説明

加熱装置

【課題】主に球形に近い形状の被加熱物全体を均一に加熱する加熱装置を提供すること。
【解決手段】被加熱物10を収容する加熱室2と、加熱室2の開口面に開閉自在に設けたドア5と、被加熱物10を加熱するヒーター4、ヒーター7と、被加熱物10を載せる食品載置台3と、食品載置台3を載せる加熱室2の両側壁面に設けた複数の支持部6とを備え、支持部6のうち1個ないしは複数個のカム形状を有した支持部8を回転することにより、カム形状を有した支持部8の回転にともない食品載置台3の一部が上下するので、球形に近い形状の被加熱物10が転がり、かつ移動し、ヒーター4、ヒーター7に面する部分が常に変化するので、球形に近い形状の被加熱物10全体を均一に加熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターにより食品を加熱する加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱装置は加熱室および被加熱物を加熱するヒーターで、金網の上に載せた被加熱物を加熱調理している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3は、特許文献1に記載された従来の加熱調理器を示すもので、従来の加熱調理器は、加熱室2と、加熱室2を加熱するヒーター4、ヒーター7と、加熱室2内に収納され被加熱物10を載せる食品載置台11とから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−120828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では、上下に設けられたヒーター4、7だけで球形に近い形状の被加熱物10の全体を均一に加熱することが困難であるという課題を有していた。このため、庫内に高温の熱風を送り被加熱物10の全体を包むように加熱する手段も考案されているが、装置が大きく複雑になり、高価なものになるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成で球形に近い形状の被加熱物の全体を均一に加熱することを可能とした加熱装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱装置は、食品載置台を載せる加熱室の両側壁面に設けた複数の支持部を備え、支持部のうち1個ないしは複数個はカム形状を有して回転するものである。
【0008】
これによって、支持部の回転にともない食品載置台の一部が上下するので、球形に近い形状の被加熱物が転がり、かつ移動し、ヒーターに面する部分が常に変化するので球形に近い形状の被加熱物全体を均一に加熱することが可能となる。
【0009】
また、本発明の加熱装置は、食品載置台の周囲を高くしたものである。
【0010】
これによって、球形に近い形状の被加熱物が転がり、かつ移動しても、食品載置台から落下することをなくすことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の加熱装置は、簡単な構成で球形に近い形状の被加熱物の全体を均一に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱装置の断面図
【図2】本発明の実施の形態2および3における加熱装置の断面図
【図3】従来の加熱装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱室の開口面に開閉自在に設けたドアと、前記被加熱物を加熱するヒーターと、装置の制御をする制御基板を内包した制御部と、前記被加熱物を載せる食品載置台と、前記食品載置台を載せる加熱室の両側壁面に設けた複数の支持部とを備え、前記支持部のうち1個ないしは複数個はカム形状を有して回転するとしたものである。
【0014】
これによって、カム形状を有した支持部の回転にともない食品載置台の一部が上下するので、球形に近い形状の被加熱物が転がり、かつ移動し、ヒーターに面する部分が常に変化するので球形に近い形状の被加熱物全体を均一に加熱することができる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明において、食品載置台を載せる複数の支持部のうち、最後部の支持部がカム形状を有して回転するものである。
【0016】
これによって、食品載置台は水平状態から後部が上昇する範囲の傾きになるので、加熱室前面から加熱状態を詳細に見ることができ、出来上がり状態の判断が容易になるので最適な加熱状態を実現することができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の食品載置台は周囲を高くしたものである。これによって、球形に近い形状の被加熱物が転がり、かつ移動しても、食品載置台から落下することをなくすことができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱装置の断面図を示すものである。
【0020】
図1において、加熱室2に設置された食品載置台3に被加熱物10を載せて、主にヒーター4、ヒーター7の輻射熱で被加熱物10を加熱する。加熱室2の開面に開閉自在に設けたドア5を備え加熱装置1を構成している。
【0021】
以上のように構成された加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0022】
まず、食品載置台3を載せる加熱室2の両側壁面に設けた複数の支持部6のうち1個ないしは複数個の支持部の形状をカム形状にして回転することにより、カム形状を有した支持部8の回転にともない、食品載置台3の一部が上下するので、球形に近い形状の被加熱物10が転がり、かつ移動し、ヒーター4、ヒーター7に面する部分が常に変化する。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、食品載置台3を載せる加熱室2の両側壁面に設けた複数の支持部6のうち1個ないしは複数個はカム形状を有して回転することにより、カム形状を有した支持部8の回転にともない食品載置台3の一部が上下するので、球形に近い形状の被加熱物10が転がり、かつ移動し、ヒーター4、ヒーター7に面する部分が常に変化するので球形に近い形状の被加熱物10全体を均一に加熱することができる。
【0024】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態における加熱装置の断面図を示すものである。
【0025】
図2において、食品載置台3を載せる複数の支持部6のうち、最後部の支持部9をカム
形状にしてこれを回転させている。
【0026】
以上のように構成された加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0027】
まず、食品載置台3を載せる複数の支持部6のうち、最後部の支持部9がカム形状を有して回転すると、食品載置台3は水平状態から後部が上昇する範囲の傾きで上下する。
【0028】
以上のように、本実施の形態においては、食品載置台3を載せる複数の支持部のうち、最後部の支持部9をカム形状にすることにより、食品載置台3は水平状態から後部が上昇する範囲の傾きになるので、加熱室前面から加熱状態を詳細に見ることができ、出来上がり状態の判断が容易になるので最適な加熱状態を実現することができる。
【0029】
(実施の形態3)
図2は同じく、本発明の第3の実施の形態における加熱装置の断面図を示すものである。
【0030】
図2において、食品載置台3の周囲の枠3aは被加熱物10を載せる面よりも高くしている。
【0031】
以上のように構成された加熱装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、食品載置台3の周囲の枠3aを被加熱物10を載せる面よりも高くすることにより、球形に近い形状の被加熱物10が転がり、かつ移動しても、食品載置台3の周囲の枠3aに当たり移動が停止する。
【0032】
以上のように、本実施の形態においては、食品載置台3の周囲を高くすることにより、球形に近い形状の被加熱物10が転がり、かつ移動しても、食品載置台から落下することをなくすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
以上のように、本発明にかかる加熱装置は球形に近い形状の被加熱物が転がり、かつ移動し、ヒーターに面する部分が常に変化するので球形に近い形状の被加熱物全体を均一に加熱することが可能となるので、たこ焼きや一口サイズの唐揚げなどコンビニエンスストアやファストフードレストラン等での少量、短時間調理が求められる加熱装置としての用途に有効である。
【符号の説明】
【0034】
1 加熱装置
2 加熱室
3、11 食品載置台
3a 周囲の枠
4 ヒーター
5 ドア
6 支持部
7 ヒーター
8 カム形状を有した支持部
9 最後部の支持部
10 被加熱物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収容する加熱室と、前記加熱室の開口面に開閉自在に設けたドアと、前記被加熱物を加熱するヒーターと、装置の制御をする制御基板を内包した制御部と、前記被加熱物を載せる食品載置台と、前記食品載置台を載せる加熱室の両側壁面に設けた複数の支持部とを備え、前記支持部のうち1個ないしは複数個はカム形状を有して回転する加熱装置。
【請求項2】
食品載置台を載せる複数の支持部のうち、最後部の支持部がカム形状を有して回転する請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
食品載置台は周囲を高くした請求項1または2に記載の加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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