説明

内視鏡の操作部

【課題】ケース本体から押しボタンスイッチ本体を容易に着脱し、修理・点検を簡単に行う。
【解決手段】ケース本体23に取付孔54と開口22を形成する。取付孔54に押しボタンスイッチ本体50を挿入する。ケース本体23の内側に突出した取付筒62の外周面に、取付溝64を形成する。固定楔51を取付溝64に挿入する。固定楔51により、押しボタンスイッチ本体50が取付孔54に強固に保持される。操作キャップ60の端縁部60cが取付孔54の係止段部71に接触して変形し、取付孔54と操作キャップ60とを気密に密着させる。固定楔51を取り外すときには、固定楔51と取付筒62との間の隙間55に、取り外し工具34の係止爪34aを挿入する。取り外し工具34を僅かに傾けると、てこの原理で固定楔51が持ち上げられ、取付溝64から固定楔51を簡単に取り外すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の操作部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、挿入部とこれに続く操作部を有する。操作部は施術者によって把持され、挿入部は被検者の体内に挿入される。操作部には、各種操作ボタン、例えば送気・送水ボタンや吸引ボタンやリモートスイッチボタン等が取り付けられる。このような操作ボタンは本体部と操作キャップとからなる。本体部は例えば筒状に形成されており、一端部にスイッチが取り付けられる。そして、スイッチを覆い隠すように本体部には、操作キャップが取り付けられる。操作キャップは例えばゴム製であり、押圧による弾性変形によって内部のスイッチをONにする。また、操作キャップへの押圧を止めることにより、元に戻ってスイッチがオフになる。
【0003】
操作ボタンは、洗浄などによる液の侵入や、塵などが入り込むことがないように、操作部のケース本体に取り付ける際には、水密性及び気密性を確保する必要がある。このため、ケース本体との間にOリングやシール材を装填し、例えば特許文献1,2に示すように、ナットを用い、ケース本体に操作部材を締め付けて固定する。
【0004】
特許文献1では、ケース本体の取付孔に対して、ケース本体の内側から押しボタンユニットを挿入し、これにケース本体の外側から固定用ナットを螺合させて締めつけ固定している。また、特許文献2では、特許文献1とは逆に、ケース本体の取付孔に対して、ケース本体の外側から押しボタンユニットを挿入し、これにケース本体の内側から固定用ナットを螺合させて締めつけ固定している。また、特許文献3では、ケース本体の外側からスイッチを取付孔に挿入し、次に、スイッチ板と固定ビスとを用いて、ケース本体の内側から押しボタンスイッチをケース本体に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−56892号公報
【特許文献2】特開2002−25387号公報
【特許文献3】特開平8−191789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1,2記載のものでは、いずれも固定用ナットを用いているため、固定用ナットを回転させて締めつける必要がある。特に、特許文献2のように、ケース本体の内側に固定用ナットが配置されるものでは、ケース本体内の狭い隙間から固定用ナットを回転する必要があり、操作性が悪く、操作ボタンユニットの取り付けや取り外しに手間を要する。
【0007】
また、特許文献1のように、固定用ナットをケース本体の外側に配置する場合には、押しボタンユニットをケース本体内に収納した状態で取付孔から外側に向けて突出させて、この突出した部分の雄ねじに固定用ナットを締めつけるため、ケース本体内に押しボタンユニットの取り付け及び取り出し用の移動スペースを設ける必要があり、ケース本体に移動スペース分の無駄なスペースができてしまい、コンパクト化の障害になる。また、メンテナンスの際には、固定用ナットを外した後に、ケース本体の外側から内側に押しボタンユニットを押して、その後に、開口から押しボタンユニットをケース本体の外側に出す操作が必要になり、メンテナンスに手間を要する。
【0008】
特許文献3のように、ケース本体の内側から固定ビスを介して押しボタンスイッチを取り付ける場合には、固定ビス回転用のドライバを挿入するための孔や開口がケース本体に必要になる。また、孔や開口に代えて、ドライバの挿入が容易な凹み部を形成する必要がある。このように、ケース本体にドライバ挿入用の孔や開口、凹み部などを形成する必要があり、ケース本体の形状が複雑になる。また、孔や開口を塞ぐキャップが新たに必要になる他に、凹み部を塞ぐための蓋も板状の二次元形状と異なり、三次元形状の複雑なものになる。
【0009】
また、上記特許文献1〜3のものでは、メンテナンスや点検などの作業時における各種部品の取り外しについて、充分な考慮がなされていない。このため、各種部品の取り外しに手間がかかる。また、内視鏡の操作部は水密や気密が保持される状態で蓋が取り付けられる。したがって、蓋を取り外して、ドライバやスパナなどの工具を用いて、各種部品を取り外そうとすると、工具がケース本体の内面に接触し、この部分を傷つけてしまうことがある。ケース本体の内面部分、特に蓋の開口周縁部はOリングなどのパッキンが接触する面であり、傷が付いてしまうと、気密及び水密を保持することが困難になる。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、押しボタンスイッチや切換弁などの操作部材、LEDなどの表示部材、キャップや蓋、その他の各種部品を、スペースが限られたケースに簡単に取り付け、また取り外すことができ、しかも取り外し時には、ケース本体の内面を傷付けることがないようにした内視鏡の操作部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の内視鏡の操作部は、開口及び取付孔を有するケース本体と、前記ケース本体の開口を塞ぐように気密に取り付けられる蓋と、前記取付孔に対し前記ケース本体の外側から内側に向かう第1方向から挿入される部品部材と、前記第1方向に対し交差する第2方向から前記ケース本体の開口を介して挿入され、前記ケース本体の内側に突出する部品部材に係止して、前記部品部材の前記ケース本体からの抜脱を阻止する抜脱阻止部材と、前記抜脱阻止部材に設けられ、前記部品部材を前記ケース本体に密着させる密着部と、前記抜脱阻止部材に形成され、該抜脱阻止部材を前記第2方向から抜き取るための抜き取り係止部とを有する。
【0012】
前記取付孔は、前記第1方向から前記部品部材が挿入されたときに、前記部品部材が係止する係止段部を有し、前記部品部材は押しボタンスイッチであり、前記押しボタンスイッチは、スイッチ本体と、前記スイッチ本体を保持し、前記取付孔に前記第1方向から挿入される取付筒と、前記スイッチ本体を覆うように前記取付筒の一端に取り付けられ、前記係止段部に係止する係止部を外周に有し、押圧操作により変形し前記スイッチ本体を切り換える操作キャップとを有する。
【0013】
前記抜脱阻止部材は固定楔であり、前記取付筒は、前記固定楔の挿入により取付筒を前記第1方向において内側に向けて付勢し、前記係止段部に操作キャップの係止部を係止させる固定楔取付溝を有する。
【0014】
前記固定楔取付溝は、前記密着部を構成する傾斜面を有し、前記固定楔の第2方向からの挿入によって前記傾斜面により前記取付筒を第1方向において内側に向けて付勢し、前記操作キャップの係止部を前記係止段部内で変形させて、前記操作キャップと前記取付孔とを気密に密着させる。
【0015】
前記固定楔は、連結板の両端に先細りの脚板を有するU字形板部材であり、前記脚板の一方の側縁が斜めに形成されており、この一対の斜め側縁により前記傾斜面を押圧することが好ましい。また、前記固定楔は、中間に湾曲突起を有する脚板を連結板の両端に形成したU字形板部材であり、前記湾曲突起により前記傾斜面を押圧することが好ましい。
【0016】
前記連結板に形成される取付孔と、前記固定楔が前記固定楔取付溝に挿入された状態のときに前記取付孔に対応する位置で前記取付筒に形成される取付ネジ孔と、前記取付孔から挿入されて前記取付ネジ孔に螺合し、前記固定楔を前記取付筒に固定する固定ビスとを備えることが好ましい。
【0017】
前記抜き取り係止部は、前記連結板の内側面であり、前記固定楔取付溝に前記固定楔が挿入され、前記固定ビスにより前記固定楔が前記取付筒に取り付けられた状態で、前記連結板の内周面と前記取付筒との間に、固定楔抜き取り用の係止部材の先端部が挿入可能な隙間を有することが好ましい。
【0018】
前記抜き取り用係止部は、前記連結板に形成され、固定楔抜き取り用の係止部材の先端部が挿入可能な係止孔または係止凹部であることが好ましい。前記取付孔の係止段部は、前記第1方向に略垂直な係止面と、前記係止面に略直交して連続する係止内周面とからなり、前記操作キャップは、前記係止部の前記係止内周面に対面する位置に、前記係止内周面に接触して変形し、前記操作キャップと係止段部とを気密に密着させる第1環状突条を有することが好ましい。また、前記操作キャップは、前記係止部の前記係止面に対面する位置に、前記係止面に接触して変形し、前記操作キャップと係止段部とを気密に密着させる第2環状突条を有することが好ましい。さらには、前記取付孔の内周面及び前記取付筒の外周面は、前記取付筒の回転を規制する回転規制部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、部品の取り付けに際して、部品挿入方向とは交差する第2方向から脱落阻止部材を装着するため、取り付けスペースが限られた内視鏡の操作部のケースに部品を簡単に取り付けることができる。また、ケースから部品を取り外す際にも、第2方向から脱落阻止部材を抜き取ることにより、簡単にケースから部品を取り外すことができる。しかも、抜脱阻止部材に係止部を設けているので、係止部に係止爪を有する取り外し工具を入れて引き抜くことにより、簡単に抜脱阻止部材を取付筒から抜き取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の内視鏡の操作部を有する電子内視鏡システムを示す斜視図である。
【図2】蓋を取った状態の内視鏡の操作部を示す斜視図である。
【図3】ユニバーサルコード接続口の取付ブラケットを示す斜視図である。
【図4】ケース本体の取付孔に、押しボタンスイッチを取り付ける手順を示す斜視図である。
【図5】押しボタンスイッチの取り付け状態を示す断面図である。
【図6】取付溝に固定楔を挿入する状態を示す一部断面を含む側面図である。
【図7】固定楔を取付溝に挿入した状態を示す一部断面を含む側面図である。
【図8】第1実施形態に対し、操作キャップの端縁部を変えた第2実施形態の押しボタンスイッチを示す断面図である。
【図9】第1実施形態に対し、同じく操作キャップの端縁部を変えた第3実施形態の押しボタンスイッチを示す断面図である。
【図10】固定楔の別実施形態を示す斜視図である。
【図11】同じく固定楔の別実施形態を示す斜視図である。
【図12】回転規制面を有する本発明の他の実施形態の押しボタンスイッチを示す斜視図である。
【図13】ユニバーサルコードコネクタに押しボタンスイッチ、三方切り換え弁を取り付けた別の実施形態における内視鏡の操作部を有する電子内視鏡システムを示す平面図である。
【図14】他の固定楔取り外し工具を示す側面図である。
【図15】係止爪を隙間に差し込んだ使用状態を示す側面図である。
【図16】取り外し工具を傾けて固定楔を持ち上げた状態を示す一部断面を含む側面図である。
【図17】他の固定楔取り外し工具を示す斜視図である。
【図18】同固定楔取り外し工具の使用状態を示す斜視図である。
【図19】係止爪が開閉するタイプの固定楔取り外し工具を示す断面図である。
【図20】同固定楔取り外し工具の使用状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1に示すように、電子内視鏡システム8は、例えば被検体の体腔等に挿入される挿入部11及び操作部12からなる電子内視鏡10と、ユニバーサルコード13と、光源装置14と、プロセッサ装置15とから構成される。そして、挿入部11の先端内部には撮像ユニットが設けられる。撮像ユニットからの撮像信号は、操作部12、ユニバーサルコード13、コネクタ25,25aを介してプロセッサ装置15に送られる。プロセッサ装置15では、周知の画像処理を施して、撮像ユニットが撮影した観察画像を例えばテレビモニタ16に表示する。
【0022】
挿入部11は、先端から順に、先端硬質部17、湾曲部18、及び軟性部19を有する。先端硬質部17の先端面には、周知のように、観察窓、照明窓、鉗子出口、送気送水ノズル、ウォタージェットノズルなどが形成される。湾曲部18は、アングルノブ20の回転操作により上下左右方向に任意角度で湾曲する。これにより、先端硬質部17が体腔内の所望の方向に向けられ、体腔内の被観察部位の撮像や、鉗子出口からの鉗子による種々の処置が可能になる。軟性部19は、操作部12と湾曲部18との間を長尺状に繋ぐ部分であり、可撓性を有している。
【0023】
操作部12は、ケース21に、アングルノブ20、送気送水ボタン26、吸引ボタン27、第1〜第3押しボタンスイッチ28〜30などの部品部材を取り付けて構成される。図2に示すように、ケース21は、開口22を有するケース本体23と蓋24とからなる。これらケース本体23及び蓋24は樹脂成形品から構成される。ケース本体23は、上部がやや窄まった略五画形の箱形に形成され、底板23a(操作部12の側面に該当する)と、この底板23aを囲むように周縁に配置される前板23b、上板23c、上背板23d、下背板23e、下板23fとを有する。開口22の周囲の縁部には不図示のOリング収納溝が形成されており、この収納溝内に不図示のOリングが嵌められる。
【0024】
蓋24は、開口22を塞ぐようにケース本体23に嵌められる。そして、2本のビス33を用いてケース本体23に固定される。この固定により、Oリングがケース本体23と蓋24との間で変形し、両者に密着することで、気密性が確保される。気密性が確保されることで、水密性も同時に確保される。アングルノブ20(図1参照)は、ケース本体23の底板23a(操作部12の側面)側に配設される。
【0025】
図1及び図2に示すように、送気送水ボタン26、吸引ボタン27、第1押しボタンスイッチ28,第2押しボタンスイッチ29は、ケース本体23の前板23bに取り付けられ、第3押しボタンスイッチ30は、ケース本体23の上板23cに取り付けられる。送気送水ボタン26は、挿入部11の先端から空気又は液を選択的に送り出す際に操作される。吸引ボタン27は、挿入部11の先端から空気や液を吸引操作する際に操作される。第1〜第3押しボタンスイッチ28〜30は、静止画の撮影や拡大撮影、その他の各種操作を行う際に操作される。
【0026】
図2に示すように、蓋24の外側中央部にはグリップ部35が外側に突出するように一体的に設けられる。このグリップ部35は、左手でケース21を把持する際に、左手の親指によって下部が支持されることにより、ケース21が把持し易くなっている。また、グリップ部35の突出端部には円形の開口36が形成される。この開口36には、不図示のOリングなどにより気密に保たれた状態で、ユニバーサルコード13(図1参照)が挿通される。
【0027】
ケース本体23の内部は仕切り板31により、操作ボタン収納室と、アングルノブ関連のワイヤ操作部収納室とに仕切られている。仕切り板31は例えば金属板から構成されており、ケース本体23に不図示の取付ビスにより固定される。
【0028】
ケース本体23の中央には、ブラケット37が配置される。ブラケット37は、図3に示すように、一対の脚部38a(図2参照),38bを有するアーチ状のフレーム38と、一方の脚部38bにビス止めされた補助脚部39とを有し、ユニバーサルコード接続口40を保持する。図2に示すように、補助脚部39はフレーム38に対して直交するように取り付けられる。そして、一対の脚部38a,38bと補助脚部39との三点支持により仕切り板31にビス止め固定される。これにより、ケース本体23にユニバーサルコード接続口40が強固に固定される。また、補助脚部39はフレーム38にビス止め固定されるため、操作部12の修理やメンテナンスの際に、ブラケット37を、フレーム38と補助脚部39とに容易に分解することができる。なお、ブラケット37は、各配線コード42を傷つけないように、バレル研磨される。
【0029】
ユニバーサルコード接続口40内では、各送気送水ボタン26、吸引ボタン27のチューブ41や、各押しボタンスイッチ28〜30からの配線コード42などがまとめられる。そして、ユニバーサルコード13としてユニバーサルコード接続口40からケース21の外部に分岐される。また、ブラケット37を取り外して、フレーム38や脚部39に分解することにより、各配線コード42を簡単に露呈させることができ、修理やメンテナンスが容易になる。
【0030】
図4に示すように、第1押しボタンスイッチ28は、押しボタンスイッチ本体50と、固定楔51と、固定ビス52とからなる。押しボタンスイッチ本体50は、前板23bに形成される取付孔54の外径よりも僅かに小径で、全体が円筒状に形成される。
【0031】
図5に示すように、押しボタンスイッチ本体50は、先端から順に、操作キャップ60、スイッチ本体61、取付筒62からなる。取付筒62は硬質プラスチック製または金属製である。取付筒62の外周面で、ケース本体23に対して外側には操作キャップ取付フランジ63が、周面よりも突出して形成される。この操作キャップ取付フランジ63の外径は取付孔54の内径よりも大きくされる。また、取付筒62が、ケース本体23の取付孔54に挿入された状態でケース本体23の内側に位置する外周面には、固定楔取付溝64(図4、図6参照)が形成される。
【0032】
取付筒62の内周面にはスイッチ本体61を保持するための仕切り板65が形成され、この仕切り板65には貫通孔66が形成される。スイッチ本体61は基板61aを有し、この基板61aを介してスイッチ本体61は仕切り板65に固定される。基板61aの背面側には、端子67が突出して形成され、これらが仕切り板65の貫通孔66に挿通される。端子67には、ユニバーサルコード13の配線コード42が半田付け等により接続される。
【0033】
図6にように、固定楔取付溝64は、取付筒62の周面の一部を、筒心に直交する方向に切り欠いた一対の平行な溝面64aを有する。この溝面64aの一方の側壁(外側に位置する)64bが筒心に直交し、他方の側壁(内側に位置する)64cが筒心に交差する。この交差する側壁64cにより傾斜面68が形成される。
【0034】
図5に示すように、操作キャップ60は合成ゴム製で柔軟性を有し、外形が半球に形成される。内周面60aの中央には、スイッチ本体61の可動部61bに対面する位置で、押圧突起60bが形成される。操作キャップ60が押圧されると操作キャップ60が変形し、押圧突起60bによりスイッチ本体61の可動部61bを押す。これにより、スイッチ本体61はONまたはOFFに切り換わる。
【0035】
操作キャップ60の内周面60aで端縁部近くには、取付溝70が周方向に形成される。この取付溝70には、操作キャップ取付フランジ63が嵌着する。また、前板23bに形成される取付孔54には、その外側に係止段部71が形成される。係止段部71は、第1方向A1に垂直な係止面71aと、この係止面71aに直交して連続する係止内周面71bとからなる。この係止段部71はキャップ取付溝となり、操作キャップ60の端縁部60cが嵌入する。
【0036】
図4に示すように、固定楔51は、一対の脚部51aと連結部51bとにより、U字形に折り曲げて形成され、硬質プラスチック製または金属製である。連結部51bの中央部には、固定ビス52が挿通される孔51cが形成される。脚部51aの一方の側縁は斜めに形成されて傾斜面53となる。傾斜面53により、部品部材としての押しボタンスイッチ本体50をケース本体23の前板23bに密着させる密着部が構成される。
【0037】
図6に示すように、固定楔取付溝64は正面から見て、台形状に構成され、上方に向かうに従い次第に開拡する傾斜面68を有する。固定楔51は、ケース本体23の開口22を通り、第1方向A1に略直交する第2方向A2から、固定楔取付溝64に挿入される。図7に示すように、固定楔51の取付溝64への挿入により、この傾斜面68に固定楔51の傾斜面53が圧着する。この圧着により、取付筒62は取付孔54内で右方向に移動し、操作キャップ取付フランジ63と、係止段部71との間で、操作キャップ60の端縁部60cが押し潰されて変形し、係止段部71内に操作キャップ60が圧着する。この操作キャップ60の圧着により、押しボタンスイッチ本体50は前板23bに気密に取り付けられる。なお、75はワッシャである。ワッシャ75は、固定楔51が金属製の場合に前板23bの内面が傷付くことがないよう保護する。
【0038】
図5に示すように、固定楔51が楔取付溝64に入れられた状態で、孔51cに対応する取付筒62には、ネジ孔76が形成される。このネジ孔76には固定ビス52が螺合する。この固定ビス52によって、楔取付溝64から固定楔51が脱落することが防止される。また、固定ビス52の回転によるネジ孔76への進入により、操作キャップ60の端縁部60cは係止段部71への圧着が強まり、より強固に取付孔54に押しボタンスイッチ本体50が取り付けられる。また、固定ビス52のねじ込み量を調節することにより、楔51による圧着力の調節が可能になり、気密性や水密性を確実に確保することができる。
【0039】
図7に示すように、固定ビス52により固定楔51が取付筒62に取り付けられた状態で、連結板51bの内側面と取付筒62の外周面との間には隙間55が形成される。この隙間55には、固定楔取り外し工具34の係止爪34aが挿入可能となるように、固定楔51と取付溝との寸法が決定される。連結板51bの内側面は、係止爪34aが係止する抜き取り係止部56となる。
【0040】
図4に示すように、第2及び第3押しボタンスイッチ29,30も、操作キャップ29a,30aの形状が半球状ではなく、円柱状または截頭円錐状である以外は、第1押しボタンスイッチ28と同じ構成であるので、第1押しボタンスイッチ28と同じ符号を用い、重複した説明を省略する。なお、操作キャップの内部スペースを小さくすることにより、温度変化による空気の膨張の影響を少なくすることができる。
【0041】
各押しボタンスイッチ28〜30はケース本体23に次のようにして取り付ける。先ず、図6に示すように、ワッシャ75を、予めケース本体23の内側面で取付孔54に位置合せして接着する。次に、各取付孔54から配線コード42を引き出して、スイッチ本体61の端子67に配線コード42を半田付けして接続する。なお、半田付けする代わりに、予め半田付けされた配線コードに接続端子を用いて、ユニバーサルコードの配線コード42に接続してもよい。
【0042】
次に、図4に示すように、各取付孔54に第1方向A1から押しボタンスイッチ本体50を挿入する。次に、図6に示すように、固定楔51を第1方向A1と略直交する第2方向A2から挿入する。この挿入により、固定楔取付溝64の傾斜面68と、固定楔51の傾斜面53とが接触して、取付筒62がケース本体23の内側に移動する。
【0043】
次に、固定ビス52を固定楔51の取付孔51cに挿入して回転すると、固定ビス52がネジ孔76に螺合し、固定楔51が取付溝64に締めつけられる。この締めつけによって、操作キャップ60の端縁部60cが係止段部71に密着する。これにより、押しボタンスイッチ28がケース本体23に固定されるとともに、操作キャップ60と係止段部71との密着により、取付孔54からの水や空気がケース本体23内に入り込むことが防止される。また、押しボタンスイッチをナットやビスにてケース内側から締めつける従来タイプのものに比べて、ナットやビスなどを挿入するための特別な凹部等を開口22に連設する必要がなくなる。したがって、開口22及び蓋24が三次元的に湾曲したりする複雑な形状となることがなく、製造が容易になる。しかも、固定楔51を挿入して、第2方向から固定ビス52を締めつけるだけでよく、取り付けが簡単に行える。また、固定楔51は押しボタンスイッチ本体50の挿入方向である第1方向A1に直交する第2方向A2から挿入するため、挿入が容易になる。
【0044】
なお、本実施形態では、押しボタンスイッチ本体50の挿入方向である第1方向A1に対し直交する第2方向A2から固定楔51を挿入しているが、ケース本体23の取付面が傾斜面や湾曲面から構成される場合には、これら取付面に合せて、第1方向と第2方向との交差角度は適宜変更され、90°以外の交差角度になる。
【0045】
メンテナンスや点検のため、ケース本体23からの各押しボタンスイッチ28〜30の取り外しは、取り付けとは逆の順に行う。先ず、図2に示すように、ビス33を緩めて蓋24をケース本体23から外す。次に、図5において、固定ビス52を緩めてネジ孔76から取り外す。
【0046】
次に、図7に示すように、係止爪34aを有する固定楔取り外し工具34を用いて、固定楔51を取付溝64から取り外す。取り外し工具34は、マイナスドライバの先端を略90度に折り曲げて構成される。そして、折り曲げられた楔形先端部が係止爪34aとなる。先ず、隙間55に係止爪34aの先端を挿入する。次に、固定楔51を持ち上げる方向に僅かに取り外し工具34を傾斜させる。これにより、てこの原理を利用して、固定楔51を取付溝64から容易に浮かせることができる。この後に、浮いた固定楔51を摘んで引き上げることにより、簡単に固定楔51を取付溝64から抜き取ることができる。
【0047】
なお、図示は省略したが、取付孔54の近傍で、開口22側のケース本体23の内面に突条を設けて、固定楔51を引き上げる際の接触防止の邪魔部材としても利用してもよい。この邪魔部材により、ケース本体23のOリング接触面に固定楔51が当たることがなくなり、傷の発生を抑えて、気密性を確保することができる。
【0048】
次に、図8を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。この第2実施形態では、操作キャップ80の端縁部81の外周面に、係止段部71の係止内周面71bに対面する位置で第1環状突条82を、係止段部71の係止面71aに対面する位置に第2環状突条83(二点鎖線表示部分)を形成する。その他の構成については、第1実施形態と同様であるので、その他の構成部材には同一符号を付して重複した説明を省略する。同様にして、以下の他の実施形態においても、同一構成部材には同一符号を付している。
【0049】
第1環状突条82は係止内周面71bに接触して変形し、操作キャップ80と係止段部71とを気密に密着させる。また、第2環状突条83は係止段部71の係止面71aに接触して変形し、操作キャップ80と係止段部71とを気密に密着させる。このように、第1実施形態に比べて、第1及び第2の環状突条82,83を設けており、これらが係止段部71に接触して変形することにより、操作キャップ80と取付孔54との間で二重に密着するため、気密性がより一層向上する。なお、第1環状突条82及び第2環状突条83のいずれか一方のみを形成してもよく、この場合にも、操作キャップ80と取付孔54との間の気密性が確保される。
【0050】
第2実施形態では、操作キャップ80と取付孔54との間に第1シール剤84が、操作キャップ80と取付筒62との間には第2シール剤85が入れられる。また、スイッチ本体61が取り付けられる仕切り板65の反対側面で取付筒62内には第3シール剤86が入れられる。第1シール剤84は、操作キャップ80を係止段部71に確実に固着して、操作キャップ80と係止段部71との隙間に塵や異物、雑菌などが溜まることを防止する。また、第2シール剤85は、取付筒62と操作キャップ80との隙間をシールし、異物などの進入を阻止する他に、気密性も確保する。第3シール剤86は、スイッチ本体61の端子67及び配線コード42の接続部を封止する他に、操作キャップ80が破損した場合にケース本体23の内部の気密性も確保する。その他の構成については第1実施形態と同じであり、重複した説明を省略する。
【0051】
図9に示すように、第3実施形態では、取付筒87のキャップ取付フランジ87aを、取付孔54の係止段部71の係止面71aに直接接触させたものであり、このため操作キャップ88の端縁部の形状が第2実施形態のものと異なっている以外は、第2実施形態と同じ構成となっている。本実施形態では、第1環状突条89によって係止段部71との密着性が確保される。また、第1シール剤84によって、取付孔54と操作キャップ88との間がシールされる。
【0052】
上記第1〜第3実施形態では傾斜面53を有する固定楔51を用いた例について説明したが、図10,図11に示す各実施形態では、押しボタンスイッチ本体50の取付溝64の傾斜面68に当接して、押しボタンスイッチ本体50をケース本体23の内側に付勢する湾曲突起90a,91aを有する固定楔90,91を用いる。
【0053】
図10に示すように、固定楔90は、例えば金属板を折り曲げて形成され、矩形状の連結板90bとこの連結板90bの4隅に連接される第1脚部90c及び第2脚部90dとを有する。第1脚部90cは細長い帯板であり、連結板90bに対して90°に折り曲げられる。また、第2脚部90dは、中間部に外側に向けて突出した湾曲突起90aを有する帯板であり、先端が第1脚部90cの先端に近接するように、連結板90bに対して鋭角に折り曲げられる。固定楔90が、図6に示す固定楔51の代わりに、押しボタンスイッチ本体50の取付溝64に差し込まれると、第1脚部90cがワッシャ75に接触し、第2脚部90dの湾曲突起90aが傾斜面68を押圧する。これにより、押しボタンスイッチ本体50がケース本体23の内側に向かう方向へ移動する。また、第2脚部90dはバネ性を有する湾曲突起90aにより傾斜面68に向けて固定楔90を付勢するため、適度な力で押しボタンスイッチ本体50をケース本体23の内側に向けて付勢することができる。さらに、固定ビス52のネジ込み量を変えることにより、付勢力も簡単に調節することができる。
【0054】
図11は、一つの帯板を板金加工により折り曲げて、湾曲突起91aを有する脚部91bを連結板91cの両側に形成し、固定楔91を構成したもので、図10に示す固定楔90と同様に、脚部91bの中央部に形成した湾曲突起91aによって、取付溝64の傾斜面68を押圧することができる。固定楔91は次のように構成する。先ず、金属製の帯板の両端から一定長さで中央部の連結板91cに対して、直角に折り曲げて一対の脚部91bを構成する。次に、この脚部91bを90°捩じった後に、脚部91bのほぼ中央部に湾曲突起91aをプレス加工する。なお、加工の順序は、これに限定されず、先に湾曲突起91aを形成した後に、捩じって折り曲げ加工してもよい。
【0055】
なお、図10,図11に示す固定楔90,91は金属製の帯板をプレスして成形しているが、プレスなどの板金加工によるものの他に、硬質樹脂を用いた成形品により構成してもよい。
【0056】
図12に示す別の実施形態では、取付孔100及び取付筒101に回転規制面100a,101aを形成したものであり、その他は第1実施形態と同様に構成されている。取付筒101の回転規制面101aは、取付筒101の外周面の一部を平面状に切り欠いて形成される。同様にして、この回転規制面101aが位置する取付孔100には回転規制面101aに接触して取付筒101の回転を規制する回転規制面101aを形成する。回転規制面101aは、1個の他に複数個であってもよい。また、複数個の場合には、取付孔100を多角形状に形成した各辺をそれぞれ回転規制面としてもよい。また、規制面に代えて、取付筒の回転を規制することができるものであればよく、係止突起や係止凹部を用いて、回転を規制してもよい。この回転規制面100a,101aは、上記各実施形態において形成してもよい。
【0057】
本実施形態では、取付筒101を取付孔100に挿入する際に、取付筒101が回転することがなく、固定楔51の挿入時の位置決めが容易になる。また、取付孔100内で取付筒101が回転することがないので、回転により配線コード42が引っ張られて断線したり、ハンダ付け部分から接続部が剥離してしまうことが無くなる。
【0058】
上記実施形態では、挿入部11が接続される内視鏡10の操作部12を例にとって説明したが、内視鏡10の操作部12として機能するものであれば良く、挿入部11が接続される操作部12に限定されるものではない。
【0059】
図13に示す別の実施形態は、挿入部11に連続する第1の操作部12に代えて、ユニバーサルコード13のコネクタ110に本発明を実施している。コネクタ110は、ケース本体108及び蓋109を有し、ユニバーサルコード13により電子内視鏡10を光源装置14に接続する。ケース本体108には、押しボタンスイッチ111,112や三方切換弁113が、固定楔51及び固定ビス52により取り付けられ、第2の操作部114が構成される。ケース本体108には、開口115が形成されており、この開口115から固定楔51,固定ビス52が挿入される。
【0060】
押しボタンスイッチ111,112や三方切換弁113のケース本体108への具体的な取付方法は、上記各実施形態と同様であり、同一構成部材には同一符号が付してある。コネクタ110は、ユニバーサルコード13の他に、プロセッサ装置15への接続コード116、送液タンク117へのチューブ118などが接続される。
【0061】
本実施形態でも、押しボタンスイッチ111,112などの操作部材の挿入方向に対して交差する方向から、固定楔51などの脱落阻止部材を挿入し、操作部材をケース本体108に取り付けるため、これら操作部材の取り付け及び取り外しが簡単に行える。なお、本実施形態では、ユニバーサルコード13のコネクタ110のケース本体108に対して、押しボタンスイッチ111,112などの操作部材を取り付けて、第2の操作部114としたが、図示は省略したが操作部は分岐部などのケース本体を用いたものにも実施してもよい。また、操作部材としては、操作スイッチなどに限定されるものではなく、上記のような三方切換弁やその他の機械的な操作部材も含まれる。
【0062】
上記実施形態では、部品として押しボタンスイッチの例を挙げたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、LEDなどの表示部品でもよい。また、操作キャップは柔軟性を有する合成ゴムなどにより構成しているが、例えば、柔軟性は無くともよく、この場合には、上部に可動部を有し、変位可能なキャップが使用可能である。また、押しボタンスイッチと取付孔との間にOリングなどを用いてもよい。
【0063】
上記実施形態では、操作部は箱型状に形成したが、操作部は種々の形状にすることができる。例えば、円筒状や半球状やその他の自由な曲面からなるケース本体であってもよい。
【0064】
上記実施形態では、スイッチ等の操作部材のケース本体への挿入方向を示す第1方向A1と、操作部材を固定する固定楔の挿入方向を示す第2方向A2とは、例えば操作部材が取り付けられる前板と、蓋との交差角度が90度である場合を例に取って説明したが、取付孔が形成される取付板部に対して操作部材が傾斜して取り付けられる場合には、90度以外の傾斜角度であってもよい。また、第1方向A1と第2方向A2とは交わる必要はなく、離れた状態も含まれる。
【0065】
次に、固定楔取り外し工具の別の例について説明する。図14〜16に示す取り外し工具120は、図8に示すものの変形例であり、先端が略直角に折り曲げられたL字形ドライバの先端に延長部を有する。この取り外し工具120は、係止爪121と、この係止爪が取り付けられる取付軸122と、グリップ123とを有する。取付軸122の先端に硬質ゴム製のキャップ124が取り付けられており、ケース本体内で先端が滑ることがないようにされる。取付軸122には雄ねじ126が形成されており、この雄ねじ126に2個のナット127が螺合することにより、係止爪121を取付軸122上で挟持する。ナット127の螺合位置を調節することにより、係止爪121の取付高さが変化し、各種操作部の隙間55(図7参照)の位置に対応させることができる。
【0066】
使用に際しては、図15に示すように、ケース本体23内に取付軸122を挿入して、隙間55内に係止爪121を挿入する。次に、図15に示すように、仕切り板31に形成した係止孔32にキャップ124を当てた状態で、グリップ123(図14参照)を操作して取付軸122を傾ける。この取付軸122の傾斜によって、図16に示すように、係止爪121が固定楔51の抜き取り係止部56に係止して固定楔51を上方に持ち上げる。これにより、簡単に固定楔51を取付溝64から取り外すことができる。なお、仕切り板31に形成する係止孔32は、円孔、長孔やその他の形状でよい。また、孔以外に、切欠き、凹み部などの取付軸先端のキャップの滑り止めとして機能するものであればよい。
【0067】
本実施形態では、取付軸先端のキャップ124を係止孔32に係止させ、この係止部分を支点として取付軸122を傾斜させるため、係止爪121の移動が規制され、取り外しの際に、勢い余って係止爪121の先端でケース本体23の内面を傷つけることが無い。ケース本体23の内面、特に蓋24(図2参照)が嵌まるエリアはOリングなどのパッキンにより気密を確保する必要があり、傷の発生は気密性・水密性の低下に繋がるが、このような不具合の発生が抑えられる。
【0068】
図17,図18は、固定楔130の連結板130aの固定ビス挿通孔131を、円孔131aと矩形孔131bとからなる鍵孔状に形成し、この鍵孔と同じ形状の係止爪133を有する取り外し工具134を用いる。使用する際には、固定ビス挿通孔131に鍵状の係止爪133を挿入し、次に係止爪133が固定ビス挿通孔131の孔縁に係止するようにグリップ135を例えば90°回転させる。この後に、取り外し工具134を用いて、固定楔130を上方に引き上げて、固定楔130を取付溝から取り外す。グリップ135近くの取付軸136にはスライディングハンマ137が嵌入されており、把手137aを持って、ハンマ137を上下動させグリップ135にハンマ137を当接させる。この当接時の衝撃を固定楔130に伝えることにより、固定楔130の抜き取りが容易になる。なお、ハンマ137は必要に応じて取り付けられるものであり、省略してもよい。
【0069】
図19,図20は、取付軸140が二重構造になった取り外し工具141を示している。係止爪142は内筒140bの先端に形成されており、例えば周方向に等ピッチで3本の爪本体142aを有する。これら3本の爪本体142aは外側に向けて拡がるように弾発性を有する。内筒140bは、上部のグリップ内で外筒140aに対し上方にバネ付勢される。そして、グリップの上部には、内筒140bの上端部が突出しており、この上端部が押し下げ摘まみとなっている。使用に際しては、不図示のグリップを握って上部の摘まみを押し下げ、外筒140aから内筒140bを押し出すと、係止爪142が開き、固定ビス取付孔51cの孔縁に係止爪142が係止する。この状態で取り外し工具141を持ち上げることにより、固定楔51を抜き取ることができる。本実施形態の取り外し工具にも必要に応じて、取付軸にスライディングハンマが取り付けられる。この場合には、ハンマの上下動による衝撃で固定楔の抜き取りを容易になる。
【符号の説明】
【0070】
10 電子内視鏡
12 操作部
23 ケース本体
28,29,30 押しボタンスイッチ
50 押しボタンスイッチ本体
51 固定楔
52 固定ビス
53,68 傾斜面
54 取付孔
60 操作キャップ
61 スイッチ本体
62 取付筒
63 操作キャップ取付フランジ
64 取付溝
68 傾斜面
70 取付溝
71 係止段部
80 操作キャップ
90,91 固定楔
110 コネクタ
111,112 押しボタンスイッチ
113 三方切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口及び取付孔を有するケース本体と、
前記ケース本体の開口を塞ぐように気密に取り付けられる蓋と、
前記取付孔に対し前記ケース本体の外側から内側に向かう第1方向から挿入される部品部材と、
前記第1方向に対し交差する第2方向から前記ケース本体の開口を介して挿入され、前記ケース本体の内側に突出する部品部材に係止して、前記部品部材の前記ケース本体からの抜脱を阻止する抜脱阻止部材と、
前記抜脱阻止部材に設けられ、前記部品部材を前記ケース本体に密着させる密着部と、
前記抜脱阻止部材に形成され、該抜脱阻止部材を前記第2方向から抜き取るための抜き取り係止部と
を有することを特徴とする内視鏡の操作部。
【請求項2】
前記取付孔は、前記第1方向から前記部品部材が挿入されたときに、前記部品部材が係止する係止段部を有し、
前記部品部材は押しボタンスイッチであり、前記押しボタンスイッチは、
スイッチ本体と、
前記スイッチ本体を保持し、前記取付孔に前記第1方向から挿入される取付筒と、
前記スイッチ本体を覆うように前記取付筒の一端に取り付けられ、前記係止段部に係止する係止部を外周に有し、押圧操作により変形し前記スイッチ本体を切り換える操作キャップとを有することを特徴とする請求項1記載の内視鏡の操作部。
【請求項3】
前記抜脱阻止部材は固定楔であり、
前記取付筒は、前記固定楔の挿入により取付筒を前記第1方向において内側に向けて付勢し、前記係止段部に操作キャップの係止部を係止させる固定楔取付溝を有することを特徴とする請求項2記載の内視鏡の操作部。
【請求項4】
前記固定楔取付溝は、前記密着部を構成する傾斜面を有し、前記固定楔の第2方向からの挿入によって前記傾斜面により前記取付筒を第1方向において内側に向けて付勢し、前記操作キャップの係止部を前記係止段部内で変形させて、前記操作キャップと前記取付孔とを気密に密着させることを特徴とする請求項3記載の内視鏡の操作部。
【請求項5】
前記固定楔は、連結板の両端に先細りの脚板を有するU字形板部材であり、前記脚板の一方の側縁が斜めに形成されており、この一対の斜め側縁により前記傾斜面を押圧することを特徴とする請求項4記載の内視鏡の操作部。
【請求項6】
前記固定楔は、中間に湾曲突起を有する脚板を連結板の両端に形成したU字形板部材であり、前記湾曲突起により前記傾斜面を押圧することを特徴とする請求項4記載の内視鏡の操作部。
【請求項7】
前記連結板に形成される取付孔と、前記固定楔が前記固定楔取付溝に挿入された状態のときに前記取付孔に対応する位置で前記取付筒に形成される取付ネジ孔と、前記取付孔から挿入されて前記取付ネジ孔に螺合し、前記固定楔を前記取付筒に固定する固定ビスとを備えることを特徴とする請求項5または6記載の内視鏡の操作部。
【請求項8】
前記抜き取り係止部は、前記連結板の内側面であり、前記固定楔取付溝に前記固定楔が挿入され、前記固定ビスにより前記固定楔が前記取付筒に取り付けられた状態で、前記連結板の内周面と前記取付筒との間に、固定楔抜き取り用の係止部材の先端部が挿入可能な隙間を有することを特徴とする請求項7記載の内視鏡の操作部。
【請求項9】
前記抜き取り用係止部は、前記連結板に形成され、固定楔抜き取り用の係止部材の先端部が挿入可能な係止孔または係止凹部であることを特徴とする請求項7記載の内視鏡の操作部。
【請求項10】
前記取付孔の係止段部は、前記第1方向に略垂直な係止面と、前記係止面に略直交して連続する係止内周面とからなり、
前記操作キャップは、前記係止部の前記係止内周面に対面する位置に、前記係止内周面に接触して変形し、前記操作キャップと係止段部とを気密に密着させる第1環状突条を有することを特徴とする請求項2から9いずれか1項記載の内視鏡の操作部。
【請求項11】
前記操作キャップは、前記係止部の前記係止面に対面する位置に、前記係止面に接触して変形し、前記操作キャップと係止段部とを気密に密着させる第2環状突条を有することを特徴とする請求項10項記載の内視鏡の操作部。
【請求項12】
前記取付孔の内周面及び前記取付筒の外周面は、前記取付筒の回転を規制する回転規制部を有することを特徴とする請求項11記載の内視鏡の操作部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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