説明

冷蔵庫

【課題】除霜モード時の貯蔵室内の無駄な昇温を防ぐ冷蔵庫を提供すること。
【解決手段】冷凍サイクルが停止状態の時に冷却ファン6を稼動し、冷蔵室ダンパ8を開放して冷蔵室を冷却するオフサイクル冷却モードと、除霜ヒーターにより、冷却器5に付着した霜を解かす除霜モードを備えた冷蔵庫において、除霜モード終了から次回の除霜モードまでの間隔を制御する。
この構成により、冷凍室ダンパを備えた冷蔵庫において、冷却器への霜の付着量を予測して除霜間隔を調整することができ、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関し、特に、冷却器に付着した霜の潜熱及び顕熱によって貯蔵室を冷却する冷蔵庫において、ヒーターによる除霜時の庫内昇温を抑制する制御に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来の冷蔵庫の縦断面図であり、図7から図10は従来の冷蔵庫の制御を示すフローチャートである。
【0003】
図6において、冷凍室2と冷蔵室3を有する冷蔵庫1は、内部に圧縮機4、凝縮器(図示せず)、減圧手段(図示せず)と共に冷凍サイクルを構成すると共に、冷気を生成する冷却器5と、冷凍室2及び冷蔵室3内の空気を冷却器5に吸入して、冷凍室2及び冷蔵室3に再送風させる冷却ファン6と、冷却ファン6によって冷凍室2内に強制送風される冷気の疎通を調節して、冷凍室2を独立冷却する冷凍室ダンパ7と、冷却ファン6によって冷蔵室3内に強制送風される冷気の疎通を調節して、冷蔵室3を独立冷却する冷蔵室ダンパ8と、冷凍室2内の温度を検出する冷凍室センサ9と、冷蔵室3内の温度を検出する冷蔵室センサ10とを設けている。
【0004】
また、冷却器5の下方には、冷却器5に付着した霜を解かすための除霜ヒーター11を備えているとともに、冷却器5には冷却器5の温度を検出する冷却器センサ12を備えている。
【0005】
次に図7から図10に従って冷蔵庫の動作について説明する。
【0006】
冷蔵庫の通常冷却時、冷凍室冷却モードにおいて、S1で冷凍室センサ9がある基準温度Tfconよりも高い場合、S2で圧縮機4が動いていなければ圧縮機4を起動し(S3)、冷凍室ダンパ7を開放し、冷蔵室ダンパ8を閉塞し、冷却ファン6を運転して冷凍室2を冷却する(S4)。
【0007】
次に、S5において、冷凍室センサ9がある基準温度Tfcoff以下の場合、S6へと進み、冷蔵室冷却モードとなる。
【0008】
S6で冷蔵室センサ10がある基準温度Tpconよりも高い場合、S7で圧縮機4が動いていなければ圧縮機4を起動し(S8)、冷凍室ダンパ7を閉塞し、冷蔵室ダンパ8を開放し、冷却ファン6を運転して冷蔵室3を冷却する(S9)。
【0009】
次に、S10において、冷蔵室センサ10がある基準温度Tpcoff以下の場合、S11にて冷却運転を継続するかどうかの判断をする。S11において、冷凍室センサ9がある一定の基準値Tfconより高い場合、S2に戻り冷凍室冷却モードとなり、Tfcon以下の場合、S12へと進み、オフサイクル冷却モードとなる。
【0010】
S12でまず圧縮機4を停止し、次にS13で圧縮機4の運転時間tcompがある一定の基準値tdefrostより短い場合、S14へと進み、冷蔵室センサ10がある一定の基準値Tpcoff2よりも高い場合、冷凍室ダンパ7を閉塞し、冷蔵室ダンパ8を開放し、冷却ファン6を運転して冷蔵室3を冷却するオフサイクル冷却運転を行う。次に、冷蔵室センサ10がある一定の基準値Tpcoff2以下となった時に、冷凍室ダンパ7を閉塞し、冷蔵室ダンパ8を閉塞し、冷却ファン6を停止してオフサイクル冷却運転を停止し、S1に戻って通常冷却を行う。
【0011】
また、S13で圧縮機4の運転時間tcompがある一定の基準値tdefrost以上の場合、S18へと進み、除霜モードとなる。
【0012】
除霜モードにおいて、S18で冷凍室ダンパ7を閉塞し、冷蔵室ダンパ8を閉塞し、冷却ファン6を停止し、除霜ヒーター11に通電し、冷却器5に付着した霜を解かす。そしてS16で冷却器センサ12の温度がある一定の基準値Tdefrost2以上となった時に除霜ヒーターへの通電を遮断し、除霜モードを終了し、再びS1より通常冷却を行う。
【0013】
このように制御することにより、冷却器5に付着した霜の潜熱または顕熱を利用して冷蔵室3を冷却することができると共に、除霜モードでの霜を解かす際のエネルギーを小さくすることができ、除霜時間を短くすることにより消費電力量を低減できる冷蔵庫が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許第2774486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上記従来の構成では、例えば全開の除霜モード終了からオフサイクル冷却モードの時間が長くても短くても、同じ時間間隔で次回の除霜モードを開始するが、実際はオフサイクル冷却モードの時間が長い場合は冷却器5に付着する霜の量は少なくなる。
【0016】
この結果、1回の除霜モードの時間は短くなるが、着霜量が少ない時に除霜運転を行うため時間当たりの除霜モードの回数は同じであるため、無駄に貯蔵室内が昇温してしまうという課題があった。
【0017】
本発明は、冷凍室ダンパ7を備えた冷蔵庫において、運転状態から冷却器5への霜の付着量を予測し除霜モードの間隔を制御することにより、貯蔵室の無駄な昇温を抑制できる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、前面に開口部を有した第一の貯蔵室と、前面に開口部を有した第二の貯蔵室と、冷気を生成する冷却器を備えた冷凍サイクルと、冷却器で生成した冷気を第一の貯蔵室及び第二の貯蔵室へと循環させる冷却ファンと、冷却ファンによる冷気を第一の貯蔵室へ選択的に流す第一のダンパと、冷却ファンによる冷気を第二の貯蔵室へ選択的に流す第二のダンパと、冷却器に付着した霜を熱によって解かす除霜ヒーターを備え、冷凍サイクルが停止状態の時に冷却ファンを稼動し、第一のダンパまたは第二のダンパを開放して第一の貯蔵室または第二の貯蔵室を冷却するオフサイクル冷却モードと、除霜ヒーターにより、冷却器に付着した霜を解かす除霜モードを備えた冷蔵庫において、
除霜モード終了から次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0019】
この構成により、冷凍室ダンパを備えた冷蔵庫において、冷却器への霜の付着量を予測して除霜間隔を調整することができ、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の冷蔵庫は、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができるので、省エネルギーの冷蔵庫を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態における冷蔵庫の縦断面図
【図2】実施の形態における冷蔵庫の除霜モードの間隔と、オフサイクル冷却モードの積算時間の関係を示す図
【図3】実施の形態における冷蔵庫の除霜モードの間隔と、扉積算開放時間の関係を示す図
【図4】実施の形態における冷蔵庫の除霜モードの間隔と、外気湿度の関係を示す図
【図5】実施の形態における冷蔵庫の除霜モードの間隔と、庫内温度設定の関係を示す図
【図6】従来の冷蔵庫の縦断面図
【図7】従来の冷蔵庫の制御を示すフローチャート
【図8】従来の冷蔵庫の制御を示すフローチャート
【図9】従来の冷蔵庫の制御を示すフローチャート
【図10】従来の冷蔵庫の制御を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の冷蔵庫は、前面に開口部を有した第一の貯蔵室と、前面に開口部を有した第二の貯蔵室と、冷気を生成する冷却器を備えた冷凍サイクルと、冷却器で生成した冷気を第一の貯蔵室及び第二の貯蔵室へと循環させる冷却ファンと、冷却ファンによる冷気を第一の貯蔵室へ選択的に流す第一のダンパと、冷却ファンによる冷気を第二の貯蔵室へ選択的に流す第二のダンパと、冷却器に付着した霜を熱によって解かす除霜ヒーターを備え、冷凍サイクルが停止状態の時に冷却ファンを稼動し、第一のダンパまたは第二のダンパを開放して第一の貯蔵室または第二の貯蔵室を冷却するオフサイクル冷却モードと、除霜ヒーターにより、冷却器に付着した霜を解かす除霜モードを備えた冷蔵庫において、
除霜モード終了から次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0023】
この構成により、冷凍室ダンパを備えた冷蔵庫において、冷却器への霜の付着量を予測して除霜間隔を調整することができる。これにより、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【0024】
また、本発明の冷蔵庫は、除霜モード終了からのオフサイクル冷却モードの回数によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0025】
この構成により、オフサイクル冷却モードの回数によって着霜量を予測して除霜間隔を調整することができる。これにより、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【0026】
また、本発明の冷蔵庫は、除霜モード終了からのオフサイクル冷却モードの積算時間によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0027】
この構成により、オフサイクル冷却モードの積算時間によって着霜量を予測して除霜間隔を調整することができる。これにより、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【0028】
また、本発明の冷蔵庫は、第一の貯蔵室及び第二の貯蔵室の開口部をそれぞれ開閉自在に密閉する第一の扉と第二の扉と、第一の扉及び第二の扉の開閉を検出する扉開閉検出手段とを設け、除霜モード終了からの前記第一の扉及び第二の扉の開放回数によって、次回
の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0029】
この構成により、扉開閉回数とオフサイクル冷却モードの回数または時間の組み合わせで着霜量を予測して除霜間隔を調整することができる。これにより、冷却器の霜残りを防ぐことができると共に、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【0030】
また、本発明の冷蔵庫は、第一の貯蔵室及び第二の貯蔵室の開口部をそれぞれ開閉自在に密閉する第一の扉と第二の扉と、第一の扉及び第二の扉の開閉を検出する扉開閉検出手段とを設け、除霜モード終了からの前記第一の扉及び第二の扉の積算開放時間によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0031】
この構成により、扉積算開放時間とオフサイクル冷却モードの回数または時間の組み合わせで着霜量を予測して除霜間隔を調整することができる。これにより、冷却器の霜残りを防ぐことができると共に、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【0032】
また、本発明の冷蔵庫は、冷蔵庫周囲の湿度を検出する湿度検出手段を設け、前記湿度検出手段の検出した湿度によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0033】
この構成により、冷蔵庫周囲の湿度と、オフサイクル冷却モードの回数または時間と扉開閉回数または積算開放時間の組み合わせで着霜量を予測して除霜間隔を調整することができる。これにより、冷却器の霜残りを防ぐことができると共に、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【0034】
また、本発明の冷蔵庫は、第一の貯蔵室及び第二の貯蔵室の温度を設定する第一の温度調節手段及び第二の温度調節手段を設け、前記第一の温度調節手段及び第二の温度調節手段の設定温度によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした構成としている。
【0035】
この構成により、冷蔵庫の温度設定と、冷蔵庫周囲の湿度とオフサイクル冷却モードの回数または時間と扉開閉回数または積算開放時間の組み合わせで着霜量を予測して除霜間隔を調整することができる。これにより、冷却器の霜残りを防ぐことができると共に、貯蔵室の無駄な昇温を防ぐことができる。
【0036】
以下、本願発明に係る冷蔵庫の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。尚、従来と同一構成については、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における冷蔵庫の縦断面図である。図2は同実施の形態の除霜モードの間隔と、オフサイクル冷却モードの積算時間の関係を示すグラフである。図3は同実施の形態の除霜モードの間隔と、扉積算開放時間の関係を示すグラフである。図4は同実施の形態の除霜モードの間隔と、外気湿度の関係を示すグラフである。図5は同実施の形態の除霜モードの間隔と、庫内温度設定の関係を示すグラフである。
【0038】
図1において、13は冷凍室の開口を開閉自在に密閉する冷凍室扉であり、14は冷蔵室の開口を開閉自在に密閉する冷蔵室扉である。
【0039】
また、冷凍室2及び冷蔵室3の開口部2a及び3aには、冷凍室扉13及び冷蔵室扉14の開閉を検出する、例えばホールICと磁石で構成された冷凍室扉センサ15及び冷蔵室扉センサ16を備えている。
【0040】
さらに、冷蔵庫1の外壁側には、外気の湿度を検出する湿度センサ17を備えると共に、内部には、冷凍サイクルの運転を制御すると共に、冷凍サイクルの制御状態、冷凍室扉センサ15、冷蔵室扉センサ16及び湿度センサ17の出力により、冷凍サイクルの運転制御を行う制御部18を設けている。
【0041】
以上のように構成された冷蔵庫について、図2から図5を用いてその動作を説明する。
【0042】
通常冷却時、S12で圧縮機4が停止した時に、S13で圧縮機4の運転時間がtdefrost以上の場合、S18へと進み除霜モードとなる。
【0043】
tdefrostはある一定の初期値tdefrostbを持っており、オフサイクル冷却時間、扉開閉時間、外気湿度、庫内温度設定によって値が変動する。
【0044】
まず、図2を用いてオフサイクル冷却時間とtdefrostの関係を説明する。オフサイクル冷却時、冷凍室ダンパ7を閉塞し、冷蔵室ダンパ8を開放し、冷却ファン6を運転することにより、冷却器5に付着した霜の潜熱または顕熱を用いて冷蔵室3を冷却すると共に、冷却器5に付着した霜から熱を奪う。このため、冷却器5に付着した霜を解かすために必要な熱量は、オフサイクル冷却時間が長いほど減少する。
【0045】
一方、オフサイクル冷却の積算時間は、制御部18でカウントしており、積算時間が長いほどtdefrostが長くなるように、制御部18で制御している。これにより、オフサイクル冷却の積算時間による冷却器5への着霜度合いに合わせてtdefrostを変化させることができ、除霜モードの運転回数を最適化でき、庫内の昇温を適切に防止することができる。
【0046】
次に、図3を用いて扉開閉時間とtdefrostの関係を説明する。冷蔵庫運転中、貯蔵室内の食品などを取り出すために、冷凍室扉13または冷蔵室扉14が開閉される。この時、冷却器5によって除湿されて循環している貯蔵室内空気に比べ、高温高湿な外気が貯蔵室内に流入する。庫内に流入した高温高湿の空気が冷却ファン6の運転により、冷却器5を通過することにより、冷却器5への着霜が生じる。従って、扉開閉時間が長いと冷却器5への着霜量が多くなり、逆に短いと着霜量が少なくなる。
【0047】
一方、扉開放積算時間は、冷凍室扉センサ15及び冷蔵室扉センサ16によってカウントされ、制御部18へと出力され、扉開閉積算時間が長いほど、tdefrostが短くなるように、制御部18で制御している。これにより、扉開閉積算時間による冷却器5への着霜度合いに合わせてtdefrostを変化させることができ、除霜モードの運転回数を最適化でき、庫内の昇温を適切に防止することができる。
【0048】
次に、図4を用いて外気湿度とtdefrostの関係を説明する。冷凍室2及び冷蔵室3は、冷凍室扉13及び冷蔵室扉14により密閉されているが、完全に密閉されているわけではなく、微小な隙間を有しており、そこから室内と外気が練通しており、外気の湿度が庫内に流入する。また、前述したように、扉開閉においても外気の湿度が室内へと流入する。そのため、外気湿度が高いとその分庫内へ入る湿度も高くなり、冷却器5への着霜量が多くなり、逆に低いと着霜量が少なくなる。
【0049】
一方、外気湿度は、湿度センサ17によって測定されており、全開の除霜モードからの平均湿度を計算して制御部18へと出力され、外気湿度が高いほど、tdefrostが短くなるように、制御部18で制御している。これにより、外気湿度による冷却器5への着霜度合いに合わせてtdefrostを変化させることができ、除霜モードの運転回数
を最適化でき、庫内の昇温を適切に防止することができる。
【0050】
次に、図5を用いて庫内温度設定とtdefrostの関係を説明する。冷凍室2及び冷蔵室3の温度設定が低くなると、庫内空気温度が低くなり、その分、冷却器5の温度も低くなる。冷却器5の温度が低くなると、通過する庫内空気から除湿する量も多くなり、冷却器5への着霜も多くなる。逆に、温度設定が高くなると、冷却器5の温度が高くなるため除質量も少なくなり、冷却器5への着霜は少なくなる。
【0051】
一方、庫内温度設定は、制御部18で検出しており、庫内温度設定が高いほど、tdefrostが長くなるように、制御部18で制御している。これにより、庫内温度設定による冷却器5への着霜度合いに合わせてtdefrostを変化させることができ、除霜モードの運転回数を最適化でき、庫内の昇温を適切に防止することができる。
【0052】
以上のように、本発明の実施の形態の冷蔵庫では、庫内の昇温を防止することができるため、冷却性能の高い冷蔵庫とすることができる。
【0053】
尚、本実施の形態において、tdefrostは、それぞれの制御因子の増減に対して比例制御する制御方法で説明したが、制御因子の範囲ごとにtdefrostの増減幅を決めて段階的に制御を行っても効果は得られ、制御が簡単になるというメリットがある。
【0054】
また、本実施の形態において、オフサイクル冷却は冷蔵室センサ10の検出温度によって終了する制御としたが、例えばオフサイクル冷却時間を決めて制御したり、他の制御因子によって制御したりする方法でも同様の効果が得られる。
【0055】
また、本実施の形態において、冷蔵庫は冷凍室2と冷蔵室3の2室の冷蔵庫で説明したが、例えば野菜室を備えた3室の冷蔵庫など、貯蔵室の数にかかわらず同様の制御で同様の効果が得られる。
【0056】
また、本実施の形態において、外気湿度を検出した制御を説明したが、外気湿度と外気温度を測定して、外気温度に対してもtdefrostを変化させる制御とすることにより、より最適な制御を行うことができる。
【0057】
また、本実施の形態においては、圧縮機4を用いた冷媒圧縮式冷凍サイクルによって冷気を生成する仕様で説明したが、冷却器5で冷気を生成する冷凍システムであれば、いかなる冷凍システムであっても同様の効果を得られる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、圧縮機停止中に冷蔵庫内を冷却する冷蔵庫において、除霜運転の間隔を変化させることにより貯蔵室の冷却を効率よく行う冷蔵庫を提供することができる。従って、本発明は、家庭用および業務用など様々な種類及び大きさの冷蔵庫等として有用である。
【符号の説明】
【0059】
1 冷蔵庫
2 冷凍室
3 冷蔵室
5 冷却器
6 冷却ファン
7 冷凍室ダンパ
8 冷蔵室ダンパ
11 除霜ヒーター
13 冷凍室扉
14 冷蔵室扉
17 湿度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部を有した第一の貯蔵室と、第二の貯蔵室と、冷気を生成する冷却器を備えた冷凍サイクルと、前記冷却器で生成した冷気を前記第一の貯蔵室及び前記第二の貯蔵室へ循環させる冷却ファンと、前記冷却ファンによる冷気を前記第一の貯蔵室へ選択的に流す第一のダンパと、前記冷却ファンによる冷気を前記第二の貯蔵室へ選択的に流す第二のダンパと、前記冷却器に付着した霜を熱によって解かす除霜ヒーターとを備え、前記冷凍サイクルが停止状態の時に前記冷却ファンを稼動し、前記第一のダンパまたは第二のダンパを開放して前記第一の貯蔵室または前記第二の貯蔵室を冷却するオフサイクル冷却モードと、前記除霜ヒーターにより、前記冷却器に付着した霜を解かす除霜モードを備えた冷蔵庫において、除霜モード終了から次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした冷蔵庫。
【請求項2】
除霜モード終了からのオフサイクル冷却モードの回数によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
除霜モード終了からのオフサイクル冷却モードの積算時間によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第一の貯蔵室及び前記第二の貯蔵室の開口部をそれぞれ開閉自在に密閉する第一の扉と第二の扉と、前記第一の扉または前記第二の扉の開閉を検出する扉開閉検出手段とを設け、除霜モード終了からの前記第一の扉または前記第二の扉の開放回数によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第一の貯蔵室及び前記第二の貯蔵室の開口部をそれぞれ開閉自在に密閉する第一の扉と第二の扉と、前記第一の扉または前記第二の扉の開閉を検出する扉開閉検出手段とを設け、除霜モード終了からの前記第一の扉または前記第二の扉の積算開放時間によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした請求項1から3のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
冷蔵庫の周囲の湿度を検出する湿度検出手段を設け、前記湿度検出手段の検出した湿度によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第一の貯蔵室及び前記第二の貯蔵室の温度を設定する第一の温度調節手段及び第二の温度調節手段を設け、前記第一の温度調節手段及び前記第二の温度調節手段の設定温度によって、次回の除霜モードまでの間隔を制御することを特徴とした請求項1から6のいずれか一項に記載の冷蔵庫。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−72622(P2013−72622A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213951(P2011−213951)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】