説明

動的な自動焦点動作

【課題】デジタル画像キャプチャ装置の速度又は解像度を動的に向上させる機構を提供する。
【解決手段】少なくとも部分的に装置の配向に基づいて、画像キャプチャ装置の自動焦点(AF)動作を動的に調節するためのシステム、方法及びコンピュータ可読媒体が説明される。一般に、画像キャプチャ装置の配向に関する情報を用いて、自動焦点動作の速度を増大させること、又は解像度を向上させることが可能である。より具体的には、加速度計から入手可能なような配向情報を用いて、自動焦点動作中に用いられるレンズ位置(関心点)の数を減少させ、これにより、動作の速度を向上させることができる。代替的に、配向情報を用いて、関心点の数を保持しながらレンズの可動域を低減させることができ、これにより動作の解像度が向上される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、デジタル画像のキャプチャ及び処理の分野に関する。より具体的には、本開示は、デジタル画像キャプチャ装置における自動焦点動作の改善のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラの自動焦点(オートフォーカス、AF)システムは、カメラのレンズを自動的に調節して、被写体に焦点を合わせる。一般に、AFシステムは、カメラ内部のコントラスト・センサを用いる(パッシブAF)か、又は、信号を発することによって被写体を照らし若しくは被写体までの距離を推定する(アクティブAF)。パッシブAFは、コントラスト検出方法又は位相検出方法のいずれかを採用できるが、そのどちらも、自動焦点を達成するためにコントラストに依存している。
【0003】
デジタル・カメラには、カメラの画像センサとは異なる自動焦点センサを用いるものがある。これは、例えば、単機能デジタル・カメラにおいて見られる。しかしながら、携帯電話、タブレット型コンピュータ、携帯情報端末及びポータブル音楽/ビデオ・プレーヤのような小型の多機能装置においては、多くの場合、別個の画像センサ及び自動焦点センサは用いられない。これらのような装置において、自動焦点動作は、指定された数の場所において装置のレンズ(又はレンズ組立体)の位置を調節することと、連続した画像内の対応する点の間の焦点(例えば、コントラスト)を評価すること(最大コントラストは、最大鮮鋭度さ又は「最良」の焦点に対応すると想定される)とを必要とし得る。
【0004】
多機能装置は、典型的には、コントラスト/焦点を、画像内の固定された数の点において評価し、連続した画像を得るためにレンズが移動されるときには、固定された数のレンズ位置において評価する。従って、これらの装置は、一定の速度、及び一定の解像度で自動焦点動作を提供することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、デジタル画像キャプチャ装置の速度又は解像度を動的に向上させるための機構を提供することは有益である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、装置の配向の知識を用いてデジタル画像キャプチャ装置のための自動焦点動作を実行する方法が説明される。一実施形態による方法は、少なくとも部分的に配向センサからの信号に基づいて、装置の配向を判断することを含む。1つの例証的な配向センサは、加速度計である。少なくとも部分的に装置の配向に基づいて、自動焦点動作のための可動域を判断することができる。この可動域は、自動焦点動作の間にレンズ又はレンズ組立体が移動される距離を指す。装置の配向により、この範囲は、装置の自動焦点の全可動域(すなわち、自動焦点動作の間にレンズを移動させることができる最大距離)より小さくなることが多い。自動焦点モードが高速に設定される場合、自動焦点動作は、自動焦点可動域、及び装置の最大数の自動焦点関心点よりも少ない点に基づいて実行することができる。自動焦点モードが高解像度に設定される場合、自動焦点動作は、自動焦点可動域、及び装置の最大数の自動焦点関心点に基づいて実行することができる。
【0007】
別の実施形態においては、方法は、コンピュータ実行可能プログラム・コード内に具体化し、非一時的ストレージ・デバイス内に格納することができる。さらに別の実施形態においては、方法は、デジタル画像キャプチャ能力を有する電子装置内に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態による自動焦点システムの簡略化されたブロック図を示す。
【図2】配向情報を得ることができる、画像キャプチャ装置に関する3つの配向を示す。
【図3】一実施形態による、無限遠において画像キャプチャ装置の焦点を合わせるために必要とされる、配向センサ出力とアクチュエータ入力との間の関係を示す。
【図4】一実施形態による自動焦点動作をフローチャートの形態で示す。
【図5】別の実施形態による、無限遠において画像キャプチャ装置の焦点を合わせるために必要とされる、配向センサ出力とアクチュエータ入力との間の関係を示す。
【図6】一実施形態による簡略化された多機能装置をブロック図の形態で示す。
【図7】一実施形態による、連続した画像内の対応する点の発想を示す。
【図8】一実施形態による、連続した画像の比較のための領域を用いる発想を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、画像キャプチャ装置の自動焦点(AF)動作を、少なくとも部分的に装置の配向に基づいて動的に調節するためのシステム、方法及びコンピュータ可読媒体に関する。一般的には、画像キャプチャ装置に関する配向情報を用いて、AF動作の速度を増大させる又は解像度を向上させるための技術が開示される。より具体的には、加速度計から入手可能なような配向情報を用いて、AF動作中に用いられるレンズ位置(関心点、points−of−interest、POI)の数を減少させ、これにより、動作の速度を向上させることができる。代替的に、配向情報を用いて、POIの数を保持しながら、レンズの可動域を低減させることができ、これにより、動作の解像度を向上させることができる。
【0010】
以下の記述においては、説明目的のために、本発明の概念の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が述べられる。この記述の一部として、本開示の図面の一部は、本発明を曖昧にするのを避けるために、構造体及び装置をブロック図の形態で表す。この文脈において、関連した識別子なしの番号が付された図面の要素(例えば、100)に対する言及は、識別子を有する図面の要素(例えば、100a及び100b)の全ての例に言及するものであることを理解すべきである。さらに、本開示に用いられる言葉は、主として読みやすさ及び教育的目的のために選択されたものであり、本発明の主題を明確に描写すること又は制限するために選択されたものではなく、こうした本発明の主題を判断するのに必要である特許請求の範囲に頼っている。本開示における「一実施形態」又は「1つの実施形態」に対する言及は、実施形態と関連して説明される特定の特徴、構造体、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態内に含まれることを意味し、「一実施形態」又は「1つの実施形態」に対する複数の言及は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及するものとして理解されるべきではない。
【0011】
いずれの実際の実施の開発においても(いずれかの開発プロジェクトにおけるような)、開発者の特定の目標(例えば、システム及びビジネス関連の制約の順守)を達成するために多くの決定を行う必要があること、及び、これらの目標は、その実施ごとに変わることが認識されるであろう。こうした開発努力は、複雑であり時間がかかるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する画像キャプチャ装置の設計における当業者にとっては通常の仕事であることも認識されるであろう。
【0012】
ここで、種々の実施形態が、携帯電話又はタブレット型コンピュータのような多機能ユニット内に組み込まれた画像キャプチャ装置の文脈で説明される。AF動作中、このような装置は、それらのレンズ(又は、レンズ組立体)の位置を調節し、加速度計のような配向センサを含む。本明細書で用いられる場合、連続した画像内の対応する点(又は領域)間の相対的コントラストを判断するためにレンズが配置される各々の場所は、関心点(POI)と呼ばれる。
【0013】
図1を参照すると、一実施形態によるAFシステム100の簡略化されたブロック図が、レンズ105、画像センサ110、メモリ115、及び、全可動域125を定める機械的停止部120(120a、120b、120c及び120d)を含む。機械的停止部120間でレンズ105を移動させるためのアクチュエータ130、どちらもAF制御ユニット145に入力を与える、配向センサ135及びモード選択入力140も含まれる。一実施形態において、画像キャプチャ装置は、電荷結合素子(又は、相補型金属酸化膜半導体)、アクチュエータ130としての電気機械ユニット(例えば、ボイス・コイル・モータ)、及び配向センサ135としての加速度計を用いることができる。加速度計は、センサの面の配向における加速度を測定することが理解されるであろう。
【0014】
図2を参照すると、AFシステム100は、画像キャプチャ装置が、上向き配向であるときには(例えば、200a)、加速度計出力は+1gに対応し、水平向き配向であるときには(例えば、200b)、加速度計出力は0gに対応し、下向き配向であるときには(例えば、200c)、加速度計出力は−1gに対応するように構成することができる。(例証的な装置の表示面及び画像センサの視野角も、限定のためではなく完全性のために示される。)ボイス・モータ・コイル・アクチュエータ130をデジタル信号により駆動できることが、さらに理解されるであろう。従って、レンズ105の移動は、特定の最小値と最大値との間のボイス・モータ・コイルの入力信号によって指定することができる。
【0015】
図3を参照すると、無限遠において画像キャプチャ装置の焦点を合わせるための、加速度計出力とアクチュエータ入力(例えば、ボイス・モータ・コイル入力)との間の1つの関係が示される。図2及び図3を並置することによって、画像キャプチャ装置が上向きの配向であるときには(200a)、無限遠において合焦を達成するようにレンズを配置するために、ボイス・モータ・コイル・アクチュエータ130を、最大入力信号(最大値)で駆動する必要があることが分かる。同様に、画像キャプチャ装置が水平向きの配向であるときには(200b)、無限遠において合焦を達成するようにレンズを配置するために、ボイス・モータ・コイル・アクチュエータ130を、最大値と最小値との中間の入力信号(中間値)で駆動する必要がある。最後に、画像キャプチャ装置が下向きの配向であるときには(200c)、無限遠において合焦を達成するようにレンズを配置するために、ボイス・モータ・コイル・アクチュエータ130を、最小入力信号(最小値)で駆動する必要がある。(上記の考察は、画像キャプチャ装置が下向きの位置にあるときに無限遠において焦点を合わせるように画像キャプチャ装置を較正することに基づく。当業者であれば、本開示に鑑みて、他の位置を用いて装置を較正できることを理解するであろう。)
【0016】
従来技術の画像キャプチャ装置においては、どのAF動作も、最小(又は、最大)のアクチュエータ入力で開始し、最大(又は、最小)のアクチュエータ入力まで進めるというように、特定の数の場所を通って装置のレンズを移動させる(又は、移動させようとする)。しかしながら、本開示によると、配向センサ135を用いて画像キャプチャ装置の配向を判断することができ、これに基づいて、より高速のAF動作、又はより高い解像度のAF動作を提供することができる。
【0017】
図4を参照すると、一実施形態によるAF動作400は、配向センサ入力が、制御ユニット145において受け取られるときに開始する(ブロック405)。その入力から、上述のように、画像キャプチャ装置の配向を判断することができる(ブロック410)。無限遠において画像キャプチャ装置の焦点を合わせるために必要とされる、配向センサの出力とアクチュエータの出力との間の関係(例えば、図3に示されるような)の知識を用いて、AF動作400についての開始点を判断することができる(ブロック415)。
【0018】
この例のために図5を参照すると、配向センサ135(例えば、加速度計)は、AF制御ユニット145に、図2に示されるような、−1g(下向き)から+1g(上向き)までの間の加速度を表す入力を提供し、AF制御ユニット145は、アクチュエータ130(例えば、ボイス・モータ・コイル)を、最小値「A」及び最大値「G」を有する信号で駆動し、AF動作400は、レンズ105を、無限遠における合焦点から画像キャプチャ装置の最も近い合焦点まで移動させ、AF動作400の間にレンズの全可動域125が用いられるときに、7つのPOIが用いられる(アクチュエータ入力A、B、C、D、E、F及びGで識別される)と仮定する。従って、加速度計出力が、値「X」によって表される場合、無限遠において画像キャプチャ装置の焦点を合わせるために必要とされる、対応するボイス・モータ・コイル入力は、値「Y」によって与えられる。従って、ボイス・モータ・コイル入力「Y」は、AF可動域の開始点に対応し、装置のAF可動域は、アクチュエータの入力電圧の範囲、すなわちYからGまでによって与えることができる。
【0019】
図4を再び参照すると、次にモード入力140(図1を参照されたい)を用いて、画像キャプチャ装置を高速モードで動作させるべきか、又は高解像度モードで動作させるべきか、又はファイン・モードで動作させるべきかを判断することができる。モード入力140が、高速モードを指示する場合は(ブロック420の「イエス」に進む)、AF動作400の残りの間、値「Y」に対応するレンズ位置より下の全ての指定されたPOIは無視される(ブロック425)。この結果、AF動作400は、C、D、E、F及びGのアクチュエータ入力に対応するレンズの場所におけるコントラストについて画像を評価する(ブロック430)。従って、高速モードにおいては、AF動作400は、指定された7つの場所ではなく5つの場所のみにおいて画像を評価する。これにより、AF動作が著しくスピードアップできることが分かった。(実際に評価される場所の数は、測定された配向によって決まることが理解されるであろう。)このことは、レンズ105を最小のアクチュエータ入力と関連した場所に調節する必要がないときに、特に当てはまる。これは、機械的停止部120の存在により、機械的リンギング又は損傷を回避するために、レンズ組立体105を、アクチュエータ入力Aに対応する場所において及びその付近でよりゆっくりと移動させることを必要とするからである。他方、モード入力140が、高速モードを用いるべきではないと指示する場合は(ブロック420の「いいえ」に進む)、指定された数の場所(7)を、残りの可動域、即ちCからGまでにわたって再分布させることができる(ブロック435)。実際には、画像を評価するためのレンズ位置の数は、7つより少なくても、又は多くてもよい。さらに、位置は、任意の所望の方法で、即ち、図5に示されるように均等に、又は、特定の画像キャプチャ装置の特性にとって有利であり得る他の方法で、可動域にわたって分布させることができる。ブロック435に従った行為の効果は、その可動域にわたって通常用いられるよりも、より小さい可動域全体にわたって、より多くのAFの場所を提供することである。これにより、AF動作の解像度の向上がもたらされる。
【0020】
ここで図6を参照すると、一実施形態による、例証的な多機能装置600の簡略化された機能ブロック図が示される。多機能電子装置600は、プロセッサ605、ディスプレイ610、ユーザ・インターフェース615、グラフィックス・ハードウェア620、装置センサ625(例えば、近接センサ/周辺光センサ、加速度計及び/又はジャイロスコープ)、マイクロフォン630、音声コーデック635、スピーカ640、通信回路645、デジタル画像キャプチャ・ユニット650(例えば、自動焦点ユニット100を含む)、映像コーデック655、メモリ660、ストレージ・デバイス665及び通信バス670を含むことができる。多機能電子装置600は、例えば、デジタル・カメラ、又は、携帯情報端末(PDA)、個人用音楽プレーヤ、携帯電話若しくはタブレット型コンピュータのような個人用電子装置とすることができる。
【0021】
プロセッサ605は、装置600によって実行される多くの機能の動作(例えば、画像の生成及び/又は処理のような)を実行又は制御するために必要な命令を実行することができる。プロセッサ605は、例えば、ディスプレイ610を駆動し、ユーザ・インターフェース615からユーザ入力を受け取ることができる。ユーザ・インターフェース615は、ユーザが装置600と対話することを可能にする。例えば、ユーザ・インターフェース615は、ボタン、キーパッド、ダイヤル、クリック・ホイール、キーボード、ディスプレイ画面、及び/又はタッチ・スクリーンといった種々の形態を取ることができる。プロセッサ605はまた、例えば、携帯機器内に見られるようなシステム・オン・チップとすることもでき、専用のグラフィックス処理ユニット(GPU)を含むことができる。プロセッサ605は、縮小命令セット・コンピュータ(RISC)若しくは複数命令セット・コンピュータ(CISC)のアーキテクチャ、又はいずれかの他の適切なアーキテクチャに基づくことができ、1つ又はそれ以上の処理コアを含むことができる。グラフィックス・ハードウェア620は、グラフィックを処理するため、及び/又は、グラフィック情報の処理のためにプロセッサ605を支援するための専用計算ハードウェアとすることができる。一実施形態においては、グラフィックス・ハードウェア620は、プログラマブル・グラフィックス処理ユニット(GPU)を含むことができる。
【0022】
センサ及びカメラ回路650は、少なくとも部分的に、映像コーデック655及び/又はプロセッサ605及び/又はグラフィックス・ハードウェア620、及び/又は、回路650内部に組み込まれた専用画像処理ユニットによって処理することができる、スチール写真及びビデオ画像をキャプチャすることができる。このようにキャプチャされた画像は、メモリ660及び/又はストレージ665内に格納することができる。メモリ660は、装置の機能を実行するために、プロセッサ605及びグラフィックス・ハードウェア620により用いられる1つ又はそれ以上の異なるタイプの媒体を含むことができる。例えば、メモリ660は、メモリ・キャッシュ、読み出し専用メモリ(ROM)及び/又はランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含むことができる。ストレージ665は、媒体(例えば、音声、画像及び映像ファイル)、コンピュータ・プログラム命令又はソフトウェア、基本設定情報、デバイス・プロファイル情報、及びいずれかの他の適切なデータを格納することができる。ストレージ665は、例えば、磁気ディスク(固定、フロッピー(登録商標)及び取り外し可能な)及びテープ、CD−ROM及びデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)のような光媒体、並びに、電気的プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)及び電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)のような半導体メモリ・デバイスを含む、1つ又はそれ以上の非一時的ストレージ媒体を含むことができる。メモリ660及びストレージ665を用いて、1つ又はそれ以上のモジュール内に編成され、いずれかの所望のコンピュータ・プログラミング言語で書かれたコンピュータ・プログラム命令又はコードを具体的に保持することができる。例えばプロセッサ605によって実行されたとき、このようなコンピュータ・プログラム・コードは、本明細書で説明された方法の1つ又はそれ以上を実施することができる。
【0023】
以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、材料、コンポーネント、回路素子、並びに、示された動作方法の詳細における種々の変更が可能である。例えば、自動焦点動作が、連続した画像内の対応する点の間の相対的な鮮鋭度(コントラスト)に関して説明されている。このように比較することができる画像内の点の数は、1つから多数(例えば45個)まで変化し得ることが認識されるであろう。図7を参照すると、1つの例証的な自動焦点動作は、異なる時間にキャプチャされた画像(時間t1における画像1と時間t2における画像2との)間の5つの点を比較する。自動焦点動作はまた、点の集合(例えば、ピクセル)に基づいて総コントラスト値を求め、これにより、比較することができる領域を形成することもできる。このことは、単一のコントラスト値を、画像1内の領域1(画像の中心におけるそれらの点又はピクセルを含む)について求め、画像2の領域A内のそれらの点から求められた単一のコントラスト値と比較することができる、図8に示される。同様に、画像1の領域2内の全てのそれらの点(領域1内にはない全てのそれらの点)を組み合わせて(設計者の目的及び/又は要件を満たすのに適切な任意の方法で)、画像2の領域Bについて求められた同様の値と比較することができる。図7及び図8に示される場所及び領域は、単なる例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。
【0024】
別の設計の選択肢は、モード入力140の使用であり得る。この入力は、ユーザにより選択可能としてもよいし、又は、設計者の目的に従って固定されたものでもよい。この後者の手法による実施形態においては、配向センサ135が、画像キャプチャ装置が水平面から指定された角度よりも大きく傾いていることを示す場合は、高速モードを自動的に選択することができる。例えば、配向センサ135が、装置は少なくともX°だけ(水平面から)上方に角度が付けられていること、又は、Y°よりも大きく下方に角度が付けられていることを示す場合は、高速モードを自動的に呼び出すことができる。特定の角度「X」及び「Y」は、設計者によって選択することができ、同じであっても(例えば40°)又は異なるものであっても(例えば、X=50°、及びY=40°)よい。
【0025】
実際には、上記で示唆したような単一のレンズではなく、複数のレンズを用いることが有利であることが分かっている。従って、レンズ105は、例えば、2つから7つまでの個別のレンズ要素を有することができるレンズ組立体を表すように理解することができる。さらに、関心点の数、及び、アクチュエータとしてのボイス・コイル・モータの使用は、単なる例示に過ぎない。無限遠から画像キャプチャ装置の焦点を合わせることができる最も近い点まで関心点を評価するものとして説明された自動焦点動作の配向も、同様である。最後に、上述の実施形態の変形は、互いに組み合わせて用いることができる。上記の説明を検討すればと、当業者には多くの他の実施形態が明らかになるであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することにより、このような特許請求の範囲が権利を有する同等物の完全な範囲と共に決定されるべきである。添付の特許請求の範囲においては、「含んでいる(including)」及び「その中で(in which)」という用語は、「含んでいる(comprising)」及び「そこで(wherein)」というそれぞれの用語平易な英語の同等物として用いられている。
【符号の説明】
【0026】
100:自動焦点(AF)システム
120a、120b、120c、120d:機械的停止部
600:多機能電子装置
670:通信バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大数の自動焦点関心点及び自動焦点の全可動域を有するデジタル画像キャプチャ装置のための自動焦点方法であって、
前記デジタル画像キャプチャ装置のセンサから信号を受け取ることと、
少なくとも部分的に前記信号に基づいて、前記デジタル画像キャプチャ装置の配向を判断することと、
少なくとも部分的に前記配向に基づいて、前記自動焦点の全可動域よりも小さい現在の自動焦点可動域を判断することと、
前記現在の自動焦点可動域及び自動焦点モードを用いて、自動焦点動作を実行することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記自動焦点動作を実行する行為は、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第1の自動焦点モードであるとき、前記最大数よりも少ない自動焦点関心点及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、前記自動焦点動作を実行し、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第2の自動焦点モードであるとき、前記最大数の自動焦点関心点、及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、前記自動焦点動作を実行する、
ことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配向が指定された角度よりも大きく水平面から離れていると判断された場合、前記第1の自動焦点モードが選択されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
最大数の自動焦点関心点、及び自動焦点の全可動域を有するデジタル画像キャプチャ装置のセンサから信号を受け取るためのコンピュータ・コードと、
少なくとも部分的に前記信号に基づいて、前記デジタル画像キャプチャ装置の配向を判断するためのコンピュータ・コードと、
少なくとも部分的に前記配向に基づいて、前記自動焦点の全可動域よりも小さい現在の自動焦点可動域を判断するためのコンピュータ・コードと、
前記現在の自動焦点可動域及び自動焦点モードを用いて、自動焦点動作を実行するためのコンピュータ・コードと
を含むことを特徴とする、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項5】
前記自動焦点動作を実行するためのコンピュータ・コードは、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第1の自動焦点モードであるとき、前記最大数よりも少ない自動焦点関心点、及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、前記自動焦点動作を実行するためのコンピュータ・コードと、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第2の自動焦点モードであるとき、前記最大数の自動焦点関心点、及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、前記自動焦点動作を実行するためのコンピュータ・コードと
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項6】
最大数の自動焦点関心点、及び自動焦点の全可動域を有するデジタル画像キャプチャ装置のための自動焦点方法であって、
前記デジタル画像キャプチャ装置のセンサから信号を受け取ることと、
少なくとも部分的に前記信号に基づいて、前記デジタル画像キャプチャ装置の配向を判断することと、
少なくとも部分的に前記配向に基づいて、前記自動焦点の全可動域よりも小さい現在の自動焦点可動域を判断することと、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第1の自動焦点モードであるとき、前記最大数よりも少ない自動焦点関心点、及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、自動焦点動作を実行することと、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第2の自動焦点モードであるとき、前記最大数の自動焦点関心点、及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、前記自動焦点動作を実行することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記信号を受け取る行為は、加速度計センサから信号を受け取ることを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記自動焦点の全可動域は、自動焦点動作中に前記デジタル画像キャプチャ装置のレンズ組立体が移動することができる最大可動域を表すことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記デジタル画像キャプチャ装置の配向を判断する行為は、前記デジタル画像キャプチャ装置が水平向きの配向であると判断することを含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記デジタル画像キャプチャ装置が水平向きの配向であることを判断する行為は、前記デジタル画像キャプチャ装置が、水平面からの指定された範囲内の角度で傾いていると判断することを含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタル画像キャプチャ装置が水平向きの配向であると判断されたとき、前記第2のモードが選択されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記デジタル画像キャプチャ装置が、前記水平向きの配向以外の配向であると判断されるとき、前記第1のモードが選択されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のモードを用いて自動焦点動作を実行する行為は、前記最大数の自動焦点関心点及び前記自動焦点の全可動域を用いて自動焦点動作を実行する行為よりも高速であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記自動焦点動作を実行する行為は、
シーンの第1の画像内の1つ又はそれ以上の場所の各々について自動焦点パラメータ値を求めることと、
前記第1の画像内の前記1つ又はそれ以上の場所に対応する、前記シーンの第2の画像内の各々の場所について自動焦点パラメータ値を求めることと、
前記第1の画像からの前記自動焦点パラメータ値を、前記第2の画像の前記対応する自動焦点パラメータ値と比較することと、
前記比較する行為に基づいて、前記デジタル画像キャプチャ装置のレンズの位置を調節することと、
を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
最大数の自動焦点関心点及び自動焦点の全可動域を有するデジタル画像キャプチャ装置のセンサから信号を受け取るためのコンピュータ・コードと、
少なくとも部分的に前記信号に基づいて、前記デジタル画像キャプチャ装置の配向を判断するためのコンピュータ・コードと、
少なくとも部分的に前記配向に基づいて、前記自動焦点の全可動域よりも小さい現在の自動焦点可動域を判断するためのコンピュータ・コードと、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第1の自動焦点モードであるとき、前記最大数よりも少ない自動焦点関心点及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、自動焦点動作を実行するためのコンピュータ・コードと、
前記デジタル画像キャプチャ装置が第2の自動焦点モードであるとき、前記最大数の自動焦点関心点及び前記現在の自動焦点可動域を用いて、前記自動焦点動作を実行するためのコンピュータ・コードと、
を含むことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記デジタル画像キャプチャ装置の配向を判断するための前記コンピュータ・コードは、前記デジタル画像キャプチャ装置が水平向きの配向であると判断するためのコンピュータ・コードを含むことを特徴とする、請求項15に記載の非一時的プログラム・ストレージ・デバイス。
【請求項17】
前記デジタル画像キャプチャ装置が水平向きの配向であると判断するための前記コンピュータ・コードは、前記デジタル画像キャプチャ装置が、水平面からの指定された範囲内の角度で傾いていると判断するためのコンピュータ・コードを含むことを特徴とする、請求項16に記載の非一時的プログラム・ストレージ・デバイス。
【請求項18】
前記自動焦点動作を実行するための前記コンピュータ・コードは、
シーンの第1の画像内の1つ又はそれ以上の場所の各々について自動焦点パラメータ値を求めるためのコンピュータ・コードと、
前記第1の画像内の前記1つ又はそれ以上の場所に対応する、前記シーンの第2の画像内の各々の場所について自動焦点パラメータ値を求めるためのコンピュータ・コードと、
前記第1の画像からの前記自動焦点パラメータ値を、前記第2の画像の前記対応する自動焦点パラメータ値と比較するためのコンピュータ・コードと、
前記比較する行為に基づいて、前記デジタル画像キャプチャ装置のレンズの位置を調節するためのコンピュータ・コードと、
を含むことを特徴とする、請求項15に記載の非一時的プログラム・ストレージ・デバイス。
【請求項19】
レンズ組立体と、
前記レンズ組立体に結合されたアクチュエータと、
前記レンズ組立体から光を受けるように構成されたデジタル画像センサと、
前記デジタル画像センサに作動的に結合されたメモリと、
配向センサと、
前記アクチュエータ、前記メモリ及び前記配向センサに作動的に結合されたプログラマブル制御ユニットと
を含み、前記メモリは、前記プログラマブル制御ユニットによって実行されるとき、請求項6に記載の方法を実行するコンピュータ・コードを含むことを特徴とする電子装置。
【請求項20】
前記レンズ組立体は、2つ又はそれ以上の個別のレンズ要素を含むことを特徴とする、請求項19に記載の電子装置。
【請求項21】
前記配向センサは加速度計を含むことを特徴とする、請求項19に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−73242(P2013−73242A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−230291(P2012−230291)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】