説明

充電設備及び充電システム

【課題】電気自動車の充電完了後における無駄な電力消費を抑制する。
【解決手段】制御部2は、計測部6の計測結果から電気自動車100の充電完了を判断し、開閉部5を制御して給電路を開成させる。そして、開閉部5によって給電路が開成されると、電気自動車100と商用交流電源200とが完全に切り離されるため、充電スタンド1から電気自動車100に待機電流が流れたり、電気自動車100の蓄電池から充電スタンド1の方へ自然放電されることがなくなる。その結果、電気自動車100の充電完了後における無駄な電力消費を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車に搭載された蓄電池を充電するための充電設備及び充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の充電設備(充電システム)として、特許文献1に記載されている充電装置がある。この従来例は、電気自動車との間でデータ通信を行い、電気自動車からデータ通信で指示される充電停止命令に応じて充電を停止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−343202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の従来例では、電気自動車からの指示に応じて充電を停止するため、データ通信の機能を有しない電気自動車に充電する場合においては、蓄電池の充電が終了しても給電を停止しない。そのため、充電設備から電気自動車に待機電流が流れたり、蓄電池から充電設備の方へ自然放電されてしまうことで間欠的に充電が繰り返されるため、無駄な電力消費が増えてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、電気自動車の充電完了後における無駄な電力消費を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の充電設備は、電源から電気自動車に供給される電気量を計測する計測手段と、当該計測手段の計測結果から前記電気自動車の充電完了を判断して前記電源から前記電気自動車への給電を停止させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
この充電設備において、前記電源から前記電気自動車に供給される電流及び電圧を制御する充電制御手段を備えることが好ましい。
【0008】
本発明の充電システムは、電源から電気自動車に供給される電流及び電圧を制御する充電制御装置と、前記電源から前記電気自動車に供給される電気量を計測する計測装置と、当該計測装置の計測結果から前記電気自動車の充電完了を判断して前記電源から前記電気自動車への給電を停止させる制御装置とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の充電設備及び充電システムは、電気自動車の充電完了後における無駄な電力消費を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る充電設備(充電スタンド)の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上を示し、(a)は正面図、(b)は扉を開いた状態の一部省略した斜視図、(c)は扉を閉じた状態の一部省略した斜視図である。
【図3】同上における充電制御部の充電特性を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本実施形態の充電設備(充電スタンド)1は、図1に示すように制御部2、コンセント3、充電制御部4、開閉部5、計測部6などを備えている。コンセント3は、充電ケーブル101の先端に設けられている電源プラグ102が挿抜自在に接続される。この充電ケーブル101は電気自動車100と接続されており、充電スタンド1のコンセント3を介して給電される直流電力により、電気自動車100に搭載されている蓄電池(図示せず)が充電される。但し、コンセントがなく、充電ケーブル101が充電制御部4に直付けされていても構わない。
【0012】
充電制御部4は、商用交流電源200から供給される交流電力を直流電力に変換する電力変換回路(AC/DCコンバータ)、電力変換回路の出力電流(充電電流)や出力電圧(充電電圧)を制御する制御回路などを具備している。開閉部5は、商用交流電源200からコンセント3(充電制御部4)への給電路に挿入された電磁リレーからなり、制御部2に制御されて前記給電路を開閉する。計測部6は、コンセント3を通じて電気自動車100に供給される電流(充電電流)及び電圧(充電電圧)をそれぞれ所定の周期で計測するとともに計測結果(充電電流値及び充電電圧値)を制御部2へ出力している。制御部2は、マイクロコントローラやメモリなどで構成され、メモリに格納されているプログラムがマイクロコントローラで実行されることにより、後述する種々の機能を実現している。
【0013】
図2(a)は、本実施形態の充電スタンド1の外観図(正面図)を示している。充電スタンド1は、1乃至複数(図示例では1つ)のコンセントユニット11と、コンセントユニット11が収納されるスタンド本体10とを有し、例えば、集合住宅の駐車場などに設置される。スタンド本体10は、図2(a)に示すように金属板により角筒状に形成され、長手方向が上下方向となるように地面に立設される。コンセントユニット11は、前面が開口する箱状に形成されたユニット本体12と、ユニット本体12の開口を開閉自在に塞ぐ扉13とで外郭が構成されている。そして、スタンド本体10には前方に開放された複数のユニット収納部(図示せず)が縦方向に並設されており、図示例では、最上段のユニット収納部のみにコンセントユニット11が収納され、残りのユニット収納部はカバー14で塞がれている。
【0014】
ユニット本体12内にコンセント3の差込口(図示せず)が配置されており、図2(b)に示すように扉13が開いた状態で充電ケーブル101の電源プラグ102が挿抜可能となっている。また、扉13の開放端側の下部に切り欠き13Aが設けられており、図2(c)に示すように電源プラグ102がコンセント3に接続された状態であっても、切り欠き13Aを通して充電ケーブル102が外に引き出されるために扉13が閉じられるようになっている。なお、図示は省略するが、扉13には制御部2によって施解錠が制御される電気錠が設けられ、扉13が閉じた状態で施錠されるようになっている。
【0015】
図3は、充電制御部4による充電特性(充電電流特性I及び充電電圧特性V)を示している。充電制御部4は、図3に示すように充電開始からしばらくの間は充電電流を一定値I1に制御(調整)し、充電電圧(電池電圧)が所定値(定格値)V1になれば、充電電流を徐々に減少させ、充電電流を減少させ始めてから所定時間T1が経過した時点以降、充電電流を一定値I2に制御(調整)する。
【0016】
一方、制御部2は、計測部6の計測結果から電気自動車100の充電完了を判断し、開閉部5を制御して給電路を開成させる。そして、開閉部5によって給電路が開成されると、電気自動車100と商用交流電源200とが完全に切り離されるため、充電スタンド1から電気自動車100に待機電流が流れたり、電気自動車100の蓄電池から充電スタンド1の方へ自然放電されることがなくなる。その結果、電気自動車100の充電完了後における無駄な電力消費を抑制することができる。但し、商用交流電源200から電気自動車100への給電を停止する手段は必ずしも開閉部5である必要は無く、例えば、充電制御部4が充電を行わないことで商用交流電源200から電気自動車100への給電を停止することも可能である。
【0017】
なお、制御部2が計測部6の計測結果から電気自動車100の充電完了を判断する方法としては、例えば、計測部6で計測される電流値が一定値I2となったときに充電完了と判断すればよい。あるいは、計測部6で計測される電流値が一定値I1から減少し始めた時点から所定時間T1が経過したときに、制御部2が充電完了と判断してもよい。または、計測部6で計測される電圧値が所定値V1になってから所定時間が経過したときに、制御部2が充電完了と判断してもよい。若しくは、充電制御部4が充電を開始する前に電気自動車100の蓄電池の開放電圧を計測部6で計測し、制御部2において、当該開放電圧の電圧値から蓄電池の残量を推定するとともに当該残量から充電に要する時間(充電時間)を推定し、充電開始から前記充電時間が経過したときに充電完了と判断してもよい。
【0018】
ところで、本実施形態では計測手段(計測部6)、充電制御手段(充電制御部4)、制御手段(制御部2)を備えた充電設備(充電スタンド1)を例示したが、例えば、充電制御装置、計測装置、制御装置からなる充電システムとしても構わない。但し、充電制御装置、計測装置、制御装置は、それぞれ上述した充電制御部4、計測部6、制御部2と同等の機能を有するものであるから、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0019】
1 充電スタンド(充電設備)
2 制御部(制御手段)
3 コンセント
4 充電制御部(充電制御手段)
6 計測部(計測手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から電気自動車に供給される電気量を計測する計測手段と、当該計測手段の計測結果から前記電気自動車の充電完了を判断して前記電源から前記電気自動車への給電を停止させる制御手段とを備えることを特徴とする充電設備。
【請求項2】
前記電源から前記電気自動車に供給される電流及び電圧を制御する充電制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の充電設備。
【請求項3】
電源から電気自動車に供給される電流及び電圧を制御する充電制御装置と、前記電源から前記電気自動車に供給される電気量を計測する計測装置と、当該計測装置の計測結果から前記電気自動車の充電完了を判断して前記電源から前記電気自動車への給電を停止させる制御装置とを備えることを特徴とする充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−60736(P2012−60736A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199981(P2010−199981)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】