説明

光学包装体、照明装置および表示装置

【課題】しわ、たわみ、そりの発生と、製造コストの上昇とを抑えつつ、薄型化することの可能な光学包装体ならびにそれを備えた照明装置および表示装置を提供する。
【解決手段】包装フィルム20のうち拡散板11の側面11Cとの対向領域の一部に、熱収縮性材料を含む収縮部21B,22Bが設けられているので、包装フィルム20には、収縮部21B,22Bによって面内方向に張力がかかる。拡散板11の側面11Cとの対向領域のうち収縮部21B,22Bとの隣接部分に開口20Aが設けられているので、製造過程において収縮部21B,22Bとが収縮したときに、包装フィルム20のうち収縮部21B,22Bとに隣接する部分に、収縮部21B,22Bとの収縮に伴って面内方向に圧縮応力がかかるのが防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも支持体を包装フィルムで覆った光学包装体ならびにそれを備えた照明装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ワードプロセッサやラップトップ型のパーソナルコンピュータ等の表示装置として、薄型で見やすいバックライト(照明装置)を備えた液晶表示装置が用いられている。このような液晶表示装置用の照明装置としては、導光板の側端部に蛍光管のような線状光源を配置し、この導光板の上に複数の光学素子を介して液晶パネルを設置したエッジライト型の照明装置と、液晶パネルの直下に光源と複数の光学素子とを配置した直下型の照明装置とがある(特許文献1参照)。
【0003】
従来から、液晶表示装置用の照明装置では、視野角や輝度などの改善を目的として多数の光学素子が用いられている。光学素子としては、例えば、光拡散性を有する拡散板や、光集光性を有するプリズムシートなどが挙げられる。
【0004】
【特許文献1】特開2005−301147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近時の表示装置の大画面化に伴い、照明装置も大面積化している。この場合、プリズムシート等の各種光学シートや、拡散板も大面積化が求められることになる。ところが、これらの光学シートを大面積化すると、自重でのしわ、たわみ、そりが生じやすくなる。また、大面積化に伴い、表示面の明るさを保つために光源の照度が高くなる。そのため、面積が増大した光学シートの表面に当たる熱も増加するが、熱は光学シートの表面に不均一に伝わるので、熱による光学シートの変形は一様には起こらない。その結果、熱によってもしわ、たわみ、そりが生じやすいと言える。
【0006】
一方、このような画面の大型化に伴う、光学シートのしわ、たわみ、そりの発生を防止する方法として、例えば、光学シートを厚くして、剛性不足を改善することが考えられる。しかし、このようにした場合には、照明装置が厚くなってしまい、薄型化を阻害してしまう。そこで、例えば特許文献1に記載されているように、光学シート同士を積層順に透明接着剤で全面的に貼り合わせることが考えられる。このように光学シートを、透明接着剤を介して積層することにより、光学シートの剛性を高めることができ、しわ、たわみ、そりの発生を防止することが可能となる。
【0007】
しかし、光学シート同士を単に透明接着剤を介して貼り合わせる構成では、透明接着剤の厚さの分だけ照明装置が厚くなってしまい、薄型化を阻害する可能性がある。また、光学シート同士の熱膨張係数が互いに異なる場合には、光源が点灯すると、光源からの熱により各光学シートが加熱され、互いに異なる伸び量で熱膨張し、一方、光源が消灯し、光源から熱が供給されなくなると、各光学シートは冷え、互いに異なる縮み量で熱収縮する。このように各光学シートが伸縮を繰り返す場合に、光学シート同士を接着したときには、光学シートにたわみ、そりが発生し、光学特性が劣化する可能性がある。
【0008】
そこで、透明接着剤を用いる代わりに、拡散板および全ての光学シートからなる積層体を透明な包装フィルムで包み込むことが考えられる。包装フィルムで積層体を包み込んだ光学包装体は、例えば以下のようにして作製することが可能である。まず、2枚の熱収縮性フィルムを、上記積層体の上下に1枚ずつ配置したのち、2枚の熱収縮性フィルムの端縁全体を溶着などにより接合する。次に、2枚の熱収縮性フィルム全体に熱を加えて、2枚の熱収縮性フィルムを収縮させる。このようにして上記包装フィルムを作製することが可能である。
【0009】
ところで、上記した製法において、2枚の熱収縮性フィルムを収縮させる際に、2枚の熱収縮性フィルム全体に熱を加えることが必要となる。しかし、熱収縮性フィルム全体に熱を加える場合には、その熱によって包装フィルム内の光学シートがたわんだりするのを防止するために光学シートを所定の厚みよりも薄くすることが出来ないという問題がある。また、2枚の熱収縮性フィルム全体に熱を加えるためには、膨大な電力が必要となるので、そのような大電力を供給可能な設備を用意することが必要となる。そのため、照明装置の製造コストが大幅に上昇してしまうという問題もある。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、しわ、たわみ、そりの発生と、製造コストの上昇とを抑えつつ、薄型化することの可能な光学包装体ならびにそれを備えた照明装置および表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光学包装体は、上面、下面および側面を有する支持体と、支持体を覆う包装フィルムとを備えたものである。包装フィルムは、側面との対向領域に、熱収縮性材料を含む収縮部を有しており、かつ側面との対向領域のうち収縮部との隣接部分に開口を有している。包装フィルムは、収縮部による張力によって支持体に密着している。
【0012】
本発明の照明装置は、上記光学包装体と、上記光学包装体に向けて光を射出する光源とを備えたものである。また、本発明の表示装置は、画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、表示パネルを照明する光を発する光源と、表示パネルと光源との間に設けられた上記光学包装体とを備えたものである。
【0013】
本発明の光学包装体、照明装置および表示装置では、包装フィルムのうち側面との対向領域に、熱収縮性材料を含む収縮部が設けられている。これにより、包装フィルムには、収縮部によって面内方向に引張応力(いわゆる張力)がかかる。また、側面との対向領域のうち収縮部との隣接部分に開口が設けられている。これにより、製造過程において収縮部が収縮したときに、包装フィルムのうち収縮部に隣接する部分に、収縮部の収縮に伴って面内方向に圧縮応力がかかるのが防止される。ところで、本発明では、上述したように、包装フィルムのうち側面との対向領域の一部に収縮部が設けられている。これにより、製造過程において、包装フィルムのうち収縮部にだけ熱を加えればよいので、包装フィルム内の内包物の耐熱性を上げる必要がなく、膨大な電力も必要ない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光学包装体、照明装置および表示装置によれば、包装フィルムのうち側面との対向領域に、熱収縮性材料を含む収縮部を設けると共に、側面との対向領域のうち収縮部との隣接部分に開口を設けるようにしたので、包装フィルムに、圧縮応力がかかるのを防止しつつ、張力をかけることができる。これにより、包装フィルムが張力のかかった状態で支持体に密着するので、包装フィルムを薄くした場合であっても、包装フィルム内の内包物や包装フィルムにしわ、たわみ、そりが発生する虞をなくすることができる。また、製造過程において、包装フィルムのうち収縮部にだけ熱を加えればよいので、包装フィルム内の内包物を厚くしたり、大電力を供給可能な設備を用意したりする必要がない。その結果、製造コストの上昇を抑えることができる。このように、本発明では、しわ、たわみ、そりの発生と、製造コストの上昇とを抑えつつ、薄型化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態に係る光学包装体1の一例を斜視的に表すものである。図2は、図1の光学包装体1内の拡散板11(後述)を斜視的に表すものである。図3(A)は、図1の光学包装体1の上面構成の一例を表すものである。図3(B)は、図3(A)の光学包装体1の下面構成の一例を表すものである。図4は、図3(A)の光学包装体1のA−A矢視方向の断面構成の一例を表すものである。この光学包装体1は、例えば、画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、この表示パネルの直下に配置された光源とを備えた直下型の照明装置に好適に用いられるものである。
【0017】
この光学包装体1は、図1、図4に示したように、拡散板11(支持体)と、包装フィルム20とを備えたものである。
【0018】
拡散板11は、表示パネルに対応した形状、例えば、図2に示したように、上面11A、下面11Bおよび側面11Cで囲まれた長方形状となっている。上面11Aおよび下面11Bが互いに対向している。側面11Cは、互いに対向する一対の側面11C−1(第1側面)と、互いに対向する一対の側面11C−2(第2側面)とを有している。各側面11C−1は、横方向(上面11Aの法線と直交する方向)に延在する帯状の形状となっている。各側面11C−2は側面11C−1の延在方向と交差(直交)する方向に延在する帯状の形状となっており、各側面11C−2の端部11Eが側面11C−1の端部11Dに接している。
【0019】
拡散板11は、例えば、比較的厚手の板状の透明樹脂の内部に光拡散材(フィラ)を分散して形成された光拡散層を有する厚くて剛性の高い光学シートである。この拡散板11は、例えば、表示パネルと光学包装体1との間に配置される光学シート(例えば、拡散シート、レンズフィルム、偏光分離シートなど)や、包装フィルム20を支持する支持体としても機能する。
【0020】
ここで、板状の透明樹脂には、例えばPET、アクリルおよびポリカーボネートなどの光透過性熱可塑性樹脂が用いられる。ただし、熱収縮時の耐熱性を考慮すると、板状の透明樹脂として、ガラス転移温度の高い樹脂、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスチレン−スチレンと共重合し得るビニルモノマとのスチレン共重合体、ポリオレフィン系樹脂(ゼオノア)を用いることが好ましい。上記拡散板11に含まれる光拡散層は、例えば0.5mm以上5mm以下の厚みを有している。また、光拡散材は、例えば0.5μm以上10μm以下の平均粒子径を有する粒子からなり、上記光拡散層全体の重量に対して0.1重量部以上10重量部以下の範囲で透明樹脂中に分散されている。光拡散材の種類としては、例えば、有機フィラや無機フィラなどが挙げられるが、光拡散材として空洞性粒子を用いてもよい。これにより、この拡散板11は、光源からの光や拡散シート12側からの戻り光を拡散する機能を有している。なお、拡散板11の光入射面または光射出面に、上記した光拡散材などによって立体形状が形成されていてもよい。
【0021】
なお、光拡散層が0.5mmより薄くなると、光拡散性が損なわれ、また、拡散板11を筐体で支持する際にシート剛性が確保できなくなる虞がある。また、光拡散層が5mmより厚くなると、拡散板11が光源からの光によって加熱されたときに、その熱を放散することが困難となり、拡散板11が撓む虞がある。光拡散材の平均粒子径が0.5μm以上10μm以下の範囲にあり、光拡散材が光拡散層全体の重量に対して0.1重量部以上10重量部以下の範囲で透明樹脂中に分散されている場合には、光拡散材としての効果が効率よく発現し、輝度むらを解消することができる。
【0022】
包装フィルム20は、例えば、図1、図3、図4に示したように、拡散板11の下面側に光入射側フィルム21(下側フィルム)を有すると共に、拡散板11の上面側に光射出側フィルム22(上側フィルム)を有している。光入射側フィルム21は、拡散板11の法線方向から見て、拡散板11の側面11Cとの対向領域の一部に、光射出側フィルム22の接合部22Aに接合された接合部21A(第2接合部)を有している。また、光射出側フィルム22は、拡散板11の法線方向から見て、拡散板11の側面11Cとの対向領域の一部に、光入射側フィルム21に接合された接合部22A(第1接合部)を有している。接合部21A,22Aは、図3に示したように、光入射側フィルム21の光入射領域21C(第2領域)および光射出側フィルム22(第1領域)の光射出領域22Cの外側に形成されており、例えば、図1、図4に示したように、一対の側面11C−1との対向領域に、側面11C−1の長手方向に延在して形成されている。
【0023】
光入射側フィルム21は、拡散板11の法線方向から見て、拡散板11の側面11Cとの対向領域の一部に、収縮部21Aを有している。また、光射出側フィルム22は、側面11Cとの対向領域の一部に収縮部22Aを有している。収縮部21A,22Aは、例えば、図1に示したように、側面11Cの長手方向の一方の端部近傍から側面11Cの長手方向の他方の端部近傍まで延在する帯状の領域に形成されている。収縮部21A,22Aは、熱収縮性材料を主に含んで構成されている。収縮部21Aは、光入射側フィルム21のうち接合部21Aを含む部位に設けられており、収縮部22Aは、光射出側フィルム22のうち接合部22Aを含む部位に設けられている。つまり、収縮部21Aおよび収縮部22Aは接合部21A,22Aにおいて互いに接合されている。
【0024】
収縮部21Aおよび収縮部22Aは、後述するように、熱収縮性材料を含む被収縮部21D,22Dを熱収縮させることにより形成されたものであり、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22のうち収縮部21Aおよび収縮部22A以外の部位に対して、面内方向に引張応力(張力)をかけている。そのため、包装フィルム20は、その張力によって拡散板11に密着している。
【0025】
なお、例えばセイコー社製のTMA(熱・応力・歪測定装置 EXSTAR6000 TMA/SS)を用いることにより、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22に張力がかかっているか否かを確認したり、張力の大きさを測定したりすることが可能である。まず、光入射側フィルム21または光射出側フィルム22に張力が加わった状態において、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22の中央部から長方形の金型により5mm×50mmの試験片を切り出す。この際、試験片の長辺、短辺がそれぞれ支持体である拡散板11の長辺と、短辺と平行となるようにして試験片を切り出す。次に、硝子板に試験片を挟んでたるみのない状態とした後、例えばトプコン社製の工具顕微鏡により、切り出した試験片の長さを測定する。切り出した試験片は張力が開放された状態となっているため、50mmよりも収縮した状態となっている。この収縮状態から、最初の50mmの状態へ戻すように寸法換算して、TMA用に試験片を再カットしたのち、再カットした後の試験片をTMAにセットする。次に、初期の温度25℃時点での張力を測定する。張力の測定機については、所定の長さへの引っ張り応力を加えられて、応力測定ができるものであれば使用可能であり、張力の有無が確認できる。
【0026】
ところで、収縮部21Aおよび収縮部22Aに含まれる熱収縮性材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル系樹脂、ポリスチレン(PS)およびポリビニルアルコール(PVA)などのビニル結合系、ポリカーボネート(PC)系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル系樹脂、天然ゴム系樹脂、ならびに人口ゴム系樹脂などを単独または混合して用いることができ、代表的には、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBC)、ナイロン、A−PET、二軸延伸PENなどを用いることができる。なお、熱収縮性材料として、常温から85℃まで熱を加えることにより収縮しない高分子材料を用いることが好ましい。
【0027】
収縮部21A,22Aとして、1軸延伸もしくは2軸延伸(2軸逐次、2軸同時)のシートまたはフィルムを用いることが好ましい。このようなシートまたはフィルムを用いた場合には、熱を加えることにより光入射側フィルム21および光射出側フィルム22を延伸方向に収縮させることができるので、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22と支持体との密着性を高めることができる。
【0028】
収縮部21A,22Aの熱収縮率は、包括する拡散板11の大きさ、材質および使用環境などを考慮する必要があるが、90℃において、0.2%以上100%以下となっていることが好ましく、0.5%以上20%以下となっていることがより好ましく、1%以上10%以下となっていることがさらに好ましい。
【0029】
熱収縮率が0.2%を下回ると、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22と、拡散板11との密着性が悪くなる虞がある。また、90℃において熱収縮率が100%を上回ると、熱収縮性が面内で不均一となる虞がある。なお、光源からの熱により包装フィルム20が撓むことによって生じる包装フィルム20の光学特性の低下を防止する観点から、包装フィルム20の熱変形温度は80℃以上となっていることが好ましく、90℃以上となっていることがより好ましい。また、熱収縮率が0.5%以上20%以下となっている場合には、熱収縮による形状変化を精確に見積もることが可能であり、さらに、熱収縮率が1%以上10%以下となっている場合には、熱収縮による形状劣化がほとんどなく、しかも熱収縮による形状変化を極めて精確に見積もることが可能である。なお、収縮率(%)のMD/TD比は、JISZ1709において0.53〜0.63であることが望ましい。また、貯蔵弾性率は、バイブロン10Hz、85℃において200(M・Pa)程度であることが望ましい。
【0030】
また、包装フィルム20の乾燥減量は、2%以下であることが好ましい。収縮部21A,22Aを含む包装フィルム20全体の熱膨張率は、包装フィルム20と拡散板11との密着性を高める観点から、包装フィルム20に包まれる拡散板11の熱膨張率よりも小さいことが好ましい。また、屈折率が小さい方が包装フィルム20の表面での反射成分が小さく、輝度ロスが小さいことから、包装フィルム20の屈折率は1.6以下となっていることが好ましく、1.55以下となっていることがより好ましい。
【0031】
光入射側フィルム21および光射出側フィルム22の厚さはそれぞれ、5μm以上200μm以下となっていることが好ましく、5μm以上100μm以下となっていることがより好ましく、5μm以上50μm以下となっていることがさらに好ましい。5μmを下回る厚さのフィルムを作成することは困難であり、5μmを下回ると包装フィルム20の強度が不十分となる虞がある。また、5μmを下回ると熱収縮時の収縮応力が小さく、包装フィルム20が拡散板11に密着しない虞がある。また、200μmを上回ると、収縮部21A,22Aを熱収縮させたときに、包装フィルム20が拡散板11の端縁と密着することが困難となり、その近傍において盛り上がってしまう虞がある。なお、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22の厚さをそれぞれ5μm以上200μm以下とした場合には、拡散板11と包装フィルム20とを互いに密着させることが容易であり、さらに5μm以上50μm以下とした場合には、包装フィルム20の強度を最低限確保しつつ、拡散板11と包装フィルム20とを互いに密着させることが可能である。
【0032】
また、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22の厚さは互いに異なっていてもよく、そのようにした場合には、光入射側フィルム21の厚さが光射出側フィルム22の厚さよりも厚くなっていることが好ましい。光入射側フィルム21を厚くすることによって、光源からの熱による拡散板11の形状変化を抑制することができる。また、光入射側フィルム21および光射出側フィルム22は互いに異なる材料により構成されていてもよく、そのようにした場合には、それぞれのフィルムに適した材料を選択することが可能となる。
【0033】
また、包装フィルム20は、光拡散機能を有していることが好ましく、例えば、1種または2種以上の光拡散材(微粒子)を含有していることが好ましい。微粒子としては、例えば有機フィラおよび無機フィラの少なくとも1種を用いることができる。有機フィラの材料としては、例えばアクリル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン樹脂、フッ素および空洞からなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。無機フィラとしては、例えばシリカ、アルミナ、タルク、酸化チタンおよび硫酸バリウムからなる群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。透過性を考えると微粒子として透明な有機フィラを用いることが好ましい。微粒子の形状としては、例えば針状、球形状、楕円体状、板状、鱗片状などの種々の形状を用いることができる。包装フィルム20に対して、同一径の微粒子を含有させてもよいし、複数種類の径の微粒子を含有させてもよい。
【0034】
また、包装フィルム20に対して、必要に応じて光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤および酸化防止剤などの添加剤を含有させて、光安定機能や、紫外線吸収機能、赤外線吸収機能、静電抑制機能、難燃機能、難酸化機能などを付与してもよい。また、包装フィルム20に対して、アンチグレア処理(AG処理)およびアンチリフレクション処理(AR処理)などの表面処理などを施すことにより、反射光の拡散や反射光そのものを低減するようにしてもよい。また、包装フィルム20に対して、UV−A光(波長が315〜400nm程度の光)などの特定波長領域の光を透過する機能を付与してもよい。
【0035】
また、包装フィルム20は、単層で構成されていてもよいし、複数層で構成されていてもよい。包装フィルム20が複数層で構成されている場合には、フィラや、光安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤および酸化防止剤などの添加剤が表層に含有されていることが好ましい。また、フィラが表層に含有されている場合には、フィラによって表層に凹凸が形成されていることが好ましい。その場合には、他の光学素子などとの貼り付きを防止することができる。
【0036】
また、包装フィルム20は、一対の側面11C−2との対向領域のうち収縮部21B,22Bとの隣接部分に開口20Aを有している。開口20Aは、例えば、図1、図3に示したように、収縮部21B,22Bの、長手方向の端部近傍から、側面11C−2の長手方向に延在する帯状の形状となっている。なお、図1、図3には、開口20Aが一方の収縮部21B,22Bの端部から他方の収縮部21B,22Bの端部に渡って形成されており、側面11C−2全体が外部に露出している場合が例示されているが、それ以外の形態となっていてもよい。例えば、図示しないが、開口20Aが一方の収縮部21B,22Bの端部近傍と、他方の収縮部21B,22Bの端部近傍との2カ所に別個に形成され、側面11C−2の、長手方向の中央部分が包装フィルム20によって覆われていてもよい。
【0037】
次に、図5を参照して、本実施の形態の光学包装体1の製造方法の一例について説明する。
【0038】
まず、延伸機を用いて、一軸延伸または二軸延伸された光入射側フィルム21および光射出側フィルム22を用意する。そして、フィルムを送り出す機械(図示せず)を用いて、光入射側フィルム21をロールから送り出し、別途用意した拡散板11を、光入射側フィルム21上の所定の位置に載置する。
【0039】
次に、フィルムを送り出す機械(図示せず)を用いて、光射出側フィルム22をロールから送り出し、上記拡散板11の上面を覆うように載置する。ここで、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の幅は、拡散板11の幅とほぼ等しいか、若干大きくなるようにするのが望ましい。
【0040】
次に、フィルム21および22によって拡散板11を挟持した状態で、溶着用カッタ30(図5(A)参照)を用いて、フィルム21および22同士を所定の箇所で溶着(接合)すると共に切断する。これにより、フィルム21および22の端部に接合部20Aが形成され、フィルム21および22の端部のうち溶着されていない部分が開口20Aとなる。
【0041】
次に、図5(B)に示したように、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の端部に配置されたヒータ40を用いて、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の端部の一部分(図5(B)では収縮部21B,22B全体)に対して局所的に熱を加え、収縮部21B,22Bを収縮させる。なお、図5(B)では、収縮部21B,22B全体に対して熱を加えている場合が例示されているが、収縮部21B,22Bが光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の両端部に設けられている場合には、いずれか一方にだけ熱を加えるようにしてもよい。このように、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の端部の一部分にだけ局所的に熱を加え、収縮部21B,22Bを収縮させることにより、包装フィルム20のうち収縮部21B,22B以外の部分を収縮部21B,22Bの収縮力によって引っ張り、包装フィルム20を面内方向に張力のかかった状態で拡散板11に密着させる。このようにして、本実施の形態の光学包装体1が製造される。
【0042】
次に、上記のようにして製造された光学包装体1の作用について説明する。光学包装体1の光入射側フィルム21側に光源を配置し、この光源から光学包装体1に向けて無偏光の光を照射すると、光源からの光は光入射側フィルム21を透過したのち、その透過した光が拡散板11で拡散される。これにより、面内輝度分布が均一化される。その後、拡散板11で拡散された光は光射出側のフィルム22を透過して外部に射出される。このようにして、光源からの光は、所望の正面輝度、面内輝度分布および視野角などを有する光に調整される。
【0043】
ところで、本実施の形態では、包装フィルム20のうち側面11Cとの対向領域の一部(例えば側面11C−1との対向領域)に、熱収縮性材料を含む収縮部21B,22Bが設けられている。これにより、包装フィルム20には、収縮部21B,22Bによって、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の面内方向に引張応力(いわゆる張力)がかかる。また、側面11C−2との対向領域のうち収縮部21B,22Bとの隣接部分に開口20Aが設けられている。これにより、製造過程において収縮部21B,22Bが収縮したときに、包装フィルム20のうち収縮部21B,22Bに隣接する部分に、収縮部21B,22Bの収縮に伴って面内方向に圧縮応力がかかるのが防止される。これにより、包装フィルム20にしわを作る要因となる圧縮応力がかかるのを防止しつつ、包装フィルム20に張力をかけることができるので、包装フィルム20にしわを発生させずに包装フィルム20を拡散板11に密着させることができる。また、包装フィルム20には張力がかかっているので、包装フィルム20を薄くした場合であっても包装フィルム20にしわが発生する虞はない。また、本実施の形態では、包装フィルム20内に、支持体として機能する拡散板11が設けられているので、フィルム20の張力によって光学包装体1がたわんだり、反ったりする虞はない。従って、包装フィルム20の内包物(拡散板11)や包装フィルム20に、しわ、たわみ、そりが発生する虞はない。
【0044】
また、上述したように、製造過程において、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の端部の一部分にだけ局所的に熱を加えることにより、収縮部21B,22Bを収縮させているので、包装フィルム20内の拡散板11を厚くしたり、大電力を供給可能な設備を用意したりする必要がない。その結果、製造コストの上昇を抑えることができる。このように、本実施の形態では、しわ、たわみ、そりの発生と、製造コストの上昇とを抑えつつ、薄型化を実現することができる。
【0045】
(変形例1)
上記実施の形態では、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の双方の端部に収縮部(21B,22B)が設けられている場合が例示されていたが、例えば、図6に示したように、光入射側フィルム21の両端部にだけ収縮部(21B)が設けられていてもよい。また、例えば、光射出側のフィルム22の両端部にだけ収縮部(22B)が設けられていてもよい。また、例えば、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22のうち互いに接する一方の端部にだけ収縮部(21B,22B)が設けられていてもよい。また、例えば、光入射側フィルム21の一方の端部にだけ収縮部(21B)が設けられていてもよい。また、例えば、光射出側のフィルム22の一方の端部にだけ収縮部(22B)が設けられていてもよい。また、例えば、光入射側フィルム21の全体に対して収縮部(21B)が設けられていてもよい。また、例えば、光射出側のフィルム22の全体に対して収縮部(22B)が設けられていてもよい。また、例えば、光入射側フィルム21の全体に対して収縮部(21B)が設けられると共に、光射出側のフィルム22の全体に対して収縮部(22B)が設けられていてもよい。なお、収縮部21B,22Bが光入射側フィルム21全体または光射出側のフィルム22全体に形成されている場合には、製造過程において、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の一辺または二辺にだけ熱を加え、収縮部21B,22Bを収縮させればよい。
【0046】
(変形例2)
また、上記実施の形態では、包装フィルム20内には拡散板11しか包括されていなかったが、包装フィルム20のうち上面11A側の部分(光入射側フィルム21)と拡散板11との間および包装フィルム20のうち下面11B側の部分(光射出側のフィルム22)と拡散板11との間の少なくとも一方に、1または複数の光学シートが設けられていてもよい。なお、1または複数の光学シートは、例えば、拡散機能、集光機能、偏光分離機能および光源像調整機能および光励起発光機能の少なくとも一つの機能を有している。
【0047】
例えば、図7に示したように、光学包装体1は、拡散板11、拡散シート12、レンズフィルム13、反射型偏光シート14および光源像調整シート15を含む積層体10を包装フィルム20で包括することにより形成されている。この光学包装体1は、包装フィルム20のうち上面11A側の部分(光入射側フィルム21)と拡散板11との間に、拡散シート12、レンズフィルム13および反射型偏光シート14を備え、包装フィルム20のうち下面11B側の部分(光射出側のフィルム22)と拡散板11との間に、光源像調整シート15を備えている。
【0048】
ここで、拡散シート12は、例えば、比較的薄手のフィルム状の透明樹脂上に光拡散材を含む透明樹脂を塗布して形成された薄い光学シートである。フィルム状の透明樹脂には、上記の拡散板11と同様、例えばPET、アクリルおよびポリカーボネートなどの光透過性熱可塑性樹脂が用いられる。上記拡散板に含まれる光拡散層は、上記の拡散板11と同様の構成となっている。これにより、この拡散シート12は、拡散板11を通過した光や拡散シート12側からの戻り光を拡散する機能を有している。
【0049】
レンズフィルム13は、拡散板11側の面(下面)と平行な平面に沿って延在する複数の凸部13Aが反射型偏光シート14側の面(上面)に連続的に並んで配置された薄い光学シートである。各凸部13Aは、例えば、拡散板11の側面11C−1の長手方向と平行な方向に延在して形成されると共に、その延在方向と交差する方向に連続的に並んで配置されている。各凸部13Aの延在方向は、図7に例示したように、光源像調整シート15の凸部15A(後述)の延在方向と平行な方向に延在していることが好ましい。また、光学包装体1が、表示装置などに搭載される際に、長手方向に延在する側面11C−1が水平方向と平行となるように配置される場合には、レンズフィルム13は、水平視野角確保の観点から、各凸部13Aの延在方向が水平方向と平行となるように配置されることが好ましい。
【0050】
各凸部13Aの表面は、曲面および複数の平面の少なくとも一方で構成されている。例えば、各凸部13Aが頂角90°の三角プリズム形状となっている場合には、各凸部13Aの表面は、底角(傾斜角)45°の2つの平面(傾斜面)で構成されている。また、例えば、各凸部13Aが、頂部に凸状の曲面を有する多角柱形状となっている場合には、各凸部13Aの表面は、曲面と、2つの平面(傾斜面)とで構成されている。
【0051】
このレンズフィルム13は、透光性を有する樹脂材料、例えば熱可塑性樹脂を用いて一体的に形成されていてもよいし、また、透光性の基材、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)上にエネルギー線(たとえば紫外線)硬化樹脂を転写して形成されていてもよい。ここで、熱可塑性樹脂としては、光の射出方向を制御するという機能を考慮すると、屈折率1.4以上のものを用いることが好ましい。このような樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、PMMA(ポリメチルメタクリレート樹脂)などのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、MS(メチルメタクリレートとスチレンの共重合体)などの非晶性共重合ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂などが挙げられる。
【0052】
反射型偏光シート14は、例えば屈折率の互いに異なる層を交互に積層した多層構造(図示せず)を有しており、レンズフィルム13によって指向性の高められた光をps分離すると共にp波だけを透過させ、s波を選択的に反射するようになっている。反射されたs波は、光源の背後に配置された反射シートなどで再び反射され、その際にp波とs波に分かれるので、反射型偏光シート14で反射されたs波を再利用することができる。この反射型偏光シート14は、さらに、上記多層構造を一対の拡散シートで挟み込んで形成されており、その多層膜を透過したp波を反射型偏光シート14内の拡散シートで拡散することにより、視野角を広げるようになっている。
【0053】
なお、光学包装体1の外部であって、かつ光射出領域22Cに近接する位置に液晶パネル(偏光子)が存在する場合や、光学包装体1の内部であって、かつ光射出領域22Cに近接する位置に反射型偏光シート14またはレンズシート13が存在する場合には、輝度むらを小さくするために、光射出側フィルム22の位相差を小さくしておくことが好ましい。具体的には、液晶パネルの光入射側に設けられた偏光子の透過軸および反射側偏光シート14の光軸に対する包装フィルム20の位相差遅れは、入射光の波長の(1/50)π以下であることが好ましい。なお、上記した位相差遅れとは、あくまでも液晶パネルの光入射側に設けられた偏光子の透過軸および反射側偏光シート14の光軸に対する位相差遅れである。包括フィルム20の位相差遅れが、射出側と入射側とで異なっていてもよく、そのようにした場合には、少なくとも包装フィルム20の射出側において、反射型偏光シート14の光軸に対する位相差遅れが(1/50)π以下となっていることが望ましい。
【0054】
このような包装フィルム20の材料としては、ポリカーボネート、ビニル芳香族炭化水素例えばポリスチレン、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンのブロック共重合体例えばスチレン-ブタジエンブロック共重合体、ポリプロピレン系、ポリエチレン系、シクロオレフィンプリマー系、トリアセチルセルロース系などが上げられる。
【0055】
なお、包装フィルム20が仮に複屈折を若干持っている場合には、その値が包装フィルム20の光射出面全体で均一であり、その偏光軸が包装フィルム20の光射出面全体で均一に揃っていることが望ましい。これは、その偏光軸を、液晶パネルの光源側に設けられた偏光子の透過軸、または反射型偏光シート14の光軸と、おおよそ平行にすることで偏光軸を回転させないようにするためである。
【0056】
光源像調整シート15は、例えば、図7に示したように、光入射領域21C(拡散板11の直下)に、線状または錐体状の複数の凸部15Aを有している。積層体10の直下に配置された光源が積層体10の積層方向と直交する一の方向(例えば拡散板11の長手方向)に延在する複数の線状光源である場合には、複数の凸部15Aは、図7示したように、積層体10の積層方向と直交する所定の方向に延在する線形状(柱形状)となっており、かつ、その延在方向と交差する方向に連続的に並んで配置されていることが好ましい。このとき、各凸部15Aの延在方向が各線状光源の延在方向と平行となっていることが好ましいが、各線状光源の延在方向に対して光学特性上許容できる範囲内で交差するように配置されていてもよい。なお、凸部15Aは多角柱形状となっていてもよいし、凸部15Aの表面が曲面となっていてもよい。また、積層体10の直下に配置された光源が積層体10の積層方向と平行な法線を有する一の面内に配置された複数の点状光源である場合には、複数の凸部15Aは、図示しないが、錐体形状となっており、光入射領域21C内に連続的に2次元配置されていることが好ましい。ただし、拡散板11と光源像調整シート15との間に、凸部15Aの延在方向と直交する方向に延在する線形状(柱形状)となっている複数の凸部がこの凸部の延在方向と直交する方向に並列配置された光源像調整シートが設けられている場合には、複数の凸部15Aは、積層体10の積層方向と直交する所定の方向に延在する線形状(柱形状)となっていることが好ましい。
【0057】
これにより、光源像調整シート15は、例えば一の光源から射出された光のうち下面または上面に臨界角未満の角度で入射した光を屈折透過する一方で、臨界角以上の角度で入射した光を全反射するので、光源像の輝度レベルの最大値と最小値を小さくし、照明輝度のむらを低減することができる。なお、光源像とは、光の輝度分布において、輝度のピークを示す光束を表すものである。
【0058】
次に、本変形例における作用について説明する。本変形例に係る光学包装体1の光源像調整シート15側に光源を配置し、この光源から光学包装体1に向けて無偏光の光を照射すると、光源からの光は光源像調整シート15で光源像間の輝度むらを調整し、その調整により得られる光源像が拡散板11および拡散シート12で拡散される。これにより、面内輝度分布が均一となる。その後、レンズフィルム13の集光作用によって正面輝度が高められたのち、レンズフィルム13で集光された光は反射型偏光シート14によって偏光分離されると共に視野角を広げられ、外部に射出される。このようにして、光源からの光は、所望の正面輝度、面内輝度分布および視野角などを有する光に調整される。
【0059】
ところで、本変形例では、上記実施の形態と同様、包装フィルム20にしわを作る要因となる圧縮応力がかかるのを防止しつつ、包装フィルム20に張力をかけることができるので、包装フィルム20にしわを発生させずに包装フィルム20を拡散板11に密着させることができる。また、包装フィルム20には張力がかかっているので、包装フィルム20を薄くした場合であっても包装フィルム20にしわが発生する虞はない。また、本変形例においても、包装フィルム20内に、支持体として機能する拡散板11が設けられているので、フィルム20の張力によって光学包装体1がたわんだり、反ったりする虞はない。従って、包装フィルム20の内包物や包装フィルム20に、しわ、たわみ、そりが発生する虞はない。
【0060】
また、本変形例でも、包装フィルム20内の拡散板11を厚くしたり、大電力を供給可能な設備を用意したりする必要がないので、製造コストの上昇を抑えることができる。このように、本変形例においても、しわ、たわみ、そりの発生と、製造コストの上昇とを抑えつつ、薄型化を実現することができる。
【0061】
(変形例3)
また、上記実施の形態および上記変形例において、包装フィルム20において、拡散板11の直下に光源を配置した際に、光源からの光が入射する光入射領域21Cおよび光源からの光が当該光学包装体1を通過して射出する光射出領域22Cの少なくとも一方の領域に、光源からの光に対して作用する光学機能部を設けるようにしてもよい。この光学機能部は、例えば、拡散機能、集光機能、偏光分離機能および光源像調整機能および光励起発光機能の少なくとも一つの機能を有しており、包装フィルム20の直上に表示パネル(図示せず)を配置した際に、表示パネルの表示領域と対応する領域全体に形成されている。なお、光学機能部は、しわ、たわみ、そりの発生を防止しつつ製造工程を簡略化する観点から、包装フィルム20のうち当該光学機能部以外の部位と一体に形成されていることが好ましい。
【0062】
例えば、包装フィルム20に対して、図8に示したように、光入射領域21Cに、光学機能部として光源像調整部23を設けることが可能である。この光源像調整部23は、光入射領域21Cのうち拡散板11側の表面および拡散板11とは反対側の表面の少なくとも一方に、線状または錐体状の複数の凸部23Aを有している。なお、図8には、光源像調整部23が光入射領域21Aのうち拡散板11側の表面に設けられている場合が例示されている。また、図8には、光源像調整部23が光入射側フィルム21に一体に形成されている場合が例示されているが、光入射側フィルム21と別体で(貼り合わせて)形成されていてもよい。
【0063】
ここで、拡散板11の直下に配置された光源が拡散板11の法線方向と直交する一の方向(例えば拡散板11の長手方向)に延在する複数の線状光源である場合には、複数の凸部23Aは、図8に示したように、拡散板11の法線方向と直交する所定の方向に延在する線形状(柱形状)となっており、かつ、その延在方向と交差する方向に連続的に並んで配置されていることが好ましい。このとき、各凸部23Aの延在方向が各線状光源の延在方向と平行となっていることが好ましいが、各線状光源の延在方向に対して光学特性上許容できる範囲内で交差するように配置されていてもよい。なお、凸部23Aは多角柱形状となっていてもよいし、凸部23Aの表面が曲面となっていてもよい。また、拡散板11の直下に配置された光源が拡散板11の法線方向と平行な法線を有する一の面内に配置された複数の点状光源である場合には、複数の凸部23Aは、図示しないが、錐体形状となっており、光入射領域21Cのうち拡散板11側の表面および拡散板11とは反対側の表面の少なくとも一方に連続的に2次元配置されていることが好ましい。
【0064】
これにより、光源像調整部23は、例えば一の光源から射出された光のうち下面または
上面に臨界角未満の角度で入射した光を屈折透過する一方で、臨界角以上の角度で入射し
た光を全反射するので、光源像の輝度レベルの最大値と最小値との差を小さくし、照明輝度のむらを低減することができる。
【0065】
また、例えば、包装フィルム20の光射出領域22Cに、光学機能部として立体形状を設けることが可能である。この立体形状は、例えば、光射出領域22Cのうち積層体10側の表面および積層体10とは反対側の表面の少なくとも一方に設けられており、一の方向(例えば拡散板11の長手方向)に延在すると共に、その延在方向と交差する方向に連続的に並列配置された複数の凸部によって構成されている。
【0066】
上記の各凸部は、例えば、頂角に接する2つの傾斜面を有する三角柱形状となっており、これら傾斜面は、光射出側のフィルム22を含む面に対して斜めに対向して配置されている。なお、上記の各凸部の形状は、三角柱形状に限定されるものではなく、例えば、五角柱形状などの多角柱形状であってもよいし、各凸部の延在方向と直交する方向に、楕円形状および非球面形状などの曲面形状(例えばシリンドリカル形状)を有するものであってもよい。これにより、各凸部は、光射出側のフィルム22の裏面側から入射した光のうち各凸部の配列方向の成分を積層体10の積層方向と交差する方向に向けて屈折透過させ、指向性を増加させるようになっている。
【0067】
上記の凸部は、さらに、光射出領域22Cの全体または一部において、偏光分離の機能を持っていてもよい。例えば、図9に示したように、包装フィルム20の光射出領域22C全体に、偏光分離機能を有する複数の凸部24Aが並列配置された偏光分離部24を設けるようにしてもよい。
【0068】
各凸部24Aは、一の方向の屈折率が一の方向と直交する方向の屈折率よりも大きい屈折率異方性を有している。例えば、各凸部24Aの延在方向の屈折率が各凸部24Aの配列方向の屈折率よりも大きくなっているか、または、各凸部24Aの延在方向の屈折率が各凸部24Aの配列方向の屈折率よりも小さくなっている。
【0069】
ここで、屈折率の面内異方性は、半結晶性または結晶性の樹脂を含むシートを一の方向に延伸することにより発現させることが可能である。半結晶性または結晶性の樹脂には、延伸方向の屈折率が延伸方向と直交する方向の屈折率よりも大きくなる樹脂や、延伸方向の屈折率が延伸方向と直交する方向の屈折率よりも小さくなる樹脂などがある。延伸方向の屈折率が大きくなる正の複屈折性を示す材料しては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)及びこれらの混合物又はPET−PENコポリマー等の共重合体、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリアミド等が挙げられる。一方、延伸方向の屈折率が小さくなる負の複屈折性を示す材料としては、例えばメタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−メチルメタクリレート共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0070】
なお、屈折率の面内異方性は、例えば、屈折率異方性を有する結晶材料を用いることによっても、発現させることが可能である。また、製造工程の簡略化の観点からは、偏光分離部24全体を同一の材料により構成することが好ましいが、例えば、各凸部24Aとそれ以外の部位とを互いに異なる材料で構成してもよい。
【0071】
次に、偏光分離部24全体の屈折率が各凸部24Aの延在方向と、各凸部24Aの配列方向とで異なる場合における偏光分離部24の機能について説明する。
【0072】
偏光分離部24を含む面に対して斜め方向から入射した光源からの光は、各凸部24Aの延在方向と、各凸部24Aの配列方向とで各凸部24Aの屈折率が異なることから、偏光分離部24の裏面において光源からの光のX方向偏光成分LxとY方向偏光成分Lyとは異なる屈折角rx,ryでそれぞれ屈折するとともに、異なる射出角φx,φyで偏光分離部24の表面(各凸部24Aの光射出面)から射出する。
【0073】
このとき、偏光分離部24は各凸部24Aの延在方向と各凸部24Aの配列方向とで異なる屈折率を有しているので、これら各方向に振動する偏光成分は、偏光分離部24の裏面および凸部24Aの光射出面といった界面において、互いに異なる反射率で反射される。従って、偏光分離部24全体において、各凸部24Aの延在方向の屈折率nxの方が各凸部24Aの配列方向の屈折率nyよりも大きい場合には、X方向偏光成分Lxの反射量がY方向偏光成分Lyの反射量よりも大きくなる。そのため、偏光分離部24を透過した光において、Y方向偏光成分Lyの光量の方がX方向偏光成分Lxの光量よりも多くなる。
【0074】
また、偏光分離部24は各凸部24Aの延在方向と各凸部24Aの配列方向とで異なる屈折率を有しているので、これらの各方向に振動する偏光成分は、偏光分離部24の裏面および凸部24Aの光入射面といった界面において、互いに異なる臨界角を有する。従って、ある入射角で入射した光は光射出面において、その射出面に入る角度がLxの臨界角よりも大きく、Y方向偏光成分Lyの臨界角よりも小さい場合には、X方向偏光成分Lxは全反射し、Y方向偏光成分Lyは透過する。よって、X方向偏光成分Lxが各凸部24Aの光射出面で全反射を繰り返して戻り光となり、Y方向偏光成分Lyのみが各凸部24Aの光射出面を透過する完全な偏光分離状態を実現することができる。
【0075】
また、各凸部24Aの光射出面に対する光源からの光の入射角が大きくなり過ぎると、光源からの光は偏光状態に関係なく、各凸部24Aの光射出面において全反射を繰り返して、光源側へ戻る戻り光となる。
【0076】
以上のように、偏光分離部24は、集光作用に加え、一定の偏光分離作用を有している。これにより、偏光分離部24に偏光分離作用がない場合よりも光の利用効率が高くなり、正面輝度が向上する。
【0077】
また、例えば、包装フィルム20に対して、光入射領域21Cに、光学機能部として光源像調整部23を設け、さらに、包装フィルム20の光射出領域22Cに、光学機能部として立体形状を設けることが可能である。
【0078】
この立体形状は、例えば、光射出領域22Cのうち積層体10側の表面および積層体10とは反対側の表面の少なくとも一方に設けられており、一の方向(例えば拡散板11の長手方向)に延在すると共に、その延在方向と交差する方向に連続的に並列配置された複数の凸部によって構成されている。
【0079】
上記の各凸部は、例えば、頂角に接する2つの傾斜面を有する三角柱形状となっており、これら傾斜面は、光射出側のフィルム22を含む面に対して斜めに対向して配置されている。なお、上記の各凸部の形状は、三角柱形状に限定されるものではなく、例えば、五角柱形状などの多角柱形状であってもよいし、各凸部の延在方向と直交する方向に、楕円形状および非球面形状などの曲面形状(例えばシリンドリカル形状)を有するものであってもよい。これにより、各凸部は、光射出側のフィルム22の裏面側から入射した光のうち各凸部の配列方向の成分を積層体10の積層方向と交差する方向に向けて屈折透過させ、指向性を増加させるようになっている。
【0080】
上記の凸部は、さらに、光射出領域22Cの全体または一部において、偏光分離の機能を持っていてもよい。例えば、図10に示したように、包装フィルム20の光射出領域22C全体に、偏光分離機能を有する複数の凸部24Aが並列配置された偏光分離部24を設けるようにしてもよい。
【0081】
また、例えば、包装フィルム20内に積層体10を設け、さらに、包装フィルム20に光学機能部を設けることも可能である。例えば、図11に示したように、包装フィルム20内に、拡散板11、拡散シート12、プリズムシート14および偏光分離シート14を光入射領域21C側から順に積層してなる積層体10を設け、さらに、光入射領域21Cに、光学機能部として光源像調整部23を設けることが可能である。
【0082】
(変形例4)
また、例えば、拡散板11の光射出側の面に立体形状を設けることも可能である。例えば、図7に記載の光学包装体1において、拡散板11の光射出側の面に、光源像調整シート15の凸部15Aと同様の立体形状を有する複数の凸部を設けることが可能である。そのようにした場合には、拡散板11は、通常の拡散板の機能と、拡散された光を集光させる機能とを同時に有するので、光入射側に設けられた光源像調整シート15を省略することができる。
【0083】
(変形例5)
また、上記実施の形態および上記変形例において、包装フィルム20は、光入射側フィルム21および光射出側のフィルム22の2枚のフィルムによって構成されている場合が例示されていたが、例えば、図12に示したように、1枚のフィルムによって構成されていてもよい。なお、図12は、本変形例に係る光学包装体1の斜視図である。また、図12の光学包装体1の上面構成を図13(A)に示し、図12の光学包装体1の下面構成を図13(B)に示し、図13(A)のA−A矢視方向の断面構成を図14に示す。
【0084】
本変形例に係る包装フィルム20は、一方の側面11C−1との対向領域の一部に、当該包装フィルム20の上面11A側の部分と当該包装フィルム20の下面11B側の部分とが互いに接合された接合部21A,22Aを有している。また、接合部21A,22Aのうち少なくとも一方が収縮部(21B,22B)となっている。また、
【0085】
また、本変形例に係る包装フィルム20は、一方の側面11C−2との対向領域のうち収縮部21B,22Bとの隣接部分に開口20Aを有している。開口20Aは、例えば、収縮部21B,22Bの、長手方向の端部近傍から、側面11C−2の長手方向に延在する帯状の形状となっている。なお、図12、図13には、開口20Aが一方の収縮部21B,22Bの端部から他方の収縮部21B,22Bの端部に渡って形成されており、側面11C−2全体が外部に露出している場合が例示されているが、例えば、図示しないが、開口20Aが一方の収縮部21B,22Bの端部近傍と、他方の収縮部21B,22Bの端部近傍との2カ所に別個に形成され、側面11C−2の、長手方向の中央部分が包装フィルム20によって覆われていてもよい。
【0086】
[適用例]
次に、上記各実施の形態の光学包装体1の一適用例について説明する。なお、以下では、図7に記載の光学包装体1を表示装置に適用した場合について説明するが、他の図に記載の光学包装体1を表示装置に用いることはもちろん可能である。
【0087】
図15は、本適用例にかかる表示装置の断面構成を表したものである。この表示装置は、表示パネル2と、表示パネル2の背後に配置された光源3と、光源3の背後に配置された反射シート4と、表示パネル2および光源3との間に配置された光学包装体1とを備えており、表示パネル2の表面が観察者(図示せず)側に向けられている。
【0088】
表示パネル2は、図示しないが、観察側の透明基板と光源3側の透明基板との間に液晶層を有する積層構造となっている。具体的には、観察側から順に、偏光板、透明基板、カラーフィルタ、透明電極、配向膜、液晶層、配向膜、透明画素電極、透明基板および偏光板を有している。
【0089】
偏光板は、光学シャッタの一種であり、ある一定の振動方向の光(偏光)のみを通過させる。これら偏光板はそれぞれ、偏光軸が互いに90度異なるように配置されており、これにより光源3からの射出光が、液晶層を介して透過し、あるいは遮断されるようになっている。透明基板は、可視光に対して透明な基板、例えば板ガラスからなる。なお、光源3側の透明基板には、透明画素電極に電気的に接続された駆動素子としてのTFT(ThinFilm Transistor;薄膜トランジスタ)および配線などを含むアクティブ型の駆動回路が形成されている。カラーフィルタは、光源3からの射出光を例えば、赤(R)、緑(G)および青(B)の三原色にそれぞれ色分離するためのカラーフィルタを配列して構成されている。透明電極は、例えばITO(Indium Tin Oxide;酸化インジウムスズ)からなり、共通の対向電極として機能する。配向膜は、例えばポリイミドなどの高分子材料からなり、液晶に対して配向処理を行う。液晶層は、例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モードまたはSTN(Super Twisted Nematic)モードの液晶からなり、駆動回路からの印加電圧により、光源3からの射出光を画素ごとに透過または遮断する機能を有する。透明画素電極は、例えばITOからなり、画素ごとの電極として機能する。
【0090】
光源3は、例えば、複数の線状光源が等間隔(例えば20μm間隔)で並列配置されたものである。線状光源は、典型的には、冷陰極管(CCFL;Cold Cathode Fluorescent Lamp)と呼ばれる冷陰極蛍光ランプであるが、発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)などの点状光源を直線状に配置したものであってもよい。各線状光源は、例えば光学包装体1の下面と平行な面内において、例えば光源像調整シート15の凸部15Aの延在方向と平行な方向(積層体10の法線方向と直交する方向)に延在して配置されている。
【0091】
次に、本適用例にかかる表示装置における作用について説明する。光源3から光学包装体1に向けて無偏光の光を照射すると、光源3からの光は光源像調整シート15で光源像間の輝度むらを調整し、その調整により得られる光源像が拡散板11および拡散シート12で拡散される。これにより、面内輝度分布が均一となる。その後、レンズフィルム13の集光作用によって正面輝度が高められたのち、レンズフィルム13で集光された光は反射型偏光シート14によって偏光分離されると共に視野角を広げられ、表示パネル2の裏面に射出される。このようにして、光源からの光が所望の正面輝度、面内輝度分布および視野角などを有する光に調整されたのち、表示パネル2で変調され、画像光として表示パネル2の表面から観察者側に射出される。
【0092】
本適用例では、しわ、たわみ、そりのない薄い光学包装体1を用いることができるので、表示品質を劣化させることなく、表示装置全体を薄型化することができる。
【0093】
なお、上記適用例において、表示パネル2と光学包装体1との間に、1または複数の光学シートを設けることが可能である。例えば、図16に示したように、光学包装体1から反射型偏向シート14を抜き出し、それを表示パネル2と光学包装体1との間に設けるようにしてもよい。
【0094】
以上、実施の形態、変形例および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【0095】
例えば、上記実施の形態等では、支持体として拡散板11を用いていたが、導光板を用いることも可能である。ただし、そのようにした場合には、光源の光を光学包装体1の側面から導入することになるので、光学包装体1の光入射領域21Cは光学包装体1の側面となる。
【0096】
また、上記実施の形態等において、拡散板11、拡散シート12、レンズフィルム13、反射型偏光シート14、光源像調整シート15、光入射側フィルム21または光射出側フィルム22などの光学シートに対して、光励起発光機能を付与してもよい。そのようにした場合には、青あるいは紫外などの短波長光を発するLEDなどの光源を用いて、青あるいは紫外などの短波長光を、光励起発光機能が付与された光学シートに対して照射することにより、青あるいは紫外よりも長波長の光を励起、発光させ、照明装置から白色光を出力することができる。従って、例えば、光源と光学シートとの距離を、3色の光を別個に発するLEDを光源として用いる場合と比べて狭くした場合であっても、色むらの無い白色光を得ることが可能である。
【0097】
また、上記適用例において、光学包装体1と光源3との間に、光源像調整シート15を設けてもよい。このようにした場合には、光学包装体1の外部に配置された光源像調整シート15によって光源像間の輝度むらを調整することができる。また、光学包装体1と光源3との間に、光源像調整シート15を設けた場合には、例えば、図17に示したように、必要に応じて光学包装体1内の光源像調整シート1をなくしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光学包装体の斜視構成の一例を表す斜視図である。
【図2】図1の拡散板の斜視構成の一例を表す斜視図である。
【図3】図1の光学包装体の上面および下面の構成の一例を表す平面図である。
【図4】図3の光学包装体のA−A矢視方向の断面図である。
【図5】図1の光学包装体の製造方法の一例を表す模式図である。
【図6】図1の光学包装体の第1の変形例の断面図である。
【図7】図1の光学包装体の第2の変形例の断面図である。
【図8】図1の光学包装体の第3の変形例の断面図である。
【図9】図1の光学包装体の第4の変形例の断面図である。
【図10】図1の光学包装体の第5の変形例の断面図である。
【図11】図1の光学包装体の第6の変形例の断面図である。
【図12】図1の光学包装体の第7の変形例の斜視構成の一例を表す斜視図である。
【図13】図12の光学包装体の上面および下面の構成の一例を表す平面図である。
【図14】図2の光学包装体のA−A矢視方向の断面図である。
【図15】一適用例にかかる表示装置の断面図である。
【図16】図15の適用例の一変形例の断面図である。
【図17】図15の適用例の他の変形例の断面図である。
【符号の説明】
【0099】
1…光学包装体、2…表示パネル、2A…表示領域、3…光源、4…反射シート、10…積層体、11…拡散板、11A…上面、11B…下面、11C,11C−1,11C−2…側面、11D,11E…端部、12…拡散シート、13…レンズフィルム、13A,15A,23A,24A…凸部、14…反射型偏光シート、15…光源像調整シート、20…包装フィルム、20A…開口部、21…光入射側フィルム、21A,22A…接合部、21B,22B…収縮部、21C…光入射領域、22…光射出側フィルム、22C…光射出領域、23…光源像調整部、24…偏光分離部、30…溶着用カッタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、下面および側面を有する支持体と、
前記支持体を覆う包装フィルムと
を備え、
前記包装フィルムは、前記側面との対向領域に、熱収縮性材料を含む収縮部を有すると共に、前記側面との対向領域のうち前記収縮部との隣接部分に開口を有し、前記収縮部による張力によって前記支持体に密着している光学包装体。
【請求項2】
前記側面は、一の方向に延在する一対の第1側面と、前記一の方向と交差する方向に延在すると共に前記第1側面の端部に接する第2側面とを有し、
前記収縮部は、前記一対の第1側面のうち少なくとも一方の側面との対向領域において、前記第1側面の長手方向の一方の端部近傍から他方の端部近傍まで延在する帯状の領域に形成され、
前記開口は、前記収縮部の端部近傍から前記第2側面の長手方向に延在する帯状の形状となっている請求項1に記載の光学包装体。
【請求項3】
前記包装フィルムは、前記上面側に配置された上側フィルムと、前記下面側に配置された下側フィルムとからなり、
前記上側フィルムは、前記側面との対向領域の一部に、前記下側フィルムに接合された第1接合部を有し、
前記下側フィルムは、前記第1接合部に接合された第2接合部を有し、
前記第1接合部および前記第2接合部のうち少なくとも一方が前記収縮部となっている請求項1に記載の光学包装体。
【請求項4】
前記包装フィルムは、1枚のフィルムからなり、
前記フィルムは、前記側面との対向領域に、当該フィルムの前記上面側の部分と当該フィルムの前記下面側の部分とが互いに接合された接合部を有し、
前記接合部のうち前記上面側の部分および前記下面側の部分の少なくとも一方が前記収縮部となっている請求項1に記載の光学包装体。
【請求項5】
前記包装フィルムのうち前記上面側の部分と前記支持体との間および前記包装フィルムのうち前記下面側の部分と前記支持体との間の少なくとも一方に、1または複数の光学シートを有する請求項1に記載の光学包装体。
【請求項6】
前記1または複数の光学シートは、拡散機能、集光機能、偏光分離機能、光源像調整機能および光励起発光機能の少なくとも一つの機能を有する請求項5に記載の光学包装体。
【請求項7】
前記支持体は、拡散板または導光板である請求項1に記載の光学包装体。
【請求項8】
前記支持体は、拡散板であり、
前記拡散板の光入射面または光射出面には立体形状が形成されている請求項1に記載の光学包装体。
【請求項9】
前記包装フィルムは、光源からの光が入射する第1領域および前記光源からの光が当該光学包装体を通過して射出する第2領域の少なくとも一方の領域に、前記光源からの光に対して作用する光学機能部を有する請求項1に記載の光学包装体。
【請求項10】
前記光学機能部は、拡散機能、集光機能、偏光分離機能、光源像調整機能および光励起発光機能の少なくとも一つの機能を有する請求項9に記載の光学包装体。
【請求項11】
光学包装体と、
前記光学包装体に向けて光を射出する光源と
を備え、
前記光学包装体は、
上面、下面および側面を有する支持体と、
前記支持体を覆う包装フィルムと
を備え、
前記包装フィルムは、前記側面との対向領域に、熱収縮性材料を含む収縮部を有すると共に、前記側面との対向領域のうち前記収縮部との隣接部分に開口を有し、前記収縮部による張力によって前記支持体に密着している照明装置。
【請求項12】
前記光源の背面に、光源像調整シートおよび反射シートを前記光源側から順に備える請求項11に記載の照明装置。
【請求項13】
画像信号に基づいて駆動される表示パネルと、
前記表示パネルを照明する光を発する光源と、
前記表示パネルと前記光源との間に設けられた光学包装体と
を備え、
前記光学包装体は、
上面、下面および側面を有する支持体と、
前記支持体を覆う包装フィルムと
を備え、
前記包装フィルムは、前記側面との対向領域に、熱収縮性材料を含む収縮部を有すると共に、前記側面との対向領域のうち前記収縮部との隣接部分に開口を有し、前記収縮部による張力によって前記支持体に密着している表示装置。
【請求項14】
前記光源の背面に、光源像調整シートおよび反射シートを前記光源側から順に備える請求項13に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−42839(P2010−42839A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208269(P2008−208269)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】