説明

印刷装置、その制御方法およびプログラム

【課題】ロール紙のカール量を簡単な方法で測定することにより適正なカールの補正を行うことを目的とする。
【解決手段】ロール紙10が収納されたカートリッジ110と、前記カートリッジ110内のロール紙10の先端を検知する検知手段と、前記ロール紙10を回転させて、前記ロール紙10を搬送するための駆動手段と、前記検知手段により前記ロール紙10の先端を検知した後に、前記駆動手段により前記ロール紙10を回転させることにより、前記検知手段により再び前記ロール紙10の先端を検知し、前記ロール紙10の先端を検知してから、再び前記ロール紙10の先端を検知するまでの前記ロール紙10の搬送量に応じて、前記ロール紙10のカール量を判定するカール判定手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感熱記録紙や印画紙などのロール紙を使用する印刷装置、その制御方法およびプログラムに関する。特に、ロール紙のカールを補正する場合に用いられて好適である。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、携帯電話といった画像入力手段を有する機器で撮像された画像データを印刷できる印刷装置が数多く製品化されている。
画像入力手段を有する機器で撮像した写真などの画像データを印刷する印刷装置に採用されている印画方式の一例として、熱転写方式が挙げられる。
【0003】
熱転写方式印刷装置は、染料受容層を表面に有する印画紙を用い、サーマルヘッドの主走査方向に配列された複数個の発熱体を選択的に駆動させることで、インクシートの染料層を印画紙の染料受像層に熱転写させる。同時に印画紙をサーマルヘッドの副走査方向に搬送することで印画紙上にドットライン状の印刷を行い、印画紙上に画像を形成する。
【0004】
昇華型熱転写方式印刷装置は、固体から気体に昇華したインクリボンを印画紙に付着させる方式である。サーマルヘッドに加える熱量と回数の制御を行い、1画素の濃度を変化させることで、滑らかで階調性豊かな画像を表現することができるため写真のプリント出力に適した方式である。
【0005】
また、印画紙は、印刷装置によって多種多様なサイズや材質が使用される。熱転写方式印刷装置には印画紙としてロール紙が利用されることがある。ロール紙はロール状に保存されているため、まき癖がついている。このまき癖をカールという。カールが残ったままで搬送されると、ロール紙に印刷された印画紙をスタックする際にスタック不良が発生する。
【0006】
そこで、印刷装置にはロール紙のカールを除去、軽減するためにロール紙の搬送経路にカール測定機構および補正機構を有するものがある。例えば、特許文献1ではロール紙の接触している板の角度を、直線型ポテンショメータに結合させることで測定する。この角度を用いてロール紙の径を測定し、カール除去量に反映させる技術が開示されている。
また、特許文献2では、高さ方向の変位を測定するレーザ変位計を用いて、シート状体のカール量を測定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−186117号公報
【特許文献2】特開2004−264164号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特に、民生用の印刷装置では特許文献1のポテンショメータや、特許文献2のレーザ変位計などの複雑な機構を有するカール測定機構を具備することは価格面から困難である。一方、カール測定ができない場合、補正機構は一定量の補正しかできない。しかし、ロール紙のカール量は、印刷するロール紙の径、湿度、温度で大きくばらついてしまう。そのため、カールが補正しきれていない印画紙や、補正しすぎた印画紙が用紙スタックに積載されることになる。
【0009】
このような場合、印画紙のカールは積載される高さ方向に発生するので、少量の枚数であっても、用紙スタックの積載量が満載の状態になってしまう。このような状況で印刷を続行すると印刷中の印画紙と用紙スタックに積載された印画紙とが接触して、印画紙が散乱したり、印画紙が排紙口に逆流し、用紙ジャムが発生したりする。そのため、印刷装置が印刷続行することができなくなるおそれがある。
【0010】
また、印刷品質という点で見ても、カールが補正しきれていない印画紙やカールを補正しすぎた印画紙は、見栄えが悪化する。すなわち、各カール量に適した動的な補正を可能にするためにもコスト高を招かない簡単な構成でカール量を測定する方法が望まれていた。
【0011】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、ロール紙のカール量を簡単な方法で測定することにより適正なカールの補正を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ロール紙が収納されたカートリッジと、前記カートリッジ内のロール紙の先端を検知する検知手段と、前記ロール紙を回転させて、前記ロール紙を搬送するための駆動手段と、前記検知手段により前記ロール紙の先端を検知した後に、前記駆動手段により前記ロール紙を回転させることにより、前記検知手段により再び前記ロール紙の先端を検知し、前記ロール紙の先端を検知してから、再び前記ロール紙の先端を検知するまでの前記ロール紙の搬送量に応じて、前記ロール紙のカール量を判定するカール判定手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ロール紙のカール量を簡単な方法で測定することにより適正なカールの補正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】印刷装置およびカートリッジの外観構成を示す図である。
【図2】印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図3】印刷装置を側面から見た断面図である。
【図4】印刷装置の排紙部および用紙スタックの断面図である。
【図5】印刷装置における印刷設定から印刷終了までの処理を示すフローチャートである。
【図6】印刷装置におけるカール量の測定の処理を示すフローチャートである。
【図7】印刷装置におけるカール量を測定する動作の変移を示す断面図である。
【図8】カール量によりロール紙の先端が移動するときの軌道を示す図である。
【図9】回転量とカール量との関係および回転量と印刷枚数との関係を示す図である。
【図10】カール補正機能の動作を示す図である。
【図11】印刷装置における印刷処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷装置100および印刷装置100に用いられるカートリッジ110の外観構成を示す図である。
図1に示すように、印刷装置100は、その側面が開閉しカートリッジ110を矢印A方向に着脱可能(装着可能/取り出し可能)なハウジング101を備えている。ハウジング101の上部には、表示部102と操作部103とが配置されている。表示部102はLCDなどの表示画面から構成され、画像データの表示や印刷に必要な設定データを入力するためのメニューの表示を行う。操作部103は、印刷装置100の電源のON/OFFを指示する電源ボタン104と、表示部102に表示された各種メニューを選択するための決定ボタン105とを備える。更に、決定ボタン105の周囲には、表示部102に表示されたカーソルを所望の位置に移動させるための左右キー106と、上下キー107とが配置されている。
【0016】
カートリッジ110には、インクが塗布されているインクリボン(不図示)と、印画紙としてのロール紙10(ローラに巻き回された帯状の記録媒体)とが収納されている。また、カートリッジ110を印刷装置100に装着する前の状態では、ロール紙10はハウジング111により密閉された構成となっており、使用者がロール紙10に直接触れることがない構成となっている。なお、本実施形態のカートリッジ110のハウジング111は、透明な材質で形成され、ロール紙10がハウジング111内に装着されているかを確認できる。印刷時にはロール紙10がカートリッジ110から引き出され、インクリボンに塗布されたインクを印刷装置100の後述するサーマルヘッドによりロール紙に転写することで、印刷が行われる。
【0017】
熱転写方式印刷装置で一般的に使用されるインクリボンは、基材上に画像を形成するイエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色の昇華性染料層が順に配置され、最後に画像形成層を保護するためのオーバーコート層が配置されている。オーバーコート層としては、熱溶融性の樹脂製材料クリア層が用いられる。また、各色のインクリボンおよびオーバーコート層のそれぞれの間には、インクリボンの頭出し位置検出用マーカが配置されている(先頭のY色マーカは二重線となっている)。ただし、モノクロ画像専用などの特色系インクリボンの構成はこの限りではない。
【0018】
一つの画像を形成するために、Y色、M色、C色の3色の染料層およびオーバーコート層の保護層を一組として、順次ロール紙10へと熱転写処理が行われる。したがって、インクリボンカートリッジ内のインクリボンには、印刷可能な枚数分だけY色、M色、C色およびオーバーコート層が繰り返し配置されている。
【0019】
図1において、112はロール紙10が巻き回されたローラである。ローラ112は、カートリッジ110を印刷装置100に装着した際には、印刷装置100が有する給紙モータの回転機構と結合され、印刷装置100によって回転が制御される。113、114は、それぞれインクリボンの供給ローラの回転軸および巻き取りローラの回転軸である。巻き取りローラの回転軸114は、カートリッジ110を印刷装置100に装着した際には、印刷装置100が有するインクリボン巻上げモータの回転機構と結合され、印刷装置100によって回転が制御される。
115はロール紙10に印刷された印画紙である。図1に示すように、印画紙115は、印刷装置100によって印刷された後、用紙スタックに積載される。
【0020】
次に、印刷装置100の構成について図2を参照して説明する。図2は印刷装置100の内部構成を示すブロック図である。
図2において、201は印刷装置100全体を制御するメインコントローラである。メインコントローラ201はコンピュータであって、システム制御および各種プログラムに従った演算処理を行う。具体的には、メインコントローラ201は、画像データに加工処理を施し、印刷処理に必要な画像データを生成する。
【0021】
213は画像データ入力部である。画像データ入力部213は印刷装置100に具備されるカードスロットに挿入されたメモリカードから画像データを読み出す。画像データ入力部213は印刷装置100の入出力I/FであるUSB Aコネクタ端子(不図示)とデジタルカメラのUSB mini−Bコネクタ端子(不図示)をケーブルで接続し画像データを読み出すことも可能である。この場合、印刷装置100側がホスト機器として機能し、デジタルカメラ側から印刷操作を行うことが可能である。また、印刷装置100の入出力I/FであるUSB Bコネクタ端子とPC(Personal Computer)を接続することで、印刷装置100側がデバイス機器として機能し、PC側から印刷操作を行うことが可能である。
【0022】
216はサーマルヘッドである。サーマルヘッド216は主走査方向に配置された発熱体(不図示)が発熱することにより、インクリボンに塗布されたインクを昇華させ、ロール紙10上に印刷する。215はサーマルヘッド216に内蔵される発熱体を駆動させるヘッド駆動回路である。メインコントローラ201に接続されたドライバコントローラ214が、ビットマップ形式で記録された画像データを用いてヘッド駆動回路215を制御することで印刷が行われる。
【0023】
205は駆動モータ206、207を駆動するためのロール紙搬送モータドライバである。駆動モータ206、207は回転機構を介して、後述するカール補正ローラやグリップローラ、排紙ローラ、排紙蹴りだしローラなどに結合されており、これらのローラを駆動させることによりロール紙10を搬送する。
208は給紙モータドライバであり、給紙モータ209の回転を制御する。カートリッジ110が装着された状態においては、給紙モータ209でロール紙10が巻き回され、ローラ112や後述する給紙ローラと回転機構を介して結合され、給紙モータドライバ208によりローラ112や給紙ローラの回転駆動が制御される。
【0024】
210はカッターモータドライバである。カッターモータドライバ210はカッターユニットを構成するカッター刃およびカッター受け刃を駆動するカッターモータ211を制御することで、ロール紙10の切断を行う。
202はロール紙先端検知センサである。ロール紙先端検知センサ202はカートリッジ110内のロール紙10が回転したときに、カートリッジ110内のロール紙10の先端を検知する検知手段として機能する。検知手段としては、例えばメカニカルスイッチや赤外線式反射型センサを用いることができる。
【0025】
203はロール紙検出センサである。ロール紙検出センサ203はカートリッジ110内に収容されたロール紙10が押し出され、先端がカートリッジ出口から排出されたことを検出する。
204はロール紙頭出しセンサである。ロール紙頭出しセンサ204はサーマルヘッド216に対向して設けられるプラテンローラの後方に配置され、印刷開始時に、カートリッジ110から引き出されたロール紙10の先端がプラテンローラの後方を通過したことを検出する。
【0026】
212は表示制御部である。表示制御部212は印刷する画像データや印刷に必要な設定データを入力するためのメニューを表示部102に表示するための制御を行う。操作部103は、図1で上述したように使用者からの様々な指示を受けるためのボタンなどである。
なお、図2では図示していないが、印刷装置100には、動作に必要な電力を供給するための電源回路および各種IC、電気素子を実装した回路基板などが装置内に格納されている。
【0027】
次に、印刷装置100が印刷処理を行う際に動作する各部の構成について図3を参照して説明する。図3は、印刷装置100にカートリッジ110が装着された状態を、印刷装置100の側面から見た断面図である。なお、上述において既に説明した構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
図3において、301はカートリッジ110に収容されたロール紙10が印刷時に印刷位置311まで引き出される場合に通過する用紙搬送路である。302はロール紙10がカートリッジ110から引き出されるときのカートリッジ出口である。ローラ112に巻き回されていたロール紙10は分離部材314により引き剥がされることで、用紙搬送路301を通過した後、カートリッジ出口302からカートリッジ110外部に引き出される。
【0028】
303a、303bはカール補正ローラおよびカール補正従動ローラである。カール補正ローラ303aおよびカール補正従動ローラ303bはロール紙10のカールを矯正する。304a、304bはピンチローラおよびグリップローラである。ピンチローラ304aおよびグリップローラ304bはロール紙10を介して対向する位置に配置され、ロール紙10の表裏面を挟持する。図3に示すような側面方向から見て、ピンチローラ304aが左回りに回転し、グリップローラ304bが右回りに回転することで、カートリッジ110から引き出されたロール紙10が印刷位置311に向かって搬送される。
なお、カートリッジ110が印刷装置100に装着された状態では、印刷位置311に対応する位置で、インクリボン315を覆っていたカートリッジ110のハウジングが取り除かれ、インクリボン315がカートリッジ110外部に露出した状態となる。
【0029】
305はプラテンローラである。プラテンローラ305は印刷位置311においてサーマルヘッド216との間で、インクリボン315とロール紙10とを重畳させた状態を維持する。312はヘッド位置規定部材である。ヘッド位置規定部材312は昇降を行うヘッドアップダウンモータ(不図示)の制御機構に連動されている。
306は排紙ローラである。排紙ローラ306はロール紙10を排紙方向に搬送する。307は排紙蹴りだしローラである。排紙蹴りだしローラ307は凹凸部を備え、ロール紙10に印刷され切断されることで形成された印画紙を用紙スタック319に送り出す。排紙ローラ306と排紙蹴りだしローラ307とは、ロール紙10を介して対向する位置に配置され、ロール紙10の表裏面を挟持する。
【0030】
308はカッターモータ211の動作をカッターユニットに伝達するギア列である。309、310はカッターユニットを構成するカッター刃とカッター受け刃である。カッター刃309とカッター受け刃310はロール紙10の用紙搬送路を挟んで、対向する位置に配置されている。カッター刃309とカッター受け刃310は、ギア列308により駆動され、はさみ状に各刃が擦り合わされることにより、ロール紙10を切断する。
316は、付勢手段としての給紙用バネである。317は、ロール紙10を搬送するための給紙ローラであり、印刷時にロール紙10に当接した状態で給紙モータ209の回転に応じて回転可能となる。給紙用バネ316はカートリッジ110のローラ112を給紙ローラ317側に向かって付勢している。ローラ112を付勢することでロール紙10の外周が給紙ローラ317に圧接され、ロール紙10が給紙ローラ317の回転により給紙方向(正方向)または逆方向に搬送される。なお、ロール紙10の外周と給紙ローラ317とを圧接する構成は、この場合に限られず、給紙ローラ317をロール紙10のローラ112側にバネなどを用いて圧接したり解除したりする構成であってもよい。
【0031】
次に、ロール紙にカール補正が適正にされた場合とカール補正が適正にされなかった場合とで、用紙スタックに印画紙が積載される状態について図4を参照して説明する。図4は印刷装置の排紙部および用紙スタックの断面図である。
図4において、カッターユニットにより切断されたロール紙は排紙ローラ306と排紙蹴りだしローラ307により排紙口318から送り出され、印画紙401として用紙スタック319に順次積載されていく。印画紙が積載された状態での用紙スタック319の背面から一番上に積載されている印画紙までの高さHが用紙積載高である。
【0032】
カール補正を適正にできない場合、図4(b)に示すようにカールが補正しきれていない印画紙402、カールと補正量が一致し平坦化された印画紙403、カールが補正しすぎている印画紙404が混在して積載される。したがって、少量の枚数の印画紙で用紙スタック319が満載状態になってしまう。
一方、各カール量に動的なカール補正が適正にされている場合、図4(a)に示すように、全ての印画紙401が一律に平坦化され、用紙積載高Hに応じた最大枚数の印画紙を積載することが可能である。
【0033】
次に、印刷装置100による印刷設定から印刷終了までの処理動作について図5のフローチャートを参照して説明する。図5に示すフローチャートの処理は、メインコントローラ201がメモリなどに格納されているプログラムを実行することにより実現する。また、図5に示すフローチャートの処理は、電源ボタン104により印刷装置100の電源のONされたときに開始される。
【0034】
まず、使用者が表示部102を見ながらメニュー画面の印刷設定を選択すると、メインコントローラ201が画像データ入力部213から画像データを読み出し、画像データのサムネイルを表示部102に一覧表示する。次に、使用者は操作部103の上下キー107、左右キー106を用いて画像データの一覧表示から印刷対象の画像データを選び、決定ボタン105を押下して決定する。また、使用者は印刷枚数も操作部103を用いて表示部102を見ながら設定する。使用者は印刷対象の画像データを全て選択した後に、表示部102に表示された印刷アイコン(不図示)を選択し、決定ボタン105を押下する。メインコントローラ201は、使用者により決定された印刷設定をメモリなどに記憶する(ステップS501)。
【0035】
印刷設定が決定された後、メインコントローラ201はカートリッジ110内のロール紙10のカール量を測定する(ステップS502)。
メインコントローラ201は測定したカール量からロール紙10のカール補正量を設定する(ステップS503)。例えばカール量とカール補正量との対応表が予めメモリに格納され、メインコントローラ201はその対応表に基づいて測定したカール量に対応するカール補正量をロール紙10のカール補正量として決定する。具体的には、カール量が大きい場合はカール補正量を大きくし、カール量が小さい場合はカール補正量を小さくする。
【0036】
メインコントローラ201は設定したカール補正量を反映させて印刷処理を行う(ステップS504)。
メインコントローラ201は印刷した枚数と印刷設定枚数とを比較して、全枚数の印刷が終了したか否かの判断を行う(ステップS505)。印刷設定枚数を全て印刷している場合、印刷を終了する。
複数枚の印刷を連続で行う場合、連続印刷中にロール紙10が消費され印刷する部分のロール紙10の径が小さくなるため、カール量が大きくなる。したがって、規定印刷枚数(N枚)ごとにカール量を再測定し、カール補正量を再調整する必要がある。そのため、ステップS505で全ての印刷が終了していない場合、メインコントローラ201は規定印刷枚数に対する剰余の印刷枚数を計算する(ステップS506)。規定印刷枚数としては、例えば5枚や10枚を設定することができる。
【0037】
剰余が0の場合、ステップS502に戻り、メインコントローラ201は再度カール量を測定する。この処理は、印刷枚数が複数枚の場合、規定印刷枚数N枚ごとにカール量を測定し直し、カール補正量を再調整するためである。一方、剰余が0ではない場合、ステップS504に戻り、設定したカール補正量のまま印刷処理を行う。
なお、連続印刷を継続させる場合、カール量が所定量以上になったとき規定印刷枚数Nを減少させるように構成してもよい。すなわち、例えば印刷を開始した当初において規定印刷枚数Nが10枚であったのをカール量が所定量以上になったとき、メインコントローラ201は規定印刷枚数Nを5枚に減少させるようにしてもよい。このように処理するのは、ロール紙10のカール量が所定量以上になると、カール量の変化量が大きくなるためである。
【0038】
また、図5のフローチャートは、電源ボタン104により印刷装置100の電源のONされたときに開始される場合について説明したが、この場合に限られない。すなわち、使用者がカートリッジ110にロール紙10を新たに装着したり交換したりした後、カートリッジ110を印刷装置100に装着したときに処理が開始される。この場合、メインコントローラ201は、ステップS501を省略し、すぐにステップS502およびステップS503の処理を行い、使用者による印刷の指示を待機することができる。したがって、カートリッジ110を印刷装置100に装着させるたびに行われるため、カートリッジ110にカール量が異なるロール紙10が装着された場合でも、装着されたロール紙10におけるカール量を逐次、測定することができる。
【0039】
次に、ステップS502においてカール量を測定する処理について、図6に示すフローチャートおよび図7を参照して説明する。図6に示すフローチャートの処理は、メインコントローラ201がメモリなどに格納されているプログラムを実行することにより実現する。図7はカール量測定時のカートリッジ内のロール紙と給紙ローラの断面図であり、カール量を測定する動作の変移を示している。
【0040】
まず、メインコントローラ201は給紙ローラ317が圧接状態か否かを判断する(ステップS601)。給紙ローラ317が圧接状態の場合、図7(a)に示すようにロール紙10が給紙状態であり、ステップS603の処理に進む。
給紙ローラ317が圧接状態ではない場合、メインコントローラ201は給紙用バネ316を用いて給紙ローラ317を圧接状態にする(ステップS602)。この処理により、ロール紙10の外周と給紙ローラ317とが圧接され、メインコントローラ201はロール紙10を搬送できる状態となる。
メインコントローラ201は図7(b)に示すように給紙ローラ317を矢印B方向に回転させ、カートリッジ110外部に一部引き出されているロール紙10をカートリッジ110内に引き戻す(ステップS603)。ロール紙10がカートリッジ110に引き戻される場合、給紙ローラ317は給紙方向(正方向)の回転と逆回転となる。
【0041】
メインコントローラ201はロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知したか否かを判断する(ステップS604)。図7(c)に示すように、ロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知した場合、メインコントローラ201はロール紙10の引き戻しを終了する。ロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知することで、メインコントローラ201はロール紙10がカートリッジ110内に収納されたと判断する。なお、本実施形態のロール紙先端検知センサ202はロール紙10の先端の通過を検知する反射型フォトセンサである。ロール紙先端検知センサ202はロール紙10の先端が通過するときの用紙段差による反射率の低下を検出して、ロール紙10の先端が通過したことを検知する。
【0042】
次に、メインコントローラ201は給紙ローラ317を更に逆回転させる。この給紙ローラ317の回転方向はロール紙10をカートリッジ110内に引き戻したときの回転方向と同方向である。すると、図7(d)から図7(e)に示すように、ロール紙10の先端が給紙ローラ317とローラ112との間を抜け、給紙ローラ317とローラ112とによる圧接状態から解除される。したがって、ロール紙10の先端がカートリッジ110内で自由な状態になりロール紙10の応力により広がる。なお、メインコントローラ201は給紙ローラ317を更に逆回転させる前に、給紙用バネ316による付勢を解除し、ロール紙10の外周と給紙ローラ317とが圧接された状態を解除する処理を行ってもよい。このように、ロール紙10の外周と給紙ローラ317とが圧接された状態を解除することで、ロール紙10がカートリッジ110内で広がるのを補助することができる。
【0043】
メインコントローラ201は、図7(e)、(f)に示すように、継続して給紙ローラ317を逆回転させ、ロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知したか否かを判断する(ステップS605)。図7(g)に示すように、ロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知した時点で、メインコントローラ201は給紙ローラ317の回転を停止する(ステップS606)。ロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知することで、メインコントローラ201はロール紙10の先端が後述するカール量の計測開始位置にあると判断する。すなわち、図7(g)に示す状態が、カール量の計測開始位置である。
【0044】
次に、メインコントローラ201は図7(g)から図7(h)に示すように給紙ローラ317を給紙方向である矢印C方向に正回転させる(ステップS607)。このとき、ロール紙10の外周が給紙ローラ317に圧接された状態のままである場合、メインコントローラ201はロール紙10の圧接された状態を解除する処理を行ってもよい。ロール紙10の圧接された状態を解除した状態でロール紙10を搬送させることで、ロール紙10はカートリッジ110内でカール量に応じて広がるのを補助することができる。ステップS607と同時に、メインコントローラ201は給紙ローラ317の回転量の計測を開始する(ステップS608)。例えば、給紙ローラ317を回転させる給紙モータ209がステッピングモータの場合、ステップ数を計測し、DCモータの場合、時間を計測する。給紙ローラ317が正回転することで、ロール紙10の先端はカール量に応じて広がりながらローラ112周りを回転して給紙ローラ317に戻り、下方から給紙ローラ317とローラ112との間に挟持される。
【0045】
メインコントローラ201は更に継続して給紙ローラ317を正回転させ、ロール紙10の先端が給紙ローラ317とローラ112との間を上方に抜け、ロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知したか否かを判断する(ステップS609)。図7(i)に示すように、ロール紙先端検知センサ202がロール紙10の先端を検知した時点でメインコントローラ201は給紙ローラ317の回転を停止し、回転量の測定を終了する(ステップS610)。
メインコントローラ201はステップS608からステップS610までで測定した給紙ローラ317の回転量をメモリなどに記憶する(ステップS611)。
【0046】
次に、上述したように計測した給紙ローラの回転量に基づいて、ロール紙10のカール量を計測する場合について図8および図9を参照して説明する。図8(a)はカール量が小さいときのロール紙の先端の軌道であり、図8(b)はカール量が大きいときのロール紙の先端の軌道である。図9(a)はカール量と給紙ローラの回転量の関係を示す図であり、図9(b)は印刷枚数と給紙ローラの回転量との関係を示す図である。
【0047】
カール量が小さい場合、ロール紙10は平坦に戻ろうとする応力が働くため、ロール紙がカートリッジ110内の内周面に張り付くような状態となる。したがって、ステップS608からステップS610までの処理で説明したようにロール紙10の先端がカートリッジ110内で一周するときに、図8(a)に示すように、ロール紙10の先端がカートリッジ110の外周に近い状態の軌道Taで一周する。
一方、カール量が大きい場合、ロール紙10はまき癖の影響で、丸まろうとする応力が働くため、ロール状態となる。したがって、ステップS608からステップS610までの処理で説明したようにロール紙10の先端がカートリッジ110内で一周するときに、図8(b)に示すように、ロール紙10の先端がローラ112の外周に近い状態の軌道Tbで一周する。
【0048】
図9(a)におけるロール紙20aはカール量が小さい場合を示し、ロール紙20bはカール量が大きい場合を示している。
図9(a)に示すように、カートリッジ110内のロール紙20aのカール量が小さい場合、ロール紙20aの先端がカートリッジ110の外周に近い位置で一周するために、それだけ給紙ローラ317の回転量が大きくなる。すなわち、給紙ローラ317を回転させる給紙モータ209の回転量も大きくなる。
一方、図9(b)に示すように、カートリッジ110内のロール紙20bのカール量が大きくなるにしたがって、ロール紙20bの先端がローラ112の外周に近い位置で一周するために、それぞれ給紙ローラ317の回転量が小さくなる。すなわち、給紙ローラ317を回転させる給紙モータ209の回転量も小さくなる。
【0049】
なお、測定した給紙ローラ317の回転量とは、ロール紙10を搬送した搬送量と同等である。したがって、メインコントローラ201は、メモリなどに格納している図9(a)に示すカール量と給紙ローラ317の回転量の関係を示すテーブルから、給紙ローラ317の回転量、すなわちロール紙10の搬送量に対応するカール量を判定する。したがって、メインコントローラ201は、カール判定手段として機能する。メインコントローラ201は、判定したカール量を上述した図5のフローチャートに示すステップS503に用いるためにメモリなどに記憶する。
【0050】
また、印刷枚数によってもカール量が変化していく。ここでは、印刷枚数と給紙ローラの回転量との関係について図9(b)を参照して説明する。
図9(b)におけるロール紙30aは印刷枚数が少なく残量が多い場合を示し、ロール紙30bは印刷枚数が増し残量が少ない場合を示している。特性線Raは、通常のロール紙における印刷枚数と給紙ローラの回転量との推移を示している。
特性線Raに示すように、通常のロール紙の場合、平坦に戻ろうとする応力が働き、ロール紙の先端はカートリッジ110内の外周に近い位置で回転する。すなわち、給紙ローラ317の回転量は残量が多い場合と少ない場合とで比べて大きく変化しない。
【0051】
一方、図9(b)におけるロール紙30cは長時間高湿度で保存され、残量が少ない場合を示している。特性線Rbは、長時間高湿度で保存されたロール紙における印刷枚数と給紙ローラの回転量との推移を示している。
長時間高湿度で保存されていたロール紙は、ロール状態で吸湿した後、乾燥するので、ロール状態で形状が固定してしまい、ロール紙の内径にいくほど、カール量が大きくなる。
したがって、特性線Rbに示すように、ロール紙の残量が少なくなると、ロール紙30cがローラ112の外周に近い位置で回転するので、給紙ローラ317の回転量が少なくなる。
このように印刷枚数によってカール量が変化するロール紙を使用する場合も想定し、逐次適正な補正を行うために、上述したステップS506で説明したように、連続印刷時は規定印刷枚数ごとにカール量を再測定する。
【0052】
次に、上述したように、測定したロール紙のカール量に基づいて、カール補正する印刷装置の動作について図10に示すカール補正機構の一例を参照して説明する。図10は、図3における給紙部分の拡大図である。なお、カール補正機構はデカール手段として機能する。
本実施形態に係るカール補正機構は、カートリッジ出口302に隣接して配置されたカール補正従動ローラ303bがカートリッジ出口302から排出しているロール紙10に対して近接したり離間したりできるように可動式に構成されている。
ロール紙10のカール量が小さくカール補正量を小さくする場合、図10(a)に示すように、メインコントローラ201はカール補正従動ローラ303bを破線で示す位置から実線で示す位置に移動し、ロール紙10を屈曲させる角度αを大きくする。
ロール紙10のカール量が大きくカール補正量が大きくする場合、図10(b)に示すように、メインコントローラ201はカール補正従動ローラ303bを破線で示す位置から実線で示す位置に移動し、ロール紙10を屈曲させる角度αを小さくする。
【0053】
このように、給紙ローラ317の回転量からロール紙10のカール量を測定し、測定したカール量に応じて、カール補正従動ローラ303bの位置を可変し、ロール紙10に対するカール量を最適化することで、印画紙を一定に平坦化することが可能になる。
【0054】
なお、カール補正機構として、上述した機構に限られない。例えば、ロール紙10がカール補正機構を通過するときの搬送速度を調節することによってもカール補正を行うカール補正機構を採用することもできる。すなわち、ロール紙10の搬送速度を遅くすることでよりカール補正量を大きくし、搬送速度を速くすることでカール補正量を小さくすることができる。
また、例えば、カール補正従動ローラ303bの位置を固定したまま、カール補正従動ローラ303b自体の回転抵抗を変更させることによってもカール補正を行うカール補正機構を採用することもできる。カール補正従動ローラ303bの回転抵抗を大きくすることでカール補正量を大きくし、回転抵抗を小さくすることでカール補正量を小さくすることができる。
【0055】
次に、図5のフローチャートに示すステップS504の画像データの印刷処理について図11のフローチャートを参照して説明する。図11に示すフローチャートの処理は、メインコントローラ201がメモリなどに格納されているプログラムを実行することにより実現する。
まず、メインコントローラ201は給紙ローラ317を圧接状態にする(ステップS1101)。上述したカール量を測定する処理において、ロール紙10の外周と給紙ローラ317とが圧接された状態を解除していた場合、ステップS1101の処理により、ロール紙10の外周と給紙ローラ317とが圧接された状態に移行する。
【0056】
メインコントローラ201は給紙モータ209を用いて給紙ローラ317を回転駆動し、ロール紙10を引き出し、ピンチローラ304aおよびグリップローラ304bまで搬送する(ステップS1102)。
メインコントローラ201は駆動モータ206、207を介して、ピンチローラ304aおよびグリップローラ304bを用いて、ロール紙10を搬送する(ステップS1103)。駆動モータ206、207がステッピングモータの場合、駆動モータ206、207はロール紙搬送モータドライバ205から送り出されるパルス信号のステップ数だけ回転駆動する。本実施形態では、パルス信号3ステップで0.0845mmの用紙送りを実現している。
【0057】
メインコントローラ201はピンチローラ304aおよびグリップローラ304bにより搬送されてきたロール紙10の先端をロール紙検出センサ203を介して検出する(ステップS1104)。
メインコントローラ201はロール紙10の画像の書き出し位置がサーマルヘッド216に移動するまで定められたステップ数分だけロール紙10を搬送する(ステップS1105)。すなわち、ロール紙10の先端を検出した後は、メインコントローラ201は、駆動モータ206、207をオープン・ループで制御する。
【0058】
メインコントローラ201はリボン巻き取りローラの回転軸114を巻き取り、Y色インクリボンの頭出しを行う(ステップS1106)。メインコントローラ201はインクリボン頭出し用マーカ検出センサを用いてY色インクリボンの頭出しマーカを検出する。Y色インクリボンの頭出し終了後、メインコントローラ201は用紙搬送およびインクリボン頭出し中、待避していたサーマルヘッド216を、ロール紙10とインクリボン315を挟み込む態様でプラテンローラ305側に圧着する。
【0059】
メインコントローラ201は画像データ入力部213から画像データを読み出し印刷データを生成する。メインコントローラ201は生成された画像データを、サーマルヘッド216を制御するヘッド駆動回路215に転送し、ヘッド制御信号の通電によりサーマルヘッド216に配置された発熱体を発熱する。インクリボンが加熱されることにより、接しているロール紙10へと染料が昇華・定着し、1ラインごとに印刷処理が行われる(ステップS1107)。メインコントローラ201はサーマルヘッド216の通電処理と同期させて、ピンチローラ304aおよびグリップローラ304bを用いてロール紙10を搬送する。例えば、L判サイズの場合、1000ステップ分、ロール紙10を搬送し、画像を形成する。ステップS1107の処理によって、ロール紙10の染料受容層にイエロー(Y)色の昇華性染料層が形成される。
【0060】
メインコントローラ201はY色の印刷処理終了後にサーマルヘッド216を待避させて、ロール紙10の画像の書き出し位置がサーマルヘッド216の発熱体に移動するまでロール紙10を戻す(ステップS1108)。すなわち、L判サイズの場合、ピンチローラ304aおよびグリップローラ304bを印刷処理時とは逆方向に1000ステップ分回転させて、ロール紙10を引き戻す。
【0061】
メインコントローラ201はステップS1106と同様、リボン巻き取りローラの回転軸114を巻き取り、M色インクリボンの頭出しマーカを検出して、M色インクリボンの頭出しを行う(ステップS1109)。
メインコントローラ201はY色で形成された画像と重なるようにステップS1107と同様、M色インクリボンで印刷処理を行う(ステップS1110)。ステップS1110の処理によって、ロール紙10の染料受容層にマゼンタ(M)色の昇華性染料層が形成される。
【0062】
メインコントローラ201はステップS1108と同様、画像の書き出し位置までロール紙10を戻す(ステップS1111)。
その後のC色の印刷処理(ステップS1112〜S1114)は、M色の印刷処理(ステップS1109〜S1111)と同様であり、その説明を省略する。ステップS1114までの処理によって、ロール紙10の染料受容層にシアン(C)色の昇華性染料層が形成される。
【0063】
メインコントローラ201はインクリボンのオーバーコート層の頭出しを行う(ステップS1115)。続いて、メインコントローラ201はサーマルヘッド216の発熱体を発熱させ、透明な保護層としてのオーバーコート層(樹脂製材料クリア層)をロール紙10表面に形成する。なお、L判サイズの場合、オーバーコート層の形成は、画像書き出し位置から1000ステップ分ロール紙10を搬送した位置で終了する(ステップS1116)。
【0064】
その後、メインコントローラ201はカッター刃309とカッター受け刃310を用いて所定のサイズにロール紙10を切断する(ステップS1117)。
メインコントローラ201は排紙ローラ306と排紙蹴りだしローラ307を用いて、切断したロール紙10を印画紙として、用紙スタック319に排紙する。
【0065】
このように、本実施形態によれば、カードリッジ内でロール紙を回転させ、ロール紙の搬送量に応じてロール紙のカール量を判定することで、カール量を測定する専用の装置を追加することなく、簡単な方法でカール量を測定することができる。また、印刷前にロール紙のカール量を測定し、カール量に応じた補正をすることで、ロール紙に応じたカールの補正が行われる。このとき、所定のタイミングでカール量を測定することで、残量が異なるロール紙であったり、高湿度で保存されたロール紙であったりしても、常に平坦化された印画紙を排紙することができる。したがって、印画紙を用紙スタックに多く積載させることができると共に、印画紙の品質を向上させることができる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは各種記憶媒体を介して印刷装置に供給し、メインコントローラがプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0067】
10:ロール紙 100:印刷装置 102:表示部 103:操作部 111:カートリッジ 112:ローラ 113:リボン供給ローラの回転軸 114:リボン巻き取りローラの回転軸 201:メインコントローラ 202:ロール紙先端検知センサ 203:ロール紙検出センサ 216:サーマルヘッド 301:用紙搬送路 302:カートリッジ出口 303a:カール補正ローラ 303b:カール補正従動ローラ 304a:ピンチローラ 304b:グリップローラ 305:プラテンローラ 306:排紙ローラ 306:排紙蹴りだしローラ 308:ギア列 309:カッター刃 310:カッター受け刃 311:印刷位置 312:ヘッド位置規定部材 315:インクリボン 316:給紙用バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール紙が収納されたカートリッジと、
前記カートリッジ内のロール紙の先端を検知する検知手段と、
前記ロール紙を回転させて、前記ロール紙を搬送するための駆動手段と、
前記検知手段により前記ロール紙の先端を検知した後に、前記駆動手段により前記ロール紙を回転させることにより、前記検知手段により再び前記ロール紙の先端を検知し、前記ロール紙の先端を検知してから、再び前記ロール紙の先端を検知するまでの前記ロール紙の搬送量に応じて、前記ロール紙のカール量を判定するカール判定手段と、を有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記駆動手段は、正方向と逆方向に前記ロール紙を回転可能であり、前記カール判定手段により前記ロール紙のカール量を判定する前に、前記ロール紙の先端を該印刷装置の印刷位置に搬送する方向とは逆の方向に回転させることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記カートリッジは、該印刷装置に対して着脱可能であり、
前記カール判定手段は、前記カートリッジが装着されたことに応じて、カール量を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記駆動手段により回転されることにより、前記ロール紙を搬送する給紙ローラと、
前記ロール紙の外周と前記給紙ローラとを圧接させる圧接手段と、を有し、
前記駆動手段は、前記圧接手段により前記ロール紙の外周と前記給紙ローラとを圧接させた状態で前記給紙ローラを回転させることにより、前記ロール紙を回転させることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記カール判定手段によりカール量を判定する前に、前記圧接手段による前記ロール紙の外周と前記給紙ローラとの圧接を解除する制御手段を有することを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記ロール紙のカールを補正するデカール手段と、
前記カール判定手段により判定したカール量に応じて、前記デカール手段によるカール補正量を決定する決定手段と、を有することを特徴とする請求項1ないし5の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記カール判定手段は、連続した印刷をする場合に、規定印刷枚数ごとにカール量を判定することを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記カール判定手段により判定されたカール量が所定量以上の場合、
前記カール判定手段は、前記規定印刷枚数から減少させた規定印刷枚数ごとにカール量を判定することを特徴とする請求項7に記載の印刷装置。
【請求項9】
ロール紙が収納されたカートリッジと、
前記カートリッジ内のロール紙の先端を検知する検知手段と、
前記ロール紙を回転させて、前記ロール紙を搬送するための駆動手段と、を有する印刷装置の制御方法であって、
カール判定手段が、前記検知手段により前記ロール紙の先端を検知した後に、前記駆動手段により前記ロール紙を回転させることにより、前記検知手段により再び前記ロール紙の先端を検知し、前記ロール紙の先端を検知してから、再び前記ロール紙の先端を検知するまでの前記ロール紙の搬送量に応じて、前記ロール紙のカール量を判定するカール判定ステップを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項10】
ロール紙が収納されたカートリッジと、
前記カートリッジ内のロール紙の先端を検知する検知手段と、
前記ロール紙を回転させて、前記ロール紙を搬送するための駆動手段と、を有する印刷装置を制御するためのプログラムであって、
前記検知手段により前記ロール紙の先端を検知した後に、前記駆動手段により前記ロール紙を回転させることにより、前記検知手段により再び前記ロール紙の先端を検知し、前記ロール紙の先端を検知してから、再び前記ロール紙の先端を検知するまでの前記ロール紙の搬送量に応じて、前記ロール紙のカール量を判定するカール判定ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−112507(P2013−112507A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262683(P2011−262683)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】