説明

刈払機のブレードの反転を制御するための方法

【課題】刈払機のブレードの制御反転のための方法を提供する。
【解決手段】制御回路を有するモータのパラメータを検出しユーザが反転ボタンを押すと、検出パラメータ、例えば、モータの速度が予め設定された閾値よりも高いかあるいは同じときには制御回路にモータを反対に回転させないように制御させ、検出パラメータが予め設定された閾値より低いときには制御回路にモータを反対に回転させるように制御させてブレードを反対に回転させるように駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2009年6月15日に出願されたCN200910032427.9の利益を主張し、この開示内容を全体として、参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、刈払機のブレードの反転を制御するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
園芸のツールとしての刈払機は、ブッシュ、雑草、及びその他の草木を刈るために使用することができる。従来の刈払機は、一般的には、内燃機関駆動の刈払機と、モータ駆動の刈払機とに分類することができる。ほとんどの刈払機は、内燃機関により駆動され、どちらかと言えば重いので、モータ駆動の刈払機が今はより広く使用されている。
【0004】
電動のモータ駆動の刈払機は、一般的には、モータ、カッターヘッド、及びハンドルを含み、カッターヘッドはブレードを含む。細長いロッドが、モータハウジングとカッターヘッドの間に接続され、ハンドルは、ロッドに固定される。ハンドルは、一般的には、ユーザの両手で握ることができる2つのハンドルグリップを備え、スイッチが、一方のハンドルグリップに配置される。ロッドは、回転シャフトを有し、この回転シャフトは、一方の端部で、ギア減速機構を介してモータと接続され、他方の端部でベベルギア機構を介してブレードと接続される。したがって、モータの回転運動は、回転シャフトを介してブレードに伝達され、次いで、ブレードは、回転するように駆動される。
【0005】
刈払機が、例えば、つるのような長い茎を有するような草木を切るために使用するとき、刈払機のブレードは、簡単に茎に絡まってしまう。この場合、オペレータが手でブレードの茎を取り除こうとするならば、非常に危険となるであろう。このため、一部の刈払機には、反転ボタンが設けられる。ブレードが絡まったとき、オペレータは、単に反転ボタンを押せばよく、そうすると、ブレードは反対に回転し、ブレードの周りに巻きついた茎を自動的に落とす。
【0006】
上述した刈払機は、このような類の問題を解決することができるが、操作中の潜在的な危険も作り出してしまう。ブレードの周りに巻きついた茎を取り除く必要があるとき、オペレータは、最初に制御レバーを放し、それから、通常の操作で反転ボタンを押す。いつもの通りに、オペレータにより制御レバーが放されたとき、ブレードは、慣性により高速でまだ回転している。この瞬間に反転ボタンが押された場合には、ブレードは、すぐに反対に回転することができる。いったん、ブレードが高速順回転状態から、すぐさま切り替えられて、反対に回転すると、ロッキングナットが緩み、その結果、ブレードがロッキングナットを備える駆動シャフトに取り付けられているため、ブレードがはじき飛ばされたような事故が起こる可能性がある。また、順回転でブレードが草木を切っているとき、オペレータが不注意で反転ボタンを押して、ブレードを急に反対に回転させた場合にも、類似の結果が起こる可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
開示された方法は、それ以外の従来の刈払機の反転の動作によって危険を事実上回避するために、刈払機のブレードの反転の制御を提供する。
【0008】
刈払機のブレードの反転の制御のための本発明による方法は、電動ボタンを押して、電源を刈払機に供給し、制御回路を有するモータのパラメータを検出し、反転ボタンを押して、これにより、モータの速度が予め設定された閾値よりも高いかあるいは同じである場合には、制御回路は、しばらくの間モータを反転させないように制御し、その速度が予め設定された閾値よりも低い場合には、制御回路は、モータを反対に回転させるようにモータを制御し、次いで、ブレードを反対に回転させるようにブレードを駆動することを含む。
【0009】
刈払機のブレードの反転の制御のための開示された方法によると、オペレータが反転ボタンを押すとき、モータが高速で回転している場合には、制御回路は、モータを反転させないように制御し、モータの速度が予め設定された閾値よりも低いときにだけ、制御回路は、反転させるようにモータを制御し、反対に回転させるようにブレードを駆動する。ブレードが低速で反対に回転するように切り替わるので、ロッキングナットが緩み、ブレードがはじけ飛ぶような危険な事故をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】刈払機の好ましい実施形態の斜視図である。
【図2】図1の刈払機の操作ハンドルの拡大図である。
【図3】刈払機の制御回路の回路原理図である。
【図4】刈払機の制御回路のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、刈払機10は、モータハウジング1と、カッターヘッド3と、ハンドル5と、を含み、カッターヘッド3は、ブレード30と、ブレード30の刃を部分的に覆うシールド31と、を備える。(図3に示す)モータ11は、モータハウジング1内に取り付けられる。バッテリパック7が、モータ11に電力を供給するためにモータハウジング1の下側に取り付けられる。細長いロッド9が、モータハウジング1とカッターヘッド3との間に接続され、さらに、ハンドル5は、ロッド9上に固定される。ハンドル5は、ほぼ∪字形状であり、ユーザが刈払機を両手で操作することができるように2つのハンドルグリップ、すなわち、第1のハンドルグリップ51と第2のハンドルグリップ52とを備える。ロッド9は、さらに、回転シャフト(図示せず)を有し、この回転シャフトは、一端がギア減速機構を介してモータ11と接続され、他端がベベルギア機構を介してブレード30と接続される。したがって、モータ11の回転運動は、回転シャフトを介してブレード30に伝達され、次いで、ブレード30は、駆動されて回転する。このような動力伝達機構は、当業者に周知である。
【0012】
図2に示すように、第1のハンドルグリップ51には、電源ボタン21と、制御レバー22と、安全スイッチ23と、反転ボタン24と、速度調整ノブ25と、を含む複数のスイッチデバイスが取り付けられている。この方法により、ユーザは、第1のハンドグリップ51を握っている手でこれらのスイッチ手段を操作することができる。第1のハンドルグリップ51には、刈払機10のスイッチが入っているかどうかを表示するための電源の表示灯26が取り付けられている。刈払い機10の操作中、ユーザは、まず、バッテリパック7によってモータ11に電源を供給するために電源ボタン21を押さなければならない。その結果、電源の表示灯26は、電源が入ったことを示すために点灯する。ユーザが制御レバー22を偶然に操作してしまうのを妨げて事故を防ぐために、安全スイッチ23と制御レバー22との間にインターロック機構が設けられ、このインターロック機構により、ユーザが安全スイッチ23を押し、さらに、制御レバー22を引くときにだけ、モータ11を駆動することができる。これにより、ブレード30は駆動されて順方向に回転する。速度制限ノブ25は、モータ11の回転速度を調節するために使用されることができる。
【0013】
刈払機10は、制御回路20も含む。図3に示すように、制御回路20は、マイクロプロセッサ4と、検出モジュール6と、モータ駆動モジュール8とを含み、検出モジュール6は、モータ11のパラメータを検出するために使用される。本実施形態においては、検出モジュール6は、モータ11の回転速度を検出して、マイクロプロセッサ4に検出した速度をフィードバックするために使用される速度測定モジュールとして例示される。速度測定モジュール6は、磁気リング61と、インダクタ62と、を含み、磁気リング61は、モータ11と共に回転することができる。磁気リング61が回転するとき、インダクタ62は、回転速度信号を誘起することができて、マイクロプロセッサ4に回転速度信号を送信することができる。次いで、マイクロプロセッサ4は、受信した回転速度信号と予め設定された閾値とを比較する。回転速度信号が閾値よりも低い場合には、ブレード30が回転の停止に近づいていることが決定され得る。それ以外の場合には、ブレード30は、回転状態である。本実施形態においては、閾値は、約1.5回転/秒のブレードの回転速度で切り替えられる。他の実施形態においては、検出モジュールは、例えば、電流、電圧等のようなモータの速度を求めるためにモータ11の他のパラメータも検出することができ、このとき、これらのパラメータは、これと同じ目的のために、マイクロプロセッサ4にフィードバックされ得る。
【0014】
制御回路20の制御工程は、図4に示される。電源ボタン21が押されたとき、刈払機10は、電源によって電力を供給され、マイクロプロセッサ4は、反転の切り替えを検出する、すなわち、反転ボタン24が押されたか否かを検出し始める。反転ボタン24が押された状態である場合には、速度測定モジュール6は、モータ11の速度を測定し、検出した速度をマイクロプロセッサ4にフィードバックする。その速度が閾値よりも低い場合、すなわち、ブレード30が1.5回転/秒よりも遅い場合には、モータ11は、反対に回転するように制御される。モータ11の速度が閾値よりも高いかあるいは同じである場合、そのとき、モータ11の回転方向は、検出され続け、このケースでは、モータ11が順方向に回転しているときには、制御回路20は、モータ11を反対に回転させないように制御するか、あるいは、モータ11が反対に回転しているときには、モータ11は、反対に回転し続けるように制御される。
【0015】
制御回路20及び動作工程については、オペレータにより反転ボタン24が押されたとき、ブレード30が順回転し、その速度が1.5回転/秒よりも速いか、あるいは同じ場合には、制御回路20はモータ11を反対に回転させないように制御することができ、ブレード30の速度が1.5回転/秒よりも遅いときにだけ、モータ11は、反対に回転することができる。その結果、高速回転時に、ブレードの回転を突然反対にすることにより生じる危険は、事実上回避することができる。
【0016】
刈払機のブレードの反転を制御するための本発明の方法は、上述の内容及び図に示される構造に限られない。例えば、刈払機は、AC電源によって電力を供給されることもでき、あるいは、モータの速度測定モジュールは、他の測定方法を採用することができ、このように、記載された磁気リング及びインジケータを有する速度測定に限られる必要がない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲で請求される。本発明の思想に基づいた他の構成の形状そして配置についてのいくつかの自明な変更、置換、あるいは取換は、本発明の範囲の中に属するものとしてみなすことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈払機のブレードの反転を制御するための方法であって、
電源ボタンを押して、電源を刈払機に供給し、
制御回路を有するモータのパラメータを検出し、
反転ボタンを押して、これにより、前記制御回路が、前記検出されたパラメータが予め設定された閾値よりも高いかあるいは同じである場合には、反対に回転させないように前記モータを制御することができて、前記検出されたパラメータが予め設定された閾値よりも低い場合には、反対に回転させるように前記モータを制御することができ、反対に回転させるように前記ブレードを駆動することができるように構成する刈払機のブレードの反転を制御するための方法。
【請求項2】
前記予め設定された閾値は、約1.5回転/秒の前記ブレードの回転速度で変更される請求項1記載の刈払機のブレードの反転を制御するための方法。
【請求項3】
前記制御回路によって検出された前記モータのパラメータは、前記モータの速度である請求項1記載の刈払機のブレードの反転を制御するための方法。
【請求項4】
前記制御回路は、電源と、マイクロプロセッサと、検出デバイスと、を含む請求項1記載の刈払機のブレードの反転を制御するための方法。
【請求項5】
前記検出デバイスは、磁気リングと、インジケータと、を含む請求項4記載の刈払機のブレードの反転を制御するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−284164(P2010−284164A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−135860(P2010−135860)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(510038614)チェルボン リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Chervon Limited
【Fターム(参考)】