説明

充電装置

【課題】電子メガネ20に内蔵された二次電池を簡易に充電できる充電装置10を提供することを目的とする。
【解決手段】二次電池を内蔵した電子メガネ20に対して電力を供給する充電装置10において、電子メガネ20に設けられた受電コイル27に対して非接触で電力を供給する送電コイル17と、電子メガネ20を所定位置に載置するための位置決め手段11、12を備え、送電コイル17は細長形状の第1のコア18に巻装され、受電コイル27は細長形状の第2のコア28に巻装されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池を内蔵した電子メガネに対して電力を供給する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電源が必要な電子メガネとして、電気的に焦点距離を可変させる電子メガネ、ディスプレイが内蔵された映像用電子メガネ、音楽プレーヤーが内蔵された電子メガネ、光透過率を可変する電子メガネ、左右のシャッターを開閉することにより左眼用の画像と右眼用の画像を交互に鑑賞し立体視を実現する液晶シャッターメガネなどがある。
【0003】
このような電子メガネは、電源ケーブルを接続せずケーブルレスで使用することが求められているため、一般的に電源として一次電池や二次電池が用いられる。電源として一次電池を用いた場合、電池の消耗による電池交換が必要となり、使用者にとって利便性が悪いという問題がある。そのため電子メガネには、繰り返し充電可能な二次電池を用いることが好ましい。
【0004】
電子メガネの電源として二次電池を用いる場合には、外部電源と接続するための金属端子が必要となる。二次電池を充電する際には充電装置と金属端子を接続する必要がある。この金属端子に汗などの水分やゴミなどが付着した場合、ショートしてしまう恐れがある。また、端子の劣化や接触不十分によって、充電できなくなる恐れがある。
【0005】
他方、電子カメラなどの電子機器においては、二次電池へ充電するための充電方式として、電磁誘導作用を利用して二次電池に電力供給を行う方式が提案されている。これにより、金属端子を用いずに二次電池へ充電することが可能となる。電磁誘導作用を利用して二次電池に電力供給を行うには、変動する磁界によって起電力を生じさせるための受電コイルが必要となる。そして、充電装置には変動する磁界を発生させるための送電コイルが設けられる。受電コイルには、薄型化や小型化を実現するためにフラット形状の平面コイルが用いられている。また、送電コイルは受電コイルと略同一径のものが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−052116号公報
【特許文献2】特開2003−125252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子メガネに内蔵された二次電池を充電するときには、充電装置と金属端子を接続する必要があり利用者にとって煩わしいものであった。また、スペースが少ない電子メガネに電磁誘導作用を利用して二次電池に電力供給を行う方式を適用しようとすると、平面コイルの直径を小さくする必要がある。しかし、この場合には受電コイルの受電能力が低下してしまう。
【0008】
本発明は以上の問題を考慮してなされたものであり、電子メガネに内蔵された二次電池を簡易に充電することができる充電装置を提供することを目的とする。また、受電コイルを備える電子メガネに対して、伝送電力が低下することなく、効率良く非接触で電力伝送を行うことができる充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこのような目的を達成するため、二次電池を内蔵した電子メガネに対して電力を供給する充電装置において、該電子メガネに設けられた受電コイルに対して非接触で電力を供給する送電コイルと、該電子メガネを所定位置に載置するための位置決め手段を備え、該送電コイルは第1のコアに巻装され、該受電コイルは第2のコアに巻装されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、電子メガネに内蔵された二次電池を簡易に充電することができる。また、受電コイルを備える電子メガネに対して、伝送電力が低下することなく、効率良く非接触で電力伝送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る充電装置に電子メガネを載置した状態の斜視図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る送電コイルと受電コイルの位置関係を示す図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る充電装置および電子メガネのブロック図
【図4】本発明の第1の実施形態に係る充電装置および電子メガネの回路図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る充電装置に電子メガネを載置した状態の斜視図
【図6】本発明の第2の実施形態に係る送電コイルと受電コイルの位置関係を示す図
【図7】本発明の第3の実施形態に係る充電装置の斜視図
【図8】本発明の第3の実施形態に係る充電装置のブロック図
【図9】本発明の第3の実施形態に係る充電装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る充電装置および電子メガネについて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る充電装置に電子メガネを載置した状態の斜視図である。本実施形態では、電子メガネの一例として3Dメガネを用いる。充電装置10には、3Dメガネ20が折り畳まれた状態で載置されている
【0013】
充電装置10は、テンプル支持部11と、フロント支持部12および変動する磁界を発生させるための送電コイル17を備えている。充電装置10に3Dメガネ20を載置したとき、3Dメガネ20はテンプル支持部11およびフロント支持部12によって所定の位置に安定して保持される。
【0014】
3Dメガネ20は、左右のテンプル21とフロント22から構成されている。フロント22は、左右のリム23と、ブリッジ24と、左右の鼻当て25および左右のシャッター26とを備えている。また、左右のリム23の内部にはそれぞれ受電コイル27が設けられている。各受電コイル27は、3Dメガネ20の中心(ブリッジ24)に対して対称の位置に配置されている。3Dメガネ20を充電装置10に載置したとき、受電コイル27と送電コイル17は電磁結合可能な状態になるようにそれぞれ配置される。
【0015】
図1に示すように、テンプル支持部11は溝状に形成されている。左右のテンプル21は、重ねられた状態で溝状のテンプル支持部11に支持される。この溝の側面や底面に沿って左右のテンプル21を支持することで、それぞれの面方向に対して位置決めを行うことができる。また、フロント支持部12は、左右の鼻当て25の形状に沿って垂直方向に隆起され、水平の一方向に突出した形状に形成されている。言い換えると、フロント支持部12は上方から下方に向かうにしたがって、水平方向に徐々に広がるように形成されている。左右の鼻当て25は、フロント支持部12の幅と左右の鼻当て25の間隔が等しくなる箇所でフロント支持部12により支持される。このような形状のフロント支持部12によって、垂直方向および左右の鼻当て25間の方向について位置決めを行うことができる。このように充電装置10は、テンプル支持部11とフロント支持部12により、3Dメガネ20を所定の位置に安定した状態で載置することができる。
【0016】
充電装置10はできるだけ小型化することが望ましい。図1に示すように、3Dメガネ20が折り畳まれ、左右のテンプル21が重ねられた状態で支持されるようにテンプル支持部11を構成する。また、フロント支持部12は、左右の鼻当て25もしくはブリッジ24やブリッジ24付近の左右のリム23を支持するように構成する。これにより、テンプル支持部11とフロント支持部12を近い場所に構成することができ、充電装置10を小型化することができる。このとき、受電コイル27は、鼻当て25に近接するリム23に配置することが好ましい。また、テンプル支持部11やフロント支持部12を中心にして3Dメガネ20が左右対称になるので、3Dメガネ20をバランス良く支持することができる。
【0017】
次に、本発明の第1の実施形態に係る送電コイル17と受電コイル27の構成について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る充電装置10に3Dメガネ20を載置したときの、送電コイル17と受電コイル27の位置関係を示す図である。
【0018】
まず、送電コイル17と受電コイル27の構成について説明する。送電コイル17は、磁性体からなる略平板状のコア18の外周に巻装されている。同様に、受電コイル27は、磁性体からなる略棒状のコア28の外周に巻装されている。
【0019】
次に、送電コイル17と受電コイル27の位置関係について説明する。3Dメガネ20が充電装置10に載置されたとき、送電コイル17と受電コイル27は、各コア18、28の長手方向が略平行に対向するようにそれぞれ配置される。送電コイル17から誘起された磁束30による電磁誘導によって、受電コイル27に誘導起電力が発生する。
【0020】
コア18、28の長手方向の断面形状は、細長い略長方形となるように形成する。長手方向に対して垂直方向の断面形状は、略長方形にしても良いし、略長円形になるようにしても良い。また、コア18、28として磁性シートを用いても良い。例えば、磁性シートにポリウレタン線を巻装し、送電コイル17や受電コイル27を形成しても良い。送電コイル17や受電コイル27を配置する場所によって、それぞれ棒状のコアや平板状のコアなどを適宜選択することができる。
【0021】
一方のコアとして、コアの長手方向に対して垂直方向の断面形状が長方形または長円形のコアを用いた場合、この断面の短辺ではなく長辺に対向する方向に他方のコアを配置する。これにより、長辺方向の位置ずれに対する効率低下を抑えることができる。
【0022】
3Dメガネ20は、その形状から受電コイル27を配置するスペースが限定されてしまう。そのため、受電コイル27として平面コイルを用いると直径を小さくしなければならず、受電能力が低下してしまう。上記のように送電コイル17と受電コイル27を構成することで、受電能力の低下を抑えることができる。また、本実施形態のように、送電コイル17と受電コイル27をそれぞれ略同一の長さの細長形状のコア18、コア28に巻装して構成することで、送受電間の効率低下を抑えることができる。
【0023】
また、電子メガネ20の左右のリム23には、プリント基板を内蔵できるスペースがない。そのため、この部分に電源回路や左右のシャッター26と左眼、右眼用の画像とを同期させるための制御回路、赤外線受光素子などを配置することができず、スペースを有効に利用することができなかった。受電コイル27を細長形状のコア28に巻装することで、左右のリム23に配置させることが可能となり、3Dメガネ20を小型化することができる。
【0024】
次に、本発明の第1の実施形態に係る充電装置10および3Dメガネ20の構成について説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る充電装置10および3Dメガネ20のブロック図である。充電装置10は、電源から電力供給される駆動回路40と送電コイル17を備える。3Dメガネ20は、電磁誘導作用により送電コイル17から電力を受電する受電コイル27と、受電コイル27に誘導される交流電力を整流する整流平滑回路41を備える。整流平滑回路41の出力は、充電制御回路を介して二次電池に供給される。
【0025】
各送電コイル17には、それぞれ別の駆動回路40が接続されている。各駆動回路40は、電源から供給されている直流電力Vinをそれぞれ交流電力に変換して、各送電コイル17に供給する。これにより、送電コイル17に誘導磁界を発生させ、この誘導磁界により受電コイル27と鎖交する磁束30が変化し、電磁誘導により受電コイル27に起電力が生じる。各整流平滑回路41は、各受電コイル27に発生した起電力をそれぞれ直流電力に変換する。各整流平滑回路41の出力端はそれぞれ接続されており、各整流平滑回路41の合成出力Voutは、充電制御回路を介して二次電池に供給される。
【0026】
次に、本発明の第1の実施形態に係る充電装置10および3Dメガネ20の具体的な回路構成について説明する。図4は、図3に示したブロック図の実施例の回路図である。駆動回路40として、自励式の発振回路を適用したものである。充電装置10は、送電コイル17に加えて、自励発振のための帰還用コイル42を備える。送電コイル17と帰還用コイル42は、互いに磁気的に結合している。帰還用コイル42は送電コイル17と同一のコア18に巻装することで、充電装置10の小型化を図ることができる。例えば、送電コイル17の内側に帰還用コイル42を巻装する。
【0027】
図4では、駆動回路40として、コレクタ同調形の自励式発振回路を用いたが、RCC共振型回路やコレクタ共振型などの自励発振回路を用いても良い。また、駆動回路40として、他励式のハーフブリッジ回路やフルブリッジ回路などを用いても良い。
【0028】
このように本実施形態によると、3Dメガネ20などの電子メガネを充電装置10に載置するだけで、電子メガネに内蔵された二次電池を簡易に充電することができる。また、受電コイル27を備える電子メガネに対して、伝送電力が低下することなく、非接触で電力伝送を行うことができる。
【0029】
本実施形態では、送電コイル17と受電コイル27を複数用いているが、本発明はそれに限らない。例えば、一つの受電コイル27に対して一つの送電コイル17で電力伝送しても良い。また、複数の受電コイル27に対して一つの送電コイル17で電力伝送しても良いし、一つの受電コイル27に対して複数の送電コイル17で電力伝送しても良い。複数の受電コイル27を用いる場合、3Dメガネ20の中心(ブリッジ24)に対して対称の位置に配置することで、左右の重量のバランスが悪くなるのを防ぐことができる。
【0030】
また、本実施形態では、フロント支持部12によって左右の鼻当て25を支持しているが、左右のリム23やブリッジ24を支持することにより位置合わせを行っても良い。 また、位置決め手段として、溝状に形成したテンプル支持部11および水平方向および垂直方向に隆起させたフロント支持部12を例示したが、位置決め手段はこれに限られない。例えば、溝状に形成したフロント支持部12によって、フロント22の少なくとも一部を支持する構成にしても良い。また、テンプル支持部11は溝状に形成する以外にも、U字状やV字状に切り欠き部のような構成にしても良い。また、3Dメガネ20が折り畳まれていない状態で充電装置10に載置するように、左右のテンプル21をそれぞれ保持するテンプル支持部11を複数設けても良い。
【0031】
また、受電コイル27は、3Dメガネ20の左右のリム23の内部に設ける構成としたが、本発明はそれに限らない。例えば、3Dメガネ20のブリッジ24やテンプル21の内部に受電コイル27を設けても良い。また、受電コイル27は、3Dメガネ20のどの場所に内蔵したとしても良い。3Dメガネ20が充電装置10の所定位置に載置されたとき、送電コイル17は受電コイル27と各コイルの長手方向が略平行になるように対向して配置される。
【0032】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る充電装置および電子メガネについて説明する。なお、第1の実施形態と同じ機能を有する部位には同じ符号を付し、説明は省略する。本実施形態は、第1の実施形態と送電コイルおよび受電コイルの構成、配置が異なる。
【0033】
図5は、本発明の第2の実施形態に係る充電装置10の斜視図である。充電装置10は送電コイル17’を備えており、送電コイル17’は磁性体からなる略円柱形状のコア18’に巻装されている。
【0034】
3Dメガネ20は受電コイル27’を備えており、受電コイル27’は、ブリッジ24の内部に設けられている。受電コイル27’は、磁性体からなる略円柱形状のコア28’に巻装されている。受電コイル27’は、ブリッジ24の略中央に配置されている。
【0035】
次に、送電コイル17’と受電コイル27’の位置関係について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態に係る充電装置10に3Dメガネ20を載置したときの、送電コイル17’と受電コイル27’の位置関係を示す図である。
【0036】
3Dメガネ20が充電装置10に載置されたとき、送電コイル17’と受電コイル27’は、それぞれの巻線軸が略一致するようにそれぞれ配置されている。送電コイル17’から誘起された磁束30による電磁誘導によって、受電コイル27’に誘導起電力が発生する。本実施形態のように、受電コイル27’をブリッジ24内に設けるときには、送電コイル17’ のコア18’と受電コイル27’のコア28’を対向させて配置することができる。受電コイル27’を複数用いない場合は、受電コイル27’をブリッジ24内に設けることで充電装置10に3Dメガネ20をバランス良く支持することができる。
【0037】
また本実施形態では、コア18’とコア28’を用いる代わりに、送電コイル17’と受電コイル27’が相対向する面の反対側の面の一方もしくは各々に磁性シートを貼り付けてもよい。磁性シートは、送電コイル17’および受電コイル27’の直径と同じ大きさかそれ以上のものを用いる。これにより、インダクション係数を高め、送電コイル17’と受電コイル27’間の磁気的結合を高めることができる。このような構成とすることで、受電コイル27’の直径を小さくしても、受電コイル27’の受電能力が低下するのを補うことができる。
【0038】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る充電装置について説明する。なお、第1の実施形態と同じ機能を有する部位には同じ符号を付し、説明は省略する。また、充電装置に載置される電子メガネの構成、動作は第1の実施形態と同じであるため、説明は省略する。
【0039】
図7は、本発明の第3の実施形態に係る充電装置10の斜視図である。充電装置10は、下部筐体50と上部筐体51とから構成されており、送電コイル17と、テンプル支持部11およびフロント支持部12は上部筐体51に設けられている。上部筐体51は下部筐体50に対して回転可能に連結されている。
【0040】
図7(b)は、図7(a)の上部筐体51を下部筐体50に対して90°回転させた状態を示す図である。上部筐体51は下部筐体50に対して、垂直方向を中心軸として水平方向に回転可能になっている。よって、下部筐体50を固定した状態で、フロント支持部12およびテンプル支持部11の向きを任意の方向に調整することができる。
【0041】
3Dメガネ20を充電装置10に載置するときには、充電装置10の向きに合わせて3Dメガネ20をセットしなければならなかった。充電装置10が電源ケーブルに接続されていたり、所定の場所に固定されている場合には、充電装置10の向きを変えることが難しい。そのため、充電装置10の向きによって、3Dメガネ20を充電装置10に載置するのが難しいという問題があった。上記のように、充電装置10の上部筐体51に3Dメガネ20の位置決め手段を設け、上部筐体51を下部筐体50に対して回転可能にする。これにより、使用者が充電装置10に対して、どの方向からでも3Dメガネ20を置き易くまたは取り易くすることができ、利便性を向上させることができる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施形態に係る充電装置10の構成について説明する。図8は、本発明の第3の実施形態に係る充電装置10のブロック図である。下部筐体50は、電源から電力供給される駆動回路40と送電コイル52を備える。上部筐体51は、電磁誘導作用により送電コイル52から電力を受電する受電コイル53と、受電コイル53に誘導される交流電力を整流する整流平滑回路41と、整流平滑回路41の出力が供給される駆動回路40と送電コイル17を備える。
【0043】
下部筐体50内の駆動回路40は、電源から供給されている直流電力Vinをそれぞれ交流電力に変換して、送電コイル52に供給する。これにより、送電コイル52に誘導磁界を発生させ、この誘導磁界により受電コイル53と鎖交する磁束30が変化し、電磁誘導により受電コイル53に起電力が生じる。整流平滑回路41は、受電コイル53に発生した起電力をそれぞれ直流電力に変換し、上部筐体51内の各駆動回路40に供給される。この各駆動回路40の出力は、それぞれ各送電コイル17に供給される。
【0044】
次に、本発明の第3の実施形態に係る送電コイル52と受電コイル53について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る充電装置10の断面図である。送電コイル52と受電コイル53には、それぞれ円形の平面コイルが用いられている。送電コイル52および受電コイル53の中心軸と、上部筐体51の回転軸は略一致するように配置されている。これにより、上部筐体51を回転させたときに送電コイル52と受電コイル53の中心軸がずれることがなく、送電コイル52と受電コイル53間の位置ずれによる効率の低下を防ぐことができる。このように、下部筐体50と下部筐体50に対して回転可能に支持されている上部筐体51との間は、平面コイル同士で非接触電力伝送を行う構成が適している。
【0045】
下部筐体50と上部筐体51の間の電気接続方法は、電極などの接点やケーブルを用いても良いが、このように、非接触で電力伝送することにより、下部筐体50と上部筐体51間の接触不良や回転による制約をなくすことができる。
【0046】
上述したように、充電装置10の上部筐体51を下部筐体50に対して回転可能に支持する構成とする。そして、下部筐体50と上部筐体51間および、上部筐体51と3Dメガネ20間の2箇所において、それぞれ非接触電力伝送回路を構成する。下部筐体50と上部筐体51間は、平面コイル同士で非接触電力伝送を行う。また、上部筐体51と3Dメガネ20間は、細長形状のコアに巻装したコイル同士で非接触電力伝送を行う。このように2段の非接触電力伝送回路を構成し、各段においてそれぞれ適した形状の送電コイル17、52と受電コイル27、53を用いて電力伝送を行う。
【0047】
これにより、3Dメガネ20を充電装置10に載置するだけで簡易に充電することができるだけでなく、3Dメガネ20を充電装置10に対して載置しやすくなり、利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0048】
10 充電装置
11 テンプル支持部
12 フロント支持部
17、27’ 送電コイル
18、18’ コア
20 3Dメガネ
21 テンプル
22 フロント
23 リム
24 ブリッジ
25 鼻当て
26 シャッター
27、27’ 受電コイル
28、28’ コア
30 磁束
40 駆動回路
41 整流平滑回路
42 帰還用コイル
50 下部筐体
51 上部筐体
52 送電コイル
53 受電コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を内蔵した電子メガネに対して電力を供給する充電装置において、
該電子メガネに設けられた受電コイルに対して非接触で電力を供給する送電コイルと、
該電子メガネを所定位置に載置するための位置決め手段を備え、
該送電コイルは第1のコアに巻装され、該受電コイルは第2のコアに巻装されていることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の充電装置において、前記位置決め手段は、前記電子メガネのテンプルを支持するテンプル支持部と、前記電子メガネのフロントを支持するフロント支持部からなることを特徴とする充電装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の充電装置において、前記第1のコアおよび前記第2のコアは細長形状であることを特徴とする充電装置。
【請求項4】
請求項3に記載の充電装置において、前記受電コイルは前記電子メガネのリムに内蔵されることを特徴とする充電装置。
【請求項5】
請求項3に記載の充電装置において、前記受電コイルは前記電子メガネのテンプルに内蔵されることを特徴とする充電装置。
【請求項6】
請求項3に記載の充電装置において、前記受電コイルは前記電子メガネのブリッジに内蔵されることを特徴とする充電装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載の充電装置において、前記第1のコアおよび前記第2のコアは略円柱形状であり、前記受電コイルは前記電子メガネのブリッジ部に内蔵されることを特徴とする充電装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の充電装置において、充電装置は上部筐体と下部筐体とを含み、該上部筐体は前記送電コイルと前記位置決め手段とを備え、該上部筐体は該下部筐体に対して回転可能に連結されることを特徴とする充電装置。
【請求項9】
請求項8に記載の充電装置において、前記下部筐体は第1の平面コイルを備え、前記上部筐体はさらに第1の平面コイルから非接触で電力伝送される第2の平面コイルと、該第2の平面コイルに発生する交流電力を整流する整流回路と、該整流回路の出力電圧を交流電力に変換し前記送電コイルに供給するための駆動回路とを備えることを特徴とする充電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−5189(P2012−5189A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135691(P2010−135691)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000003089)東光株式会社 (243)
【Fターム(参考)】