説明

半導体スイッチ回路

【課題】入出力端子におけるアイソレーション劣化を抑制可能とする。
【解決手段】
第1の入出力端子51と第2の入出力端子52間に第1の単位スイッチ101が、第1の入出力端子51と第3の入出力端子間53に第2の単位スイッチ102が、それぞれ設けられ、第2の入出力端子52とグランドとの間に第1のシャントスイッチ103及び第1のDCカットコンデンサ49が、第3の入出力端子53とグランドとの間に第2のシャントスイッチ104及び第2のDCカットコンデンサ50が、それぞれ直列接続され、第1及び第2の単位スイッチ101,102を構成する第1乃至第4のFET1〜4のゲート・ドレイン間には、それぞれ付加容量41〜44が接続されると共に、第1の単位スイッチ101に対して第1の端子間連絡用抵抗器31が、第2の単位スイッチ102に対して第2の端子間連絡用抵抗器32が、それぞれ並列接続されたものとなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波信号の切り替えを行う半導体スイッチ回路に係り、特に、アイソレーション特性の向上等を図ったものに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の半導体スイッチ回路の構成例として、例えば、図2に示されたような構成を有するものが知られている。
以下、図2を参照しつつ、かかる従来回路について説明することとする。
この半導体スイッチ回路は、2つの電界効果トランジスタが直列接続されてなる第1の単位スイッチSW1と、同じく2つの電界効果トランジスタが直列接続されてなる第2の単位スイッチSW2とが直列接続され、その相互の接続点に第1の入出力端子51Aが設けられると共に、第1の単位スイッチSW1の他方の端部には、第2の入出力端子52Aが、第2の単位スイッチSW2の他方の端部には、第3の入出力端子53Aが、それぞれ接続されて設けられたものとなっている。
【0003】
さらに、第2の入出力端子52Aとグランドとの間には、第1のシャントスイッチSW3が、第3の入出力端子53Aとグランドとの間には、第2のシャントスイッチSW4が、それぞれ設けられたものとなっている。
かかる構成においては、第1、第2の制御端子55A,56Aの電圧によって、第1の入出力端子51Aと第2の入出力端子52Aとの間、又は、第1の入出力端子51Aと第3の入出力端子53Aとの間のいずれか一方を選択的に導通状態とすることができるようになっている。
【0004】
このような従来回路においては、回路動作の線形性向上のために、各電界効果トランジスタのゲート・ドレイン間、ゲート・ソース間に容量が付加されたものとなっているが、その影響のため、例えば、第1の単位スイッチSW1がオン、第2の単位スイッチSW2がオフ状態にあって、第2の入出力端子52Aに入力される高周波信号の電力が大きくなるにしたがって、オフ状態にある第2の単位スイッチSW2のアイソレーション、すなわち、第2の単位スイッチSWの第3の入出力端子53A側の箇所(図2において、符号Bが付された箇所)におけるアイソレーション特性が劣化することがあった。
【0005】
この原因は、符号Bが付された箇所における電圧が、入力高周波信号のレベル上昇に伴い定常状態より上昇し、本来はオン状態であるべき第2のシャントスイッチSW4がオフ状態となることがあるためである。
このような問題に対しては、例えば、第1及び第2の入出力端子51A,52Aに、外部からのバイアス電圧を抵抗器を介して印加して、第1及び第2の入出力端子51A,52Aをバイアスし(図3参照)、また、第1及び第2の入出力端子51A,52Aとグランドとの間に、それぞれ抵抗器を設けて、第1及び第2の入出力端子51A,52Aをバイアス(図4参照)することにより、上述のような必要以上の電圧上昇を抑制し、アイソレーションの劣化を抑制していた。
なお、上述のような半導体スイッチ回路としては、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3等に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−8621号公報(第3−4頁、図1−図5)
【特許文献2】特開2005−323030号公報(第5−8頁、図1−図7)
【特許文献3】特開2003−188695号公報(第9−13頁、図1−図13)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図3に示す方法では、専用のバイアス端子56Aが新たに必要となり、集積化の際のデメリットとなる。また、図4に示す方法では、第1及び第2の入出力端子51A、52Aとグランドとの間に設けた抵抗器は、その抵抗値が小さくなるほど電圧上昇を抑制できることになるが、抵抗値を小さくすると線形性の劣化や消費電流増加といったデメリットが生じてしまう。そのため、実用上は、電圧上昇を十分に抑制することはできない。
【0008】
本発明は、上記実状に鑑みてなされたもので、大信号入力時の入出力端子における必要以上の電圧上昇を抑制するためのバイアス手段を設けることなく、入出力端子における電圧上昇とアイソレーション劣化を抑制可能とする半導体スイッチ回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記本発明の目的を達成するため、本発明に係る半導体スイッチ回路は、
第1の入出力端子と第2の入出力端子間に、複数の電界効果トランジスタが直列接続されてなる第1の単位スイッチが設けられ、
前記第1の入出力端子と第3の入出力端子間に、複数の電界効果トランジスタが直列接続されてなる第2の単位スイッチが設けられ、
前記第2の入出力端子とグランドとの間には、前記第2の入出力端子側から、前記第2の単位スイッチと共に導通状態とされる第1のシャントスイッチ及び第1のDCカットコンデンサが直列接続されて設けられ、
前記第3の入出力端子とグランドとの間には、前記第3の入出力端子側から、前記第1の単位スイッチと共に導通状態とされる第2のシャントスイッチ及び第2のDCカットコンデンサが直列接続されて設けられ、
前記第1乃至第3の入出力端子に接続する電界効果トランジスタのゲートと前記第1乃至第3の入出力端子のそれぞれとの間に、コンデンサが接続されてなる半導体スイッチ回路であって、
前記第1の単位スイッチに対して第1の端子間連絡用抵抗器が、前記第2の単位スイッチに対して第2の端子間連絡用抵抗器が、それぞれ並列接続されてなるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バイアス手段を設けることなく、大信号入力時に、オフ状態の入出力端子における電圧上昇が従来に比して格段に抑制されるため、大信号入力時におけるアイソレーションの劣化を防止し、従来に比してさらなるアイソレーション特性の改善を図ることができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の構成例を示す回路である。
【図2】従来の半導体スイッチの第1の回路構成例を示す回路図である。
【図3】従来の半導体スイッチの第2の回路構成例を示す回路図である。
【図4】従来の半導体スイッチの第3の回路構成例を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の入力電力に対する端子電圧の変化例を、従来回路の同様の変化例と共に示す特性線図である。
【図6】本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の入力電力に対するアイソレーションの変化例を、従来回路の同様の変化例と共に示す特性線図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図1、図5及び図6を参照しつつ説明する。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の構成について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路は、2つの単位スイッチ101,102の組合せによるSPDT(Single Pole Dual Throw)スイッチが構成されてなるもので、第1の入出力端子51と第2の入出力端子52との間、又は、第1の入出力端子51と第3の入出力端子53との間のいずれか一方を、選択的に導通状態として、高周波信号を通過せしめることができるよう構成されたものである。
【0013】
以下、具体的にその構成を説明すれば、まず、第1及び第2の単位スイッチ101,102は、直列接続されており、その相互の接続点に第1の入出力端子51が接続されて設けられる一方、第1の単位スイッチ101の他方の端部には、第2の入出力端子52が、また、第2の単位スイッチ102の他方の端部には、第3の入出力端子53が、それぞれ接続されて設けられたものとなっている。
【0014】
そして、第2の入出力端子52とグランドとの間には、第1のシャントスイッチ103が、また、第3の入出力端子53とグランドとの間には、第2のシャントスイッチ104が、それぞれ設けられたものとなっている。
第1の単位スイッチ101は、第1及び第2の電界効果トランジスタ(以下、「FET」と称する)1,2(図1においては、それぞれ「Q1」、「Q2」と表記)の直列接続により構成され、また、第2の単位スイッチ102は、第3及び第4の電界効果トランジスタ(以下、「FET」と称する)3,4(図1においては、それぞれ「Q3」、「Q4」と表記)の直列接続により構成されている。
【0015】
第1の単位スイッチ101においては、第1のFET1のソース(又はドレイン)と第2のFET2のドレイン(又はソース)が相互に接続され、また、同様に、第2の単位スイッチ102においては、第3のFET3のソース(又はドレイン)と第4のFET4のドレイン(又はソース)が相互に接続されたものとなっている。
そして、第1のFET1の他端、すなわち、ドレイン(又はソース)は、第3のFET3のドレイン(又はソース)と共に、第1の入出力端子51と接続されている。
また、第2のFET2の他端であるソース(又はドレイン)は、第2の入出力端子52に、第4のFET4の他端であるソース(又はドレイン)は、第3の入出力端子53に、それぞれ接続されている。
【0016】
また、第1のFET1のゲートは、第1のゲート抵抗器(図1においては「R21」と表記)21を介して、第2のFET2のゲートは、第2のゲート抵抗器(図1においては「R22」と表記)22を介して、共に第1の制御端子55に接続されている。
同様に、第3のFET3のゲートは、第3のゲート抵抗器(図1においては「R23」と表記)23を介して、また、第4のFET4のゲートは、第4のゲート抵抗器(図1においては「R24」と表記)24を介して、共に第2の制御端子56に接続されている。
【0017】
また、第1のFET1のドレイン・ソース間には、第1のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R11」と表記)11が、第2のFET2のドレイン・ソース間には、第2のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R12」と表記)12が、第3のFET3のドレイン・ソース間には、第3のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R13」と表記)13が、第4のFET4のドレイン・ソース間には、第4のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R14」と表記)14が、それぞれ接続されている。
【0018】
さらに、直列接続された第1及び第2のFET1,2に対して、第1の端子間連絡用抵抗器(図1においては「R31」と表記)31が、同様に、直列接続された第3及び第4のFET3,4に対して、第2の端子間連絡用抵抗器(図1においては「R32」と表記)32が、それぞれ並列接続されている。
また、第1のFET1のゲート・ドレイン(又はソース)間には、第1の付加容量(図1においては「C1」と表記)41が、第2のFET2のゲート・ソース(又はドレイン)間には、第2の付加容量(図1においては「C2」と表記)42が、第3のFET3のゲート・ドレイン(又はソース)間には、第3の付加容量(図1においては「C3」と表記)43が、第4のFET4のゲート・ソース(又はドレイン)間には、第4の付加容量(図1においては「C4」と表記)44が、それぞれ接続されている。
【0019】
一方、第1のシャントスイッチ103は、第5及び第6のFET(図1においては、それぞれ「Q5」、「Q6」と表記)5,6の直列接続により構成され、また、第2のシャントスイッチ104は、第7及び第8のFET(図1においては、それぞれ「Q7」、「Q8」と表記)7,8の直列接続により構成されている。
第1のシャントスイッチ103においては、第5のFET5のソース(又はドレイン)と第6のFET6のドレイン(又はソース)が相互に接続され、また、同様に、第2のシャントスイッチ104においては、第7のFET7のソース(又はドレイン)と第8のFET8のドレイン(又はソース)が相互に接続されたものとなっている。
【0020】
そして、第5のFET5の他端であるドレイン(又はソース)は、第2の入出力端子52に、第7のFET7の他端であるドレイン(又はソース)は、第3の入出力端子53に、それぞれ接続されている。
また、第6のFET5の他端であるソース(又はドレイン)は、第1のDCカットコンデンサ(図1においては「C9」と表記)49を介して、また、第8のFET8の他端であるソース(又はドレイン)は、第2のDCカットコンデンサ(図1においては「C10」と表記)50を介して、共にグランドに接続されている。
【0021】
また、第5のFET5のゲートは、第5のゲート抵抗器(図1においては「R25」と表記)25を介して、第6のFET6のゲートは、第6のゲート抵抗器(図1においては「R26」と表記)26を介して、共に第2の制御端子56に接続されている。
同様に、第7のFET7のゲートは、第7のゲート抵抗器(図1においては「R27」と表記)27を介して、第8のFET8のゲートは、第8のゲート抵抗器(図1においては「R28」と表記)28を介して、共に第1の制御端子55に接続されている。
【0022】
さらに、第5のFET5のドレイン・ソース間には、第5のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R15」と表記)15が、第6のFET6のドレイン・ソース間には、第6のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R16」と表記)16が、第7のFET7のドレイン・ソース間には、第7のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R17」と表記)17が、第8のFET8のドレイン・ソース間には、第8のドレイン・ソース間抵抗器(図1においては「R18」と表記)18が、それぞれ接続されている。
そして、第5のFET5のゲート・ドレイン(又はソース)間には、第5の付加容量(図1においては「C5」と表記)45が、第6のFET6のゲート・ソース(又はドレイン)間には、第6の付加容量(図1においては「C6」と表記)46が、第7のFET7のゲート・ドレイン(又はソース)間には、第7の付加容量(図1においては「C7」と表記)47が、第8のFET8のゲート・ソース(又はドレイン)間には、第8の付加容量(図1においては「C8」と表記)48が、それぞれ接続されている。
【0023】
次に、上記構成における回路動作について説明する。
まず、スイッチ回路としての基本的な動作は、この種の従来回路と同一であるので、概括的に説明することとする。
例えば、第1の入出力端子51と第2の入出力端子52間を導通状態とする場合には、第1の単位スイッチ101をオン、第2の単位スイッチ102をオフとすると共に、第1のシャントスイッチ103をオフ、第2のシャントスイッチ104をオンとすべく第1及び第2の制御端子55,56へそれぞれ所定の制御電圧を印加する。
その結果、第1の単位スイッチ101を介して第1の入出力端子51と第2の入出力端子52間が導通状態とされる一方、第2のシャントスイッチ104のオンにより第3の入出力端子53におけるアイソレーションが確保される。
【0024】
一方、第1の入出力端子51と第3の入出力端子53間を導通状態とする場合には、第1の単位スイッチ101をオフ、第2の単位スイッチ102をオンとすると共に、第1のシャントスイッチ103をオン、第2のシャントスイッチ104をオフとすべく第1及び第2の制御端子55,56へそれぞれ所定の制御電圧を印加する。
その結果、第2の単位スイッチ102を介して第1の入出力端子51と第3の入出力端子53間が導通状態とされる一方、第1のシャントスイッチ103のオンにより第2の入出力端子52におけるアイソレーションが確保される。
【0025】
本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路においては、従来と異なり、第1の単位スイッチ101と並列に第1の端子間連絡用抵抗器31が、第2の単位スイッチ102と並列に第2の端子間連絡用抵抗器32が、それぞれ設けられているため、上述のような動作の際に、従来と異なり、次述するような作用となる。
【0026】
すなわち、例えば、第1の入出力端子51と第2の入出力端子52間が導通状態とされる場合、図1のB点、すなわち、第3の入出力端子53における電圧上昇が抑制され、第1及び第2の入出力端子51,52間の通過信号のレベルが大となった場合に、第2のシャントスイッチ104が本来オン状態を維持すべきところオフ状態となるような従来回路と同様な不都合な動作が確実に回避されるものとなっている。
なお、第1の入出力端子51と第3の入出力端子53間が導通状態とされる場合も同様に、第2の入出力端子52における電圧上昇が抑制され、第1のシャントスイッチ103が本来オン状態を維持すべきところオフ状態となるような従来回路と同様な不都合な動作が確実に回避されるものとなっている。
第1の端子間連絡用抵抗器31、第2の端子間連絡用抵抗器32の抵抗値は、例えば、双方、同一の値に設定しても好適である。
【0027】
なお、第1のドレイン・ソース間抵抗器11、第2のドレイン・ソース間抵抗器12、第3のドレイン・ソース間抵抗器13、及び、第4のドレイン・ソース間抵抗器14については、上述の第1の端子間連絡用抵抗器31、第2の端子間連絡用抵抗器32による電圧上昇を抑制する作用は果たさない。これは、例えば、第1及び第2のFET1,2の相互の接続点、また、第3及び第4のFET3,4の相互の接続点(図1においては符号Cが付された点)の電圧自体がゲート・ドレイン間容量により上昇するためである。
また、第1及び第2のシャントスイッチ103,104については、第1の端子間連絡用抵抗器31、第2の端子間連絡用抵抗器32に相当する抵抗器を設ける必要は無い。これは、高周波信号の入力レベルが大となって、第6のFET6のソース(又はドレイン)と第1のDCカットコンデンサ49との接続点(図1の符号Eが付された点)の電圧、及び、第8のFET8のソース(又はドレイン)と第2のDCカットコンデンサ50との接続点(図1の符号Fが付された点)の電圧が上昇しても、回路動作に何ら悪影響を及ぼすことは無いためである。
【0028】
図5には、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の入力電力に対する端子電圧の変化のシミュレーション結果の一例を示す特性線が、従来回路の同様の特性線と共に示されており、また、図6には、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の入力電力に対するアイソレーションの変化のシミュレーション結果の一例を示す特性線が、従来回路の同様の特性線と共に示されており、以下、これらの特性線図について説明する。
【0029】
最初に、図5は、第1及び第2の入出力端子51,52間が導通状態の場合において、通過する高周波信号の入力電力(図5の横軸)の変化に対する第3の入出力端子53における端子電圧(図5の縦軸)の変化(図5の縦軸)のシミュレーション結果を示すものである。同図において、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の特性線は点線により、従来回路の特性線は実線により、それぞれ示されており、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の入出力端子における電圧上昇が、従来回路に比して格段に抑制されたものとなっていることが確認できる。
【0030】
次に、図6は、第1及び第2の入出力端子51,52間が導通状態の場合において、通過する高周波信号の入力電力(図6の横軸)の変化に対する第3の入出力端子53におけるアイソレーション(図6の縦軸)の変化のシミュレーション結果を示すものである。
同図において、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の特性線は点線により、従来回路の特性線は実線により、それぞれ示されており、本発明の実施の形態における半導体スイッチ回路の入出力端子におけるアイソレーションの劣化が、電圧上昇の抑制に伴い従来回路に比して格段に向上されたものとなっていることが確認できる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
アイソレーション特性のさらなる向上が所望される半導体スイッチ回路に適用できる。
【符号の説明】
【0032】
31…第1の端子間連絡用抵抗器
32…第2の端子間連絡用抵抗器
101…第1の単位スイッチ
102…第2の単位スイッチ
103…第1のシャントスイッチ
104…第2のシャントスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入出力端子と第2の入出力端子間に、複数の電界効果トランジスタが直列接続されてなる第1の単位スイッチが設けられ、
前記第1の入出力端子と第3の入出力端子間に、複数の電界効果トランジスタが直列接続されてなる第2の単位スイッチが設けられ、
前記第2の入出力端子とグランドとの間には、前記第2の入出力端子側から、前記第2の単位スイッチと共に導通状態とされる第1のシャントスイッチ及び第1のDCカットコンデンサが直列接続されて設けられ、
前記第3の入出力端子とグランドとの間には、前記第3の入出力端子側から、前記第1の単位スイッチと共に導通状態とされる第2のシャントスイッチ及び第2のDCカットコンデンサが直列接続されて設けられ、
前記第1乃至第3の入出力端子に接続する電界効果トランジスタのゲートと前記第1乃至第3の入出力端子のそれぞれとの間に、コンデンサが接続されてなる半導体スイッチ回路であって、
前記第1の単位スイッチに対して第1の端子間連絡用抵抗器が、前記第2の単位スイッチに対して第2の端子間連絡用抵抗器が、それぞれ並列接続されてなることを特徴とする半導体スイッチ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−186702(P2012−186702A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49100(P2011−49100)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000191238)新日本無線株式会社 (569)
【Fターム(参考)】