説明

光学センサーを用いた位置検出法および該方法を利用した装置

表面上を移動する光学センサーによってナビゲーションおよび位置決めする方法。センサーは、表面を光で照らし、連続する画像を捕捉する。時間による小さい領域の基準画像が格納され、センサーは、ある捕捉から次の捕捉へとその小さい領域を捜すべき場所を予測することによってセンサーの視野においてその小さい領域を追跡する。予測は、回帰および補外に基づいてなされる。画像がセンサーの視野に近づいたとき、新しい基準画像が捕捉され、格納される。この新しい基準画像が基準として使用される前に、位置は、補間によって更新される。ナビゲーション情報は、リアルタイム用途に好適な高周波数によって得られる。また本発明は、この方法を使用した装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの光学センサーを使用してある表面の光学的な位置検出(navigation)の方法、特に被印刷物上でのポータブルプリンターの位置検出に関する。また本発明は、この方法を用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリントヘッドを有する手持ち式の手動印刷装置は、種々のものが知られている。
【0003】
下記特許文献1には印刷作業中、被印刷物の表面に対して手持ち式のプリンターの位置を追跡するための光学的センサー手段を有する手持ち式プリンターを利用して画像データのフレームによって表される画像を印刷するシステムおよび方法が開示されている。この光学センサーによって発せられるナビゲーション情報を利用してリアルタイムで画像がモニターされる。
【特許文献1】米国特許第5,927,872号
【0004】
光学センサーは、所定の時間で印刷媒体の表面の像を捕捉する光学−電子素子の列を含む。光学センサーは、被印刷物の僅かなパターンの違い、例えば紙の繊維の形状、高反射表面によって形成される照度パターンおよび隆起した面の間の影になる領域などを検知することができる。これら被印刷物のパターンは、手持ち式プリンターの位置と相対運動を決定するための基準として使用することができる。
【0005】
ある1つの態様では、手持ち式プリンターは、ナビゲーションプロセッサーおよびプリンタードライバーを含む。このプリンタードライバーを用いて、ナビゲーションプロセッサーは、手持ち式プリンターが被印刷物を横断し、画像の複合体を形成する際に被印刷物上に画像のセグメントをプリントするために手持ち式プリンターを誘導する。
【0006】
下記特許文献2にはペン型の手持ち式プリンターが開示されている。このプリンターは、独自の予め印刷されたパターンを有する特別な紙の上に印刷する。このプリンターの内部に配された画像センサーが紙のパターンを記録する。プリンターは、この記録されたパターンを2つの座標として少なくとも1つの記録された位置に変換する。このようにしてプリンターは、常に正確な位置を知り、その内部のメモリーに記録された画像を印刷することができる。このプリンターは、従って、作動を可能にする特定のパターンを有する紙と、パターンを認識するプロセッサーを必要とする。
【特許文献2】国際公開第WO01/7459A1号パンフレット
【0007】
予め印刷された紙を用いる理由は、それがプリントヘッドのナビゲーションおよび位置決めを改良し、それを行いやすくするためであり、印刷の質を向上させるためである。画像を形成するために手動で被印刷物上を走査される手持ち式プリンターを開発する場合、特別な紙を用いずに位置決めすることを習得するのは困難である。
【0008】
そしてプリンターは、あらゆる被印刷物にプリントアウトできることが好ましく、予め印刷されたパターンを有する紙に限定されないことが好ましい。
【0009】
下記特許文献3には自己相関決定と共に相互相関を用いたポインティングデバイスの移動を追跡する方法が開示されている。この方法ではフレームピクセルデーターが別個のメモリーバッファ内に比較フレームを格納する必要なく決められる相互相関を行える時に1つのピクセルと比較されるので、この発明の目的が達成される、即ち処理サイクルに対する要求が少なく、相関を計算する際に通常必要となる2つのメモリーアレイを使用するのではなく、単一のバッファメモリーだけを使用することによって低コストの方法が提供される。基準画像は、バッファーメモリーに格納され、後続の比較フレームとの相互相関のために使用される。相対移動の速度は、後続の比較フレームと、バッファメモリー中に以前に記憶されていた基準フレームと最早、重なり合わない時を予測するために使用され、新しい基準フレームがロードされる。しかしながら、基準画像を再度捕捉する間の小さなステップは、移動距離に応じてエラーが早く蓄積されることになるので、移動の速度または小さな変位(displacement)を測定するより適している。デバイスの移動は、内部座標システム(internal coordinate system)に対してモニターされ、デバイスが移動し、回転する際にこの座標システムは、移動し、回転する。
【特許文献3】欧州特許出願公報第1283493A2号
【0010】
下記特許文献4は、イメージデータとともに得られるナビゲーション情報を使用し、ナビゲーションおよび画像情報に基づいて画像データーを修正することを含むスキャンされた電子画像を形成するためのスキャニングの方法および装置を開示している。このナビゲーション情報は、フレーム内で得られる。連続するフレームの違いが検知され、蓄積される。エラーの蓄積を防ぐために、連続したフレームから得られる蓄積した変位値(displacement value)が、現在のフレームとそれよりもかなり前にメモリーに格納されたフレームと比較され、その結果得られた違いをこの古いフレームからの変異として使用することによって更新される。これら大きな変異工程は、スキャニング装置の相対位置を決めるために蓄積される。
【特許文献4】米国特許第5,644,139号
【0011】
このナビゲーション情報は、少なくとも1つのナビゲーションセンサーによって得られ、このセンサーは、被印刷表面の固有の構造的特性を検知する。
【0012】
このナビゲーションは、持続時間dtによってサンプルフレームを取得し、この場合最大で1ピクセル超、スキャニング装置が移動しないようにスキャニング装置にとって充分短い時間dtが選択される。そしてセンサーは、もしあれば隣接するピクセルに対してどれが移動したかを8つの異なるものの中から検知する。相関は、フレームごとに同一の特徴の変位を決めるために連続するフレーム内の同一の特徴の位置を見つけるために使用される。これらの相関は、マイクロステップ(microstep)と呼ばれ、位置ずれが単独のピクセルの次元を超えないことを確実にするために十分速いフレームの速度(frame rate)が選択される。
【0013】
このマイクロステップ中に累積されてしまう誤差を防ぐためにサンプルフレームが別々のバッファーメモリーに記憶される。この別々に記憶されたサンプルフレームは、マクロステップ(macrostep)と言われるその後の一連の相関計算のための新しい基準フレームになる。
【0014】
被印刷面上をナビゲートする移動式プリンターを開発する際に直面する基本的な問題点は、汚れて、不均一で歪んだプリントアウトを避けるためにナビゲーションのアルゴリズムに必要とされる正確性または安定性を有する光学センサーを見つけることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、極めて高速なリアルタイム用途に必要とされるレベルの性能を有する光学センサーを利用した方法を提供することである。
【0016】
また本発明は、少なくとも1つのセンサーを利用した方法を提供することを目的とし、この方法ではトータルエラーを減らすためにマクロステップの数が減らされている。
【0017】
また本発明の目的は、マクロステップ/再捕捉(recapture)の数を減らし、さらに各マクロステップで与えられた誤差を最小限にする技術を示すことによって高精度を得るリアルタイムプロセスの装置に取り付けられた光学センサーを含むナビゲーションシステムが利用される方法を供することによって上述の問題点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
この目的は、本発明の第1の態様、即ち、画像センサーを含む少なくとも1つの光学センサーを使用してある表面をナビゲーションする方法によって達成され、この画像センサーは、移動中にこの面上の連続する画像を捕捉するように設定され、各画像は、その前に捕捉されたものと比較され、捕捉と捕捉の間の距離が光学センサーの位置を更新(update)するために蓄積される。さらに観測(observation)フレームが、基準としてメモリーに記憶され、光学センサーの視野の周囲の面のこの特定の領域の移動をトレースする工程中、回帰および補外に基づいた予測が、次に捕捉される画像で領域/観測フレームを見つける場所を予測するために使用される。予測のための多くの数学的方法が、この段階で使用できると考えられているが、回帰および補外が好ましい態様で使用される。
【0019】
本発明によるナビゲーション法は、高頻度(high frequency)、精度、動的性質および作動安定性を有するので、ある面でのナビゲーションを必要とする印刷、スキャニングなどの種々の用途に利用可能である。
【0020】
本発明の好ましい態様では2つのセンサーが手持ち式プリンターに取り付けられる。位置の更新は、xおよびy座標とプリンターの回転角度を含む。
【0021】
本発明の1つの態様では、連続する現(current)フレームが画像の並列(juxtaposition)および回転後に基準フレームと相関される。基準画像は、現フレーム内で予測された位置の周囲で移動し、どの位置が現観測フレームと最も高い相関を有するかを探索する。この相関のために基準フレームの中央部分が使用され、基準フレームが捕捉されてからの角度の変化に対応する角度に回転され、相関の前に画像の回転を合わせる。
【0022】
本発明の別の態様では、現画像(current image)がセンサーの視野の縁部に近づいた際、または現基準フレームが捕捉されてからの回転角度の変化が予め定められた限界を超えている場合、新しい基準フレームがセンサーの領域内で捕捉される。いつ再捕捉が必要になるかを示すために装置の座標の前方の2,3のフレームおよび回転角度の予測を使用してもよい。再捕捉が必要であると予測された場合、通常の捕捉状態が再捕捉状態へと変えられる。2つ以上のセンサーが使用されている場合、再捕捉は、全てのセンサーに対して同時に実行される。通常、これは記憶された現観測フレームがセンサーの視野の縁部に近づき始めたとき、その後の画像の捕捉中に追随するために新しい観測フレームを再捕捉する必要があることを意味する。
【0023】
新しい基準フレームを捕捉する際に得られないナビゲーション情報は、補償することができ、装置の位置は装置の移動の力学(dynamics)の補外に基づいた予測を利用することによって計算することができる。現基準フレームから新しい基準フレームへとシフトする際にこの技法で生じ得る唯一の誤差が生じ、蓄積されるので、細心の注意を払って位置の更新を扱う必要がある。従って本発明のさらに別の態様では新しい基準フレームは、それが実際に現基準フレームとして機能する前に捕捉され、記憶される。新しい基準フレームの捕捉の前に新しい基準フレームの捕捉の間、その値を以前およびその後の値と補間することによって生じる位置の更新を改善するために古い/現基準フレームは、まだ数回の捕捉のために使用される。これは新しい基準フレームが現基準フレームとして作用することを開始する際の切り替えの前にセンサーまたはプリンターの位置をより正確に位置決めするためのものである。
【0024】
表面の特定の領域を実際に追跡すると共に新しい基準フレームを再捕捉するときに上記補間技術を使用することによって非常に高精度な位置決めを行うことができる。センサーの視野用に比較的大きな領域を選択することによって再捕捉の数が減り、観測フレーム用に小さい領域を選択することによって二次相関最大値(secondary correlation maximum)を見つける危険性が減り、同時により速い計算が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載されているが、本発明の構成および作動方法を本発明のさらなる目的および利点と共に添付の図面を参照し、以下に詳述する。
【0026】
本発明では校正定型ジオメトリ(calibrated and fixed geometry)処理による少なくとも1つの光学センサーを使用した調整された表面でのナビゲーション法が提供される。このナビゲーション法は、本方法を利用してデバイスの回転角度とともにX座標およびY座標を測定することによって面に固定された外部座標システム内でナビゲートすることを含む。これは光学センサーの視野を介して、調整された表面の少なくとも2つのポイントを捕捉および追跡することによって移動距離によるエラーの蓄積が少なく、リアルタイムで行われる。
【0027】
好ましい態様ではこの少なくとも1つの光学センサーは、画像光学素系と、ライティングシステムと、所定の時間間隔dtの間、表面の連続した画像を捕捉するために設定された画像センサーとを含む。この表面は、外部光のために閉鎖され、視準(collimated)フラッシュライト源(好ましい態様では赤色LEDである)によって照射される。画像は、画像センサーの視野内の所望の可動な小さい領域を形成することによって捕捉され、各画像は、以前のものと比較され、捕捉と捕捉の間の距離は、デバイスの位置を更新するために使用される。さらに観測フレームが基準フレームとしてメモリーに格納され、センサーの視野の周囲の面のこの特定の領域の移動を追跡する工程において、回帰および補外に基づいた予測が次に捕捉された画像で領域/観測フレームをどこで見つけるかを予想するために使用される。予測のために多くの数学的方法が、この段階で使用可能であるが、回帰および補外を用いるのが好ましい。
【0028】
各光学センサーは、上記表面の少なくとも1つのポイントを追跡するように設定されており、1つの光学センサーを使用する場合、センサーの視野は、2つの部分に分けられ、これらの部分は、それぞれ1つのポイントを追跡するために使用される。この1つのセンサーでは2つのポイントを同時に位置決めすることは不可能であり、その遅れは僅かであるが、デバイスダイナミック(device dynamic)の知識を用いて間に合うように測定を整合させるために追加の計算を行わなくてはならず、従ってエラーの数が増加する。しかしながら、センサーを1つだけ使用することによって安く装置を提供することができる。
【0029】
本発明の方法は、かなりの距離離れた表面上のポイントを追跡できるように充分大きいサイズ(好ましい態様では360x360ピクセル)の画像センサーを使用し、視野(フィールド)の追跡をする間、光の変化(例えば、影)および画像形成条件の変化を減らすためにテレセントリック画像形成(tele-centrical imaging)およびを照明光学系(lighting optics)を導入しすることによって高精度に行うことができる。また高度な正確性は、サブピクセル精度化(好ましい態様では0.2ピクセル)、相互相関のサブピクセル補間および表面上のトラッキングポイントを再捕捉するための特別な工程による光学センサーのゆがみおよびジオメトリーの校正の特別な工程により達成される。
【0030】
リアルタイム用途に必要とされるナビゲーション情報の正確性は、センサーおよび画像処理から画像を得るために必要とされる時間を短縮するために使用される小型の観測ウインドウ(observed windows)(24x24ピクセル)を使用することによって達成される。このウインドウは、大きな視野内のどこでもトラッキングポイントの画像を捕捉することができる。さらに使用した画像センサー内のウインドウの位置の予測は、移動の履歴において構築されたデバイスの位置の予測に基づいており、これにより小さいサーチ領域が新しい画像のロケーションに対応する最大相関を捜すことができる。相互相関最大値(予測された位置の周囲で±2ピクセルまたは合計で5x5ピクセル)を求めるために小さな領域を選択することによって計算が速くなり、同時に特に調整された面が通常の構造を有している場合、二次相関最大値を見つける危険が少なくなる。好ましい態様では24x24のサイズが観測ウインドウに選択されているが、表面構造の空間周波数(spatial frequency)および画像光学系スケールファクター(imaging optics scale factor)および解像度によって種々のサイズに変更可能である。
【0031】
ナビゲーション方法は、誤差の状況を認識し、誤差取り扱いマシンを導入することによって安定化され、例えば無効なナビゲーション情報が得られたとき、ナビゲーションが喪失した場合、表面の新しい基準ポイントを捕捉するために迅速に再捕捉を開始する。画像構造品質の妥当性(adequacy)は、表面が充分な構造を有していないという理由をナビゲートすることができないまたはデバイスが表面から持ち上げられたかをナビゲートできないような状況を解決するために分析され、使用される。
【0032】
リアルタイム用途の一例として、プリンターデバイスは、印刷解像度に対応する仮想グリッドを介して移動する際に所定の距離間隔で表面にプリントすることができる。プリンターが所定の場所でドットを印字しない場合、ドットはその場所から歪んでしまい、印字品質に悪影響を与える。プリンターの座標は、時間の関数であるので、時間が正確なナビゲーションのために同じく重要なファクターである場合、プリンターは、時間の関数として座標情報(X、Yおよび角度)を必要とする。印刷解像度が600dpiで最大印刷速度が400mm/sの場合、座標は、少なくとも±50μsで決められなければならない。しかしながら捕捉された画像が処理された後のみ情報を得ることができるので、ナビゲーション情報は、ある所定の時間間隔をもっていくぶん遅れて更新される。これはプリンターの現在位置に関する情報が、常に過去からの座標データーの補外であることを意味する。印刷用途の場合、いつプリントヘッドが仮想のグリッドを通過し、非印刷媒体に印刷される情報を準備するかを計算するために座標を先に適時に予測しなければならない。
【0033】
図1および2に移動型プリンターを示す。このプリンターにはインクジェットヘッド2を有する1組の光学センサー3が設けられており、これらは小型化された携帯プリンターを供するために設計されており、これによりユーザーが携帯電話、携帯型パソコン、携帯端末(PDA)およびその他の携帯電子装置などの小型携帯装置から印刷でき、または短い文章、タグ、住所を電子的にスタンプする、もしくは印字する、もしくは電子的な切断およびクリッピングを行うことができる。プリントヘッドを1つ以上の位置決めセンサーが固定されている構造プレート(construction plate)9に固定することによってX、Y座標システムを有する幾何学構造を得ることができ、多大な数学的正確性をもってプリントヘッドのインクジェット開口部/ノズル個々の座標X、Yを定めることができる。
【0034】
タイムフレームの間、これらの座標は、所定の印刷パターンに従って被印刷面に正確にインクドロップをスプレーする根拠を構成する。
【0035】
より専門的に言えば、表面の画像は、大きな視野の中の観測フレームによって得られる。目的によって観測フレームは、メモリーに格納される基準フレームとしてまたは現フレームとして解釈してもよい。
【0036】
図1および2は、手動式プリンターを示しており、このプリンターは、導体1とプリントヘッド2によって構成されており、これらは1つ以上の光学位置決めセンサー3、マイクロコントローラーユニット4、データーを送信するためのコミュニケーションユニット5、1つ以上のコマンドボタン6、コントロールスクリーンおよびエネルギー源、この場合はバッテリー8によって相互作用する。本発明は、光学センサーにのみ注目しているので、この手動式プリンターおよびそのその特徴についてはここでは説明しない。しかしながら、この手動式プリンターの機能については、本願出願人による下記特許文献5に説明されており、その内容を本明細書に引用したものとする。
【特許文献5】国際公開第WO03/006244号パンフレット
【0037】
上記のようなプリンターの光学センサーは、非常に正確であることが常に要求され、ナビゲーションをコントロールするハードウェア/ソフトウェアは、ナビゲーション情報を処理し、その後コマンドをプリントヘッドに送るために非常に高いリアルタイム性能を有する必要がある。
【0038】
従って以下に詳述する光学センサーは、この要求を満たすために開発されたものである。注目すべきことは、ここに示す光学センサーは、その用途がプリンターに限定されず、あらゆる表面において正確なナビゲーションが必要とされる全ての種類の装置に使用することができる。
【0039】
しかしながら、移動式プリンターの好ましい態様では2つのセンサーが、ユーザーによって掃引されるプリントアウト中にプリンターの回転を把握する上で必要になる。ユーザーがプリントアウト面上でプリンターを移動させる際、ユーザーの肘を中心にプリンターを回転運動させる傾向がある。ここで説明する光学センサーによるナビゲーション法は、2つのセンサーを使用するものに限定されず、1つのセンサーまたは多くの数のセンサーを用いても機能する。
【0040】
本発明は、センサーの物理的構造に関するものではなく、ソフトウェアをベースにした表面のナビゲーション法に関わるものである。従ってこれは、特定の種類の光学センサーに限定されるものではない。しかしながら、本発明によるセンサーを保持する装置がプリンターである場合、テレセントリックレンズがセンサーを被印刷面上の垂直方向の変化に対して鈍感にさせるので好ましい。
【0041】
ナビゲーションの工程は、次の通りである。好ましい態様では360x360ピクセルの視野を供する640x480ピクセルのCMOSマトリックスが2つのセンサーのそれぞれに使用される。
【0042】
最初に基準フレームが両方のセンサーの視野のそれぞれ中央で捕捉される。フレームとは、24x24ピクセルの画像であり、ここからは「観測フレーム」とする。CMOSマトリックスと観測フレームのサイズは、それぞれ上記のものとは異なるように選択してもよいが、この例では上記のサイズのものを使用する。上述したように目的に応じて観測フレームは、メモリーに格納される基準フレームとしてまたは基準フレームと相関される現フレームとして解釈してもよい。次に基準フレームは、新基準フレームまたは現基準フレーム(以下、基準フレーム)となる。現基準フレームだけが連続する現観測フレームとの相関のために使用される。新基準フレームが現基準フレームになる前に現基準画像と平行して新しく捕捉された基準画像を記憶する必要がある場合、新基準フレームがいくつかのナビゲーション状態(例えば再捕捉工程)内で使用される。
【0043】
センサーが装着されたプリンターが表面上を移動する際にその後の画像が同じ時間間隔dtで捕捉される。基準フレームが捕捉された瞬間と2つの動径ベクトルの間の角度と共に両方のセンサーで最新の画像が捕捉された瞬間との間、覆われた距離は、捕捉毎のプリンターの位置および配向をもたらす。これは、下記に説明する「ノーマル捕捉(normal capture)工程」と呼ばれている。
【0044】
その間新しい基準フレームを捕捉する必要があり、これは以下に説明する「再捕捉(recapture)工程」と呼ばれている。
【0045】
ノーマル捕捉: ノーマル捕捉は、連続的な捕捉の間、センサーの視野(ここでは640x480ピクセル、当然のことながら他の大きさでもよい)の周囲の紙の表面の特定の領域の動きをトレースする工程である。基準観測フレームは、視野の中央で捕捉されることが好ましいが、必ずしもそうである必要はない。各観測フレームは、好ましい態様では24x24ピクセルであり、最も悪い場合(視野の短い方の側に沿った一方向の移動)、現画像が視野の縁部に到達し、新基準観測フレームが必要とされるまで、少なくとも数十回ノーマル捕捉が行われる。
【0046】
ここで注目すべきことは、各ノーマル捕捉およびそれに関連する距離の計算は、独立しているので、この段階でエラーは、蓄積されない。
【0047】
基準フレームが捕捉された瞬間と最新の画像が捕捉された瞬間との間、カバーされた距離は、画像の相関分析を用いて得られる。
【0048】
x、yおよびθ(ここではθはデバイスの角度を表す)の以前の値の回帰および補外に基づいてこの予測位置において画像を取り込むことによる2つの観測フレーム間で上記特定の領域をどこで求めるかは相関関数によって予測される。別の言い方をすればプリンターの位置の予測は、プリンターの位置の経歴の多項式回帰と適時の外挿に基づいている。二次の回帰が好ましい態様で使用される。座標x、yおよび回転角度は、独立してタイムスケールによって回帰される。無効のナビゲーション情報が得られた場合、回帰の係数がフレーム毎に更新される。無効でないナビゲーションデーターまたは補外によって算出されていないデーターは、回帰更新で使用されない。2つの連続する観測フレーム間の距離は、当然の事ながらプリンターの、場合によっては回転の捕捉頻度(capture frequency)、速度および加速度に依存している。
【0049】
2つの連続する距離は、好ましい態様では数ピクセルであってもよい。1つの捕捉から他の捕捉において現観測フレームを見つける場所を予測する適当な相関関数を得ることは、2つの捕捉間の最大許容距離が従来技術のように最大で1ピクセルでなければならないというほど、捕捉頻度が高い必要がないことを意味する。補正相関関数(correct correlation function)は、距離が数ピクセルであっても特定の領域を見つける。これは2つの連続する捕捉の間、加速度または回転を著しく変えない人間の手による移動動作の特性によるものである。
【0050】
観測ウインドウが長い距離のフィールドの面の基準となる場所を追跡するので、また近い距離から広いフィールド内に完全な照射および画像光学的解決策を供することは困難であるのでライティングレベルの著しい変動が起きやすく、画質が変化しやすい。この場合信頼できる結果が正規化(normalizing)による前方に移動した際の相関を供する。上記特許文献3で使用されているような画像の違いの蓄積のような単純な相関方法では成功しない。
【0051】
使用可能な回帰の式の例としては、次のものが挙げられる。
【数1】

【0052】
予測は、表面の基準となる場所を追跡するために使用されるので、観測ウインドウは、予測された位置(SMOS−センサーが可能なステップサイズを有する)に可能な限り近くに配置され、減少したサーチ領域に新しい画像を形成するための場所に対応する最大相関を見つけさせる。相互相関極値を見つけるために小さい領域(予測された位置の周囲の±2ピクセルまたは合計で5x5ピクセル)を選択することによって迅速な計算が可能になり、同時に特に適合面が通常の表面構造を有している場合、二次相関最大値(secondary correlation maximum)を見つけてしまう危険性が減少する。しかしながら、予測はノイズおよびプリンターの加速度による誤差を含む。この誤差が2.5ピクセルを超えた場合、相関は絶対最大値を見つけず、このフレームのナビゲーションの更新は、欠陥(fault)となる。
【0053】
本発明の1つの態様では連続する現フレームは、画像の並列化(juxtaposition)および回転の後、基準フレームと相関される。相関の好ましい態様では基準フレームが相関の前に画像の回転を整合させるために捕捉されているので角度の変化に対応する角度で回転された基準フレーム14x14ピクセルの中央部が使用される。この基準画像は、どの位置が観測フレームと最も高い相関を有するかを見つけ、比較するために現フレーム24x24ピクセル内の予測された位置の周囲で移動する。
【0054】
各新しい画像は、どの位置が最も高い相関を有するかを見つけるために予測された位置の周囲の多くの場所で基準画像とその新しい画像を相関することによって基準画像と比較される。好ましい態様では相関関数の最大値は、どの位置が最も高い相関を有するかを見つけるためにこれら2つの画像を並列し、回転させた後、予測された位置の周囲の24x24ピクセル観測フレームの中央ピクセル領域を移動させることによって決められる。24x24ピクセルのような小さい観測フレームを選択することは、二次最大値を見つけることを防ぐ上で有利である。
【0055】
従って最大値が最も生じやすい場所は、プリンターの速度および方向を決定するために過去の履歴から予測される。予測の誤差は、回帰誤差および捕捉間のインターバルのプリンターの加速による誤差から構成される。「中央観測フレーム領域」と言われる観測フレームのこの中央のピクセル領域は、当然のことながらあらゆる好適なサイズに対応し得るが、一例として14x14中央観測フレーム領域が24x24ピクセル観測フレームにおいて好適である。
【0056】
分析を完全にするために相関関数への回転の影響を考慮する必要がある。一般に回転は、光源がデバイスとともに回転し、従って紙面上の影および照らされたスポットも回転するので問題になる。しかしながら、回転は後続の捕捉の間、非常に小さくなる。好ましい頻度での露光の間の1度の角度の回転は、約3回の完全な回転/秒に対応し、それは一般のユーザーが期待する回転速度ではない。
【0057】
それでも回転に注意を払うために基準画像が現フレームと並列する前に回転させされる。これは次の工程によって行われる。新基準フレームが捕捉されたとき、それと相関させるものがないので、追加のサイクルがバイキュービックスプライン(bi-cubic spline)による基準画像の二次元補間によって画像にいくつかのポイントを加えることに費やされる。実際の基準マトリックスは、例えば通常の24x24の観測フレームの3倍のポイントを含み、即ち70x70のフレームである。必要であれば、中央観測フレーム領域を回転し、輝度機能(brightness function)は、70x70マトリックスから補間される。この補間された画像は、14x14ピクセルの回転されたグリッドを空にするために近似値の抽出によって迅速な回転工程のために使用される。
【0058】
再捕捉(recapture):現在の画像がセンサーの視野の縁部に近づくと、新しい基準フレームがセンサーの視野内で捕捉される。これは、例えばプリンターが記憶された現または古い観測フレームから離れ過ぎて移動した場合またはプリンターの回転が所定の限界を超えて変化した場合に起こる。新しい基準フレームは、左右対称のために2つのセンサーに同時に取り込まれるのが好ましい。
【0059】
移動の経歴(motion history)は、新しい観測フレームのために最も有利な(次の再捕捉までの最も長い時間という観点から)場所を分析し、予測するために使用される。これは、通常センサーの視野の縁部であり、従って基準フレームは、次の再捕捉が行われる前にセンサーの全領域を移動することができる。最終的には当然のことながら蓄積される誤差を最小限にするために再捕捉の数を減らさなければならない。移動の方向を予測することができないような状況(例えば最初のポイントにおいて、ナビゲーションが開始したとき)では、新しい基準フレームは視野の中央で捕捉されなければならない。
【0060】
新しい観測フレームが捕捉されたとき、システムが新しい基準に切り替わった後、位置予測をより正確にするためにさらなる捕捉のために古いまたは現基準観測フレームを使用することが好ましい。これについて後で具体的に説明する。
【0061】
図3は、本発明による光学センサーと組み合わされるソフトウェアのナビゲーションアルゴリズムを例示している。
【0062】
最初に本発明によるセンサーを含む装置をある表面に置いた際、初期化工程がブロック21−24に示すように行われる。このシステムは、最初の捕捉が正確に同じスポットで行われるので、装置が移動しないことを理解している。全ての変数は、ゼロにセットされる。表面がセンサーに対して移動するとすぐにノーマルモード30に入る。
【0063】
ナビゲーションの殆どのタスクが行われる、即ち装置の「現在」の座標(x、y)および回転角度(θ)を作製するためのフレームを捕捉するノーマルモード30を31−35に例示する。これは現基準フレームのパターンを見つけるために予測された位置で画像を取り込むこと32によって行われ、その位置は以前のx、yおよびθ31の回帰および補外に基づいている。装置の位置の更新は、x、y座標を蓄積することによる各画像の捕捉後、33で得られる。
【0064】
いつフレームがセンサーの視野の外方の境界に接近するかを予測するために、将来のいくつかのフレームにおける現フレームの位置が計算され、再捕捉が必要かどうかを35で判断する。将来使用されるフレームの正確な数は、当然任意であり、各用途に応じて設定できる。
【0065】
これとは別の態様では再捕捉の条件は、観測フレームがセンサーの予め定められた領域(センサーの縁部ではなく)に接近したときに初期化されるように設定され、これは完全な光学特性を有するという点では信頼できるものではない。これはセンサーの中央部分だけが不完全なレンズによって光学性能において信頼できる固有の不規則性を有するセンサーを用いる場合、有利である。
【0066】
再捕捉工程40が以前の位置からの補外およびその予測される位置42でセンサーの視野のどこかの新しい基準フレームを捕捉し、記憶するためにセンサーを初期化することによる装置の次の位置の推定41によって開始する。この新しい基準フレームは、センサーの視野の縁部またはセンサーの範囲内の別の場所、例えば中央で選択することができる。
【0067】
ハードウェアの観点から、新しい基準画像/観測フレームは、専用バッファ(dedicated buffer)、即ち「現」バッファでないバッファに捕捉され、格納される。ここで注目すべき点は、現基準画像/観測フレームがこの時点では変わらず、さらにいくつかの捕捉で使用されるということである。捕捉の回数は、当然のことながら任意である。この技術は、新基準フレームの正確な位置が判らないという問題があり、新基準フレームの位置は過去の位置からの補外されるだけであるという理由から使用される。従って新観測フレームの正確な位置を正確に推定するために現基準フレームがさらに2,3の位置を得るために使用される。
【0068】
この技術がよく判るように図4に視覚化した。新しい基準フレームが取り込まれた時(T−2)の正確な場所が判らない例を示している。これはこの例ではそのクロックサイクルが新しい基準フレームを捕捉することに占められているためである。次のクロックサイクルでは現観測フレームが再度検索され、そしてそれが見つけられたとき新しい基準フレームが取り込まれていた間の「ロスト」クロックサイクルにおける位置を予測するために過去およびその後の観測フレーム間で補間が行われる。
【0069】
次に新しい基準画像の位置をより正確に決めるためにそれを囲む位置(T、T−1、T−3、T−4など)に基づいて補間が使用される。この計算が行われ、システムが新しい基準フレームへの変更が必要であると認めたとき、現基準フレームは新しい基準フレームに置き換えられる。従ってこの新しい基準フレームが現基準フレームとしての役割りを果たすことになる。
【0070】
図3に戻ると上述したことと同じことがブロック図で示されており、ここではフレーム44乃至47がループを有する補間工程について説明しており、ここでは新しい基準フレームが既に捕捉され、格納されていたとしても現基準フレームが、変更が必要になるまで使用される。現基準フレームから新しい基準フレームへの切り替えは、装置の位置が48で再計算されたときに49で行われ、アルゴリズムの制御によりセンサーをノーマル捕捉モード30へと戻す。このモードは、この新しい基準フレームがセンサーの視野の外方の境界に接近するまで、または回転が所定の限界を超えるまで続けられる。
【0071】
迅速な再捕捉(Fast Recapture): 計算ごとに得られたナビゲーション情報は、「有効」または「無効」として評価される。ナビゲーション情報の有効、無効を評価するために相関最大値の位置のチェックとともに相関最大値のレベルが利用される。相関の結果が「無効」の場合、ナビゲーション情報は補外によって更新される。しかしながら、予測はノイズおよび装置の加速による誤差を有する。この誤差が2.5ピクセルを超えた場合、相関は絶対最大値を見つけず、ナビゲーションは「無効」データーを得ることになる。これが2度、即ち連続するフレームで起きると、これはナビゲーションが表面上の基準ポイントのために失われることを意味し、ナビゲーションダイナミックス(x、yおよび角度の速度、加速度)を維持し、ナビゲーション工程を続けようとするためにこのダイナミックスを使用して次のフレーム(即ち、迅速再捕捉状態(fast recapturing state))を再捕捉する必要がある。迅速な再捕捉は、顕著な誤差を蓄積(ナビゲーション領域上の小さいジャンプのように)することができるが、いくつかの状況でナビゲーションの安定性を向上させる。
【0072】
ナビゲーションが最後の捕捉した画像の位置を決定することができない、即ち相関関数が観測フレームを見つけることができない場合、新しい基準フレームが捕捉され、サブステートハンドリング(sub-states handling)および補間することなしにすぐに使用される。この場合新しい基準フレームの位置は、以前に知られた位置の経歴からの回帰を介した推定位置に設定される。
【0073】
正確性を増し、光学系の不完全さによるゆがみを減らすためにセンサーの光学系を使用する前に光学系を校正することが好ましい。校正を使用することによって不完全な光学系を補正するデーターがナビゲーションのより高い正確性を付与する。
【0074】
要約すれば本発明は、大きなダイナミック移動画像フレーム(300x300ピクセル)内の基準画像フレーム(例えば24x24ピクセル)によって表面上の少なくとも2つの小さいターゲットを「ロックアップ」することによって作動する。ナビゲーション表面から座標システムに対してこれらの小さい基準画像フレームが表面上で固定される。本発明の方法を用いた装置からの座標システムに対して、そして装置がナビゲーション表面に対して移動する場合、これらの画像は、動画像(dynamic)である。
【0075】
従って本発明の方法は、小さい基準画像フレームが大きな画像フレームの境界内で見つけられる間、絶対的なナビゲーションシステムであると言える。小さなフレームが大きなフレームから出る度に別の小さいフレームが大きなフレーム内で選択される。これが上述した「再捕捉工程」と呼ばれ、ナビゲーションシステムの関連する部分である。これは制御偏差(error deviations)が主に発生する部分である。他のシステムとの比較において制御偏差は、本発明によって最小化され、正確性が著しく向上する。
【0076】
本発明の予測モジュールは、多項式回帰機能を使用することを特徴としており、オリジナルソース(例えばナビゲーション表面のミクロ組織)が非常に高い確率(probability)を有するフレーム内で見つけられるためにどこで次の観測フレームが「オーダー(ordered)」されるべきかを予測するのを補助する。オリジナルソールを見つけ損なうと迅速な再捕捉工程を始動させる。誤差の蓄積を減少するという別の特徴は、本発明の方法を利用して補間によって画像を調整し、装置の回転を補正するために相関関数の前に使用される角度フィードバックである。
【0077】
本発明による方法によって、充分平坦で微細組織または微起伏を有するいかなる表面での非常に正確な装置のナビゲーションがリアルタイム用途に好適な高頻度で行われるナビゲーション情報の更新によって達成される。印刷などの特定の用途において、非常に小さい誤差でも人間の目で認識されるので、これは非常に重要である。従って使用するナビゲーションの方法が僅かに不正確であっても、プリントヘッドから放出されるインクの小滴は、誤った場所に放出され、満足の行く印刷が得られなくなる。大きな視野内(例えばセンサーの視野)で基準観測フレームを使用することによって何度でも本発明の正確性を向上させることができる。
【0078】
ここで説明した態様では2つのセンサーを使用することを想定している。しかしながら、大きな視野を有する単独のセンサーを使用することも可能である。この単独のセンサーは、別の方法でプリントアウト面の2つの異なる部分の画像を撮る。従ってその処理は、いくぶん複雑になりプリンターに使用した場合その速度は、僅かに遅くなる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】一組の光学センサーを装着したプリンターの一部断面を示す斜視図。
【図2】図1のプリンターを下側から見た斜視図。
【図3a】本発明による光学センサーを利用したナビゲーションの方法を説明するブロック図。
【図3b】本発明による光学センサーを利用したナビゲーションの方法を説明するブロック図。
【図3c】本発明による光学センサーを利用したナビゲーションの方法を説明するブロック図。
【図4】補間法を説明するX軸およびY軸グラフ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中ある表面の連続した画像を捕捉するために設定された画像センサーを含む少なくとも1つの光学センサーを使用し、各画像は、現基準フレームと比較され、捕捉と捕捉の間の距離が前記センサーの位置を更新するために蓄積される前記表面をナビゲーションする方法において、観測フレームが基準としてメモリーに格納され、各後続の画像が、一連の捕捉と捕捉の間、前記センサーの視野の周囲の表面の特定の領域の移動をトレースする工程で現基準フレームと比較され、前記特定の領域を予測された位置で画像を取り込むことによって各捕捉で見つけ、前記予測された位置が少なくとも水平および垂直座標並びに回転角度によって特定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記光学センサーが手持ち式のプリンターに取り付けられ、前記座標と回転角度が前記プリンターの変位および回転を定めることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
回転角度が表面の互いに離れた2つの異なる位置を利用することによって定められ、前記2つの位置が前記回転角度を得るために公知の幾何学を利用して少なくとも1つの大きい領域の光学センサーまたは小さい光学センサー内で観測され、トレースされることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
各新しい捕捉された画像がその画像の並列および回転後に前記現基準フレームと比較されることを特徴とする請求項1、2または3記載の方法。
【請求項5】
各新しい画像が、予測された位置の周囲のいくつかの場所で新しい画像と現基準フレームを相関することによって前記現基準フレームと比較され、どの位置で最も高い相関を有するかを見つけることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
新しい基準フレームが、再捕捉することなしに移動するプリンターの最長予測距離を供する視野の場所で捕捉されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
捕捉された画像がセンサーの視野の縁部に接近する際または回転角度が所定の限界値を超えた場合、新しい基準フレームがセンサーの視野で捕捉されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
次の再捕捉が行われなければならない時までの最長の予測経過時間を供するセンサーの視野の縁部で新しい基準フレームが捕捉されることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項9】
新しい基準フレームがセンサーの視野の中央で捕捉されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項10】
現基準フレームが新しい基準フレームが捕捉され、記憶された後、1つ以上の追加の捕捉のために基準観測フレームとしての役割りを果たすことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項11】
前記新しい基準観測フレームが捕捉される際に初期の位置更新からの補外によって位置が予測され、その後前記追加の捕捉の間、新しい基準フレームが捕捉された瞬間の前後で位置の更新に基づいた補間によって位置が決められ、更新され、その後新しい基準フレームが現基準フレームとしての役割りを果たすことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
最新の2つの連続する捕捉された画像の位置決定が失敗した場合、新しい基準フレームが次のフレームのために直ぐに捕捉され、現基準フレームとして使用されることを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項13】
移動中、ある表面の連続する画像を捕捉するように設定された画像センサーを含む少なくとも1つの光学センサーを使用し、各画像がその前の画像と比較され、捕捉と捕捉との間の距離が前記センサーの位置の更新のために蓄積される、表面をナビゲートする装置において、この装置がさらに観測フレームが基準画像として記憶されるメモリーを含み、連続する捕捉の間、前記画像センサーの視野の周囲の表面の特定の領域の動きをトレースする工程において現基準フレームと各後続の画像とを比較するように構成され、予測された位置で画像を取り込むことによって各捕捉で前記特定の領域を見つけ、前記予測された位置が少なくとも水平および垂直座標ならびに回転角度によって特定されることを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−527355(P2006−527355A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507995(P2006−507995)
【出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000497
【国際公開番号】WO2004/088576
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(505365828)エックスパンディウム アーベー (1)
【Fターム(参考)】