説明

内燃機関用点火装置

【課題】機関の始動時及びアイドル時の点火位置を最適な位置に設定して、ケッチンの防止とアイドル回転の安定化とを図った内燃機関用点火装置を提供することにある。
【解決手段】第1パルス信号P1と、第1パルス信号と極性が異なる第2及び第3パルス信号P2及びP3とを発生する信号発生器2と、機関の始動時に信号発生器2が同極性のパルス信号を続けて発生したときに、点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段11と、始動時の最初の点火が完了し、回転速度がアイドル回転速度以下であるときに、第2パルス信号P2に応答して点火回路に点火信号を与えるアイドル時点火信号供給手段12と、機関の回転速度がアイドル回転速度を超えているときに、回転速度を含む制御条件に対して点火位置を演算して、演算された点火位置に一致するクランク角位置で点火回路に点火信号を与える定常回転時点火信号供給手段13とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロプロセッサを用いて内燃機関の点火位置(機関を点火するクランク角位置)を制御する内燃機関用点火装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関用点火装置は、特許文献1に示されているように、点火信号が与えられた時に点火コイルの一次電流を制御して該点火コイルの二次コイルに点火用高電圧を誘起させる点火回路と、該点火回路に点火信号を与えるクランク角位置(点火位置)を制御する点火位置制御部とにより構成される。
【0003】
内燃機関には、機関の回転情報(回転速度情報及び回転角度情報)を得るために信号発生器が取り付けられる。信号発生器は、通常、誘導子形の発電機からなっている。従来の点火装置で用いられていた信号発生器は、機関の上死点位置(ピストンが上死点に達した時のクランク角位置)より十分に進角したクランク角位置に設定された基準位置及び上死点位置付近に設定された固定点火位置でそれぞれ極性が異なる基準パルス信号及び固定点火用パルス信号を発生するように構成されていた。
【0004】
基準位置は、通常機関の最大進角位置、または該最大進角位置よりも更に進んだ位置に設定され、この基準位置が、点火位置の計測を開始する位置として用いられる。また固定点火位置は、機関の始動時及びアイドル時の点火位置として適した位置に設定される。
【0005】
一般に、内燃機関の点火位置を制御する点火制御部は、機関の始動時及びアイドル回転時の点火を制御するアイドル時点火制御手段と、機関の回転速度が設定値を超える定常運転時の点火を制御する定常時点火制御手段とにより構成される。定常時点火位置制御手段は、例えば、内燃機関に取り付けられた信号発生器が基準パルス信号を発生する間隔から機関の回転速度を演算する回転速度演算手段と、演算された回転速度に対して機関の点火位置を演算する点火位置演算手段と、信号発生器が基準パルス信号を発生した時に演算した点火位置の計測を開始して、該点火位置の計測が完了した時(機関のクランク角位置が演算した点火位置に一致したことが検出された時)に点火信号を発生する点火信号発生手段とにより構成される。これらの手段は、マイクロプロセッサに所定のプログラムを実行させることにより実現される。
【0006】
機関の始動時及びアイドル時においても、信号発生器の出力から得た回転情報を用いて点火位置を演算して、演算した点火位置で機関を点火することが考えられる。しかしながら、機関の始動時及びアイドル時には、機関の回転が安定せず、機関の行程変化によりクランク軸の回転速度が細かく変動し、信号発生器が発生するパルス信号から正しく回転情報を得ることができないため、点火位置を的確に演算することが難しく、また演算した点火位置を正確に検出することができない。そのため、機関の始動時及びアイドル時の点火位置を制御するアイドル時点火制御手段は、演算した点火位置で点火回路に点火信号を与えるのではなく、信号発生器が固定点火位置で固定点火用パルス信号を発生した時に点火回路に点火信号を与えるように構成されている。
【0007】
ところで、内燃機関においては、始動時に点火位置が上死点位置よりも進角していると、機関が点火した際にピストンが押し戻される現象(ケッチンと呼ばれる。)が生じることがあり、ケッチンが生じると、機関の始動に失敗することになる。またキックスタータにより始動する内燃機関において始動時にケッチンが生じると、クランク軸の逆転時にクランク軸からキックペダルに伝達される衝撃により運転者に危害が及ぶおそれがある。そのため、内燃機関においては、始動時にケッチンが生じるのを防ぐことが、解決すべき重要な課題の1つとなっている。
【0008】
ケッチンを防止するためには、機関の始動時に機関の回転方向を判別して、機関の逆転が検出されたときに、点火装置が点火動作を行うのを禁止するようにすればよい。機関の回転方向を判別する方法としては、信号発生器を2つ設けて、両信号発生器が発生するパルス信号の位相関係が機関の回転方向により異なることを利用する方法や、信号発生器が発生するパルス信号と、機関に取り付けられた交流発電機の出力電圧との位相関係が機関の回転方向により異なることを利用する方法が知られている。
【0009】
しかしながら、上記のような方法により機関の回転方向を判別するためには、2つの信号の位相関係を判別する処理を行う必要があるため、回転方向の判別に手間がかかり、点火制御に遅れが生じるおそれがある。
【0010】
そこで、信号発生器が固定点火用パルス信号を発生するクランク角位置を上死点位置よりも遅れた位置に設定して、機関の始動時に上死点位置よりも遅れたクランク角位置で機関を点火することが考えられる。このように構成すると、ピストンが上死点を越えないと機関が点火されないため、ケッチンを防止することができるが、機関が始動した後のアイドリング運転時には点火位置が遅れすぎることになるため、アイドリング運転を安定に行わせることができなくなる。
【0011】
例えばある内燃機関では、機関の始動時の点火位置を上死点より2度遅角した位置とすると、ケッチンを防止することができるが、アイドリング状態での最適な点火位置は上死点前10度の位置であるため、ケッチンを防止することを重視して、始動時及びアイドル時の点火位置を上死点位置よりも遅角した位置に設定すると、アイドリングを安定に行なわせることができない。
【0012】
そこで、特許文献1に示された点火装置においては、信号発生器が固定点火用パルス信号を発生する固定点火位置を上死点位置よりも遅れたクランク角位置に設定するとともに、機関により駆動される交流発電機の出力電圧の零クロス点やピーク点を特異点として検出する特異点検出回路を設けて、アイドル時の点火位置として適したクランク角位置で該特異点検出回路から発生させた特異点検出信号により、アイドル時の点火位置を定めるようにしている。
【特許文献1】特開2001−200776号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に示された発明によれば、ケッチンを防止することができ、しかもアイドル時の点火位置が遅れすぎるのを防ぐことができる。しかしながら、この発明では、信号発生器の他に、機関により駆動される交流発電機の出力電圧の零クロス点やピーク点を特異点として検出する特異点検出回路を設ける必要があるため、ハードウェアの構成が複雑になるという問題があった。
【0014】
また交流発電機の出力電圧の零クロス点やピーク点等の特異点の位相は、アイドル時の発電機の出力電流により変動するため、特異点検出回路の出力信号によりアイドル時の点火位置を定めると、アイドル時の点火位置が変動してアイドリング運転が不安定になるおそれがある。
【0015】
本発明の目的は、機関の回転方向を判定するために複雑な処理を行ったり、ハードウェアの構成を複雑にしたりすることなく、始動時及びアイドル時の点火位置を最適な位置に設定して、ケッチンを防止するとともに、アイドル時の回転を安定に行わせることができるようにした内燃機関用点火装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、点火信号が与えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに与えるための点火用高電圧を発生する点火回路と、前記点火回路に点火信号を与えるクランク角位置(点火位置)を制御する点火位置制御部とを備えた内燃機関用点火装置を対象とする。
【0017】
本発明においては、内燃機関が正回転している過程で、内燃機関のクランク角位置が圧縮行程におけるピストンの上死点に相当するクランク角位置(上死点位置)よりも十分に進角した位置に設定された第1のクランク角位置に一致した時に第1の極性を有する第1パルス信号を発生し、機関のクランク角位置が第1のクランク角位置よりも遅れ、上死点位置よりは進んだアイドル時の点火位置として適した位置に設定された第2のクランク角位置に一致した時に第2の極性を有する第2パルス信号を発生し、機関のクランク角位置が上死点位置よりも遅れ、機関の始動時の最初の点火位置として適した位置に設定された第3のクランク角位置に一致した時に第2の極性の第3パルス信号を発生するように構成された誘導子形の信号発生器が設けられる。
【0018】
そして、本発明においては、上記点火位置制御部が、内燃機関の始動時の最初の点火を行わせるために、信号発生器が同極性の第2パルス信号と第3パルス信号とを続けて発生したことを検出したときに、直ちに該第3パルス信号に応答して第3のクランク角位置で点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段と、最初の点火が完了し、内燃機関の回転速度がアイドル回転速度以下の状態にあるときに、第2パルス信号に応答して第2のクランク角位置で点火回路に点火信号を与えるアイドル時点火信号供給手段と、内燃機関の回転速度がアイドル回転速度を超えているときに、回転速度を含む制御条件に対して点火位置を演算して演算された点火位置に一致するクランク角位置で点火回路に点火信号を与える定常回転時点火信号供給手段とを備えている。
【0019】
上記のように、始動時の最初の点火を上死点位置よりも遅れた位置で行わせると、ピストンが上死点を越えないと最初の点火が行われないため、ケッチンが生じるのを防ぐことができる。
【0020】
また上記のように構成すると、第2パルス信号と第3パルス信号とは同極性であるため、同極性のパルス信号が続けて2回発生したときに、2回目に発生したパルス信号が第3パルス信号であると簡単に判別することができる。機関の始動時に最初に点火される気筒内のピストンが上死点を越えることができずに押し戻されたときには、信号発生器が同極性のパルス信号を続けて2回発生することはなく、信号発生器が第3パルス信号を発生したと認識されることはないため、機関の回転方向を判別するための特別の処理を行わなくても、ピストンが上死点に達することができずに押し戻されたときには、点火動作が行われるのを確実に防ぐことができ、ケッチンを確実に防止することができる。
【0021】
また上記のように構成すると、1個の信号発生器の出力パルスのみを用いて始動時の最初の点火位置とアイドル時の点火位置とを定めることができ、発電機の出力の特異点を検出する特異点検出回路等の特別な信号発生回路を設けたり、複数の信号発生器を設けたりする必要がないため、ハードウェアの構成が複雑になるのを防ぐことができる。
【0022】
更に信号発生器がパルス信号を発生する位置は変動することがないため、上記のように構成すると、アイドリング運転時の点火位置が変動するおそれをなくすことができ、アイドリング運転を安定に行わせることができる。
【0023】
本発明の好ましい態様では、上記信号発生器が、内燃機関のクランク軸の周方向に沿って伸びる第1の部分と該第1の部分よりもクランク軸の正転方向の後方側に配置された第2の部分とを有して周方向の一端及び他端にそれぞれ第1及び第2の端部エッジが形成され、第1の部分と第2の部分との境界部に中間エッジが形成されたリラクタを備えてクランク軸と共に回転するように設けられたロータと、リラクタの各エッジを検出したときにパルス信号を発生する信号発電子とを備えていて、内燃機関が正回転している過程で内燃機関のクランク角位置が第1のクランク角位置に一致したときに信号発電子がリラクタの第1の端部エッジを検出して第1パルス信号を発生し、内燃機関が正回転している過程で内燃機関のクランク角位置が第2のクランク角位置に一致したときに信号発電子がリラクタの中間エッジを検出して第1パルス信号と極性が異なる第2パルス信号を発生し、内燃機関が正回転している過程でクランク角位置が第3のクランク角位置に一致したときに信号発電子が第2の端部エッジを検出して第2パルス信号と同極性の第3パルス信号を発生するように構成されている。
【0024】
本発明の好ましい態様では、上記リラクタがロータの外周に形成された突起からなっていて、リラクタの第1の部分は第1の幅寸法をもってクランク軸の周方向に伸びる部分であり、第2の部分は第1の幅寸法よりも小さい第2の幅寸法をもってクランク軸の周方向に伸びる部分である。この場合、第1の部分及び第2の部分は、クランク軸の周方向に沿って均一な高さ寸法を有するように形成しておく。
【0025】
本発明の他の好ましい態様では、上記リラクタがロータの外周に形成された突起からなっていて、リラクタの第1の部分は第1の高さ寸法をもってクランク軸の周方向に伸びる部分であり、第2の部分は第1の高さ寸法よりも小さい第2の高さ寸法をもってクランク軸の周方向に伸びる部分である。この場合、第1の部分及び第2の部分はクランク軸の周方向に沿って均一な幅寸法を有するように形成される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、始動時の最初の点火を上死点位置よりも遅れた位置で行わせることにより、ピストンが上死点を越えない状態で最初の点火が行われることがないようにしたので、ケッチンが生じるのを防ぐことができる。
【0027】
また本発明によれば、信号発生器が同極性のパルス信号を続けて2回発生したときに、2回目に発生したパルス信号が第3パルス信号であることを簡単に判別することができ、また機関の始動時に最初に点火される気筒内のピストンが上死点を越えることができずに押し戻されたときには、信号発生器が同極性のパルス信号を続けて2回発生することはなく、信号発生器が第3パルス信号を発生したと認識されることはないため、機関の回転方向を判別するための特別の処理を行わなくても、ピストンが上死点に達することができずに押し戻されたときに点火動作が行われるのを確実に防ぐことができ、ケッチンを確実に防止することができる。
【0028】
また上記のように構成すると、1個の信号発生器の出力パルスのみを用いて始動時の最初の点火位置とアイドル時の点火位置とを定めることができ、発電機の出力の特異点を検出する特異点検出回路等の特別な信号発生回路を設けたり、複数の信号発生器を設けたりする必要がないため、ハードウェアの構成が複雑になるのを防ぐことができる。
【0029】
更に信号発生器がパルス信号を発生する位置は変動することがないため、本発明のように構成すると、アイドリング運転時の点火位置が変動するおそれをなくすことができ、アイドリング運転を安定に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。以下の説明では、内燃機関が単気筒2サイクル機関であるとする。
図1は本発明に係わる内燃機関用点火装置のハードウェアの構成例を示したもので、同図において1は内燃機関に取り付けられたロータ外転形の磁石式交流発電機である。磁石発電機1は、カップ状に形成されたロータヨーク100と、該ロータヨークの周壁部の内周に固定された図示しない永久磁石とを有して内燃機関のクランク軸に取り付けられたロータ1Aと、ロータの磁極に対向する磁極部を有するステータ鉄心と、該ステータ鉄心に巻回されたエキサイタコイルEXとを有するステータ1Bとからなっていて、機関の回転に同期して、エキサイタコイルEXに交流電圧を誘起させる。
【0031】
2は、ロータ2Aと信号発電子2Bとからなる誘導子形の信号発生器である。図示の例では、磁石発電機1のロータヨークが、信号発生器2のロータ2Aを兼ねていて、該ロータヨーク100の外周にリラクタ(誘導子)rが形成されている。リラクタrは、図2(A)及び(B)に模式的に示したように、ロータ2Aの外周に形成された突起からなっていて、第1の幅寸法W1をもって機関のクランク軸の周方向に伸びる第1の部分r1と、第1の部分よりもクランク軸の正転方向Rの後方側に配置されて、第1の幅寸法W1よりも小さい第2の幅寸法W2をもってクランク軸の周方向に伸びる第2の部分r2とからなり、第1の部分r1及び第2の部分r2は、図2(B)に示すように、クランク軸の周方向に沿って均一な高さ寸法を有するように形成されている。リラクタrの周方向の一端(正転方向Rの前方側に位置する端部)及び他端(正転方向Rの後方側に位置する端部)にそれぞれ第1及び第2の端部エッジe1及びe2が形成され、第1の部分r1と第2の部分r2との境界部に中間エッジemが形成されている。
【0032】
信号発電子2Bは、リラクタrに対向する磁極部を先端に有する鉄心とこの鉄心に巻回された信号コイルLsと、鉄心に磁気結合された永久磁石とを備えた周知のもので、リラクタrのエッジを検出して図3に示すようなパルス信号を発生する。図3は機関が正回転しているときに信号発電子2Bが出力するパルス信号を示したもので、同図においてP1は信号発電子がリラクタの第1の端部エッジe1を検出したときに発生する第1の極性(図示の例では負極性)の第1パルス信号であり、P2及びP3はそれぞれ信号発電子がリラクタの中間エッジem及び第2の端部エッジe2を検出したときに発生する第2の極性(図示の例では正極性)の第2パルス信号及び第3パルス信号である。
【0033】
本発明においては、図3に示すように、機関の正回転時に、時刻t1において、クランク軸が上死点位置よりも十分進角した位置に設定された第1のクランク角位置θ1に一致した時に信号発電子がリラクタの第1の端部エッジe1を検出して第1の極性の第1パルス信号P1を発生し、時刻t2において、機関のクランク角位置が第1のクランク角位置θ1よりも遅れ、上死点位置TDCよりは進んだ第2のクランク角位置θ2に一致した時に信号発電子がリラクタの中間エッジemを検出して第2の極性の第2パルス信号P2を発生し、時刻t3において、機関のクランク角位置が上死点位置TDCよりも遅れた第3のクランク角位置θ3に一致したときに信号発電子がリラクタの第2の端部エッジe2を検出して第2の極性の第3パルス信号P3を発生するように、リラクタrの各部の寸法及び配設位置と、信号発電子2Bの配設位置とが設定されている。そのため、図2(B)に示されているように、リラクタrの第1の部分r1の極弧角α12が、第1のクランク角位置θ1と第2のクランク角位置θ2との間の角度に等しく設定され、リラクタの第2の部分r2の極弧角α23が、第2のクランク角位置θ2と第3のクランク角位置θ3との間の角度に等しく設定されている。
【0034】
ここで、第1パルス信号P1が発生する第1のクランク角位置θ1は、演算された点火位置の計測を開始する位置として適した位置に設定され、第2パルス信号P2が発生する第2のクランク角位置θ2は、アイドル時の点火位置して適当な位置に設定される。また第3パルス信号P3が発生する第3のクランク角位置θ3は、始動時の最初の点火位置として適した位置に設定される。
【0035】
機関が正回転しているときには、図3に示すように、第2の極性の第2パルス信号P2及び第3パルス信号P3が続けて発生するため、同じ第2の極性のパルス信号が続けて2回発生したときに、機関が正回転していると判定することができ、2回目に発生した第2の極性のパルス信号を、上死点位置よりも遅れた位置に設定された第3のクランク角位置(始動時の初回の点火位置)で発生した第3パルス信号であると判定することができる。本発明では、このように、機関の始動時に、同極性のパルス信号が続けて2回発生したことが検出されたときに、2回目に発生した第3パルス信号P3に応答して点火動作を行わせることにより、上死点位置よりも遅れた位置で始動時の最初の点火動作を行わせる。
【0036】
図3は、機関が正回転しているときに信号発生器2が出力するパルス信号の波形を示したものであるが、機関の逆転時には、信号発生器が出力するパルス信号が図3に示した波形とは異なる波形を示す。例えば、機関の始動時にピストンが上死点に達する前に押し戻され、信号発電子がリラクタの中間エッジemを検出する前に機関が逆転した場合には、図4に示したように、最初時刻t1でリラクタの第1の端部エッジe1が検出されてパルス信号P1が発生した後、機関の逆転により、時刻t2で再度第1の端部エッジe1が検出された時に第2の極性のパルス信号P1′が発生する。このとき、第2の極性のパルス信号が続けて2回発生することはないため、機関は上死点を越えることなく逆転したと判定することができる。本発明では、このように、機関の始動時に第3パルス信号P3が発生しないときには、点火動作を行わせないようにする。
【0037】
また機関の始動時に信号発電子が時刻t2でリラクタの中間エッジemを検出した後、ピストンが上死点を越えることができずに機関が逆転した場合には、図5に示すように、時刻t3で中間エッジemが再度検出されたときに第1の極性のパルス信号P2′が発生する。この場合も、同極性のパルス信号P2及びP3が続け発生することがないため、機関が逆転したと判定することができる。本発明では、機関の始動時に同極性(第2の極性)のパルス信号が続けて2回発生したことが検出された場合にのみ初回の点火動作を行わせるため、図5に示す場合にも点火動作は行われない。
【0038】
図1において、3は一次コイル3a及び二次コイル3bを鉄心に巻回してなる点火コイルで、一次コイル3aの一端が接地されている。一次コイル3aの他端には点火用コンデンサCiの一端が接続され、点火用コンデンサCiの他端と接地間に放電用スイッチを構成するサイリスタThiがそのカソードを接地側に向けた状態で接続されている。点火コイルの一次コイル3aの両端には、カソードを接地側に向けたダイオードDiが接続されている。点火用コンデンサCiの他端はまたカソードをこのコンデンサ側に向けたダイオードD1を通してエキサイタコイルEXの一端に接続されている。エキサイタコイルEXの一端と接地間及び他端と接地間にはそれぞれアノードを接地側に向けたダイオードD2及びD3が接続され、エキサイタコイルEXの正の半波の出力電圧で、エキサイタコイルEX−ダイオードD1−点火用コンデンサCi−ダイオードDi及び一次コイル3a−ダイオードD3−エキサイタコイルEXの回路に電流が流れて、点火用コンデンサCiが図示の極性に充電される。点火コイル3の二次コイル3bの一端は一次コイル3aの非接地側端子に接続され、二次コイル3bの他端は機関の気筒に取りつけられた点火プラグPLの非接地側端子に高圧コードを通して接続されている。この例では、点火コイル3と、点火用コンデンサCiと、サイリスタThiと、ダイオードDiとによりコンデンサ放電式の点火回路6が構成されている。
【0039】
図示の例では、エキサイタコイルの他端と接地間に、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧を一定の直流電圧に変換する電源回路4が接続されている。電源回路4は、エキサイタコイルの負の半波の出力電圧で充電される電源コンデンサと、該電源コンデンサの両端の電圧を一定に保つように制御する制御回路とからなっていて、電源コンデンサの両端に一定の直流電圧Vccを発生させる。電源コンデンサの充電電流はダイオードD2を通してエキサイタコイルEXに帰還させられる。
【0040】
機関の点火時期を制御するため、マイクロプロセッサ(MPU)5が設けられ、信号発生器2が出力するパルス信号P1ないしP3のうち、第1の極性(図示の例では負極性)の第1パルス信号P1がインターフェース回路IF1を通してマイクロプロセッサ5のポートAに入力され、第2の極性の第2パルス信号P2及び第3パルス信号P3がインターフェース回路IF2を通してマイクロプロセッサ5のポートBに入力されている。インターフェース回路IF1及びIF2は信号コイルが発生するパルス信号をマイクロプロセッサ5が認識し得る波形の信号に変換する波形整形回路からなっている。マイクロプロセッサ5は、所定のプログラムを実行することにより、点火回路に点火信号Siを与えるクランク角位置(点火位置)を制御する点火位置制御部を構成し、内燃機関の点火位置でポートCから点火信号Siを出力する。この点火信号SiはサイリスタThiのゲートに与えられる。マイクロプロセッサ5及びインターフェース回路IF1及びIF2は、電源回路4が出力する直流電圧Vccを電源電圧として動作する。
【0041】
図示の点火装置においては、マイクロプロセッサ5からサイリスタThiのゲートに点火信号Siが与えられたときに、点火用コンデンサCiの両端の電圧が順方向に印加されているサイリスタThiが導通し、点火用コンデンサCiに蓄積された電荷がサイリスタThiと点火コイルの一次コイル3aとを通して放電する。この放電により点火コイルの一次コイル3aに高い電圧が誘起する。この電圧は、点火コイルの一次、二次間の昇圧比により昇圧されるため、点火コイルの二次コイルに点火用の高電圧が誘起する。この高電圧は、点火プラグPLに印加されるため、該点火プラグPLで火花放電が生じ、機関が点火される。
【0042】
図6はマイクロプロセッサ5により実現される点火位置制御部10の構成を示したものである。点火位置制御部10は、始動時点火信号供給手段11と、アイドル時点火信号供給手段12と、定常回転時点火信号供給手段13とにより構成される。
【0043】
始動時点火信号供給手段11は、内燃機関15の始動時の最初の点火を行わせるために、信号発生器2が同極性の第2パルス信号P2と第3パルス信号P3とを続けて発生したことを検出したときに、該第3パルス信号P3に応答して第3のクランク角位置θ3で点火回路に点火信号を与えるように構成される。
【0044】
またアイドル時点火制御手段12は、始動時の最初の点火が完了し、内燃機関の回転速度がアイドル回転速度以下の状態にあるときに、第2パルス信号に応答して第2のクランク角位置で点火回路に点火信号を与えるように構成される。
【0045】
更に定常回転時点火信号供給手段13は、内燃機関の回転速度がアイドル回転速度を超えているときに、回転速度を含む制御条件に対して点火位置を演算して演算された点火位置に一致するクランク角位置で点火回路6に点火信号Siを与えるように構成される。
【0046】
図6に示した点火位置制御部10を構成するためにマイクロプロセッサ5に実行させる処理のアルゴリズムを示すフローチャートを図7〜図9に示した。図7は、信号発生器2が負極性(第1の極性)のパルス信号を発生したときに実行される割り込み処理を示したものであり、図8は、信号発生器2が正極性(第2の極性)のパルス信号を発生した時に実行される割り込み処理を示したものである。また図9はマイクロプロセッサ内に設けられた点火タイマがセットされた計時データの計測を完了した時に実行される処理を示したものである。
【0047】
機関の始動時に信号発生が最初に負極性の第1パルス信号P1を発生したとする。このときマイクロプロセッサは図7に示した処理のステップS701を実行し、正極性のパルス信号が発生したことを示すフラグをクリアする。次いでステップS702に移行して現在の機関の状態で始動時の状態にあるか否かを判定し、始動時であると判定されたときには以後何もしないでこの処理を終了する。ステップS702で始動時であると判定されたときには、ステップS703に移行して点火処理予約フラグをセットした後、ステップS704で次に行う点火がアイドリング時の点火であるか否かを判定する。その結果、アイドリング時の点火であると判定されたときには、以後何もしないでこの処理を終了する。ステップS704で次の点火がアイドリング時の点火ではないと判定されたときには、図示しないメインルーチンで機関の回転速度に対して演算された点火位置θiを検出するために点火タイマに計測させる計時データTxをステップS705で点火タイマにセットしてこの処理を終了する。
【0048】
点火タイマにセットされる計時データTxは、現在の回転速度で、機関が第1のクランク角位置(基準クランク角位置)θ1から演算された点火位置まで回転するのに要する時間である。この計時データTxは、1回転前に計測した第1のパルス信号P1の発生時刻から第2のパルス信号P2の発生時刻までの時間(第1のクランク角位置θ1から第2のクランク角位置θ2まで機関が回転するのに要した時間)T12と、第1のクランク角位置θ1から第2のクランク角位置θ2までの角度α12と、第1のクランク角位置(基準クランク角位置)θ1から演算された点火位置θiまでの角度α1iとから、下記の(1)式により求める。
Tx=(α1i/α12)×T12 …(1)
【0049】
なお機関の回転速度は、信号発生器2が第1極性のパルス信号P1を発生する間隔(クランク軸が1回転するのに要する時間)から演算される。また点火位置は、演算された回転速度に対して点火位置演算用マップを検索することにより演算される。
【0050】
次に信号発生器2が正極性(第2の極性)のパルス信号P2を発生すると、図8に示した割込処理が実行される。この処理においては、先ずステップS801において現在の状態が始動時の状態であるか否かを判定し、始動時であると判定されたときに、ステップS802で正極性のパルス信号が発生したか否かを示すフラグを見て、正極性のパルス信号が連続して発生したか否かを判定する。その結果正極性のパルス信号が連続して発生したと判定されたとき(今回の正極性パルス信号が第3パルス信号であるとき)には、ステップS803でポートCから点火信号Siを発生させて第3パルス信号P3の発生位置での点火動作を行わせて(点火処理を行わせて)この処理を終了する。ステップS802で正極性のパルス信号が連続して発生していないと判定されたときには、ステップS804で正極性のパルス信号が発生したことを示すフラグをセットしてこの処理を終了する。
【0051】
ステップS801で現在の状態が始動時の状態ではないと判定されたときには、前記フラグの状態を見ることにより、正極性のパルス信号が連続して発生したか否かを判定し、連続して発生したと判定されたとき(フラグがセットされているとき)には、以後何もしないでこの処理を終了する。ステップS805で正極性のパルス信号が連続して発生していないと判定されたとき(今回の正極性パルス信号が第2パルス信号P2であるとき)には、ステップS806に移行して正極性のパルス信号が発生したことを示すフラグをセットし、次いでステップS807で点火処理予約フラグがセットされているか否かを見ることにより、点火処理が行われたか否かを判定する。その結果、未だ点火処理が行われていないと判定されたとき(点火処理予約フラグがセットされているとき)には、ステップS808に進んでポートCから点火信号Siを発生させて、第2パルス信号P2の発生位置での点火動作を行わせ、ステップS809で点火処理予約フラグをクリアした後、この処理を終了する。ステップS807で既に点火処理が行われていると判定されたときには、以後何もしないでこの処理を終了する。
【0052】
マイクロプロセッサ内の点火タイマが、図7のステップS705においてセットされた計時データの計測を完了すると(演算された点火位置が検出されると)、図9に示した割込処理が実行される。この割込処理では、ステップS901でポートCから点火信号Siを発生させて点火動作を行わせ、ステップS902で点火処理予約フラグをクリアする。
【0053】
図7ないし図9に示したアルゴリズムによる場合には、図8の処理のステップS801,S802,S803及びS804により始動時点火信号供給手段11が構成され、図7のステップS701,S702,S703及びS704と、図8のステップS801及びS805ないしS809とにより、アイドル時点火信号供給手段が構成される。また図7のS701,S702,S703、S704及びS705と、図9の処理とにより定常回転時点火信号供給手段13が構成される。
【0054】
上記の説明では、内燃機関が単気筒機関であるとしたが、多気筒内燃機関を点火する点火装置にも本発明を適用することができるのはもちろんである。多気筒内燃機関を点火する場合には、例えば、点火回路6を気筒数分設けて、マイクロプロセッサから各気筒の点火位置で各気筒用の点火回路に点火信号を与えるようにすればよい。
【0055】
上記の例では、信号発生器が発生するパルス信号の第1の極性を負極性とし、第2の極性を正極性としたが、第1の極性を正極性とし、第2の極性を負極性とするようにしてもよい。
【0056】
上記の実施形態では、リラクタrがロータ2Aの外周に形成された突起からなっていて、リラクタrの第1の部分r1が、第1の幅寸法W1をもってクランク軸の周方向に伸びる部分からなり、第2の部分r2が、第1の幅寸法よりも小さい第2の幅寸法W2をもってクランク軸の周方向に伸びる部分からなっている。また第1の部分r1及び第2の部分r2は、クランク軸の周方向に沿って均一な高さ寸法を有するように形成されている。
【0057】
しかしながら、本発明で用いる信号発生器のロータに設けるリラクタは、上記実施形態で用いたものに限定されるものではない。例えば、リラクタの第1の部分を、第1の高さ寸法をもってクランク軸の周方向に伸びる部分とし、第2の部分を第1の高さ寸法よりも小さい第2の高さ寸法をもってクランク軸の周方向に伸びる部分とすることもできる。この場合は、第1の部分及び第2の部分が、クランク軸の周方向に沿って均一な幅寸法を有するようにしておく。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態のハードウェアの構成例を示した回路図である。
【図2】(A)及び(B)はそれぞれ本実施形態で用いる信号発生器のロータの上面図及び正面図である。
【図3】内燃機関が正回転している時に図2の信号発生器が発生するパルス信号の波形を示した波形図である。
【図4】機関の始動時にクランク角位置が第2のクランク角位置に達する前にピストンが押し戻されたときに本発明で用いる信号発生器が出力するパルス信号の波形を示した波形図である。
【図5】機関の始動時にクランク角位置が第2のクランク角位置と上死点位置との間の位置に達したときにピストンが押し戻された場合に本発明で用いる信号発生器が出力するパルス信号の波形を示した波形図である。
【図6】本発明の実施形態においてマイクロプロセッサにより構成される点火位置制御部の構成例を示したブロック図である。
【図7】本発明の実施形態において信号発生器が負極性のパルス信号(第1のパルス信号)を発生したときにマイクロプロセッサが実行する割り込み処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態において信号発生器が正極性のパルス信号(第2のパルス信号)を発生したときにマイクロプロセッサが実行する割り込み処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態において点火タイマが点火位置を検出するための計時データの計測を完了したときにマイクロプロセッサが実行する割り込み処理のアルゴリズムを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 磁石発電機
2 信号発生器
3 点火コイル
5 マイクロプロセッサ
6 点火回路
10 点火位置制御部
11 始動時点火信号供給手段
12 アイドル時点火信号供給手段
13 定常回転時点火信号供給手段
Ci 点火用コンデンサ
Thi サイリスタ
r リラクタ
r1 第1の部分
r2 第2の部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
点火信号が与えられたときに内燃機関の気筒に取り付けられた点火プラグに与えるための点火用高電圧を発生する点火回路と、前記点火回路に前記点火信号を与えるクランク角位置(点火位置)を制御する点火位置制御部とを備えた内燃機関用点火装置であって、
前記内燃機関が正回転している過程で、前記内燃機関のクランク角位置が圧縮行程におけるピストンの上死点に相当するクランク角位置(以下上死点位置という。)よりも十分に進角した位置に設定された第1のクランク角位置に一致した時に第1の極性を有する第1パルス信号を発生し、前記機関のクランク角位置が前記第1のクランク角位置よりも遅れ、前記上死点位置よりは進んだアイドル時の点火位置として適した位置に設定された第2のクランク角位置に一致した時に第2の極性を有する第2パルス信号を発生し、前記機関のクランク角位置が前記上死点位置よりも遅れ、前記機関の始動時の最初の点火位置として適した位置に設定された第3のクランク角位置に一致した時に前記第2の極性の第3パルス信号を発生するように構成された誘導子形の信号発生器が設けられ、
前記点火位置制御部は、
前記内燃機関の始動時の最初の点火を行わせるために、前記信号発生器が同極性の第2パルス信号と第3パルス信号とを続けて発生したことを検出したときに、該第3パルス信号に応答して前記第3のクランク角位置で前記点火回路に点火信号を与える始動時点火信号供給手段と、
前記最初の点火が完了し、前記内燃機関の回転速度がアイドル回転速度以下の状態にあるときに、前記第2パルス信号に応答して前記第2のクランク角位置で前記点火回路に点火信号を与えるアイドル時点火信号供給手段と、
前記内燃機関の回転速度が前記アイドル回転速度を超えているときに、前記回転速度を含む制御条件に対して点火位置を演算して演算された点火位置に一致するクランク角位置で前記点火回路に点火信号を与える定常回転時点火信号供給手段と、
を具備してなる内燃機関用点火装置。
【請求項2】
前記信号発生器は、
前記内燃機関のクランク軸の周方向に沿って伸びる第1の部分と該第1の部分よりも前記クランク軸の正転方向の後方側に配置された第2の部分とを有して周方向の一端及び他端にそれぞれ第1及び第2の端部エッジが形成され、前記第1の部分と第2の部分との境界部に中間エッジが形成されたリラクタを備えて前記クランク軸と共に回転するように設けられたロータと、前記リラクタの各エッジを検出したときにパルス信号を発生する信号発電子とを備え、
前記内燃機関が正回転している過程で前記内燃機関のクランク角位置が前記第1のクランク角位置に一致したときに前記信号発電子が前記リラクタの第1の端部エッジを検出して前記第1パルス信号を発生し、前記内燃機関が正回転している過程で前記内燃機関のクランク角位置が前記第2のクランク角位置に一致したときに前記信号発電子が前記リラクタの中間エッジを検出して前記第2パルス信号を発生し、前記内燃機関が正回転している過程で前記クランク角位置が前記第3のクランク角位置に一致したときに前記信号発電子が前記第2の端部エッジを検出して前記第3パルス信号を発生するように構成されている請求項1に記載の内燃機関用点火装置。
【請求項3】
前記リラクタは前記ロータの外周に形成された突起からなっていて、前記リラクタの第1の部分は第1の幅寸法をもって前記クランク軸の周方向に伸びる部分であり、前記第2の部分は前記第1の幅寸法よりも小さい第2の幅寸法をもって前記クランク軸の周方向に伸びる部分であって、前記第1の部分及び第2の部分は前記クランク軸の周方向に沿って均一な高さ寸法を有している請求項2に記載の内燃機関用点火装置。
【請求項4】
前記リラクタは前記ロータの外周に形成された突起からなっていて、前記リラクタの第1の部分は第1の高さ寸法をもって前記クランク軸の周方向に伸びる部分であり、前記第2の部分は前記第1の高さ寸法よりも小さい第2の高さ寸法をもって前記クランク軸の周方向に伸びる部分であり、前記第1の部分及び第2の部分は前記クランク軸の周方向に沿って均一な幅寸法を有している請求項2に記載の内燃機関用点火装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−101572(P2008−101572A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285963(P2006−285963)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【出願人】(000001340)国産電機株式会社 (191)
【Fターム(参考)】