説明

光学式変位センサ

【課題】様々な用途に使用可能な光学式変位センサを提供すること。
【解決手段】光源14と光検出器13の少なくとも一方が配置された少なくとも1つのセンサヘッド2と、センサヘッド2を実装する基板1とにより構成される光学式変位センサにおいて、センサヘッド2は複数の電気接続端子54を有し、基板1は、センサヘッド2を取り付けるための少なくとも1つの段差51を有し、段差51の底面にはセンサヘッド2の電気接続端子54と電気接続する配線パターン30が形成されており、センサヘッド2の複数の電気接続端子54は、基板1の配線パターン30を経由して、外部回路と接続可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサヘッドと、このセンサヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサに関する。
【背景技術】
【0002】
精密機構の変位量を検出する光学式変位センサが従来より使用されている。特開平9−126815号公報にはこのような光学式変位センサの一例が開示されており、図10は、その構成の概略を示している。
【0003】
図10(A)、(B)において、まず、パッケージ200を発光素子パッケージとして用いた場合を考える。この場合には、LEDや半導体レーザ等からなる発光素子203の実装面は、パッケージ本体201の突き当て面201aと略平行に配置され、発光素子203からの光束は投光レンズ202により投光されて図示せぬスケールディスクを照射する。
【0004】
次に、パッケージ200を受光素子パッケージとして用いた場合を考える。この場合には、フォトダイオード等の受光素子203の実装面は、パッケージ本体201の突き当て面201aと略平行に配置され、受光素子203は受光レンズ202により集光された光束を受光する。
【0005】
パッケージ200のベース基板207との突き当て面201aは半田付き用リード204より突出している。したがって、パッケージ200をベース基板207に実装するときに、この突出した突き当て面201aは、ベース基板207に設けた信号ライン用の銅箔パターン205とダミー用の銅箔パターン206とに確実に当接することになる。これにより、パッケージ200をベース基板207上に実装するにあたって垂直方向のバラツキが少なくなり、しかも双方に傾くことが無い。さらに、発光素子(受光素子)203は、ベース基板207に対して所定位置に配置される。
【特許文献1】特開平9−126815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光学式変位センサは、ケーブル配置や固定位置がユーザによって様々であり、ユーザに対応したセンサヘッドのパッケージ形状や固定部材を設計する必要がある。また、使われ方によって小さなパッケージの封止では不十分で二重封止が必要な場合もある。
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、センサヘッドの形状を共通にし、基板の電気配線パターンを変更することによって、様々な用途に使用可能な光学式変位センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様は、光源と光検出器の少なくとも一方が配置された少なくとも1つのセンサヘッドと、前記センサヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、前記センサヘッドは複数の電気接続端子を有し、前記基板は、前記センサヘッドを取り付けるための少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部の底面には前記センサヘッドの電気接続端子と電気接続する配線パターンが形成されており、前記センサヘッドの複数の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されている。
【0009】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記センサヘッドの底面及び側面は、前記凹部を有する基板により取り囲まれているとともに、前記センサヘッドの上面は、前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように透光部を有するカバー部材で覆われている。
【0010】
また、本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記センサヘッドは、前記カバー部材と、前記凹部を有する基板とにより、気密封止されている。
【0011】
また、本発明の第4の態様は、光源と光検出器の少なくとも一方が配置された少なくとも1つのセンサヘッドと、前記センサヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、前記センサヘッドは複数の電気接続端子を有し、前記基板には、前記センサヘッドにおける前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように、前記センサヘッドの周囲に形成された取り囲み部材が積層または一体形成されており、前記センサヘッドの複数の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されている。
【0012】
また、本発明の第5の態様は、第4の態様において、前記センサヘッドの底面及び側面は、前記基板と前記基板に積層または一体形成された取り囲み部材により取り囲まれていると共に、前記センサヘッドの上面は、前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように透光部を有するカバー部材で覆われている。
【0013】
また、本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記センサヘッドは、前記基板と前記基板に積層または一体形成された取り囲み部材とにより気密封止されている。
【0014】
また、本発明の第7の態様は、第1乃至第6の態様のいずれか1つにおいて、前記基板は、複数の同種または異種のセンサヘッドを搭載可能に構成されている。
【0015】
また、本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行な面内で1次元の変位量を検出するセンサであり、第2のセンサヘッドは前記基板に略平行な面内で前記第1のセンサヘッドと垂直な方向の1次元の変位量を検出するセンサである。
【0016】
また、本発明の第9の態様は、第7の態様において、前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行かつ第1のセンサヘッドに対向して配置されたスケールと組み合わされて機能する光学式エンコーダヘッドであり、前記第2のセンサヘッドは前記変位量に対する基準位置を検出するセンサである。
【0017】
また、本発明の第10の態様は、第7の態様において、前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行かつ第1のセンサヘッドに対向して配置されたスケールと組み合わされて機能する光学式エンコーダヘッドであり、第2のセンサヘッドは前記基板に略垂直な方向の変位を検出するセンサである。
【0018】
また、本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記第2のセンサヘッドは、前記第2のセンサヘッドと前記スケールの前記基板に垂直な距離を検出可能な変位センサであり、前記第2のセンサヘッドと前記スケールの前記基板に垂直な距離に対応したアナログ信号、または前記距離が規定範囲内にあるか規定範囲外にあるかを示す信号を出力する機能を備えている。
【0019】
また、本発明の第12の態様は、少なくとも1つの光検出器が配置されたセンサヘッドと少なくとも1つの光源ヘッドと前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、前記センサヘッドは、複数の電気接続端子を有し、前記基板は、前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドを取り付けるための少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部の底面には前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドの電気接続端子と電気接続する配線パターンが形成されており、前記光源ヘッドおよび前記センサヘッドの複数の少なくとも一部の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されている。
【0020】
また、本発明の第13の態様は、第1、第4あるいは第12の態様において、前記基板を固定する固定部材をさらに有し、前記固定部材には、固定位置を調整可能な形状をもつ複数のねじ穴が設けられ、一部のねじ穴は、スケールの移動方向に垂直な方向に広げられた形状をもち、かつ他の一部のねじ穴は、固定点を中心に微小回転が可能な形状をもつ。
【0021】
また、本発明の第14の態様は、第1、第4あるいは第12の態様において、前記基板の電気配線パターンの一方の端子は、電気端子および/またはケーブルと連結されている。
【0022】
また、本発明の第15の態様は、第1、第4あるいは第12の態様において、前記基板の電気配線パターンの一方の端子は、フレキ配線と連結されている。
【0023】
また、本発明の第16の態様は、第1、第4あるいは第12の態様において、前記センサヘッドの少なくとも一部の電気接続端子は、前記電気配線パターンを経由して、外部のリード線またはフレキ配線と電気接続され、前記電気接続された表面は、絶縁性の樹脂で覆われている。
【0024】
また、本発明の第17の態様は、第1、第4あるいは第12の態様において、前記センサヘッドと前記電気配線パターンとの接続は、半田、リフロー、フリップチップ接続、またはカバーによる押さえつけ等で接続されている。
【0025】
また、本発明の第18の態様は、第2または第5の態様において、前記カバー部材は、前記基板に略平行な平面部を有する板状のガラス、石英、あるいはプラスチック材である。
【0026】
また、本発明の第19の態様は、第2または第5の態様において、前記カバー部材は前記センサヘッドを覆うように形成された透光性の樹脂材料である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、様々な用途に使用可能な光学式変位センサが提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。本実施の形態の光学式変位センサは、センサヘッド2と、光電子素子5とを基板(以下、単に基板と称する)1に取り付けることにより構成される。
【0030】
センサヘッド2は、基板40上に、光源14と、変位量検出用の光検出器13と、原点位置検出用の光検出器15と、図示せぬ光源ドライブ回路および信号処理用のIC回路とを集積し、基板40の表面をガラス板16でガラス封止パッケージしたものである。また、光電子素子5は、光源、光検出器、抵抗、コンデンサ、信号処理回路、表示素子、およびそれらの部品を集積化した回路である。
【0031】
また、基板1の一部には、センサヘッド2を取り付けるための段差(凹部)51と、光電子素子5を取り付けるための段差(凹部)52が設けられている。これら段差51、52部分にそれぞれセンサヘッド2と光電子素子5と取り付けられる。
【0032】
基板1の各段差51、52の側面および底面には電気配線パターン30が設けられている。センサヘッド2及び光電子素子5は、この電気配線パターン30と、センサヘッド2の電気接続端子54及び光電子素子5の電気接続端子とを目視にて一致させながら実装される。
【0033】
図2は、図1に示す光学式変位センサの実装後の状態を示すA−A断面図である。図2に示すように、ガラス板16で封止されたセンサヘッド2の表面は、光透過板22を基板1の表面で蓋状に被せ、周囲を樹脂20で封止することにより、二重に封止される。光電子素子5についても同様に樹脂21により封止される。さらに、基板1にはねじ穴24、26が設けられており、このねじ穴24、26を介してねじ止めすることにより基板1が固定される。
【0034】
さらに、ここでは図示しないが、光透過板22の上方には移動部材に取り付けられたスケールが配置されているものとする。このスケールには、概して所定周期で反射率が互いに異なる、変位量(相対移動量)を検出するためのパターンと、基準位置を検出するための例えば集光パターンとの、2つのパターンが互いに平行に並列に設けられている。
【0035】
光源14から出射された光ビームは、センサヘッド2のガラス板16を通り、さらにガラス板22を通過した後、スケールの表面に照射される。センサヘッド2とスケールとの間の距離を所定間隔に保って移動させると、スケールで反射された光ビームにより、センサヘッド2上の光検出器13上には、スケール上の明暗パターンと同様のパターンが投影される。
【0036】
光検出器13は、投影される明暗パターンの周期幅の1/4ずつの光検出素子をアレー状に配置して構成される。この光検出器を構成するアレー素子を3つおきに接続させることにより同位相の光信号が検出され、それぞれの信号をA相、B相、―A相、−B相とする4つの位相の異なる信号が得られる。更に互いにA相と−A相の信号およびB相と−B相の信号の差をとり、信号雑音を除去する。このようにして得られた2つの信号は、互いに位相が90°異なるが、これを位相分割すればスケール周期よりも更に高分解能で変位量を検出できる。
【0037】
一方、基準位置からの変位量を検出するためには基準位置の検出が必要となる。このため、前記したようにスケールには基準位置パターンが設けられている。基準位置パターンは、基準位置に光源14からの光ビームが照射されると集光されて、焦点位置で信号強度がピークとなるパターンである。
【0038】
基準位置検出用の光検出器15では、その受光面の幅が移動方向に対して狭く形成されており、前記集光のピークの位置で信号を検出できるように配置されている。
【0039】
なお、光学式変位センサは、スケール上のそれぞれのパターンからの周期パターンや集光パターンをセンサヘッド2上のそれぞれの光検出器13、15で高精度に検出する為に、スケールの移動方向に対しては比較的ラフな取り付けで良いが、移動方向に垂直な方向に対しては、スケール上の2つのパターンに対して精度良く取り付ける必要がある。
【0040】
また光源14や光検出器13,15は半導体結晶で形成されている。表面の電極配線や半導体表面は、ゴミの付着や湿度に対して表面酸化や特性劣化を防止する為に、保護膜や封止部材で保護されている。更にセンサヘッド2を二重封止することにより、高湿度条件下でもセンサヘッド2の安定した動作が期待できる。
【0041】
上記した第1実施形態によれば、光学式変位センサのセンサヘッドの形状を共通にし、基板の電気配線パターンを変更するようにしたので、様々な用途に使用可能な光学式変位センサが提供される。
【0042】
(第2実施の形態)
図3は、本発明の第2実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。なお、第1実施の形態に説明されている点は説明を省略する。第2実施の形態では、基板1の所定部分に凹状の段差を加工する代わりに、センサヘッド2における光源14の光出射、あるいは、光検出器13、15への光の入射が可能なように、センサヘッド2の周囲を取り囲むことが可能な開口部25−1をもつ取り囲み部材25を積層または一体に形成したことを特徴とする。この取り囲み部材25は、基板1の表面に形成された目あわせマーカー34,35を基に接続され、これによってセンサヘッド2を取り付けるための段差形状が形成される。
【0043】
取り囲み部材25の厚さは、センサヘッド2の厚さに略等しくし、スケールとセンサヘッド2との間のギャップをできるだけ広くして、センサヘッド2をスムーズに移動できるようにしている。また、センサヘッド2は、目視により電気接続端子54と電気配線パターン30とを一致させて半田実装され、この部分の周囲を取り囲むように取り囲み部材25が実装される。
【0044】
さらにセンサヘッド2の表面は、取り囲み部材25の開口部25−1を塞ぐように光透過板22により封止される。このように二重封止することで、高湿度の条件下でも動作の信頼性を確保できる。
【0045】
なお、取り囲み部材25は、センサヘッド2の周囲を取り囲む形状としたが、一部切り欠き部を設けてこの部分にケーブル等を配置し、外部に信号を引き出すことも可能である。このような切り欠き部を設けた場合には、センサヘッド2を含む電気接続部分を樹脂等でケーブルの一部を含めて、外気と遮断して気密を保つことで、二重封止と同等の効果を持たせる。
【0046】
(第3実施の形態)
図4は、本発明の第3実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。図5は、図4に示す光学式変位センサの実装後の状態を示すB−B断面図である。センサヘッド2および光電子素子5は、表面に電気配線パターンが設けられた基板1に表面実装される。この電気配線パターンの接続部分とケーブル7の各電気端子6の接続部分とは絶縁樹脂23で覆われている。
【0047】
さらに基板1の4隅には固定用のねじ穴8a、8b、9a、9bが設けられ、この基板1は蓋状のカバー10で覆われる。この蓋状のカバー10は、センサヘッド2表面の傷やごみの付着による光源14の実効出力の低下や光検出器13,15のセンシングへの悪影響を防ぐために設けられる。蓋状のカバー10には開口部11が設けられている。この開口部11を介してセンサヘッド2から出射される光ビームをスケールに先導したり、スケールから反射された光ビームをセンサヘッド2内に設けられた光検出器13,15へと導くことができる。
【0048】
更に、基板1は固定部材100に設けられたねじ穴101a、101b、102a、102bを用いて固定される。ここでは、ねじ穴101aを固定し、スケールの移動方向と垂直方向に微小調整およびねじ穴101aを中心とする回転微小調整のためにそれぞれねじ穴102a、および101b、102bの穴を大きくしている。ねじ穴102aは、スケールの移動方向に垂直な方向に広げられている。
【0049】
光検出器13、15のそれぞれに対応したスケールから反射した光ビームを互いに正確に検出し、原点位置から変位量を高精度に検出するために、スケールの移動方向(矢印方向)に対して、垂直方向には光学式変位センサヘッドを精度よく実装する必要があり、この実装のスケール移動方向に垂直方向の微小調整のために、上述したねじ穴の形状にして対応している。
【0050】
(第4実施の形態)
図6は、本発明の第4実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。本実施形態は第2実施の形態に基づいているので共通する部分の説明は省略する。
【0051】
本実施形態は、センサヘッド2を取り付ける際に、ケーブルの引き出し位置が90度回転した位置になっている仕様であっても、センサヘッド2は第2実施の形態と同様に基板1上に実装可能である。すなわち、ケーブル等の外部への引き出し配線位置が90度異なる場合には、基板1上の電気配線パターン30Aを90度回転した位置に対応する電気配線パターン30Bに変更することによりケーブル配置が可能となる。これは、基板1を多層構造で、センサヘッド2との電気接続の位置を変更しなくとも、外部に引き出す電気配線パターンを互いに90度回転した電気配線パターンに変更することにより、ケーブル端子の接続を可能としている。このようにセンサヘッドの実装位置を変更せずに、電気配線パターンを変えることにより、様々なユーザに対応できる光学式変位センサを提供できる。
【0052】
(第5実施の形態)
図7は、本発明の第5実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。本実施形態は第2実施の形態に基づいているので共通する部分の説明は省略する。
【0053】
本実施形態は、センサヘッド2を取り付ける際に、検出する移動物体の方向が異なる場合を考慮した実施形態である。ここでは、図7に示すように、基板1の段差51部分をセンサヘッド2の各辺の寸法および接続端子位置と共通にしておく必要がある。
【0054】
基板1の段差51の底部の電気配線パターンを多層構造で形成し、90°位置を回転させても、各々の端子は当該回転前の各端子位置に接続されるようになっており、外部接続用の電気配線パターン30を変更せずに使用できる。すなわち、複数のセンサヘッドを互いに90度異なる方向に実装するような仕様であっても対応可能である。このように、センサヘッド2の形状を共通にし、基板の電気配線パターンを変えることにより、様々なユーザに対応できる光学式変位センサを提供できる。
【0055】
(第6実施の形態)
図8は、本発明の第6実施の形態に係わる光学式変位センサについて説明するための図である。本実施形態は第5実施の形態に基づくものであるが、第5実施の形態に説明されている内容についての説明は省略する。
【0056】
図8は、複数のセンサヘッド2、2’を互いに90度異なるX,Y方向に取り付けたようすを示している。センサヘッド2、2’それぞれに対応する光電子素子5,5’も同様に実装配置される。各センサヘッド2、2’及び光電子素子5,5’間の相互接続は、基板1上の配線パターンを変更することで対応できる。
【0057】
この実施形態では、スケールの所定周期のパターンがX、Y軸2つの方向に設けられている場合のセンサヘッド2、2’の構成を示している。スケールのパターンを2つの方向に対応させる一例として、X,Y両方向に一定間隔で互いに一方の方向に所定周期のパターンが形成された2次元パターンがあげられる。
【0058】
このX、Yそれぞれの方向の移動量を検出するためには、光検出器の光検出素子アレーの配列方向が移動方向に一致していることが必要である。このために本実施形態では、図8に示すように、光検出器の配列が互いに90°異なるようにセンサヘッドが配置される。この構成は、第5実施の形態における手法を利用して、センサヘッドを共通でかつ互いに90回転させて実装することで実現できる。
【0059】
この実施形態では、位置変位情報を1つの基板上に共通のセンサヘッドで対応するため、多機能が実現でき、結果として低コストな光学式変位センサを供給できる。
【0060】
なお、本実施の形態では、X,Y2軸対応の例を示したが、光学式変位センサと信号処理回路、数値表示回路、警告制御回路、警告表示回路、さらに他の磁気式や容量式、電磁誘導式等多様なセンサの組み合わせ等応用が可能である。
【0061】
(第7実施の形態)
図9は、本発明の第7実施の形態に係わる光学式変位センサについて説明するための図である。本実施形態は第5実施の形態に基づくものであるが、第5実施の形態に説明されている内容についての説明は省略する。
【0062】
図9は、光源ヘッド14’とセンサヘッド2を互いに別々に取り付けたようすを示している。光源ヘッド14’を動作させると、発生する熱により基板40上の光源ヘッド14’周辺の温度が上昇する。温度が上昇すると、センサヘッド2に配置された光検出器13,15の光電気変換効率が低下すると共に熱雑音が増加する。また、スケールには、相対位置検出と基準位置検出の2つのパターンが配置されていることが一般的であり、それぞれの回折干渉パターンや集光パターンを検出する最適な位置が存在する。
【0063】
本実施形態では、光源ヘッド14’とセンサヘッド2を任意の位置に配置できるので、電気配線パターン及び基板を変更するのみで最適な配置が行える。これによって、センサ設計の自由度が広がり、多機能化やさまざまなユーザ仕様に対応できる光学式変位センサを提供できる。
【0064】
この実施の形態では、1つの光源ヘッドと1つのセンサヘッドの例を示したが、複数光源で、複数のセンサヘッドおよび信号処理、表示回路等の組み合わせによる多機能化も可能である。
【0065】
本発明の実施の形態では、光源は、端面発光半導体レーザ、面発光レーザ、発光素子(LED)、スパールミネッセントダイオード(SLD)等の光半導体素子はもちろんのこと、一般的な光学式変位センサに用いられる光源についても適用できるものである。また、外部の電気配線に接続されるケーブルについての実施の形態を示しているが同軸ケーブルやフレキ配線、電気/光変換する光ケーブル配線も含まれるものとする。
【0066】
(付記)
上記した具体的な実施形態から以下のような構成の発明を抽出することができる。
【0067】
1.光源と光検出器の少なくとも一方が配置された少なくとも1つのセンサヘッドと、前記センサヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、
前記センサヘッドは複数の電気接続端子を有し、
前記基板は、前記センサヘッドを取り付けるための少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部の底面には前記センサヘッドの電気接続端子と電気接続する配線パターンが形成されており、
前記センサヘッドの複数の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0068】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第1、5の実施の形態が対応する。
【0069】
(作用、効果)
この構成により、予め用意された多様なセンサヘッドを活用して、電気配線のレイアウトや凹部の深さ、平面形状、配置等の基板の設計を変更するだけで多様な性能、機能の変位センサを低コストかつ短期間で効率よく開発できる。また、ユーザにとっては、この変位センサを取り付ける装置において、センサ取り付けに関する設計自由度(配線の引き出し方向、機能や性能の選択の幅等)が大きくなると共に、大きな変更(例えばセンサ基板と変位検出対象物との距離にあわせた設計変更)を行わないで、多様な機能のセンサを利用できる。
【0070】
2.前記センサヘッドの底面及び側面は、前記凹部を有する基板により取り囲まれているとともに、
前記センサヘッドの上面は、前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように透光部を有するカバー部材で覆われていることを特徴とする1記載の光学式変位センサ。
【0071】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第3の実施の形態が対応する。
【0072】
(作用、効果)
カバー部材(カバー10)により、センサヘッド2上面が覆われているので、障害物等が衝突したときの破壊等を防げる。また、センサヘッドの表面にごみ・ほこりが直接付着したり、傷がついたりすることによる光源の実効出力の低下、あるいは、光検出器センシングへの悪影響を防ぐことができる。
【0073】
3.前記センサヘッドは、前記カバー部材と、前記凹部を有する基板とにより、気密封止されていることを特徴とする2記載の光学式変位センサ。
【0074】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第1,2,4、5の実施の形態が対応する。
【0075】
(作用、効果)
カバー部材(カバー10)により、センサヘッドの封止と合わせて2重封止していることになり、予め用意された多様なセンサヘッドの気密信頼性や耐久性がセンサヘッド単体では不足する場合に、センサ全体としての気密信頼性や耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0076】
4.光源と光検出器の少なくとも一方が配置された少なくとも1つのセンサヘッドと、前記センサヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、
前記センサヘッドは複数の電気接続端子を有し、
前記基板には、前記センサヘッドにおける前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように、前記センサヘッドの周囲に形成された取り囲み部材が積層または一体形成されており、
前記センサヘッドの複数の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0077】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第2、4の実施の形態が対応する。
【0078】
(作用、効果)
この構成により、予め用意された多様なセンサヘッドを活用して、基板の設計(電気配線のレイアウト等)や取り囲み部材の配置や形状を変更するだけで多様な性能、機能の変位センサを低コストかつ短期間で効率よく開発できる。また、ユーザにとっては、変位センサの取付ける装置において、センサ取付に関する設計自由度(配線の引き出し方向、機能や性能の選択の幅)が大きくなると共に、大きな設計変更(例えばセンサ基板と変位検出対象物との距離に合わせた設計変更)を行わないで、多様な機能のセンサを利用することができる。
【0079】
5.前記センサヘッドの底面及び側面は、前記基板と前記基板に積層または一体形成された取り囲み部材により取り囲まれていると共に、
前記センサヘッドの上面は、前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように透光部を有するカバー部材で覆われていることを特徴とする4記載の光学式変位センサ。
【0080】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第3の実施の形態が対応する。
【0081】
(作用、効果)
カバー部材(カバー10)により、センサヘッド2上面が覆われているので、障害物等が衝突したときの破壊等を防げる。また、センサヘッドの表面にごみ・ほこりが直接付着したり、傷がついたりすることによる光源の実効出力の低下、あるいは、光検出器センシングへの悪影響を防ぐことができる。
【0082】
6.前記センサヘッドは、前記基板と前記基板に積層または一体形成された取り囲み部材とにより気密封止されていることを特徴とする5記載の光学式変位センサ。
【0083】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第1,2,4、5の実施の形態が対応する。
【0084】
(作用、効果)
カバー部材(カバー10)により、センサヘッドの封止と合わせて2重封止していることになり、予め用意された多様なセンサヘッドの気密信頼性や耐久性がセンサヘッド単体では不足する場合に、センサ全体としての気密信頼性や耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0085】
7.前記基板は、複数の同種または異種のセンサヘッドを搭載可能に構成されていることを特徴とする1乃至6のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【0086】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第6、7の実施の形態が対応する。
【0087】
(作用、効果)
予め用意された多様なセンサヘッドを複数組み合わせて1つの基板に搭載することにより、基板の設計(電気配線のレイアウトや凹部の深さ、平面形状、配置等)を変更するだけで多様かつ高機能な性能、機能の変位センサを低コストかつ短期間で効率よく開発できる。また、ユーザにとっては、変位センサを取付ける装置において、センサ取付に関する設計自由度(配線の引き出し方向、機能や性能の選択の幅)が大きくなると共に、大きな設計変更を行わないで、多様な機能のセンサを利用することができる。ここで、この光学式変位センサの主要機能は移動量または位置の検出機能であるため、第1のセンサヘッドは変位を検出可能なセンサヘッドであるが、第2のセンサヘッドとしては、その検出値を補正したり、センシング状態を監視するための温度センサ、磁気センサ、光量センサ等も異種センサヘッドも含まれる。
【0088】
8.前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行な面内で1次元の変位量を検出するセンサであり、第2のセンサヘッドは前記基板に略平行な面内で前記第1のセンサヘッドと垂直な方向の1次元の変位量を検出するセンサであることを特徴とする7記載の光学式変位センサ。
【0089】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第6の実施の形態が対応する。
【0090】
(作用、効果)
予め用意された多様な1次元センサヘッドを検出の向きを変えて1つの基板に搭載することにより、基板の設計(電気配線のレイアウトや凹部の深さ、平面形状、配置等)を変更するだけで2次元の移動量を検出できる変位センサを低コストかつ短期間で効率よく開発できる。また、ユーザにとっては、変位センサの取付ける装置において、センサ取付に関する設計自由度(配線の引き出し方向、機能や性能の選択の幅)が大きくなると共に、大きな設計変更を行わないで、多様な機能のセンサを利用することができる。
【0091】
9.前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行かつ第1のセンサヘッドに対向して配置されたスケールと組み合わされて機能する光学式エンコーダヘッドであり、前記第2のセンサヘッドは前記変位量に対する基準位置を検出するセンサであることを特徴とする7記載の光学式変位センサ。
【0092】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第6の実施の形態が対応する。
【0093】
(作用、効果)
予め用意された光学式エンコーダヘッドと基準位置検出センサを1つの基板に搭載することにより、基板の設計(電気配線のレイアウトや凹部の深さ、平面形状、配置等)を変更するだけで基準位置検出機能を付加したエンコーダを低コストかつ短期間で効率よく開発できる。基準位置検出センサはユーザの使用環境やコスト等のニーズに応じて、多様なセンサ(例えば、光学式、磁気式、容量式、電磁誘導式等のセンサ)を選ぶことが可能となる。また、ユーザにとっては、変位センサの取付ける装置において、センサ取付に関する設計自由度が大きくなると共に、大きな設計変更(例えばセンサ基板と変位検出対象物との距離に合わせた設計変更)を行わないで、多様な機能のエンコーダを利用することができる。
【0094】
10.前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行かつ第1のセンサヘッドに対向して配置されたスケールと組み合わされて機能する光学式エンコーダヘッドであり、第2のセンサヘッドは前記基板に略垂直な方向の変位を検出するセンサであることを特徴とする7記載の光学式変位センサ。
【0095】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第6の実施の形態が対応する。
【0096】
(作用、効果)
光学式エンコーダヘッドと基板に垂直な方向の距離を検出するセンサを組み合わせて1つの基板に搭載することにより、基板の設計(電気配線のレイアウトや凹部の深さ、平面形状、配置等)を変更するだけで多次元の検出が可能な変位センサを低コストかつ短期間で効率よく開発できる。また、ユーザにとっては、変位センサを取付ける装置において、センサ取付に関する設計自由度(配線の引き出し方向、機能や性能の選択の幅)が大きくなると共に、大きな設計変更を行わないで、多様な機能のセンサを利用することができる。
【0097】
11.前記第2のセンサヘッドは、前記第2のセンサヘッドと前記スケールの前記基板に垂直な距離を検出可能な変位センサであり、前記第2のセンサヘッドと前記スケールの前記基板に垂直な距離に対応したアナログ信号、または前記距離が規定範囲内にあるか規定範囲外にあるかを示す信号を出力する機能を備えていることを特徴とする10記載の光学式変位センサ。
【0098】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第6の実施の形態が対応する。
【0099】
(作用、効果)
第1センサである光学式エンコーダヘッドと、基板に垂直な方向の距離を検出する第2のセンサとを組み合わせて1つの基板に搭載し、さらに、第2のセンサはエンコーダのヘッドとスケールの距離を検出可能にしているため、エンコーダとスケールの距離が規定範囲にあるか否かを検出できる。あるいは、エンコーダとスケールの距離に応じた光源の駆動強度や光検出の感度、あるいは、位置ずれ量の補正が可能となる。
【0100】
12.少なくとも1つの光検出器が配置されたセンサヘッドと少なくとも1つの光源ヘッドと前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、
前記センサヘッドは、複数の電気接続端子を有し、
前記基板は、前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドを取り付けるための少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部の底面には前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドの電気接続端子と電気接続する配線パターンが形成されており、
前記光源ヘッドおよび前記センサヘッドの複数の少なくとも一部の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【0101】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第7の実施の形態が対応する。
【0102】
(作用、効果)
図9に示すように、少なくとも1つの光源ヘッド14’と少なくとも1つの光検出器13が配置されたセンサヘッド2と前記センサヘッド2および前記光源ヘッド14’
を実装する基板1とにより構成される光学式変位センサである。前記センサヘッド2は、複数の電気接続端子を有しており、基板1は、センサヘッド2および光源ヘッドを取り付けるための少なくとも1つの凹部と、この凹部底面に前記センサヘッドおよび光源ヘッドの端子と電気接続する配線パターンを有している。光源をセンサヘッド内に実装する場合に比べ、形状や配置に制限されずに基板上に実装でき、設計の自由度が広がる。また光源と光検出器とを別々に離して実装することにより、光源が発生する熱の分布による光検出器の感度の影響を緩和できる。
【0103】
13.前記基板を固定する固定部材に設けられたねじ穴は、固定位置を調整可能な形状であり、前記調整手段は、前記固定部に設けられた穴の形状がスケールの移動方向に垂直な方向に広げられ、かつ固定点を中心に他の穴は微小回転が可能な形状であることを特徴とする1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【0104】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第3の実施の形態が対応する。
【0105】
(作用、効果)
スケールとセンサヘッド2との相対移動方向に対して、垂直方向は変位検出信号の形状および信号強度に影響を与える為、精度良く固定部材100に固定する必要がある。このため、固定部材100に設けられたねじ穴102aの形状がスケールの移動方向に垂直な方向に広げられ、またねじ穴101aを中心に他の穴101b、102bは微小回転が可能な形状にすることにより、スケールの移動方向に垂直な方向および微小回転の位置調整を行っている。
【0106】
14.前記基板の電気配線パターンの一方の端子は、電気端子および/またはケーブルと連結されていることを特徴とする1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【0107】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第3実施の形態が対応する。
【0108】
(作用、効果)
前記基板1の電気配線パターンの一方の端子は、電気端子6、およびケーブル7と連結され、電源や表示素子、可動制御回路等に接続され、変位センサ制御システムが構成される。
【0109】
15.前記基板の電気配線パターンの一方の端子は、フレキ配線と連結されていることを特徴とする1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【0110】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第1実施の形態が対応する。
【0111】
(作用、効果)
光学式変位センサを限られたスペースに挿入する為には,配線の引き回しスペースを低減できるフレキ配線が用いられる。この用途に対応させる為に、基板の電気配線パターンの一方の端子は、フレキ配線と連結されている。
【0112】
16.前記センサヘッドの複数の少なくとも一部の電気接続端子は、前記電気配線パターンを経由して、外部のリード線またはフレキ配線と電気接続され、前記電気接続された表面は、絶縁性の樹脂で覆われていることを特徴とする1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【0113】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第3の実施の形態が対応する。
【0114】
(作用、効果)
電気配線パターン端子とリード線またはフレキ配線との接続において、接続表面を絶縁性の樹脂で覆うことにより、高温高湿度の条件下でも接続部分の腐食や配線抵抗値の上昇に伴う接触不良を防ぐことができ、光学式変位センサの動作の安定性を確保できることが期待できる。
【0115】
17.前記センサヘッドと前記電気配線パターンとの接続は、半田、リフロー、フリップチップ接続、またはカバーによる押さえつけ等で接続されていることを特徴とする1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【0116】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第1実施の形態が対応する。
【0117】
(作用、効果)
センサヘッドと電気配線パターンとの接続は、半田、リフロー、フリップチップ接続等により実装位置を表面で確認しながら、表面実装ができるため実装が容易である。
【0118】
また、センサヘッド部分の脱着可能を目的として、カバー等によりセンサヘッドと基板上の電極パターンとを表面観察で位置確認しながら、押さえつけ接続も可能である。
【0119】
18.前記カバー部材は、前記基板に略平行な平面部を有する板状のガラス、石英、あるいはプラスチック材であることを特徴とする2または5記載の光学式変位センサ。
【0120】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第1,2,5の実施の形態が対応する。
【0121】
(作用効果)
カバー部材(カバー10)により、センサヘッドの封止と合わせて2重封止していることになり、予め用意された多様なセンサヘッドの気密信頼性や耐久性がセンサヘッド単体では不足する場合に、センサ全体としての気密信頼性や耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【0122】
19.カバー部材は前記センサヘッドを覆うように形成された透光性の樹脂材料であることを特徴とする2または5記載の光学式変位センサ。
【0123】
(対応する発明の実施の形態)
この発明に関する実施の形態は、少なくとも第3の実施の形態が対応する。
【0124】
(作用、効果)
センサヘッド2を覆うように形成された透光性の樹脂材料(絶縁樹脂23)により、センサヘッドの封止と合わせて2重封止していることになり、予め用意された多様なセンサヘッドの気密信頼性や耐久性がセンサヘッド単体では不足する場合に、センサ全体としての気密信頼性や耐久性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光学式変位センサの実装後の状態を示すA−A断面図である。
【図3】本発明の第2実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第3実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。
【図5】図4に示す光学式変位センサの実装後の状態を示すB−B断面図である。
【図6】本発明の第4実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。
【図7】本発明の第5実施の形態に係わる光学式変位センサの実装前の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の第6実施の形態に係わる光学式変位センサについて説明するための図である。
【図9】本発明の第7実施の形態に係わる光学式変位センサについて説明するための図である。
【図10】従来技術に係る光学式変位センサの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0126】
1…基板
2…センサヘッド
5…光電子素子
13…光検出器
14…光源
15…光検出器
16…ガラス板
22…光透過板
30…電気配線パターン
51…段差
52…段差
54…電気接続端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と光検出器の少なくとも一方が配置された少なくとも1つのセンサヘッドと、前記センサヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、
前記センサヘッドは複数の電気接続端子を有し、
前記基板は、前記センサヘッドを取り付けるための少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部の底面には前記センサヘッドの電気接続端子と電気接続する配線パターンが形成されており、
前記センサヘッドの複数の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【請求項2】
前記センサヘッドの底面及び側面は、前記凹部を有する基板により取り囲まれているとともに、
前記センサヘッドの上面は、前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように透光部を有するカバー部材で覆われていることを特徴とする請求項1記載の光学式変位センサ。
【請求項3】
前記センサヘッドは、前記カバー部材と、前記凹部を有する基板とにより、気密封止されていることを特徴とする請求項2記載の光学式変位センサ。
【請求項4】
光源と光検出器の少なくとも一方が配置された少なくとも1つのセンサヘッドと、前記センサヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、
前記センサヘッドは複数の電気接続端子を有し、
前記基板には、前記センサヘッドにおける前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように、前記センサヘッドの周囲に形成された取り囲み部材が積層または一体形成されており、
前記センサヘッドの複数の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【請求項5】
前記センサヘッドの底面及び側面は、前記基板と前記基板に積層または一体形成された取り囲み部材により取り囲まれていると共に、
前記センサヘッドの上面は、前記光源の光出射、あるいは、前記光検出器が受光する光の入射が可能なように透光部を有するカバー部材で覆われていることを特徴とする請求項4記載の光学式変位センサ。
【請求項6】
前記センサヘッドは、前記基板と前記基板に積層または一体形成された取り囲み部材とにより気密封止されていることを特徴とする請求項5記載の光学式変位センサ。
【請求項7】
前記基板は、複数の同種または異種のセンサヘッドを搭載可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【請求項8】
前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行な面内で1次元の変位量を検出するセンサであり、第2のセンサヘッドは前記基板に略平行な面内で前記第1のセンサヘッドと垂直な方向の1次元の変位量を検出するセンサであることを特徴とする請求項7記載の光学式変位センサ。
【請求項9】
前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行かつ第1のセンサヘッドに対向して配置されたスケールと組み合わされて機能する光学式エンコーダヘッドであり、前記第2のセンサヘッドは前記変位量に対する基準位置を検出するセンサであることを特徴とする請求項7記載の光学式変位センサ。
【請求項10】
前記複数のセンサヘッドのうち、第1のセンサヘッドは前記基板に略平行かつ第1のセンサヘッドに対向して配置されたスケールと組み合わされて機能する光学式エンコーダヘッドであり、第2のセンサヘッドは前記基板に略垂直な方向の変位を検出するセンサであることを特徴とする請求項7記載の光学式変位センサ。
【請求項11】
前記第2のセンサヘッドは、前記第2のセンサヘッドと前記スケールの前記基板に垂直な距離を検出可能な変位センサであり、前記第2のセンサヘッドと前記スケールの前記基板に垂直な距離に対応したアナログ信号、または前記距離が規定範囲内にあるか規定範囲外にあるかを示す信号を出力する機能を備えていることを特徴とする請求項10記載の光学式変位センサ。
【請求項12】
少なくとも1つの光検出器が配置されたセンサヘッドと少なくとも1つの光源ヘッドと前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドを実装する基板とにより構成される光学式変位センサにおいて、
前記センサヘッドは、複数の電気接続端子を有し、
前記基板は、前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドを取り付けるための少なくとも1つの凹部を有し、前記凹部の底面には前記センサヘッドおよび前記光源ヘッドの電気接続端子と電気接続する配線パターンが形成されており、
前記光源ヘッドおよび前記センサヘッドの複数の少なくとも一部の電気接続端子は、前記基板の配線パターンを経由して、外部回路と接続可能に構成されていることを特徴とする光学式変位センサ。
【請求項13】
前記基板を固定する固定部材をさらに有し、前記固定部材には、固定位置を調整可能な形状をもつ複数のねじ穴が設けられ、一部のねじ穴は、スケールの移動方向に垂直な方向に広げられた形状をもち、かつ他の一部のねじ穴は、固定点を中心に微小回転が可能な形状をもつことを特徴とする請求項1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ
【請求項14】
前記基板の電気配線パターンの一方の端子は、電気端子および/またはケーブルと連結されていることを特徴とする請求項1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【請求項15】
前記基板の電気配線パターンの一方の端子は、フレキ配線と連結されていることを特徴とする請求項1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【請求項16】
前記センサヘッドの少なくとも一部の電気接続端子は、前記電気配線パターンを経由して、外部のリード線またはフレキ配線と電気接続され、前記電気接続された表面は、絶縁性の樹脂で覆われていることを特徴とする請求項1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【請求項17】
前記センサヘッドと前記電気配線パターンとの接続は、半田、リフロー、フリップチップ接続、またはカバーによる押さえつけ等で接続されていることを特徴とする請求項1、4、12のいずれか1つに記載の光学式変位センサ。
【請求項18】
前記カバー部材は、前記基板に略平行な平面部を有する板状のガラス、石英、あるいはプラスチック材であることを特徴とする請求項2または5記載の光学式変位センサ。
【請求項19】
前記カバー部材は、前記センサヘッドを覆うように形成された透光性の樹脂材料であることを特徴とする請求項2または5記載の光学式変位センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate