説明

半導体発光装置及びその製法並びに線状光源

半導体発光装置は、棒状の導光体(2)と、導光体(2)の両端部(2a)に且つ導光体(2)に対して直角に配置された金属製の一対の放熱板(4)と、導光体(2)に対向して一対の放熱板(4)の各々に固着された半導体発光素子(3)とを有する。また、線状光源は、放光面(2e)を有する棒状の導光体(2)と、導光体(2)の2つの端部(2a)の各々から導光体(2)内に光を導入する半導体発光素子(3)と、導光体(2)に設けられ且つ半導体発光素子(3)から導光体(2)内に導入された光を放光面(2e)を通じて導光体(2)の外部に反射させるハーフミラー層(20)とを有する。半導体発光装置及び線状光源により、半導体発光素子の点光源である光を略均一な輝度で発光する線状光に変換することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、半導体発光装置、特に半導体発光素子から照射される点状光を線状光に変換して放出する半導体発光装置に関する。
【背景技術】
冷陰極蛍光管(CCFL)をバックライト用光源とする透過型の液晶ディスプレイ(LCD)は公知である。このような液晶ディスプレイは、TVモニター、ノートパソコン及び携帯電話の液晶表示部等で幅広く使用されている。冷陰極蛍光管は、一対の外部リード間に電圧を印加すると、放電電極間に放電が発生し、ガラス管中の水銀は電気エネルギを受けて励起されて紫外線を発生する。ガラス管の内面の蛍光体層に紫外線が照射されると、紫外線で励起された蛍光体層は、蛍光体の種類により定められる波長の可視光を発し、ガラス管を通して可視光は外部に放出される。赤色光、緑色光、青色光の三原色光を発する三種の蛍光体を適当な比率で混合して蛍光体層に用いると、三種の蛍光体の発光が混色され、光三原色成分を持つ白色光を冷陰極蛍光管から発光することができる。
通常、液晶ディスプレイのバックライトとして用いられる冷陰極蛍光管は、青、緑、赤のそれぞれにシャープなピークを持つ発光スペクトルを示し、液晶ディスプレイの三原色画素を構成する青、緑、赤のカラーフィルタは、広範囲の透過スペクトルを有する。液晶ディスプレイでは、三原色の青、緑、赤を構成する各画素の透過光スペクトルは、冷陰極蛍光管の発光スペクトルで事実上決定され、カラーフィルタは、限界を特定できない大まかな範囲で光を濾波して、一画素の透過光スペクトル(例えば、赤)への他の二原色成分(例えば、緑と青)の混入を防止する役割を持つに過ぎないため、カラーフィルタの透過特性のみで色純度の高い色彩を表現することは困難である。ディスプレイの画質レベルの指標として、カラーテレビの放送方式であるNTSC(National Television System Committee、全国テレビジョン方式委員会)により規定される色度再現領域と比較することが一般的に行われているが、冷陰極蛍光管によって得られる白色光は、赤色成分及び緑色成分が不十分であり、特に、赤色の演色性が悪い難点を有し、冷陰極蛍光管による白色光をバックライト用光源とする液晶ディスプレイは、NTSCの規定を達成できず、鮮やかな赤色成分の光を表示することができない。
一方、冷陰極蛍光管に換えて発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子を利用する方法がバックライト用光源に試みられている。半導体発光素子は、管球式白色光源を構成する白熱電球、熱陰極蛍光管又は冷陰極蛍光管に比べて、機械的衝撃に強く、発熱量が少なく、高電圧印加が不要であり、高周波ノイズが発生せず、水銀を使わず環境に優しい等の優れた特性を有する。発光装置を液晶ディスプレイの縁部に配置する周知のサイドエッジ型バックライトに半導体発光素子を適用する例では、アクリル樹脂等の光透過性樹脂により形成された透明な導光板の側端面に向けて複数の半導体発光素子が配置される。半導体発光素子の光は、導光板の側端面から導光板内に入射されると共に導光板内で反射し、導光板の一面から外部に放光されて液晶パネルを背後から照らす(例えば、特開2002−43630号公報(第3頁及び第4頁、図1及び図3)を参照。)。
しかしながら、導光板の側端面に向けて複数の半導体発光素子を配置する従来の構造では、点光源である半導体発光素子は、均一な輝度で導光板の一面を面発光させることが困難で色調バランスが崩れる欠点を有する。
そこで、本発明は、点光源である半導体発光素子の光を略均一な輝度で発光する線状光に変換する半導体発光装置及びその製法並びに線状光源を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明による半導体発光装置は、棒状の導光体(2)と、導光体(2)の両端部(2a)に配置された金属製の一対の放熱板(4)と、導光体(2)に対向して一対の放熱板(4)の各々に固着された半導体発光素子(3)とを備えている。半導体発光素子(3)に大電流を流して半導体発光素子(3)から高輝度の光を放出する際に、半導体発光素子(3)の発光に伴う熱を放熱板(4)を通じて外部に放出できるので、半導体発光素子(3)を長時間継続して高輝度で点灯することができる。また、半導体発光素子(3)から放出する光を両端部(2a)から導光体(2)内に直接入射させて、光の漏洩量を最小限に制限して効率よく導光体(2)に半導体発光素子(3)からの光を導入できると共に、導光体(2)の外周面(2b)の長さ方向全面にわたり略均一な輝度で導光体(2)の外周面(2b)から外部に発光する線状光に変換することができる。従来の冷陰極蛍光管から放出される発光成分には赤色成分及び緑色成分は不十分であったが、半導体発光素子(3)の発光成分は、十分な量の赤色成分及び緑色成分を含むため、色調バランスの良い発光色で発光させることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による半導体発光装置の実施の形態を示す断面図
図2は、本発明による半導体発光装置の他の実施の形態を示す断面図
図3は、発光ダイオード装置を示す斜視図
図4は、リードフレーム組立体を示す平面図
図5は、段部を有するリフレクタを構成する半導体発光装置を示す断面図
図6は、略L字状に折曲された導光体を構成する半導体発光装置を示す断面図
図7は、一部に光反射膜を形成した導光体を示す斜視図
図8は、外付リフレクタにより包囲された導光体を示す斜視図
図9は、CIE表色系による色度再現性を示すグラフ
図10は、本発明による線状光源の実施の形態を示す断面図
図11は、本発明による線状光源の他の実施の形態を示す断面図
図12は、切断した導光体によりハーフミラー層を狭持して導光体にハーフミラー層を設ける方法を示す斜視図
図13は、切断した導光体の切断面に薄膜層を蒸着して導光体にハーフミラー層を設ける方法を示す斜視図
図14は、一対の全反射ミラー層に対して二対のハーフミラー層を設けた線状光源を示す断面図
図15は、略L字状に折曲された導光体を構成する線状光源を示す断面図
図16は、一部に光反射膜を形成した導光体を示す斜視図
図17は、外付リフレクタにより包囲された導光体を示す斜視図
図18は、段部を有するリフレクタを構成する線状光源を示す断面図
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明による半導体発光装置及びその製法の実施の形態を図1〜図8について説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の一実施の形態の半導体発光装置は、棒状の導光体(2)と、導光体(2)の両端部(2a)に且つ導光体(2)に対して直角に配置された金属製の一対の放熱板(4)と、導光体(2)に対向して放熱板(4)に固着された半導体発光素子としての発光ダイオードチップ(3)とを備える。導光体(2)は、透明又は半透明のガラス又はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂若しくはポリカーボネート樹脂等の導光性樹脂により形成される。また、図1は空洞部(2d)を有する中空円筒状に形成された導光体(2)を備える半導体発光装置(1)を示し、図2は空洞部の無い中実円柱状に形成された導光体(2)を備える半導体発光装置(1)を示す。円筒状に形成された導光体(2)の空洞部(2d)には、例えば、空気又は窒素等の気体が充填される。しかしながら、透明又は半透明のゲル状又は固体の樹脂を空洞部(2d)に配置又は充填してもよい。
導光体(2)の両端部(2a)には、放熱板(4)及び放熱板(4)に固着される発光ダイオードチップ(3)を備える発光ダイオード装置(1a)が一対に形成される。本実施の形態の発光ダイオード装置(1a)は、図3に示すように、円形状の凹部(4c)が形成された金属製の放熱板(4)と、放熱板(4)に対し電気的に非接続状態にて放熱板(4)の凹部(4c)内に固着され且つ導光体(2)に向かって徐々に拡大する円錐状の傾斜した内面(5a)を有する光反射性のリフレクタ(5)と、放熱板(4)に対し電気的に接続された一方の電極(下面電極)を有し且つリフレクタ(5)の内面(5a)に囲まれた内部空洞(5d)内で放熱板(4)の凹部(4c)上に固着された発光ダイオードチップ(3)とを備える。
図3に示すように、更に発光ダイオード装置(1a)は、放熱板(4)に電気的に接続された第1の外部リード(9a)と、発光ダイオードチップ(3)の他方の電極(上面電極)に電気的に接続された第2の外部リード(9b)と、発光ダイオードチップ(3)と第2の外部リード(9b)とを電気的に接続するリード細線(10)と、放熱板(4)の側面(4b)及び一方の主面(4a)、リフレクタ(5)の側面(5b)、外部リード(9)の内端部(9a)を被覆する封止樹脂(7)と、リフレクタ(5)の内部空洞(5d)を覆ってリフレクタ(5)の上面(5c)を被覆するレンズ部(11)とを備える(図1)。
放熱板(4)は、熱伝導率190kcal/mh℃以上の銅、アルミニウム、銅合金又はアルミニウム合金等の金属により形成され、リフレクタ(5)は、放熱板(4)を構成する金属と同一の導電性金属により形成される。発光ダイオードチップ(3)に100mA程度の大電流を流して発光ダイオードチップ(3)から高輝度の光を放出するときに、発光ダイオードチップ(3)から発生する熱を放熱板(4)及びリフレクタ(5)を通じて外部に放出して、発光ダイオードチップ(3)を長時間継続して高輝度で点灯することができる。
リフレクタ(5)は、放熱板(4)の凹部(4c)内で位置決めされ、例えば熱硬化性エポキシ樹脂等の絶縁性接着剤(12)により放熱板(4)に接着され、リフレクタ(5)の内部空洞(5d)内には、放熱板(4)の一方の主面(4a)が露出する。リフレクタ(5)の内部空洞(5d)の最小内径は、発光ダイオードチップ(3)の幅(辺長)よりも大きく、リフレクタ(5)の内部空洞(5d)内に露出する放熱板(4)の一方の主面(4a)に導電性接着剤(13)によって発光ダイオードチップ(3)を固着するとき、リフレクタ(5)の内面(5a)により発光ダイオードチップ(3)を包囲することができる。リフレクタ(5)により、発光ダイオードチップ(3)は、高出力で輝度均一性の良い発光を行うことができる。本実施の形態のリフレクタ(5)は、図3に示すように、中央部に円錐状の内部空洞(5d)を有し且つ全体的に円柱状に形成された本体部(5f)と、内部空洞(5d)から側面(5b)まで貫通して発光ダイオードチップ(3)と第2の外部リード(9b)との間に直線状に形成された切欠部(5e)とを有する。リード細線(10)は、切欠部(5e)を通り発光ダイオードチップ(3)と第2の外部リード(9b)とに接続される。また、樹脂封止体(7)は、エポキシ等の熱硬化性樹脂により形成される。レンズ部(11)は、光透過性樹脂により略半球状に形成されるが、発光ダイオードチップ(3)の外部に放出する光がリフレクタ(5)により十分に指向性を持てば、レンズ部(11)を省略してもよい。
図3に示す発光ダイオード装置(1a)を製造する際に、銅若しくはアルミニウム又はこれらの合金から形成される帯状金属によりプレス成形される図4に示すリードフレーム組立体(19)を準備する。リードフレーム組立体(19)は、一定の間隔で形成される開口部(19a)と、開口部(19a)内に突出する複数の外部リード(9)とを備えている。図4に示すように、開口部(19a)には円形状の凹部(4c)を有する放熱板(4)が形成される。次に、図3に示すように、絶縁性接着剤(12)を介して放熱板(4)の凹部(4c)内にリフレクタ(5)を接着する。別法として、リフレクタ(5)が一体に形成された放熱板(4)を準備してもよい。
続いて、周知のダイボンダを使用して、半田又は導電性ペースト等の導電性接着剤(13)によってリフレクタ(5)の内部空洞(5d)内に露出する放熱板(4)の凹部(4c)内で一方の主面(4a)上に発光ダイオードチップ(3)を固着する。その後、発光ダイオードチップ(3)の電極(8)と外部リード(9)とをリード細線(10)により電気的に接続し、放熱板(4)の側面(4b)及び一方の主面(4a)、リフレクタ(5)の側面(5b)、外部リード(9)の内端部(9a)を被覆する封止樹脂(7)を形成する。その後、棒状の導光体(2)の両端部(2a)を発光ダイオードチップ(3)に対向させてリフレクタ(5)に接合させる。
発光ダイオードチップ(3)を構成する周知の構造及び製法の説明は省略する。図示しないが、発光ダイオードチップ(3)は、半導体基板と、半導体基板の一方の主面と他方の主面にそれぞれ形成されたアノード電極とカソード電極とを備え、カソード電極は、放熱板(4)に電気的に接続される。また、周知のワイヤボンディング方法によって発光ダイオードチップ(3)の他方の電極と第2の外部リード(9b)とをリード細線(10)により接続する。次に、リードフレーム組立体(19)を図示しない成形型内に取り付け、周知のトランスファモールド法により放熱板(4)の側面(4b)及び一方の主面(4a)、リフレクタ(5)の側面(5b)、外部リード(9)の内端部(9a)を被覆する樹脂封止体(7)を形成する。このとき、リフレクタ(5)の上面(5c)が露出する封止樹脂(7)の上面には、導光体(2)の両端部(2a)を嵌合する環状凹部(7a)が形成される。しかしながら、樹脂封止体(7)の形成は、トランスファモールド法による形成に限定されず、周知のポッティング法により形成してもよい。発光ダイオード装置(1a)と導光体(2)とを予め所定の位置に配置し、ポッティング法によって樹脂封止体(7)を形成することで、発光ダイオード装置(1a)と導光体(2)の両端部(2a)とを樹脂封止体(7)により固着することも可能である。
次に、図1に示すように、円筒状の導光体(2)を使用する半導体発光装置(1)では、リフレクタ(5)の上面(5c)に光透過性樹脂から成るレンズ部(11)を貼着し、リードフレーム組立体(19)の不要な部分を除去して発光ダイオード装置(1a)が完成する。本実施の形態では切欠部(5e)を有するリフレクタ(5)を使用することで、切欠部(5e)を通じてリード細線(10)を配置し、リード細線(10)を短くして、第2の外部リード(9b)と発光ダイオードチップ(3)とを直線状に接続でき、接続を容易にすると共に、リード細線(10)の変形を防止することができる。また、リード細線(10)がリフレクタ(5)の上面(5c)を介さないために断線し難く、発光ダイオード装置(1a)の信頼性を向上することができる。更に、本実施の形態のリフレクタ(5)の構造によれば、リフレクタ(5)の内面(5a)の径を小さくしてリフレクタ(5)を小型化することができると共に、リフレクタ(5)の内面(5a)の径を小さく且つ高さを大きくできるので、光指向性及び正面輝度を向上できる。放熱板(4)及びリフレクタ(5)により発光ダイオードチップ(3)を包囲する構造により、水分等の外部からの異物の侵入を防止して、発光ダイオードチップ(3)の劣化を抑制し、信頼性の高い構造を実現できる。また、発光ダイオードチップ(3)と外部リード(9)との接続では、リード細線(10)を使用せずに、図示しないが、バンプチップ型の発光ダイオードチップにより行ってもよい。
図1及び図2に示すように、導光体(2)の両端部(2a)と発光ダイオード装置(1a)とは、放熱板(4)及びリフレクタ(5)を包囲する封止樹脂(7)に形成された環状凹部(7a)内に導光体(2)の両端部(2a)を嵌合して固定される。よって、半導体発光素子(3)から放出する光を両端部(2a)から導光体(2)内に直接入射させるので、光の漏洩量を最小限に制限して効率よく導光体(2)に半導体発光素子(3)からの光を導入することができる。また、空洞部(2d)を有する導光体(2)では、図5に示すように、リフレクタ(5)の側面(5b)に段部(15)を設け、導光体(2)の両端部(2a)を段部(15)に当接させて導光体(2)の両端部(2a)と発光ダイオード装置(1a)とを固定してもよい。
本実施の形態の半導体発光装置(1)では、外部リード(9)に電流を印加して発光ダイオードチップ(3)を発光させると、発光ダイオードチップ(3)の光はリフレクタ(5)及びレンズ部(11)によって、高い指向性及び正面輝度で導光体(2)の両端部(2a)から導光体(2)内に入射される。リフレクタ(5)の円錐面は、発光ダイオードチップ(3)から放出された光をレンズ部(11)側に向けて良好に反射させる。図1に示す半導体発光装置(1)は、発光ダイオードチップ(3)から放出される光をレンズ部(11)を介して高い指向性で集束させるため、円錐面の底面に対する傾斜角度は30°以上に設定される。
本発明では、発光ダイオードチップ(3)から放出する光を両端部(2a)から導光体(2)内に入射させて、導光体(2)の外周面(2b)から導光体(2)の外部に放光させる。導光体(2)の両端部(2a)から導光体(2)内に入射された発光ダイオードチップ(3)の光は、その入射角度により発光ダイオードチップ(3)に近接する位置で導光体(2)の外部に放出され又は導光体(2)若しくは空洞部(2d)中で反射して導光体(2)の発光ダイオードチップ(3)から比較的離れた位置で導光体(2)の外部に放出される。半導体発光装置(1)は、棒状の導光体(2)の長さを適宜設定することで、導光体(2)の外周面(2b)から導出される発光ダイオードチップ(3)の光を導光体(2)の外周面(2b)の長さ方向全面にわたり略均一な輝度で発光させることができる。また、導光体(2)は、内部に光散乱材を混入してもよい。特に、空洞部(2d)の無い形状の導光体(2)では、光散乱材によって、より良好に導光体(2)の外周面(2b)の長さ方向全面にわたり発光させることができる。更に、空洞部(2d)を有する導光体(2)は、空洞部(2d)に樹脂等の物質を充填し、その中に光散乱材を混入させてもよい。また、導光体(2)は、図1及び図2に示す直線形状のみならず、図6に示すように、略L字状等の折曲された形状又は図示しない湾曲された形状に形成してもよい。
本発明では、図7に示すように、導光体(2)は導光体(2)の外周面(2b)又は内周面(2c)の少なくとも一部に光反射膜(6)を形成してもよい。この構成により、光反射膜(6)が形成されない放光部から光反射膜(6)で反射する光をより高輝度で放出させることができる。図7の導光体(2)は、中空円筒状に形成され、外周面(2b)の片側半分のみ金又はアルミニウム等の金属蒸着膜を設けている。導光体(2)内で生じた光は、一方の外周面(2b)で反射され他方の外周面(2b)に集中するので、導光体(2)の他方の外周面(2b)から取り出す光を増大させることができる。また、図8に示すように、導光体(2)と離間して設置され且つ導光体(2)を包囲する外付リフレクタ(14)を構成してもよい。外付リフレクタ(14)は、アルミニウム等の金属により形成され、光反射膜(6)と同様の効果を有する。
本発明による半導体発光装置は、例えば、液晶ディスプレイのバックライト用光源として使用することができる。図示しないが、導光板の側端面の幅方向に半導体発光装置(1)を単数又は長さ方向に複数本並べて配置し、半導体発光装置(1)の線状光を導光板の側端面から導光板内に入射させる。半導体発光装置(1)の線状光は、導光板内で反射され、導光板の一面から外部に放光されて液晶パネルを背後から照らす。本発明の半導体発光装置は、点状光ではなく線状光を導光板内に入射させて液晶パネルを背後から照らすので、輝度ムラを少なく良好に照らすことができる。本発明の半導体発光装置をバックライト用光源として使用するときは、例えば、青、緑、赤の半導体発光装置(1)を長さ方向に複数本並べて配置する。しかしながら、異なる色の半導体発光装置(1)を導光板の厚さ方向に複数本並べて配置してもよい。更に、1本の半導体発光装置(1)に異なる色の発光ダイオードを組み合わせて構成してもよい。導光体(2)の形状は、円筒状又は円柱状に限定されず、例えば、導光板の側端面の形状に合わせて、角筒状又は角柱状に形成することも可能である。本発明では、点光源である発光ダイオードの光を略均一な輝度で発光する線状光に変換し、均一な輝度で色調バランスよく導光板の一面を面発光させることができるので、バックライト用光源として良好に使用することができる。
更に、本発明の半導体発光装置は、従来の冷陰極蛍光管と組み合わせて使用してもよい。従来技術で述べたように、冷陰極蛍光管から放出される発光成分には赤色成分及び緑色成分は不十分であったが、発光ダイオードチップ(3)の発光成分は、十分な量の赤色成分及び緑色成分を含むため、色調バランスの良い発光色で発光させることができ、本発明の半導体発光装置を組み合わせることで冷陰極蛍光管の欠点を補うことができる。また、本発明の半導体発光装置をバックライト用光源に適用する場合には、液晶ディスプレイの縁部に発光装置を配置するサイドエッジ型のバックライトのみではなく、液晶パネルの下に発光装置を配置する周知の直下型バックライトとして使用してもよい。
本発明の実施の形態では、下記の作用効果が得られる。
[1] 点光源である発光ダイオードの光を導光体(2)により略均一な輝度で色調バランスよく発光する線状光に変換することができる。
[2] 発光ダイオードチップ(3)の発電を放熱板(4)及びリフレクタ(5)を通じて外部に放熱でき、発光ダイオードチップ(3)を長時間継続して高輝度で点灯することができる。
[3] 光の漏洩量を最小限に制限して半導体発光素子(3)から放出する光を両端部(2a)から導光体(2)内に効率よく直接入射させることができる。
[4] 長さを適宜設定できる棒状の導光体(2)の外周面(2b)の長さ方向全面にわたり略均一な輝度で発光させることができる。
[5] 冷陰極蛍光管と組み合わせて使用すれば、半導体発光装置(1)の発光により冷陰極蛍光管の発光成分を補うことができる。
[6] 導光体(2)の外周面(2b)又は内周面(2c)に形成された光反射膜(6)で反射する光を反射膜(6)のない放光部から高輝度で放出させることができる。
[7] リフレクタ(5)により、発光ダイオードチップ(3)は、高出力で輝度均一性の良い発光を行うことができる。
以下、液晶ディスプレイのバックライト用光源に適用する本発明による半導体発光装置の実施例を説明する。
円筒状の導光体(2)をガラスで形成し、空洞部(2d)に空気を充填して半導体発光装置(1)を作成した。発光ダイオードチップ(3)を流れる電流値を100mAに設定した。青色、緑色、赤色の光を放出する半導体発光装置(1)を組み合わせて液晶画面のバックライト用光源を構成した。その結果、略均一な輝度で発光する線状光により色調バランスよく導光板の一面を面発光させた。また、CIE(国際照明委員会)表色系による色度再現性により本発明と冷陰極蛍光管とを比較し、比較を表すグラフを図9に示す。図9のグラフは、色度再現領域を示し、馬蹄形状の領域では、16は緑色、17は赤色及び18は青色を示す。丸印プロットは、本発明による半導体発光装置の色度再現領域を示し、三角印プロットは、冷陰極蛍光管の色度再現領域を示し、プロット無しは、NTSCにより規定された色度再現領域を示す。図9に示すように、NTSCにより規定された色度再現領域に対して赤色成分及び緑色成分が不十分である冷陰極蛍光管に比べて、本発明による半導体発光装置は青色成分のみではなく、赤色成分及び緑色成分も十分であった。特に、従来の冷陰極蛍光管に欠ける赤色の演色性を得ることができ、NTSCの規定を達成できた。また、白色の冷陰極蛍光管に赤色の光を放出する半導体発光装置(1)を組み合わせても上記と同様の効果が得られた。更に、青色、緑色の冷陰極蛍光管と赤色の光を放出する半導体発光装置(1)とを組み合わせても上記と同様の効果が得られた。本発明では、ディスプレイの大きさに対して、半導体発光装置(1)を複数本組み合わせることで対応でき、大画面でも高出力で輝度均一性の良いバックライト光源を供給できた。よって、本発明の半導体発光素子は、単独又は冷陰極蛍光管と組み合わせて液晶ディスプレイのバックライト用光源として良好に使用できることが分かった。
次に、本発明による線状光源の実施の形態を図10〜図18について説明する。
図10及び図11に示すように、本発明の一実施の形態の線状光源(1)は、放光面(2e)を有する棒状の導光体(2)と、導光体(2)の2つの端部(2a)の各々から導光体(2)内に光を導入する半導体発光素子としての発光ダイオードチップ(3)と、導光体(2)に設けられ且つ発光ダイオードチップ(3)から導光体(2)内に導入された光を放光面(2e)を通じて導光体(2)の外部に反射させる一対のハーフミラー層(20)とを備える。
導光体(2)は、透明又は半透明のガラス又はエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂若しくはポリカーボネート樹脂等の導光性樹脂により形成される。また、図10は空洞部(2d)を有する中空円筒状に形成された導光体(2)を備える線状光源(1)を示し、図11は空洞部の無い中実円柱状に形成された導光体(2)を備える線状光源(1)を示す。円筒状に形成された導光体(2)の空洞部(2d)には、例えば、空気又は窒素等の気体が充填される。しかしながら、透明又は半透明のゲル状又は固体の樹脂を空洞部(2d)に配置又は充填してもよい。
ハーフミラー層(20)を構成するハーフミラーは、半透明鏡又は誘電体多層膜ミラーとも呼ばれ、真空蒸着法等の周知の製法により形成され、膜の屈折率、厚さ又は層数を変えることによる光の干渉及び吸収を利用し、特定の波長域の光を透過、反射及び吸収する。本実施の形態のハーフミラー層(20)は、光学膜厚が1/4波長の高屈折率の誘電体と低屈折率の誘電体とを繰返した誘電体多層膜であり、入射光の一部を透過し、他を反射する。例えば、ガラス基板上に二酸化チタン(TiO)の透光性の薄膜(高屈折率)と、二酸化珪素(SiO)の透光性の薄膜(低屈折率)とを交互に積層して反射鏡とすることにより中心波長を含む特定の領域で反射する構造を示す。ハーフミラー層(20)の構成は、誘電体薄膜に限定されず、金属薄膜を使用してもよいが、光の吸収が少ない誘電体薄膜を使用することが好ましい。
ハーフミラー層(20)は、図10及び図11に示すように、導光体(2)の中心線を交差して且つ中心線に対して一定角度傾斜して導光体(2)内に複数個設けられる。ハーフミラー層(20)により、発光ダイオードチップ(3)からの可視光を偏向して、導光体(2)の放光面(2e)の長さ方向全面にわたりより均一な輝度で発光させることができる。本発明では、板状に形成したハーフミラー層(20)を導光体(2)の複数のブロック(2g)間に狭持する。本実施の形態の線状光源(1)では、図12に示すように、棒状の導光体(2)を外周面(2b)に対し傾斜状に切断し、円盤状に形成されたハーフミラー層(20)を導光体(2)の切断面(2f)で狭持してハーフミラー層(20)と切断面(2f)とを固着することで導光体(2)を形成する。図示しないが、導光体(2)を切断せずに、導光体(2)に傾斜した溝部を設け、溝部に円盤状のハーフミラー層(20)を挿着させてもよい。
また、本発明のハーフミラー層(20)を有する導光体(2)の別の構造では、導光体(2)の複数のブロック(2g)に形成された少なくとも一方の傾斜面にハーフミラー層(20)が蒸着により形成され、ブロック(2g)の傾斜面を互いに当接させる。図13に示すように、中実円柱状に形成された導光体(2)を傾斜状に切断し、一方の切断面(2f)に誘電体薄膜又は金属薄膜を蒸着してハーフミラー層(20)を形成し、薄膜の蒸着後に導光体(2)の切断面(2f)を固着して導光体(2)を形成する。導光体(2)に設けられるハーフミラー層(20)の設置角度は、導光体(2)の放光面(2e)から発光ダイオードチップ(3)の可視光が均一な輝度で放光されるように、導光体(2)の寸法並びにハーフミラー層(20)の個数及び配置位置の設定と共に適宜決定される。
更に、本発明の線状光源は、ハーフミラー層(20)を透過した光を放光面(2e)を通じて導光体(2)の外部に反射させる全反射ミラー層(21)をハーフミラー層(20)の内側で導光体(2)内に設ける。全反射ミラー層(21)は、例えば、ガラス板に銀をめっきして形成され、前述したハーフミラー層(20)と同様の方法で導光体(2)に設けられる。全反射ミラー層(21)は、一対のハーフミラー層(20)に対して導光体(2)の中央側に一対に設けられ、導光体(2)の中央側で発光ダイオードチップ(3)から導光体(2)の放光面(2e)に照射される可視光の量を増加することができる。本実施の形態では、ハーフミラー層(20)及び全反射ミラー層(21)は、導光体(2)内で、発光ダイオードチップ(3)及び導光体(2)の外周面(2b)に対して傾斜して設置される。図10及び図11に示す線状光源(1)では、ハーフミラー層(20)及び全反射ミラー層(21)の設置角度は導光体(2)の中心軸に対する角度θをθ=45°に設定し、発光ダイオードチップ(3)から放射される可視光を導光体(2)の放光面(2e)に対して略垂直方向に放出する。しかしながら、ハーフミラー層(20)及び全反射ミラー層(21)は、図10及び図11に示すように、同じ角度で導光体(2)に設置してもよいが、異なる角度で設置してもよい。導光体(2)の2つの端部(2a)から導入された発光ダイオードチップ(3)の光は、ハーフミラー層(20)により反射され又はハーフミラー層(20)を透過した後に全反射ミラー層(21)に反射されて、放光面(2e)を通じて導光体(2)の外部に放光される。
また、図10及び図11の線状光源(1)は、ハーフミラー層(20)及び全反射ミラー層(21)が導光体(2)内に一対ずつ設けられるが、図14に示すように、一対の全反射ミラー層(21)に対してハーフミラー層(20)を二対又は更に多数設けてもよい。この場合、ハーフミラー層(20)は、発光ダイオードチップ(3)に近接するに従い光反射率は低く且つ光透過率は高く設定することができる。発光ダイオードチップ(3)の光は、導光体(2)の長さ方向に進むに従って輝度が低下するが、ハーフミラー(20)を発光ダイオードチップ(3)に近接するに従い反射率を低く且つ透過率を高く設定すると、発光ダイオードチップ(3)から近いハーフミラー(20a)と発光ダイオードチップ(3)から遠いハーフミラー(20b)との反射する光の光量差を低減し、より均一な輝度で発光ダイオードチップ(3)の光を導光体(2)の外部に放光させることができる。
図10及び図11に示す直線形状のみならず、図15に示すように、略L字状等の折曲された形状又は図示しない湾曲形状に導光体(2)を形成してもよい。図15に示す略L字状の線状光源(1)では、ハーフミラー層(20)の光反射率及び光透過率の設定又は複数のハーフミラー層(20)及び全反射ミラー層(21)の離間距離若しくは設置角度を適宜設定することにより折曲した導光体(2)の放光面(2e)から放光される可視光量のバランスをとり又は調整することができる。本実施の形態の線状光源(1)では、図16に示すように、導光体(2)は導光体(2)の外周面(2b)又は内周面(2c)の少なくとも一部に光反射膜(6)を形成してもよい。この構成により、光反射膜(6)が形成されない放光面(2e)から光反射膜(6)で反射する光をより高輝度で放出させることができる。図16の導光体(2)は、中空円筒状に形成され、外周面(2b)の片側半分のみ金又はアルミニウム等の金属蒸着膜を設けている。導光体(2)内で生じた光は、光反射膜(6)で反射され放光面(2e)に集中するので、導光体(2)の放光面(2e)から取り出す光を増大させることができる。また、図17に示すように、導光体(2)と離間して設置され且つ導光体(2)を包囲する外付リフレクタ(14)を構成してもよい。外付リフレクタ(14)は、アルミニウム等の金属又は白色樹脂等の非金属により形成され、光反射膜(6)と同様の効果を有する。
本実施の形態では、導光体(2)の2つの端部(2a)に発光ダイオード装置(1a)が設けられる。発光ダイオード装置(1a)は、前述した半導体発光装置(1)の図3及び図4に示す発光ダイオード装置(1a)及びその製法と同一とする。図10及び図11に示すように、導光体(2)の端部(2a)と発光ダイオード装置(1a)とは、放熱板(4)及びリフレクタ(5)を包囲する封止樹脂(7)に形成された環状凹部(7a)内に導光体(2)の端部(2a)を嵌合して固定される。よって、発光ダイオードチップ(3)から放出する光を2つの端部(2a)から導光体(2)内に直接入射させ、光の漏洩量を最小限に制限して効率よく導光体(2)に発光ダイオードチップ(3)からの光を導入することができる。また、空洞部(2d)を有する導光体(2)では、図18に示すように、リフレクタ(5)の側面(5b)に段部(15)を設け、導光体(2)の端部(2a)を段部(15)に当接させて導光体(2)の端部(2a)と発光ダイオード装置(1a)とを固定してもよい。
本発明の構造では、発光ダイオードチップ(3)から放出する可視光を2つの端部(2a)から導光体(2)内に直接入射させ、光の漏洩量を最小限に制限して発光ダイオードチップ(3)から可視光を導光体(2)内に効率よく導入する。この場合に、発光ダイオードチップ(3)は、直接又は内面(5a)で反射した後、導光体(2)の長さ方向と略平行に導光体(2)内に可視光を入射させる点光源に近いため、発光ダイオードチップ(3)から導光体(2)の放光面(2e)に直接照射される可視光の量は極めて少ない。しかしながら、本発明では、発光ダイオードチップ(3)からの可視光をハーフミラー層(20)で反射させることにより、導光体(2)の放光面(2e)の全面にわたり略均一な輝度で可視光を線状光源として発光させる。
本発明による線状光源は、例えば、液晶ディスプレイのバックライト用光源として使用することができ、前述した半導体発光装置(1)と同様の使用が可能である。更に、導光体(2)の内周面(2c)に蛍光体膜を塗布する又は導光体(2)の内部に蛍光体を混入させて発光ダイオードチップ(3)から発光された光を蛍光体によって波長変更して導光体(2)の外部に放出することもできる。この場合、発光ダイオードチップ(3)に青色LEDチップ又は紫外線LEDチップを使用することにより、白色光を放出することができる。
本発明の実施の形態では、下記の作用効果が得られる。
[1] 発光ダイオードチップ(3)からの可視光をハーフミラー層(20)で反射させることにより、発光ダイオードチップ(3)から導光体(2)の放光面(2e)に照射される可視光の量を増加することができる。
[2] 点光源である発光ダイオードの光を導光体(2)内でハーフミラー層(20)により反射させて略均一な輝度で色調バランスよく発光する線状光に変換することができる。
[3] 光の漏洩量を最小限に制限して発光ダイオードチップ(3)から放出する光を2つの端部(2a)から導光体(2)内に効率よく直接入射させることができる。
[4] ハーフミラー層(20)を発光ダイオードチップ(3)に近接するに従い光反射率を低く且つ光透過率を高く設定して、複数のハーフミラー層(20)の反射する光の光量差を低減して均一な輝度で発光ダイオードチップ(3)の可視光を導光体(2)の外部に放光させることができる。
[5] 一対のハーフミラー層(20)に対して導光体(2)の中央側に一対に設けられる全反射ミラー層(21)により、導光体(2)の中央側で発光ダイオードチップ(3)から導光体(2)の放光面(2e)に照射される可視光の量を増加することができる。
[6] 冷陰極蛍光管と組み合わせて使用すれば、線状光源(1)の発光により冷陰極蛍光管の発光成分を補うことができる。
以下、液晶ディスプレイのバックライト用光源に適用する本発明による線状光源の実施例を説明する。
ガラスで形成した円筒状の導光体(2)と、発光ダイオードチップ(3)及び導光体(2)の放光面(2e)に対して45°の傾斜角度で導光体(2)内に一対に設けられたハーフミラー層(20)と、一対のハーフミラー層(20)に対して導光体(2)の中央側で且つハーフミラー層(20)と同様の傾斜角度で導光体(2)内に一対に設けられた全反射ミラー層(21)とを備えた線状光源(1)を作成した。発光ダイオードチップ(3)を流れる電流値を100mAに設定した。青色、緑色、赤色の光を放出する線状光源(1)を組み合わせて液晶画面のバックライト用光源を構成した。その結果、導光体(2)の2つの端部(2a)から入射された発光ダイオードチップ(3)の点状光は、ハーフミラー層(20)及び全反射ミラー層(21)により導光体(2)の放光面(2e)に照射され、放光面(2e)は高輝度でムラのない略均一な輝度で発光した。線状光源(1)の線状光により色調バランスよく導光板の一面を面発光させた。また、作成した線状光源(1)は、赤色成分及び緑色成分も十分得られ、図9に示す半導体発光装置(1)と冷陰極蛍光管との比較のグラフと同様にNTSCの規定を達成できた。更に、前述した半導体発光装置(1)と同様に線状光源(1)と冷陰極蛍光管とを組み合わせても同様の効果が得られた。よって、本発明の線状光源(1)は、単独又は冷陰極蛍光管と組み合わせて液晶ディスプレイのバックライト用光源として良好に使用できることが判明した。
以上のように、本発明による半導体装置及び線状光源によれば、十分な量の赤色成分及び緑色成分を含む色調バランスの良い発光色で、略均一な輝度の線状光を発光することができる。
【産業上の利用の可能性】
本発明による半導体装置及び線状光源は、液晶ディスプレイのバックライト用光源に良好に適用できる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の導光体と、該導光体の両端部に配置された金属製の一対の放熱板と、前記導光体に対向して一対の前記放熱板の各々に固着された半導体発光素子とを備え、
前記半導体発光素子から放出する光を前記両端部から導光体内に入射させて、前記導光体の外周面から前記導光体の外部に放光させることを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記放熱板は、該放熱板の一方の主面に一体に形成され又は固着されたリフレクタを備え、該リフレクタは、前記導光体に向かって徐々に拡大する内面を有し、前記半導体発光素子は、前記リフレクタの内面により包囲される請求項1に記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記導光体の前記外周面又は内周面の少なくとも一部に光反射膜を形成した請求項1又は2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記導光体は、透明又は半透明のガラス又は樹脂により円筒状又は円柱状に形成され、前記放熱板を包囲する封止樹脂に形成された環状凹部内に前記導光体の両端部を嵌合した請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体発光装置。
【請求項5】
リフレクタを設けた放熱板を準備する工程と、
前記リフレクタの内側で前記放熱板の一方の主面上に半導体発光素子を固着する工程と、
前記半導体発光素子の電極と外部リードとをリード細線により電気的に接続する工程と、
前記放熱板の側面及び一方の主面、前記リフレクタの側面、前記外部リードの内端部を被覆する封止樹脂を形成する工程と、
棒状の導光体の両端部を前記半導体発光素子に対向させて前記リフレクタに接合する工程とを含むことを特徴とする半導体発光装置の製法。
【請求項6】
放光面を有する棒状の導光体と、該導光体の2つの端部の各々から前記導光体内に光を導入する半導体発光素子と、前記導光体に設けられ且つ前記半導体発光素子から前記導光体内に導入された光を前記放光面を通じて前記導光体の外部に反射させるハーフミラー層とを備えたことを特徴とする線状光源。
【請求項7】
前記ハーフミラー層は、前記導光体の中心線を交差して且つ該中心線に対して一定角度傾斜して前記導光体内に複数個設けられる請求項6に記載の線状光源。
【請求項8】
前記ハーフミラー層は、前記半導体発光素子に近接するに従い光反射率は低く且つ光透過率は高く設定される請求項7に記載の線状光源。
【請求項9】
前記ハーフミラー層を透過した光を前記放光面を通じて前記導光体の外部に反射させる全反射ミラー層を前記ハーフミラー層の内側で前記導光体内に設けた請求項6〜8の何れか1項に記載の線状光源。
【請求項10】
板状に形成した前記ハーフミラー層を前記導光体の複数のブロック間に狭持した請求項6〜9の何れか1項に記載の線状光源。
【請求項11】
前記導光体の複数のブロックに形成された少なくとも一方の傾斜面に前記ハーフミラー層が蒸着により形成され、前記ブロックの傾斜面を互いに当接させた請求項6〜9の何れか1項に記載の線状光源。

【国際公開番号】WO2004/055427
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【発行日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502481(P2005−502481)
【国際出願番号】PCT/JP2003/015242
【国際出願日】平成15年11月28日(2003.11.28)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】