円環型振動波アクチュエータ
【課題】円環型振動波アクチュエータにおける接触部の接触面圧を接触面の全体に分散させることができ、駆動方向と垂直な方向への滑りを低減させることにより、耐久性の向上を図ることが可能となる円環型振動波アクチュエータを提供する。
【解決手段】円環形状の振動部と、振動部と摩擦接触し、振動部の振動により振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部と、を有する円環型振動波アクチュエータであって、
円環形状の被駆動部は、
円環形状の被駆動部の内周側から振動部の側に突出した内周側支持部と、円環形状の被駆動部の外周側から振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた振動部と接触する接触部を備え、
外周側支持部の変形量が内周側支持部よりも大きい変形量となるように、外周側支持部と内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられている。
【解決手段】円環形状の振動部と、振動部と摩擦接触し、振動部の振動により振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部と、を有する円環型振動波アクチュエータであって、
円環形状の被駆動部は、
円環形状の被駆動部の内周側から振動部の側に突出した内周側支持部と、円環形状の被駆動部の外周側から振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた振動部と接触する接触部を備え、
外周側支持部の変形量が内周側支持部よりも大きい変形量となるように、外周側支持部と内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体と移動体とを有し前記移動体を駆動する円環型振動波アクチュエータに関し、特に移動体の形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、振動体で発生した振動により移動体を駆動する振動波アクチュエータが知られている。
このような振動波アクチュエータでは、振動体は一般に弾性体と、この弾性体上に配置された電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子とで構成されている。
この弾性体に対して空間的に互いに90°の位相差を持った位置に二つの駆動相を有する圧電素子を配置し、この二つの駆動相に互いに90°の位相差を持つ二つの交流信号を印加することによって、弾性体上に二つの曲げ振動を発生させる。
そして、この二つの曲げ振動の合成により得られた駆動信号により、振動体に対して移動体を相対的に移動させる。
振動体および移動体の少なくとも一方における接触面には適切な摩擦力を得るための摩擦部材が接着、塗布、または形成されている。
【0003】
この摩擦部材は移動体が振動体に対して摺動されるため、駆動するにつれて摩耗していくが、その摩耗を遅らせることで振動波アクチュエータの寿命を高めることが可能となる。
摩耗速度を決める要素の一つとして接触面圧が関係することが確認されており、接触面圧を小さくすることで振動波アクチュエータの寿命を高めることが可能となる。
このような接触面圧を小さくするための方法として、接触部の面積を広くすることが考えられる。
また、駆動中に異音を発生させないようにするために、接触部に弾性を持たせる必要がある。
これら二つの要因を解決する構成として、特許文献1では接触部を梁状部材で形成し、前記接触部の両端を支持するよう構成した振動波アクチュエータが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第03049931号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
振動波アクチュエータの耐久性を向上させるためには、上記したように移動体と振動体との接触面積を広げるようにするだけでは十分ではなく、接触面の全体に接触面圧が分散するようにすることが望ましい。
また、円環型の振動波アクチュエータにおいては、駆動中の振動体を中心軸を通る断面から見たとき振動体はある点を中心として回転するように振動しており、被駆動部の振動体との接触部が前記回転振動にならうことが望ましい。
その際、接触部が駆動方向と垂直な方向である径方向に対して滑らないようにすることで、摩耗を減らすことが可能となり耐久性を向上させることができる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、円環型振動波アクチュエータにおける接触部の接触面圧を接触面の全体に分散させることができ、
駆動方向と垂直な方向への滑りを低減させることにより、耐久性の向上を図ることが可能となる円環型振動波アクチュエータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の円環型振動波アクチュエータは、電気−機械エネルギー変換素子が取り付けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に駆動電圧が印加されることにより振動する円環形状の振動部と、
前記振動部と摩擦接触し、前記振動部の振動により該振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部と、を有する円環型振動波アクチュエータであって、
前記円環形状の被駆動部は、
該円環形状の被駆動部の内周側から前記振動部の側に突出した内周側支持部と、該円環形状の被駆動部の外周側から前記振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた前記振動部と接触する接触部を備え、
前記外周側支持部の変形量が前記内周側支持部よりも大きい変形量となるように、該外周側支持部と該内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、円環型振動波アクチュエータにおける接触部の接触面圧を接触面の全体に分散させることができ、
駆動方向と垂直な方向への滑りを低減させることにより、耐久性の向上を図ることが可能となる円環型振動波アクチュエータを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの被駆動部の構成を示す図ある。
【図3】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの駆動中の異なる瞬間の被駆動部と振動部の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの駆動中のある瞬間の接触面における面圧分布を示す図である。
【図5】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの被駆動部の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの駆動中の異なる瞬間の被駆動部と振動部の状態を示す図である。
【図8】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの駆動中のある瞬間の接触面における面圧分布を示す図である。
【図9】本発明の円環型振動波アクチュエータの振動状態を説明する図である。
【図10】本発明の実施例の形態を採らないときの駆動中の異なる瞬間の被駆動部と駆動部の状態を示す図である。
【図11】本発明の実施例の形態を採らないときの駆動中のある瞬間の接触面における面圧分布を示す図である。
【図12】本発明の振動波アクチュエータの駆動原理を説明する図である。
【図13】本発明の実施例1の振動波アクチュエータにおける別の形態の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施例1の振動波アクチュエータにおける更に別の形態の構成を示す図である。
【図15】本発明の実施例2の振動波アクチュエータにおける別の形態の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した円環型振動波アクチュエータの構成例について説明する。
まず、本実施例の円環型振動波アクチュエータの駆動原理について説明する。
本実施例の円環型振動波アクチュエータは、電気−機械エネルギー変換素子が取り付けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に駆動電圧が印加されることにより振動する円環形状の振動部を備える。
また、前記振動部と摩擦接触し、前記振動部の振動により該振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部を備える。
これを図1を用いて、更に具体的に説明すると、図1(a)は本実施例における振動波アクチュエータの斜視図を、図1(b)は本実施例における振動波アクチュエータのカットモデルを示している。
図1において、1は被駆動部、2は振動体、3は電気−機械エネルギー変換素子、11は前記被駆動部を前記振動体に加圧接触させるための加圧バネ、13は駆動軸、12は前記振動体を支持する振動体支持部である。
前記加圧バネ11は薄い板状に形成されており、接触する方向に反力がかかるように弾性変形させた状態で前記駆動軸13に固定されることで前記被駆動部1と前記振動体2とを加圧接触させている。
前記振動体2に接合された前記電気−機械エネルギー変換素子3に所定の位相差で二つの交流電圧を印加し、振動体2及び電気−機械エネルギー変換素子からなる振動子に進行性の振動波を励振させる。
この振動波により、図11に示すように前記振動体2の上面に楕円軌道状の送り運動が発生する。
この送り運動により、前記加圧バネ11を受けて前記振動体2と加圧接触した前記被駆動部1が前記振動体2に対して相対駆動される。
このとき、図9に示すように前記振動体2は中心軸を通る断面から見たときにある点を中心として回転するような振動をしている。
【0011】
本実施例の円環型振動波アクチュエータにおける円環形状の被駆動部は、
該円環形状の被駆動部の内周側から前記振動部の側に突出した内周側支持部と、該円環形状の被駆動部の外周側から前記振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた接触部を備える。
そして、前記外周側支持部の変形量が前記内周側支持部よりも大きい変形量となるように、該外周側支持部と該内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられている。
この外周側支持部と内周側支持部とを異なる形状に形成する構成例を、図2を用いて説明する。
図2は、本実施例における円環型振動波アクチュエータの被駆動部の断面図を示した図である。
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を直角に折り曲げて形成された(直角に曲がるように形成された)薄板部によって構成される。本発明において上記「直角」とは、角度が正確に90°である場合だけでなく、加工誤差等の観点から、本発明の効果が得られる範囲で実質的に90°である場合も含む。本発明者らの知見によれば90°±3°、好ましくは、90°±1°であっても許容され得る。また、本発明において、上記薄板の加工方法は、プレス加工等による曲げ加工の他、切削加工等の削り出しでも作ることができる。具体的には、図2に示すように、前記内周側支持部は、本環部8と接続される薄板部6と、この薄板部6と直角につながる第一の支持部5を形成する薄板部とによって構成される。
また、前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する第二の支持部7を形成する円弧状の薄板部によって構成される。
そして、このように形成された内周側支持部と外周側支持部との二つの支持部によって支えられる梁状の構造により接触部4が構成されている。
また、これらの二つの支持部と本環部との間に設けられ、該二つの支持部の変形を逃がすための空間部9が形成されている。
このように、本実施例では内周側と外周側とで支持部の形状が異る形状に形成されている。
このような構成とすることで、振動波アクチュエータが駆動するとき振動部の外周側と内周側とで支持部の剛性に差を設けることが可能となり、被駆動部の内周側の支持部よりも外周側の支持部の方を大きく変形させることが可能となる。
【0012】
このときの変形の様子を図3に示す。
図3において、点線は振動波アクチュエータの振動部の変位が0である瞬間における被駆動部と振動部の関係を、実線は振動部が最も浮きあがる瞬間の被駆動部の変形と振動部の変形を示しており、駆動中は点線の状態と実線の状態が繰り返し現れる。
前記二つの支持部のうち、外周側の支持部の方が変位が大きく、前記外側の支持部が振動部によって持ちあげられる方向以外にも移動できるようにするため、図3に示すように第一の支持部が矢印Aの方向に、第二の支持部が矢印Bの方向に移動する。
このような変形をすることにより、被駆動部と振動部との接触部を振動部とで同じ位置とすることが可能になる。
【0013】
ここで、図10のように接触部30の第一の支持部31と第二の支持部32とが同じ形状であるときの被駆動部の変形を考える。
図10において、図3と同様に点線は振動波アクチュエータの被駆動部の変位が0である瞬間の被駆動部と振動部の関係を、実線が振動波アクチュエータの振動部が最も浮きあがる瞬間の被駆動部の変形と振動部の変形を示している。
この時、図10に示すように前記接触部30は矢印Aの方向に移動するため内径側への移動が起こらず振動部の変位が0であるときと振動部がもっとも浮きあがる時とで接触状態が変化してしまう。また、図11に示すように接触面圧が接触部の両端に集中している。
これに対し、本実施例の形状では図4に示すように被駆動部1と振動体2との接触部における面圧分布が、端部だけでなく接触部の中央部に向けて広がっている。これより、前記接触部4の面に面圧を分散させることが可能となる。
【0014】
また、前記内周側支持部は上記図2と同様に構成し、外周側支持部を、接触部と被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で折り曲げて形成された薄板部によって構成するようにしてもよい。
具体的には、図13に示すように、内周側支持部を、本環部38と接続される薄板部35と、この薄板部35と直角につながる第一の支持部34を形成する薄板部とによって構成する。
また、外周側支持部を、本環部と接続される薄板部37と、この薄板部37と直角より大きい角度でつながる第二の支持部36を形成する薄板部とによって構成する。
そして、このように形成された内周側支持部と外周側支持部との二つの支持部によって支えられる梁状の構造で接触部33を構成する。
また、これらの二つの支持部と本環部との間に設けられ、該二つの支持部の変形を逃がすための空間部39が形成される。
このような構成によっても同様の効果が得られる。
更に、図14のように、上記外周側支持部を構成する円弧状に形成された薄板部の構成として、この円弧状に形成された領域40を接続部の幅よりも内周側に位置させて構成するようにしてもよい。
これらの構成によっても、同様の機能を達成することが可能となる。
【0015】
[実施例2]
実施例2として、実施例1とは異なる形態の円環型振動波アクチュエータの構成例について説明する。
図5(a)は本実施例における円環型振動波アクチュエータの斜視図を、(b)は本実施例における円環型振動波アクチュエータのカットモデルを示している。また、図6は本実施例における円環型振動波アクチュエータの被駆動部の構成を示した図である。
図5において、14は被駆動部、2は振動体、3は電気−機械エネルギー変換素子、24は前記振動体を前記被駆動部に加圧接触させるための加圧バネである。また、25は前記振動体を支持する振動体支持部、26は前記被駆動部を受けて前記振動体支持部25に対して回転可能なようにベアリング27を介して前記振動体支持部25に支持された回転部である。
本実施例において、前記加圧部はウェーブワッシャとなっているが、コイルばね等のバネを用いてもよい。
【0016】
本実施例における外周側支持部と内周側支持部とを異なる形状に形成する構成例を、図6を用いて説明する。
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を直角に二段に折り曲げて形成された薄板部によって構成される。本発明において上記「直角」とは、角度が正確に90°である場合だけでなく、加工誤差等の観点から、本発明の効果が得られる範囲で実質的に90°である場合も含む。本発明者らの知見によれば90°±3°、好ましくは、90°±1°であっても許容され得る。また、本発明において、上記薄板の加工方法は、プレス加工等による曲げ加工の他、切削加工等の削り出しでも作ることができる。
具体的には、図6に示すように、前記外周側支持部は、接触部15に接続される第三の支持部16を形成する薄板部と、該支持部16を形成する薄板部と直角につながる第一の支持部17を備える。
更に、第一の薄板部17と直角につながる第四の支持部18を形成する薄板部と、該支持部18と直角につながり本環部22に接続される第二の薄板部19を備え、これらによって外周側支持部が構成される。
また、前記内周側支持部は、接触部15に接続される第一の支持部20を形成する薄板部と、支持部20を形成する薄板部と直角につながり本環部22に接続される薄板部21とによって構成される。
そして、このように形成された内周側支持部と外周側支持部との二つの支持部によって支えられる梁状の構造により接触部15が構成される。
また、これらの二つの支持部と本環部との間に設けられ、該二つの支持部の変形を逃がすための空間部23が形成されている。
このような構成とすることで、振動波アクチュエータが駆動するとき振動部の外周側と内周側とで支持部の剛性に差をつけることが可能となり、被駆動部の内周側の支持部よりも外周側の支持部の方が大きく変形することが可能となる。
【0017】
このときの変形の様子を図7に示す。
図7において、点線は振動波アクチュエータの振動部の変位が0である瞬間の被駆動部と振動部の関係を、実線は振動部が最も浮きあがる瞬間の被駆動部の変形と振動部の変形を示しており、駆動中は点線の状態と実線の状態が繰り返し現れる。
前記二つの支持部のうち、外周側の支持部の方が変位が大きく、前記外側の支持部が振動部によって持ちあげられる方向以外にも移動できるため図7に示すように第一の支持部(図6に示す支持部20)が矢印Aの方向に、第三、第四の支持部(図6に示す支持部16、18)が矢印Bの方向に移動する。
このような変形をすることにより、被駆動部と振動部との接触部を振動部とで同じ位置とすることが可能になる。
この時、図8に示すように被駆動部14と振動体2との接触部における面圧分布が端部だけでなく接触部の中央部に向けて広がっている。これより、前記接触部15の面に面圧を分散させることが可能となる。
このように、支持部を2段構成とすることで実施例1よりも加工に適した構造で同等の効果を得ることができる。
また、加圧部を振動体側に設けることによりモータ中心部を空間とすることが可能なためレンズなどの光学部材を駆動するのに適した構成とすることができる。
【0018】
また、前記内周側支持部は上記図6と同様に構成し、外周側支持部を、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で二段に折り曲げて形成された薄板部によって構成するようにしてもよい。本発明において上記「直角」とは、角度が正確に90°である場合だけでなく、加工誤差等の観点から、本発明の効果が得られる範囲で実質的に90°である場合も含む。本発明者らの知見によれば90°±3°、好ましくは、90°±1°であっても許容され得る。そして、「直角より大きい角度」とは、前記した許容範囲の「直角」よりも相対的に大きい角度を意味する。また、本発明において、上記薄板の加工方法は、プレス加工等による曲げ加工の他、切削加工等の削り出しでも作ることができる。
具体的には、図15に示すように、前記外周側支持部は、接触部41に接続される第五の支持部42を形成する薄板部と、該支持部42を形成する薄板部と直角より大きい角度でつながる第三の薄板部43を備える。
また、第三の薄板部43と直角より大きい角度でつながる第六の支持部44を形成する薄板部と、第六の支持部44と直角より大きい角度でつながり本環部に接続される第四の薄板部45を備え、これらによって外周側支持部が構成される。このような構成によっても同様の機能を達成することが可能となる。
なお、第五の支持部42または第六の支持部44のどちらか一方が、鉛直になっていてもよい。
【符号の説明】
【0019】
1:被駆動部
2:振動体
3:電気−機械エネルギー変換素子
4:接触部
5:第一の支持部
6:薄板部
7:第二の支持部
8:本環部
9:空間部
11:加圧バネ
12:振動体支持部
13:駆動軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体と移動体とを有し前記移動体を駆動する円環型振動波アクチュエータに関し、特に移動体の形状に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、振動体で発生した振動により移動体を駆動する振動波アクチュエータが知られている。
このような振動波アクチュエータでは、振動体は一般に弾性体と、この弾性体上に配置された電気−機械エネルギー変換素子としての圧電素子とで構成されている。
この弾性体に対して空間的に互いに90°の位相差を持った位置に二つの駆動相を有する圧電素子を配置し、この二つの駆動相に互いに90°の位相差を持つ二つの交流信号を印加することによって、弾性体上に二つの曲げ振動を発生させる。
そして、この二つの曲げ振動の合成により得られた駆動信号により、振動体に対して移動体を相対的に移動させる。
振動体および移動体の少なくとも一方における接触面には適切な摩擦力を得るための摩擦部材が接着、塗布、または形成されている。
【0003】
この摩擦部材は移動体が振動体に対して摺動されるため、駆動するにつれて摩耗していくが、その摩耗を遅らせることで振動波アクチュエータの寿命を高めることが可能となる。
摩耗速度を決める要素の一つとして接触面圧が関係することが確認されており、接触面圧を小さくすることで振動波アクチュエータの寿命を高めることが可能となる。
このような接触面圧を小さくするための方法として、接触部の面積を広くすることが考えられる。
また、駆動中に異音を発生させないようにするために、接触部に弾性を持たせる必要がある。
これら二つの要因を解決する構成として、特許文献1では接触部を梁状部材で形成し、前記接触部の両端を支持するよう構成した振動波アクチュエータが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第03049931号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
振動波アクチュエータの耐久性を向上させるためには、上記したように移動体と振動体との接触面積を広げるようにするだけでは十分ではなく、接触面の全体に接触面圧が分散するようにすることが望ましい。
また、円環型の振動波アクチュエータにおいては、駆動中の振動体を中心軸を通る断面から見たとき振動体はある点を中心として回転するように振動しており、被駆動部の振動体との接触部が前記回転振動にならうことが望ましい。
その際、接触部が駆動方向と垂直な方向である径方向に対して滑らないようにすることで、摩耗を減らすことが可能となり耐久性を向上させることができる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、円環型振動波アクチュエータにおける接触部の接触面圧を接触面の全体に分散させることができ、
駆動方向と垂直な方向への滑りを低減させることにより、耐久性の向上を図ることが可能となる円環型振動波アクチュエータの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の円環型振動波アクチュエータは、電気−機械エネルギー変換素子が取り付けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に駆動電圧が印加されることにより振動する円環形状の振動部と、
前記振動部と摩擦接触し、前記振動部の振動により該振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部と、を有する円環型振動波アクチュエータであって、
前記円環形状の被駆動部は、
該円環形状の被駆動部の内周側から前記振動部の側に突出した内周側支持部と、該円環形状の被駆動部の外周側から前記振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた前記振動部と接触する接触部を備え、
前記外周側支持部の変形量が前記内周側支持部よりも大きい変形量となるように、該外周側支持部と該内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、円環型振動波アクチュエータにおける接触部の接触面圧を接触面の全体に分散させることができ、
駆動方向と垂直な方向への滑りを低減させることにより、耐久性の向上を図ることが可能となる円環型振動波アクチュエータを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの被駆動部の構成を示す図ある。
【図3】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの駆動中の異なる瞬間の被駆動部と振動部の状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例1の振動波アクチュエータの駆動中のある瞬間の接触面における面圧分布を示す図である。
【図5】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの被駆動部の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの駆動中の異なる瞬間の被駆動部と振動部の状態を示す図である。
【図8】本発明の実施例2の振動波アクチュエータの駆動中のある瞬間の接触面における面圧分布を示す図である。
【図9】本発明の円環型振動波アクチュエータの振動状態を説明する図である。
【図10】本発明の実施例の形態を採らないときの駆動中の異なる瞬間の被駆動部と駆動部の状態を示す図である。
【図11】本発明の実施例の形態を採らないときの駆動中のある瞬間の接触面における面圧分布を示す図である。
【図12】本発明の振動波アクチュエータの駆動原理を説明する図である。
【図13】本発明の実施例1の振動波アクチュエータにおける別の形態の構成を示す図である。
【図14】本発明の実施例1の振動波アクチュエータにおける更に別の形態の構成を示す図である。
【図15】本発明の実施例2の振動波アクチュエータにおける別の形態の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を、以下の実施例により説明する。
[実施例1]
実施例1として、本発明を適用した円環型振動波アクチュエータの構成例について説明する。
まず、本実施例の円環型振動波アクチュエータの駆動原理について説明する。
本実施例の円環型振動波アクチュエータは、電気−機械エネルギー変換素子が取り付けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に駆動電圧が印加されることにより振動する円環形状の振動部を備える。
また、前記振動部と摩擦接触し、前記振動部の振動により該振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部を備える。
これを図1を用いて、更に具体的に説明すると、図1(a)は本実施例における振動波アクチュエータの斜視図を、図1(b)は本実施例における振動波アクチュエータのカットモデルを示している。
図1において、1は被駆動部、2は振動体、3は電気−機械エネルギー変換素子、11は前記被駆動部を前記振動体に加圧接触させるための加圧バネ、13は駆動軸、12は前記振動体を支持する振動体支持部である。
前記加圧バネ11は薄い板状に形成されており、接触する方向に反力がかかるように弾性変形させた状態で前記駆動軸13に固定されることで前記被駆動部1と前記振動体2とを加圧接触させている。
前記振動体2に接合された前記電気−機械エネルギー変換素子3に所定の位相差で二つの交流電圧を印加し、振動体2及び電気−機械エネルギー変換素子からなる振動子に進行性の振動波を励振させる。
この振動波により、図11に示すように前記振動体2の上面に楕円軌道状の送り運動が発生する。
この送り運動により、前記加圧バネ11を受けて前記振動体2と加圧接触した前記被駆動部1が前記振動体2に対して相対駆動される。
このとき、図9に示すように前記振動体2は中心軸を通る断面から見たときにある点を中心として回転するような振動をしている。
【0011】
本実施例の円環型振動波アクチュエータにおける円環形状の被駆動部は、
該円環形状の被駆動部の内周側から前記振動部の側に突出した内周側支持部と、該円環形状の被駆動部の外周側から前記振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた接触部を備える。
そして、前記外周側支持部の変形量が前記内周側支持部よりも大きい変形量となるように、該外周側支持部と該内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられている。
この外周側支持部と内周側支持部とを異なる形状に形成する構成例を、図2を用いて説明する。
図2は、本実施例における円環型振動波アクチュエータの被駆動部の断面図を示した図である。
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を直角に折り曲げて形成された(直角に曲がるように形成された)薄板部によって構成される。本発明において上記「直角」とは、角度が正確に90°である場合だけでなく、加工誤差等の観点から、本発明の効果が得られる範囲で実質的に90°である場合も含む。本発明者らの知見によれば90°±3°、好ましくは、90°±1°であっても許容され得る。また、本発明において、上記薄板の加工方法は、プレス加工等による曲げ加工の他、切削加工等の削り出しでも作ることができる。具体的には、図2に示すように、前記内周側支持部は、本環部8と接続される薄板部6と、この薄板部6と直角につながる第一の支持部5を形成する薄板部とによって構成される。
また、前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する第二の支持部7を形成する円弧状の薄板部によって構成される。
そして、このように形成された内周側支持部と外周側支持部との二つの支持部によって支えられる梁状の構造により接触部4が構成されている。
また、これらの二つの支持部と本環部との間に設けられ、該二つの支持部の変形を逃がすための空間部9が形成されている。
このように、本実施例では内周側と外周側とで支持部の形状が異る形状に形成されている。
このような構成とすることで、振動波アクチュエータが駆動するとき振動部の外周側と内周側とで支持部の剛性に差を設けることが可能となり、被駆動部の内周側の支持部よりも外周側の支持部の方を大きく変形させることが可能となる。
【0012】
このときの変形の様子を図3に示す。
図3において、点線は振動波アクチュエータの振動部の変位が0である瞬間における被駆動部と振動部の関係を、実線は振動部が最も浮きあがる瞬間の被駆動部の変形と振動部の変形を示しており、駆動中は点線の状態と実線の状態が繰り返し現れる。
前記二つの支持部のうち、外周側の支持部の方が変位が大きく、前記外側の支持部が振動部によって持ちあげられる方向以外にも移動できるようにするため、図3に示すように第一の支持部が矢印Aの方向に、第二の支持部が矢印Bの方向に移動する。
このような変形をすることにより、被駆動部と振動部との接触部を振動部とで同じ位置とすることが可能になる。
【0013】
ここで、図10のように接触部30の第一の支持部31と第二の支持部32とが同じ形状であるときの被駆動部の変形を考える。
図10において、図3と同様に点線は振動波アクチュエータの被駆動部の変位が0である瞬間の被駆動部と振動部の関係を、実線が振動波アクチュエータの振動部が最も浮きあがる瞬間の被駆動部の変形と振動部の変形を示している。
この時、図10に示すように前記接触部30は矢印Aの方向に移動するため内径側への移動が起こらず振動部の変位が0であるときと振動部がもっとも浮きあがる時とで接触状態が変化してしまう。また、図11に示すように接触面圧が接触部の両端に集中している。
これに対し、本実施例の形状では図4に示すように被駆動部1と振動体2との接触部における面圧分布が、端部だけでなく接触部の中央部に向けて広がっている。これより、前記接触部4の面に面圧を分散させることが可能となる。
【0014】
また、前記内周側支持部は上記図2と同様に構成し、外周側支持部を、接触部と被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で折り曲げて形成された薄板部によって構成するようにしてもよい。
具体的には、図13に示すように、内周側支持部を、本環部38と接続される薄板部35と、この薄板部35と直角につながる第一の支持部34を形成する薄板部とによって構成する。
また、外周側支持部を、本環部と接続される薄板部37と、この薄板部37と直角より大きい角度でつながる第二の支持部36を形成する薄板部とによって構成する。
そして、このように形成された内周側支持部と外周側支持部との二つの支持部によって支えられる梁状の構造で接触部33を構成する。
また、これらの二つの支持部と本環部との間に設けられ、該二つの支持部の変形を逃がすための空間部39が形成される。
このような構成によっても同様の効果が得られる。
更に、図14のように、上記外周側支持部を構成する円弧状に形成された薄板部の構成として、この円弧状に形成された領域40を接続部の幅よりも内周側に位置させて構成するようにしてもよい。
これらの構成によっても、同様の機能を達成することが可能となる。
【0015】
[実施例2]
実施例2として、実施例1とは異なる形態の円環型振動波アクチュエータの構成例について説明する。
図5(a)は本実施例における円環型振動波アクチュエータの斜視図を、(b)は本実施例における円環型振動波アクチュエータのカットモデルを示している。また、図6は本実施例における円環型振動波アクチュエータの被駆動部の構成を示した図である。
図5において、14は被駆動部、2は振動体、3は電気−機械エネルギー変換素子、24は前記振動体を前記被駆動部に加圧接触させるための加圧バネである。また、25は前記振動体を支持する振動体支持部、26は前記被駆動部を受けて前記振動体支持部25に対して回転可能なようにベアリング27を介して前記振動体支持部25に支持された回転部である。
本実施例において、前記加圧部はウェーブワッシャとなっているが、コイルばね等のバネを用いてもよい。
【0016】
本実施例における外周側支持部と内周側支持部とを異なる形状に形成する構成例を、図6を用いて説明する。
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を直角に二段に折り曲げて形成された薄板部によって構成される。本発明において上記「直角」とは、角度が正確に90°である場合だけでなく、加工誤差等の観点から、本発明の効果が得られる範囲で実質的に90°である場合も含む。本発明者らの知見によれば90°±3°、好ましくは、90°±1°であっても許容され得る。また、本発明において、上記薄板の加工方法は、プレス加工等による曲げ加工の他、切削加工等の削り出しでも作ることができる。
具体的には、図6に示すように、前記外周側支持部は、接触部15に接続される第三の支持部16を形成する薄板部と、該支持部16を形成する薄板部と直角につながる第一の支持部17を備える。
更に、第一の薄板部17と直角につながる第四の支持部18を形成する薄板部と、該支持部18と直角につながり本環部22に接続される第二の薄板部19を備え、これらによって外周側支持部が構成される。
また、前記内周側支持部は、接触部15に接続される第一の支持部20を形成する薄板部と、支持部20を形成する薄板部と直角につながり本環部22に接続される薄板部21とによって構成される。
そして、このように形成された内周側支持部と外周側支持部との二つの支持部によって支えられる梁状の構造により接触部15が構成される。
また、これらの二つの支持部と本環部との間に設けられ、該二つの支持部の変形を逃がすための空間部23が形成されている。
このような構成とすることで、振動波アクチュエータが駆動するとき振動部の外周側と内周側とで支持部の剛性に差をつけることが可能となり、被駆動部の内周側の支持部よりも外周側の支持部の方が大きく変形することが可能となる。
【0017】
このときの変形の様子を図7に示す。
図7において、点線は振動波アクチュエータの振動部の変位が0である瞬間の被駆動部と振動部の関係を、実線は振動部が最も浮きあがる瞬間の被駆動部の変形と振動部の変形を示しており、駆動中は点線の状態と実線の状態が繰り返し現れる。
前記二つの支持部のうち、外周側の支持部の方が変位が大きく、前記外側の支持部が振動部によって持ちあげられる方向以外にも移動できるため図7に示すように第一の支持部(図6に示す支持部20)が矢印Aの方向に、第三、第四の支持部(図6に示す支持部16、18)が矢印Bの方向に移動する。
このような変形をすることにより、被駆動部と振動部との接触部を振動部とで同じ位置とすることが可能になる。
この時、図8に示すように被駆動部14と振動体2との接触部における面圧分布が端部だけでなく接触部の中央部に向けて広がっている。これより、前記接触部15の面に面圧を分散させることが可能となる。
このように、支持部を2段構成とすることで実施例1よりも加工に適した構造で同等の効果を得ることができる。
また、加圧部を振動体側に設けることによりモータ中心部を空間とすることが可能なためレンズなどの光学部材を駆動するのに適した構成とすることができる。
【0018】
また、前記内周側支持部は上記図6と同様に構成し、外周側支持部を、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で二段に折り曲げて形成された薄板部によって構成するようにしてもよい。本発明において上記「直角」とは、角度が正確に90°である場合だけでなく、加工誤差等の観点から、本発明の効果が得られる範囲で実質的に90°である場合も含む。本発明者らの知見によれば90°±3°、好ましくは、90°±1°であっても許容され得る。そして、「直角より大きい角度」とは、前記した許容範囲の「直角」よりも相対的に大きい角度を意味する。また、本発明において、上記薄板の加工方法は、プレス加工等による曲げ加工の他、切削加工等の削り出しでも作ることができる。
具体的には、図15に示すように、前記外周側支持部は、接触部41に接続される第五の支持部42を形成する薄板部と、該支持部42を形成する薄板部と直角より大きい角度でつながる第三の薄板部43を備える。
また、第三の薄板部43と直角より大きい角度でつながる第六の支持部44を形成する薄板部と、第六の支持部44と直角より大きい角度でつながり本環部に接続される第四の薄板部45を備え、これらによって外周側支持部が構成される。このような構成によっても同様の機能を達成することが可能となる。
なお、第五の支持部42または第六の支持部44のどちらか一方が、鉛直になっていてもよい。
【符号の説明】
【0019】
1:被駆動部
2:振動体
3:電気−機械エネルギー変換素子
4:接触部
5:第一の支持部
6:薄板部
7:第二の支持部
8:本環部
9:空間部
11:加圧バネ
12:振動体支持部
13:駆動軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気−機械エネルギー変換素子が取り付けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に駆動電圧が印加されることにより振動する円環形状の振動部と、
前記振動部と摩擦接触し、前記振動部の振動により該振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部と、を有する円環型振動波アクチュエータであって、
前記円環形状の被駆動部は、
該円環形状の被駆動部の内周側から前記振動部の側に突出した内周側支持部と、該円環形状の被駆動部の外周側から前記振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた前記振動部と接触する接触部を備え、
前記外周側支持部の変形量が前記内周側支持部よりも大きい変形量となるように、該外周側支持部と該内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられていることを特徴とする円環型振動波アクチュエータ。
【請求項2】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板により円弧状に形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項3】
前記外周側支持部を構成する円弧状に形成された薄板部は、前記円弧状に形成された領域を前記接続部の幅よりも内周側に位置させて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項4】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で曲がるように形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項5】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を直角に二段に曲がるように形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項6】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で二段に曲がるように形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項1】
電気−機械エネルギー変換素子が取り付けられ、該電気−機械エネルギー変換素子に駆動電圧が印加されることにより振動する円環形状の振動部と、
前記振動部と摩擦接触し、前記振動部の振動により該振動部に対して相対移動する円環形状の被駆動部と、を有する円環型振動波アクチュエータであって、
前記円環形状の被駆動部は、
該円環形状の被駆動部の内周側から前記振動部の側に突出した内周側支持部と、該円環形状の被駆動部の外周側から前記振動部の側に突出した外周側支持部とによる、バネ性を有する材料により形成された二つの支持部によって支えられた前記振動部と接触する接触部を備え、
前記外周側支持部の変形量が前記内周側支持部よりも大きい変形量となるように、該外周側支持部と該内周側支持部とを異なる形状に形成して剛性に差がつけられていることを特徴とする円環型振動波アクチュエータ。
【請求項2】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板により円弧状に形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項3】
前記外周側支持部を構成する円弧状に形成された薄板部は、前記円弧状に形成された領域を前記接続部の幅よりも内周側に位置させて構成されていることを特徴とする請求項2に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項4】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で曲がるように形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項5】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を直角に二段に曲がるように形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【請求項6】
前記内周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板が直角に曲がるように形成された薄板部によって構成され、
前記外周側支持部は、前記接触部と前記被駆動部とを接続する薄板を前記内周側の薄板部の前記直角より大きい角度で二段に曲がるように形成された薄板部によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の円環型振動波アクチュエータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−223031(P2012−223031A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−88829(P2011−88829)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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