半導体記憶装置
【課題】高品質な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310と、を備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板300の第1面上に形成された第1の配線325を有している。更にメモリカード1は、一端がメモリチップ210に接続され、他端が第1の配線325に接続される第1のワイヤ320と、一端がコントローラチップ310に接続され、他端が第1の配線325に接続される第2のワイヤ340と、を備える。そして、メモリカード1は第1の配線325が接続され、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部330を備えている。
【解決手段】半導体記憶装置1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310と、を備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板300の第1面上に形成された第1の配線325を有している。更にメモリカード1は、一端がメモリチップ210に接続され、他端が第1の配線325に接続される第1のワイヤ320と、一端がコントローラチップ310に接続され、他端が第1の配線325に接続される第2のワイヤ340と、を備える。そして、メモリカード1は第1の配線325が接続され、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部330を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリカードとして、SD(登録商標)カード(以下、SDカードと称する)が知られている。さらに、microSD(登録商標)カード(以下、microSDカードと称する)が存在する。microSDカードは、SDカードと動作や性能に関しては同一であり、他方、SDカードよりも小さなサイズを有する。SDカードと同様、microSDカードには、製品が遵守すべき様々な制約が仕様によって定められている。また、あらゆる製品にも当てはまるように、microSDカードについても、製品の信頼性が確保されるとともに、設計や製造が効率的に行なえることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−16004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高品質な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、メモリ回路を含んだメモリチップと、前記メモリチップを制御するコントローラチップと、対向する第1面および第2面を有し、前記第1面上に前記コントローラチップが搭載される回路基板と、前記回路基板の前記第1面上に形成された第1の配線と、一端が前記メモリチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第1のワイヤと、一端が前記コントローラチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第2のワイヤと、前記第1の配線が接続され、前記回路基板の前記第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態に係るメモリカードの基本的な外形を模式的に示した図である。
【図2】第1の実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図3】第1の実施形態に係るメモリカードの基板の基本的な配線構造を模式的に示した図である。
【図4】第1の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図5】第1の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図6】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図7】第2の実施形態に係るメモリカードの基板の基本的な配線構造を模式的に示した図である。
【図8】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図9】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図10】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図11】第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基板の基本的な配線構造を模式的に示した図である。
【図12】第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図13】第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図14】第2の実施形態の変形例2に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図15】第2の実施形態の変形例2に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図16】第3の実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図17】第3の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図18】第3の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図19】第3の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図20】第3の実施形態の変形例2に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の詳細を図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。参照符号を構成する数字の後ろのアルファベットは、同じ数字を含んだ参照符号によって参照され且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために用いられている。同じ数字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素は、数字のみを含んだ参照符号により参照される。例えば、参照符号1a、1bを付された要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素を包括的に参照符号1として参照する。
【0008】
図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0009】
以下の実施形態では、microSDカードを例としてメモリカードについて説明する。しかしながら、以下の記述におけるメモリカードは、microSDカードに限定されない。microSDカードに課せられる制約及び課題と、後述の課題とが課せられるメモリカード全てに、本明細書の記述が適用される。
【0010】
microSDカードは、主にサイズが異なることを除いて、SDカードと同じ特徴を有する。例えば、この2種類のカードは、いずれもメモリチップとこのメモリチップを制御するコントローラチップとを含んでいる。他方、SDカードはmicroSDカードよりも大きなサイズを有するので、SDカードに課せられている設計上の制約は、microSDカードに課せられている制約よりも緩い。すなわち、microSDカードの方が、SDカードよりも設計が困難である。このような背景の下でなされた実施形態について、以下で説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
<メモリカードの外形構造>
図1は、メモリカード1の外形の具体例を概略的に示している。図1に示すように、メモリカード1は、モールド樹脂(レジン)100を有する。レジン100は、後述の各チップおよび回路基板を封止している。回路基板は、対向する上面および下面(端子面)を有しており、端子面には、複数(8個を例示)の外部接続端子400が、メモリカード1の上辺に沿って配列されている。外部接続端子400は、導電性材料からなり、回路基板上に形成され、回路基板上にプリントされた導電性の配線(パタンとも呼ぶ)に接続されている。そして、外部接続端子400は、モールド樹脂100に覆われておらず、メモリカード1がホスト装置に挿入された際にホスト装置とメモリカード1とを電気的に接続する。外部接続端子400への信号の割り当てのmicroSDカードの規格に則った例では、外部接続端子400に、それぞれ、データ2(DAT2)、データ3(DAT3)、コマンド(CMD)、VDD、クロック(CLK)、VSS、(データ0(DAT0)、データ1(DAT1)が割り当てられている。尚、本実施形態において各信号の説明は省略する。
【0012】
<メモリカードの内部構造>
図2を用いて、本実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を概略的に説明する。図2は、本実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。図2に示すように、メモリカード1は、モールド樹脂(レジン)100、リードフレーム200、メモリチップ210、回路基板300、及びコントローラチップ310を有している。
【0013】
レジン100は、絶縁材料からなり、リードフレーム200及び回路基板300を覆うように封止している。
【0014】
リードフレーム200は、例えば金属板であり、例えばリードフレーム200a、200b、200c、200d、200e、200fの6枚に分かれている。リードフレーム200a〜200fは、絶縁体であるレジン100によってそれぞれ電気的に分離されている。本実施形態に係るリードフレーム200は6枚に別れているが、これに限らず、増減しても良い。尚、200a、200b、200c、200d、200e、200fは個別に電気的に分離されたリード(導体板)であるが、製造工程では当初一体のリードフレーム200から分離されたものなので便宜的にリードフレームと記載している。
【0015】
リードフレーム200a及び200b上にはメモリチップ210が接着層(図示せず)を介して配置されている。リードフレーム200c及び200dは、接着層301を介して回路基板300に接着されている。また、リードフレーム200c、200d、200e、及び200fについては、ここでは詳細に説明しないが、例えばメモリカード1を形成する際に用いるダミーのリードフレームである。
【0016】
また、メモリカード1のホスト機器(図示せず)への挿入方向(x軸に平行な方向)に沿ったリードフレーム200a、200b、200c、200dの辺において、メモリカード1の外側方向に突出する突起(部分)200a1、200b1、200c1、及び200d1(破線円内参照)が存在する。この部分200a1、200b1、200c1、及び200d1は、メモリカード1の外側(x軸方向に直交するy軸に平行な方向)に向かうにつれて先端が細くなっている。そのため、メモリカード1の外側からサージ,ESD(electro static discharge)が印加された場合でも、それから発生するサージ電流を低減することができる。また、この先端部はメモリカードの外側面よりも内側に位置している。そのため、メモリカードの外側面に導体が接した場合でも200a等と導通することがない。尚、これら、200a、200b、200c、200d、200e、200fとメモリカードの外側面との間はレジンで埋められていてもよく、空孔であっても良い。また、リードフレーム200a、200b、200c、200dは、それぞれ電気的に分離しているので、例えば部分200a1、及び200c1においてホスト機器の導電部と接触した場合においても、メモリカード1はショートしない。同様に、例えば部分200b1、及び200d1においてホスト機器の導電部と接触した場合においても、メモリカード1はショートしない。
【0017】
回路基板300上面にコントローラチップ310が配置されている。また、複数の外部接続端子400(図示せず)が、回路基板300の下面に配列されている。外部接続端子400は、導電性材料からなり、回路基板300下面に形成されている。そして、外部接続端子400は、回路基板300上にプリントされた導電性の配線を介して、コントローラチップ310に接続されている。
【0018】
また、回路基板300の一部が、接着層301を介してリードフレーム200a〜200dに接続されている。また、後述するように、回路基板300には、導電性の材料によって配線(図示せず)がプリントされている。尚、本実施形態によればリードフレーム200の一部が回路基板300に接着されているが、これに限らない。
【0019】
メモリチップ210は、任意のメモリチップを用いることができ、より具体的には、例えば、あらゆるタイプのNAND型フラッシュメモリチップが用いられることが可能である。また、メモリチップ210の上面にはメモリチップ210内の回路と電気的に接続されている複数の接続パッド211が設けられ、導電性のボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)320を介して、回路基板300上の接続パッド(導電部)325aに接続されている。
【0020】
コントローラチップ310は、メモリチップ210の動作を制御するためのものである。具体的には、外部からのコマンドに従って、メモリチップ210へのデータの書き込みや、メモリチップ210からのデータの読み出しや、メモリチップ210のデータの消去等を行ない、メモリチップ210によるデータの記憶状態を管理する。また、コントローラチップ310は、ホストインタフェース、MPU(micro processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、メモリインタフェース等を含んでいてもよい。また、コントローラチップ310の上面にはコントローラチップ310内の回路と電気的に接続されている複数の接続パッド311が設けられ、ワイヤ340を介して、回路基板300上の接続パッド(導電部)325cに接続されている。
【0021】
<回路基板の配線構造>
次に、図3を用いて、メモリチップ210とコントローラチップ310との接続について説明する。この図3は、回路基板300上の配線(パタン)を示し、導電性の配線を黒い部分で表現している。
【0022】
ワイヤ320は、回路基板300上の接続パッド(導電部)325aに接続されている。接続パッド325aは、回路基板300上の導電性の配線(導電部)325bに接続されている。
【0023】
ワイヤ340は、回路基板300上の接続パッド(導電部)325cに接続されている。接続パッド325cは、回路基板300上の導電性の配線325bに接続されている。
【0024】
ところで接続パッド325a、配線325b、接続パッド325cの組(以下、導電部325とも称す)は、メモリチップ210の複数の接続パッド211及びコントローラチップ310の複数の接続パッド311をそれぞれ接続するように、複数組用意されている。
【0025】
回路基板300には、回路基板300の上面から下面へと貫通しているスルーホール(開口部)に導電性の金属材料が埋め込まれたスルーホール部330が形成されている。そして、接続パッド325a、325cの間の配線325bに、スルーホール部330が接続されている。また、スルーホール部330は、外部接続端子400と電気的に分離するように配置されている。
【0026】
また、コントローラチップ310の上面には複数の接続パッド312が設けられ、導電性のボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)341を介して、回路基板300上の接続パッド(導電部)326aに接続されている。接続パッド326aは、回路基板300上の導電性の配線326bに接続されている。そして、配線326bは、外部接続端子400に電気的に接続されている。
【0027】
次に、図4、及び5を用いて、本実施形態に係るメモリカード1のx方向に沿った断面について説明する。なお、この図4、及び5は、複数も受けられた導電部325のうち、一つの導電部325における、メモリチップ210、コントローラチップ310、及びスルーホール部330の接続関係を示している。そのため、各部分の配置や大きさ等は模式的に表現されている。各部分のより正確な位置関係は、図2を参照されたい。
【0028】
図4に示すように、x軸方向に沿った回路基板300の端部近傍の上面に、膜厚が例えば数十nm程度の絶縁テープ材(例えば、LOC(Lead On Chip)用接着フィルムやダイボンディングフィルム、具体的には熱可塑性接着フィルム(主流はポリイミド系)など)からなる接着層301を介して、膜厚が例えば100〜150nm程度のリードフレーム200a、200b(以下、簡単の為リードフレーム200と表記する)が設けられている。また、リードフレーム200上には、膜厚が例えば数十nm程度の絶縁材料(DIEアタッチフィルム)からなる接着層205を介して、膜厚が例えば80〜100nm程度のメモリチップ210が設けられている。また、回路基板300上には、膜厚が例えば数十nm程度の絶縁材料(DIEアタッチフィルム)からなる接着層305を介して、膜厚が例えば100〜150nm程度のコントローラチップ310が設けられている。
【0029】
回路基板300には、それぞれが電気的に接続されている接続パッド325a、325c、及び配線325bが設けられている。そして、回路基板300には、上面及び下面を貫通するスルーホール(開口部)が形成され、このスルーホール内に金属材料が埋め込まれ、埋め込み部330aが形成されている。そして、回路基板300の下面及び埋め込み部330aの下方に、金属材料からなる下層部330bが形成されている。下層部330bは、埋め込み部330aに電気的に接続され、レジン100によって周囲を被膜されている。この埋め込み部330a及び下層部330bの組をここではスルーホール部330と称し、図3に示すように、スルーホール部330が複数ある場合は、各スルーホール部330は、各スルーホール間でショートしないように互いに電気的に分離されている。また、埋め込み部330aの上面は、配線325bに接続されている。そして、メモリチップ210の接続パッド211(図示せず)及び回路基板300の接続パッド325aは、Au材料によって形成されたワイヤ320によって電気的に接続され、コントローラチップ310の接続パッド311(図示せず)及び回路基板300の接続パッド325cは、Au材料によって形成されたワイヤ340によって電気的に接続されている。このように、メモリチップ210、ワイヤ320、導電部325、スルーホール部330、ワイヤ340、及びコントローラチップ310は、電気的に接続されている。
【0030】
そして、リードフレーム200、メモリチップ210、回路基板300、コントローラチップ、ワイヤ320、340、及びスルーホール部330は、絶縁性材料で形成されたレジン100に覆われている。
【0031】
また、回路基板300の下面には、外部接続端子400が設けられている。この外部接続端子400の下面はレジン100から露出している。
【0032】
ところで、コントローラチップ310及び回路基板300を接続するワイヤ340のx軸及びy軸と直交するz軸方向に沿った高さH1は、メモリチップ210及び回路基板300を接続するワイヤ320のz軸方向に沿った高さH2に比べて低い。これは、回路基板300からメモリチップ210の上面までのz軸方向に沿った高さが、回路基板300からコントローラチップ310の上面までのz軸方向に沿った高さよりも高いことに起因している。本実施形態において、メモリカード1内に設けられた導電性部品の中で、例えばワイヤ320のz軸方向に沿った高さH2は、他の部品の高さ(例えばワイヤ340の高さH1)よりも高い。尚、図4では図示していないが、外部接続端子400とコントローラチップ310とを接続するワイヤ341の高さは、ワイヤ340の高さH1と同様である。
【0033】
<サージ侵入時の動作>
次に、図5を用いて、外部からサージ(過渡的異常高電圧、ESD)がメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。外部からのサージは、レジン100の外側との距離が近い導電性材料に侵入する傾向がある。そのため、例えばサージはワイヤ320からメモリカード1内へと侵入してくる。サージは、より低抵抗な場所に流れるので、金属が埋め込まれているスルーホール部330へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージによるメモリチップ210及びコントローラチップ310への急激な電圧印加を抑制することができる。このように、ワイヤ341の高さは、ワイヤ320の高さよりも低いため、ワイヤ341が接続される導電部326にはスルーホール部を設けなくても良い。
【0034】
<第1の実施形態に係る作用効果>
近年、映像、画像、音楽データ等を記憶するためのメモリカードが広く使用されている。メモリカードは、携帯電話、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラ等のホスト装置のためのデータの記憶に多く用いられる。携帯可能な小型のホスト装置での使用をより有用にするために、メモリカードは、小型であることも求められる。さらに、メモリカードとホスト装置との間のデータ転送速度の向上も求められる。また、当然ながら、メモリカードに対する一定の信頼性も求められる。
【0035】
上述した実施形態によれば、メモリカード(半導体記憶装置)1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310と、を備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板300の第1面上に形成された第1の配線325を有している。更にメモリカード1は、一端がメモリチップ210に接続され、他端が第1の配線325に接続される第1のワイヤ320と、一端がコントローラチップ310に接続され、他端が第1の配線325に接続される第2のワイヤ340と、を備える。そして、メモリカード1は第1の配線325が接続され、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部330を備えている。また、メモリカード1は、メモリチップ210が搭載され、接着層301を介して回路基板300の第1面上に一部のみが接続される金属板200を更に備える。
【0036】
メモリチップと、コントローラチップとの間に、金属の埋め込まれたスルーホール部を設けることにより、ワイヤに侵入してきたサージをスルーホール部に逃がすことができる。これにより、メモリチップまたはコントローラチップにダメージを与えるサージを低減でき、メモリカードのESD(静電破壊)の耐性を向上させることが可能となる。
【0037】
尚、上述した第1の実施形態によれば、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する全ての導電部325にスルーホール部330が設けられていたが、必ずしもその必要はない。任意の導電部325にのみスルーホール部330を設けることでも、上述で説明したような効果と同様の効果を得る事が可能である。
【0038】
また、図2に示すように、既にスルーホール部330が設けられた導電部325に更に追加のスルーホール部350を設けても良い。この際、スルーホール部330と同様、スルーホール部350は、外部接続端子400と電気的に分離するように配置される。また、サージがコントローラチップ310に接続されたワイヤ341に進入することを考慮し、導電部326にスルーホール部を設けても良い。この場合、該スルーホール部は、スルーホール部330と同様、外部接続端子400と電気的に分離するように配置される。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1の実施形態と同様である。従って、上述した第1の実施形態で説明した事項及び上述した第1の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。第2の実施形態では、リードフレームと、回路基板とを接続するワイヤを更に設け、該ワイヤは、上述で説明したスルーホール部に接続されている点で、上記の第1の実施形態と相違する。
【0040】
<第2の実施形態に係るメモリカードの構造>
図6に示すように、リードフレーム200と、回路基板300とを接続するボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)360が設けられている。具体的には、ワイヤ360は、接続パッド220と、スルーホール部370とを接続している。また、図7に示すように、スルーホール部370は、電気的に各配線から分離されている。このワイヤ360は例えばAu材料で形成されている。
【0041】
図8は、メモリチップ210及びコントローラチップ310の接続関係を示す図である。図8に示すように、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325には、スルーホール部は設けられていない。
【0042】
図9は、リードフレーム200及びスルーホール部370の接続関係を示す図である。図9に示すように、回路基板300には、上面及び下面を貫通するスルーホールが形成され、このスルーホール内に金属材料からなる埋め込み部370bが埋め込まれている。そして、回路基板300の上面及び埋め込み部370bの上面に、金属材料からなる上層部(配線、パタン、または導電部とも呼ぶ)370aが形成されている。また、回路基板300の下面及び埋め込み部370bの下面に、金属材料からなる下層部370cが形成されている。下層部370cは、埋め込み部370bに電気的に接続され、レジン100によって周囲を被覆されている。この上層部370a、埋め込み部370b及び下層部370cの組をここではスルーホール部370と称する。
【0043】
上層部370aの上面は、ワイヤ360に接続されている。つまり、リードフレーム200の接続パッド220(図示せず)及び回路基板300のスルーホール部370は、ワイヤ360によって電気的に接続されている。
【0044】
<サージ侵入時の動作>
次に、図10を用いて、外部からサージがメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。外部からのサージは、例えばリードフレーム200からメモリカード1内へと侵入してくることがある。サージは、より低抵抗な場所に流れるので、金属が埋め込まれているスルーホール部370へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージのメモリチップ210への侵入等を抑制することができる。
【0045】
<第2の実施形態に係る作用効果>
上述した第2の実施形態によれば、メモリカード1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310とを備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、メモリチップ210が搭載され、接着層301を介して回路基板300の第1面上に一部のみが接続される金属板200とを備えている。更にメモリカード1は、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、一端が金属板200に接続され、他端がスルーホール部に接続される第3のワイヤを備えている。
【0046】
金属が埋め込まれたスルーホール部を設けることにより、リードフレームに侵入してきたサージをスルーホール部に逃がすことができる。これにより、第1の実施形態と同様にメモリチップにダメージを与えるサージを低減でき、メモリカードのESD(静電破壊)の耐性を向上させることが可能となる。
【0047】
(変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1及び第2の実施形態と同様である。従って、上述した第1及び第2の実施形態で説明した事項及び上述した第1及び第2の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例1では、リードフレームと、回路基板との間の接着層を導電性材料にし、リードフレームと回路基板との接続点に、上述したスルーホールを設けている点で、上記の第2の実施形態と相違する。
【0048】
<第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの構造>
図11に示すように、上述したスルーホール部370は、リードフレーム200と回路基板300とが接着される領域に配置される。
【0049】
図12に示すように、リードフレーム200と、回路基板300との間の接着層380として、導電性材料を用いている。上層部370aの上面は、導電性の接着層380に接続されている。つまり、リードフレーム200及び回路基板300のスルーホール部370は、接着層380によって電気的に接続されている。例えば、この接着層380及び上層部370aの膜厚は、上述で説明した接着層301と同程度である。
【0050】
<サージ侵入時の動作>
次に、図13を用いて、外部からサージがメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。リードフレーム200からメモリカード1内へと侵入してくるサージは、接着層380を介して金属が埋め込まれているスルーホール部370へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージのメモリチップ210への侵入等を抑制することができる。
【0051】
<第2の実施形態の変形例1に係る作用効果>
上述した変形例1によれば、メモリカード1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310とを備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部370とを備えている。そして、メモリカード1は、メモリチップ210が搭載され、導電性の接着層380を介してスルーホール部370に電気的に接続される金属板200を備えている。そのため、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0052】
(変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1、第2の実施形態、及び変形例1と同様である。従って、上述した第1、第2の実施形態、及び変形例1で説明した事項及び上述した第1、第2の実施形態、及び変形例1から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例2は、リードフレームと、回路基板との間の接着層を導電性材料にし、リードフレームと回路基板との接続点に、上述したスルーホールを設け、リードフレームと、スルーホールとを接続するワイヤを更に設けている点で、上記の第2の実施形態、及び変形例1と相違する。
【0053】
<第2の実施形態の変形例2に係るメモリカードの構造>
図14に示すように、図12で説明した構成において、Au材料で形成されたボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)360aが、リードフレーム200及びスルーホール部370を接続している。具体的には、リードフレーム200の接続パッド220(図示せず)と、上層部370aとがワイヤ360aによって電気的に接続されている。この際、ワイヤ360aが上層部370aに接続しやすいように、上層部370aをx軸方向に拡張しても良い。
【0054】
<サージ侵入時の動作>
次に、図15を用いて、外部からサージがメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。上述した第2の実施形態及び変形例1で説明した二つの経路に沿ってサージは、スルーホール部へ流れる(図中破線矢印参照)ので、サージのメモリチップ210への侵入等を更に抑制することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1の実施形態と同様である。従って、上述した第1の実施形態で説明した事項及び上述した第1の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。第3の実施形態では、メモリチップと回路基板とを接続するワイヤを跨ぐ避雷針用のワイヤを更に設けている点で、上記の第1の実施形態と相違する。
【0056】
<第3の実施形態に係るメモリカードの構造>
図16に示すように、リードフレーム200と、回路基板300とを接続し、z方向に沿ってワイヤ320を跨ぐボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)391が設けられている。具体的には、ワイヤ391は、接続パッド230と、スルーホール部(フローティング電位)390とを接続している。このワイヤ391は例えばAu材料で形成されている。また、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325には、スルーホール部は設けられていない。
【0057】
次に図17を用いて、ワイヤ391とワイヤ320及び340との位置関係を説明する。図17は、各ワイヤの位置関係を説明する為の図なので、各部分の配置や大きさ等は模式的に表現されている。各部分の更に正確な配置等は図16を参照されたい。
【0058】
図17に示すように、回路基板300には、上面及び下面を貫通するスルーホールが形成され、このスルーホール内に金属材料からなる埋め込み部390bが埋め込まれている。そして、回路基板300の上面及び埋め込み部390bの上面に、金属材料からなる上層部390aが形成されている。また、回路基板300の下面及び埋め込み部390bの下面に、金属材料からなる下層部390cが形成されている。下層部390cは、埋め込み部390bに電気的に接続され、レジン100によって絶縁されている。この上層部390a、埋め込み部390b及び下層部390cの組をここではスルーホール部390と称する。
【0059】
上層部390aの上面は、ワイヤ391に接続されている。そして、ワイヤ391は、リードフレーム200の接続パッド230(図示せず)に接続されている。つまり、リードフレーム200及びスルーホール部390は、ワイヤ391によって電気的に接続されている。また、ワイヤ391のz方向に沿った高さH3は、ワイヤ340の高さH1よりも高く、更にワイヤ320の高さH2よりも高い。そして、ここではワイヤ391は、ワイヤ320を跨いでいる。
【0060】
<サージ侵入時の動作>
図18に示すように、外部からのサージは、レジン100の外側との距離が近い導電性材料に侵入する傾向がある。そのため、例えばサージはワイヤ320からメモリカード1内へと侵入してくる。この際、サージ誘導用の避雷針となるワイヤ391を設けているので、サージはワイヤ391に侵入する。更に、金属が埋め込まれているスルーホール部390を設けているので、サージはスルーホール部390へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージによるメモリチップ210及びコントローラチップ310の急激な電圧印加を抑制することができる。
【0061】
<第3の実施形態に係る作用効果>
上述した実施形態によれば、メモリカード1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310とを有している。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板の第1面上に形成された第1の配線325とを有している。更にメモリカード1は、一端がメモリチップ210に接続され、他端が第1の配線325に接続される第1のワイヤ320と、一端がコントローラチップ310に接続され、他端が第1の配線325に接続される第2のワイヤ340と、第1のワイヤ320の高さよりも高く、第1のワイヤ320を跨ぎ、メモリチップ及びコントローラチップから電気的に分離されている第3のワイヤ391とを有している。そして、メモリカード1は、メモリチップ210が搭載され、接着層301を介して回路基板300の第1面上に一部が接続される金属板200と、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部390とを更に有している。そして、第3のワイヤ391は、一端が金属板200に接続され、他端が回路基板300に設けられたスルーホール部390に接続されている。
【0062】
メモリチップと、コントローラチップとの間のワイヤを覆う避雷針となるワイヤが設けられている。サージは避雷針となるワイヤに流れやすいため、メモリチップまたはコントローラチップにダメージを与えるサージを低減でき、メモリカードのESDの耐性を向上させることが可能となる。また、避雷針となるワイヤの一端に金属が埋め込まれたスルーホール部を設けることにより、ワイヤに侵入してきたサージをスルーホール部に逃がすことができる。
【0063】
(変形例1)
次に、第3の実施形態の変形例1について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第3の実施形態と同様である。従って、上述した第3の実施形態で説明した事項及び上述した第3の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例1では、メモリチップと回路基板とを接続するワイヤを跨ぐ避雷針用のワイヤが、回路基板と回路基板とに接続されている点で、上記の第3の実施形態と相違する。
【0064】
<第3の実施形態の変形例1に係るメモリカードの構造>
図19に示すように、避雷針用のワイヤ391は、回路基板300の導電部392と導電部393とを接続し、z方向に沿ってワイヤ320を跨ぐように設けられている。この場合、導電部392または393はそれぞれ、上述で説明したようなスルーホール部(フローティング配線)であっても良いし、スルーホール部が形成されず、基準電位(グランド配線)に接続されていても良い。
【0065】
<第3の実施形態の変形例3に係る作用効果>
上述した変形例3によれば、メモリカード1において、第3のワイヤ391は、一端が回路基板300の第1の電位が与えられた第1導電部392に接続され、他端が回路基板の第2導電部393に接続されている。
【0066】
そのため、第3の実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。
【0067】
(変形例2)
次に、第3の実施形態の変形例2について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第3の実施形態及び変形例1と同様である。従って、上述した第3の実施形態及び変形例1で説明した事項及び上述した第3の実施形態及び変形例1から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例2では、コントローラチップと回路基板とを接続するワイヤを跨ぐ避雷針用のワイヤが、回路基板と回路基板とに接続されている点で、上記の第3の実施形態及び変形例3と相違する。
【0068】
<第3の実施形態の変形例4に係るメモリカードの構造>
図20に示すように、避雷針用のワイヤ391は、回路基板300の導電部394と導電部395とを接続し、z方向に沿ってワイヤ340を跨ぐように設けられている。この場合、導電部394または395はそれぞれ、上述で説明したようなスルーホール部であっても良いし、スルーホール部が形成されず、基準電位に接続されていても良い。
【0069】
尚、上述した第2の実施形態及び第2の実施形態の各変形例と、第3の実施形態及び第3の実施形態の各変形例とでは、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325にスルーホール部330を設けていないが、上述した第1の実施形態のように、スルーホール部330を設けても良い。この場合、更にESD耐性が向上する。
【0070】
また、上述した第3の実施形態及び第3の実施形態の各変形例では、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325にスルーホール部330を設けていないが、上述した第1の実施形態のように、スルーホール部330を設けても良い。この場合、更にESD耐性が向上する。
【0071】
また、上述した第3の実施形態及び第3の実施形態の各変形例では、リードフレーム200及び回路基板300が電気的に接続される部分にスルーホール部370を設けていないが、上述した第2の実施形態のように、スルーホール部370を設けても良い。この場合、更にESD耐性が向上する。
【0072】
また、上述した第3の実施形態と、第3の実施形態の各変形例とを組み合わせることによって、更にESD耐性が向上する。
【0073】
上述した第1の実施形態及び第3の実施形態において、ワイヤ320がワイヤ340より高さが高い場合について説明したが、これに限らず、ワイヤ340の高さがワイヤ320よりも高くても良い。
【0074】
第3の実施形態で説明した避雷針用のワイヤ391は、ワイヤ320を全て跨いでいることが望ましい。更に加えて、ワイヤ391は、ワイヤ340を全て跨ぐことで、より一層ESD耐性が向上する。
【0075】
また、第3の実施形態で説明したワイヤ391は、サージを受信する避雷針としての役割を果たせば良いので、一端及び他端が共にリードフレームに配置されないのであれば、ワイヤ391の配置場所は限定されない。また、このワイヤ391は複数設けても良い。その場合、各ワイヤ391の高さはそれぞれ異なっていて良い。そして、ワイヤ391の高さは、他のワイヤの高さよりも高いことがより望ましい。
【0076】
尚、上述した各実施形態において、スルーホール(開口部)の形状や大きさを規定していないが、適宜変更可能である。
【0077】
上述したスルーホール部は、サージの逃げ道として、より低抵抗であることが望ましいので、スルーホール内に埋め込まれる金属材料は多ければ多いほど良い。
【0078】
また、メモリチップ及びコントローラチップは、ボンディングワイヤによって接続されているが、これに限らず、メモリチップ及びコントローラチップは回路内の配線で接続されている場合でも、上述した各実施形態及び各変形例を適応することが可能である。
【0079】
また、上述した各実施形態及び各変形例は、メモリカードについて説明したが、これに限らず、サージによるESD耐性が課題となるデバイスであれば、上述した各実施形態及び各変形例を適応することが可能である。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出される。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば、発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0081】
1…メモリカード、 100…モールド樹脂、
200、200a〜200f…リードフレーム、 205、301、305…接着層、
210…メモリチップ、 211、220、230、311、312…接続パッド、
300…回路基板、 310…コントローラチップ
320、340、341、360、360a、391…ワイヤ
325a、325c、326a…接続パッド、 325b、326b…配線
330、350、370、390…スルーホール部、 380…導電性接着層
392、393、394、395…導電部、 400…外部接続端子。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリカードとして、SD(登録商標)カード(以下、SDカードと称する)が知られている。さらに、microSD(登録商標)カード(以下、microSDカードと称する)が存在する。microSDカードは、SDカードと動作や性能に関しては同一であり、他方、SDカードよりも小さなサイズを有する。SDカードと同様、microSDカードには、製品が遵守すべき様々な制約が仕様によって定められている。また、あらゆる製品にも当てはまるように、microSDカードについても、製品の信頼性が確保されるとともに、設計や製造が効率的に行なえることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−16004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高品質な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、メモリ回路を含んだメモリチップと、前記メモリチップを制御するコントローラチップと、対向する第1面および第2面を有し、前記第1面上に前記コントローラチップが搭載される回路基板と、前記回路基板の前記第1面上に形成された第1の配線と、一端が前記メモリチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第1のワイヤと、一端が前記コントローラチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第2のワイヤと、前記第1の配線が接続され、前記回路基板の前記第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】実施形態に係るメモリカードの基本的な外形を模式的に示した図である。
【図2】第1の実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図3】第1の実施形態に係るメモリカードの基板の基本的な配線構造を模式的に示した図である。
【図4】第1の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図5】第1の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図6】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図7】第2の実施形態に係るメモリカードの基板の基本的な配線構造を模式的に示した図である。
【図8】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図9】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図10】第2の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図11】第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基板の基本的な配線構造を模式的に示した図である。
【図12】第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図13】第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図14】第2の実施形態の変形例2に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図15】第2の実施形態の変形例2に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図16】第3の実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図17】第3の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図18】第3の実施形態に係るメモリカードの基本的な構造を模式的に示した断面図である。
【図19】第3の実施形態の変形例1に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【図20】第3の実施形態の変形例2に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の詳細を図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。参照符号を構成する数字の後ろのアルファベットは、同じ数字を含んだ参照符号によって参照され且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために用いられている。同じ数字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素は、数字のみを含んだ参照符号により参照される。例えば、参照符号1a、1bを付された要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素を包括的に参照符号1として参照する。
【0008】
図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0009】
以下の実施形態では、microSDカードを例としてメモリカードについて説明する。しかしながら、以下の記述におけるメモリカードは、microSDカードに限定されない。microSDカードに課せられる制約及び課題と、後述の課題とが課せられるメモリカード全てに、本明細書の記述が適用される。
【0010】
microSDカードは、主にサイズが異なることを除いて、SDカードと同じ特徴を有する。例えば、この2種類のカードは、いずれもメモリチップとこのメモリチップを制御するコントローラチップとを含んでいる。他方、SDカードはmicroSDカードよりも大きなサイズを有するので、SDカードに課せられている設計上の制約は、microSDカードに課せられている制約よりも緩い。すなわち、microSDカードの方が、SDカードよりも設計が困難である。このような背景の下でなされた実施形態について、以下で説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
<メモリカードの外形構造>
図1は、メモリカード1の外形の具体例を概略的に示している。図1に示すように、メモリカード1は、モールド樹脂(レジン)100を有する。レジン100は、後述の各チップおよび回路基板を封止している。回路基板は、対向する上面および下面(端子面)を有しており、端子面には、複数(8個を例示)の外部接続端子400が、メモリカード1の上辺に沿って配列されている。外部接続端子400は、導電性材料からなり、回路基板上に形成され、回路基板上にプリントされた導電性の配線(パタンとも呼ぶ)に接続されている。そして、外部接続端子400は、モールド樹脂100に覆われておらず、メモリカード1がホスト装置に挿入された際にホスト装置とメモリカード1とを電気的に接続する。外部接続端子400への信号の割り当てのmicroSDカードの規格に則った例では、外部接続端子400に、それぞれ、データ2(DAT2)、データ3(DAT3)、コマンド(CMD)、VDD、クロック(CLK)、VSS、(データ0(DAT0)、データ1(DAT1)が割り当てられている。尚、本実施形態において各信号の説明は省略する。
【0012】
<メモリカードの内部構造>
図2を用いて、本実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を概略的に説明する。図2は、本実施形態に係るメモリカードの基本的な内部構造を模式的に示した図である。図2に示すように、メモリカード1は、モールド樹脂(レジン)100、リードフレーム200、メモリチップ210、回路基板300、及びコントローラチップ310を有している。
【0013】
レジン100は、絶縁材料からなり、リードフレーム200及び回路基板300を覆うように封止している。
【0014】
リードフレーム200は、例えば金属板であり、例えばリードフレーム200a、200b、200c、200d、200e、200fの6枚に分かれている。リードフレーム200a〜200fは、絶縁体であるレジン100によってそれぞれ電気的に分離されている。本実施形態に係るリードフレーム200は6枚に別れているが、これに限らず、増減しても良い。尚、200a、200b、200c、200d、200e、200fは個別に電気的に分離されたリード(導体板)であるが、製造工程では当初一体のリードフレーム200から分離されたものなので便宜的にリードフレームと記載している。
【0015】
リードフレーム200a及び200b上にはメモリチップ210が接着層(図示せず)を介して配置されている。リードフレーム200c及び200dは、接着層301を介して回路基板300に接着されている。また、リードフレーム200c、200d、200e、及び200fについては、ここでは詳細に説明しないが、例えばメモリカード1を形成する際に用いるダミーのリードフレームである。
【0016】
また、メモリカード1のホスト機器(図示せず)への挿入方向(x軸に平行な方向)に沿ったリードフレーム200a、200b、200c、200dの辺において、メモリカード1の外側方向に突出する突起(部分)200a1、200b1、200c1、及び200d1(破線円内参照)が存在する。この部分200a1、200b1、200c1、及び200d1は、メモリカード1の外側(x軸方向に直交するy軸に平行な方向)に向かうにつれて先端が細くなっている。そのため、メモリカード1の外側からサージ,ESD(electro static discharge)が印加された場合でも、それから発生するサージ電流を低減することができる。また、この先端部はメモリカードの外側面よりも内側に位置している。そのため、メモリカードの外側面に導体が接した場合でも200a等と導通することがない。尚、これら、200a、200b、200c、200d、200e、200fとメモリカードの外側面との間はレジンで埋められていてもよく、空孔であっても良い。また、リードフレーム200a、200b、200c、200dは、それぞれ電気的に分離しているので、例えば部分200a1、及び200c1においてホスト機器の導電部と接触した場合においても、メモリカード1はショートしない。同様に、例えば部分200b1、及び200d1においてホスト機器の導電部と接触した場合においても、メモリカード1はショートしない。
【0017】
回路基板300上面にコントローラチップ310が配置されている。また、複数の外部接続端子400(図示せず)が、回路基板300の下面に配列されている。外部接続端子400は、導電性材料からなり、回路基板300下面に形成されている。そして、外部接続端子400は、回路基板300上にプリントされた導電性の配線を介して、コントローラチップ310に接続されている。
【0018】
また、回路基板300の一部が、接着層301を介してリードフレーム200a〜200dに接続されている。また、後述するように、回路基板300には、導電性の材料によって配線(図示せず)がプリントされている。尚、本実施形態によればリードフレーム200の一部が回路基板300に接着されているが、これに限らない。
【0019】
メモリチップ210は、任意のメモリチップを用いることができ、より具体的には、例えば、あらゆるタイプのNAND型フラッシュメモリチップが用いられることが可能である。また、メモリチップ210の上面にはメモリチップ210内の回路と電気的に接続されている複数の接続パッド211が設けられ、導電性のボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)320を介して、回路基板300上の接続パッド(導電部)325aに接続されている。
【0020】
コントローラチップ310は、メモリチップ210の動作を制御するためのものである。具体的には、外部からのコマンドに従って、メモリチップ210へのデータの書き込みや、メモリチップ210からのデータの読み出しや、メモリチップ210のデータの消去等を行ない、メモリチップ210によるデータの記憶状態を管理する。また、コントローラチップ310は、ホストインタフェース、MPU(micro processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、メモリインタフェース等を含んでいてもよい。また、コントローラチップ310の上面にはコントローラチップ310内の回路と電気的に接続されている複数の接続パッド311が設けられ、ワイヤ340を介して、回路基板300上の接続パッド(導電部)325cに接続されている。
【0021】
<回路基板の配線構造>
次に、図3を用いて、メモリチップ210とコントローラチップ310との接続について説明する。この図3は、回路基板300上の配線(パタン)を示し、導電性の配線を黒い部分で表現している。
【0022】
ワイヤ320は、回路基板300上の接続パッド(導電部)325aに接続されている。接続パッド325aは、回路基板300上の導電性の配線(導電部)325bに接続されている。
【0023】
ワイヤ340は、回路基板300上の接続パッド(導電部)325cに接続されている。接続パッド325cは、回路基板300上の導電性の配線325bに接続されている。
【0024】
ところで接続パッド325a、配線325b、接続パッド325cの組(以下、導電部325とも称す)は、メモリチップ210の複数の接続パッド211及びコントローラチップ310の複数の接続パッド311をそれぞれ接続するように、複数組用意されている。
【0025】
回路基板300には、回路基板300の上面から下面へと貫通しているスルーホール(開口部)に導電性の金属材料が埋め込まれたスルーホール部330が形成されている。そして、接続パッド325a、325cの間の配線325bに、スルーホール部330が接続されている。また、スルーホール部330は、外部接続端子400と電気的に分離するように配置されている。
【0026】
また、コントローラチップ310の上面には複数の接続パッド312が設けられ、導電性のボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)341を介して、回路基板300上の接続パッド(導電部)326aに接続されている。接続パッド326aは、回路基板300上の導電性の配線326bに接続されている。そして、配線326bは、外部接続端子400に電気的に接続されている。
【0027】
次に、図4、及び5を用いて、本実施形態に係るメモリカード1のx方向に沿った断面について説明する。なお、この図4、及び5は、複数も受けられた導電部325のうち、一つの導電部325における、メモリチップ210、コントローラチップ310、及びスルーホール部330の接続関係を示している。そのため、各部分の配置や大きさ等は模式的に表現されている。各部分のより正確な位置関係は、図2を参照されたい。
【0028】
図4に示すように、x軸方向に沿った回路基板300の端部近傍の上面に、膜厚が例えば数十nm程度の絶縁テープ材(例えば、LOC(Lead On Chip)用接着フィルムやダイボンディングフィルム、具体的には熱可塑性接着フィルム(主流はポリイミド系)など)からなる接着層301を介して、膜厚が例えば100〜150nm程度のリードフレーム200a、200b(以下、簡単の為リードフレーム200と表記する)が設けられている。また、リードフレーム200上には、膜厚が例えば数十nm程度の絶縁材料(DIEアタッチフィルム)からなる接着層205を介して、膜厚が例えば80〜100nm程度のメモリチップ210が設けられている。また、回路基板300上には、膜厚が例えば数十nm程度の絶縁材料(DIEアタッチフィルム)からなる接着層305を介して、膜厚が例えば100〜150nm程度のコントローラチップ310が設けられている。
【0029】
回路基板300には、それぞれが電気的に接続されている接続パッド325a、325c、及び配線325bが設けられている。そして、回路基板300には、上面及び下面を貫通するスルーホール(開口部)が形成され、このスルーホール内に金属材料が埋め込まれ、埋め込み部330aが形成されている。そして、回路基板300の下面及び埋め込み部330aの下方に、金属材料からなる下層部330bが形成されている。下層部330bは、埋め込み部330aに電気的に接続され、レジン100によって周囲を被膜されている。この埋め込み部330a及び下層部330bの組をここではスルーホール部330と称し、図3に示すように、スルーホール部330が複数ある場合は、各スルーホール部330は、各スルーホール間でショートしないように互いに電気的に分離されている。また、埋め込み部330aの上面は、配線325bに接続されている。そして、メモリチップ210の接続パッド211(図示せず)及び回路基板300の接続パッド325aは、Au材料によって形成されたワイヤ320によって電気的に接続され、コントローラチップ310の接続パッド311(図示せず)及び回路基板300の接続パッド325cは、Au材料によって形成されたワイヤ340によって電気的に接続されている。このように、メモリチップ210、ワイヤ320、導電部325、スルーホール部330、ワイヤ340、及びコントローラチップ310は、電気的に接続されている。
【0030】
そして、リードフレーム200、メモリチップ210、回路基板300、コントローラチップ、ワイヤ320、340、及びスルーホール部330は、絶縁性材料で形成されたレジン100に覆われている。
【0031】
また、回路基板300の下面には、外部接続端子400が設けられている。この外部接続端子400の下面はレジン100から露出している。
【0032】
ところで、コントローラチップ310及び回路基板300を接続するワイヤ340のx軸及びy軸と直交するz軸方向に沿った高さH1は、メモリチップ210及び回路基板300を接続するワイヤ320のz軸方向に沿った高さH2に比べて低い。これは、回路基板300からメモリチップ210の上面までのz軸方向に沿った高さが、回路基板300からコントローラチップ310の上面までのz軸方向に沿った高さよりも高いことに起因している。本実施形態において、メモリカード1内に設けられた導電性部品の中で、例えばワイヤ320のz軸方向に沿った高さH2は、他の部品の高さ(例えばワイヤ340の高さH1)よりも高い。尚、図4では図示していないが、外部接続端子400とコントローラチップ310とを接続するワイヤ341の高さは、ワイヤ340の高さH1と同様である。
【0033】
<サージ侵入時の動作>
次に、図5を用いて、外部からサージ(過渡的異常高電圧、ESD)がメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。外部からのサージは、レジン100の外側との距離が近い導電性材料に侵入する傾向がある。そのため、例えばサージはワイヤ320からメモリカード1内へと侵入してくる。サージは、より低抵抗な場所に流れるので、金属が埋め込まれているスルーホール部330へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージによるメモリチップ210及びコントローラチップ310への急激な電圧印加を抑制することができる。このように、ワイヤ341の高さは、ワイヤ320の高さよりも低いため、ワイヤ341が接続される導電部326にはスルーホール部を設けなくても良い。
【0034】
<第1の実施形態に係る作用効果>
近年、映像、画像、音楽データ等を記憶するためのメモリカードが広く使用されている。メモリカードは、携帯電話、携帯情報端末、携帯音楽プレーヤー、デジタルカメラ等のホスト装置のためのデータの記憶に多く用いられる。携帯可能な小型のホスト装置での使用をより有用にするために、メモリカードは、小型であることも求められる。さらに、メモリカードとホスト装置との間のデータ転送速度の向上も求められる。また、当然ながら、メモリカードに対する一定の信頼性も求められる。
【0035】
上述した実施形態によれば、メモリカード(半導体記憶装置)1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310と、を備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板300の第1面上に形成された第1の配線325を有している。更にメモリカード1は、一端がメモリチップ210に接続され、他端が第1の配線325に接続される第1のワイヤ320と、一端がコントローラチップ310に接続され、他端が第1の配線325に接続される第2のワイヤ340と、を備える。そして、メモリカード1は第1の配線325が接続され、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部330を備えている。また、メモリカード1は、メモリチップ210が搭載され、接着層301を介して回路基板300の第1面上に一部のみが接続される金属板200を更に備える。
【0036】
メモリチップと、コントローラチップとの間に、金属の埋め込まれたスルーホール部を設けることにより、ワイヤに侵入してきたサージをスルーホール部に逃がすことができる。これにより、メモリチップまたはコントローラチップにダメージを与えるサージを低減でき、メモリカードのESD(静電破壊)の耐性を向上させることが可能となる。
【0037】
尚、上述した第1の実施形態によれば、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する全ての導電部325にスルーホール部330が設けられていたが、必ずしもその必要はない。任意の導電部325にのみスルーホール部330を設けることでも、上述で説明したような効果と同様の効果を得る事が可能である。
【0038】
また、図2に示すように、既にスルーホール部330が設けられた導電部325に更に追加のスルーホール部350を設けても良い。この際、スルーホール部330と同様、スルーホール部350は、外部接続端子400と電気的に分離するように配置される。また、サージがコントローラチップ310に接続されたワイヤ341に進入することを考慮し、導電部326にスルーホール部を設けても良い。この場合、該スルーホール部は、スルーホール部330と同様、外部接続端子400と電気的に分離するように配置される。
【0039】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1の実施形態と同様である。従って、上述した第1の実施形態で説明した事項及び上述した第1の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。第2の実施形態では、リードフレームと、回路基板とを接続するワイヤを更に設け、該ワイヤは、上述で説明したスルーホール部に接続されている点で、上記の第1の実施形態と相違する。
【0040】
<第2の実施形態に係るメモリカードの構造>
図6に示すように、リードフレーム200と、回路基板300とを接続するボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)360が設けられている。具体的には、ワイヤ360は、接続パッド220と、スルーホール部370とを接続している。また、図7に示すように、スルーホール部370は、電気的に各配線から分離されている。このワイヤ360は例えばAu材料で形成されている。
【0041】
図8は、メモリチップ210及びコントローラチップ310の接続関係を示す図である。図8に示すように、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325には、スルーホール部は設けられていない。
【0042】
図9は、リードフレーム200及びスルーホール部370の接続関係を示す図である。図9に示すように、回路基板300には、上面及び下面を貫通するスルーホールが形成され、このスルーホール内に金属材料からなる埋め込み部370bが埋め込まれている。そして、回路基板300の上面及び埋め込み部370bの上面に、金属材料からなる上層部(配線、パタン、または導電部とも呼ぶ)370aが形成されている。また、回路基板300の下面及び埋め込み部370bの下面に、金属材料からなる下層部370cが形成されている。下層部370cは、埋め込み部370bに電気的に接続され、レジン100によって周囲を被覆されている。この上層部370a、埋め込み部370b及び下層部370cの組をここではスルーホール部370と称する。
【0043】
上層部370aの上面は、ワイヤ360に接続されている。つまり、リードフレーム200の接続パッド220(図示せず)及び回路基板300のスルーホール部370は、ワイヤ360によって電気的に接続されている。
【0044】
<サージ侵入時の動作>
次に、図10を用いて、外部からサージがメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。外部からのサージは、例えばリードフレーム200からメモリカード1内へと侵入してくることがある。サージは、より低抵抗な場所に流れるので、金属が埋め込まれているスルーホール部370へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージのメモリチップ210への侵入等を抑制することができる。
【0045】
<第2の実施形態に係る作用効果>
上述した第2の実施形態によれば、メモリカード1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310とを備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、メモリチップ210が搭載され、接着層301を介して回路基板300の第1面上に一部のみが接続される金属板200とを備えている。更にメモリカード1は、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、一端が金属板200に接続され、他端がスルーホール部に接続される第3のワイヤを備えている。
【0046】
金属が埋め込まれたスルーホール部を設けることにより、リードフレームに侵入してきたサージをスルーホール部に逃がすことができる。これにより、第1の実施形態と同様にメモリチップにダメージを与えるサージを低減でき、メモリカードのESD(静電破壊)の耐性を向上させることが可能となる。
【0047】
(変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1及び第2の実施形態と同様である。従って、上述した第1及び第2の実施形態で説明した事項及び上述した第1及び第2の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例1では、リードフレームと、回路基板との間の接着層を導電性材料にし、リードフレームと回路基板との接続点に、上述したスルーホールを設けている点で、上記の第2の実施形態と相違する。
【0048】
<第2の実施形態の変形例1に係るメモリカードの構造>
図11に示すように、上述したスルーホール部370は、リードフレーム200と回路基板300とが接着される領域に配置される。
【0049】
図12に示すように、リードフレーム200と、回路基板300との間の接着層380として、導電性材料を用いている。上層部370aの上面は、導電性の接着層380に接続されている。つまり、リードフレーム200及び回路基板300のスルーホール部370は、接着層380によって電気的に接続されている。例えば、この接着層380及び上層部370aの膜厚は、上述で説明した接着層301と同程度である。
【0050】
<サージ侵入時の動作>
次に、図13を用いて、外部からサージがメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。リードフレーム200からメモリカード1内へと侵入してくるサージは、接着層380を介して金属が埋め込まれているスルーホール部370へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージのメモリチップ210への侵入等を抑制することができる。
【0051】
<第2の実施形態の変形例1に係る作用効果>
上述した変形例1によれば、メモリカード1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310とを備えている。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部370とを備えている。そして、メモリカード1は、メモリチップ210が搭載され、導電性の接着層380を介してスルーホール部370に電気的に接続される金属板200を備えている。そのため、上述した第2の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
【0052】
(変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1、第2の実施形態、及び変形例1と同様である。従って、上述した第1、第2の実施形態、及び変形例1で説明した事項及び上述した第1、第2の実施形態、及び変形例1から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例2は、リードフレームと、回路基板との間の接着層を導電性材料にし、リードフレームと回路基板との接続点に、上述したスルーホールを設け、リードフレームと、スルーホールとを接続するワイヤを更に設けている点で、上記の第2の実施形態、及び変形例1と相違する。
【0053】
<第2の実施形態の変形例2に係るメモリカードの構造>
図14に示すように、図12で説明した構成において、Au材料で形成されたボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)360aが、リードフレーム200及びスルーホール部370を接続している。具体的には、リードフレーム200の接続パッド220(図示せず)と、上層部370aとがワイヤ360aによって電気的に接続されている。この際、ワイヤ360aが上層部370aに接続しやすいように、上層部370aをx軸方向に拡張しても良い。
【0054】
<サージ侵入時の動作>
次に、図15を用いて、外部からサージがメモリカード1内に侵入した場合の動作について説明する。上述した第2の実施形態及び変形例1で説明した二つの経路に沿ってサージは、スルーホール部へ流れる(図中破線矢印参照)ので、サージのメモリチップ210への侵入等を更に抑制することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第1の実施形態と同様である。従って、上述した第1の実施形態で説明した事項及び上述した第1の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。第3の実施形態では、メモリチップと回路基板とを接続するワイヤを跨ぐ避雷針用のワイヤを更に設けている点で、上記の第1の実施形態と相違する。
【0056】
<第3の実施形態に係るメモリカードの構造>
図16に示すように、リードフレーム200と、回路基板300とを接続し、z方向に沿ってワイヤ320を跨ぐボンディングワイヤ(単にワイヤとも称す)391が設けられている。具体的には、ワイヤ391は、接続パッド230と、スルーホール部(フローティング電位)390とを接続している。このワイヤ391は例えばAu材料で形成されている。また、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325には、スルーホール部は設けられていない。
【0057】
次に図17を用いて、ワイヤ391とワイヤ320及び340との位置関係を説明する。図17は、各ワイヤの位置関係を説明する為の図なので、各部分の配置や大きさ等は模式的に表現されている。各部分の更に正確な配置等は図16を参照されたい。
【0058】
図17に示すように、回路基板300には、上面及び下面を貫通するスルーホールが形成され、このスルーホール内に金属材料からなる埋め込み部390bが埋め込まれている。そして、回路基板300の上面及び埋め込み部390bの上面に、金属材料からなる上層部390aが形成されている。また、回路基板300の下面及び埋め込み部390bの下面に、金属材料からなる下層部390cが形成されている。下層部390cは、埋め込み部390bに電気的に接続され、レジン100によって絶縁されている。この上層部390a、埋め込み部390b及び下層部390cの組をここではスルーホール部390と称する。
【0059】
上層部390aの上面は、ワイヤ391に接続されている。そして、ワイヤ391は、リードフレーム200の接続パッド230(図示せず)に接続されている。つまり、リードフレーム200及びスルーホール部390は、ワイヤ391によって電気的に接続されている。また、ワイヤ391のz方向に沿った高さH3は、ワイヤ340の高さH1よりも高く、更にワイヤ320の高さH2よりも高い。そして、ここではワイヤ391は、ワイヤ320を跨いでいる。
【0060】
<サージ侵入時の動作>
図18に示すように、外部からのサージは、レジン100の外側との距離が近い導電性材料に侵入する傾向がある。そのため、例えばサージはワイヤ320からメモリカード1内へと侵入してくる。この際、サージ誘導用の避雷針となるワイヤ391を設けているので、サージはワイヤ391に侵入する。更に、金属が埋め込まれているスルーホール部390を設けているので、サージはスルーホール部390へと優先的に流れる(図中破線矢印参照)。そのため、サージによるメモリチップ210及びコントローラチップ310の急激な電圧印加を抑制することができる。
【0061】
<第3の実施形態に係る作用効果>
上述した実施形態によれば、メモリカード1は、メモリ回路を含んだメモリチップ210と、メモリチップ210を制御するコントローラチップ310とを有している。また、メモリカード1は、対向する第1面および第2面を有し、第1面上にコントローラチップ310が搭載される回路基板300と、回路基板の第1面上に形成された第1の配線325とを有している。更にメモリカード1は、一端がメモリチップ210に接続され、他端が第1の配線325に接続される第1のワイヤ320と、一端がコントローラチップ310に接続され、他端が第1の配線325に接続される第2のワイヤ340と、第1のワイヤ320の高さよりも高く、第1のワイヤ320を跨ぎ、メモリチップ及びコントローラチップから電気的に分離されている第3のワイヤ391とを有している。そして、メモリカード1は、メモリチップ210が搭載され、接着層301を介して回路基板300の第1面上に一部が接続される金属板200と、回路基板300の第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部390とを更に有している。そして、第3のワイヤ391は、一端が金属板200に接続され、他端が回路基板300に設けられたスルーホール部390に接続されている。
【0062】
メモリチップと、コントローラチップとの間のワイヤを覆う避雷針となるワイヤが設けられている。サージは避雷針となるワイヤに流れやすいため、メモリチップまたはコントローラチップにダメージを与えるサージを低減でき、メモリカードのESDの耐性を向上させることが可能となる。また、避雷針となるワイヤの一端に金属が埋め込まれたスルーホール部を設けることにより、ワイヤに侵入してきたサージをスルーホール部に逃がすことができる。
【0063】
(変形例1)
次に、第3の実施形態の変形例1について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第3の実施形態と同様である。従って、上述した第3の実施形態で説明した事項及び上述した第3の実施形態から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例1では、メモリチップと回路基板とを接続するワイヤを跨ぐ避雷針用のワイヤが、回路基板と回路基板とに接続されている点で、上記の第3の実施形態と相違する。
【0064】
<第3の実施形態の変形例1に係るメモリカードの構造>
図19に示すように、避雷針用のワイヤ391は、回路基板300の導電部392と導電部393とを接続し、z方向に沿ってワイヤ320を跨ぐように設けられている。この場合、導電部392または393はそれぞれ、上述で説明したようなスルーホール部(フローティング配線)であっても良いし、スルーホール部が形成されず、基準電位(グランド配線)に接続されていても良い。
【0065】
<第3の実施形態の変形例3に係る作用効果>
上述した変形例3によれば、メモリカード1において、第3のワイヤ391は、一端が回路基板300の第1の電位が与えられた第1導電部392に接続され、他端が回路基板の第2導電部393に接続されている。
【0066】
そのため、第3の実施形態で説明した効果と同様の効果を得ることが可能となる。
【0067】
(変形例2)
次に、第3の実施形態の変形例2について説明する。尚、基本的な構成及び基本的な動作は、上述した第3の実施形態及び変形例1と同様である。従って、上述した第3の実施形態及び変形例1で説明した事項及び上述した第3の実施形態及び変形例1から容易に類推可能な事項についての説明は省略する。変形例2では、コントローラチップと回路基板とを接続するワイヤを跨ぐ避雷針用のワイヤが、回路基板と回路基板とに接続されている点で、上記の第3の実施形態及び変形例3と相違する。
【0068】
<第3の実施形態の変形例4に係るメモリカードの構造>
図20に示すように、避雷針用のワイヤ391は、回路基板300の導電部394と導電部395とを接続し、z方向に沿ってワイヤ340を跨ぐように設けられている。この場合、導電部394または395はそれぞれ、上述で説明したようなスルーホール部であっても良いし、スルーホール部が形成されず、基準電位に接続されていても良い。
【0069】
尚、上述した第2の実施形態及び第2の実施形態の各変形例と、第3の実施形態及び第3の実施形態の各変形例とでは、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325にスルーホール部330を設けていないが、上述した第1の実施形態のように、スルーホール部330を設けても良い。この場合、更にESD耐性が向上する。
【0070】
また、上述した第3の実施形態及び第3の実施形態の各変形例では、メモリチップ210及びコントローラチップ310を接続する導電部325にスルーホール部330を設けていないが、上述した第1の実施形態のように、スルーホール部330を設けても良い。この場合、更にESD耐性が向上する。
【0071】
また、上述した第3の実施形態及び第3の実施形態の各変形例では、リードフレーム200及び回路基板300が電気的に接続される部分にスルーホール部370を設けていないが、上述した第2の実施形態のように、スルーホール部370を設けても良い。この場合、更にESD耐性が向上する。
【0072】
また、上述した第3の実施形態と、第3の実施形態の各変形例とを組み合わせることによって、更にESD耐性が向上する。
【0073】
上述した第1の実施形態及び第3の実施形態において、ワイヤ320がワイヤ340より高さが高い場合について説明したが、これに限らず、ワイヤ340の高さがワイヤ320よりも高くても良い。
【0074】
第3の実施形態で説明した避雷針用のワイヤ391は、ワイヤ320を全て跨いでいることが望ましい。更に加えて、ワイヤ391は、ワイヤ340を全て跨ぐことで、より一層ESD耐性が向上する。
【0075】
また、第3の実施形態で説明したワイヤ391は、サージを受信する避雷針としての役割を果たせば良いので、一端及び他端が共にリードフレームに配置されないのであれば、ワイヤ391の配置場所は限定されない。また、このワイヤ391は複数設けても良い。その場合、各ワイヤ391の高さはそれぞれ異なっていて良い。そして、ワイヤ391の高さは、他のワイヤの高さよりも高いことがより望ましい。
【0076】
尚、上述した各実施形態において、スルーホール(開口部)の形状や大きさを規定していないが、適宜変更可能である。
【0077】
上述したスルーホール部は、サージの逃げ道として、より低抵抗であることが望ましいので、スルーホール内に埋め込まれる金属材料は多ければ多いほど良い。
【0078】
また、メモリチップ及びコントローラチップは、ボンディングワイヤによって接続されているが、これに限らず、メモリチップ及びコントローラチップは回路内の配線で接続されている場合でも、上述した各実施形態及び各変形例を適応することが可能である。
【0079】
また、上述した各実施形態及び各変形例は、メモリカードについて説明したが、これに限らず、サージによるESD耐性が課題となるデバイスであれば、上述した各実施形態及び各変形例を適応することが可能である。
【0080】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示された構成要件を適宜組み合わせることによって種々の発明が抽出される。例えば、開示された構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、所定の効果が得られるものであれば、発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0081】
1…メモリカード、 100…モールド樹脂、
200、200a〜200f…リードフレーム、 205、301、305…接着層、
210…メモリチップ、 211、220、230、311、312…接続パッド、
300…回路基板、 310…コントローラチップ
320、340、341、360、360a、391…ワイヤ
325a、325c、326a…接続パッド、 325b、326b…配線
330、350、370、390…スルーホール部、 380…導電性接着層
392、393、394、395…導電部、 400…外部接続端子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリ回路を含んだメモリチップと、
前記メモリチップを制御するコントローラチップと、
対向する第1面および第2面を有し、前記第1面上に前記コントローラチップが搭載される回路基板と、
前記回路基板の前記第1面上に形成された第1の配線と、
一端が前記メモリチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第1のワイヤと、
一端が前記コントローラチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第2のワイヤと、
前記第1の配線が接続され、前記回路基板の前記第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、
を具備することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記メモリチップが搭載され、接着層を介して前記回路基板の前記第1面上に一部のみが接続される金属板を更に備えることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
メモリ回路を含んだメモリチップと、
前記メモリチップを制御するコントローラチップと、
対向する第1面および第2面を有し、前記第1面上に前記コントローラチップが搭載される回路基板と、
前記回路基板の前記第1面上に形成された第1の配線と、
一端が前記メモリチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第1のワイヤと、
一端が前記コントローラチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第2のワイヤと、
前記第1のワイヤの高さよりも高く、前記第1のワイヤを跨ぎ、前記メモリチップ及び前記コントローラチップから電気的に分離されている第3のワイヤと、
を具備することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項4】
前記メモリチップが搭載され、接着層を介して前記回路基板の前記第1面上に一部が接続される金属板と、
前記回路基板の前記第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、
を更に備え、
前記第3のワイヤは、一端が前記金属板に接続され、他端が前記回路基板に設けられた前記スルーホール部に接続されることを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第3のワイヤは、一端が前記回路基板の第1の電位が与えられた第1導電部に接続され、他端が前記回路基板の第2導電部に接続されることを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項1】
メモリ回路を含んだメモリチップと、
前記メモリチップを制御するコントローラチップと、
対向する第1面および第2面を有し、前記第1面上に前記コントローラチップが搭載される回路基板と、
前記回路基板の前記第1面上に形成された第1の配線と、
一端が前記メモリチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第1のワイヤと、
一端が前記コントローラチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第2のワイヤと、
前記第1の配線が接続され、前記回路基板の前記第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、
を具備することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記メモリチップが搭載され、接着層を介して前記回路基板の前記第1面上に一部のみが接続される金属板を更に備えることを特徴とする請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
メモリ回路を含んだメモリチップと、
前記メモリチップを制御するコントローラチップと、
対向する第1面および第2面を有し、前記第1面上に前記コントローラチップが搭載される回路基板と、
前記回路基板の前記第1面上に形成された第1の配線と、
一端が前記メモリチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第1のワイヤと、
一端が前記コントローラチップに接続され、他端が前記第1の配線に接続される第2のワイヤと、
前記第1のワイヤの高さよりも高く、前記第1のワイヤを跨ぎ、前記メモリチップ及び前記コントローラチップから電気的に分離されている第3のワイヤと、
を具備することを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項4】
前記メモリチップが搭載され、接着層を介して前記回路基板の前記第1面上に一部が接続される金属板と、
前記回路基板の前記第1面及び第2面を貫通する導電性のスルーホール部と、
を更に備え、
前記第3のワイヤは、一端が前記金属板に接続され、他端が前記回路基板に設けられた前記スルーホール部に接続されることを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第3のワイヤは、一端が前記回路基板の第1の電位が与えられた第1導電部に接続され、他端が前記回路基板の第2導電部に接続されることを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−25540(P2013−25540A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159291(P2011−159291)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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