説明

光学特性測定装置、走査光学系ユニット、及び画像形成装置

【課題】走査される光ビームのビームスポット位置を精度よく測定する。
【解決手段】光学特性測定装置70の受光装置71を、光走査装置100から射出された光ビームLB1,LB2,LB3,LB4がそれぞれ入射する受光位置に、Xステージ及びYステージを駆動することにより順次位置決めする際に、受光装置71のステージ座標系における位置座標を、誤差量δ(X)、δ(Y)及び角度誤差Δθに基づいて補正する。これにより、精度よくステージ座標系における光ビームLB1〜LB4のビームスポット位置をそれぞれ計測することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学特性測定装置、走査光学系ユニット、及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、走査される光ビームを受光して、前記光ビームのビームスポット位置を測定する光学特性測定装置、該光学特性測定装置の測定結果に基づいて光学特性が調整された走査光学系ユニット、及び該走査光学系ユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザプリンタやデジタル複写機といった各種の画像形成装置には、例えば感光体の被走査面上にレーザ光を集光させることにより形成された光スポットを、主走査方向へ移動させて被走査面を走査する走査光学系が広く用いられ、近年では、光源のマルチビーム化や走査線の高密度化にともない、被走査面上における走査精度の更なる向上が要求されている。
【0003】
この種の走査光学系では、被走査面上における光スポットの移動軌跡(以下、主走査ラインという)は、正確な直線であることが理想的であるが、実際には種々の要因で直線とはならず、僅かな曲がりや傾きが生じてしまう。またレーザ光の偏向を、例えば複数の偏向反射面を有する回転多面鏡により行う場合には、各偏向反射面ごとの偏向による主走査ラインが、いわゆる面倒れの影響で、被走査面上の主走査方向に直交する方向(以下、副走査方向という)に微小距離変動することが考えられる。このような主走査ラインの曲がりや傾き、及び副走査方向の微小距離変動は、所定の許容範囲内に収める必要があり、走査線を高密度化する場合や、マルチビームにより走査を行う場合には、その許容範囲はかなり狭くなる。そこで、走査光学系を実際に組み立てる際やその組み立て後には、上記主走査ラインの曲がりや副走査方向の変動の計測、及び調整等が行われている。
【0004】
また、主走査ラインは直線であることに加え、主走査方向へ等速で走査されることが理想的であるが、種々の要因で走査速度は等速にはならず、僅かな速度変化が生じる。この速度変化は、倍率誤差やリニアリティなどと呼ばれ、色ずれの要因となるため、被走査面上の所望の主走査位置でその主走査方向のリニアリティを測定し補正する必要が生じる。
【0005】
特に、各色毎に異なったステーションで走査を行うタンデム方式のカラー出力機の場合には、各ステーション間で、ビームの位置間隔にずれがあったり、主走査ラインの曲がりや副走査方向の変動及び走査速度の速度変化が異なっている場合等には、副走査方向の色ずれの要因となるため、各ステーション毎の走査ラインの位置関係を正確に測定し調整する必要がある。このような背景から、例えば特許文献1に示されるように、所望の主走査方向の位置における副走査方向の走査位置を測定するための計測装置が提案されている。特許文献1に記載の計測装置は、1台のCCDカメラを移動ステージにより、所望の主走査方向の位置まで移動して、その位置での副走査方向の走査位置を測定する光学特性測定装置であり、この光学特性測定装置では、CCDカメラを搭載する移動ステージの絶対位置を正確に知る必要がある。
【0006】
【特許文献1】特開2000−39573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は係る事情の下になされたもので、その第1の目的は、被走査面上を移動するビームスポット位置を正確に測定することが可能な光学特性測定装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の第2の目的は、走査精度の向上を図ることが可能な走査光学系ユニットを提供することにある。
【0009】
また、本発明の第3の目的は、高品質な画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1の観点からすると、複数の被走査面を走査する走査光学系ユニットから射出される光ビームを受光して、前記複数の被走査面のうちの少なくとも2つの被走査面を含む平面内の、前記光ビームのビームスポット位置を測定する光学特性測定装置であって、前記光ビームを受光する受光手段と;前記受光手段を、前記平面内で、第1軸方向及び前記第1軸方向に直交する第2軸方向に移動して、前記ビームスポットの軌道上にある受光位置に位置決めする位置決め手段と;前記位置決め手段によって位置決めされる際に発生する、前記受光位置と前記位置決め手段により位置決めされた受光手段の位置との誤差量を測定する誤差量測定手段と;を備える光学特性測定装置である。
【0011】
これによれば、受光手段は、位置決め手段により前記走査光学ユニットの少なくとも2つの被走査面を含む平面内(以下、測定面という)を移動され、前記測定面上のビームスポットの軌道上にある受光位置に位置決めされる。その際に、誤差量測定手段により、目標位置である受光位置と、位置決め手段により実際に位置決めされた位置との誤差量が測定される。したがって、この誤差量を加味して光ビームの測定面内におけるビームスポット位置を計測することができるので、結果的に、被走査面上を移動するビームスポットの位置を正確に測定することが可能となる。
【0012】
また、本発明は、第2の観点からすると、光学特性の調整が可能な走査光学系ユニットにおいて、前記光学特性は、本発明の光学特性測定装置の測定結果に基づいて調整されていることを特徴とする走査光学系ユニットである。
【0013】
これによれば、走査光学系ユニットの光学特性は、測定誤差が補償された測定結果に基づいて調整されている。したがって、被走査面の走査精度の向上を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明は第3の観点からすると、本発明の走査光学系ユニットを備える画像形成装置である。これによれば、画像形成装置は、本発明の走査光学系ユニットを備えている。したがって、高品質な画像を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
《第1の実施形態》
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。図1には、第1の実施形態に係る、画像形成装置としてのプリンタ10の概略構成が示されている。
【0017】
プリンタ10は、カールソンプロセスを用いて、例えば、黒、イエロー、マゼンダ、シアンのトナー像を普通紙(用紙)上に重ね合わせて転写することにより、多色画像を印刷するタンデム方式のカラープリンタである。このプリンタ10は、図1に示されるように、後述する光学特性測定装置により、例えば走査線の傾きや曲がり等の光学特性が測定される光走査装置100、4本の感光ドラム30A、30B、30C、30D、転写ベルト40、位置ずれ検出装置45、給紙トレイ60、給紙コロ54、第1レジストローラ対56、第2レジストローラ対52、定着ローラ50、排紙ローラ58、及び上記構成部品を収容するほぼ直方体状のハウジング12などを備えている。
【0018】
ハウジング12には、上面に印刷が終了した用紙が排出される排紙トレイ12aが形成され、その排紙トレイ12aの下方に光走査装置100が配置されている。
【0019】
光走査装置100は、感光ドラム30Aに対しては、上位装置(パソコン等)から供給された画像情報に基づいて変調された黒色画像成分の光ビームを走査し、感光ドラム30Bに対してはシアン画像成分の光ビームを走査し、感光ドラム30Cに対してはマゼンダ画像成分の光ビームを走査し、感光ドラム30Dに対してはイエロー画像成分の光ビームを走査する。なお、光走査装置100の構成については後述する。
【0020】
4本の感光ドラム30A、30B、30C、30Dは、その表面に、光ビームが照射されると、その部分が導電性となる性質をもつ感光層が形成された円柱状の部材であり、光走査装置100の下方にX軸方向に沿って等間隔に配置されている。
【0021】
感光ドラム30Aは、ハウジング12内部の−X側端部にY軸方向を長手方向として配置され、不図示の回転機構により図1における時計回り(図1の矢印に示される方向)に回転されるようになっている。そして、その周囲には、図1における12時(上側)の位置に帯電チャージャ32Aが配置され、2時の位置にトナーカートリッジ33Aが配置され、10時の位置にクリーニングケース31Aが配置されている。
【0022】
感光ドラム30Bは、感光ドラム30Aの+X側に所定間隔隔てて配置され、不図示の回転機構により、図1における時計回り(矢印に示される方向)に回転されるようになっている。そして、その周囲には、前述の感光ドラム30Aと同様の位置関係で、帯電チャージャ32B、トナーカートリッジ33B及びクリーニングケース31Bがそれぞれ配置されている。
【0023】
感光ドラム30Cは、感光ドラム30Bの+X側に所定間隔隔てて配置され、不図示の回転機構を介して、図1における時計回り(矢印に示される方向)に回転されるようになっている。そして、その周囲には、前述の感光ドラム30Aと同様の位置関係で、帯電チャージャ32C、トナーカートリッジ33C及びクリーニングケース31Cがそれぞれ配置されている。
【0024】
感光ドラム30Dは、感光ドラム30Cの+X側に所定間隔隔てて配置され、不図示の回転機構により、図1における時計回り(矢印に示される方向)に回転されるようになっている。そして、その周囲には、前述の感光ドラム30Aと同様の位置関係で、帯電チャージャ32D、トナーカートリッジ33D及びクリーニングケース31Dがそれぞれ配置されている。
【0025】
以下、感光ドラム30A、帯電チャージャ32A、トナーカートリッジ33A及びクリーニングケース31Aを合わせて第1ステーションと呼び、感光ドラム30B、帯電チャージャ32B、トナーカートリッジ33B及びクリーニングケース31Bを合わせて第2ステーションと呼び、感光ドラム30C、帯電チャージャ32C、トナーカートリッジ33C及びクリーニングケース31Cを合わせて第3ステーションと呼び、感光ドラム30D、帯電チャージャ32D、トナーカートリッジ33D及びクリーニングケース31Dを合わせて第4ステーションと呼ぶものとする。
【0026】
転写ベルト40は、無端環状の部材で、感光ドラム30Aの下方に配置された従動ローラ40aと、感光ドラム30Dの下方に配置された従動ローラ40cと、これらの従動ローラ40a、40cより少し低い位置に配置された駆動ローラ40bに、上端面が感光ドラム30A、30B、30C、30Dそれぞれの下端面に接するように巻回されている。そして、駆動ローラ40bが図1における反時計回りに回転することにより、反時計回り(図1の矢印に示される方向)に回転される。また、転写ベルト40の+X側端部近傍には、上述した帯電チャージャ32A、32B、32C、32Dとは逆極性の電圧が印加された転写チャージャ48が配置されている。
【0027】
給紙トレイ60は、転写ベルト40の下方に配置されている。この給紙トレイ60は略直方体状のトレイであり、内部に印刷対象としての複数枚の用紙61が積み重ねられて収納されている。そして、給紙トレイ60の上面の+X側端部近傍には矩形状の給紙口か形成されている。
【0028】
給紙コロ54は、給紙トレイ60から用紙61を一枚ずつ取り出し、一対の回転ローラから構成されるレジストローラ56を介して、転写ベルト40と転写チャージャ41によって形成される隙間に導出する。
【0029】
定着ローラ50は、一対の回転ローラから構成され、用紙61を過熱するとともに加圧し、レジストローラ52を介して、排紙ローラ58へ導出する。
【0030】
排紙ローラ58は一対の回転ローラから構成され、導出された用紙61を排紙トレイ12aに順次スタックする。
【0031】
次に、光走査装置100の構成について説明する。図2は、光走査装置100の光学レイアウト図である。図2に示されるように、光走査装置100は、光源130と、カップリングレンズ146、第1シリンダレンズ102、及び第2シリンダレンズ103を含む集光光学系と、例えば6つの偏向面を有するポリゴンミラー104、fθレンズ105、4つの反射ミラー106A、106B、106C、106D、4つのトロイダルレンズ107A、107B、107C、107D、及び4つの反射ミラー108A、108B、108Cを含む走査光学系とを備えている。
【0032】
光源130は、複数の発光点を有する面発光型半導体レーザアレイである。各発光点は第1〜第4ステーションに対応する4つの発光点G1〜G4に区分され、各発光点からは、ポリゴンミラー104に向かう光ビームが射出される。
【0033】
カップリングレンズ146は、第1シリンダレンズ102及び第2シリンダレンズ103は、光源130から射出される光ビームの経路上に、光源130に近い方から順に配置されている。
【0034】
前記カップリングレンズ146は、光ビーム143から射出された光ビームを、第1シリンダレンズ102の入射側で一旦集光するように整形する。
【0035】
第1シリンダレンズ102は、光源130から射出された光ビームを所定の形状に整形し、第2シリンダレンズ103は、第1シリンダレンズを通過した光ビームを、ポリゴンミラー104の偏向面へ集光する。
【0036】
ポリゴンミラー104は、高さの低い正六角柱状部材からなり、側面には6面の偏向面が形成されている。そして、Z軸に平行な軸を中心に、不図示の回転機構により一定の角速度で回転されている。これにより、上述した光源130から射出し、第1シリンダレンズ102及び第2シリンダレンズ103を経由して、ポリゴンミラー104の偏向面に集光された光ビームは、ポリゴンミラー104の回転により、一定の角速度でY軸に沿って偏向される。
【0037】
fθレンズ105は、光ビームの入射角に比例した像高をもち、ポリゴンミラー104により、一定の角速度で偏向される光ビームの像面をY軸に対して等速移動させる。
【0038】
反射ミラー106A、106B、106C、106Dは、長手方向をY軸方向とし、fθレンズを経由した光ビームを折り返し、トロイダルレンズ107A、107B、107C、107Dそれぞれに導光する。
【0039】
トロイダルレンズ107Aは、長手方向をY軸方向とし両端がハウジング12に対し固定された支持板110Aに安定的に支持されている。そして、反射ミラー106Aにより折れ返された光ビームを、Y軸方向を長手方向とする反射ミラー108Aを介して、感光ドラム30Aの表面に結像する。
【0040】
トロイダルレンズ107B、107C、107Dは、長手方向をY軸方向とし、一端(+Y側)がハウジング12に対し固定され、他端(−Y側)が、例えば回転モータと送りねじ機構を備える駆動機構112B、112C、112Dにより支持された支持板112B、112C、112Dに安定的に支持されている。そして、反射ミラー106B、106C、106Dによりそれぞれ折れ返された光ビームを、Y軸方向を長手方向とする反射ミラー108B、108C、108Dを介して、感光ドラム30B、30C、30Dの表面にそれぞれ結像する。
【0041】
上述のように構成された光走査装置100では、各発光点群G1、G2、G3、G4からの複数の光ビームは、カップリングレンズ146により一旦交差され、第1シリンダレンズ102により副走査方向の間隔が拡張されて第2のシリンダレンズ103に入射する。第2のシリンダレンズ103は、入射した発光点群G1、G2、G3、G4それぞれから射出される光ビームをポリゴンミラー104の偏向面の近傍に集光する。ポリゴンミラー104で偏向された光ビームは、光ビーム同士の間隔を広げつつ、fθレンズ105に入射する。
【0042】
fθレンズ105に入射した発光点G1からの光ビームは、反射ミラー106Dで反射されトロイダルレンズ107Dへ入射する。そして、トロイダルレンズ107Dにより感光ドラム30Dの表面に集光される。
【0043】
同様に、fθレンズ105に入射した発光点G2,G3,G4からの光ビームは、反射ミラー106A,106B,106Cで反射されトロイダルレンズ107A,107B,107Cへ入射する。そして、トロイダルレンズ107A,107B,107Cにより、反射ミラー108A,108B,108Cを介して感光ドラム30A,30B,30Cの表面に集光される。
【0044】
このようにして感光ドラム30A、30B、30C、30D上にそれぞれ形成された発光点群G1、G2、G3、G4からの光ビームの集光点は、ポリゴンミラー104が回転することにより、Y軸方向に一括して移動(走査)される。
【0045】
一方、感光ドラム30A、30B、30C、30Dそれぞれの表面の感光層は、帯電チャージャ32A、33B、33C、32Dにより所定の電圧で帯電されることにより、電荷が一定の電荷密度で分布している。そして、上述したように、感光ドラム30A、30B、30C、30Dがそれぞれ走査されると、光ビームが集光したところの感光層が導電性を有するようになり、その部分では電荷移動がおこり電位が零となる。したがって、図1の矢印の方向にそれぞれ回転している感光ドラム30A、30B、30C、30Dに対し、画像情報に基づいて変調した光ビームを走査することにより、それぞれの感光ドラム30A、30B、30C、30Dの表面に、電荷の分布により規定される静電潜像を形成することができる。
【0046】
感光ドラム30A、30B、30C、30Dそれぞれの表面に静電潜像が形成されると、図1に示されるトナーカートリッジ33A、33B、33C、33Dの現像ローラにより、感光ドラム30A、30B、30C、30Dそれぞれの表面にトナーが供給される。このときトナーカートリッジ33A、33B、33C、33Dそれぞれの現像ローラは感光ドラム30A、30B、30C、30Dと逆極性の電圧により帯電しているため、現像ローラに付着したトナーは感光ドラム30A、30B、30C、30Dと同極性に帯電されている。したがって、感光ドラム30A、30B、30C、30Dの表面のうち電荷が分布している部分にはトナーが付着せず、走査された部分にのみトナーが付着することにより、感光ドラム30A、30B、30C、30Dの表面に静電潜像が可視化されたトナー像が形成される。そして、これらのトナー像は転写ベルト40上に重ね合わせて転写され、図1に示されるように給紙トレイ60から取り出された用紙61に、転写チャージャ41によって転写され、定着ローラ50により定着されることにより画像として形成される。
【0047】
次に、光走査装置100から感光ドラム30A、30B、30C、30Dに射出される光ビームを受光して、光走査装置100の光学特性を測定する光学特性測定装置70について説明する。図3は前記光学特性測定装置70の斜視図である。図3に示されるように、光学特性測定装置70は、長手方向をX軸方向とする長方形板状のベース77と、前記光ビームを受光する受光装置71、受光装置71をY軸方向に駆動するYステージYST、受光装置71をYステージYSTとともにX軸方向へ駆動するXステージXST、1組のリニアエンコーダ82A,82B、X基準ブロック85X、Y基準ブロック85Y、及び上記各部を統括的に制御する主制御装置90(図3には不図示、図6参照)などを備えている。
【0048】
前記受光装置71は、立方体状のケーシングに収容されたエリアCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)を含んで構成され、上方−Z側の面には光ビームが入射する矩形状の入射面71aが形成されている。受光装置71は、光ビームを受光すると該光ビームのビームスポット位置に関する情報を主制御装置90へ出力する。
【0049】
前記XステージXSTは、ベース77の中央に長手方向をX軸方向として延設されたXリニアガイド75と、該Xリニアガイド75に摺動可能に設けられたXスライダ74とを備えている。Xリニアガイド75は、一例として内部にX軸方向に沿って配置された複数のコイルを有し、Xスライダ74は、Xリニアガイド75との電磁相互作用によりX軸方向に駆動される。なお、Xスライダ74は、例えば送り螺子機構を用いた駆動機構によって駆動することとしてもよい。
【0050】
前記YステージYSTは、XステージXSTのXスライダ74の上面に固定された、長手方向をY軸方向とするYリニアガイド73と、該Yリニアガイド73に摺動可能に設けられたYスライダ72とを備えている。図4は、光学特性測定装置70のZY断面を示す図である。図4に示されるように、Yリニアガイド73は、長手方向をY軸方向とする直方体状のガイド部と、該ガイド部の下面(−Z側の面)に形成された長手方向をX軸方向とする直方体状の突出部73aの2部分を有している。この突出部73aは、ガイド部の下面中央部の+Y側に形成され、−Y側の面にはY変位センサ95Yが固定されている。
【0051】
図5は、光学特性測定装置70のZX断面を示す図である。図5及び図3を総合するとわかるように、Yスライダ72は、正方形板状のスライド部と、該スライド部の+X側端の−Y側から+X方向に延設された延設部72aと、該延設部72aの下面に設けられた、長手方向をY軸方向とする直方体状の突出部72bとの3部分を有している。そして、スライド部の上面には、上述した受光装置71が固定され、突出部72bの+X側の面にはX変位センサ95Xが固定されている。また、Yリニアガイド73は、一例としてガイド部の内部にX軸方向に沿って配置された複数のコイルを有し、Yスライダ72は、Yリニアガイド73との電磁相互作用によりY軸方向に駆動される。なお、Yスライダ72は、例えば送り螺子機構を用いた駆動機構によって駆動することとしてもよい。
【0052】
前記リニアエンコーダ82A,82Bは、例えばアブソリュート型のリニアエンコーダであり、図3に示されるように、リニアエンコーダ82Aは、ベース77上面の−Y側端部に、X軸方向を長手方向として配置されたスケール81Aと、Yリニアガイド73の本体部下面の−Y側端部に、スケール81Aと対向するように設けられたヘッド80Aを備えている。また、リニアエンコーダ82Bは、ベース77上面の+Y側端部に、X軸方向を長手方向として配置されたスケール81Bと、Yリニアガイド73の本体部下面の+Y側端部に、スケール81Bと対向するように設けられたヘッド80Bを備えている。ヘッド80A,80Bはスケール81A,81Bに対する絶対位置Y,Yを検出し、この位置情報を制御装置90に出力する。なお、本実施形態では、Yリニアガイド73のZ軸回りの回転角が零の場合に、両リニアエンコーダ82A,82Bで検知される絶対位置Y,Yの値が等しくなるように、スケール81A,81Bの位置が調整されているものとする。
【0053】
前記X基準ブロック85Xは、ベース77上面の+X側端部に長手方向をY軸方向として配置された直方体状のブロックである。このX基準ブロック85Xの−X側の面は、面精度数ミクロンの基準面となっており、図5に示されるように、Yスライダ72に設けられたX変位センサ95Xが対向可能となっている。
【0054】
前記Y基準ブロック85Yは、ベース77上面に長手方向をX軸方向として配置された直方体状のブロックである。このY基準ブロック85Yの+Y側の面は、面精度数ミクロンの基準面となっており、図4に示されるように、Yリニアガイド73に設けられたY変位センサ95Yと所定のクリアランスを介して対向するようになっている。
【0055】
図6は光学特性測定装置70の制御系を示すブロック図である。図6に示されるように、光学特性測定装置70の制御系は、装置全体を統括制御するコンピュータである主制御装置90を中心に構成され、主制御装置90は、例えば不図示の上位装置等からの指令などに基づいて、XステージXST及びYステージYSTを駆動することにより、受光装置71の入射面71aをXY面に平行な面内で移動することが可能となっている。以下、説明の便宜上、受光装置71の入射面71aが移動する面を移動面というものとし、この移動面内の座標系をステージ座標系(X、Y)と定義する。
【0056】
次に、光学特性測定装置70による、上述した光走査装置100の光学特性の測定方法について説明する。前提として、光走査装置100は、一例として図7に示されるように、不図示の支持部材により光学特性測定装置70の上方に支持され、光走査装置100と受光装置71の入射面71aが移動する移動面との距離は、光走査装置100と第1〜第4ステーションにおける感光ドラム30A〜30Dの被走査面との距離と等しくなるように設定されているものとする。また、図7に示されるように、光走査装置100から射出され第1ステーションに入射する光ビームをLB1、第2ステーションに入射する光ビームをLB2、第3ステーションに入射する光ビームをLB3、第4ステーションに入射する光ビームをLB4と定義し、受光装置71の入射面71aの中心を原点する座標系をエリア座標系(x、y)と定義する(図9参照)。
【0057】
光学特性測定装置70の主制御装置90は、XステージXST及びYステージYSTを駆動して、まず、図5に示されるように、X変位センサ95XをX基準ブロック85Xの基準面からdXの位置で対向させた状態で、受光装置71をY軸に沿って移動させ、X変位センサ95Xにより該X変位センサ95XとX基準ブロック85Xの基準面との距離dx(Y)を計測する。図8(A)には、ステージ座標系のY軸に沿って移動したときに、X変位センサ95Xにより検出された距離dx(Y)が実線で示されている。受光装置71は、Y軸に沿って真直に駆動されることが望ましいが、Yリニアガイド73の曲がりや、送りねじの精度などの影響によりX軸方向へ変位し、距離dx(Y)は受光装置71のY軸方向の位置により変動する。主制御装置90では、次式(1)で示されるY軸方向の位置に依存する誤差量δ(Y)を算出し記憶する。
【0058】
δ(Y)=k1(dX−dx(Y)) …(1)
k1は定数
【0059】
次に、主制御装置90は、XステージXST及びYステージYSTを駆動して、まず、図4に示されるように、Y変位センサ95YをY基準ブロック85Yの基準面からdYの位置で対向させた状態で、受光装置71をX軸に沿って移動させ、Y変位センサ95Yにより該Y変位センサ95YとY基準ブロック85Yの基準面との距離dy(X)を計測する。図8(B)には、ステージ座標系のX軸に沿って移動したときに、Y変位センサ95Yにより検出された距離dy(X)が実線で示されている。受光装置71は、X軸に沿って真直に駆動されることが望ましいが、Xリニアガイド75の曲がりや、送りねじの精度などの影響によりY軸方向へ変位し、距離dy(X)は受光装置71のX軸方向の位置により変動する。主制御装置90では、次式(2)で示されるX軸方向の位置に依存する誤差量δ(X)を算出し記憶する。
【0060】
δ(X)=k2(dY−dy(X)) …(2)
k2は定数
【0061】
次に、光学特性測定装置70の上方に支持された光走査装置100に移動面の走査を開始させる。このとき、光源131は所定の間隔でパルス発光させ、光ビームLB1〜LB4の移動面内の捜査線上に間欠的に光ビームLB1〜LB4が入射するようにするものとする。一方、光学特性測定装置70では、主制御装置90により、XステージXST及びYステージYSTを駆動して、受光装置71の入射面71aを光ビームLB1〜LB4による走査線に沿って移動させ、順次、光ビームLB1〜LB4を受光する。
【0062】
図9には、一例として、受光装置71の入射面71aに入射した光ビームLB1が示されている。図9に示されるように入射面71aに光ビームLBが入射し、受光装置71に収容されたエリアCCDに受光されると、受光装置71では、エリア座標系における光ビームLB1のビームスポット位置(x、y)を検出し、主制御装置90へこのビームスポット位置情報を出力する。なお、ビームスポット位置は、ビームスポットの重心位置をいうものとする。
【0063】
主制御装置90では、LB1を受光したときの受光装置71のステージ座標系における位置座標(XLB1、YLB1)と、光ビームLB1のビームスポット位置(x、y)から、次式(3)に基づいて、誤差量δ(X)、δ(Y)を考慮したビームスポット位置(Xs、Ys)を算出する。なお、この位置は(Xs、Ys)はステージ座標系でのビームスポット位置座標を示している。
【0064】
(Xs、Ys)=(XLB1+x+δ(XLB1)、YLB1+y+δ(YLB1))…(3)
【0065】
上記動作を、光ビームLB1の走査線上の複数位置で行い、各位置におけるビームスポット位置(Xs、Ys)を算出することで、光ビームLB1の走査線の曲がり等の光学特性を測定することが可能となる。そして、順次光ビームLB2,LB3,LB4による走査線の光学特性を測定することで、光走査装置100全体の光学特性を測定することができる。
【0066】
図10は、Z軸回りに角度Δθ回転した状態の受光装置71が示されている。上記動作と並行して、主制御装置90では、リニアエンコーダ82A,82Bから出力される、各ヘッド80A,80BのX軸方向の位置座標に基づいて、図10に示される受光装置71のZ軸回りの角度誤差Δθを算出し、この角度誤差Δθに基づいて、ビームスポット位置座標(Xs、Ys)の補正を適宜行う。具体的には、ヘッド80Aとヘッド80Bの変位Δtと、ヘッド80A,80BのY軸方向の距離Lに基づいて、次式(4)により、角度誤差Δθ(=Y−Y)を算出し、この角度誤差Δθに基づいて、ビームスポット位置座標(Xs、Ys)の補正を行う。
【0067】
Δθ=tan−1(Δt/L)…(4)
【0068】
光走査装置100では、上述したように正確に測定した各光ビームLB1〜LB4のビームスポット位置に基づいて算出された、各走査線の傾き、曲り、リニアリティ等の光学特性に基づいて、駆動機構112B〜112Cによる走査レンズの傾きの調整、走査レンズ107A〜107Dの中央付近を加圧して変形させることによる走査線の曲り調整や、光源113の電気的な書込みタイミングの制御などが行なわれ、光学系の光学特性が調整される。
【0069】
以上説明したように、本実施形態に係る光学特性測定装置70によると、受光装置71が受光位置に位置決めされる際に、ステージ座標系での位置座標が、誤差量δ(X),δ(Y)及び角度誤差Δθに基づいて補正される。したがって、精度良く光ビームLB1〜LB4のビームスポット位置を計測することが可能となる。
【0070】
また、本実施形態に係る光走査装置100は、光学特性測定装置70により計測された計測結果に基づいて、光学特性が調整されている。したがって、感光ドラム30A〜30Dの走査精度の向上を図ることが可能となる。
【0071】
また、本実施形態に係るプリンタ10は、光走査装置100を備えている。したがって、高品質な多色画像を形成することが可能となる。
【0072】
なお、本実施形態に係る光学特性測定装置70では、受光装置71がエリアCCDを備えていることとしたが、これに限らず、ラインCCDを備えていてもよい。図11には、ラインCCDに入射した光ビームのビーム強度が示されている。受光装置71にラインCCDを用いる場合には、ビーム強度がピークになる位置からビームスポットの位置(重心位置)を求めることができる。
【0073】
また、本第1の実施形態では、誤差量δ(X),δ(Y)を予め測定したが、誤差量δ(Y)については、リアルタイムで計測してもよく、誤差量δ(X)については、X変位センサ95XがX基準ブロック85X近傍にある場合に限り、リアルタイムで計測してもよい。
【0074】
また、誤差量δ(X),δ(Y)を予め、異なる環境下で計測して記憶し、測定時の周囲環境に応じて、最適な誤差量(X),δ(Y)に基づいて、光学特性の測定を行なってもよい。
【0075】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図12〜図16に基づいて説明する。ここで、上述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については、同一の符号を用いるとともに、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0076】
図12には、本発明の第2の実施形態に係る光学特性測定装置70’が示されている。この光学特性測定装置70’は、第1の実施形態に係る光学特性測定装置70と比較して、ベース77をX軸方向に移動する移動ステージ200を備えている点で相違する。
【0077】
前記移動ステージ200は、図12及び、光学特性測定装置70’を+X側から見た図である図13を総合するとわかるように、平面視板状の定盤201と、定盤201上面の+Y側及び−Y側端部近傍に、長手方向をX軸方向として配置された1対のガイドレール202A,202Bと、長手方向をX軸方向として、ベース77下面の+Y側及び−Y側端部近傍に固定されるとともに、ガイドレール202A,202Bそれぞれに対し−X方向に摺動可能に係合された1対の可動子203A,203Bと、ベース77をX軸方向に駆動する不図示の駆動機構を備えている。
【0078】
図14は、ガイドレール202A,202Bを定盤201に固定する方法を、ガイドレール202Aを代表的に取り上げて説明するための図である。図14に示されるように、ガイドレール202Aは、該ガイドレール202Aを貫通し、+Z側から定盤201の開口202bに挿入されたボルト210に、押バネ213を介してナット212が羅合されることで、押バネ213の付勢力により、定盤201に押し付けられている。そして、板バネ214により、定盤201に長手方向をX軸方向として形成された基準面202aに押圧されることで、X軸方向の位置が規定されている。これにより、例えばガイドレール202A,202Bと定盤201とが熱膨張率が異なる素材からなり、温度変化によりガイドレール202A,202Bが、定盤201に対して膨張または収縮しても、ガイドレール202A,202Bは、ボルト210が開口202bに干渉しない範囲内で膨張または収縮自在であるため、ガイドレール202A,202Bに撓みや歪みが生じないようになっている。したがって、例えば、ガイドレール202A,202Bに炭層鋼等の素材を用い、定盤201にアルミニウム等の素材を用いることができる。
【0079】
上記のように構成された光学特性測定装置70’では、例えば、受光装置71が走査装置100からの光ビームLB1,LB2,LB3を受光することができるように、ベース77を−X側に移動して、光ビームLB1,LB2,LB3に関する光学特性を測定する。そして、受光装置71が光走査装置100からの光ビームLB2,LB3,LB4を受光することができるように、ベース77を+X側に移動して、光ビームLB2,LB3,LB4に関する光学特性を測定する。光ビームLB2,LB3に関する光学特性を、共通して測定した場合には、1回目と2回目の測定時の光ビームLB2,LB3の受光位置の差がベース77を移動したときの移動誤差となるため、この分を補正することでベース77の移動誤差をキャンセルすることが可能となる。
【0080】
以上説明したように、本実第2の実施形態に係る光学特性測定装置70’によると、受光装置71を駆動するXステージXST及びYステージYSTが配置されたベース77は、移動ステージ200により、X軸方向に移動可能となっている。したがって、受光装置71を駆動するXステージXST及びYステージYST等を小型化することができ、装置のコストダウンを図ることが可能となる。
【0081】
ところで、光走査装置100による副走査方向の走査位置や、リニアリティ、ステーション間のビーム位置などは、周囲温度によって変化するため、被測定装置全体を恒温槽などに入れて、環境を振った測定が必要となる。恒温槽は大きいほど収納できる測定装置も大きくできるが、限られた大きさの恒温槽で測定せざるを得ない場合などに対処するため、光学特性測定装置はできるだけ小さくすることが望ましい。しかしながら、CCDカメラの移動ステージとして、安価な市販のステージを使用すると、そのストローク量は自由に決めることができず、測定領域を越えるストロークのステージを採用すると、大きくなりすぎて恒温槽に収まりきらないといった問題がある。本第2の実施形態に係る光学特性測定装置70では、XステージXST及びYステージYSTに用いられる、例えばリニアエンコーダや変位センサに汎用品を用いることができ、装置の小型化を維持するとともに装置の高コスト化を回避することが可能となる。
【0082】
また、本第2の実施形態に係る光学特性測定装置70’では、ガイドレール202A,202Bが、定盤201に対し伸縮自在に配置されている。したがって、温度変化によるガイドレール202A,202Bの緩みや、撓みを回避でき、移動ステージ200のスムーズな動作を確保するとともに、測定精度の向上を図ることが可能となる。
【0083】
なお、ベース77が定盤201に対して移動可能であるため、図15に示されるように、例えば光走査装置100の下面4角を支持する、例えば4つの支持部材300を、定盤201に設けてもよく、更に支持部300に、光学特性測定の際に、回転中のポリゴンミラー104の偏向を特定するためのセンサ312や、ポリゴンミラーをチャッキングして任意の位置で停止させる装置などを、例えばアーム310等を介して配置してもよい。これにより、測定の効率をアップさせることが可能となる。
【0084】
また、図16に示されるように、定盤200と同じ膨張率の素材からなり、支持部材300相互間を支持する梁301を、隣接する支持部材300間に設けてもよい。これにより、周囲温度が変化しても、定盤200と梁301は、等しい割合で膨張及び伸縮するため、周囲環境にかかわらず支持部材300の強度を向上させることが可能となる。
【0085】
また、上記各実施形態では、本発明の光走査装置100がプリンタに用いられる場合について説明したが、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機にも好適である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかるプリンタ10を示す図である。
【図2】光走査装置100の光学的なレイアウトを示す図である。
【図3】光学特性測定装置70の斜視図である。
【図4】光学特性測定装置70のZY断面を示す図である。
【図5】光学特性測定装置70のZX断面を示す図である。
【図6】光学特性測定装置70のブロック図である
【図7】光学特性測定装置70と光走査装置100の配置図である。
【図8】図8(A)は、X変位センサ95Xにより検出された距離dx(Y)を示す図であり、図8(B)は、Y変位センサ95Yにより検出された距離dy(X)を示す図である。
【図9】受光装置71の入射面71aに入射した光ビームLB1を示す図である。
【図10】Z軸回りに角度Δθ回転した状態の受光装置71を示す図である。
【図11】ラインCCDに入射した光ビームのビーム強度を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態にかかる光学特性測定装置70’を示す図である。
【図13】光学特性測定装置70’を+X側から見た図である。
【図14】ガイドレール202A,202Bを定盤201に固定する方法を説明するための図である。
【図15】本発明の第2の実施形態にかかる光学特性測定装置70’の変形例を示す図(その1)である。
【図16】本発明の第2の実施形態にかかる光学特性測定装置70’の変形例を示す図(その2)である。
【符号の説明】
【0087】
10…プリンタ、12…ハウジング、30A〜30B…感光ドラム、40…転写ベルト、50…定着ローラ、70…光学特性測定装置、71…受光装置、71a…入射面、72…Yスライダ、72a…延設部、72b…突出部、73…Yリニアガイド、73a…突出部、74…Xスライダ、75…Xリニアガイド、77…ベース、XST…Xステージ、YST…Yステージ、80A,80B…ヘッド、81A,81B…スケール、82A,82B…リニアエンコーダ、85X…X基準ブロック、85Y…Y基準ブロック、90…主制御装置、95X…X変位センサ、95Y…Y変位センサ、100…光走査装置、102…第1シリンダレンズ、103…第2シリンダレンズ、105…fθレンズ105、104…ポリゴンミラー、106A〜106D…反射ミラー、107A〜107D…トロイダルレンズ、108A〜108C…反射ミラー、130…光源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被走査面を走査する走査光学系ユニットから射出される光ビームを受光手段によって受光し、前記複数の被走査面のうちの少なくとも2つの被走査面を含む平面内における、前記光ビームのビームスポット位置を測定する前記走査光学系ユニットの光学特性測定装置であって、
前記受光手段を、前記平面内で、第1軸方向及び前記第1軸方向に直交する第2軸方向に移動して、前記ビームスポットの軌道上にある受光位置に位置決めする位置決め手段と;
前記位置決め手段によって位置決めされる際に発生する、前記受光位置と前記位置決め手段により位置決めされた受光手段の位置との誤差量を測定する誤差量測定手段と;を備えることを特徴とする光学特性測定装置。
【請求項2】
前記位置決め手段は、前記受光手段を保持して前記第1軸方向へ移動する第1移動手段と、前記受光手段を保持する第1移動手段を、前記第2軸方向へ移動する第2移動手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学特性測定装置。
【請求項3】
前記誤差量測定手段は、前記第1軸方向の前記誤差量を、前記第1軸方向に直交する基準面に対する前記第2移動手段の変位に基づいて測定することを特徴とする請求項2に記載の光学特性測定装置。
【請求項4】
前記誤差量測定手段は、前記第2軸方向の前記誤差量を、前記第2軸方向に直交する基準面に対する前記受光手段の変位に基づいて測定することを特徴とする請求項2又は3に記載の光学特性測定装置。
【請求項5】
前記第1移動手段の移動量を測定する移動量測定手段を更に備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学特性測定装置。
【請求項6】
前記移動量測定手段は、前記第1移動手段の前記第1軸方向両端の、前記第2方向に関する移動量をそれぞれ計測し、前記移動量の差に基づいて前記受光手段の前記第1軸方向及び第2軸方向に直交する第3軸回りの角度を計測すること特徴とする請求項5に記載の光学特性測定装置。
【請求項7】
前記受光位置の位置情報と、前記誤差量に基づいて前記光ビームのビームスポット位置を算出する位置算出手段を更に備える請求項1〜6に記載の光学特性測定装置。
【請求項8】
前記誤差量測定手段は、予め異なる環境条件に対応する誤差量を記憶し、前記位置算出手段は、前記光ビームのビームスポット位置の測定時の環境条件に対応する誤差量に基づいて、前記光ビームのビームスポット位置を算出することを特徴とする請求項7に記載の光学特性測定装置。
【請求項9】
前記位置算出手段は、前記第3軸回りの角度に基づいて、前記光ビームのビームスポット位置を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の光学特性測定装置。
【請求項10】
前記光学特性測定装置を、前記平面内の副走査方向へ移動する移動ステージを更に備える請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学特性測定装置。
【請求項11】
前記移動ステージは、副走査方向に対して熱膨張可能に延設されたリニアガイドと、該リニアガイドに沿って副走査方向に移動可能な可動子を備え、前記光学特性測定装置は前記可動子に固定されていることを特徴とする請求項10に記載の光学特性測定装置。
【請求項12】
前記移動ステージは、前記走査光学系ユニットを前記光学特性測定装置の上方で支持する支持部材を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の光学特性測定装置。
【請求項13】
前記支持部材は、前記光学系ユニットを支持する複数本の支柱と、前記支柱を補強する梁を備え、前記梁は前記支柱が配置されたベースと熱膨張率が同じであることを特徴とする請求項12に記載の光学特性測定装置。
【請求項14】
前記移動ステージは、前記受光手段と異なるセンサを、前記走査光学系ユニットの上方で支持する補助部材を備えることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の光学特性測定装置。
【請求項15】
光学特性の調整が可能な走査光学系ユニットにおいて、
前記光学特性は、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光学特性測定装置の測定結果に基づいて調整されていることを特徴とする走査光学系ユニット。
【請求項16】
前記光学特性は、被走査面に形成される走査線の傾きであることを特徴とする請求項15に記載の走査光学系ユニット。
【請求項17】
前記光学特性は、被走査面に形成される走査線の曲がりであることを特徴とする請求項15又は16に記載の走査光学系ユニット。
【請求項18】
前記光学特性は、被走査面に形成される走査線の、主走査方向又は副走査方向の位置であることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一項に記載の走査光学系ユニット。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか一項に記載の走査光学系ユニットを備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−58492(P2008−58492A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−233875(P2006−233875)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】