説明

切削並びに形削り工具

遠隔操作可能な車両に好ましくは支持されており、この車両によって動作される、特に、スチール、コンクリート、補強材料のようなアクセスしにくい構造体の部材のための切削工具であって、この切削工具は、C字形状のフレーム(1)を有し、このフレーム(1)の第1のアームの一端部が、回転装置(4)を有し、第2のアームの一端部が、回転装置(7)を有しており、この回転装置(4)と装着装置(7)とは、各々がミリングシャフト(3)の一端部を受け、駆動中にこのミリングシャフト(3)を回転させるようになっており、この結果、前記フレーム(1)は、車両に設けられた操作アーム(8)に取着された送り機構(9)によって、フレームの一方のアームを、前記構造体(5)に向けてこの構造体の各側面に変位させる切削工具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スチール、コンクリート、補強材料等の、特に、アクセスしにくい部材のための切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、スチールの構造体が取り除かれ、即ち幾つかの部分が交換されて、構造体のセクション、即ち部分は切削される。多くの場合、このような切削は、アクセスの悪さと環境とが原因で困難であり、このような環境で、作業が果たされなければならない。海の中、即ち海底、原子力発電所等の構造体が、このような作業における例であり、このような作業には、果たされるべき特別な技術と装置とが必要である。
【0003】
このような場合に使用される装置は、可撓性であり、操作並びに動作が簡単であることが不可欠である。幾つかの部分が切削によって交換される場合、切削面は、溶接等による更なる処理なしに、多かれ少なかれ使用され得ることも不可欠である。この装置は、装置を交換、即ち装置を必ず変更する必要なく、複数のディメンションを切削することができるのも更なる利点である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠隔操作可能な車両によって支持された切削工具で、前記構造体を切削するために、ダイヤモンドで覆われたワイヤーを使用することは良く知られている。このような装置がワイヤーの張りを維持したとしても、ワイヤーによる本質的な切削に関して、特に、切削の正確さや、切削工具を備えた車両を動作するために必要なスペースに関して欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に従った切削工具によって、上記の課題は満たされ、また、知られた方法と課題との欠点は避けられる。これは、請求項に述べられた態様によって規定されたような、本発明に従った切削工具で達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明に従った切削工具(cutting tool)は、海底や沖合のアクセス困難な場所、並びに、爆発の危険のある原子力発電所等の環境で、切削工具を動作可能にしている遠隔操作可能な車両に適切に取着されている。
【0007】
操作アーム8が、あらゆる方向に駆動されるように、遠隔操作可能な車両に装着されている。
【0008】
前記操作アーム8の一端部には、送り機構9のような延長手段によって軸方向に変位可能な接続フレーム2が配置されている。
【0009】
前記接続フレーム2には支持フレーム1が取着されている。この支持フレーム1と接続フレーム2との間の接続は、支持フレームを、垂直、水平方向等へと所望の位置に回動可能にしている。
【0010】
前記支持フレーム1は、C字形状を有し、また、前記接続フレーム2から延びている2つのアームを有している。これら2つのアーム間の距離は、切削(cut)される構造体の最大ディメンション、例えば直径を決定している。また、2つのアーム間の距離は、0.5又は1.5m又は、これ以上の範囲であり得る。
【0011】
前記支持フレーム1の一方のアームの一端部には、回転装置4が取着されており、他方のアームの一端部には、装着装置7が取着されている。そして、ミリングシャフト(milling shaft)3が、この回転装置4から装着装置7へと延びている。
【0012】
前記ミリングシャフト3の形状並びに表面は、対象の構造体の一部材、又は合成部材を切削する(machining)ために、非常に適切になるように選択されることができる。このようなミリングシャフトは、夫々の切削される構造体を切削するようになっている表面を有する中実のロッドであり得る。
【0013】
前記ミリングシャフト3は、切削される構造体に対する最大径を有する中実で強固なロッドであり得る。また、ミリングシャフト3は、切削ゾーンに沿って、シャフト面の少なくとも幾つかの部分に、少なくとも1つの研削面(grinding surface)を有することができる。この(これら)研削面は、埋められたダイヤモンド、少なくとも1つの螺旋形状の切削面、互いに離間した複数のリングの切削面等であり得る。説明されたようなリングは、リングの内の非円形断面と、これに対応するコアの外側断面とによって、若しくは他の適切な手段によって、ミリングシャフトのコアに接続かつ捕らえられることができる。駆動研削面、即ちミリングシャフト3の表面は、ミリングシャフト3自体のように、容易に交換可能である。
【0014】
ミリングシャフト3の一例が、図2に示されており、このミリングシャフトは、人工ダイヤモンドで覆われ、螺旋状に延びた1つのミリング面(milling surface)を有している。ミリングシャフト3を回転させ、前記送り機構9を駆動させることによって、ミリングシャフト3は、構造体5を切削、即ち研削(grind)するであろう。この結果、滑らかで真っ直ぐな切削面が残る。ミリングシャフト3から構造体5に対する力は、非常に小さく、この結果、ミリングシャフト3から、支持フレーム1を介して遠隔制御可能な車両へと伝達される力も小さい。
【0015】
本発明に従った切削工具の効率を高めるために、前記アームには、回転に加えて、シャフト3の軸方向への往復動をミリングシャフト3に与える振動装置6が設けられている。振動による変位によって、ミリング動作により生じる材料が、切削エリアから確実に取り除かれ、また、ミリングシャフトの同じスポットが、長時間に渡って、摩耗されることを防止することを確実にしている。
【0016】
前記回転装置4と装着装置7とへ前記ミリングシャフト3の装着は、制限又は限定的なアクセスの位置で、遠隔操作可能な車両と切削工具とを駆動させるときに、特に有効である連続的な動作を可能にするように、消耗工具のようなミリングシャフト3を自動的に交換するようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】切削される構造体に対する所定の位置の切削装置の平面図を概略的に示している。
【図2】ミリングシャフトの一実施形態の前面図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操作可能な車両に、好ましくは支持されており、かつこの車両によって動作される、特に、スチール、コンクリート、補強材料等のアクセス困難な構造体のための切削工具において、この切削工具は、C字形状のフレーム(1)を具備し、このフレーム(1)の第1のアームの一端部が、回転装置(4)を有し、第2のアームの一端部が、装着装置(7)を有しており、前記回転装置(4)と前記装着装置(7)とは、各々がミリングシャフト(3)の一端部を受け、駆動中にこのミリングシャフト(3)を回転させるようになっており、この結果、前記フレーム(1)は、車両に設けられた操作アーム(8)に取着された送り機構(9)によって、フレームの一方のアームを、前記構造体(5)に向けてこの構造体の各側面に変位されることを特徴とする切削工具。
【請求項2】
前記第1のアームと第2のアームとには、回転される前記ミリングシャフト(3)を往復動させる振動装置(6)が設けられていることを特徴とする請求項1の切削工具。
【請求項3】
前記ミリングシャフト(3)は、切削ゾーンに少なくとも沿って、シャフト面の少なくとも幾つかの部分に、少なくとも1つの研削面を有しており、研削面は、埋められたダイヤモンド、螺旋形状の1つの切削面、又は互いに離間した複数のリングの切削面を有し得ることを特徴とする請求項1又は2の切削工具。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−509642(P2006−509642A)
【公表日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−558568(P2004−558568)
【出願日】平成14年12月12日(2002.12.12)
【国際出願番号】PCT/NO2002/000475
【国際公開番号】WO2004/052578
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(505215947)グローバル・トゥール・マネジメント・エーエス (2)
【Fターム(参考)】