分析装置で用いる容器用蓋体
【課題】分析装置の構成部品数、製造コスト、装置重量、装置体積等を抑制するために有用な容器の蓋体を提供する。
【解決手段】開口部を有した容器20の蓋体10に、前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部11と、分析装置に備えた分注手段に設けたノズル先端部31と嵌合可能な第二の嵌合部12とを設ける。蓋体および開口部を有した容器の搬送装置を分注手段が兼用することができるため、分析装置の構成部品数の削減に寄与することができる。
【解決手段】開口部を有した容器20の蓋体10に、前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部11と、分析装置に備えた分注手段に設けたノズル先端部31と嵌合可能な第二の嵌合部12とを設ける。蓋体および開口部を有した容器の搬送装置を分注手段が兼用することができるため、分析装置の構成部品数の削減に寄与することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学分析、免疫分析、遺伝子分析等を自動で行なう分析装置で用いる、容器の開口部を密閉するための蓋体に関する。
【背景技術】
【0002】
生化学分析、免疫分析、遺伝子分析等を自動で行なう分析装置には、装置自体の小型化や軽量化、操作の簡便性や安全性、結果出力の迅速性、ならびに得られた結果の信頼性が求められている。このような分析装置は一般に、試料や試薬を供給する手段、容器を供給する手段、試料や試薬を分注する手段、容器を搬送する手段、反応手段、ならびに検出手段を備えており、試料中の特定成分を自動的に多数分析することができる。なお、試薬に異なる色素や酵素を標識した物質を含有させ、かつ複数の波長をモニター可能な検出装置を備えることで、自動的に試料中の複数の特定成分を同時に分析することができる。
【0003】
前述した分析装置では、分析操作の簡便性と安全性のため、試料を前処理するための試薬、反応試薬、検出試薬等を封入したカートリッジ型容器が広く採用されている。しかしながら、カートリッジ型容器を採用した場合、カートリッジ型容器の封止部を破開する手段等をさらに備える必要があるため、製造コスト、装置重量や装置体積の増大につながる。
【0004】
また前述した分析装置のうち、遺伝子分析を行なう分析装置では通常、核酸を増幅する反応を行なうため、増幅反応物による試料や試薬への汚染(コンタミネーション)に特に注意を払う必要があり、容器に蓋体を設ける、試料や試薬を分注する手段としてディスポーザブルチップを用いる、等の汚染防止策を施す必要がある(特許文献1)。そのため、容器と蓋体とを嵌合させる手段等をさらに分析装置に備える必要があり、その結果、構成部品が増大し、製造コスト、装置重量や装置体積の増大につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−077639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、分析装置の構成部品数、製造コスト、装置重量、装置体積等を抑制するために有用な容器の蓋体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、構成部品の共用化を中心に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の第一の態様は、
開口部を有した容器と、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段とを備えた分析装置で用いる、前記容器の蓋体であって、
前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部と、前記分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能な第二の嵌合部とを設けた、前記蓋体である。
【0009】
また本発明の第二の態様は、第二の嵌合部と前記分注手段に設けた前記ノズル先端部とが嵌合することで、第一の嵌合部と前記容器の開口部とが嵌合した状態で前記容器を搬送可能な、前記第一の態様に記載の蓋体である。
【0010】
また本発明の第三の態様は、前記容器の開口部を密閉するシールを破開可能な破開手段をさらに設けた、前記第一または第二の態様に記載の蓋体である。
【0011】
また本発明の第四の態様は、上面周縁部から垂下した位置に遮光性を有した円筒状のスカート壁をさらに設けた、前記第一から第三のいずれかの態様に記載の蓋体である。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明における分注手段は、分注チップを着脱可能なノズルを有し、かつ、ノズルに分注チップを装着した状態で、制御量の液体を吸引保持し所定位置で吐出する、分注機能を有した手段であればよい。さらに分注量を精密に制御可能なピストンを設けたり、ノズルを移動自在かつ正確に位置決めする制御手段を設けると好ましい。また、分注チップまたは本発明の蓋体をノズル先端部に装着(嵌合)させる押圧手段や、装着(嵌合)した分注チップまたは蓋体を外すリムーバを備えると好ましい。
【0014】
本発明において分注手段に設けたノズルは本来、分注チップを装着して試薬や試料を分注する機能を発揮するためのものである。しかしながら本発明では、ノズル先端部を本発明の蓋体に設けた第二の嵌合部と嵌合させることで、蓋体を搬送することができる。さらに、本発明の蓋体に設けた第一の嵌合部により、蓋体と開口部を有した容器とが嵌合している場合は、蓋体と前記容器の開口部とが嵌合した状態で測定容器を搬送することができる。なお、分注手段に設けるノズルの基端部に、真空ポンプなどの真空手段を接続することにより、蓋体に設けた第二の嵌合部との嵌合による保持搬送を真空吸着によって補助することもできる。
【0015】
本発明において開口部を有した容器には、試薬を収容してもよいし、試薬および試料の混合物を収容してもよい。また収容する試薬は、液状試薬であってもよく、凍結乾燥試薬であってもよい。なお、凍結乾燥試薬を収容する場合は、水分の入り込みを防ぐため、開口部を不透水性材料からなるシールで覆い、開口部を密閉すると好ましい。
【0016】
本発明の蓋体に設ける第二の嵌合部の形状は、分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能であり、かつノズルの移動により前記嵌合状態を維持したまま蓋体を搬送可能な形状であれば特に制限はなく、一例として、円筒状凹部、多角柱状凹部、すり鉢状凹部および円錐状凹部があげられる。特に嵌合部の内壁形状を、分注チップの内壁形状を模した形状とすると、分注チップと同様な着脱が可能となるため好ましい。なお、蓋体の材質が弾力性を有している場合は、ノズル先端部と嵌合可能なスリットを放射状に設けた態様としてもよい。
【0017】
本発明の蓋体の好ましい例として、第二の嵌合部の対向端(第二の嵌合部を上面に設けた場合は底面)に穿孔用突起等の破開手段をさらに設けた蓋体があげられ、シールにより開口部が密閉された容器に前記蓋体を挿入することで、破開手段によるシールの破開が行なえる。すなわち、蓋体にシールブレーカーの機能を付与することができる。破開手段は、開口部を密閉するシールにその先端部を押圧することで破開できる手段であればよく、特定の形状に限定するものではない。一例として、シール破開により分注チップを挿入して試料を吸引できる程度の大きさの穴を開けることが可能な、三角錐、四角錘等の角錐状をなした破開手段があげられる。
【0018】
本発明の蓋体は、第一の嵌合部により容器の開口部と嵌合させることで前記開口部を密閉することができるとともに、第二の嵌合部により分注手段に設けたノズル先端部と嵌合させることで測定容器を搬送することができる。なお、本発明の蓋体により密閉した容器を搬送する際、密閉状態を維持するための係止手段を、さらに本発明の蓋体に設けてもよい。
【0019】
本発明の蓋体の材質は、適度な弾性を有した材質の中から開口部を有した容器の材質や形状に応じて適切な材質を選択すればよく、ゴムやプラスチックが例示できる。具体的には、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、カーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい例としてあげることができる。なお、蓋体と嵌合した、開口部を有した容器に収容した反応液を、光学的手法を用いて測定する場合、蓋体が遮光性を有していると好ましい。さらに、容器の遮光性を補うために例えば、蓋体の上面周縁部から垂下する遮光性のスカート壁をさらに設けると好ましい。
【0020】
本発明の蓋体のうち、穿孔用突起等の破開手段をさらに設けた蓋体を製造する場合、第一および第二の嵌合部を設けた蓋体と破開手段とを一体成形する製造方法が、経済上、また取り扱い上好ましいが、前記蓋体の弾力性や破開手段の尖鋭性を生かすために、破開手段を前記蓋体とは異なる材質の部材で製造し、その前記蓋体と嵌合させることで、破開手段を設けた本発明の蓋体を製造する方法も有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の蓋体は、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段を備えた分析装置で用いる、開口部を有した容器の蓋体であって、前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部と、前記分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能な第二の嵌合部と、を設けていることを特徴としている。本発明の蓋体により、蓋体および開口部を有した容器の搬送装置を分注手段が兼用することができるため、分析装置の構成部品数の削減に寄与することができる。
【0022】
すなわち蓋体に設けた第二の嵌合部により、蓋体を分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能とすることで、前記ノズルが、装着した分注チップによる分注操作だけでなく、蓋体の搬送および開口部を有した容器への装着や、前記容器の搬送にも利用することができる。また、第二の嵌合部の対向端(第二の嵌合部を上面に設けた場合は底面)に破開手段をさらに設けることで、分注手段に設けたノズル先端部に装着した際、開口部を有した容器の開口部を覆うシールを破開する、シールブレーカの機能も兼ねることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の蓋体の一例を示した図。
【図2】本発明の蓋体の別の例を示した図。
【図3】本発明の蓋体のさらに別の例を示した図。
【図4】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部を蓋体に設けた第二の嵌合部に嵌合させる段階を示した図。
【図5】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部と蓋体に設けた第二の嵌合部とが嵌合した状態で、シールを破開する段階を示した図。
【図6】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップをノズル先端部に嵌合させる段階を示した図。
【図7】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップとノズル先端部とが嵌合した状態で、試料容器から試料を吸引保持する段階を示した図。
【図8】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップとノズル先端部とが嵌合した状態で、吸引保持した試料を試薬を収容した容器に吐出する段階を示す図。
【図9】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップとノズル先端部とが嵌合した状態で、試料と試薬との混合液を容器に分注する段階を示す図。
【図10】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部と蓋体に設けた第二の嵌合部とが嵌合した状態で、第一の嵌合部により容器開口部を密閉する段階を示す図。
【図11】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部と蓋体に設けた第二の嵌合部とが嵌合した状態で、容器を容器ホルダ温調測定ユニットに搬送載置する様子を表す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
本発明の蓋体の一例を図1に示す。図1の蓋体10の底面には開口部を有した容器20と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部11を設けており、上面には着脱可能な分注チップを取り外した状態のノズル31先端部と嵌合可能な第二の嵌合部12を設けている。第二の嵌合部12とノズル31先端部とが嵌合した状態で蓋体10を保持し、容器20開口部を密閉することができる。
【0026】
本発明の蓋体の別の例を図2に示す。図2の蓋体10と図1の蓋体との違いは、第二の嵌合部12の対向端(蓋体10の底面)に、容器20の開口部を密閉するシール21を破開するための突起部13を有していることである。あらかじめ第二の嵌合部12を利用して蓋体10とノズル31先端部とを嵌合させておき、ノズル31先端部と嵌合した状態で突起部13をシール21に刺す(押圧する)ことでシール21を破開し、容器20開口部を開いた状態にすることができる。
【0027】
本発明の蓋体のさらに別の例を図3に示す。図3の蓋体10では、蓋体10が遮光性を有しており、かつ第二の嵌合部12の対向端(蓋体10の底面)外周(すなわち蓋体の上面周縁部から垂下した位置)に遮光性を有した円筒状のスカート壁14を設けている。ノズル31先端部を第二の嵌合部12と嵌合させ、開口部を有した容器20と蓋体10とを第一の嵌合部11により嵌合させることで、容器20が蓋体10と嵌合した状態のまま搬送される。搬送した容器20を、容器20のうち図3の蓋体10により遮光されない箇所を遮光可能な、光学的測定手段を設けた遮光ブロックに設置すれば、密閉かつ遮光状態で容器20に収容した反応液を光学的に測定することができる。
【0028】
次に本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析の一例を図4から図11を用いて詳細に説明する。図4から図11に示す分析装置には、
試料の入った試料容器40と、
試薬の入った容器20bと、
空の容器20aと、
容器20aの開口部と嵌合可能な蓋体10と、
試料および/または試薬を分注可能な分注チップ50と、
蓋体10および分注チップ50と嵌合可能なノズル31と、吸排水口32と、ノズル31を移送可能な手段33とを設けた分注装置30と、
容器20aを載置可能な容器ホルダ62を設けた温調ブロック61と、検出器63とを有した反応・検出手段60と、
を備えており、容器20bに収容する試薬は凍結乾燥状態の試薬であり、シール21で覆うことで開口部を密閉している。なお図4から図11に示す分析装置では、各容器、蓋体および分注チップを保持するために必要なラックは省略している。また図4から図11に示す分析装置では、描画の簡略化および説明の都合上、各構成要素を1つずつ記載しているが、実際は、試料容器40、容器20a・20b、蓋体10、分注チップ50、分注装置30、および温調ブロック61に設ける容器ホルダ62は、同時に多数の分析処理が実行できるように、複数組(例えば8組)備えている。
【0029】
(1)ノズル31先端部と蓋体10との嵌合(図4)
まず、ノズル31を下降させ、ノズル31先端部と蓋体10の上面に設けた第二の嵌合部12とを嵌合させる。
【0030】
(2)蓋体10によるシール21破開(図5)
蓋体10を、ノズル31先端部と嵌合した状態で、容器20bの位置まで搬送後、ノズル31を下降させ、蓋体10をシール21に押圧することで、蓋体10の底面に設けた突起部13によるシール21破開を行なう。
【0031】
(3)ノズル31先端部への分注チップ50の装着(図6)
シール21破開を行なった後の蓋体10を一旦元の位置まで搬送後、ノズル31先端部との嵌合を外す。その後、ノズル31を分注チップ50収容部まで搬送し、ノズル31先端部を分注チップ50の基端部に装着(嵌合)する。
【0032】
(4)分注装置30による試料の吸引(図7)
分注チップ50を装着したノズル31を、試料容器40の位置まで搬送後、ノズル31を下降させて試料容器40中の試料を吸引保持する。
【0033】
(5)容器20bへの試料の分注(図8)
吸引保持した試料を含む分注チップ50を容器20bの位置まで搬送し、凍結乾燥試薬を収容した容器20bに吐出後、分注装置30による吸引吐出により試料と試薬とを混合する。
【0034】
(6)容器20aへの混合液の分注(図9)
前項(5)の分注により得られた試料と試薬との混合液を、分注チップ50を装着した分注装置30により吸引保持後、容器20aへ吐出する。
【0035】
(7)測定容器の密閉(図10)
分注チップ50を装着した分注装置30を分注チップ50の収容部または分注チップ廃棄部(不図示)まで搬送し、ノズル31先端部と分注チップ50との嵌合を外した後、ノズル31を蓋体10の収容部まで搬送し、ノズル31先端部と蓋体10の上面に設けた第二の嵌合部12とを再び嵌合させる。その後ノズル31先端部と蓋体10とが嵌合した状態で容器20aの位置まで搬送し、蓋体10と容器20aとを嵌合させることで容器20a開口部を密閉する。
【0036】
(8)反応・検出装置60への移送(図11)
ノズル31先端部と蓋体10の上面に設けた第二の嵌合部12とが嵌合した状態で容器20aを、温調ブロック61に設けた容器ホルダ62まで搬送し、載置する。ノズル31先端部と第二の嵌合部12との嵌合を外した後は、容器20aに収容した試料と試薬との反応を行ないつつ、検出器63により、試料中の特定成分の分析を行なう。
【0037】
なお、検出器63が光学検出器の場合は、温調ブロック61および蓋体10は遮光性を有した材料であると好ましい。さらに蓋体10の形状を、容器20aのうち温調ブロック61から露出する箇所を覆うような形状(例えば、当該露出部を遮光性を有した円筒状のスカート壁で覆う形状(図3に示す蓋体))とすると遮光性が増すため、好ましい。
【0038】
図4から図11に示す本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析の一例は、試料と試薬とを混合して反応させ、反応生成物を検出することで試料中の特定成分を分析する、という基本的な工程にしたがい説明した。分析装置が遺伝子を分析する装置の場合は、前述した工程のほかに、試料から核酸を抽出する工程、核酸増幅試薬を温調する工程、酵素試薬を温調する工程、などを別途に用意する必要があり、試薬の分注工程や容器の搬送工程がさらに複雑化する。しかしながら本発明の蓋体により、分析装置の構成部品数を削減することができ、製造コスト、装置重量等の抑制に寄与することができる。
【符号の説明】
【0039】
10:蓋体
11:第一の嵌合部
12:第二の嵌合部
13:突起部
14:スカート壁
20:(開口部を有した)容器
21:シール
30:分注装置
31:ノズル
32:吸排水口
33:ノズル移送手段
40:試料容器
50:分注チップ
60:反応・検出装置
61:温調ブロック
62:容器ホルダ
63:検出器
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学分析、免疫分析、遺伝子分析等を自動で行なう分析装置で用いる、容器の開口部を密閉するための蓋体に関する。
【背景技術】
【0002】
生化学分析、免疫分析、遺伝子分析等を自動で行なう分析装置には、装置自体の小型化や軽量化、操作の簡便性や安全性、結果出力の迅速性、ならびに得られた結果の信頼性が求められている。このような分析装置は一般に、試料や試薬を供給する手段、容器を供給する手段、試料や試薬を分注する手段、容器を搬送する手段、反応手段、ならびに検出手段を備えており、試料中の特定成分を自動的に多数分析することができる。なお、試薬に異なる色素や酵素を標識した物質を含有させ、かつ複数の波長をモニター可能な検出装置を備えることで、自動的に試料中の複数の特定成分を同時に分析することができる。
【0003】
前述した分析装置では、分析操作の簡便性と安全性のため、試料を前処理するための試薬、反応試薬、検出試薬等を封入したカートリッジ型容器が広く採用されている。しかしながら、カートリッジ型容器を採用した場合、カートリッジ型容器の封止部を破開する手段等をさらに備える必要があるため、製造コスト、装置重量や装置体積の増大につながる。
【0004】
また前述した分析装置のうち、遺伝子分析を行なう分析装置では通常、核酸を増幅する反応を行なうため、増幅反応物による試料や試薬への汚染(コンタミネーション)に特に注意を払う必要があり、容器に蓋体を設ける、試料や試薬を分注する手段としてディスポーザブルチップを用いる、等の汚染防止策を施す必要がある(特許文献1)。そのため、容器と蓋体とを嵌合させる手段等をさらに分析装置に備える必要があり、その結果、構成部品が増大し、製造コスト、装置重量や装置体積の増大につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−077639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、分析装置の構成部品数、製造コスト、装置重量、装置体積等を抑制するために有用な容器の蓋体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、構成部品の共用化を中心に検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明の第一の態様は、
開口部を有した容器と、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段とを備えた分析装置で用いる、前記容器の蓋体であって、
前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部と、前記分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能な第二の嵌合部とを設けた、前記蓋体である。
【0009】
また本発明の第二の態様は、第二の嵌合部と前記分注手段に設けた前記ノズル先端部とが嵌合することで、第一の嵌合部と前記容器の開口部とが嵌合した状態で前記容器を搬送可能な、前記第一の態様に記載の蓋体である。
【0010】
また本発明の第三の態様は、前記容器の開口部を密閉するシールを破開可能な破開手段をさらに設けた、前記第一または第二の態様に記載の蓋体である。
【0011】
また本発明の第四の態様は、上面周縁部から垂下した位置に遮光性を有した円筒状のスカート壁をさらに設けた、前記第一から第三のいずれかの態様に記載の蓋体である。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明における分注手段は、分注チップを着脱可能なノズルを有し、かつ、ノズルに分注チップを装着した状態で、制御量の液体を吸引保持し所定位置で吐出する、分注機能を有した手段であればよい。さらに分注量を精密に制御可能なピストンを設けたり、ノズルを移動自在かつ正確に位置決めする制御手段を設けると好ましい。また、分注チップまたは本発明の蓋体をノズル先端部に装着(嵌合)させる押圧手段や、装着(嵌合)した分注チップまたは蓋体を外すリムーバを備えると好ましい。
【0014】
本発明において分注手段に設けたノズルは本来、分注チップを装着して試薬や試料を分注する機能を発揮するためのものである。しかしながら本発明では、ノズル先端部を本発明の蓋体に設けた第二の嵌合部と嵌合させることで、蓋体を搬送することができる。さらに、本発明の蓋体に設けた第一の嵌合部により、蓋体と開口部を有した容器とが嵌合している場合は、蓋体と前記容器の開口部とが嵌合した状態で測定容器を搬送することができる。なお、分注手段に設けるノズルの基端部に、真空ポンプなどの真空手段を接続することにより、蓋体に設けた第二の嵌合部との嵌合による保持搬送を真空吸着によって補助することもできる。
【0015】
本発明において開口部を有した容器には、試薬を収容してもよいし、試薬および試料の混合物を収容してもよい。また収容する試薬は、液状試薬であってもよく、凍結乾燥試薬であってもよい。なお、凍結乾燥試薬を収容する場合は、水分の入り込みを防ぐため、開口部を不透水性材料からなるシールで覆い、開口部を密閉すると好ましい。
【0016】
本発明の蓋体に設ける第二の嵌合部の形状は、分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能であり、かつノズルの移動により前記嵌合状態を維持したまま蓋体を搬送可能な形状であれば特に制限はなく、一例として、円筒状凹部、多角柱状凹部、すり鉢状凹部および円錐状凹部があげられる。特に嵌合部の内壁形状を、分注チップの内壁形状を模した形状とすると、分注チップと同様な着脱が可能となるため好ましい。なお、蓋体の材質が弾力性を有している場合は、ノズル先端部と嵌合可能なスリットを放射状に設けた態様としてもよい。
【0017】
本発明の蓋体の好ましい例として、第二の嵌合部の対向端(第二の嵌合部を上面に設けた場合は底面)に穿孔用突起等の破開手段をさらに設けた蓋体があげられ、シールにより開口部が密閉された容器に前記蓋体を挿入することで、破開手段によるシールの破開が行なえる。すなわち、蓋体にシールブレーカーの機能を付与することができる。破開手段は、開口部を密閉するシールにその先端部を押圧することで破開できる手段であればよく、特定の形状に限定するものではない。一例として、シール破開により分注チップを挿入して試料を吸引できる程度の大きさの穴を開けることが可能な、三角錐、四角錘等の角錐状をなした破開手段があげられる。
【0018】
本発明の蓋体は、第一の嵌合部により容器の開口部と嵌合させることで前記開口部を密閉することができるとともに、第二の嵌合部により分注手段に設けたノズル先端部と嵌合させることで測定容器を搬送することができる。なお、本発明の蓋体により密閉した容器を搬送する際、密閉状態を維持するための係止手段を、さらに本発明の蓋体に設けてもよい。
【0019】
本発明の蓋体の材質は、適度な弾性を有した材質の中から開口部を有した容器の材質や形状に応じて適切な材質を選択すればよく、ゴムやプラスチックが例示できる。具体的には、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、カーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい例としてあげることができる。なお、蓋体と嵌合した、開口部を有した容器に収容した反応液を、光学的手法を用いて測定する場合、蓋体が遮光性を有していると好ましい。さらに、容器の遮光性を補うために例えば、蓋体の上面周縁部から垂下する遮光性のスカート壁をさらに設けると好ましい。
【0020】
本発明の蓋体のうち、穿孔用突起等の破開手段をさらに設けた蓋体を製造する場合、第一および第二の嵌合部を設けた蓋体と破開手段とを一体成形する製造方法が、経済上、また取り扱い上好ましいが、前記蓋体の弾力性や破開手段の尖鋭性を生かすために、破開手段を前記蓋体とは異なる材質の部材で製造し、その前記蓋体と嵌合させることで、破開手段を設けた本発明の蓋体を製造する方法も有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の蓋体は、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段を備えた分析装置で用いる、開口部を有した容器の蓋体であって、前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部と、前記分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能な第二の嵌合部と、を設けていることを特徴としている。本発明の蓋体により、蓋体および開口部を有した容器の搬送装置を分注手段が兼用することができるため、分析装置の構成部品数の削減に寄与することができる。
【0022】
すなわち蓋体に設けた第二の嵌合部により、蓋体を分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能とすることで、前記ノズルが、装着した分注チップによる分注操作だけでなく、蓋体の搬送および開口部を有した容器への装着や、前記容器の搬送にも利用することができる。また、第二の嵌合部の対向端(第二の嵌合部を上面に設けた場合は底面)に破開手段をさらに設けることで、分注手段に設けたノズル先端部に装着した際、開口部を有した容器の開口部を覆うシールを破開する、シールブレーカの機能も兼ねることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の蓋体の一例を示した図。
【図2】本発明の蓋体の別の例を示した図。
【図3】本発明の蓋体のさらに別の例を示した図。
【図4】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部を蓋体に設けた第二の嵌合部に嵌合させる段階を示した図。
【図5】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部と蓋体に設けた第二の嵌合部とが嵌合した状態で、シールを破開する段階を示した図。
【図6】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップをノズル先端部に嵌合させる段階を示した図。
【図7】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップとノズル先端部とが嵌合した状態で、試料容器から試料を吸引保持する段階を示した図。
【図8】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップとノズル先端部とが嵌合した状態で、吸引保持した試料を試薬を収容した容器に吐出する段階を示す図。
【図9】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、分注チップとノズル先端部とが嵌合した状態で、試料と試薬との混合液を容器に分注する段階を示す図。
【図10】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部と蓋体に設けた第二の嵌合部とが嵌合した状態で、第一の嵌合部により容器開口部を密閉する段階を示す図。
【図11】本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析のうち、ノズル先端部と蓋体に設けた第二の嵌合部とが嵌合した状態で、容器を容器ホルダ温調測定ユニットに搬送載置する様子を表す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づき本発明をさらに詳細に説明する。
【0025】
本発明の蓋体の一例を図1に示す。図1の蓋体10の底面には開口部を有した容器20と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部11を設けており、上面には着脱可能な分注チップを取り外した状態のノズル31先端部と嵌合可能な第二の嵌合部12を設けている。第二の嵌合部12とノズル31先端部とが嵌合した状態で蓋体10を保持し、容器20開口部を密閉することができる。
【0026】
本発明の蓋体の別の例を図2に示す。図2の蓋体10と図1の蓋体との違いは、第二の嵌合部12の対向端(蓋体10の底面)に、容器20の開口部を密閉するシール21を破開するための突起部13を有していることである。あらかじめ第二の嵌合部12を利用して蓋体10とノズル31先端部とを嵌合させておき、ノズル31先端部と嵌合した状態で突起部13をシール21に刺す(押圧する)ことでシール21を破開し、容器20開口部を開いた状態にすることができる。
【0027】
本発明の蓋体のさらに別の例を図3に示す。図3の蓋体10では、蓋体10が遮光性を有しており、かつ第二の嵌合部12の対向端(蓋体10の底面)外周(すなわち蓋体の上面周縁部から垂下した位置)に遮光性を有した円筒状のスカート壁14を設けている。ノズル31先端部を第二の嵌合部12と嵌合させ、開口部を有した容器20と蓋体10とを第一の嵌合部11により嵌合させることで、容器20が蓋体10と嵌合した状態のまま搬送される。搬送した容器20を、容器20のうち図3の蓋体10により遮光されない箇所を遮光可能な、光学的測定手段を設けた遮光ブロックに設置すれば、密閉かつ遮光状態で容器20に収容した反応液を光学的に測定することができる。
【0028】
次に本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析の一例を図4から図11を用いて詳細に説明する。図4から図11に示す分析装置には、
試料の入った試料容器40と、
試薬の入った容器20bと、
空の容器20aと、
容器20aの開口部と嵌合可能な蓋体10と、
試料および/または試薬を分注可能な分注チップ50と、
蓋体10および分注チップ50と嵌合可能なノズル31と、吸排水口32と、ノズル31を移送可能な手段33とを設けた分注装置30と、
容器20aを載置可能な容器ホルダ62を設けた温調ブロック61と、検出器63とを有した反応・検出手段60と、
を備えており、容器20bに収容する試薬は凍結乾燥状態の試薬であり、シール21で覆うことで開口部を密閉している。なお図4から図11に示す分析装置では、各容器、蓋体および分注チップを保持するために必要なラックは省略している。また図4から図11に示す分析装置では、描画の簡略化および説明の都合上、各構成要素を1つずつ記載しているが、実際は、試料容器40、容器20a・20b、蓋体10、分注チップ50、分注装置30、および温調ブロック61に設ける容器ホルダ62は、同時に多数の分析処理が実行できるように、複数組(例えば8組)備えている。
【0029】
(1)ノズル31先端部と蓋体10との嵌合(図4)
まず、ノズル31を下降させ、ノズル31先端部と蓋体10の上面に設けた第二の嵌合部12とを嵌合させる。
【0030】
(2)蓋体10によるシール21破開(図5)
蓋体10を、ノズル31先端部と嵌合した状態で、容器20bの位置まで搬送後、ノズル31を下降させ、蓋体10をシール21に押圧することで、蓋体10の底面に設けた突起部13によるシール21破開を行なう。
【0031】
(3)ノズル31先端部への分注チップ50の装着(図6)
シール21破開を行なった後の蓋体10を一旦元の位置まで搬送後、ノズル31先端部との嵌合を外す。その後、ノズル31を分注チップ50収容部まで搬送し、ノズル31先端部を分注チップ50の基端部に装着(嵌合)する。
【0032】
(4)分注装置30による試料の吸引(図7)
分注チップ50を装着したノズル31を、試料容器40の位置まで搬送後、ノズル31を下降させて試料容器40中の試料を吸引保持する。
【0033】
(5)容器20bへの試料の分注(図8)
吸引保持した試料を含む分注チップ50を容器20bの位置まで搬送し、凍結乾燥試薬を収容した容器20bに吐出後、分注装置30による吸引吐出により試料と試薬とを混合する。
【0034】
(6)容器20aへの混合液の分注(図9)
前項(5)の分注により得られた試料と試薬との混合液を、分注チップ50を装着した分注装置30により吸引保持後、容器20aへ吐出する。
【0035】
(7)測定容器の密閉(図10)
分注チップ50を装着した分注装置30を分注チップ50の収容部または分注チップ廃棄部(不図示)まで搬送し、ノズル31先端部と分注チップ50との嵌合を外した後、ノズル31を蓋体10の収容部まで搬送し、ノズル31先端部と蓋体10の上面に設けた第二の嵌合部12とを再び嵌合させる。その後ノズル31先端部と蓋体10とが嵌合した状態で容器20aの位置まで搬送し、蓋体10と容器20aとを嵌合させることで容器20a開口部を密閉する。
【0036】
(8)反応・検出装置60への移送(図11)
ノズル31先端部と蓋体10の上面に設けた第二の嵌合部12とが嵌合した状態で容器20aを、温調ブロック61に設けた容器ホルダ62まで搬送し、載置する。ノズル31先端部と第二の嵌合部12との嵌合を外した後は、容器20aに収容した試料と試薬との反応を行ないつつ、検出器63により、試料中の特定成分の分析を行なう。
【0037】
なお、検出器63が光学検出器の場合は、温調ブロック61および蓋体10は遮光性を有した材料であると好ましい。さらに蓋体10の形状を、容器20aのうち温調ブロック61から露出する箇所を覆うような形状(例えば、当該露出部を遮光性を有した円筒状のスカート壁で覆う形状(図3に示す蓋体))とすると遮光性が増すため、好ましい。
【0038】
図4から図11に示す本発明の蓋体を用いた、分析装置による試料中の特定成分の分析の一例は、試料と試薬とを混合して反応させ、反応生成物を検出することで試料中の特定成分を分析する、という基本的な工程にしたがい説明した。分析装置が遺伝子を分析する装置の場合は、前述した工程のほかに、試料から核酸を抽出する工程、核酸増幅試薬を温調する工程、酵素試薬を温調する工程、などを別途に用意する必要があり、試薬の分注工程や容器の搬送工程がさらに複雑化する。しかしながら本発明の蓋体により、分析装置の構成部品数を削減することができ、製造コスト、装置重量等の抑制に寄与することができる。
【符号の説明】
【0039】
10:蓋体
11:第一の嵌合部
12:第二の嵌合部
13:突起部
14:スカート壁
20:(開口部を有した)容器
21:シール
30:分注装置
31:ノズル
32:吸排水口
33:ノズル移送手段
40:試料容器
50:分注チップ
60:反応・検出装置
61:温調ブロック
62:容器ホルダ
63:検出器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有した容器と、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段とを備えた分析装置で用いる、前記容器の蓋体であって、
前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部と、前記分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能な第二の嵌合部とを設けた、前記蓋体。
【請求項2】
第二の嵌合部と前記分注手段に設けた前記ノズル先端部とが嵌合することで、第一の嵌合部と前記容器の開口部とが嵌合した状態で前記容器を搬送可能な、請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記容器の開口部を密閉するシールを破開可能な破開手段をさらに設けた、請求項1または2に記載の蓋体。
【請求項4】
上面周縁部から垂下した位置に遮光性を有した円筒状のスカート壁をさらに設けた、請求項1から3のいずれかに記載の蓋体。
【請求項1】
開口部を有した容器と、分注チップを着脱可能なノズルを設けた分注手段とを備えた分析装置で用いる、前記容器の蓋体であって、
前記容器の開口部と嵌合することで前記開口部を密閉可能な第一の嵌合部と、前記分注手段に設けたノズル先端部と嵌合可能な第二の嵌合部とを設けた、前記蓋体。
【請求項2】
第二の嵌合部と前記分注手段に設けた前記ノズル先端部とが嵌合することで、第一の嵌合部と前記容器の開口部とが嵌合した状態で前記容器を搬送可能な、請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記容器の開口部を密閉するシールを破開可能な破開手段をさらに設けた、請求項1または2に記載の蓋体。
【請求項4】
上面周縁部から垂下した位置に遮光性を有した円筒状のスカート壁をさらに設けた、請求項1から3のいずれかに記載の蓋体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−104769(P2013−104769A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248439(P2011−248439)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】
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