説明

動揺試験装置用非常階段

【課題】動揺装置において、火災や停電等の緊急時の脱出用として、縄はしごを準備しているが、動揺装置が正常位置で停止しなかった場合、この縄はしごが使用できなくなると言う問題があった。
【解決手段】縄はしごの代わりに図6に示す非常階段部51および非常階段はしご部52を設けて、上方向の着脱可能な金具をはずすことにより、下方向の回転可能な金具を軸にして地上面方向に開く非常階段を有することにより、安全に脱出できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動揺試験装置の非常階段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図10は従来の動揺試験装置の例で、動揺試験前の図である。同図において1は動揺試験装置、11は被試験装置、12は乗降装置、13は被試験装置の固定台、14と15は支柱、16は動揺装置の床面である。一般的に被試験装置の固定台13と床面16は通常2m位ある。
【0003】
被試験装置11の例としては飛行機等のコックピット等がある。支柱14および15は図14に示すように根元部23、24やピストン部21、22で構成され上下に動くようになって、コンピュータ制御により、規定の動揺試験が実施されるようになっている。
【0004】
試験の前に、階段状の乗降装置12を使用して被試験装置11に乗り込むようになっている。図11は図10の側面図である
【0005】
図12は従来の動揺試験装置の例で、試験開始時直前の図である。乗降装置12は動揺試験に邪魔になるので、図12のように動揺試験に邪魔にならない状態に離れるように制御される。
図13は従来の動揺試験装置の例で、動揺試験中の図である。
【0006】
図15は従来の動揺試験装置の例で、火災や停電等があり緊急停止して正常位置で停止せず、斜めになって止まってしまった図である。緊急停止時の脱出用として縄はしご31が設置されているので、縄はしご31を下ろして脱出するが、図15の様に斜めに停止した場合縄はしご31を使用することが困難になり安全に脱出することが出来なくなる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−36585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図15に示す従来例では、動揺試験装置において、火災や停電等の緊急時の脱出用として、縄はしごを準備しているが、動揺装置が正常位置で停止しなかった場合、この縄はしごの使用が困難になり安全に脱出することが出来なくなる。
【0009】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、縄はしごの代わりに図1に示す非常階段部51を設けて安全に脱出するできることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、上述の目的を達成するために次のように構成している。
【0011】
すなわち、本発明は、動揺試験装置において、地上面に脱出するための筒状の非常階段部を備え、非常階段部は複数の平面で構成され、複数の平面は、はしごと、このはしごを固定する枠で構成され、このはしごは、はしごの上方向で、着脱可能な金具で、はしごを固定する枠に固定されて、はしごの下方向で、はしごが回転可能な金具で、はしごを固定する枠に固定され、上方向の着脱可能な金具をはずすことにより、下方向の回転可能な金具を軸にして地上面方向に開く非常階段を有することである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、非常停止時において斜めに停止しても安全に脱出できるようになる。
【実施例】
【0013】
以下、図面によって本発明の実施例について、詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の動揺試験装置の実施の形態の一例で、動揺試験前の図である。図10の従来の動揺試験装置の例に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0015】
同図において1は動揺試験装置、11は被試験装置、12は乗降装置、13は被試験装置の固定台、14と15は支柱、16は動揺装置の床面、51は非常階段部である。
一般的に、被試験装置の固定台13と床面16は通常2m位ある。被試験装置11の例としては飛行機等のコックピット等がある。支柱14および15は図14に示すように根元部23、24やピストン部21、22で構成され上下に動くようになって、コンピュータ制御により、規定の動揺試験が実施されるようになっている。
【0016】
動揺試験開始の前には、階段状の乗降装置12を使用して被試験装置11に乗り込むようになっている。図2は動揺試験前の図1の側面図である。
【0017】
図3は動揺試験開始直前の図である。乗降装置12は動揺試験に邪魔になるので、図のように動揺試験に邪魔にならない状態に離れるように制御される。図4は動揺試験中の図である。
【0018】
図5は火災や停電等で緊急停止して正常位置で停止せず、斜めになって止まってしまった図である。緊急停止時の脱出用として非常階段部51が準備されている。図6は非常階段部を使用するときの図である。非常階段部51から、非常階段はしご部52を開いて床面16に脱出するようになっている。
【0019】
非常階段部と非常階段はしご部については図7,8,9を使用して説明する。図7に示すように非常階段部51の全側面には非常階段はしご部52とこの非常階段はしご部52を固定する非常階段枠部53が装備されている。非常階段はしご部52は図7に示すAとB点で着脱可能な金具で非常階段枠部53に固定されている。また、非常階段はしご部52は図7に示すCとD点で非常階段はしご部52が回転可能な金具で非常階段枠部53に固定されている。
【0020】
図7のAとB点の固定具を外すことにより図9に示すように非常階段部51の非常階段はしご部52は外に開くようになっており図9に示すように床面16まで届きこの非常階段はしごを部52使用して脱出できる。図8は図9を側面から見た図である。
【0021】
また、図9に示すように、非常階段枠部53の底面には床板54が装備されており、非常階段枠部53の床板54で一時的に人間が留まることができるようになっている。非常階段枠部53および非常階段はしご部52は非常階段部51の全側面に配置されており、動揺試験装置の停止状況によって、どの面からでも脱出できるようになっている。
【0022】
本発明は、動揺装置において、火災や停電等の緊急時に、動揺装置が正常位置で停止しなかった場合でも安全に脱出できる非常用階段として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の動揺試験措置の実施例で動揺試験の前の図である。
【図2】本発明の動揺試験措置の実施例で動揺試験の前の図1の側面図である。
【図3】本発明の動揺試験措置の実施例で動揺試験直前の図である。
【図4】本発明の動揺試験措置の実施例で動揺試験中の図である。
【図5】本発明の動揺試験措置の実施例で動揺試験装置が正常位置で停止しなかった図である。
【図6】本発明の動揺試験措置の実施例で動揺試験が正常位置で停止しなかった時に非常階段を使用する時の図である。
【図7】本発明の動揺試験措置の実施例で非常階段部を説明する図である。
【図8】本発明の動揺試験措置の実施例で非常階段を説明する図である。
【図9】本発明の動揺試験措置の実施例で非常階段部の非常階段はしごを説明する図である。
【図10】従来の動揺試験措置の実施例で動揺試験の前の図である。
【図11】従来の動揺試験措置の実施例で動揺試験前の図10の側面図である。
【図12】従来の動揺試験措置の実施例で動揺試験の直前の図である。
【図13】従来の動揺試験措置の実施例で動揺試験中の図である。
【図14】動揺試験措置の支柱を説明する図である。
【図15】従来の動揺試験措置の実施例で動揺試験装置が正常位置で停止しなかった図である。
【符号の説明】
【0024】
1 動揺試験装置
11 被試験装置
12 乗降装置
13 被試験装置の固定台
14,15 支柱
16 動揺装置の床面
21,22 ピストン部
23,24 根元部
31 縄はしご
51 非常階段部
52 非常階段はしご部
53 非常階段枠部
54 非常階段床板部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
動揺試験装置において、地上面に脱出するための筒状の非常階段部を備え、非常階段部は複数の平面で構成され、複数の平面は、はしごと、このはしごを固定する枠で構成され、このはしごは、はしごの上方向で、着脱可能な金具で、はしごを固定する枠に固定されて、はしごの下方向で、はしごが回転可能な金具で、はしごを固定する枠に固定され、上方向の着脱可能な金具をはずすことにより、下方向の回転可能な金具を軸にして地上面方向に開く非常階段を有することを特徴とする動揺試験装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−297882(P2008−297882A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148399(P2007−148399)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】