説明

光スイッチの光出力安定化方法および装置

【課題】 出力光強度安定化動作中に、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、フィードバック制御の誤動作による出力光強度の変動を防ぐ。
【解決手段】 光スイッチの各出力ポートにおける出力光強度を測定し、各出力光強度に応じて各光ビームの経路にある複数のミラーの角度調整を行い、各出力ポートの出力光強度を安定化する光スイッチの光出力安定化装置において、各出力ポートの出力光強度を測定し、複数のミラーの角度調整により各出力ポートの出力光強度を安定化する出力光強度安定化動作中に、その出力光強度の周期的な変動を表す出力光強度変動周波数を測定し、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、出力光強度安定化動作を停止する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の入出力ポート間で、任意の入力ポートから入力した光ビームを複数のMEMS(Micro Electric Mechanical System) ミラーによって連続的に反射させ、任意の出力ポートに出力する光スイッチにおいて、光ビームの出力経路を決める複数のMEMSミラーの角度制御を行い、出力ポートにおける出力光強度を安定化する光スイッチの光出力安定化方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、光スイッチの構成例を示す。図7において、光スイッチは、複数のコリメータを2次元に配置した2つのコリメータアレイ1,2と、複数のミラーを2次元に配置した2つのMEMSミラーアレイ3,4を組み合わせた構成である。なお、入力側のコリメータアレイ1には、各コリメータ(入力ポート)に対応させて複数の光ファイバを2次元に配置した入力光ファイバアレイが接続され、出力側のコリメータアレイ2には、各コリメータ(出力ポート)に対応させて複数の光ファイバを2次元に配置した出力光ファイバアレイが接続される。また、各ミラーはMEMS技術によりその角度が制御され、2つのMEMSミラーアレイ3,4で反射させるミラーの組み合わせによって任意の入出力光ファイバ間の接続(出力経路の切り替え)が可能になっている。
【0003】
ここで、入出力光ファイバ間の接続を行うための光スイッチの調整として、出力ポートごとに最適な出力光強度が得られるように、各ミラーの角度を調整する必要がある。従来の調整方法としては、光スイッチの各出力ポートの出力光強度を検出し、出力光強度が最適になるように各ミラーの角度調整を行う方法がある(特許文献1)。例えば、微分駆動法では、位置調整対象であるミラーを微小駆動(回転)させたときのミラー駆動(回転)量と駆動位置における光ビーム強度とから光強度微分値を求め、この光強度微分値と所定のステップ量とから次の移動目標位置を算出し、その目標位置に順次ミラーを移動させることによりミラーを最適位置に調整する。また、円駆動法では、ミラーから反射した光ビームが円環状の軌跡を描くようにミラーを円駆動させ、円駆動中の任意の角度における光ビーム強度を検出し、その中で最大の光ビーム強度を検出した角度を算出し、その角度にミラーを調整する手順を順次繰り返して光ビームが最大になる位置にミラーを調整する。
【特許文献1】特開2004−271977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光スイッチの各出力ポートの出力光強度を測定し、複数のミラーの角度調整により各出力ポートの出力光強度を安定化する出力光強度安定化動作中に、例えば入力信号光の光強度が何らかの理由により変動していたり、光スイッチの各ミラーが外部要因あるいは故障などにより振動すると、測定している出力光強度が周期的に変動することがある。この出力光強度の変動が、フィードバック制御の誤動作を引き起こす周期になると出力光強度安定化動作が不安定になり、出力光強度が安定しない問題がある。本明細書では、この出力光強度が周期的に変動する周波数を「出力光強度変動周波数」という。
【0005】
本発明は、出力光強度安定化動作中に、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、フィードバック制御の誤動作による出力光強度の変動を防ぐことができる光スイッチの光出力安定化方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、複数の入出力ポート間で、任意の入力ポートから入力した光ビームを複数のミラーによって連続的に反射させ、任意の出力ポートに出力する光スイッチに適用され、各出力ポートにおける出力光強度を測定し、各出力光強度に応じて各光ビームの経路にある複数のミラーの角度調整を行い、各出力ポートの出力光強度を安定化する光スイッチの光出力安定化装置において、各出力ポートの出力光強度を測定し、複数のミラーの角度調整により各出力ポートの出力光強度を安定化する出力光強度安定化動作中に、その出力光強度の周期的な変動を表す出力光強度変動周波数を測定し、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、出力光強度安定化動作を停止する構成である。
【0007】
第1の発明の光スイッチの光出力安定化装置は、出力光強度安定化動作を停止した後に出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が正常値の範囲になったときに出力光強度安定化動作を再開する機能を含むようにしてもよい。
【0008】
また、第1の発明の光スイッチの光出力安定化装置は、光スイッチに入力する信号光の波長と異なる波長を有し、かつ光強度が一定の制御光を出力する制御光用光源と、制御光を光スイッチの各入力ポートに結合する手段とを備え、出力光強度安定化動作を停止した後に制御光用光源を駆動して制御光を光スイッチに入力する制御を行うとともに、光スイッチの出力ポートにおける制御光の出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が異常値であれば出力光強度安定化動作を停止したままとし、その出力光強度変動周波数が正常値の範囲であれば、制御光用光源を停止するとともに出力光強度安定化動作の動作周期を変更して出力光強度安定化動作を再開する機能を含むようにしてもよい。
【0009】
第2の発明は、複数の入出力ポート間で、任意の入力ポートから入力した光ビームを複数のミラーによって連続的に反射させ、任意の出力ポートに出力する光スイッチに適用され、各出力ポートにおける出力光強度を測定し、各出力光強度に応じて各光ビームの経路にある複数のミラーの角度調整を行い、各出力ポートの出力光強度を安定化する光スイッチの光出力安定化方法において、各出力ポートの出力光強度を測定し、複数のミラーの角度調整により各出力ポートの出力光強度を安定化する出力光強度安定化動作中に、その出力光強度の周期的な変動を表す出力光強度変動周波数を測定し、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、出力光強度安定化動作を停止する処理を行う。
【0010】
第2の発明の光スイッチの光出力安定化方法は、出力光強度安定化動作を停止した後に出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が正常値の範囲になったときに出力光強度安定化動作を再開する処理を行うようにしてもよい。
【0011】
また、第2の発明の光スイッチの光出力安定化方法は、光スイッチに入力する信号光の波長と異なる波長を有し、かつ光強度が一定の制御光を出力する制御光用光源と、制御光を光スイッチの各入力ポートに結合する手段を用い、出力光強度安定化動作を停止した後に制御光用光源を駆動して制御光を光スイッチに入力する制御を行うとともに、光スイッチの出力ポートにおける制御光の出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が異常値であれば出力光強度安定化動作を停止したままとし、その出力光強度変動周波数が正常値の範囲であれば、制御光用光源を停止するとともに出力光強度安定化動作の動作周期を変更して出力光強度安定化動作を再開する処理を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、出力光強度安定化動作中に、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、まず出力光強度安定化動作を停止する。これにより、過剰な出力光強度の変動を抑圧することができる。
【0013】
また、出力光強度安定化動作の停止後に出力光強度が一定の制御光を光スイッチに入力し、その出力光強度変動周波数を測定してそれが正常値か異常値かを判別することにより、入力信号光に対する出力光強度変動周波数が異常値を示す異常要因が入力信号光強度の変動にあるのか、光スイッチ内で発生しているのかを切り分けることができる。異常要因が入力信号光強度の変動にある場合には、出力光強度安定化動作の動作周期を変更して出力光強度安定化動作を再開することにより、正常な出力光強度安定化動作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の光出力安定化装置の第1の実施形態の構成例を示す。
図1において、m本(mは2以上の整数)の光ファイバ伝送路からそれぞれ波長多重光信号S1〜Smが入力され、波長分波器11−1〜11−mでそれぞれ各波長の光信号に分波して光スイッチ10の各入力ポートに入力される。光スイッチ10は、光スイッチ制御回路13の制御により入出力ポート間で光信号をクロスコネクトする。光スイッチ10の出力ポートから出力される各波長のm組の光信号は、それぞれ対応する波長合波器12−1〜12−mで合波され、波長多重光信号S1〜Smが各光ファイバ伝送路にそれぞれ出力される。
【0015】
出力光強度検出器15は、光スイッチ10の各出力ポートに接続される光カプラ14を介して分岐した光信号を入力し、各出力ポートの出力光強度を検出する。光出力安定化装置16は、各出力ポートにおける出力光強度が安定するように光スイッチ10の対応するミラーの角度調整を行う制御信号を生成する。光スイッチ制御回路13は、この制御信号に基づいて光スイッチ10の対応するミラーの角度調整を行う。光出力安定化装置16は、以上の出力光強度安定化動作を繰り返すことにより、各出力ポートの出力光強度が安定する。なお、光スイッチ10でクロスコネクトされる波長と入出力ポートの対応関係が既知であれば、出力光強度検出器15は波長合波器12−1〜12−mの出力側から分岐した波長多重光信号を入力し、選択した波長の光強度を測定し、対応する入出力ポート間の出力光強度安定化動作を行う構成としてもよい。本実施形態の光出力安定化装置16は、このような出力光強度安定化動作中に出力光強度変動周波数を検出して対応する制御を行うことを特徴とする。
【0016】
図2は、本発明の光出力安定化装置16の第1の実施形態の処理手順を示す。
図2において、光出力安定化装置16は、制御対象の出力ポートに対応する出力強度検出器15で検出される出力光強度を入力し、その出力光強度が安定するように光スイッチ10の対応するミラーの角度調整を行う制御信号を生成し、光スイッチ制御装置13に出力する出力光強度安定化動作を行う(S1)。この出力光強度安定化動作は、出力光強度が所定の範囲に安定化するまで所定の周期で繰り返し行われるが、その間に出力光強度変動周波数を測定し(S2)、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を逸脱し、安定化制御が困難な異常値であるか否かを判断する(S3)。
【0017】
ここで、出力光強度変動周波数が異常値を示す場合には出力光強度安定化動作を停止する(S4)。そして、出力光強度変動周波数の測定に戻り(S2)、出力光強度変動周波数が安定化制御可能な正常値の範囲に戻るまで出力光強度変動周波数の測定を繰り返す。出力光強度安定化動作を停止することにより出力光強度の変動が収まり、出力光強度変動周波数が安定化制御可能な正常値の範囲に戻った場合には、出力光強度安定化動作を再開する(S3,S1)。
【0018】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の光出力安定化装置の第2の実施形態の構成例を示す。本実施形態は、第1の実施形態の構成において、出力光強度変動周波数が異常値を示す要因が入力信号光強度の変動にあるのか、光スイッチ内で発生しているのかを切り分けるために、出力光強度安定化動作の停止中に入力信号光の波長と異なる波長の制御光を光スイッチに入力し、制御光の出力光強度をモニタするようにしたものである。
【0019】
図3において、光スイッチ10の各入力ポートに入力信号光と合波して制御光を入力する波長合波器21と、入力ポート数に対応する制御光用光源22を備える。光出力安定化装置16は、制御対象となる入力ポートに対応する制御光用光源22を駆動し、出力される制御光を波長合波器21を介して光スイッチ10の当該入力ポートに入力する構成とする。また、光スイッチ10の各出力ポートの出力光強度を検出する出力光強度検出器15は、入力信号光と制御光の各光強度を個別に検出可能な構成とし、光出力安定化装置16は入力信号光と制御光の各光強度を選択的に入力する構成とする。例えば、出力光強度検出器15に入力信号光と制御光を分波する分波器または可変フィルタを備え、それぞれの出力光強度を個別に検出する。
【0020】
図4は、本発明の光出力安定化装置16の第2の実施形態の処理手順を示す。
図4において、光出力安定化装置16は、制御対象の出力ポートに対応する出力強度検出器15で検出される出力光強度を入力し、その出力光強度が安定するように光スイッチ10の対応するミラーの角度調整を行う制御信号を生成し、光スイッチ制御装置13に出力する出力光強度安定化動作を行う(S1)。この出力光強度安定化動作は、出力光強度が所定の範囲に安定化するまで所定の周期で繰り返し行われるが、その間に出力光強度変動周波数を測定し(S2)、出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を逸脱し、安定化制御が困難な異常値であるか否かを判断する(S3)。以上の動作中は制御光はオフとなっている。
【0021】
ここで、出力光強度変動周波数が異常値を示す場合には出力光強度安定化動作を停止する(S4)。光スイッチ10の各ミラーは動作停止時の角度に固定される。そして、制御対象となる入力ポートに対応する制御光用光源22を起動して制御光をオンとし、当該入力ポートから制御光を入力する(S5)。次に、出力光強度検出器15で検出される制御光の出力光強度を入力して制御光の出力光強度変動周波数を測定し(S6)、出力光強度変動周波数が安定化制御困難な異常値であるか否かを判断する(S7)。
【0022】
ここで、制御光の出力光強度変動周波数が異常値を示す場合には、光スイッチ10の内部に異常要因があることが分かるので、そのまま出力光強度変動周波数の測定を繰り返しなから待機する。一方、制御光の出力光強度変動周波数が正常値を示せば、入力信号光に異常要因があることが分かるので、当該制御光用光源22を停止して制御光をオフとし(S8)、出力光強度安定化動作の動作周期を変更して出力光強度安定化動作を再開する(S9,S1)。入力信号光に異常要因がある場合には、出力光強度安定化動作の動作周期を変更することにより、出力光強度の変動周波数が制御可能な範囲に収まり、出力光強度安定化動作が正常に機能することになる。
【0023】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の光出力安定化装置の第3の実施形態の構成例を示す。本実施形態は、第2の実施形態の構成において、光スイッチ10でクロスコネクトされる波長と入出力ポートの対応関係が既知であることを前提に、波長可変の制御光を波長分波器11−1〜11−mの入力側から入力し、波長合波器12−1〜12−mの出力側から分岐した波長多重光信号を出力光強度検出器15に入力し、入力信号光または制御光の光強度をモニタする構成としたものである。ただし、波長分波器11−1〜11−mおよび波長合波器12−1〜12−mとして、例えば合分波波長に周回性のあるアレイ導波路回折格子フィルタ(AWG)を用い、その波長周期だけ離れた波長を入力信号光および制御光に割り当てるようにする。
【0024】
制御光用光源22として波長可変光源を用い、光出力安定化装置16は制御対象の入出力ポートに対応した波長の制御光を出力するように制御し、出力光強度検出器15は選択した波長の光強度を測定し、対応する入出力ポート間の出力光強度安定化動作を行う構成とする。
【0025】
(第4の実施形態)
図6は、本発明の光出力安定化装置の第4の実施形態の構成例を示す。本実施形態は、第3の実施形態の構成において、制御光用光源22を1つとし、1×mスイッチ23を用いて制御光を入力する入力ポートを選択する構成としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の光出力安定化装置の第1の実施形態の構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態における光出力安定化装置16の処理手順を示すフローチャート。
【図3】本発明の光出力安定化装置の第2の実施形態の構成例を示す図。
【図4】第2の実施形態における光出力安定化装置16の処理手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の光出力安定化装置の第3の実施形態の構成例を示す図。
【図6】本発明の光出力安定化装置の第4の実施形態の構成例を示す図。
【図7】光スイッチの構成例を示す図。
【符号の説明】
【0027】
10 光スイッチ
11 波長分波器
12 波長合波器
13 光スイッチ制御回路
14 光カプラ
15 出力光強度検出器
16 光出力安定化装置
21 波長合波器
22 制御光用光源
23 1×mスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入出力ポート間で、任意の入力ポートから入力した光ビームを複数のミラーによって連続的に反射させ、任意の出力ポートに出力する光スイッチに適用され、各出力ポートにおける出力光強度を測定し、各出力光強度に応じて各光ビームの経路にある複数のミラーの角度調整を行い、各出力ポートの出力光強度を安定化する光スイッチの光出力安定化装置において、
前記各出力ポートの出力光強度を測定し、前記複数のミラーの角度調整により各出力ポートの出力光強度を安定化する出力光強度安定化動作中に、その出力光強度の周期的な変動を表す前記出力光強度変動周波数を測定し、前記出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、出力光強度安定化動作を停止する構成である
ことを特徴とする光スイッチの光出力安定化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光スイッチの光出力安定化装置において、
前記出力光強度安定化動作を停止した後に前記出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が前記正常値の範囲になったときに前記出力光強度安定化動作を再開する機能を含む
ことを特徴とする光スイッチの光出力安定化装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光スイッチの光出力安定化装置において、
前記光スイッチに入力する信号光の波長と異なる波長を有し、かつ光強度が一定の制御光を出力する制御光用光源と、前記制御光を前記光スイッチの各入力ポートに結合する手段とを備え、
前記出力光強度安定化動作を停止した後に前記制御光用光源を駆動して前記制御光を前記光スイッチに入力する制御を行うとともに、前記光スイッチの出力ポートにおける前記制御光の出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が前記異常値であれば前記出力光強度安定化動作を停止したままとし、その出力光強度変動周波数が正常値の範囲であれば、前記制御光用光源を停止するとともに前記出力光強度安定化動作の動作周期を変更して前記出力光強度安定化動作を再開する機能を含む
ことを特徴とする光スイッチの光出力安定化装置。
【請求項4】
複数の入出力ポート間で、任意の入力ポートから入力した光ビームを複数のミラーによって連続的に反射させ、任意の出力ポートに出力する光スイッチに適用され、各出力ポートにおける出力光強度を測定し、各出力光強度に応じて各光ビームの経路にある複数のミラーの角度調整を行い、各出力ポートの出力光強度を安定化する光スイッチの光出力安定化方法において、
前記各出力ポートの出力光強度を測定し、前記複数のミラーの角度調整により各出力ポートの出力光強度を安定化する出力光強度安定化動作中に、その出力光強度の周期的な変動を表す前記出力光強度変動周波数を測定し、前記出力光強度変動周波数が出力光強度安定化動作に伴う正常値の範囲を超える異常値を示したときに、出力光強度安定化動作を停止する処理を行う
ことを特徴とする光スイッチの光出力安定化方法。
【請求項5】
請求項4に記載の光スイッチの光出力安定化方法において、
前記出力光強度安定化動作を停止した後に前記出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が前記正常値の範囲になったときに前記出力光強度安定化動作を再開する処理を行う
ことを特徴とする光スイッチの光出力安定化方法。
【請求項6】
請求項4に記載の光スイッチの光出力安定化方法において、
前記光スイッチに入力する信号光の波長と異なる波長を有し、かつ光強度が一定の制御光を出力する制御光用光源と、前記制御光を前記光スイッチの各入力ポートに結合する手段を用い、
前記出力光強度安定化動作を停止した後に前記制御光用光源を駆動して前記制御光を前記光スイッチに入力する制御を行うとともに、前記光スイッチの出力ポートにおける前記制御光の出力光強度変動周波数を測定し、その出力光強度変動周波数が前記異常値であれば前記出力光強度安定化動作を停止したままとし、その出力光強度変動周波数が正常値の範囲であれば、前記制御光用光源を停止するとともに前記出力光強度安定化動作の動作周期を変更して前記出力光強度安定化動作を再開する処理を行う
ことを特徴とする光スイッチの光出力安定化方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−145740(P2008−145740A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333120(P2006−333120)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】