説明

刈払機

【課題】 刈払作業中に、小石・刈草等が周囲に飛散するのを防いで、周囲に対して安全に刈払作業を行うことができる刈払機を提供することを目的とする。
【解決手段】 鉛直状の一軸心L廻りに回転する刈払刃12を長尺状操作杆43の先端に備える。操作杆43の先端43a近傍の固定部位に、刈払刃12を包囲状として、小石・刈草等の飛散を阻止する飛散防止手段2を、付設した。また、飛散防止手段2は、刈払刃12の上方に略水平状に設けられた枠部材21と、枠部材21の周縁部21aの前端及び左右側縁にわたって吊り下げられた多数本の飛散防止鎖部材25と、を有する。また、枠部材21は、上下方向開口状の大径孔22が形成される。かつ、刈払刃12と一体に回転して、大径孔22を通して刈草等を上方へ飛ばす上昇風発生用回転扇3を、具備する。さらに、回転扇3の上方に、径方向外方へ刈草等を誘導する誘導部材を設け径方向外方に誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、庭の草等を刈るための刈払機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、操作杆の先端に略鉛直方向の軸心廻りに回転する刈払刃が設けられると共に、操作杆の先端近傍に、刈払刃の後側上方を覆い状とするカバー部材が付設されており、刈払刃が回転して飛び散らせる刈草や庭の小石等が、カバー部材に当たって阻止されて、使用者に当たるのを防ぐ刈払機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−9051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のように、カバー部材は、刈払刃の後方しか包囲しておらず、刈払刃の前方や左右両側方は全く開放状態になっているので、刈払作業中に、小石・刈草等が前方や左右両側方へ高速で飛び散る虞れがある。この場合、特に小石等の固体物が周囲の人に当たると怪我をさせてしまい、また、自動車や建築物等に当たれば傷を付けるという事態が起こり得る。
【0004】
そこで、本発明は、刈払作業中に、小石・刈草等が周囲に飛び散るのを防いで、周囲に対して安全に刈払作業を行うことができる刈払機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る刈払機は、鉛直状の一軸心廻りに回転する刈払刃を長尺状操作杆の先端に備え、上記操作杆の先端近傍の固定部位に、上記刈払刃を包囲状として、小石・刈草等の飛散を阻止する飛散防止手段を、付設したものである。
【0006】
また、上記飛散防止手段は、上記刈払刃の上方に略水平状に設けられた枠部材と、該枠部材の周縁部の前端及び左右側縁にわたって吊り下げられた多数本の飛散防止鎖部材と、を有する。
また、上記枠部材は、上下方向開口状の大径孔が形成され、かつ、上記刈払刃と一体に回転して、上記大径孔を通して刈草等を上方へ飛ばす上昇風発生用回転扇を、具備し、さらに、該回転扇の上方に、径方向外方へ上記刈草等を誘導する誘導部材を、設けた。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る刈払機は、操作杆の先端近傍の固定部位に、刈払刃を包囲状として、小石・刈草等の飛散を阻止する飛散防止手段を付設したので、小石・刈草等が刈払刃によって高速ではね飛ばされても、飛散防止手段によって阻まれるので、四方八方へ飛び散ることがない。よって、小石等の固体物が周囲にいる人に当たって怪我をさせたり、また、自動車・建物等に当たって傷を付けるという事態を回避できて、安全作業を行い得る。
【0008】
また、高速ではね飛ばされた小石・刈草等が、吊り下げ状の多数本の飛散防止鎖部材に当たることで、周囲に飛び散るのが防がれるので、簡易な構成でありながら、確実に、飛散防止を行い得る。そして、鎖部材は吊下げ状であり柔軟に揺れるので、小石等の固体物が高速で衝突しても鎖部材が衝撃を吸収し、大きく跳ね返らず、刈払刃の刈払いの妨げとなるのを、防ぐことができる。さらに、吊り下げられた多数本の鎖部材は、地表面の凹凸等に柔軟に振れつつ凹凸等を乗り越えるので、草を刈払刃にて刈る邪魔にならない。
【0009】
また、刈払作業中には、回転扇が回転して、枠部材の下方から上方へと上昇風が発生されるので、刈草等が、枠部材の上方に上昇し、かつ、浅皿状誘導部材によって、径方向外方へ誘導される。よって、刈草等が刈払刃の周囲の地表面上に堆積することがなく、刈草等が刈払刃に絡みつかないので、円滑に作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施の形態を示す図面に基づき、本発明を詳説する。
図1〜図6は本発明に係る刈払機の実施の一形態を示す。この刈払機は、原動機42を背中(図1参照)に背負ったり、或いは、原動機42に連結された操作杆43を肩掛け紐材で肩(図2参照)に掛けて用いられるものであり、長尺状操作杆43の先端43aに、原動機42の回転駆動力が伝達され略鉛直方向の一軸心L廻りに回転する回転駆動軸4を有する回転伝達部40が、設けられる。回転伝達部40は、ケーシング部材41と該部材41に内蔵され下方に突設する回転駆動軸4を有し、回転駆動軸4には、刈払刃12付き回転体1、及び、回転扇3…付のボス部材34が取付けられて、回転駆動軸4の回転力により、回転駆動される。回転扇3…は、刈草等を上方へ飛ばす上昇風を発生するためのものである。
かつ、操作杆43の先端43a近傍の固定部位には、刈払刃12を包囲状として、小石・刈草等の飛散を阻止する飛散防止手段2が、付設される。
また、回転体1の下方側には、一軸心L廻りに(回転体1に対して)空転自在として、地表面Gに接地して回転体1の高さを一定に保持する碗型接地部材7が、設けられる。
【0011】
先ず、回転伝達部40、ボス部材34、及び、回転体1について説明する。
回転伝達部40は、嵌込突部44aを下方に突設した取付円盤44を備え、取付円盤44は、ケーシング部材41の下方にて、回転駆動軸4に嵌着される。回転駆動軸4の下部外周面には雄ネジ4aが形成され、取付円盤44から下方に突出している。
また、ボス部材34は、嵌込突部44aに外嵌する孔部34aを中心に有する底壁と底壁の外周縁から起立状の周壁面部34bとから成る碗型形状を有し、かつ、周壁面部34bの外周面に、複数枚(図例では3枚の)回転扇3…が放射状に一体成形される。回転扇3は、回転駆動軸4の回転(平面視反時計回り)方向に回転すると上昇風を生ずる向きに設けられる。
また、回転体1は、ボス部材34の底壁に下方から当接する連結円盤48と、連結円盤48の下面48bに埋込状として下向きに突設し(後述する)回転盤部材17の下外鍔部14上に当接する複数のコード引掛小柱49…と、を具備する。連結円盤48の下面48bは、(後述の)回転盤部材17の上外鍔部27上面に当接する。コード引掛小柱49は、回転による遠心力を受けた後述の樹脂製コード11が引っ掛かる。そして、上記連結円盤48は金属板製等の硬質材から成る固定用円板45と、その外周縁45bが埋込状として一体成型されたプラスチック製のプラスチック外縁部51とを、有している。上記円板45は、嵌込突部44aが差込まれる中心孔部45aを有する。また、雌ネジが形成された大径孔部48aがプラスチック外縁部51の中心に設けられる。
【0012】
また、回転体1は、連結円盤48に螺着される回転盤部材17と、回転盤部材17に巻設され一端側11aが刈払刃12を成す樹脂製コード11と、を具備する。
具体的には、回転盤部材17は、上方開口状の円筒胴部10と、円筒胴部10の下端縁から内鍔部16を介して内部下方に配設され一体形成されるベアリング保持用小円筒部13とを、有する。かつ、円筒胴部10の外周面には、上外鍔部27,下外鍔部14が上下に離間して一体状に付設される。かつ、下外鍔部14の下面には、環状垂下壁15が、上記一軸心Lを中心軸として一体状に付設される。上外鍔部27は、下外鍔部14よりも外形寸法が小さく形成されている。円筒胴部10の上部外周面には、上記プラスチック外縁部51の大径孔部48aの雌ネジに螺合する雄ネジ10aが、形成される。また、円筒胴部10の外周面には、2本の樹脂製コード11,11が、上・下外鍔部27,14間にて上下で巻設される。回転体1が回転駆動すると、コード11が遠心力で外径方向に伸びてコード引掛小柱49に引っ掛かり、その一端側11aが刈払刃12を成す。
【0013】
ボス部材34、及び、回転体1の連結円盤48は、取付円盤44の嵌込突部44aに、孔部34a,45aにて順に外嵌されている。そして、回転駆動軸4に、中心孔付きの円板状の挟着部材46の中心孔を下方から嵌め、回転駆動軸4の雄ネジ4aにナット部材47を螺着して締付けられる。これにより、挟着部材46と取付円盤44が、ボス部材34、及び、プラスチック外縁部51を強く挟持する。
また、プラスチック外縁部51に回転盤部材17が螺着された状態においては、円筒胴部10の上端縁が、連結円盤48の固定円板45の下面に当接している。かつ、コード引掛小柱49は、その外周面が上外鍔部27の外周縁に当接すると共に、下部が下外鍔部14上面に当接する。このようにセットされるので、回転盤部材17の軸心が回転駆動軸4の一軸心Lに確実に一致した状態で保持されて、回転中に軸が相互に振れない。
【0014】
また、下外鍔部14が、碗型接地部材7の(後述する)周壁面部9の上縁部19の上方に接近して配設されると共に、環状垂下壁15が、周壁面部9の上縁部19(上端縁から所定寸法Hの部位)を外径側から包囲状となるように配設される。また、小円筒部13内にベアリング5が内嵌されて、内周面13aに固着される。小円筒部13の上端縁・下端縁は内径側に僅かに折曲げられており、ベアリング5の上下位置が確実に保たれる。本発明に於ては、一対のラジアルボールベアリング5,5が、一軸心Lを中心として上下に積み重ね状に配設されている。ベアリングは、例えばスラストベアリングを用いて、碗型接地部材7が接続される構成としてもよい。
【0015】
次に、飛散防止手段2について説明する。飛散防止手段2は、刈払刃12の上方に略水平状に設けられた枠部材21と、枠部材21の周縁部21aの前端及び左右側縁にわたって吊り下げられた多数本の飛散防止鎖部材25…と、を有する。
具体的には、枠部材21は、大径の短円筒形状の被吊下板部24と被吊下板部24の上端縁に一体に形成された内鍔部23とから成る。枠部材21は、複数本の横長門型の支持棒材26…によって、ケーシング部材41に連結されて支持される。即ち、支持棒材26の一端が、枠部材21の内鍔部23の上面に固着されると共に、他端が、ケーシング部材41の下部に固着されて、枠部材21は、刈払刃12の上方に非回転状として、略水平状に、かつ、枠部材21の仮想中心点が上記一軸心Lを通るように、設けられる。実施例では4本の支持棒材26…が、略放射状に配設される。
【0016】
そして、枠部材21の周縁部21a、つまり、被吊下板部24には、多数本の飛散防止鎖部材25…が、吊り下げられる。各鎖部材25は、例えば図例のように複数個の金属製リングを連結して成り、隣り合う鎖部材25,25は相互に接触し、或いは、僅かな隙間をもって、配設される。また、内鍔部23の内周縁が成す大径孔22は、回転扇3…が発生させる上昇風が通る。
また、枠部材21は、後部38(使用者側)が左右方向直線状に形成されており、この後部38には鎖部材25が設けられない。なお、操作杆43の先端43a近傍に、小石・刈草等が使用者側へ飛散するのを阻止するカバー部材50を付設することにより、鎖部材25が省略された隙間を通って飛び散る小石・刈草等は、カバー部材50により防がれる。
なお、枠部材21の後部38にも鎖部材25…を吊り下げてもよく、この場合、枠部材21には、鎖部材25…が環状に連続して付設される(図示省略)。
【0017】
さらに、回転扇3の上方に、径方向外方へ刈草等を誘導する誘導部材31が、設けられている。誘導部材31は、下方へテーパ状に縮径する傾斜壁面部32と該壁面部32の下部に一体形成された底部と有する浅皿状である。そして、誘導部材31は、上記支持棒材26に立設された支持杆35の上部に取付けられて、枠部材21の上方に一定間隔をもって離間した状態で配設され、刈草等を排出可能とする間隙が形成されている。
【0018】
次に、碗型接地部材7について説明すると、碗型接地部材7は、底壁面部8と周壁面部9から成る碗型部材本体30と、該本体30の内部中央に立設される取付軸部6と、該本体30の底壁面部8の下方から差込まれ取付軸部6を固定するためのボルト部材29と、を有する。底壁面部8は、一軸心Lに直交状の平坦面8aを下面に有すると共に、その中央部の下面から上面にかけて凹み状に形成されてボルト部材29の頭部を収納する収納凹部20が設けられ、かつ、収納凹部20の中心にボルト部材29用の挿通孔が形成される。また、取付軸部6は円筒状に形成されると共に下端寄りの外周面に外鍔部6aを有し、かつ、内周面に雌ネジが形成されている。この取付軸部6を、底壁面部8の挿通孔に上方から差込んで外鍔部6aを係止させ、次いで、ボルト部材29を、該挿通孔に差込み取付軸部6の雌ネジに螺着する。そして、この取付軸部6を、上下一対のベアリング5,5の内部に下方から挿入し、内輪5a,5aに固着することで、碗型接地部材7が回転体1にセットされる。ボルト部材29の頭部は収納凹部20に収まり、底壁面部8の平坦面8aよりも突出することがない。
【0019】
なお、碗型部材本体30,回転盤部材17,ケーシング部材41をプラスチックにより成形することで、刈払機の先端側を軽量にすることができて、刈払作業中に操作し易くなる。
【0020】
次に、図1〜図6に於て、本発明の刈払機の使用方法・作用について説明する。
本発明の刈払機は、碗型接地部材7を地表面Gに当接させながら、使用される。そして、原動機42の駆動力が操作杆43を介して回転駆動軸4に伝達して、刈払刃12付き回転体1が回転し、2本の樹脂製コード11,11が遠心力によって外径方向に伸びて刈払刃12,12となると共に、回転扇3…付のボス部材34も一軸心L廻りに回転し、回転扇3…が上昇風を発生させる。
そして、刈払刃12が雑草を刈ると共に、小石・刈草等を外径方向に高速ではね飛ばすが、飛散防止手段2の鎖部材25…に阻まれる。よって、小石等が周囲にいる人に当たって怪我をすることもなく、また、自動車・建物等に当たって傷付ける事態も回避できる。また、碗型接地部材7の底壁面部8の平坦面8aが地表面Gに当接したまま移動し、飛散防止手段2の枠部材21が地表面Gに対し略平行状態に保たれ、刈払中に地表面Gと鎖部材25…の下端との間に間隙ができることがなく、小石・刈草等が外部に高速で飛び出す虞れがなく安全である。また、鎖部材25…は吊下状に設けられており、小石等の固体物が鎖部材25…に高速で衝突すると鎖部材25が衝撃を吸収して、小石等は内径方向に高速ではね返ることがない。よって、小石等が回転体1や回転扇3…に高速で当たって傷付けることや、刈払刃12の回転の妨げが、防がれる。
【0021】
そして、刈払刃12により細かく切り刻まれた刈草等は、回転扇3…により発生する上昇風により上昇して枠部材21の大径孔22を通り、誘導部材31の傾斜壁面部32の下面に誘導されて、矢印33のように排出される(図5参照)。これにより、刈草等が刈払刃12の周囲の地表面G上に堆積することがなく、刈草等が刈払刃12に絡みつかないので、円滑に作業を行うことができる。また、小石等の固形物は鎖部材25…に衝突した後落下する。
また、刈払刃12,12は略一定高さ、かつ、地表面Gに対し略平行状態に保たれるので、熟練者でなくても、草を一定の長さに刈り揃えることができて美しく平坦面状に刈取られる。そして、刈払刃12が不意に接地することがないので、はね上がる危険がない。
また、多数本の飛散防止鎖部材25…は枠部材21に吊下げ状に設けられているため、仮に地表面Gが凹凸を有していたり、障害物があっても、柔軟に揺動しつつ凹凸や障害物をスムーズに通過するので、刈払いの邪魔にならない。
【0022】
また、碗型接地部材7は、ベアリング5を介して回転体1や回転伝達部40の重量を受けており、底壁面部8が地表面Gから摩擦力を受けるので、碗型接地部材7は、ベアリング5によって、回転体1に対して空転する。つまり、刈払い作業中に、碗型接地部材7は地表面Gに非回転状態で接地するので、刈払機の先端側の重量を地表面にて支持させつつ楽に作業が可能となり、片手での刈払い作業さえ可能となる。また、回転体1が従来のように極端に軽量化せずに済み、十分な強度を与えることも可能となる。また、碗型接地部材7が非回転なので、碗型接地部材7が地表面Gから受ける摩擦力が回転体1に伝わらず、無駄な燃料消費がないため、回転体1の回転効率が良い。
また、刈草等は、矢印28のように環状垂下壁15に阻まれて(図6参照)、碗型接地部材7と回転盤部材17の間に巻き込まれるのが防がれる。
【0023】
以上のように、本発明に係る刈払機は、鉛直状の一軸心L廻りに回転する刈払刃12を長尺状操作杆43の先端に備え、操作杆43の先端43a近傍の固定部位に、刈払刃12を包囲状として、小石・刈草等の飛散を阻止する飛散防止手段2を、付設したので、刈払刃12が小石・刈草等を高速ではね飛ばしても、飛散防止手段2が確実に阻んで、四方八方に飛び散ることがない。よって、小石等の固体物が周囲にいる人に当たって怪我をさせたり、また、自動車・建物等に当たって傷付けるという事態を回避できて、安全作業を行うことができる。
【0024】
また、飛散防止手段2は、刈払刃12の上方に略水平状に設けられた枠部材21と、枠部材21の周縁部21aの前端及び左右側縁にわたって吊り下げられた多数本の飛散防止鎖部材25と、を有するので、高速で飛び散る小石・刈草等を鎖部材25によって防ぐことができ、簡易な構成でありながら、確実に、飛散防止を行い得る。また、凹凸のある地表面Gや障害物もスムーズに通過できて、刈払いの邪魔にならない。かつ、鎖部材25…は吊下げ状に設けられており、小石等の固体物が鎖部材25…に高速で衝突しても鎖部材25が衝撃を吸収するので、大きくはね返らず、刈払刃12の刈払いの妨げとなるのを、防ぐことができる。
【0025】
また、枠部材21は、上下方向開口状の大径孔22が形成され、かつ、刈払刃12と一体に回転して、大径孔22を通して刈草等を上方へ飛ばす上昇風発生用回転扇3を、具備し、さらに、回転扇3の上方に、径方向外方へ刈草等を誘導する誘導部材31を、設けたので、刈払作業中に、回転扇3が回転して、枠部材21の下方から上方へと上昇風を発生させる。よって、刈草等が、上昇風によって枠部材21の大径孔22を通して上昇して、かつ、誘導部材31によって、径方向外方へ誘導されるので、刈草等が刈払刃12の周囲の地表面G上に堆積することがなく、刈払刃12に絡みつかないので、円滑に作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る刈払機の実施の一形態を示す使用状態説明用斜視図である。
【図2】使用状態説明用斜視図である。
【図3】要部斜視図である。
【図4】要部平面図である。
【図5】要部側面図である。
【図6】要部拡大側面図である。
【符号の説明】
【0027】
2 飛散防止手段
3 回転扇
12 刈払刃
21 枠部材
21a 周縁部
22 大径孔
25 鎖部材
31 誘導部材
43 操作杆
43a 先端
L 軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直状の一軸心(L)廻りに回転する刈払刃(12)を長尺状操作杆(43)の先端に備えた刈払機に於て、
上記操作杆(43)の先端(43a)近傍の固定部位に、上記刈払刃(12)を包囲状として、小石・刈草等の飛散を阻止する飛散防止手段(2)を、付設したことを特徴とする刈払機。
【請求項2】
上記飛散防止手段(2)は、上記刈払刃(12)の上方に略水平状に設けられた枠部材(21)と、該枠部材(21)の周縁部(21a)の前端及び左右側縁にわたって吊り下げられた多数本の飛散防止鎖部材(25)と、を有する請求項1記載の刈払機。
【請求項3】
上記枠部材(21)は、上下方向開口状の大径孔(22)が形成され、
かつ、上記刈払刃(12)と一体に回転して、上記大径孔(22)を通して刈草等を上方へ飛ばす上昇風発生用回転扇(3)を、具備し、さらに、該回転扇(3)の上方に、径方向外方へ上記刈草等を誘導する誘導部材(31)を、設けた請求項2記載の刈払機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−195403(P2007−195403A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14134(P2006−14134)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000112934)ブイアイブイエンジニアリング株式会社 (12)
【Fターム(参考)】