説明

光遅延硬化型油面用接着剤

【課題】 (1)油接着性が悪く、そのため、高剛性の被着体(例えば鋼板)同士を接着した場合には容易に剥離してしまう、(2)光カチオン重合開始剤は、その活性が一般に短波長の紫外線にあるため、増感剤を用いた場合でもせいぜい数百ミクロンの薄膜しか硬化できない、という問題が解決された油面用光遅延硬化型接着剤の提供。
【解決手段】 エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤及び遅延剤を少なくとも含有する光遅延硬化型接着剤において、オキセタン樹脂及び熱可塑性エラストマーを更に含有することを特徴とする、油面用光遅延硬化型接着剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光照射した時点では硬化せず、しばらくしてから硬化し始める性質をもつ油面用の光遅延硬化型接着剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車のボディ製造工程においては、普通、プレス油や防錆油等のオイルが付着した冷間圧延鋼板、亜鉛メッキ鋼板又はアルミ合金などのパネル部品をプレス成形した後、熱硬化型接着剤を使用して当該鋼板同士を接着する工程が存在する。ここで、当該工程における接着剤硬化工程は、高温(例えば160℃)で長時間(例えば30分程度)加熱する工程であり、硬化するまでの間のズレを防ぐためクランプで固定したり、スポット熔接したりする必要があるなど煩わしい面がある。
【0003】
ところで、熱硬化型の他にも光硬化型接着剤が存在する。光硬化型接着剤は、紫外線などの光エネルギーを照射することによって短時間で重合硬化する硬化性組成物であり、アクリル樹脂などのラジカル重合性化合物と光照射により活性ラジカルが発生する光開始剤とを組み合わせたものが一般的である。しかしながら、この種の光硬化型接着剤は、光照射により速やかに硬化する一方、光を照射しない部分は全く硬化せず、また、光照射を止めると硬化反応も停止する。したがって、この種の光硬化型接着剤を不透明材料(例えば鋼板)の接着用として使用することは不可能である。
【0004】
ところで、光硬化型接着剤の中で、光カチオン重合開始剤を含有する光硬化性接着剤は、光照射により酸を発生させる。そして、当該酸の発生により直ちに重合反応が始まり、表面から硬化が進む。このため、鋼板を合わせる前に接着剤表面が乾いてしまい、両者を接着できない。そこで、光照射後しばらくしてから重合反応を開始させる手法として(換言すれば、酸が反応を開始する時間を遅らす手法として)、この種の接着剤に遅延剤を添加する(例えば、極微量のルイス塩基やポリエーテルポリオールなどの遅延剤をエポキシ樹脂に添加する)技術が提案されている(例えば特許文献1)。即ち、このタイプは、光照射中に反応しないように(表面が乾かないように)することができるので、光照射後に材料同士を貼り合わせるという手法が可能になる結果、不透明な材料(例えば鋼板)同士の接合が可能となる。
【特許文献1】特開昭63−248825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者らは、当該タイプを油面接着用接着剤として適用することにつき研究を進めた。この研究段階で、既存の光遅延硬化性接着剤では、(1)油接着性が悪く、そのため、高剛性の被着体(例えば鋼板)同士を接着した場合には容易に剥離してしまう、(2)光カチオン重合開始剤は、その活性が一般に短波長の紫外線にあるため、増感剤を用いた場合でもせいぜい数百ミクロンの薄膜しか硬化できない、という問題に直面した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、様々な材料に対して高い接着力を発現するエポキシ樹脂をベースとした上で鋭意研究を進めた結果、光遅延硬化型接着剤中に、オキセタン樹脂と熱可塑性樹脂とを添加することにより、油面接着用に優れた組成物となることを見出し、以下の本発明(1)〜(9)を完成させたものである。
【0007】
本発明(1)は、エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤及び遅延剤を少なくとも含有する光遅延硬化型接着剤において、オキセタン樹脂及び熱可塑性エラストマーを更に含有することを特徴とする、油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0008】
本発明(2)は、リン酸基又はカルボン酸基含有(メタ)アクリレートを更に含有する、前記発明(1)の油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0009】
本発明(3)は、オキセタン樹脂が、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン又は3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンである、前記発明(1)又は(2)の油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0010】
本発明(4)は、熱可塑性エラストマーが、スチレンとジエン類との共重合体、その水素添化物又はエポキシ化物である、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0011】
本発明(5)は、エポキシ樹脂が、ビスフェノールA、ビスフェノールFから誘導されるグリシジルエーテル化物或いは脂環式エポキシ樹脂である、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0012】
本発明(6)は、光カチオン重合開始剤が、トリアリールスルホニウム塩誘導体又はジアリールヨードニウム塩誘導体である、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0013】
本発明(7)は、遅延剤が、ポリ(アルキレンオキサイド)残基を有する化合物である、前記発明(1)〜(6)のいずれか一つの油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0014】
本発明(8)は、オイルが付着した鋼板を接着するための、前記発明(1)〜(7)のいずれか一つの油面用光遅延硬化型接着剤である。
【0015】
本発明(9)は、自動車のボディ製造工程において使用される、前記発明(8)の油面用光遅延硬化型接着剤である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、油面接着性に優れているので、例えばオイルが付着した鋼鈑同士を確実に接着できることに加え、極めて短時間に少ないエネルギーで硬化できるという効果も奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係る油面用光遅延硬化型接着剤は、エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤及び遅延剤に加え、オキセタン樹脂及び熱可塑性エラストマーを更に含有することを特徴とする。以下、まず各成分について詳述する。
【0018】
まず、エポキシ樹脂について説明する。ここで、本明細書にいう「エポキシ樹脂」とは、1個又は複数個のエポキシ官能基を含有するモノマー性、ダイマー性、オリゴマー性又はポリマー性のエポキシ材料すべてが包含される概念である。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フルオレンビスフェノール、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノール等のビフェノール類、ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン等の多価フェノール類、テルペンジフェノール、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のフェノール系化合物等から誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系エポキシ樹脂等の固形又は液状のエポキシ樹脂が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。好ましくは、ビスフェノールAやビスフェノールFから誘導されるグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂である。
【0019】
次に、オキセタン樹脂について説明する。ここで、本明細書にいう「オキセタン樹脂」とは、エポキシ官能基よりも炭素が1つ多い、炭素原子3個と酸素原子1個からなる4員環を有する化合物を指す。オキセタン樹脂は、系の反応速度を速めると共に、後述の熱可塑性エラストマーとの相溶化剤としても機能する。加えて、オキセタン樹脂は、感度が高いので、光を吸収する光カチオン重合開始剤の量を少量に留めておくことができる結果、光の到達深度を上昇させる機能も奏する。オキセタン樹脂の具体例としては、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、オキセタンメタクリレート、テレフタレートビスオキセタン、ビフェニリレンビスオキセタンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。好ましくは、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンである。
【0020】
次に、熱可塑性エラストマーについて説明する。ここで、本明細書にいう「熱可塑性エラストマー」とは、化学架橋構造をもたない合成ゴムを指す。この熱可塑性エラストマーは、油分を吸収し、油面接着性を向上させる。ここで、本発明に係る熱可塑性エラストマーは、油吸収性の観点からは、SP値が9.5以下であることが好適であり、また、エポキシ樹脂やオキセタン樹脂との相溶性の観点からは、7.5以上であることが好適である。より好適なSP値は、8〜9の範囲である。尚、本明細書におけるSP値は、Smallの方法で算出されたものを指す。熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレンとブタジエンやイソプレンなどのジエン類との共重合体や、それらの水素添化物やエポキシ化物、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エステルなどのビニル化合物との共重合体、アクリルゴムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。好ましくは、スチレンとブタジエン、イソプレンなどのジエン類との共重合体や、それらの水添化物やエポキシ化物であり、具体的には、SBS、SISやこれらのエポキシ化物(ダイセル化学工業(株) 商品名エポフレンド)、SEBS、SEPS、SBBSなどが挙げられる。ここで、組成比によって異なるが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体及びその水素添加物のSP値は、8.38〜8.92であり、スチレン−イソプレン共重合体及びその水素添加物のSP値は、8.15〜8.90であり、エポキシ化SBSのSP値は、8.40〜9.00であり、エチレン−酢酸ビニル共重合体のSP値は、8.5〜8.8であり、エチレン−アクリル酸エチル共重合体のSP値は、8.5〜8.8である。
【0021】
次に、光カチオン重合開始剤について説明する。ここで、本明細書にいう「光カチオン重合開始剤」とは、カチオン重合を開始させるカチオンを、光の照射で生成させるものを指す。例えば、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族鉄錯塩等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。好ましくは、トリアリールスルホニウム塩誘導体、ジアリールヨードニウム塩誘導体である。
【0022】
次に、遅延剤について説明する。ここで、本明細書にいう「遅延剤」とは、露光から硬化するまでのタイミングを遅延させる薬剤を指す。例えば、ルイス塩基、例えば、ピリジン及びその誘導体、イミダゾール、アルキル基により置換されたイミダゾール、ピラゾール及びその誘導体、トリアゾール類、エーテル類、アルコール類、ケトン類、エステル類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。好ましくは、エーテル類であり、例えばポリエチレングリコール及びその誘導体、ポリプロピレングリコール及びその誘導体、クラウンエーテル類などのポリ(アルキレンオキサイド)残基を有する化合物である。
【0023】
本発明に係る油面用光遅延硬化型接着剤は、他の成分を含有していてもよい。例えば、リン酸基やカルボン酸基を含有する(メタ)アクリレートを含有していてもよい。当該成分の添加により、アルミニウム及びアルミニウム合金に対して極めて強力に接着させることができる。この場合、遅延剤としてルイス塩基を用いると触媒作用により酸とエポキシ樹脂が反応しアルミニウム及びアルミニウム合金に対して接着性が低下するので、エーテル類の遅延剤を用いるのが好ましい。但し、遅延剤としてルイス塩基を用いても、リン酸基やカルボン酸基とエポキシ基が1対1で反応するのみであるので、アルミニウム及びアルミニウム合金以外の被着体に対する接着性は変わらない。ここで、リン酸基やカルボン酸基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−アクリロイロキシエチルリン酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
【0024】
更に、アントラキノン類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、チオキサントン類などの増感剤を含有してもよい。その他、シリカ、ガラスビーズなどの無機充填剤、架橋スチレンビーズ、架橋アクリル微粒子などの有機微粒子などを配合して粘度や弾性率の調節を行うこともできる。
【0025】
次に、本発明に係る油面用光遅延硬化型接着剤について説明する。まず、エポキシ樹脂とオキセタン樹脂の比は、両者が混在すればよく、特に限定されないが、好ましくは重量比で1/99〜99/1であり、より好ましくは10/90〜90/10である。
【0026】
次に、熱可塑性エラストマーは、溶解又は分散できる範囲で特に限定されないが、エポキシ樹脂とオキセタン樹脂の合計100重量部に対して、好ましくは1〜60重量部である。
【0027】
次に、光カチオン重合開始剤は、全樹脂成分100重量部に対し、通常0.1〜10重量部であり、好ましくは0.3〜5重量部である。
【0028】
次に、遅延剤は、遅延させる時間やUV照射後の加熱の有無などによって異なり、多すぎると反応が遅くなったり、硬化物の物性を低下させたりし、少なすぎると遅延効果がなくUVと同時に硬化してしまう。したがって、全樹脂成分100重量部に対し、0.01〜30重量部が好ましい。
【0029】
次に、任意成分を添加する場合、リン酸基やカルボン酸基を含有する(メタ)アクリレートの添加量は、全樹脂成分100重量部に対し、0.01〜30重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10重量部である。また、増感剤は、全樹脂成分100重量部に対し、1〜3重量部が好ましい。
【0030】
次に、本発明に係る油面用光遅延硬化型接着剤の使用方法について説明する。まず、被着体は、油が付着している材料であれば特に限定されず、例えば、プレス油や防錆油等のオイルが付着した冷間圧延鋼板、亜鉛メッキ鋼板又はアルミ合金を挙げることができる。ここで、自動車のボディ製造工程での使用を例にとり説明すると、まず、プレス成形された鋼板(汚れが特にひどい場合には布等で拭き取る)に本発明に係る接着剤を0.02〜0.2g/cm2の厚さに塗布し、紫外線照射照度(波長320〜390nm)1〜6W/cm2の紫外線を0.1〜10秒間照射する。その後、直ちに接着する別の鋼板を合わせる。貼り合わせた後、1分以内に硬化反応が徐々に始まり、10分後には、移動させてもズレることがない程度に仮接着される。その後、洗浄、電着塗装工程へ進む。この電着塗装の乾燥時の加熱(140〜180℃、10〜60分)を利用して硬化を完了させる。
【実施例】
【0031】
以下、実施例を参照しながら本発明をより具体的に説明する。尚、本発明の技術的範囲は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0032】
製造例
表1の配合に従い、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、熱可塑性エラストマー及びシリカを、高速ディゾルバーを用いて、攪拌して均一にした。次いで、同じく表1の配合に従い、光カチオン重合開始剤、増感剤、遅延剤及びアクリレート成分を加え、遊星式攪拌装置を用いて攪拌、脱泡を行いペースト状又は液状の均一な組成物を作製した。
【0033】
試験例
UV照射条件は以下の通りである:
Fusion UV システムズ製VPS 6/I-600、照度(UVA)3W/cm2、照射量(UVA)2.0J/cm2(ここで、UVAのAは、波長が320〜390nmである紫外線を示す)
(1)表面皮張り性
UV照射直後の組成物の表面状態を確認した。その結果を表1に示す。尚、表中、「○」は、表面に皮が張らずにタックがあることを示し、「×」は、表面に皮が張ったようになりタックが無いことを示す。
【0034】
(2)遅延硬化性
組成物の厚さを2mm以上にして、UV照射した。その後、暗所に3時間放置し観察した。また、これとは別に0.5mm厚に塗布し、UVを照射した。照射直後にパネルを貼り合わせて、10分間23℃に放置した後、せん断接着力を測定した。その結果を表1に示す。尚、表中、「○」は、1mm以上硬化して、せん断接着力が2MPa以上であったことを示し、「×」は、硬化が進まなかったか、せん断接着力が2MPa未満であったことを示す。
【0035】
(3)油面接着性
CRS(冷間圧延鋼鈑)及びアルミニウムパネルに防錆油(コスモクリーンプレスAK150、コスモ石油)を3g/m2塗布した面へ、接着剤組成物を0.5mm厚に塗布し、UVを照射した。照射直後にパネルを貼り合わせて、24時間23℃に放置した後、150℃で30分加熱して完全硬化させて試験片とした。その結果を表1に示す。尚、剪断接着力は、JIS K 6850に準じて、また、T形剥離力はJIS K 6854−3に準じて測定した。
【0036】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤及び遅延剤を少なくとも含有する光遅延硬化型接着剤において、オキセタン樹脂及び熱可塑性エラストマーを更に含有することを特徴とする、油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項2】
リン酸基又はカルボン酸基含有(メタ)アクリレートを更に含有する、請求項1記載の油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項3】
オキセタン樹脂が、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン又は3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンである、請求項1又は2記載の油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項4】
熱可塑性エラストマーが、スチレンとジエン類との共重合体、その水素添化物又はエポキシ化物である、請求項1〜3のいずれか一項記載の油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項5】
エポキシ樹脂が、ビスフェノールA又はビスフェノールFから誘導されるグリシジルエーテル化物或いは脂環式エポキシ樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項記載の油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項6】
光カチオン重合開始剤が、トリアリールスルホニウム塩誘導体又はジアリールヨードニウム塩誘導体である、請求項1〜5のいずれか一項記載の油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項7】
遅延剤が、ポリ(アルキレンオキサイド)残基を有する化合物である、請求項1〜6のいずれか一項記載の油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項8】
オイルが付着した鋼板を接着するための、請求項1〜7のいずれか一項記載の油面用光遅延硬化型接着剤。
【請求項9】
自動車のボディ製造工程において使用される、請求項8記載の油面用光遅延硬化型接着剤。

【公開番号】特開2007−56119(P2007−56119A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241951(P2005−241951)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000004020)ニチバン株式会社 (80)
【Fターム(参考)】