ実行されていない作業期間の直前の充電期間の長さを当該充電期間の直後の作業期間の運転期間の予想作業電力に基づいて決定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明では、前記各作業サイクルは、所定の運転期間と充電期間とに規定された前記運転パターンを基準に定められることを特徴とする。
【0015】
また、本発明では、日中の作業時間について、前記作業サイクルを基にして、前記充電パターンと運転パターンとを交互に繰り返すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の作業サイクルにより充電式フォークリフトの運転スケジュールを構成し、かつ該運転スケジュールの各作業サイクルを、二次電池の容量に対応した連続運転可能時間より少ない時間に設定された充電パターンと、パターンとから構成するようにした。
これにより、前記充電式フォークリフトに搭載するニ次電池は、運転スケジュールを構成している各作業サイクルの運転パターンの時間分だけを運用するだけの容量があれば十分で、結果としてニ次電池の小容量化を図ることができる。その結果、急速充電可能なリチウムイオン電池(二次電池)を使用したとしても、充電設備の増強等、多大な費用負担を必要とせずに、日中の作業を支障なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】充電式フォークリフトの充電管理システムの全体図である。
【図2】本発明の実施例に適用される作業スケジュールを示すタイムチャートである。
【図3】従来に係る作業スケジュールを示すタイムチャート(1)である。
【図4】従来に係る作業スケジュールを示すタイムチャート(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施例について図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施例に係る充電式フォークリフトの充電管理システムの全体図であって、フォークリフトを4台(図面に、フォークリフト1、フォークリフト2、フォークリフト3、フォークリフト4として示す)使用し、それぞれのフォークリフト1〜4には、二次電池として急速充電可能な小型のリチウムイオン電池1a〜4aが搭載されている。
【0019】
一方、これらフォークリフト1〜4の作業エリア内には、基地局10が設けられている。この基地局10には、フォークリフト1〜4の充電スケジュールである運転スケジュールを作成するための運転スケジュール作成部20、該運転スケジュール作成部20で作成された運転スケジュールに従ってフォークリフト1〜4に対して帰還命令/出発命令などを出力する管理部11、フォークリフト1〜4に装填されたリチウムイオン電池1a〜4aを充電するためのバッテリ充電器12、フォークリフト1〜4との間で帰還命令/出発命令に基づく通信を行う通信手段13、該運転スケジュール作成部20で作成した運転スケジュールを表示するための表示部14、各種データを入力するための入力手段15が設けられている。
【0020】
また、前記入力手段15では、例えば、各フォークリフト1〜4に搭載されるリチウムイオン電池1a〜4aの特性データ(定格容量、最短急速充電時間、充電電流値、受電電力値など)が入力され、このような入力手段15でのデータ入力に基づき、例えば、図2に示すような運転スケジュールが作成される。
なお、このような運転スケジュールは、各フォークリフト1〜4毎に複数作成されるが、ここでは1つの運転スケジュールについて説明する。
【0021】
図2に示すように運転スケジュールは、複数の運転期間A1〜A7により構成される運転パターンAと、複数の充電期間B1〜B7により構成される充電パターンBとから構成される。
運転パターンAの運転期間A1〜A7と、充電パターンBの充電期間B1〜B7とは交互に実施されるものであり、運転期間A1と充電期間B1とで第1の作業サイクルC1、運転期間A2と充電期間B2とで第2の作業サイクルC2、運転期間A3と充電期間B3とで第3の作業サイクルC3、運転期間A4と充電期間B4とで第4の作業サイクルC4、運転期間A5と充電期間B5とで第5の作業サイクルC5、運転期間A6と充電期間B6とで第6の作業サイクルC6が形成される。
【0022】
なお、本例では、リチウムイオン電池1a〜4aの特性に応じて、運転パターンAの運転期間A1〜A7をそれぞれ1時間に設定し、かつ充電パターンBの充電期間B1〜B7をそれぞれ15分に設定することで、各作業サイクルC1〜C7を1時間15分に定めている。すなわち、図2に示す運転スケジュールでは、12時前後の休憩(符号Dで示す)を挟んで、フィークリフト1〜4の1時間の運転と、15分の充電とを交互に繰り返す運転スケジュールが構築されている。
そして、このような運転スケジュールの作業サイクルC1〜C7に基づき、管理部11から通信手段13を介して、フォークリフト1〜4に対して帰還命令/出発命令などを出力し、フォークリフト1〜4の作業者に対する運転の指針とする。
【0023】
以下に、上記の運転スケジュールにおいて、各作業サイクルC1〜C7を1時間15分に定めた理由について説明する。
鉛電池では急速充電は困難であるが、リチウムイオン電池等の急速充放電型ニ次電池であると、短時間で充電ができる急速充電が可能となる。そして、上述したようなリチウムイオン電池を搭載した電気駆動式のフォークリフト1〜4であれば、電池の残量が少なくなって、これ以上使用が困難になった場合(ただし、充電場所までは行けるものとするが)、15分の急速充電であっても、充電後において1時間程度のまとまった使用が可能である。
【0024】
一般に、鉛電池では急速充電にした場合でも、15分の充電で使用時間はせいぜい同じ15分程度であり、非効率であり、それ以上の急速充電は電池を著しく劣化させるとともに、温度も上昇するため行えない。しかし、現状の高性能型のリチウムイオン電池であれば、15分の急速充電で1時間の運用が可能となり、15分程度の短時間であれば、貴重な日中の稼働時間帯中でも無駄時間として問題にならない。実際の現場では、連続1時間以上運用すると、オペレータは休憩を取るなどしており、その休憩時や、昼休み等に急速充電を行えば有効に時間を使うことができる。
【0025】
従って、上述したような、1時間連続運用、15分急速充電(昼休み等も有用である)といった作業サイクルC1〜C7での運用が可能であり、従来のように、1回の満充電では、1日フルの8時間程度の連続運用を考えないので、例えば、それを1時間を上限とした連続運用で考えれば(1時間おきの休憩、昼休み等に15分程度の急速充電をしつつサイクルユースする)、電池の搭載電気容量は、8時間連続運用の在来車の8分の1程度とすることができる。
すなわち、上述したリチウムイオン電池1a〜4aでは、急速充電を行っても電池容量総量が少ないので、充電に要する電流(電力)は少なく、8時間連続運用可能な大容量リチウムイオン電池のように、充電器の入力側電力の増加から来る受電設備の大型化の必要性が無く、設備投資等のユーザーの負担を無くすことができる。
【0026】
これに、加えて高性能なリチウムイオン電池では、同じ電気容量当りの体積、質量が、鉛電池と比で半分程度に減ずるので、フォークリフト1〜4の車体への電池搭載量は先の搭載量の低減と相まって格段に少なくなり、同じ荷役性能で、車両全体を小型化することができる。さらに軽量化もなされるので、重心位置の調整により一層の走行運動性の向上が図れ、小型化により機動性も向上し、車体内レイアウト性、そして外観デザイン性も向上する。
また、リチウムイオン電池1a〜4aの小型化により、内部スペースが狭隘なエンジン式フォークリフトと同一構造の車体を使えるようになり、部品の共通化、コスト削減に大きな効果がある。すなわち、本例では、8分の1程度の小容量の、リチウムイオン電池等の充放電特性が優れた電池とそれに応じた過大でない出力の急速充電設備を以上の考えに沿って応用することにより、現状の鉛電池を1日の日中分程度フルに搭載した在来車以上の良好な運用性、性能のフォークリフトを作ることができることになる。
【0027】
以上詳細に説明したように本実施例に示す充電管理システムによれば、複数の作業サイクルC1〜C7によりフォークリフト1〜4の運転スケジュールを構成し、かつ該運転スケジュールの各作業サイクルC1〜C7を、二次電池の容量に対応した連続運転可能時間より少ない時間に設定された充電パターンB(B1〜B7)と、充電後に実施する運転パターンA(A1〜A7)とから構成するようにした。
これにより、前記フォークリフト1〜4に搭載するニ次電池は、運転スケジュールを構成している各作業サイクルC1〜C7の運転パターンA(A1〜A7)の時間分だけを運用するだけの容量があれば十分で、結果としてニ次電池の小容量化を図ることができる。その結果、急速充電可能なリチウムイオン電池(二次電池)を使用したとしても、充電設備の増強等、多大な費用負担を必要とせずに、日中の作業を支障なく行うことができる。
【0028】
また、フォークリフト1〜4に急速充電可能なリチウムイオン電池(二次電池)を使用することにより以下の効果が奏される。
(1)本例では、最大でも15分程度の急速充電ができて、その時間の短さゆえ、運用現場では昼休み、休憩時間等の合間であればアイドル無しに1時間程度のまとまった単位分の充電、そして運用がすぐにでき、少ない電池にもかかわらず、従来以上の高い運動性、そして急速充電によるユーザーの受電設備負担増大なしに優れたクルマが実現できる。
(2)リチウムイオン電池1a〜4aサイズの小型化により、車両設計がし易くなり、車両デザイン性も良好にできる、小型・軽量化ができるのでさらに運動性や操車性が向上する。
(3)リチウムイオン電池の特長(急速充電ができる、充電後の自然冷却が要らない)により、随時、短時間急速充電でまとまった時間運用ができるので、鉛電池1個での1直運用限定のような制約がなく、24時間運用のような自由な運用が可能である。
【0029】
(4)電池の小型化により、保守・整備の際の手間が大いに軽減でき、ビジネスモデルとしての電池リース販売力、及び搭載するフォークリフトの商品力を向上させることができる。電池容量が小さくなる(本例では8分の1)ことで、リチウムイオン電池等の高性能電池では電池パックの体積、質量が現行の鉛電池式に比べ著しく減じられる。工夫次第では質量比で10分の1以下にもなる。リチウムイオン電池では、特にメインテナンスの必要性は少ないが、それでも保守・管理、そして、車両と別けての電池パックのリース等のビジネス運用を考えた場合、短時間運用・短時間急速充電式での電池の目立った小型軽量化は非常に有利となり、その方面でのビジネスの活性化に貢献できる。
(5)主に電池容量が小さくなることで、高価な高性能電池によるコスト高を抑えることができ、車両としての経済的な実現性を高められる。
【0030】
なお、上記実施例では、二次電池としてリチウムイオン電池以外にニッケル水素電池の使用も考えられる。しかし、リチウムイオン電池では、約9割以上の満充電を10〜15分以下程度で急速充電を行っても、充電に投じた電力が少なくとも90%以上は電池内のエネルギとして蓄電されるだけの充電効率(要するに充電効率90%以上)があり、このような高効率充電により異常な熱が出ず、充電式フォークリフト1〜4に使用するのに適している。
【0031】
また、フォークリフト1〜4に搭載したリチウムイオン電池1a〜4aでは、必要に応じて冷却するために強制空冷ファンを装備して良い。
【0032】
また、図1に示すフォークリフトの充電管理システムでは、リチウムイオン電池1a〜4aを充電するためのバッテリ充電器12が1台である場合、各フォークリフト1〜4において充電時間が一致しないように該充電時間をずらすようにしても良く、また、バッテリ充電器12を複数設けて自由な運転スケジュールを作成しても良い。
【0033】
また、上記実施例では、各作業サイクルC1〜C7における運転パターンAの運転期間A1〜A7を、それぞれ1時間を基準として定めたが、これら運転パターンAの運転期間A1〜A7及び充電パターンBの充電期間B1〜B7の時間は、リチウムイオン電池1a〜4aの定格容量を基にして適宜、変更される。
【0034】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、急速充電可能なリチウムイオン電池(二次電池)に適用可能な充電式フォークリフトの充電管理システムに関する。
【符号の説明】
【0036】
1〜4 フォークリフト
1a〜4a リチウムイオン電池(二次電池)
12 バッテリ充電器
20 運転スケジュール作成部
A 運転パターン
A1〜A7 運転期間
B 充電パターン
B1〜B7 充電期間
C1〜C7 作業サイクル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリ充電器にて急速充電可能な二次電池が搭載される充電式フォークリフトの充電管理システムであって、
複数の作業サイクルにより充電式フォークリフトの運転スケジュールを構成するとともに、該運転スケジュールの各作業サイクルを、二次電池の満充電容量に対応した連続運転可能時間より少ない作業期間の繰り返しに設定された充電パターンから構成することを特徴とする充電式フォークリフトの充電管理システム。
【請求項2】
前記システムは、運転スケジュール中のまだ実行されていない作業期間の直前の充電期間の長さを当該充電期間の直後の作業期間の運転期間の予想作業電力に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の充電式フォークリフトの充電管理システム。
【請求項3】
前記ニ次電池は、各作業サイクルの運転パターンにおける最長の作業期間の連続運転に必要な容量のリチウムイオン電池であることを特徴とする請求項1に記載の充電式フォークリフトの充電管理システム。
【請求項4】
前記各作業サイクルは、所定の運転期間と充電期間とからなる前記運転パターンを基準に定められることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の充電式フォークリフトの充電管理システム。
【請求項5】
日中の作業時間について、前記作業サイクルを基にして、前記充電パターンと運転パターンとを交互に実行する特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電式フォークリフトの充電管理システム。
【請求項6】
バッテリ充電器にて急速充電可能な二次電池が搭載される充電式フォークリフトの充電管理方法であって、
複数の作業サイクルにより充電式フォークリフトの運転スケジュールを構成するとともに、該運転スケジュールの各作業サイクルを、二次電池の満充電容量に対応した連続運転可能時間より少ない作業期間に設定された充電パターンと、満充電容量に対応した充電パターンとから構成することを特徴とする充電式フォークリフトの充電管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−176968(P2011−176968A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40037(P2010−40037)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】